JP4218599B2 - 繊維状発泡体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は繊維状発泡体およびその製造方法に関するものである。本発明において発泡体とは、独立した複数の気泡および/または連続している複数の気泡か、または両方を持つものをいう。とくに連続気泡を持つものに関しては多孔質体と呼ぶ場合もある。本発明において繊維状とは、まず、長繊維(フィラメント)、短繊維(ステープル)、ファイバーなどの単独で構成される細状固形物をさし、中空繊維、複合繊維、異形断面繊維などの単繊維も含まれる。また、これらを撚り合わせた紡績糸、混繊糸および合撚糸、さまざまな形態を付与した交絡糸や捲縮糸等の加工糸もさす。さらに、織編物、不織布、紙、人工皮革、詰物材、交織物、交編物、繊維積層体ならびにこれらから構成される衣類、リビング資材、産業資材、メディカル用品、電気・電子部品などの各種最終製品をも包含するものである。細さや長さの制限は特にない。
本発明の繊維状発泡体は、発色性、嵩高性、ドライ感、ふくらみ感、ソフト感、通気性、断熱性、低誘電率性、光散乱性、光反射性、隠蔽性、白色性、不透明性、波長選択的反射および透過性、軽量性、浮揚性、遮音性、吸音性、緩衝性、クッション性、吸収性、吸着性、貯蔵性、透過性、濾過性、などの特性を要求される繊維状発泡体として有用なものである。
近年、多種分野で材料の高機能化が進んでいるのと同様に繊維分野においても高機能化が求められている。繊維の構造面からの高機能化には複合化、微細化、異形断面化などがある。これ以外に発泡および多孔化による高機能化も行われている。気泡の大きさよりも細い発泡体をつくることは不可能であり、繊維状発泡体という細い発泡体を得るためには気泡径を小さくする必要がある。また発泡体では一般に気泡が材料の内部欠陥となるので、発泡させると材料の力学強度が低下する。しかし気泡を微細化することにより強度低下を抑制できるといわれている。
一般に気泡径が小さく、細い繊維状発泡体の製造プロセスには、抽出法や延伸法が使われる。抽出法には、溶媒に可溶な溶出材と溶媒に不溶もしくは難溶である母材からなる紡糸原液を紡糸した後に溶媒により母材から溶出材のみを溶出させて空隙を作る方法や、逆に溶媒に不溶もしくは難溶の非溶出材と溶媒に可溶な母材からなる紡糸原液を紡糸した後、母材表面を溶媒で溶出して非溶出材が流出してその部分を空孔とする方法がある。溶出材としては、食塩、硫酸ナトリウム、ブドウ糖、蔗糖、スターチ、PVA、ポリアルキレングリコールなどの水溶性溶出材や、ポリ乳酸や有機スルホン酸を共重合したポリエステルなどのアルカリ可溶性溶出材、有機溶剤可溶性の一般的な有機物などがあげられる。母材表面を溶出する方法では非溶出材として無機微粒子を含有させたポリエステルのアルカリ減量処理などがあげられる。抽出法の参考文献には特許文献1〜3などがある。
延伸法には、母材に非相溶成分(ポリマー、無機粒子など)をブレンドし成形後に延伸して非相溶成分/母材界面を剥離開孔化する方法、熱可塑性の結晶性ポリマーを溶融紡糸した後、延伸してできた結晶界面を剥離開孔化させる方法、伸長粘度の異なる複数のポリマーからなる糸条を延伸して高伸長粘度ポリマー部に開孔を作る方法がある。(特許文献4〜6)
このように繊維状微細発泡体の製造に適しているといわれる抽出法や延伸法ではあるが、次のような懸念がある。抽出法では、溶媒除去をする工程や、溶媒を再使用する際に溶出材および母材を分離除去する工程や、特別な廃液回収工程も必要になるため、プロセスが複雑であり、コスト面および環境面からも大きな課題を残している。延伸法ではプロセスは簡素であるが、非相溶成分を入れた延伸法の場合は異物である非相溶成分が入ると製造中に糸切れが生じやすく、結晶性ポリマーの延伸法の場合は母材ポリマーが結晶性を持つものに限定されてしまうため材料選択の自由度が小さい、伸長粘度差を利用した延伸法では気泡径や発泡倍率などの発泡構造の詳細制御が難しいなどの懸念がある。また抽出法や延伸法では一般に多孔質体を得ることは容易だが、独立気泡体を製造するのが比較的難しいなど、さまざまな制約が多かった。
繊維状発泡体のもう一つの製造方法に発泡法があり、特許文献7〜10などに例示される。発泡法は熱や光による刺激で気体が発生する発泡剤を紡糸原料に添加して、溶融紡糸および溶液紡糸などの方法で紡糸した後に熱や光により発泡させたり、紡糸と同時に発泡させたりする方法である。抽出法と比較して工程が煩雑でなく、延伸法と比べてさまざまな種類の母材ポリマーを用いることがきる。また発泡法では基本的には独立気泡ができ、必要に応じて発泡後に延伸等の操作により開孔させることができるので、独立気泡および連続気泡ともに比較的容易につくり分けることができる。
発泡剤には大きく分類すると化学的発泡剤と物理的発泡剤と2種類がある。化学的発泡剤には、熱分解型と光分解型がある。熱分解型発泡剤は、熱分解して一種類以上の気体、例えば窒素や二酸化炭素などを放出する。アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチロニトリルなどに代表されるアゾ系化合物、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどに代表されるスルホニルヒドラジド系化合物などの有機化合物および重炭酸ナトリウムなどの無機化合物が知られている。熱分解型発泡剤を用いた発泡法は、発泡剤の分解温度以下の温度領域で軟化させた高分子に混練又は溶解した後に、発泡剤の分解温度以上の温度領域に加熱するもので、広く実用化されている。必要に応じて発泡助剤、架橋剤、安定剤なども併用される。光分解型発泡剤は、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により分解して例えば窒素等のガスを放出する。p−アジドベンズアルデヒドなどのアジド基を有する化合物およびp−ジアゾジフェニルアミンなどのジアゾ基を持つ化合物などがあげられる。光分解発泡剤を利用した発泡法は、エネルギー線照射で発泡、または照射後に加熱して発泡させるものである。また一般に高分子重合過程で気体を発生する有機化合物も化学的発泡剤に包含され、その代表的な材料にはポリウレタンなどがあげられる。ポリウレタンは、ポリオール(アルコール性水酸基である−OH基を2個以上持つオリゴマー)とポリイソシアネート(分子中にイソシアネート基である−NCO基を2個以上持つもの)との重合物であり、重合反応過程でCO2ガスが発生して発泡体を形成する。
物理的発泡剤としては、低沸点揮発性物質、例えばブタンやペンタンなどに代表される揮発性飽和炭化水素系物質、並びにフルオロエタンなどに代表される揮発性フッ化炭化水素系物質などが挙げられる。物理的発泡剤としては、常温では液体であるが、50〜100℃で揮発して気体になる低沸点揮発性物質が多く用いられており、これらをその沸点以下の温度において高分子材料中に含浸し、これを、物理的発泡剤の沸点以上に加熱することにより発泡体を形成することができる。また、常温常圧で気体状態である不活性ガス、例えば二酸化炭素及び窒素などを、物理的発泡剤として利用することもできる。この場合、気体状態にある不活性ガスを、適度な圧力・温度に制御された溶融状態の高分子材料中に溶解させた後、この混合系を常温・常圧状態に開放させることによって、液相物質が急激に気相化し、膨張して発泡体が得られる。他の発泡剤として、熱可塑性高分子材料を外殻として、その中に低沸点揮発性物質を封止して製造されたカプセル状発泡剤も知られている。
特殊な発泡方法として、バーストファイバー法やフラッシュ紡糸法など、発泡・破泡により開繊して微細繊維不織布(微多孔質フィルム)を得る方法もある。バーストファイバー法は、特許文献11〜12などに示されるように、フィルム状成形物中に発泡で気泡を生じさせた後、該フィルム状成形物を延伸することにより該気泡破泡、開繊させた網状体すなわち不織布の製法である。フラッシュ紡糸法は、特許文献13などに示されるように、ポリマーを低沸点の溶剤に溶かして、加熱・加圧してノズルから噴射し、溶剤を瞬時に気化させることによって網目状繊維を得ることができる方法である。しかし繊維径が比較的ばらつく。
このように発泡法においてさまざまな手法が検討されてきたが、発泡法には根本的な弱点がある。それは得られる気泡径が大きく、気泡径の適正化が難しいという点である。そのため製造中に糸切れが発生しやすかったり、製品の強度が低かったりした。これを克服するには気泡径を小さくする必要があるが、そのためには発泡剤を多量に添加しなくてはならず、それにより紡糸性や繊維物性が犠牲になるという矛盾を抱えていた。
近年、気泡径の小さい発泡体として、気泡径が0.1〜10μmで、気泡密度が109〜1015個/cm3であることを特徴とするマイクロセルラープラスチックと呼ばれる材料がマサチューセッツ工科大学のN.P.Suhらにより提案された。(例えば、特許文献14)。
このマイクロセルラープラスチックは、物理発泡剤として二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを、高圧下もしくは超臨界状態下においてプラスチック中に含浸飽和させた後、減圧および加熱することによって得られる。この方法では、不活性ガスの含浸量が多いほど、気泡直径を小さくかつ気泡密度を高くすることができる。そのために高圧含浸で高い飽和含浸量を得るのであるが、飽和に達するまでに長い時間を要するという問題点がある。例えば、ポリエチレンテレフタレート中に二酸化炭素を含浸飽和させるには、数日間を要するという報告があり、製造効率の悪さが問題となっている。不活性ガスの含浸時間を短くするため、含浸しやすい材料を用いると、次に示すガス抜け現象が起こりやすくなるという基本原理上のジレンマを抱えている。ガス抜け現象とはプラスチックに高圧状態で含浸されたガスの一部分が、減圧工程で発泡前にプラスチック表面から放散するという現象である。不活性ガスのプラスチックへの含浸飽和濃度は10wt%程度と小さいため、表面からのガス抜けの影響を強く受けてしまう。とくに繊維やフィルムなどの細薄形状物の場合はその影響が顕著に現れるため、発泡体を得ることが難しかった。繊維の太さを示す繊度が数10dtex(数10μmの太さ)程度の細径繊維でミクロンオーダー、さらにはサブミクロンオーダーの気泡を有する繊維状発泡体を得ることは容易でなかった。よって微小気泡を有する繊維状発泡体の製造にこの方法を適応するのはきわめて困難であった。
ところで、発泡体が吸湿性・吸水性の高い高分子材料で構成されている場合、湿度の高い環境下で放置しておくと、発泡体が水分を徐々に浸透吸着して軟化しやすくなるため、発泡体の寸法変化(伸縮または収縮)や発泡構造(多孔性構造)の消失などが起こりやすくなる。そのような発泡体は、発泡特性が不十分となるために使用環境条件が制約され、また用途展開が困難となる。したがって、発泡体の耐水耐湿保存性を向上させることは重要であり、そのような解決方法が多く報告されている。報告例としては、発泡体表面に疎水性微粒子を散布吸着させることで耐水性を向上させた方法(物理的な疎水化処理法)がある(例えば、特許文献15)。また、親水性多孔質体であるエアロゲルに疎水性官能基を有する化合物を反応させることで耐湿性を向上させた化学的な方法(化学的な疎水化処理法)もある(例えば、特許文献16)。
特開2003−105627号公報、号公報 特開2003−73924号公報 特開平11−222725号公報 特開平7−213876号公報 特許3216221号公報 特開2001−172836号公報 公開2003−129342号公報 特開2000−220027号公報 特開平10−183425号公報 特開平8−17257号公報 特許3311383号公報 特開昭51-47170号公報 特表2000−503731 米国特許4473665号公報 特開2001−92467号公報 特開2000−264620号公報 特開平8−248561号公報 特開2000−330270号公報 特開平9−102230号公報 「発泡体・多孔質体技術と用途展開」(東レリサーチセンター発行、1996年) 「微多孔質フィルムメンブレンの新用品展開」(大阪ケミカルマーケティングセンター発行、2001年) K.Ichimura et al.,Chemistry Letters,551−552(1995)
本発明が解決しようとする課題は、廃液回収・再生工程などの複雑な製造工程をもたず、材料も比較的自由に選択でき、糸切れなどが起こりにくい、微細な独立および連続泡をもつ繊維状発泡体をつくり分けることができる繊維状発泡体製造方法を提供し、高機能性を付与できる微細気泡を有する細径の繊維状発泡体を容易に得られるようにすることである。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。即ち、本発明は、「活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物を、繊維状に成形した後に活性エネルギー線を照射し、更に加熱して発泡させることにより、平均気泡径が0.01μm〜1μmの気泡を含有させることを特徴とする、繊維状発泡体の製造方法。」である。
本発明により、廃液回収・再生工程などコストおよび環境負荷を及ぼす複雑な製造工程をもたず、材料も比較的自由に選択でき、糸切れなどが起こりにくい、微細な独立および連続泡をもつ繊維状発泡体を容易につくり分けることができる繊維状発泡体の製造方法が提供され、高機能性を付与できる微細気泡を有する細径の繊維状発泡体を簡単に得られるようになる。
本発明に使用する発泡性組成物は、少なくとも次の2つの構成要素を含む組成物である。その一つは、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤、または塩基を発生する塩基発生剤であり、他の一つは、前記発生した酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性化合物を分解脱離する分解発泡性化合物である。
酸発生剤、塩基発生剤
本発明に使用する発泡性組成物に用いられる酸発生剤又は塩基発生剤には、化学増幅型フォトレジスト、及び光カチオン重合などに利用されている、光酸発生剤や光塩基発生剤と呼ばれているものを用いることができる。
本発明に好適な光酸発生剤としては、
(1)ジアゾニウム塩系化合物
(2)アンモニウム塩系化合物
(3)ヨードニウム塩系化合物
(4)スルホニウム塩系化合物
(5)オキソニウム塩系化合物
(6)ホスホニウム塩系化合物
などから選ばれた芳香族もしくは脂肪族オニウム化合物のPF6−、AsF6−、SbF6−、CF3SO3−塩を挙げることができる。その具体例を下記に列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ベンゾイルフェニルスルホニルジアゾメタン、
トリフルオロメタンスルホネート、
トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(シクロヘキシル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(2−ノルボルニル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−イソプロピルフェニルスルホニウムトシレート
ジフェニルヨードニウム、
ジフェニルヨードニウムトシレート、
ジフェニルヨードニウムクロライド、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ジフェニルヨードニウムナイトレート、
ジフェニルヨードニウムパークロレート、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート、
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ナフチル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ビフェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4’−メチル−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニルビニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリリウムトリフロオロメタンスルホネート、
トリメチルオキシニウムテトラフロオロボレート、
トリエチルオキシニウムテトラフロオロボレート、
N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
(α−ベンゾイルベンジル)p−トルエンスルホネート、
(β−ベンゾイル−β−ヒドロキシフェネチル)p−トルエンスルホネート、
1,2,3−ベンゼントリイルトリスメタンスルホネート、
(2,6−ジニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(2−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(4−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
などが挙げられる。なかでも、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物が好ましい。
また、前記オニウム化合物以外にも、活性エネルギー線照射によりスルホン酸を光発生するスルホン化物、例えば2−フェニルスルホニルアセトフェノン、活性エネルギー線照射によりハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、例えば、フェニルトリブロモメチルスルホン、及び1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、並びに活性エネルギー線照射により燐酸を光発生するフェロセニウム化合物、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェート、及びビス(ベンジル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェートなどを用いることができる。
さらには、下記に挙げる酸発生能を有するイミド化合物誘導体も使用できる。
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミド。
本発明に好適な光塩基発生剤としては、
(1)オキシムエステル系化合物
(2)アンモニウム系化合物
(3)ベンゾイン系化合物
(4)ジメトキシベンジルウレタン系化合物
(5)オルトニトロベンジルウレタン系化合物
などが挙げられ、これらは活性エネルギー線の照射により塩基としてアミンを発生する。その他にも、光の作用によりアンモニアやヒドロキシイオンを発生する塩基発生剤を用いてもよい。これらは、例えばN−(2−ニトロペンジルオキシカルボニル)ピペリジン、1,3−ビス[N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジル]プロパン、N,N’−ビス(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ジヘキシルアミン、及びO−ベンジルカルボニル−N−(1−フェニルエチリデン)ヒドロキシルアミンなどから選ぶことができる。さらには加熱により塩基が発生する化合物を上記光塩基発生剤と併用してもよい。
また、光酸発生剤または光塩基発生剤の活性エネルギー線の波長領域を拡大するために、適宜光増感剤を併用してもよい。例えば、オニウム塩化合物に対する光増感剤には、アクリジンイエロー、ベンゾフラビン、アクリジンオレンジなどが挙げられる。
必要な酸を生成しながらも酸発生剤または塩基発生剤の添加量や光照射エネルギーを最小限に抑制する方法として、酸増殖剤や塩基増殖剤(非特許文献3や特許文献17〜18参照)を酸発生剤または塩基発生剤とともに用いることができる。酸増殖剤は、常温付近で熱力学的に安定であるが、酸によって分解し、自ら強酸を発生し、酸触媒反応を大幅に加速させる。この反応を利用することにより、酸または塩基の発生効率を向上させて、発泡生成速度や発泡構造をコントロールすることも可能である。
分解発泡性化合物
本発明に使用する発泡性組成物に用いられる分解発泡性化合物(以下、分解性化合物と略す)は、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質(低沸点揮発性化合物)が分解脱離する。すなわち、この分解性化合物には、低沸点揮発性物質を発生し得る分解性官能基があらかじめ導入されていなければならない。低沸点揮発性物質とは発泡時にガス化する物質であって、その沸点は発泡加熱温度以下で、通常100℃以下、好ましくは常温以下である。低沸点揮発性物質としては、例えばイソブテン(沸点−7℃) 、二酸化炭素(沸点−79℃)、窒素(沸点−196℃)などがあげられる。分解性官能基としては、酸と反応するものとしてtert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ケト酸およびケト酸エステルを含有する部位などが挙げられ、塩基と反応するものとしてウレタン基、カーボネート基などが挙げられる。酸と反応して、tert−ブチル基はイソブテンガスを、tert−ブチルオキシカルボニル基はイソブテンガスと二酸化炭素を、ケト酸部位は二酸化炭素を、ケト酸エステルたとえばケト酸tert−ブチル基は二酸化炭素とイソブテンを発生する。塩基と反応して、ウレタン基、カーボネート基は二酸化炭素ガスを発生する。酸(または塩基)分解性化合物の例としては、モノマー、オリゴマー、高分子化合物(ポリマー)等を使用することができ、例えば、以下のような化合物群に分類することができる。
(1) 非硬化性低分子系の分解性化合物群
(2) 硬化性モノマー系の分解性化合物群
(3) 重合体系の分解性化合物群
硬化性モノマー系の分解性化合物に代表される例として、活性エネルギー線を照射したときに重合反応を生じるようなビニル基を含んだ活性エネルギー線硬化性化合物の場合には、均一な微細気泡の形成が容易であり、強度的に優れた繊維状発泡体を得ることが可能である。分解性化合物の具体例を下記に示す。
(1)−a、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
1−tert−ブトキシ−2−エトキシエタン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ナフタレン、
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミド、
2,2−ビス[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニル]プロパンなど
(1)−b、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)ピペリジンなど
(2)−a、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、
tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート、
1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート、
4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート、
6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート、
(2−tert−ブトキシエチル)アクリレート、
(3−tert−ブトキシプロピル)アクリレート、
(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート、
3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート、
4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシ)スチレン、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
アクリロイル酢酸、メタクロイル酢酸
tert−ブチルアクロイルアセテート、
tert−ブチルメタクロイルアセテートなど
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド
(2)−b、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
4−[(1,1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1,1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン、
(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート、
(1,1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレートなど
(3)−a、重合体系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
ポリ(tert−ブチルアクリレート)、
ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、
ポリ(tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート)、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート]、
ポリ[1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート]、
ポリ{4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン}、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート]、
ポリ[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート]、
ポリ(2−tert−ブトキシエチルアクリレート)、
ポリ(3−tert−ブトキシプロピルアクリレート)、
ポリ[(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート]、
ポリ[3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート]、
ポリ[4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリアクリロイル酢酸、ポリメタクロイル酢酸、
ポリ[tert−ブチルアクロイルアセテート]、
ポリ[tert−ブチルメタクロイルアセテート]
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド/スチレン共重合体など
(3)−b、重合体系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
ポリ{p−[(1,1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1,1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ[p−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート]、
ポリ[1,1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレート]、
などを挙げることができる。
分解性官能基を導入したポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、デンドリマーなどの有機系高分子化合物を酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物として用いることができる。さらには、シリカなどの無機系化合物に分解性官能基を導入した酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物も含む。なかでも、分解性官能基は、カルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる官能基を有する化合物群に導入されることが好ましい。
上記分解性化合物群は単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。また、上記分解性化合物は他の樹脂と混合して用いることもできる。混合した時に分解性化合物と他樹脂とが相溶でも非相溶でもどちらでもかまわない。他の樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系複合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリロイル樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂など一般に用いられる樹脂から適宜選択して用いることができる。また、分解性化合物から分解してガス化する低沸点揮発性物質を繊維中に内在させることを目的として、ガスバリヤ性樹脂を用いることもできる。ガスバリヤ性樹脂は、混合しても積層してもよく、低沸点揮発性物質を繊維中により内在させるには、繊維表面に積層するのが好ましい。
分解性発泡化合物のうち、硬化性モノマー系の分解性化合物群および重合体系の分解性化合物群は単独で用いてもよいし、上記の一般に用いられる樹脂と混合して用いてもよい。これに対して、非硬化性低分子系の分解性化合物群は単独では成形できないので、上記の一般に用いられる樹脂と混合して用いる必要がある。
本発明の繊維状発泡体の耐水性をあげるためには、発泡性組成物として少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物に分解発泡性官能基を導入した化合物を用いることもできる。本発明に用いられる疎水性官能基は、主に脂肪族基、脂肪環族基、芳香族基、ハロゲン基、ニトリル基からなる群の中から選ばれることが好ましい。分解発泡性官能基は、主にカルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる親水性官能基に導入されやすい。したがって、本発明の分解性化合物としては、前記親水性官能基に分解発泡性官能基を導入した分解性ユニットと、疎水性官能基を含む疎水性ユニットからなる複合化合物が好ましい。より好ましい前記複合化合物は、分解性ユニットおよび疎水性ユニットがビニル系重合体である。疎水性ユニットは、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート群、スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物群、(メタ)アクリロニトリル化合物群、酢酸ビニル化合物群、塩化ビニル化合物群などが挙げられる。分解性化合物の代表的な例としては、分解性ユニットが、親水性官能基のカルボン酸基を有するアクリル酸に分解性官能基であるtert−ブチル基を導入したtert−ブチルアクリレートであり、そして疎水性ユニットが疎水性官能基のメチル基を有するメチルアクリレートである組合わせからなるビニル系共重合体が挙げられる。分解性ユニット/疎水性ユニットの組合わせからなる分解性化合物の具体例を以下に示す。
tert−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体
tert−ブチルメタアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/エチルアクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/エチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/エチルアクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/塩化ビニル共重合体
tert−ブチルアクリレート/アクリロニトリル共重合体
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン/スチレン共重合体
また、分解性化合物中の分解性ユニットおよび疎水性ユニットは、一種単独でまたは2種以上併用することができる。共重合の形式は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などの任意に行なうことができる。また、疎水性ユニットの共重合比は、分解性化合物全量に対して5〜95質量%であることが好ましく、分解性化合物の分解発泡性および発泡構造の環境保存性を勘案すると、20〜80質量%がより好ましい。
上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。 上記分解性化合物は、分解発泡性官能基が分解脱離して気泡形成ガスを発生した後に、少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物となる。
本発明の繊維状発泡体の耐水性をあげるためには、発泡性組成物として、温度30℃相対湿度60%の環境雰囲気下においてJIS K−7209D法で測定した平衡吸水率が10%未満の低吸湿性化合物に分解発泡性官能基を導入した化合物を用いることもできる。分解発泡性官能基を導入しやすい構造を有する低吸湿性化合物としては、例えばp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。したがって、分解性化合物は、p−(tert−ブトキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシ)スチレン、p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレンが挙げられる。これらは硬化性モノマーでも一種類以上を混合した重合体でもよい。
また、吸水率が10%以上の高吸湿性化合物と、吸水率10%未満の低吸湿性化合物との組合わせからなる複合化合物に分解発泡性官能基を導入してもよい。ただし、複合化合物は、適切な組合わせにより10%未満の吸水率を有していることが好ましい。例えば、高吸湿性化合物であるアクリル酸と低吸湿性化合物であるp−ヒドロキシスチレンの共重合体(複合化合物)は、その共重合比がアクリル酸/p−ヒドロキシスチレン=90/10〜0/100であることが好ましい。分解性化合物の具体的な例としては、
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルメタクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
さらには、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、デンドリマーからなる群の中から選ばれた低吸湿性高分子材料などに分解発泡性官能基を導入してもよい。
上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。上記分解性化合物は、分解発泡性官能基が分解脱離して気泡形成ガスを発生した後に、低吸湿性化合物となる。
発泡性組成物
本発明に使用する発泡性組成物には、酸発生剤または塩基発生剤と分解発泡性化合物以外に、他の活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物を組み合わせて用いてもよい。併用化合物の例としては、
(1)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコール及びポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート類
(2)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコールにアルキレンオキサイドを付加させて得られた化合物の(メタ)アクリレート類
(3)ポリ(メタ)アクリロイルアルキルリン酸エステル類
(4)多塩基酸とポリオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物
(5)イソシアネート、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(6)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物
(7)エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(8)メラミンと(メタ)アクリル酸の反応生成物
等を挙げることができる。
併用できる化合物の中で、硬化性モノマーや樹脂は、発泡体の強度や耐熱性といった物性の向上効果や発泡性の制御効果などが期待できる。また分解性化合物および併用化合物に硬化性モノマーを用いれば、無溶剤成形ができ、環境負荷の少ない製造方法を提供できる。たとえば特許文献10や、特許文献19ではこのような材料が用いられている。
併用化合物の具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、 2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート、エタンジオールジアクリレート、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることが出来るが、これらに限られるものではない。
さらに、前記の併用活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物の一部または全部として、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有する分子量が400〜5000程度の活性エネルギー線硬化性樹脂を組み合わせることもできる。このような硬化性樹脂として、例えば、ポリウレタン変性ポリエーテルポリ(メタ)アクリレートやポリウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどのポリウレタンポリ(メタ)アクリレートポリマー類を用いることが好ましい。
本発明に使用する発泡性組成物には、必要により、無機充填剤、シリコーンオイルや加工助剤、軟化剤としての有機充填剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、光安定剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、その他の安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、有色染料等、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、並びに各種界面活性剤などの分散剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、かつ有機金属化合物などの反応性化合物、滑剤、軟化剤、つや消し材、難燃剤等が一種類以上を添加してもよい。添加剤を用いることにより、発泡性や光学的物性(とくに白色顔料の場合)、電気および磁気的特性(とくにカーボンブラック等の導電性粒子の場合)などの向上が期待できる。
無機系化合物充填剤の具体例としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化珪素、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリカ、カオリン、珪酸白土、珪藻土、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライトなどが遂げられる。なかでも光反射率をさらに向上させる助剤として好ましいのは、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化マグネシウムなどである。2種類以上混合したものであってもよい。
有機系化合物充填剤としては、例えば、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、ポリマービーズなどが挙げられる。ポリマービーズとしては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂又はセルロース誘導体、ポリビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン及びポリカーボネート、架橋用モノマーなどから製造されたものが使用できる。
これらの充填剤は、2種類以上混合したものであってもよい。
紫外線吸収剤の具体例としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、代表的なものにヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
軟化剤は、加工性・成形性を向上させる目的で使用でき、具体的には、エステル化合物類、アミド化合物類、側鎖を有する炭化水素重合体類、鉱油類、流動パラフィン類、ワックス類などが挙げられる。
エステル化合物としては、アルコールとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリエステルであれば特に制限はなく、ヒドロキシル基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、精製ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油、エポキシ大豆油、極度硬化油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエートなどが挙げられる。
アミド化合物としては、アミンとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリアミド化合物であれば特に制限はなく、アミノ基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有する通常オリゴマーに分類されるものが好ましい。具体的には、エチレン−プロピレンの共重合体やそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、ブタジエン、イソプレンのオリゴマーおよびその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物およびこれらから誘導される誘導体、ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、末端ヒドロキシポリブタジエン水添物などが挙げられる。
繊維状発泡体の製造
本発明の繊維状発泡体の製造方法、すなわち前記発泡性組成物を繊維状に成形したのちに活性エネルギー線を照射し、加熱発泡させた繊維状発泡体の製造方法について述べる。本発明の製造方法はバッチ法でも連続法でもかまわないが、製造工程として、成形工程、活性エネルギー線照射工程、必要に応じて好ましくは加熱発泡工程をもつ。加熱発泡工程の後に冷却工程を設けてもかまわないし、原料に溶液を用いた場合では成形工程と活性エネルギー線照射工程の間に乾燥工程を設けてもかまわない。また、延伸工程や、洗浄、乾燥、緩和などのその他の工程を適宜入れてもかまわない。紡糸法を応用した繊維状発泡体および微細孔不織布の連続製法の例を以下に示す。
紡糸法を応用した、本発明の繊維状発泡体の製法例を述べる。乾式紡糸法を利用した繊維状発泡体の連続製法例を図1に示す。本発明の発泡性組成物を溶剤に溶解したポリマー溶液は脱泡、濾過を行い、所定の温度に加温され、紡糸口金1の細孔から紡糸筒2内に吐出される。紡糸筒2の上部のガス導入口3からポリマー溶液温度よりも高い温度に加熱された不活性ガスが導入される。紡糸筒2内では糸条から加熱ガス中への溶剤の拡散・蒸発と糸条の細化が進行する。紡糸筒2から出た糸条は仮撚機5により仮撚を施され、この撚りは紡糸筒2を遡って単繊維合着点に達する。ここでは溶剤濃度がまだ高いため接触した糸は融合し合って単糸の集合体を形成する。この合着は後工程で単糸切れなどの品質トラブルを避けるために必要である。仮撚の方法としてはエアジェット法のほか液体流あるいは回転ロールを用いる方法がある。仮撚機5によって与えられた撚りは、第一ロール6に到達するまでに張力によって解除される。第一ロール6を出た糸条は電子線照射装置7で電子線を照射した後、加熱器8にて所定の温度に加熱され発泡する。加熱器8を出た糸条は、仕上げロール9に接触することによって仕上げ剤を塗布された後、巻取装置10で巻き取られる。図2には溶融紡糸法を利用した繊維状発泡体の連続製法例を示した。本発明の発泡性組成物を溶融押出装置2にて溶融して紡糸口金1の細孔から空気中に押し出し、空冷および冷却管3にて冷却して繊維状に凝固させ、第1ロール4に到達する。第1ロール4を出た糸条は紫外線照射装置5で紫外線を照射した後、加熱器6にて所定の温度に加熱され発泡する。加熱器6を出た糸条は巻取装置7で巻き取られる。その後さらに延伸する場合もある。以上では乾式紡糸および溶融紡糸法を例にあげたが、湿式紡糸、乾湿式紡糸などの他の紡糸方法を用いることも可能である。
本発明で使用する活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線等の電離性放射線が挙げられる。これらの中では電子線および紫外線を用いることが好ましい。上記の連続製法の例では電子線を照射する場合の例を示している。
電子線照射を用いる場合は、十分な透過力を得るために、加速電圧が30〜1000kVであり、より好ましくは30〜300kVの電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量を0.5〜20Mradにコントロールすることが好ましい(1rad=0.01Gy)。加速電圧、あるいは電子線照射量が上記範囲より低いと、電子線の透過力が不十分になり、糸条の内部まで十分に透過することができず、またこの範囲より大きすぎると、エネルギー効率が悪化するばかりでなく、得られた糸条の強度が不十分になり、それに含まれる樹脂及び添加剤の分解を生じ、得られる繊維状発泡体の品質が不満足なものになることがある。電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等のいずれを用いてもよいが、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式の電子線加速器を用いることが好ましい。電子線照射に際しては照射雰囲気の酸素濃度が高いと、酸もしくは塩基の発生、および/または硬化性分解性化合物の硬化が妨げられることがあり、このため照射雰囲気の空気を、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置換することが好ましい。照射雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であることが好ましく、さらに安定的な電子線エネルギーを得るため、500ppm以下に抑制されることがより好ましい。
紫外線照射の場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプなどがあり、近年では、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。
また、紫外線照射には、ArFエキシマーレーザー、KrFエキシマーレーザーや、非線形光学結晶を含む高調波ユニットを介したYAGレーザーなどに挙げられる種々のレーザーや、紫外発光ダイオードを用いることもできる。紫外線ランプやレーザー、紫外発光ダイオードの発光波長は、発泡性組成物の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、光酸発生剤または光塩基発生剤が酸または塩基を効率よく発生させられる発光波長がよい。すなわち、使用する光酸発生剤または光塩基発生剤の感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、それら発生剤の感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長がより好ましく、発生効率が高くなりやすい。紫外線のエネルギー照射強度は、発泡性組成物によって適宜決められる。種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合は、生産性を高めることができ、その照射強度(ランプ出力)は30W/cm以上が好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm2)は、エネルギー照射強度に照射時間を積算したものであり、発泡組成物および所望の気泡分布によって適宜決められる。酸発生剤や塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。安定かつ連続的に製造する上では、1.0mJ/cm2〜20J/cm2の範囲が好ましい。紫外線ランプを使用する場合は、照射強度が高いため、照射時間を短縮することができる。エキシマーランプやエキシマーレーザーを使用する場合は、その照射強度は弱いが、ほぼ単一光に近いため、発光波長が発生剤の感光波長に最適化したものであれば、より高い発生効率および発泡性が可能となる。照射光量を多くした場合、紫外線ランプによっては熱の発生が発泡性を妨げる場合がある。そのときは、コールドミラーなどの冷却処置を行なうことができる。照射方法は、密着照射、投影照射のいずれの方式も採用できる。
加熱発泡で用いることができる加熱器としては特に制限はないが、誘導加熱、抵抗加熱、誘電加熱(およびマイクロ波加熱)、赤外線加熱により加熱ができるもの等が例示できる。放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を利用したオイルヒーター、電熱ヒーター、およびこれらの熱風を利用した熱風ドライヤーなどが挙げられる。誘電加熱や赤外線加熱の場合、材料内部を直接加熱する内部加熱方式なので、熱風ドライヤーなどの外部加熱法よりも瞬時に均一な加熱を行うのに好ましい。誘電加熱の場合、周波数1MHzから300MHz(波長30m〜1m)の高周波エネルギーを用いる。6MHz〜40MHzの周波数が用いられることが多い。誘電加熱のうち特にマイクロ波加熱では周波数が300MHzから300GHz(波長が1m〜1mm)のマイクロ波をもちいるが、2450MHz、915MHz(電子レンジと同じ)を使うことが多い。赤外線加熱の場合、赤外領域の波長0.76〜1000μmの電磁波を利用する。ヒータ表面温度および被加熱材料の赤外吸収スペクトルなどから、状況により選択される波長の最適帯は変化するが、好ましくは1.5〜25μm、さらに好ましくは2〜15μmの波長帯を用いることができる。
以下に、本発明の方法で作られた繊維状発泡体の構造に関しての特徴および用途例を述べるが、これらは本発明を限定するものではない。本発明の方法は、未延伸で気泡径が10μm以下、厚さもしくは太さ50μm程度の繊維状発泡体を容易に得ることができ、延伸によりさらに微細・細薄化することもできる。この発泡体は様々な用途に用いることができる。繊維状発泡体が単繊維ならば織編物にしたり、パルプ等の他の素材と混ぜ合わせシート状にすきあげたり、他の構造体に吹き付けたり、詰物としたりして、衣類、リビング資材、産業資材、医療用品、電気電子部品などとして使用することも可能である。不織布はそのままでも用いれるが、他の構造体と積層して用いたりもできる。
本発明の繊維状発泡体の製造方法は、気泡径を数10nm〜数10μm、発泡倍率を数10倍までコントロールできるので、得られる発泡体の特性は前記特願2003−199515などに示されるように、光学特性、熱特性、電気特性などにおいてさまざまな特徴がある。
高感性繊維
外観、触感、風合い、質感、色合いなど感性(感覚)面で優れた衣料素材として高感性繊維が注目されている。そのような繊維には表面凹凸、異形断面構造、繊度差など微細に加工された微細繊維が多い。本発明の方法では、活性エネルギー線があたった部分のみが加熱により発泡するので、照射/未照射部位をつけたり、活性エネルギー線量によって発泡構造が容易に変化するので、高照射量/低照射量部位をつけたりすれば発泡により表面凹凸、異形断面、繊度差などを付加することが可能であるし、細径繊維でも容易に発泡できるので、高感性微細繊維に発泡構造を導入して更なる高感性・高機能化を図ることも可能である。繊度にもよるが気泡径は10nm〜10μm程度、好ましくは10nm〜1μm程度である。
また、芯部に可視光の波長に近い400〜800nm程度の気泡径の気泡をもち、表層部が未発泡であるような繊維状発泡体は獣毛繊維に見られる構造で、獣毛に見られるような特殊な発色性を得ることができる。その発色性とは、同一の繊度であっても淡色と混色との違いでその太さ感や繊維表面の光沢がまったく異なって見えるというものであり、従来の合成繊維では得られない風合い、質感を出すことが可能である。アイボリー、ベージュグレー等の淡色では着色効果が少なく繊維の透明度も高いために、入射光が鞘部分をほぼ直線的に透過し芯部に到達、光の波長に近い気泡径を持つ芯部で光が乱反射し、見かけ無機物を添加したように見られるような不透明感を呈し、それにより太く感じられる。これに対し、ブラウン、ブラックなどの濃色の場合、着色効果が大きいため入射光の大部分が吸収されて芯部における乱反射量が小さくなり、不透明感が見た目に弱くなることにより細く感じられる。本発明の方法を用いれば加熱発泡の初期温度を下げて後期に温度を上げたりすることで、表面に未発泡のスキン層を得ることができるので、合成繊維で得ることが困難だった上述の特殊発泡性を付与することが容易にできる。
低誘電性用途
最近のコンピュータおよび通信機器等の分野は、高速演算処理、大量高速通信、携帯性、および可搬性求められており、絶縁部材の低誘電率化および小型・薄肉・軽量化が求められている。本発明の繊維状発泡体は発泡により低誘電率化および軽量化が図られる。通信機器および電子機器類の高密度実装化でケーブル芯線が細径化され100μm以下の肉厚の電線被服体で低誘電率のものが求められる。本発明により独立気泡の100μm以下の肉厚の電線被服体を容易に得ることができる。独立気泡であることにより被服体内部に湿気が入りにくいことから、水分による誘電率の上昇も心配のない非常に薄い電線被服体を得ることができる。この場合の気泡径は10μm以下、好ましくは1μm以下がよい。
断熱・遮熱用途
本発明の繊維状発泡体は断熱・遮熱材性があり、断熱包装材、断熱容器、壁面等の断熱・遮熱性付与、保温性の必要な衣料などに用いることができる。とくに熱伝導についての常圧における空気の平均自由工程65nmに近い10〜100nmの気泡で空気の熱伝導性が著しく低下するので従来では得られない超低断熱性を得ることも可能になる。10〜100nmの空孔径を有する不織布(多孔質体)は冷蔵庫などの真空断熱体に用いることで、真空度を上げずに従来並みの断熱性能を得ることができる。
また、本発明の繊維状発泡体を紙にすきこんだり、塗料に添加してとしてフィルムや紙表面に塗工することにより、紙やフィルムの断熱性を向上させることも可能である。感熱紙、昇華熱転写紙、溶融熱転写紙、電子写真用紙などの画像情報記録用紙、食品などの包装用紙、壁紙等の建築資材などにも用いることができる.
軽量および浮揚性用途
本発明の繊維状発泡体は軽量衣料・靴にも用いることができる。さらに本発明の繊維状発泡体を紙にすきこめば新聞紙などの超軽量高隠蔽紙などにも用いることができる。また、材料リサイクルのための樹脂材料分別などにも用いることができる。最も容易な材料分別法の一つは空気および水等に対する浮揚性の違いを用いる分別であるが、樹脂材料同士の分別の場合はあまり大きな密度差がえられないため浮揚性の差による分別に苦慮している。
波長選択性反射および透過繊維
本発明の繊維状発泡体の製造方法はサブミクロンオーダー(0.1〜1μm)からミクロンオーダー(1〜10μm)で気泡径をコントロールすることができるので、特定の波長成分を選択して透過および反射する繊維状発泡体を得ることが可能である。たとえば、赤外領域を透過し、可視紫外領域を反射する繊維状発泡体を得ることが可能である。図3は平均径0.3μmの気泡を有する発泡体の光透過スペクトルであり、波長選択性があることがわかる。この特性により、たとえば冬物衣料、スキーウェアーなどで肌を紫外線から守り、体を温め、保温する機能を、紫外線吸収剤などを添加せず、発泡構造自体の特性として得ることができるので効果が持続しやすい。また光ファイバーとして、クラッド部(外郭部)に本繊維状発泡体を有し、コア部(中央部)にフッ素化樹脂などを有する複合ファイバーとして用いることもできる。近年光通信で用いられる光は赤外光であり、本繊維状発泡体は微細発泡ゆえに赤外光に対してほとんど光散乱しない透明体として振舞うことができ、さらに、発泡により低屈折率化するので光をコア部に閉じ込めて伝播することが可能かである。これらの場合、気泡径を紫外線〜可視光の波長程度すなわち100〜800nm程度にすることが好ましい。
光反射、白色、隠蔽繊維
本発明の繊維状発泡体はサブミクロンオーダー(0.1〜1μm)の気泡径をもつ発泡構造を有することができる。この可視光線の波長と同程度の気泡径を持つ発泡体では、強い光散乱を示すMie散乱がおこることが知られている。気泡径を最適化することで高光反射率、高白色、高隠蔽性をもつ厚さもしくは太さ50μm以下の繊維状発泡体をつくることが可能である。高隠蔽用途としては、薄物高隠蔽性衣料、高隠蔽薄葉プリント用紙、隠蔽性ラベル、遮光性容器、農園芸用遮光フィルム、隠蔽修正用転写テープ部材、高隠蔽性薄物配送伝票用基材、ポスター、カード部材、情報記録用紙(感熱および感圧記録紙、電子写真用紙、昇華受容紙、溶融熱転写受容紙、インクジェット用紙)の支持体材料、包装材料、バーコードラベル、バーコードプリンター受像紙、地図、無塵紙、表示板、白板、電子白板、印画紙、化粧紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、カレンダー、トレーシング紙、伝票、配送伝票、感圧記録紙、複写用紙、臨床検査紙などに用いることができる。高反射性用途としては液晶用バックライト反射体、医療用、写真用または液晶用ライトボックス反射体、面光源反射体、蛍光灯や白熱灯などの照明用反射体、内照式表示器具および電飾看板用部材、道路用標識部材、ステッカー部材、ブラインド部材などが挙げられる。
上記は本発明の繊維状発泡体の用途例の一部である。これら以外にも発泡としての特性を利用した遮音材、吸音材、緩衝材、物質透過膜および濾過膜、吸着体、触媒担持体などに用いることもできる。
本発明を下記実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」および「%」は各々「質量部」および「質量%」を表わす。
<実施例1>
tert−ブチルメタクリレート/アクリロニトリル(重量比50/50)の共重合体100部に対して、ヨードニウム塩系酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート(商標:BBI−109、ミドリ化学製)3部を混合し、これをジメチルホルムアミドに加熱溶解して固形分含有量30%の紡糸原液を得た。この原液を130℃に加熱した後、紡糸口金から230℃の不活性ガス中に吐出し、未延伸糸を得た。ついで未延伸糸を沸騰水中で延伸した後、洗浄、乾燥させ、さらに電子線を加速電圧200kV、吸収線量9Mrad、酸素濃度500ppm以下の条件下で照射し、120℃の熱風オーブンで加熱して発泡させた。
得られた繊維状発泡体の発泡構造を確認するために、その断面を観察した。すなわち、サンプルを液体窒素中で凍結割断し、得られた樹脂層の断面上に金蒸着処理を施し、この金蒸着面を、走査型電子顕微鏡(商標:S−510、日立製作所製)を用いて断面構造を観察した。断面構造から発泡体厚さ、平均気泡径を、密度の測定より発泡倍率を求めた。発泡体厚さは上記電子顕微鏡で観察した加熱発泡前後の断面画像(拡大倍率:2500倍)から測定した。気泡径は発泡樹脂層断面の観察画像(拡大倍率:5000倍)から無作為に100個の気泡を選び出し、それらの直径の平均とした。発泡倍率は室温でアルキメデス法により発泡体の密度(A)、および発泡体を溶剤に溶かし再び成膜して未発泡状態にしたときの密度(B)を測定し、B/Aより発泡倍率を求めた。得られた繊維状発泡体は、繊度15dtex、平均気泡径0.3μm、発泡倍率1.7倍であった。
実施例2
実施例1と同様にして、微細気泡を有する繊維状発泡体を作製した。但し、実施例1の電子線照射工程において、活性エネルギー線として使用した電子線の代わりに紫外線を用いた。この紫外線は、Y線ランプ(ピーク波長214nm)を有する紫外線照射装置(ウシオ電機製)を用いて、照射線量3000mJ/cm2となるように照射された。
得られた繊維状発泡体の発泡構造を実施例1と同様に観察した結果、繊度14dtex、平均気泡径0.4μm、発泡倍率1.4倍であった。

本発明により、従来法では得ることができなかった発泡法による微細発泡構造を有する独立もしくは連続泡からなる繊維状発泡体を容易に提供することが可能となるので、衣類、リビング資材、産業資材、メディカル用品、電気・電子用品などのさまざまな分野に大きな寄与を与える。
乾式紡糸法を利用した繊維状発泡体の連続製法例 溶融紡糸法を利用した繊維状発泡体の連続製法例 平均径0.3μmの気泡を有する発泡体の光透過スペクトル
符号の説明
1.紡糸口金、2.紡糸筒、3.ガス導入口、4.ガス排出口、5.仮撚機、6.第1ロール、7.電子線照射装置、8.加熱器、9.仕上げ剤ロール、10.巻取装置
11.溶融押出装置、12.冷却管、13.紫外線照射装置、

Claims (1)

  1. 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物を、繊維状に成形した後に活性エネルギー線を照射し、更に加熱して発泡させることにより、平均気泡径が0.01μm〜1μmの気泡を含有させることを特徴とする、繊維状発泡体の製造方法。
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