JP3746740B2 - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給機、ガスタービン、産業用圧縮機等に用いられる遠心圧縮機に係り、一層詳細には、翼付きディフューザを具備する遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種遠心圧縮機の1例が図6に示され、同図(a)は略示的縦断面図、同図(b)は同図(a)のB−B線断面図、同図(c)は翼の部分的斜視図、同図(d)は同図(b)及び同図(c)のD−D線断面図である。
【0003】
回転軸1を駆動すると、羽根車2が回転し、ガスが羽根車2に吸い込まれて付勢されることによってその圧力及び速度エネルギーが増大する。このガスはディフューザ3及びスクロール4を流過する過程でその速度エネルギーが圧力に変換されることにより更に昇圧して図示しない吐出口から吐出される。
【0004】
ディフューザ3は円板状のシュラウド側壁面31、これに平行するハブ側壁面32と、これらの間に架設された複数の翼33とからなる。これら翼33は所謂2次元翼で、その断面形状は、図6の(b),(c),(d)に示すように、翼33の全翼高さHに亙って一定で、翼形又は楔形をなしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディフューザ3における翼33の入口角αB と流れ角α(流体の流線が翼列線となす角)の翼高さH方向に沿う変化が図7に示されている。図7から明らかなように、入口角αB は全翼高さHに亙って一定であるのに対し、流れ角αはシュラウド側壁面31に近付くに従って小さくなるとともに小さい領域が広い。
【0006】
従って、流れ角αと翼入口角αB との差、即ち、入射角iが大きい領域が広いため、入口の衝突損失や前縁でのはく離により、効率が低下するという問題があった。また、ディフューザ3を流過するガス流量が減少すると、入射角iが更に増大し、ディフューザ3の失速ひいてはサージングを惹起するおそれがあり、作動範囲も減少するという問題もあった。
【0007】
この対策として、パイプディフューザなどが用いられるが、製作コストが高い等の欠点があり、簡便な対策が求められている。そこで、本出願人により、特願平8−250895号で容易に製作が可能なディフューザを提案していいるが、本発明はこれと手段を異にして新たに提案するものである。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑み提案されたもので、ディフューザの高効率化と作動範囲の拡大が図れる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するための本発明に係る遠心圧縮機は、シュラウド側壁面とハブ側壁面とこれらの間に架設された複数の翼とからなるディフューザを具備する遠心圧縮機において、
前記翼の入口角を、同入口角の異なる2次元翼を翼高さ方向に組み合わせて、シュラウド側とハブ側で異ならせたことを特徴とする。
【0011】
また、前記シュラウド側の入口角をハブ側の入口角より5〜25°小さくしたことを特徴とする。
【0012】
また、前記翼高さの40%を越えるシュラウド側のみ前記入口角を異ならせることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遠心圧縮機を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例を示すもので、同図(a)は遠心圧縮機のディフューザ部の断面図、同図(b)は同図(a)のC−C矢視図、図2は異なった翼形状の説明図である。
【0015】
図1に示すように、羽根車2のガス出口部にはディフューザ4が設けられ、このディフューザ4はシュラウド側壁面41と、ハブ側壁面42と、これらの間に架設された複数の翼43とによって構成されている。
【0016】
そして、前記翼43の入口角をシュラウド側とハブ側で異ならせている。図示例では、前記シュラウド側の入口角αisをハブ側の入口角αihより5〜25°小さく設定している(αih−αis=5〜25°)。
【0017】
また、前記シュラウド側の翼弦長をハブ側の翼弦長より長く設定している。図示例では、前記シュラウド側の翼弦長(Ro −Ris)はハブ側の翼弦長(Ro −Rih)の1.1〜1.4倍に設定している(Ro −Ris/Ro −Rih=1.1〜1.4)。
【0018】
また、前記翼43の側面視形状は、図2の(a),(b),(c),(d)に示すような形状が適宜選択される。
【0019】
このように構成されるため、羽根車2が回転し、ガスが羽根車2に吸い込まれて付勢されることによってその圧力及び速度エネルギーが増大する。このガスはディフューザ4を流過する過程でその速度エネルギーが圧力に変換されることにより更に昇圧して図示しない吐出口から吐出される。
【0020】
この際、本実施例では、ディフューザ4の翼43において、前記シュラウド側の入口角αisをハブ側の入口角αihより5〜25°小さく設定しているので、図5に示すように、ディフューザ4に流入する羽根車出口の流れとディフューザ入口角の偏差を小さくして入口の衝突損失や前縁でのはく離を抑制することができ、ディフューザ4の高効率化と作動範囲の拡大が図れる。
【0021】
また、前記シュラウド側の翼弦長(Ro −Ris)をハブ側の翼弦長(Ro −Rih)の1.1〜1.4倍に設定しているので、翼43の転向角が大きいシュラウド側の翼強度を十分に持たせることができる。
【0022】
[第2実施例]
図3は本発明の第2実施例を示すディフューザ部の断面図である。
【0023】
これは、第1実施例における翼43の翼高さbの40%を越えるシュラウド側のみ入口角を第1実施例と同様に異ならせ、40%以下(図中網目の範囲)では角度を一定とした2次元翼で形成した例である。
【0024】
これによれば、図5に示すように、ディフューザ4に流入する羽根車出口の流れとディフューザ入口角の偏差を小さくして入口の衝突損失や前縁でのはく離を抑制することができ、ディフューザ4の高効率化と作動範囲の拡大が図れる一方で、必要最小限度の翼形状変更で済むという利点がある。
【0025】
[第3実施例]
図4は本発明の第3実施例を示すディフューザ部の断面図である。
【0026】
これは、第1実施例における翼43を入口角の異なる2次元翼43a,43bを翼高さ方向に組み合わせた(突き合わせた)例である。尚、図示例では2次元翼43a,43bの翼弦長が異なるが、シュラウド側の2次元翼43bの翼弦長を等しく形成しても良い。
【0027】
これによれば、図5に示すように、ディフューザ4に流入する羽根車出口の流れとディフューザ入口角の偏差を小さくして入口の衝突損失や前縁でのはく離を抑制することができ、ディフューザ4の高効率化と作動範囲の拡大が図れる一方で、2次元翼43a,43bの製作が容易であるという利点がある。
【0028】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上、実施例に基づいて詳細に説明したように、本発明の請求項1に係る発明は、シュラウド側壁面とハブ側壁面とこれらの間に架設された複数の翼とからなるディフューザを具備する遠心圧縮機において、前記翼の入口角を、同入口角の異なる2次元翼を翼高さ方向に組み合わせて、シュラウド側とハブ側で異ならせるので、ディフューザに流入する羽根車出口の流れとディフューザ入口角の偏差を小さくすることができ、ディフューザの高効率化と作動範囲の拡大が図れる一方、入口角の異なる2次元翼を翼高さ方向に組み合わせたので、製作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すもので、同図(a)は遠心圧縮機のディフューザ部の断面図、同図(b)は同図(a)のC−C矢視図である。
【図2】 異なった翼形状の説明図である。
【図3】 本発明の第2実施例を示すディフューザ部の断面図である。
【図4】 本発明の第3実施例を示すディフューザ部の断面図である。
【図5】 本発明の遠心圧縮機における翼入口角と流れ角の変化を示す線図である。
【図6】 従来の遠心圧縮機を示し、同図(a)は略示的縦断面図、同図(b)は同図(a)のB−B線断面図、同図(c)は翼の部分的斜視図、同図(d)は同図(b)及び同図(c)のD−D線断面図である。
【図7】 従来の遠心圧縮機における翼入口角と流れ角の変化を示す線図である。
【符号の説明】
1 羽根車
4 ディフューザ
41 シュラウド側壁面
42 ハブ側壁面
43 翼
αis シュラウド側の入口角
αih ハブ側の入口角
Ro −Ris シュラウド側の翼弦長
Ro −Rih ハブ側の翼弦長
Claims (1)
- シュラウド側壁面とハブ側壁面とこれらの間に架設された複数の翼とからなるディフューザを具備する遠心圧縮機において、
前記翼の入口角を、同入口角の異なる2次元翼を翼高さ方向に組み合わせて、シュラウド側とハブ側で異ならせたことを特徴とする遠心圧縮機。
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