JP4218755B2 - ガラス基板搬送用ボックス - Google Patents

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Description

本発明は、有底のボックス本体と、該ボックス本体の開口を開閉可能な蓋体とから成るガラス基板搬送用ボックスに関する。
従来、素板ガラス、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、ハイブリッドICセラミックス基板、ウエハなどの各種の基板、あるいはこれら基板を用いて製造した完成パネル等(以下単に「ガラス基板」という)を例えば、ガラスメーカからデバイスメーカに移送する場合に用いられる搬送用ボックスとして、有底のボックス本体と、このボックス本体の開口を開閉可能な蓋体とから成るボックスが知られていた(特許文献1、2参照)。
図9(a)は従来知られているガラス基板搬送ボックスの外観斜視図であり、(b)はガラス基板搬送ボックスを横に倒した場合のガラス基板の屈曲変形する状態を示す説明図である。ガラス基板搬送ボックス01は、有底の本体部02と蓋体03で構成され、本体部02内にはガラス基板支持用のリブ04aを有した内装板04が一対挿入されている。ガラス基板05は対抗する内装板04の隣接リブ04a間内に一枚ずつ係合支持され、上部より蓋体03をガラス基板05の上端縁を押さえるようにして本体部02上にかぶせて搬送に供される。
特開平8−301354号公報(段落0027、第5図) 特開平9−58770号公報(第5,6図)
しかしながら、従来のこのようなガラス基板搬送用ボックス01は、上部より蓋体03をガラス基板05の上端縁を押さえた場合に、ガラス基板05の両側端05aは上方部を除いて殆どがリブ04a間内にあるため、ガラス基板05の側端部分が大きく屈曲するような撓みを与えることができなかった。そのためガラス基板搬送ボックス01を横に倒した場合に、図9(b)に示すように、自重によりガラス基板05の中央部が大きく屈曲変形して隣接するガラス基板に当接する恐れがあり、その当接を避けるためリブ04の形成位置間隔を大きくとる必要があった。したがって、所定ボックス容積に対するガラス基板の収納能力に限界があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、所定ボックス容積に対するガラス基板の収納能力の向上を図り、ガラス基板に外力が作用したり、ガラス基板搬送ボックスを横に倒した場合にもガラス基板の大きな屈曲変形を抑えることが可能なガラス基板搬送用ボックスを提供することを目的とする。
上記の目的を解決するために、本発明の請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックスは、有底のボックス本体と、該ボックス本体の上方の開口を開閉可能な蓋体とから成るガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体の相対する一対の内側面には、ガラス基板の側端部を支持する側面パッドが設けられ、該側面パッドは前記内側面に接合するベース部材と、前記開口から底部に向かって互いに平行な垂直に延びる前記ベース部材上に連設された複数の誘導リブ部材から成り、前記上方の開口より垂直状態にして挿入された複数のガラス基板の側端部が前記一対の隣接する誘導リブ部材間にそれぞれを収納支持され、少なくとも一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置に、相対する他方の誘導リブに向かって突出する突起部が設けられ、複数のガラス基板を収納後前記ボックス本体の開口を蓋体で閉鎖した際、前記突起部によりガラス基板に強制撓みを生じさせるようにしたことを特徴としている。
この特徴によれば、ガラス基板収納時に突起部によりガラス基板に強制撓みが生じているので、この強制撓みが生じている方向以外の撓みは生じにくく、ガラス基板の中央部が大きく屈曲変形して隣接するガラス基板に当接するようなことは起きない。
本発明の請求項2に記載のガラス基板搬送用ボックスは、請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックスであって、前記突起部は一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置と、他方側の上下端近傍位置に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、ガラス基板に対し、何れの方向に横倒ししてもガラス基板の中央部が大きく屈曲変形して隣接するガラス基板に当接するようなことは起きない。
本発明の請求項3に記載のガラス基板搬送用ボックスは、請求項1または2に記載のガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体の底面に底面パッドが設けられ、該底面パッドに前記誘導リブ部材と整合するガラス基板支持用の複数のリブが形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ガラス基板の下側縁を所定間隔をもって安定的に支持することができる。
本発明の請求項4に記載のガラス基板搬送用ボックスは、請求項1ないし3のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスであって、前記突起部は上下方向において中央部が略円弧状に突出していることを特徴としている。
この特徴によれば、ガラス基板は突起部に対して摩擦抵抗を極力抑えて当接することができる。
本発明の請求項5に記載のガラス基板搬送用ボックスは、請求項1ないし4のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスであって、前記蓋体には複数のガラス基板の上端縁を押圧保持する導電性柔軟材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、クッション作用する導電性柔軟材は、ガラス基板の蓋体側とボックス本体とを電気的に導通しているので、ガラス基板の破損防止と帯電防止を同時に図ることができる。
本発明の請求項6に記載のガラス基板搬送用ボックスは、請求項1ないし5のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体及び蓋体が樹脂発泡体で構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送ボックスを軽量に構成できるとともに、外部から作用する力の衝撃を緩和できる。
本発明の請求項7に記載のガラス基板搬送用ボックスは、請求項1ないし6のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体は、アルミ等から成る枠体で枠組み補強されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ボックスがアルミ等から成る枠体で補強されているので、堅牢なボックスが提供でき、他の物品との接触や長期保管に対してもボックスが変形してしまうようなことがない。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1の(a)は本発明の第1実施例におけるガラス基板搬送用ボックスの外観斜視図、(b)は蓋体が開放された状態のガラス基板搬送用ボックスの外観斜視図、図2はガラス基板搬送用ボックスの一部内部を示す斜視図、図3は開放されたガラス基板搬送用ボックスの内部を示す斜視図、図4の(a)は蓋体により閉鎖されたガラス基板搬送用ボックスの片側側板及び側面パッドの縦断面図、(b)は搬送ボックス側面パッドにガラス基板の端部が保持された状態を示した(a)のA−A断面図である。
先ず図1には、本発明の実施例としてのガラス基板搬送用ボックス1が示されており、このガラス基板搬送用ボックス1は、複数のガラス基板としてのガラス基板(730mm×920mm×0.5mm)を、例えばガラスメーカからデバイスメーカに移送する場合に用いられる搬送用ボックスとして使用するものであって、横長直方体で上部が開口した有底のボックス本体2と蓋体3とから成り、ボックス本体2は、底板4(図4参照)と4枚の側板6a,6b及び8a,8bとを組み合わせて構築されている。
4枚の側板6a,6b及び8a,8bは、長寸矩形状の側板6a,6bと短寸矩形状の縦側板8a,8bとからなり、両側が発泡スチロール樹脂(例えば発泡ポリエチレン樹脂)を両側からアルミ複合板で挟んだ断面構造となっており、アルミ複合板の最外面と最内面は導電処理のためにポリエステル樹脂系の焼き付け塗料が塗布されている。
また、底板4も、上述した側板6a,6b及び8a,8bと同様の構造で、アルミ複合板の最外面と最内面は導電処理のためにポリエステル樹脂系の焼き付け塗料が塗布されている。
更に、図4に示す底板4の4辺の外周端縁には、図1に示すように、それぞれ硬質アルミ製の底枠10及び12が装着されており、底枠10及び12が交叉する角部に方形のパッド状の補強隅板18が取り付けられ、該補強隅板18間には、各底枠10及び12の内側に隣接して図示しない帯状の補強板が取り付けられている。
また、底枠10及び12の交叉する角部は、図示しない接合角枠によって連接結合されており、これら接合角枠には4本の硬質アルミ製の枠柱20下端が連接結合されて立設している。
尚、上記の底枠10及び12、ないし4本の枠柱20ないし後述する上枠22及び24の対向面には、底板4ないし側板6a,6b及び8a,8bの各辺が嵌合可能な嵌合凹部が形成されている。
立設した4本の枠柱20の嵌合凹部には、側板6a,6b及び8a,8bが上端から差し込まれて装着された後、側板6a,6b及び8a,8bの上端各辺に硬質アルミ製の上枠22及び24が嵌合され、それらの角部は接合角枠によって4本の枠柱20の上端と共に連接結合されて図1(b)に示す有底のボックス本体2が構成される。
次に、有底のボックス本体2を構成する側板6a,6b及び8a,8bによって形成される4面の側壁外周の縦方向中間部位には、上下にフランジ状のフォークガイド26,28が平行に取り付けられ、ボックス本体2両側板8a,8b側の短寸のフォークガイド26上面にはそれぞれ一対の吊り揚げ用のアイボルト30が止着されている。
一方、蓋体3は、重複する説明は省略するが、ボックス本体2と同様に側板と同一構成の矩形状の天板32と、この天板32外周縁の4辺に装着された側枠34a,34b及び36a,36bと、これら側枠34a,34b及び36a,36bの交叉する角部を接合する図示しない接合角枠とから構成されている。
更に、蓋体3の4辺の下端には、図4(a)に示すように、ボックス本体2の開口端部である上枠(22のみ図示)の上端部位が挿嵌可能な嵌合凹部38が形成されており、この嵌合凹部38内にはパッキン40が内装されている。
そして、蓋体3の天板32の裏面には、底面パッド44よりは軟質の例えば導電性を有するポリエチレン系発泡体より成る所定厚みを有する直方体に形成されたガラス基板当接パッド58が所定間隔毎(例えば3箇所)に並設して貼着されている。
ガラス基板当接パッド58は、蓋体3外周の側枠34a,34b及び36a,36bの高さより厚く形成されて、側枠34a,34b及び36a,36bから突出した平面がボックス本体2内に収容保持されるガラス基板Gの上端縁を押圧する押圧面58aとして構成されている。
また、図1(b)に示すように、ボックス本体2の開口端部である長寸の上枠24側面の両側には各一対の連結具50が取り付けられ、これら連結具50両外側の近接位置、並びに短寸の上枠22側面の両側には、蓋体3を開閉する際にその外周を案内するガイド部材52が上方に突出するように取り付けられている。連結具50は、図示しないコイルバネにより取付け面に対し付勢力が付与される状態で回動可能に枢着されている。
一方、蓋体3の外周には、図1(b)に示すように長寸の両側枠36a,36b側面の両側にボックス本体2の連結具50に対応する位置関係で各一対の被連結具54が取り付けられており、短寸の両側枠34a,34bの中央には把手56が取り付けられている。
上記のように構成されたボックス本体2内の底板4上には、図3に示されているように硬質材として例えばポリプロピレン系発泡体より成る所定厚みを有する直方体のガラス基板支持用の底面パッド44が長手方向に所定間隔毎(実施例では4箇所)に並設して貼着されている。そして、この底面パッド44の上面には、断面山形の、例えば14mmピッチ間隔の平行溝を有するリブ42が形成されている。
また、ボックス本体2の短寸側の対向する側板8a,8bの内面には、ベース部材45の上面に断面山形の複数の誘導リブ部材46によって例えば14mmピッチで40個の縦溝を形成した側面パッド48が接着剤を介して貼着されている。
底面パッド44及び側面パッド48を貼着するに際し、これらベース部材45上の誘導リブ部材46によって形成される縦溝ないし底面パッド44の平行溝42は正確に整合するように設定される。
そこで、図4(a),(b)に示すように、底面パッド44の平行溝の底には複数のガラス基板Gの下端が支持されるが、ガラス基板Gの両側端は側面パッド48のベース部材45に触れることなく若干の隙間Sが形成された状態で支持されるようになっている。
誘導リブ部材46は、横断面形状が略ハの字状になるようにその頂面から溝底に向かって先細のテーパ面が形成されると共に、更にボックス本体2の開口近傍において誘導リブ部材46側の高さが開口端に向かって漸次減少するように山形のテーパ面が形成されている。
更に、図4に示すようにボックス本体2の開口側から底部側に向かって垂直に延びる複数の平行な一対の誘導リブ部材46間で構成される縦溝は、ガラス基板Gの挿入時においてその側端部を誘導すると共に、ガラス基板Gを平行に支持することができるようになっており、一対の誘導リブ部材46の一方側の上下略中間位置には、相対する他方の誘導リブに向けて中央部が突出する略円弧状の突起部Tが一体的に形成されている。
次に、誘導リブ部材46に形成した突起部Tの機能に付き図5及び図6を参照して説明する。図5の(a)はガラス基板の上下端部に負荷が掛けられた際中間位置に相対する他方の誘導リブに向かって突出する突起部によって強制撓みを生じさせるようにした説明図、(b)は搬送用ボックス内に収容されたガラス基板の縦軸方向に負荷が作用した時の他の2軸方向の作用力との関係を示す説明図、(c)は縦軸方向の負荷が解除された際にガラス基板縦軸方向の中間部が突起部に支持された状態で自重により両端が下方に変形することで横軸方向の変形が阻止される状態の説明図であり、図6の(a)は上部開口から搬送用ボックス内部の縦溝に支持されガラス基板の上下端部に蓋体の閉鎖により縦軸方向の負荷が作用した際、ガラス基板の中間部が突起部により一定方向に湾曲形成された状態を示す斜視図、(b)は蓋体を開放した状態で搬送用ボックスを横倒しにした場合にガラス基板縦軸方向の中間部が突起部に支持された状態で自重により両端が下方に変形した状態を示す斜視図である。
先ず、図3に示すようにガラス基板搬送用ボックス1の蓋体3を開放した状態で、側板6a側から順次、図示しない特殊フォークにより垂直状態に支持させたガラス基板Gの両側端縁が上方から一対の誘導リブ部材46間により形成された縦溝に差し込まれてその下端が底面パッド44の対応する平行溝の溝底に支持されるが、この状態では図4の(a)に示すようにガラス基板Gの両側端縁は、ベース部材45に対し若干の隙間Sが形成した状態で保持されるようになっている。
ガラス基板Gの挿入に際し、略ハの字状の横断面形状を有する誘導リブ部材46の頂面から溝底に向かうテーパ面及び山形形状の開口端部によりガラス基板Gの両端が案内されるので、挿入時におけるガラス基板Gの正確な位置決めに余裕がある。また、ベース部材45は開口端に向けてその厚さが漸次減少しているので、開口端近傍の挿入に際して、ガラス基板Gの幅方向のズレに対してセンタリングされる。
このようにして、ガラス基板Gの両側端縁が誘導リブ部材46間により形成された縦溝に差し込まれ、てそれらの下端が底面パッド44の対応する平行溝の溝底に支持された状態で、ボックス本体2の開口が蓋体3によって閉鎖されると図4(b)及び図5(a)に示されるように、搬送用ボックス1内に収容された複数のガラス基板Gの上下端部が蓋体3裏面のガラス基板当接パッド58の押圧面58aと底面パッド44との間でX方向より同時に押圧される。
ガラス基板Gの上下端部に対し蓋体3によりX方向の負荷が作用すると、図5(a)及び図6(a)に示すように一方側の誘導リブ部材の上下略中間位置に突出形成された略円弧状の突起部Tによって、ガラス基板Gの中間部がX方向と直交する一定方向(+Z軸方向)に強制的に屈曲変形される。
すなわち、蓋体3の閉鎖によって、図5(b),(c)に示すようにガラス基板Gの上端に作用する縦軸方向の負荷X1,X2とガラス基板G左右の下端を支持する反力X’1,X’2とにより、ガラス基板Gの縦方向中間部において+Z軸方向に最大撓み量Z1が形成される。
次に、ボックス本体2内のガラス基板Gを取り出すために蓋体3が開放されると、ガラス基板Gの上下端部に作用する縦方向の負荷が解除された状態となり、図5(c)及び図6(b)に示すようにボックス本体2を90度横倒し状態にすると、突起部Tで支持されているガラス基板Gの左右端部が自重により下方に変形して、ガラス基板Gの中間部が上方(+Z軸方向)に向けて湾曲形成されて撓みが維持される。
従って、ガラス基板G左右端部の中間部における縦方向(X軸方向)には+Z軸方向に向く撓みが形成されているので、ガラス基板GにY方向からの負荷が作用しても中間部には図5(c)に示す−Z軸方向を向く撓み変形が規制され、仮想線で示したZ2の如き下方への変形を阻止することができる。
また、ガラス基板Gは、その収納後にボックス本体2の開口が蓋体3によって閉鎖された際、ガラス基板Gの縦方向中間部が突起部Tによって強制撓みを生じさせることで、X方向以外の負荷に対して撓み変形を抑えることができる。
更に、ボックス本体2の底面に設けられる底面パッド44には、誘導リブ部材46間により形成された縦溝と整合するガラス基板支持用の複数の平行溝が形成されているので、ガラス基板Gの下側縁を所定間隔をもって安定的に支持することができる。
また、前記突起部Tは、誘導リブ部材の上下方向において中央部が略円弧状に突出した構成となっているので、ガラス基板Gは突起部Tに対して摩擦抵抗を極力抑えて当接することができる。
そして、ガラス基板搬送用ボックス1の蓋体3には、複数のガラス基板Gの上端縁を押圧保持する軟質の例えば導電性を有するポリエチレン系発泡体より成るガラス基板当接パッド58が設けられ、ガラス基板Gの蓋体3側とボックス本体2とを電気的に導通しているので、ガラス基板Gの破損防止と帯電防止を同時に図ることができる。
そしてまた、ボックス本体2、蓋体3が発泡スチロール樹脂(例えば発泡ポリエチレン樹脂)を両側からアルミ複合板で挟んだ構造となっているので、搬送用ボックス1を軽量に構成できるとともに、外部から作用する力の衝撃を緩和できる。
更に、ボックス本体2が、アルミ等から成る底枠10及び12、枠柱20ないし上枠22及び24で枠組み補強されているので、堅牢なボックスが提供でき、他の物品との接触や長期保管に対してもボックスが変形してしまうようなことがない。
次に、第2実施例に係るガラス基板搬送用ボックスの縦溝につき図7および図8を参照して説明する。図7は、第2実施例に係る誘導リブ部材の詳細図であって、ガラス基板の上下端部に負荷が掛けられた際、一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置と、他方側の上下端近傍位置に設けられた突起部によって一定方向に強制撓みを生じさせるようにした説明図、図8は第2実施例に係り、(a)は上部開口から搬送用ボックス内部の縦溝に支持されガラス基板の上下端部に蓋体の閉鎖により縦軸方向の負荷が作用した際、ガラス基板の中間部が一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置と、他方側の上下端近傍位置に設けられた突起部により一定方向に湾曲形成された状態を示す斜視図、(b)は蓋体を開放した状態で搬送用ボックスを横倒しにした場合にガラス基板縦軸方向の中間部が相対する突起部に支持された状態で一定方向に湾曲変形した状態を示す斜視図である。
図7には第2実施例におけるガラス基板搬送用ボックスの誘導リブ部材46が示されており、一対の誘導リブ部材の一方側46aには、この誘導リブ部材の上下略中間位置に単一の突起部T1が設けられると共に、相対する他方側誘導リブ部材46bの上下端近傍位置には一対の突起部T2,T3が誘導リブ部材と同じ材質により一体成形されている。
このように構成された複数の誘導リブ部材46で構成された全縦溝にガラス基板Gの両側端縁が差し込まれ、それらの下端が底面パッド44の対応する平行溝の溝底に支持された状態でボックス本体2の開口が蓋体3によって閉鎖されると、上記実施例1と同様に、搬送用ボックス1内に収容された複数のガラス基板Gの上下端部が蓋体3裏面のガラス基板当接パッド58の押圧面58aと底面パッド44との間で同時に押圧される。
蓋体3の閉鎖によって、ガラス基板Gの上端に作用する縦軸方向の負荷とガラス基板Gの下端を支持する反力とによりガラス基板Gの縦方向中間部に湾曲する撓みが生ずるが、この撓み方向は、誘導リブ部材の上下略中間位置に形成された単一の突起部T1と相対する他方側誘導リブ部材の上下端近傍位置に形成された一対の突起部T2,T3により、湾曲する撓みが一定方向(+Z)に形成される。
すなわち、図8(a)に示される状態のガラス基板Gの縦方向中間部には+Z軸方向に湾曲する撓みが生じており、蓋体3により閉鎖された搬送用ボックス1を図8(b)に示すように一方側に横倒しにした場合に、ガラス基板Gの中間部が上方(+Z方向)に向けて湾曲形成された状態が維持されることで、第1実施例と同様に蓋体3が開放された状態でもガラス基板Gの−Z方向の変形を拘束することができる。
また、搬送用ボックス1を他方側に横倒しにした場合は、単一の突起部T1と相対する他方側誘導リブ部材の上下端近傍位置に形成された一対の突起部T2,T3の関係が反転してガラス基板GのX軸方向の中間部に下向き(−Z方向)の撓みが形成されているため、ガラス基板Gの+Z方向の変形を拘束することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、枠体を構成する上下枠体、枠柱はアルミ製に限ることなく、例えば、ステンレス等の軽量で硬質な素材であればよい。
(a)は本発明の第1実施例におけるガラス基板搬送用ボックスの外観斜視図、(b)は蓋体が開放された状態のガラス基板搬送用ボックスの外観斜視図である。 ガラス基板搬送用ボックスの一部内部を示す斜視図である。 開放されたガラス基板搬送用ボックスの内部を示す斜視図である。 (a)は蓋体により閉鎖されたガラス基板搬送用ボックスの片側側板及び側面パッドの縦断面図、(b)は搬送ボックス側面パッドにガラス基板の端部が保持された状態を示した(a)のA−A断面図である。 (a)はガラス基板の上下端部に負荷が掛けられた際中間位置に相対する他方の誘導リブに向かって突出する突起部によって強制撓みを生じさせるようにした説明図、(b)は搬送用ボックス内に収容されたガラス基板の縦軸方向に負荷が作用した時の他の2軸方向の作用力との関係を示す説明図、(c)は縦軸方向の負荷が解除された際にガラス基板縦軸方向の中間部が突起部に支持された状態で自重により両端が下方に変形することで横軸方向の変形が阻止される状態の説明図である。 (a)は上部開口から搬送用ボックス内部の縦溝に支持されガラス基板の上下端部に蓋体の閉鎖により縦軸方向の負荷が作用した際、ガラス基板の中間部が突起部により一定方向に湾曲形成された状態を示す斜視図、(b)は蓋体を開放した状態で搬送用ボックスを横倒しにした場合にガラス基板縦軸方向の中間部が突起部に支持された状態で自重により両端が下方に変形した状態を示す斜視図である。 第2実施例に係る誘導リブ部材の詳細図であって、ガラス基板の上下端部に負荷が掛けられた際、一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置と、他方側の上下端近傍位置に設けられた突起部によって一定方向に強制撓みを生じさせるようにした説明図である。 第2実施例に係り、(a)は上部開口から搬送用ボックス内部の縦溝に支持されガラス基板の上下端部に蓋体の閉鎖により縦軸方向の負荷が作用した際、ガラス基板の中間部が一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置と、他方側の上下端近傍位置に設けられた突起部により一定方向に湾曲形成された状態を示す斜視図、(b)は蓋体を開放した状態で搬送用ボックスを横倒しにした場合にガラス基板縦軸方向の中間部が相対する突起部に支持された状態で一定方向に湾曲変形した状態を示す斜視図である。 (a)は蓋体が開放された状態における従来のガラス基板搬送ボックスの外観斜視図、(b)は従来のガラス基板搬送ボックスを横倒しにした際、ガラス基板の中央部が自重により屈曲変形した状態を示す説明図である。
符号の説明
1 搬送用ボックス(ガラス基板搬送用ボックス)
2 ボックス本体
3 蓋体
4 底板
6a,6b 側板
8a,8b 側板
10,12 底枠
18 補強隅板
20 枠柱
22,24 上枠
26,28 フォークガイド
30 アイボルト
32 天板
34a,34b 側枠
36a,36b 側枠
38 嵌合凹部
40 パッキン
42 リブ
44 底面パッド
45 ベース部材
46 誘導リブ部材
46a 一方側誘導リブ部材
46b 他方側誘導リブ部材
48 側面パッド
50 連結具
52 ガイド部材
54 被連結具
56 把手
58 ガラス基板当接パッド
58a 押圧面
G ガラス基板
S 隙間
T 突起部
T1,T2,T3 突起部
X1,X2 負荷
X’1,X’2 反力
Z1,Z2 撓み量

Claims (7)

  1. 有底のボックス本体と、該ボックス本体の上方の開口を開閉可能な蓋体とから成るガラス基板搬送用ボックスであって、前記ボックス本体の相対する一対の内側面には、ガラス基板の側端部を支持する側面パッドが設けられ、該側面パッドは前記内側面に接合するベース部材と、前記開口から底部に向かって互いに平行な垂直に延びる前記ベース部材上に連設された複数の誘導リブ部材から成り、前記上方の開口より垂直状態にして挿入された複数のガラス基板の側端部が前記一対の隣接する誘導リブ部材間にそれぞれを収納支持され、少なくとも一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置に、相対する他方の誘導リブに向かって突出する突起部が設けられ、複数のガラス基板を収納後前記ボックス本体の開口を蓋体で閉鎖した際、前記突起部によりガラス基板に強制撓みを生じさせるようにしたことを特徴とするガラス基板搬送用ボックス。
  2. 前記突起部は一対の誘導リブ部材の一方側の上下略中間位置と、他方側の上下端近傍位置に設けられている請求項1に記載のガラス基板搬送用ボックス。
  3. 前記突起部は上下方向において中央部が略円弧状に突出している請求項1または2に記載のガラス基板搬送用ボックス。
  4. 前記ボックス本体の底面に底面パッドが設けられ、該底面パッドに前記誘導リブ部材と整合するガラス基板支持用の複数のリブが形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  5. 前記蓋体には複数のガラス基板の上端縁を押圧保持する導電性柔軟材が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  6. 前記ボックス本体及び蓋体が樹脂発泡体で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
  7. 前記ボックス本体は、アルミ等から成る枠体で枠組み補強されている請求項1ないし6のいずれかに記載のガラス基板搬送用ボックス。
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