JP4218499B2 - 無線端末装置、及びプログラム - Google Patents

無線端末装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、データ送信が可能な他の無線通信装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定(認識)する無線端末装置に関する。
近年、他の無線端末装置(以降、「無線端末」と略記する)から受信したデータをそれとは異なる無線端末に送信(転送)することで中継する中継機能を搭載した無線端末が無線ネットワーク(アドホック無線ネットワーク)の構築に用いられるようになっている。そのような無線端末を用いると、専用のルータを用意する必要がないことから、柔軟性や経済性の高い無線ネットワークを構築することができる。
その無線ネットワークの構築に用いられる従来の無線端末としては、特許文献1或いは2に記載されたものがある。その従来の無線端末では、一定周期でデータ送信が可能な他の無線端末までの通信ルートを示す無線接続情報(ルーティングテーブル。以下「構成情報」と呼ぶ)を送信する。その構成情報は、例えば他の無線端末毎にホップ数をまとめたものである。そのホップ数とは、他の無線端末にデータが送信されるまでに無線端末間で行われる無線通信回数である。それにより、例えば他の無線端末までのルートに他に3つの無線端末が存在していれば、つまり3つの無線端末で中継されてその他の無線端末にデータが送信されるのであれば、ホップ数は4(=中継回数+1)となる。
各無線端末は、互いに構成情報をやりとりすることにより、直接、通信が行える他の無線端末を認識し、その無線端末を介してデータ送信が可能な別の無線端末、及びその通信ルート(相対的な位置関係)を特定する。自身が送信する構成情報は、受信した構成情報が存在すれば、それを参照して生成(更新を含む)する。データ送信は、生成した構成情報の内容に従って行われる。
各無線端末は独立して構成情報を生成する。このため、複数の無線端末と通信可能な無線端末では、同一の無線端末への通信ルートが存在する複数の構成情報を受信する場合がある。その場合、特許文献1、或いは2に記載の従来の無線端末では、ホップ数が最小となる通信ルートを選択している。
作成された構成情報の内容は、無線ネットワークの構成が変化、つまり無線端末の数が増減するか、或いはその位置的関係が変化しない限り維持される。このため、トラフィックが激しい無線端末間のリンクも維持されることになる。
データ送信は、パケット等の予め定めたデータ量を送信単位として、その送信単位でデータを分解して行われる。それにより、時間軸上では間隔のあるバースト状にデータは送信されるが、各々は非同期で送信されるため、各無線端末によるデータの送信がタイミング的に一致してしまうことがある。その場合、各無線端末が送信する電波が干渉してしまい、その干渉によって通信に障害が発生しやすくなる。そのような障害の発生は、安定性や伝送効率を低下させる。それが発生する可能性は、トラフィック量が増える程、高くなる。このことから、データの送信に用いる通信ルートは、トラフィックを考慮して選択することも重要であると考えられる。
なお、ポーリングによりデータ送信を行う場合には、特許文献3に記載されているように、ポーリングを行う時間間隔や回数を管理することにより、所定区間における伝送誤りを低減させる技術が創案されている。
特開2000−013376号公報 特開2000−092061号公報 特開2003−060645号公報
本発明は、トラフィックを考慮してデータ送信に用いる通信ルートを選択する無線端末装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の無線端末装置は、データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置であることを前提とし、無線でデータを送受信する送受信手段と、送受信手段が他の無線端末装置から受信する接続情報により、通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する転送先選択手段と、送信先無線端末装置に送信すべきデータを送受信手段により転送先選択手段が選択した転送先無線端末装置に送信させる通信制御手段と、直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で送受信手段がデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、過去の特定時間内に行われたデータ送信の回数を該他の無線端末装置毎に計数して保存する情報保存手段と、を具備し、転送先選択手段は、複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで情報保存手段が保存する回数が所定数を越えている他の無線端末装置を除外する形で転送先無線端末装置を動的に選択する。
第2の態様の無線端末装置は、上記第1の態様と同様に、データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置であることを前提とし、無線でデータを送受信する送受信手段と、送受信手段が他の無線端末装置から受信する接続情報により、通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する転送先選択手段と、送信先無線端末装置に送信すべきデータを送受信手段により転送先選択手段が選択した転送先無線端末装置に送信させる通信制御手段と、直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で送受信手段がデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、前回データ送信を行った時刻を該他の無線端末装置毎に保存する情報保存手段と、を具備し、転送先選択手段は、複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで情報保存手段が保存する時刻からの経過時間が所定時間を越えていない他の無線端末装置を除外する形で転送先無線端末装置を動的に選択する。
本発明の第1の態様のプログラムは、データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置に実行させるプログラムであって、無線でデータを送受信する機能と、送受信する機能によって他の無線端末装置から受信する接続情報により、通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する機能と、送信先無線端末装置に送信すべきデータを送受信する機能により、選択する機能によって選択した転送先無線端末装置に送信させる機能と、直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で送受信する機能によってデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、過去の特定時間内に行われたデータ送信の回数を該他の無線端末装置毎に計数して保存する機能と、を実現させ、選択する機能は、複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで保存する機能により保存する回数が所定数を越えている他の無線端末装置を除外する形で転送先無線端末装置を動的に選択する。
本発明の第2の態様のプログラムは、データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置に実行させるプログラムであって、無線でデータを送受信する機能と、送受信する機能によって他の無線端末装置から受信する接続情報により、通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する機能と、送信先無線端末装置に送信すべきデータを送受信する機能により、選択する機能によって選択した転送先無線端末装置に送信させる機能と、直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で送受信する機能によってデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、前回データ送信を行った時刻を該他の無線端末装置毎に保存する機能と、を実現させ、選択する機能は、複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで保存する機能により保存する時刻からの経過時間が所定時間を越えていない他の無線端末装置を除外する形で転送先無線端末装置を動的に選択する。
本発明は、他の無線端末装置から受信する接続情報により、通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、その複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択し、送信先無線端末装置に送信すべきデータをその転送先無線端末装置に送信させる。
複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択すると、それら他の無線端末装置のなかから転送先無線端末装置として選択される他の無線端末装置は動的に変更されることとなる。その動的な変更により、トラフィック量が大きいことでボトルネックとなる無線端末装置間では、そのトラフィック量が全体として低減される(負荷が分散される)。このため、それを用いて構築される無線ネットワーク全体では、安定性、及び伝送効率が向上することとなる。
直接、通信が可能な他の無線端末装置との間でデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報をその他の無線端末装置毎に保存し、その通信状況情報を参照するようにした場合には、直接、通信が可能な他の無線端末装置との間のトラフィック量を考慮して転送先無線端末装置を動的に選択することができる。このため、通信上の負荷をより適切に分散させることができるようになる。その結果、無線ネットワーク全体で安定性、及び伝送効率を常に高く維持できることとなる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例につき詳細に説明する。
図1は、本実施例による無線端末装置(以下「無線端末」と略記)の構成図である。
その無線端末1は、例えばデータ送信の中継用のものか、或いは無線通信機能を搭載、若しくはその機能を有する装置を接続させたパーソナルコンピュータ、PDAなどである。図1には、無線通信に特に係わる部分のみを抜粋して示してある。
図1に示すように、その無線端末1は、データの送受信に用いられるアンテナ11と、アンテナ11から出力される受信信号の復調や、送信すべき送信信号(データ)を変調しアンテナ11への出力を行う送受信部12と、送受信部12から入力した受信信号(パケット)のヘッダの解析を行うヘッダ解析部13と、構成情報(ルーティングテーブル)を格納する構成情報格納部14と、その格納部14に格納する構成情報を編集(生成)する構成情報編集部15と、送受信部12による送信信号の送受信を制御する通信制御部16と、他の無線端末1と行った通信の状況を示す情報を負荷管理情報として格納した負荷管理情報格納部17と、を備えて構成されている。
上記構成情報編集部15は、送受信部12が受信した他の無線端末1からの構成情報を参照して、構成情報格納部14に格納すべき構成情報を編集・生成し、その格納部14に格納する。通信制御部16は、その構成情報を、予め定められたタイミング、例えば一定周期で送受信部12により送信させる。その構成情報は、図2に示すように、特許文献1と同じく、各無線端末1毎にそのホップ数をまとめたものである。図2中の「無線機ID」は無線端末1を識別するためのユニークな管理番号である。
上記通信制御部16は、ヘッダ解析部13から入力した解析結果により、パケットの中継に係わる制御を行う。その制御は、構成情報格納部14に格納された構成情報の他に、送受信部12が受信した他の無線端末1からの構成情報、及び負荷管理情報格納部17に格納された負荷管理情報を参照して行う。中継でない送信信号の送信では、例えばその最終的な送信先の無線端末1(以降「目的局」と呼ぶ)を示すアドレスをヘッダに格納したパケットを生成し、送受信部12を介して送信させる。
その負荷管理情報は、例えば直接、通信が可能な無線端末1毎に、それを示す無線機ID、及びその無線機IDが割り当てられた無線端末1と行った通信の状況を示す情報(負荷情報)をまとめたものである。その負荷情報は、過去の特定時間内(現在時刻から特定時間前の間)にデータを送信した送信回数(図7参照)、前回データを送信した送信時刻(前回送信時刻。図8参照)、或いはそれらを含むもの(図9参照)、である。
送信回数は、トラフィックが大きい無線端末1ほど大きくなる。送信時刻は、トラフィックが大きい無線端末1ほどデータ送信を行う時間間隔の平均は短くなることから、より遅いもの、つまり現在時刻に近いものとなる傾向がある。このようなことから、それらは何れも、直接、通信が可能な他の無線端末1との間で実際に行われている通信の負荷の大きさを直接的、或いは間接的に表している情報である。
上述したような構成の負荷管理情報を参照することにより、本実施の形態では、通信ルートが複数、存在する目的局へデータ送信する場合、その何れかを構成する直接、通信が可能な無線端末1のなかで実際にデータを送信する無線端末1を、その間の通信上の負荷を考慮して選択するようにしている。それにより、トラフィック量が比較的に大きい無線端末1との間の通信はそのトラフィック量を抑え、そのトラフィック量が比較的に小さい無線端末1との間の通信はそのトラフィック量をより増大させる形で負荷を分散させている。
トラフィック量を抑える形で負荷を分散させることにより、各無線端末1が送信する電波の干渉により発生する通信上の障害は抑えられるようになる。このため、安定性や伝送効率は全体として向上し、パケットを適切に受信できない(パケットの紛失)といった不具合が発生する可能性は低減することとなる。
複数の無線端末1が同じ無線端末1を目的局としてデータ送信が行える場合、その複数の無線端末1と直接、通信が可能な目的局でない無線端末1は、各無線端末1から目的局へのホップ数を格納した構成情報を受信することになる。それにより、そのような構成情報を受信した無線端末1は、目的局への通信ルートが複数、存在していることを認識することができる。このようなことから、そのような構成情報を送信した無線端末1は、目的局への通信ルートを構成する、直接、通信が可能な無線端末1ということになる。
なお、構成情報編集部15は、目的局となる無線端末1毎に、受信した構成情報のなかでホップ数が最小となるものを選択し、選択したホップ数に1を加えたものをその無線端末1へのホップ数として構成情報格納部14に格納する。それにより、構成情報は、ホップ数が最小となる通信ルートを選択する形で編集・生成する。
図3は、通信ルートが複数、存在する場合の送信先選択処理のフローチャートである。次に図3を参照して、通信ルートが複数、存在する場合に、そのうちの何れかを構成する直接、通信が可能な無線端末1のなかから実際に通信を行う無線端末1を選択するために通信制御部16が実行するその選択処理について詳細に説明する。その処理は、例えば無線端末1に搭載されたCPUが、ハードディスク装置等に格納されたプログラムを実行することで実現される。
データ(パケット)送信を行う状況は、自身の無線端末(以降「自局」と呼ぶ)1が送信元として行う場合と、他の無線端末1を目的局とするパケットの受信により中継のために行う場合と、に大別される。何れの場合であっても、目的局への通信ルートが複数、存在していれば、図3に示す送信先選択処理の実行により送信(転送)先とする無線端末1が選択される。上述したように、通信ルートが複数、存在しているか否かは、受信した構成情報から判定される。その判定のために、構成情報格納部14には受信した構成情報も併せて格納するようにしている。
先ず、ステップS1では、構成情報編集部15が編集・生成した構成情報(以降、便宜的に「自構成情報」と呼ぶ)から送信先の候補(宛先候補)となる無線端末1を1つ選択する。それにより、目的局へのホップ数を有する構成情報を送信した無線端末1のなかで着目する無線端末1を選択すると、ステップS2に移行して、負荷管理情報格納部17に格納した負荷管理情報から、その無線端末1の負荷情報を抽出する。ステップS3にはその後に移行する。
ステップS3では、抽出した負荷情報が、送信先とすべき条件を定めた条件式を満たすか否か判定する。着目する無線端末1との間のトラフィック量が通信を回避すべき状況でないような場合、負荷情報は条件式を満たすことになることから、判定はYESとなり、着目する無線端末1を送信先として決定した後、一連の処理を終了する。そうでない場合には、判定はNOとなり、ステップS4において、自構成情報から別の無線端末1を宛先候補として選択した後、上記ステップS2に戻る。
このように、本実施の形態では、ステップS3の判定がYESとなるまで、ステップS2〜S4で構成される処理ループを繰り返し実行するようにしている。それにより、負荷情報が条件式を満たす無線端末1を探し出し送信先として決定するようにしている。特には図示していないが、何れの無線端末1も負荷情報が条件式を満たさないのであれば、それらのながでトラフィック量が最も小さいと考えられる無線端末1を送信先として決定するようにしている。
上記条件式は、例えば
送信回数 ≦ 閾値 ・・・式(1)
現在時刻 − 前回送信時刻 ≧ 閾値 ・・・式(2)
というようなものである。式(1)は負荷情報として送信回数を採用した場合のものであり、式(2)はその負荷情報として前回送信時刻(前回データを送信した送信時刻)を採用した場合のものである。
ここで閾値とは、式(1)では過去の特定時間内で許容できる送信回数を示し、式(2)では許容できない送信時間間隔を示している。そのような閾値を負荷情報として採用する情報、無線端末1を用いて構築するシステムの規模、及びその無線端末1の性能などを考慮して設定することにより、通信の負荷を適切に分散させることができる。
以降は、図4〜図9に示す説明図を参照して、本実施の形態による無線端末1の動作を具体的に説明する。
図4は、本実施の形態による無線端末1を用いて構築された無線通信ネットワークの構成例を示す図である。図中、丸のなかに「A」〜「H」のうちの何れかが表記されたものはそれぞれ無線端末1を示し、それらを結ぶ直線は直接、通信が可能な無線端末1の間をそれぞれ示している。ここでは、例えば「A」が表記された無線端末1には符号として「1A」を付すことにより、無線端末1が図4中のうちの何れであるか符号によって表すこととする。
始めに、負荷情報として送信回数のみを採用した場合について説明する。データの送信元としては無線端末1Aを、目的局としては無線端末1Dを想定することとする。閾値は1とする。
その無線端末1Aは、図4に示すようなネットワーク構成であった場合、自構成情報として図5に示す内容のものを構成情報格納部14に格納する。その自構成情報は、ホップ数が最小となる通信ルートを選択して生成したものである。図5中の「B」〜「H」は、それぞれ無線端末1B〜1Hを表している。これは図6〜図9においても同様である。
無線端末1Aが直接、通信が可能な無線端末1は無線端末1E、1B、及び1Fである。それらから受信した構成情報では、無線端末1Dまでのホップ数は何れも2である。このため、無線端末1Aでは、無線端末1Dまでのホップ数は3となる。図6は、無線端末1Bから受信した構成情報の内容を説明する図である。
直接、通信が可能な無線端末1は無線端末1E、1B、及び1Fであることから、無線端末1Aは、図7に示すように、それらと過去の特定時間内に行ったデータの送信回数を計数して、その計数結果を負荷情報として負荷管理情報格納部17に格納する。その図7は、その特定時間内に無線端末1Bにデータを送信した送信回数が2、他の無線端末1E、及び1Fの送信回数が共に0であることを示している。
無線端末1Dまでのホップ数を算出するために無線端末1Bから受信した構成情報を採用した場合、無線端末1Aは、図3のステップS1の処理を実行することにより、データを送信する宛先候補として、図5に示す自構成情報から無線端末1Bを選択する。次のステップS2の処理の実行では、無線端末1Bの負荷情報を抽出する。
無線端末1Bの負荷情報として格納された送信回数は2である(図7参照)。このため、閾値が1であれば、式(1)の条件式は満たさない。その結果、ステップS3の判定処理を実行すると、判定はNOとなって次にステップS4の処理を実行することになる。
その処理の実行により無線端末1Eを宛先候補として選択すると、その後に実行するステップS2の処理では、その負荷情報を抽出することとなる。その負荷情報として格納された送信回数は0である。このため、式(1)の条件式は満たすこととなり、ステップS3の判定処理における判定結果はYESとなる。それにより、無線端末1Eがデータの送信先として決定され、その無線端末1E宛にデータが送信、つまりデータは無線端末1Eを中継して無線端末1Dまで転送されるされることとなる。その送信により、無線端末1Eに負荷情報として格納された送信回数は更新されて1となる。
次に、負荷情報として前回送信時刻のみを採用した場合について説明する。ここでもデータの送信元としては無線端末1Aを、目的局としては無線端末1Dを想定することとする。閾値は2秒とし、現在時刻は21秒であるとする。その現在時刻において、負荷情報としては図8に示すように、無線端末1Bでは20秒(前回のデータ送信が1秒前に行われたことを示す)、無線端末1Eでは15秒(前回のデータ送信が6秒前に行われたことを示す)、無線端末1Fでは3秒(前回のデータ送信が18秒前に行われたことを示す)、がそれぞれ格納されていることを想定する。
無線端末1Aは、図3のステップS1の処理を実行することにより、データを送信する宛先候補として、図5に示す自構成情報から例えば無線端末1Bを選択する。次のステップS2の処理の実行では、無線端末1Bの負荷情報として20秒(図8)を抽出する。
現在時刻が21秒で前回送信時刻が20秒であると、それらの間の時間間隔は1(=21−20)秒であることから、閾値が2秒では、式(2)の条件式は満たさない。その結果、ステップS3の判定処理を実行すると、判定はNOとなって次にステップS4の処理を実行することになる。
その処理の実行により無線端末1Eを宛先候補として選択すると、その後に実行するステップS2の処理では、その負荷情報(前回送信時刻)として15秒を抽出することとなる。前回送信時刻が15秒であれば、現在時刻である21秒との間の時間間隔は6(=21−15)秒であることから、式(2)の条件式は満たすこととなり、ステップS3の判定処理における判定結果はYESとなる。それにより、無線端末1Eがデータの送信先として決定され、その無線端末1E宛にデータが送信、つまりデータは無線端末1Eを中継して無線端末1Dまで転送されることとなる。その送信により、無線端末1Eに負荷情報として格納された前回送信時刻は更新されて現在時刻である21秒となる。
最後に、負荷情報として送信回数、及び前回送信時刻を採用した場合について説明する。ここでもデータの送信元としては無線端末1Aを、目的局としては無線端末1Dを想定することとする。式(1)用の閾値は1とし、式(2)用の閾値は2秒とする。現在時刻は21秒であるとする。
その現在時刻において、負荷情報としては図9に示すように、無線端末1Bでは送信回数は1回、前回送信時刻は20秒(前回のデータ送信が1秒前に行われたことを示す)、無線端末1Eでは送信回数は1回、前回送信時刻は18秒(前回のデータ送信が3秒前に行われたことを示す)、無線端末1Fでは送信回数は0回、前回送信時刻は0秒(前回のデータ送信が21秒前に行われたことを示す)、がそれぞれ格納されていることを想定する。
無線端末1Aは、図3のステップS1の処理を実行することにより、データを送信する宛先候補として、図5に示す自構成情報から例えば無線端末1Bを選択する。次のステップS2の処理の実行では、無線端末1Bの負荷情報として、送信回数は1回、前回送信時刻は20秒(図9)を抽出する。
送信回数が1回であれば式(1)の条件式は満たすことになる。一方、前回送信時刻が20秒であると、現在時刻(21秒)との間の時間間隔は1(=21−20)秒であることから、式(2)の条件式は満たさない。その結果、ステップS3の判定処理を実行すると、判定はNOとなって次にステップS4の処理を実行することになる。
その処理の実行により無線端末1Eを宛先候補として選択すると、その後に実行するステップS2の処理では、その負荷情報として、送信回数は1回、前回送信時刻は18秒を抽出することとなる。
送信回数が1回であれば式(1)の条件式は満たすことになる。一方、前回送信時刻が18秒であると、現在時刻(21秒)との間の時間間隔は3(=21−18)秒であることから、式(2)の条件式も満たすことになる。このため、ステップS3の判定処理を実行すると、判定はYESとなる。それにより、無線端末1Eがデータの送信先として決定され、その無線端末1E宛にデータが送信、つまりデータは無線端末1Eを中継して無線端末1Dまで転送されることとなる。その送信により、無線端末1Eに負荷情報として格納された送信回数、及び前回送信時刻はそれぞれ更新されて、送信回数は2回、前回送信時刻は現在時刻である21秒となる。
なお、本実施の形態では、負荷情報として、過去の特定時間内にデータ送信を行った送信回数、及び前回それを行った時刻である前回送信時刻のうちの少なくとも一方を無線端末1毎に保存して宛先候補の選択に利用しているが、利用できる負荷情報はそれらに限定されるものではない。つまり、他の情報を採用しても良い。
例えば回数としては、自局宛にデータが送信された回数を無線端末1毎に計数しても良い。或いは、送信した回数、及び送信された回数の合計を計数しても良い。そのような回数もトラフィック量を直接的に表す情報であることから、通信上の負荷を適切に分散するために用いることができる。そのような回数の計数は、予め定めた時間帯毎に行っても良く、条件式に用いる閾値は、時間帯に応じて変更するようにしても良い。時刻としても同様に、自局宛にデータが送信された、或いはそれを受信した時刻を無線端末1毎に保存しても良い。
無線端末1の動作を実現させるようなプログラムについては、CD−ROM、DVD、或いは光磁気ディスク等の記録媒体に記録させて配布しても良い。或いは、無線ネットワーク、或いは公衆網等を介して、そのプログラムの一部、若しくは全部を配信するようにしても良い。何れにしても、ユーザはプログラムを取得してそれを書き換え可能な記録媒体上に書き込ませることにより、既存の無線端末装置に本発明を適用させることができる。このことから、記録媒体は、プログラムを配信する装置がアクセスできるものであっても良い。
本実施の形態による無線端末装置の構成図である。 構成情報の内容を説明する図である。 通信ルートが複数、存在する場合の送信先選択処理のフローチャートである。 本実施の形態による無線端末装置を用いて構築された無線ネットワークの構成例を示す図である。 無線端末装置1Aで生成される構成情報の内容を説明する図である。 無線端末装置1Bから送信される構成情報の内容を説明する図である。 負荷情報として送信回数のみを採用した場合に格納される負荷管理情報の内容を説明する図である。 負荷情報として前回送信時刻のみを採用した場合に格納される負荷管理情報の内容を説明する図である。 負荷情報として送信回数、及び前回送信時刻を採用した場合に格納される負荷管理情報の内容を説明する図である。
符号の説明
1、1A〜1H 無線端末装置
11 アンテナ
12 送受信部
13 ヘッダ解析部
14 構成情報格納部
15 構成情報編集部
16 通信制御部
17 負荷管理情報格納部

Claims (4)

  1. データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置において、
    前記無線でデータを送受信する送受信手段と、
    前記送受信手段が前記他の無線端末装置から受信する接続情報により、前記通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する転送先選択手段と、
    前記送信先無線端末装置に送信すべきデータを前記送受信手段により前記転送先選択手段が選択した転送先無線端末装置に送信させる通信制御手段と、
    直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で前記送受信手段がデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、過去の特定時間内に行われたデータ送信の回数を該他の無線端末装置毎に計数して保存する情報保存手段と、を具備し、
    前記転送先選択手段は、前記複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで前記情報保存手段が保存する回数が所定数を越えている他の無線端末装置を除外する形で前記転送先無線端末装置を動的に選択する、
    ことを特徴とする無線端末装置。
  2. データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置において、
    前記無線でデータを送受信する送受信手段と、
    前記送受信手段が前記他の無線端末装置から受信する接続情報により、前記通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する転送先選択手段と、
    前記送信先無線端末装置に送信すべきデータを前記送受信手段により前記転送先選択手段が選択した転送先無線端末装置に送信させる通信制御手段と、
    直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で前記送受信手段がデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、前回データ送信を行った時刻を該他の無線端末装置毎に保存する情報保存手段と、を具備し
    前記転送先選択手段は、前記複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで前記情報保存手段が保存する時刻からの経過時間が所定時間を越えていない他の無線端末装置を除外する形で前記転送先無線端末装置を動的に選択する、
    ことを特徴とする線端末装置。
  3. データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置に実行させるプログラムであって、
    前記無線でデータを送受信する機能と、
    前記送受信する機能によって前記他の無線端末装置から受信する接続情報により、前記通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する機能と、
    前記送信先無線端末装置に送信すべきデータを前記送受信する機能により、前記選択する機能によって選択した転送先無線端末装置に送信させる機能と、
    直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で前記送受信する機能によってデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、過去の特定時間内に行われたデータ送信の回数を該他の無線端末装置毎に計数して保存する機能と、を実現させ、
    前記選択する機能は、前記複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで前記保存する機能により保存する回数が所定数を越えている他の無線端末装置を除外する形で前記転送先無線端末装置を動的に選択する、
    ことを特徴とするプログラム。
  4. データ送信が可能な他の無線端末装置までの通信ルートを示す接続情報を無線で送受信することにより、該データ送信が可能な他の無線端末装置を自動的に特定する無線端末装置に実行させるプログラムであって、
    前記無線でデータを送受信する機能と、
    前記送受信する機能によって前記他の無線端末装置から受信する接続情報により、前記通信ルートが複数、確認される他の無線端末装置を最終的なデータの送信先である送信先無線端末装置としてデータ送信する場合に、該複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかからデータ送信を行う他の無線端末装置を転送先無線端末装置として動的に選択する機能と、
    前記送信先無線端末装置に送信すべきデータを前記送受信する機能により、前記選択する機能によって選択した転送先無線端末装置に送信させる機能と、
    直接、通信が可能な他の無線端末装置との間で前記送受信する機能によってデータを送信、或いは受信することにより行われた通信の状況を示す通信状況情報として、前回データ送信を行った時刻を該他の無線端末装置毎に保存する機能と、を実現させ、
    前記選択する機能は、前記複数の通信ルートのうちの何れかが確認される接続情報を受信した他の無線端末装置のなかで前記保存する機能により保存する時刻からの経過時間が所定時間を越えていない他の無線端末装置を除外する形で前記転送先無線端末装置を動的に選択する、
    ことを特徴とするプログラム。
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