JP4217727B2 - ディジタル機器及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影機能を有し外部機器と通信可能なディジタル機器に関するものである。
従来、パーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」又は「PC」と言う)の周辺機器としては、ハードディスクやプリンタが多く用いられている。これらの機器は、ディジタルインターフェイス(以下、「ディジタルI/F」と言う)であるSCSI等に代表される小型コンピュータ用汎用型インタフェースをもって、PC間との接続がなされてデータ通信が行われる。
また、近年では、ディジタルカメラやディジタルビデオカメラ等もPCへのデータ入力手段としての周辺機器の1つに掲げられている。例えば、ディジタルカメラやディジタルビデオカメラで撮影して得られた静止画や動画等の映像と、それに伴う音声とをPC内へ取り込み、ハードディスクに記憶したり、PC内で編集した後にプリンタでカラープリントする、という技術分野が進んできている。そして、これに伴ってユーザも増えてきている。
具体的には例えば、図29に示すように、ディジタルカメラ910とプリンタ930がPC920に接続されてなるシステム100がある。
ディジタルカメラ910には、記録部であるメモリ911、画像データの復号化部912、画像処理部913、及びD/A変換部(ディジタル/アナログコンバータ)914が設けられている。更に、表示部であるEVF915、及びPC920とのディジタル入出力(I/O)部916が設けられている。
プリンタ930は、PC920とSCSIケーブルで接続されたSCSIインタフェース(I/F)部931、メモリ932、プリンタヘッド933、プリンタ制御部であるプリンタコントローラ934、及びドライバ935を備えている。
PC920は、ディジタルカメラ910とのディジタルI/O部929、キーボードやマウス等の操作部921、画像データの復号化部922、ディスプレイ923、ハードディスク924、RAM等のメモリ925、及び演算処理部のMPU926を備えている。PC920は、更に、プリンタ930とのディジタルI/FとしてのSCSII/F(ボード)928、及びこれらを接続するPCIバス927を備えている。
このようなシステム900では、ディジタルカメラ910で撮像して得られた画像データをPC920に取り込み、該画像データをPC920からプリンタ930ヘ出力する場合、先ず、該画像データはメモリ911に記憶される。この画像データがメモリ911から読み出され、復号化部912及びディジタルI/O部916へ各々供給される。
復号化部912へ供給された画像データは、ここで復号化され、画像処理部913で表示のための画像処理が行われ、D/A変換部914を介して、EVF915で表示される。
一方、ディジタルI/O部916へ供給された画像データは、ケーブルを介してPC920に対して外部出力される。
PC920では、ディジタルカメラ910からの上記の画像データが、ディジタルI/O部929で受信される。この受信された画像データは、PCIバス927(相互伝送のバス)を介して、ハードディスク924に記憶される。或いは、復号化部922で復号化された後、メモリ925で表示用画像データとして記憶され、ディスプレイ923でアナログ化されてから表示される。
このとき、編集時等の操作入力が操作部921で行われた場合には、MPU926により、その操作に従った編集処理等のためのPC920全体の動作制御が行われる。
また、ディジタルカメラ910からの上記の画像データをプリント出力する際は、該画像データがSCSII/F部928を介してプリンタ930に対して出力される。したがって、プリンタ930には、該画像データがSCSIケーブルを介して供給されることになる。
プリンタ930では、PC920からの上記の画像データが、SCSII/F931で受信される。この受信された画像データは、メモリ932でプリント画像データとして形成され、プリンタコントローラ934の制御に従ってプリンタヘッド933及びドライバ935が動作することで、メモリ932のプリント画像データが読み出されプリント出力される。
特開平9−93573号公報 特開平8−265742号公報
しかしながら、上述したような従来のシステムでは、ディジタルカメラ910は、PC920側からの指示に応じて画像の送信範囲を制御できても、撮影機能の制御可能範囲を変更することができなかった。特に、カメラの焦点距離範囲や露光時間範囲等の情報に応じた最適な動作制御ができなかった。
本発明は上述した問題点を解決するためのものであり、ディジタルカメラ等のディジタル機器の撮影機能動作をその焦点距離範囲や露光時間範囲等の情報に応じて最適に制御することを目的とする。
本発明に係るディジタル機器は、レンズを用いた撮影機能を有し、前記撮影機能を制御できる他のディジタル機器と相互に通信可能なディジタル機器であって、前記撮影機能の焦点距離範囲情報として最短焦点距離及び最長焦点距離を前記他のディジタル機器に対して送信する送信手段と、前記焦点距離範囲情報の送信の後、前記ディジタル機器において前記最短焦点距離及び最長焦点距離に基づいて前記レンズの種別を判断した結果として前記他のディジタル機器から送られてきた制御条件変更命令に基づき、前記撮影機能のズーム制御可能範囲を変更する変更手段と、前記撮影機能のズーム制御命令を受け付けた場合、前記変更手段により変更されたズーム制御可能範囲内で光学ズーム及び電子ズームが動作するように撮影機能を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るディジタル機器の制御方法は、レンズを用いた撮影機能を有し、前記撮影機能を制御できる他のディジタル機器と相互に通信可能なディジタル機器の制御方法であって、前記撮影機能の焦点距離範囲情報として最短焦点距離及び最長焦点距離を前記他のディジタル機器に対して送信する送信ステップと、前記焦点距離範囲情報の送信の後、前記ディジタル機器において前記最短焦点距離及び最長焦点距離に基づいて前記レンズの種別を判断した結果として前記他のディジタル機器から送られてきた制御条件変更命令に基づき、前記撮影機能のズーム制御命令を受け付けた場合に前記撮影機能がその範囲内で光学ズーム及び電子ズームが動作するよう制御するために前記撮影機能のズーム制御可能範囲を変更する変更ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ディジタルカメラ等のディジタル機器の撮影機能動作を、その焦点距離範囲や露光時間範囲等の情報に応じて最適に制御することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施の形態では、種々のディジタル機器間を接続する汎用型ディジタルI/Fとして、例えば、IEEE1394−1995(High Performance Serial Bus)を用いる。そこで、先ず、予め“IEEE1394”について説明する。なお、IEEE1394−1995を、以下、単に「IEEE1394」又は「1394シリアルバス」とも言う。
図1は、IEEE1394によるネットワークシステムの構成の一例を示したものである。
本システム100には、TVモニタ装置101、AVアンプ102、PC103、プリンタ104、並びに2台のディジタルビデオテープレコーダ(VTR)105及び106が設けられている。更に、ディジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ107、及びコンパクトディスク(CD)プレーヤ108が設けられている。そして、これらの機器がIEEE1394によって接続されている。
IEEE1394は、SCSI等での上述した問題点を極力解消し、PCとその周辺機器間の通信に限らず、あらゆるディジタル機器間の通信に、各機器に統一されて搭載することができるようになされたものである。
このIEEE1394の幾つかの大きな特長点としては、次のような事項が挙げられる。例えば、高速シリアル通信を用いるためにケーブルが比較的細くフレキシビリティに富み、且つコネクタもSCSIケーブルに比べ極端に小さい。更には、画像データのような大容量データを、機器制御データと共に高速で転送できる。
即ち、IEEE1394を用いたデータ通信によれば、移動式や携帯式のディジタルカメラやディジタルビデオのような、通常は据え置きしない機器をPCに接続するときにも、SCSI等に比べて煩わしさが飛躍的に低減される。そして、画像データのPCへの転送も円滑に行うことが可能になるという大きな利点がある。
[1394シリアルバスの概要]
家庭用ディジタルVTRやディジタルビデオディスク(DVD)プレーヤの登場に伴なって、ビデオデータやオーディオデータ(以下、これらをまとめて「AVデータ」と言う)等、リアルタイムで且つ高情報量のデータを転送する必要が生じている。このようなAVデータをリアルタイムでPCや、その他のディジタル機器に転送して取り込ませるには、必要な転送機能を備えた高速なデータ転送が可能なインタフェースが必要となる。そういった観点から開発されたインタフェースが、このIEEE1394(1394シリアルバス)である。
図2は、1394シリアルバスを用いて構成されるネットワークシステムの一例を示した図である。
このシステムは、機器A、B、C、D、E、F、G、Hを備えており、A−B間、A−C間、B−D間、D−E間、C−F間、C−G間、及びC−H間が、各々1394シリアルバス用のツイスト・ペア・ケーブルで接続された構成としている。
これらの機器A〜Hの一例としては、PC、ディジタルVTR、DVDプレーヤ、ディジタルカメラ、ハードディスク、モニタ等がある。
各機器間の接続は、ディジーチェーン方式とノード分岐方式との混在が可能であり、自由度の高い接続を行うことができるようになされている。また、各機器は各自固有のIDを有し、互いにIDを認識し合うことによって、1394シリアルバスで接続された範囲にて、1つのネットワークを構成している。
例えば、各機器間を各々1本の1394シリアルバス用ケーブルで順次接続(ディジーチェーン接続)するだけで、各々の機器が中継の役割を担うため、全体として1つのネットワークを構成することができる。
また、1394シリアルバスは、Plug and Play 機能に対応しており、ケーブルを機器に接続するだけで自動的に機器を認識し、接続状況を認識する機能を有している。
このため、上記図2のシステムにおいて、ネットワークから任意の機器が外されたり、或いは、新たに加えられたとき等には、自動的にバスがリセット、即ちそれまでのネットワークの構成情報がリセットされ、新たなネットワークが再構築される。このような機能によって、その時々のネットワークの構成を常時設定、認識することができる。
1394シリアルバスのデータ転送速度は、100/200/400Mbpsが定義されており、上位の転送速度を持つ機器が下位の転送速度をサポートすることで、互換性を保つようになされている。
データ転送モードとしては、コントロール信号等の非同期データ(Asynchronousデータ)を転送するAsynchronous転送モードと、リアルタイムなAVデータの同期データ(Isochronousデータ)を転送するIsochronous転送モードがある。以下、非同期データ(Asynchronousデータ)をAsyncデータと言い、同期データ(Isochronousデータ)を「Isoデータ」と言う。
これらの転送モードにより、AsyncデータとIsoデータは、各サイクル(通常125μS/サイクル)の中で、サイクル開始を示すサイクル・スタート・パケット(CSP)の転送に続き、Isoデータの転送を優先しつつサイクル内で混在して転送される。
図3は、1394シリアルバスの構成要素を示す図である。
この図3に示すように、1394シリアルバスは、レイヤ構造で構成されている。
上記図3に示すように、最もハード的なのが1394シリアルバス用のケーブルであり、そのケーブルの先端のコネクタには、1394コネクタポートが接続される。
1394コネクタポートの上位には、フィジカルレイヤ及びリンクレイヤ812を含むハードウェア部(hardware)が位置づけられている。
ハードウェア部は、実質的なインタフェース用チップで構成され、そのうちフィジカルレイヤは、符号化やコネクタ関連の制御等を行い、リンクレイヤは、パケット転送やサイクルタイムの制御等を行う。
ハードウェア部の上位には、トランザクションレイヤ及びマネージメントレイヤを含むファームウェア部(firmware)が位置づけられている。
そのトランザクションレイヤは、転送(トランザクション)すべきデータの管理を行い、Read、Write、Lock等の命令を出す。また、マネージメントレイヤは、1394シリアルバスに接続されている各機器の接続状況やIDの管理を行い、ネットワークの構成を管理する。
これらのハードウェア部及びファームウェア部までが、1394シリアルバスの実質上の構成である。
ファームウェア部の上位には、アプリケーションレイヤを含むソフトウェア部(software)が位置づけられている。
そのアプリケーションレイヤは、利用されるソフトによって異なり、インタフェース上でどのようにしてデータを転送するかは、AVプロトコル等のプロトコルによって規定されている。
図4は、1394シリアルバスにおけるアドレス空間の図を示す図である。
1394シリアルバスに接続された各機器(ノード)には必ず、上記図4に示すような、各ノード固有の64ビットアドレスを持たせておく。このアドレスはノードのメモリに格納されており、これにより自分や相手のノードアドレスを常時認識することができ、通信相手を指定したデータ通信も行える。
1394シリアルバスのアドレッシングは、IEEE1212規格に準じた方式で行われ、アドレス設定については、最初の10ビットがバスの番号(バスNo.)の指定用に、次の6ビットがノードID(ノードNo.)の指定用に使用される。そして、残りの48ビットが、ノードに与えられたアドレス幅になる。この48ビット領域は、各々固有のアドレス空間として使用できる。そのうちの最後の28ビットについては、ノードに固有のデータの領域(固有データ領域)であり、各ノードの識別や使用条件の指定の情報等が格納される。
以上が、1394シリアルバスについての概要である。
つぎに、1394シリアルバスの特徴をより詳細に説明する。
[1394シリアルバスの電気的仕様]
図5は、1394シリアルバス用のケーブルの断面を示す図である。
この図5に示すように、1394シリアルバス用のケーブルでは、2組のツイストペア信号線の他に、電源ラインが設けられている。このような構成によって、電源を持たないノードや、故障等により電圧低下したノード等にも、電力の供給が可能となる。
また、電源線により供給される直流電力の電圧は、8〜40V、その電流は、最大電流DC1.5Aに規定されている。
尚、簡易型の接続ケーブルでは、接続先の機器を限定した上で、電源ラインを設けていないものもある。
[DS−Link方式]
図6は、1394シリアルバスでデータ転送方式として採用されている、DS−Link(Data/Strobe Link)符号化方式を説明するための図である。
DS−Link符号化方式は、高速なシリアルデータ通信に適し、2組の信号線を必要とする。即ち、2組の対線のうち一方の信号線で主となるデータ信号(Data)を送り、他方の信号線でストローブ信号(Strobe)を送る構成となっている。したがって、受信側は、このデータ信号とストローブ信号を受信して排他的論理和をとることによって、クロック(Clock)を再現することができる。
このように、DS−Link符号化方式では、データ信号中にクロック信号を混入させる必要がない。したがって、DS−Link符号化方式では、他のシリアルデータ転送方式に比べ転送効率が高い。また、位相ロックドループ(PLL)回路が不要になるため、その分コントローラLSIの回路規模を小さくすることができる。更に、転送すべきデータが無いときに、アイドル状態であることを示す情報を送る必要が無いため、各ノードのトランシーバ回路をスリープ状態にすることができ、消費電力の低減が図れる。
[バスリセットのシーケンス]
1394シリアルバスに接続されている各ノードには、ノードIDが与えられ、ネットワークを構成するノードとして認識される。
ネットワーク構成内での変化が生じ、新たなネットワーク構成を認識する必要があるとき、その変化を検知した各ノードは、バス上にバスリセット信号を送信して、新たなネットワーク構成を認識するモードに入る。ネットワーク構成内での変化の例としては、例えば、ネットワーク機器の接続分離や、電源のON/OFF等によるノード数の増減が挙げられる。
このときのネットワーク構成の変化の検知は、1394コネクタポート(上記図3参照、以下、単に「コネクタポート」と言う)基盤上において、バイアス電圧の変化を検知することによって行われる。
そこで、あるノードからバスリセット信号が送信されると、各ノードのフィジカルレイヤ(上記図3参照)は、送信されてきたバスリセット信号を受信する。また、これと同時に、リンクレイヤ(上記図3参照)にバスリセット信号の発生を伝達し、且つ他のノードに対してバスリセット信号を送信する。そして、最終的に全てのノードがバスリセット信号を受信した後、バスリセットのシーケンスが起動される。
尚、バスリセットのシーケンスは、ケーブルが抜き挿しされた場合や、ネットワークの異常等をハードウェアが検出した場合に起動されると共に、プロトコルによるホスト制御等、フィジカルレイヤ(上記図3参照)に直接命令を与えることによっても起動される。また、バスリセットのシーケンスが起動されると、データ転送は一時中断され、そのシーケンスの起動間は待機状態となり、バスリセット終了後、新しいネットワーク構成のもとで再開される。
[ノードID決定のシーケンス]
上述のようにして、バスリセットのシーケンスが起動され、バスリセットが終了した後、各ノードは、新しいネットワーク構成を構築するために、各ノードにIDを与える動作に入る。このときの、バスリセットからノードID決定までの一般的なシーケンスについて、図7〜図9の各フローチャートを用いて説明する。
上記図7は、バスリセット信号の発生から、ノードIDが決定してデータ転送が行えるようになるまでの、一連のシーケンスを示すフローチャートである。
この図7において、先ず、各ノードは、バスリセット信号を常時監視し(ステップS101)、バスリセット信号が発生したことを検知すると、互いに直結されている各ノード間で親子関係を宣言する(ステップS102)。この結果、ネットワーク構成がリセットされた状態において新たなネットワーク構成が得られる。
このステップS102の処理は、ステップS103の判定により、全てのノード間で親子関係が決定されたと判定されるまで繰り返される。そして、全てのノード間で親子関係が決定されると、次に、ルートを決定する(ステップS104)。
ステップS104にてルートが決定されると、次に、各ノードにIDを与えるノードIDの設定作業を行う(ステップS105)。
このステップS105の処理は、ルートから所定のノード順にノードIDの設定を行う処理であり、ステップS106の判定により、全てのノードにIDが与えられたと判定されるまで繰り返される。
そして、全てのノードへのノードIDの設定が終了すると、新しいネットワーク構成が全てのノードにおいて認識され、ノード間のデータ転送が行える状態となる。この状態にて、各ノードは、データ転送を開始し(ステップS107)、これと同時にステップS101へと戻り、再びバスリセット信号の発生を監視する。
上記図8は、上述のバスリセット信号の監視(ステップS101)からルート決定(ステップS104)までの処理の詳細を示すフローチャートであり、上記図9は、上述のID設定(ステップS105、S106)の処理の詳細を示すフローチャートである。
先ず、上記図8において、各ノードは、バスリセット信号の発生を監視し(ステップS201)、バスリセット信号が発生したこと検知する。これにより、ネットワーク構成は、一旦リセットされる。
次に、リセットされたネットワーク構成を再認識する作業の第一段階として、各ノードは、フラグFLをリーフ(ノード)であることを示すデータでリセットする(ステップS202)。
その後、各ノードは、ポート数、即ち自分に接続されている他ノードの数を調べ(ステップS203)、その結果に応じて、これから親子関係の宣言を始めるために、未定義(親子関係が決定されていない)ポートの数を調べる(ステップS204)。
尚、ステップS204で検知される未定義ポート数は、バスリセットの直後はポート数に等しいが、親子関係が決定されていくに従って減少する。
ここで、バスリセットの直後、親子関係の宣言を行えるのは、実際のリーフに限られている。リーフであるか否かは、ステップS203のポート数の確認結果から知ることができ、即ちこのポート数が“1”であればリーフである。したがって、ステップS204で検知される未定義ポート数が“1”であった場合、リーフは、接続相手のノードに対して親子関係の宣言「自分は子、相手は親」を行い(ステップS205)、本シーケンスを終了する。
また、ステップS203のポート数の確認結果が“2”以上であったノード、即ちブランチ(ノード)は、バスリセットの直後はステップS204で検知される未定義ポート数が“未定義ポート数>1”となる。このため、フラグFLにブランチを示すデータをセットして(ステップS206)、他ノードから親子関係が宣言されるのを待つ(ステップS207)。
そして、他ノードから親子関係が宣言され、それを受けたブランチは、ステップS204に戻って未定義ポート数を確認する。このとき、もし未定義ポート数が“1”になっていれば、残ポートに接続されている他ノードに対して、ステップS205で「自分は子、相手は親」の親子関係を宣言することができる。また、まだ未定義ポート数が“2”以上あるブランチは、再度ステップS207で再び他ノードから「親子関係」が宣言されるのを待つことになる。
また、何れか1つのブランチ、又は、例外的に子宣言を行えるのにもかかわらずすばやく動作しなかったリーフの未定義ポート数が“0”になると、ネットワーク全体の親子関係の宣言が終了したことになる。このため、未定義ポート数が“0”になった唯一のノード、即ち全てノードの親に決まったノードは、フラグFLにルート(ノード)を示すデータをセットする(ステップS208)。これにより、このノードは、ルートとして認識されることになり(ステップS209)、その後、本シーケンス終了となる。
上述のようにして、バスリセットから、ネットワーク内のノード間における親子関係の宣言までの処理が終了する。
次に、各ノードにIDを与える処理を行うが、ここで、最初にIDの設定を行うことができるのは、リーフである。したがって、ここでは、リーフ→ブランチ→ルートの順に若い番号(ノード番号:0)からIDを設定する。
即ち、上記図9において、先ず、フラグFLに設定されたデータを基に、ノードの種類、即ちリーフ、ブランチ、及びルートに応じた処理に分岐する(ステップS301)。
ステップS301の結果が“リーフ”であった場合、ネットワーク内に存在するリーフの数(自然数)が変数Nに設定される(ステップS302)。その後、リーフは、ルートに対してノード番号を要求する(ステップS303)。この要求が複数ある場合、これを受けたルートは、アービトレーションを行い(ステップS304)、ある1つのノードにノード番号を与え、他のノードにはノード番号の取得失敗を示す結果を通知する(ステップS305)。
ステップS306の判定により、ノード番号を取得できなかったリーフは、再びステップS303でノード番号の要求を繰り返す。
一方、ステップS306の判定により、ノード番号を取得できたリーフは、取得したノード番号を含むID情報(セルフIDパケット)をブロードキャストすることで、全ノードに通知する(ステップS307)。
ここで、セルフIDパケットには、そのノードのID情報や、そのノードのポート数、既接続ポート数、その各ポートが親であるか子であるか、そのノードがバスマネージャになり得る能力の有無情報等が載せられている。能力の有無情報に関しては、バスマネージャになり得る能力があれば、セルフIDパケット内のコンテンダビットが“1”に、バスマネージャになり得る能力が無ければコンテンダビットが“0”に設定される。
バスマネージャになる能力とは、例えば、
(1)バスの電源管理
上記図2に示したように構成されたネットワーク上の各機器それぞれが、接続ケーブル内の電源ラインを用いて電源供給を必要とする機器か、電源供給可能な機器か、いつ電源を供給するか等の管理。
(2)速度マップの維持
ネットワーク上の各機器の通信速度情報の維持。
(3)ネットワーク構造(トポロジ・マップ)の維持
後述するネットワークのツリー構造情報の維持(図10参照)
(4)トポロジ・マップから取得した情報に基づくバスの最適化
、というバス管理が可能であることを意味し、後述する手順によってバスマネージャとなったノードが、ネットワーク全体のバス管理を行うことになる。
また、バスマネージャになり得る能力のあるノード、即ちセルフIDパケットのコンテンダビットを“1”に設定してブロードキャストするノードは、各ノードからブロードキャストで転送されるセルフIDパケットの各情報、通信速度等の情報を蓄えておく。そして、バスマネージャとなったときに、蓄えておいた情報をもとに、速度マップやトポロジ・マップを構成する。
上述のステップS307にてID情報のブロードキャストが終了すると、リーフの数を表す変数Nがデクリメントされる(ステップS308)。
その後、ステップS309の判定により、変数Nが“0”になるまで、ステップS303〜ステップS308の処理が繰り返される。全てのリーフのID情報がブロードキャストされると、次のブランチのID設定処理(ステップS310〜S317)に移る。
このブランチのID設定処理は、ステップS301の結果がブランチであった場合にも実行される処理であり、上述のリーフのID設定時と同様に、先ず、ネットワーク内に存在するブランチの数(自然数)が変数Mに設定される(ステップS310)。その後、ブランチは、ルートに対してノード番号を要求する(ステップS311)。
この要求に対してルートは、アービトレーションを行い(ステップS312)、ある1つのブランチにはリーフに続く若い番号を与え、ノード番号を取得できなかったブランチには取得失敗を示す結果を通知する(ステップS313)。
ステップS314の判定により、ノード番号の取得できなかったブランチは、再びステップS311でノード番号の要求を繰り返す。
一方、ノード番号を取得できたブランチは、取得したノード番号を含むID情報をブロードキャストすることで、全ノードに通知する(ステップS315)。このID情報のブロードキャストが終了すると、ブランチ数を示す変数Mがデクリメントされる(ステップS316)。
その後、ステップS317の判定により、変数Mが“0”になるまで、ステップS311〜ステップS316の処理が繰り返され、全てのブランチのID情報がブロードキャストされると、次のルートのID設定処理(ステップS318、S319)に移る。
ここまでの処理が終了すると、最終的にID情報を取得していないノードはルートのみである。そこで、次のルートのID設定処理では、ルートは、他のノードに与えていない最も若い番号を自分のノード番号に設定し(ステップS318)、そのノード番号を含むID情報をブロードキャストする(ステップS319)。
尚、このルートのID設定処理は、ステップS301の結果がルートの場合にも実行される処理である。
上述のような処理によって、親子関係が決定した後から、全てのノードに対してIDが決定され、各ノードについてバスマネージャになり得る能力の有無も明らかになる。最終的に複数のノードがバスマネージャになり得る能力を有する場合、ID番号の最も大きいノードがバスマネージャとなる。また、ルートがバスマネージャになり得る能力を有している場合、ルートのID番号がネットワーク内で最大であるからルートがバスマネージャとなる。一方、ルートがバスマネージャになり得る能力を有していない場合には、ルートの次に大きいID番号を有し、且つセルフIDパケット内のコンテンダビットが“1”に設定されているノードがバスマネージャとなる。更に、どのノードがバスマネージャとなったかについては、各ノードがIDを取得した時点でセルフIDパケットをブロードキャストしており(図9参照)、このブロードキャスト情報を各ノードが把握しておけば、各ノード共通の認識として把握することができる。
そこで、その一例として、実際のネットワークでの具体的な手順を、図10を用いて説明する。
この図10に示すネットワークは、ルートであるノードBの下位にはノードAとノードCが直接接続され、ノードCの下位にはノードDが直接接続され、ノードDの下位にはノードEとノードFが直接接続された階層構造を有する。このようなネットワークでの階層構造やルートノード、ノードIDを決定する手順は、以下のようになる。
バスリセット信号が発生した後、各ノードの接続状況を認識するために、先ず、各ノードの直接接続されているポート間において親子関係の宣言がなされる。ここでいう「親子」とは、階層構造の上位が「親」、下位が「子」という意味である。
上記図10では、バスリセットの後、最初に親子関係を宣言したのはノードAである。
ここで、上述したように、1つのポートだけが接続されたノード(リーフ)から親子関係の宣言を開始することができる。これは、ポート数が“1”であれば、ネットワークの末端、即ちリーフであるためである。これが認識されると、それらのリーフ中で最も早く動作を行ったノードから親子関係が決定されていくことになる。このようにして、親子関係の宣言を行ったノードのポートが互いに接続された2つのノードの「子」と設定され、相手ノードのポートが「親」と設定される。したがって、上記図10では、ノードA−B間、ノードE−D間、ノードF−D間で「子−親」と設定されることになる。
次に、階層が1つ上がって、複数のポートを持つノード、即ちブランチのうち、他ノードから親子関係の宣言を受けたノードから順次、上位のノードに対して親子関係の宣言がなされる。
上記図10では、先ず、ノードD−E間、D−F間の親子関係が決定された後、ノードDがノードCに対して親子関係を宣言し、その結果、ノードD−C間で「子−親」の関係が設定される。
ノードDからの親子関係の宣言を受けたノードCは、もう1つのポートに接続されているノードBに対して親子関係を宣言し、これによってノードC−B間で「子−親」の関係が設定される。
このようにして、上記図10に示すような階層構造が構成され、最終的に接続されている全てのポートにおいて親となったノードがルートと決定される(上記図10では、ノードBがルートとなる)。
尚、ルートは、1つのネットワーク構成中に1つしか存在しない。また、ノードAから親子関係を宣言されたノードBが他のノードに対して早いタイミングで親子関係を宣言した場合は、例えば、ノードC等の他のノードがルートになる可能性もあり得る。即ち、親子関係の宣言が伝達されるタイミングによっては、どのノードもルートとなる可能性があり、ネットワーク構成が同一であっても、特定のノードがルートになるとは限らない。
ルートが決定されると、各ノードIDの決定モードに入る。ここでは、全てのノードは、決定した自分のID情報を他の全てのノードに通知するブロードキャスト機能を持っている。
尚、ID情報は、ノード番号、接続されている位置の情報、持っているポートの数、接続のあるポートの数、各ポートの親子関係の情報等を含んでいる。
ノード番号の割当としては、上述したようにリーフから開始され、順に、ノード番号=0、1、2、・・・が割り当てられる。そして、ノード番号を手にしたノードは、ノード番号を含むID情報をブロードキャストによって各ノードに送信する。これにより、そのノード番号は「割り当て済み」であることが認識される。
全てのリーフがノード番号を取得し終ると、次はブランチへ移り、リーフに続くノード番号が割り当てられる。リーフと同様に、ノード番号が割り当てられたブランチから順にID情報がブロードキャストされ、最後にルートが自己のID情報をブロードキャストする。したがって、ルートは常に最大のノード番号を所有することになる。
以上のようにして、階層構造全体のID設定が終了し、ネットワーク構成が再構築され、バスの初期化作業が完了することになる。
[バスアービトレーション]
1394シリアルバスは、データ転送に先立って必ずバスの使用権のアービトレーション(調停)を行う。1394シリアルバスに接続された各ノードは、ネットワーク上で転送されるデータを各々中継することによって、ネットワーク内の全ての機器に同データを伝える論理的なバス型ネットワークを構成する。このため、パケットの衝突を防ぐ意味でバスアービトレーションが必要である。これによって、ある時間には、1つの機器だけがデータ転送を行うことができる。
図11(a)及び(b)は、アービトレーションを説明するための図であり、上記図11(a)は、バス使用権を要求する動作を示し、上記図11(b)は、バスの使用を許可する動作を示している。
バスアービトレーションが始まると、1つ若しくは複数のノードが親ノードに対して、各々バス使用権を要求する。上記図11(a)では、ノードCが、その親ノードであるノードBに対して、ノードFが、その親ノードであるノードAに対して、各々バス使用権を要求している。
この要求を受けた親ノードは、更に親ノードに対して、バス使用権を要求することで、子ノードによるバス使用権の要求を中継する。この要求は最終的に調停を行うルートに届けられる。上記図11(a)では、ノードFからの要求を受けたノードAが、その親ノードであるノードFに対してバス使用権を要求している。即ち、ノードAがノードFによるバス使用権の要求を中継している。
バス使用権の要求を受けたルートは、どのノードにバス使用権を与えるかを決定する。この調停作業はルートのみが行えるものであり、調停に勝ったノードには、バス使用の許可が与えられる。上記図11(b)は、ノードCにバス使用許可が与えられ、ノードFのバス使用権の要求は拒否された状態を示している。
このとき、ルートは、バスアービトレーションに負けたノードに対してDP(data prefix)パケットを送り、そのバス使用権の要求が拒否されたことを知らせる。バスアービトレーションに負けたノードのバス使用権の要求は、次回のバスアービトレーションまで待たされることになる。
一方、バスアービトレーションに勝ち、バス使用許可を得たノードは、以降、データ転送を開始することができる。
ここで、バスアービトレーションの一連の流れのフローチャートを、図12に示して説明する。
まず、ノードがデータ転送を開始できる為には、バスがアイドル状態であることが必要である。先に行われていたデータ転送が終了して、現在、バスがアイドル状態にあることを認識するためには、各転送モードで個別に設定されている所定のアイドル時間のギャップ長(例えば、サブアクション・ギャップ)の経過を検出すればよい。
そこで、先ず、各ノードは、転送するAsyncデータ又はIsoデータに応じた所定のギャップ長が得られたか否かを判定する(ステップS401)。この所定のギャップ長が得られない限り、各ノードは、転送を開始するために必要なバス使用権を要求することはできない。したがって、各ノードは、所定のギャップ長が得られるまで待ち状態となる。
ステップS401により、所定のギャップ長が得られると、そのノードは、転送すべきデータがあるか判定し(ステップS402)、転送データ有りの場合には、バス使用権を要求する信号をルートに対して送信する(ステップS403)。このバス使用権の要求を示す信号は、上記図11(a)に示したように、ネットワーク内の各ノードに中継されながら、最終的にルートに届けられる。
尚、ステップS402において、転送データ無しと判定された場合、そのノードは、そのまま待機状態となる。
ルートは、バス使用権を要求する信号を1つ以上受信すると(ステップS404)、そのバス使用権を要求したノードの数を調べる(ステップS405)。
このステップS405の結果、バス使用権を要求したノードが1つであった場合、ルートは、そのノードに直後のバス使用許可を与える(ステップS408)。
一方、ステップS405の結果、バス使用権を要求したノードが複数であった場合、ルートは、直後のバス使用許可を与えるノードを1つに絞る調停作業を行う(ステップS406)。この調停作業は、毎回同じノードのみにバスの使用許可が与えられるという様なことはなく、平等にバス使用権が与えられるようにするための作業である(フェア・アービトレーション)。
その結果、調停に勝った1つのノードと、敗れたその他のノードとに応じて、処理が分岐する(ステップS407)。
これにより、調停に勝った1つのノードには、直後のバス使用許可を示す許可信号が送られる(ステップS408)。したがって、この許可信号を受信したノードは、直後に転送すべきデータ(パケット)の転送を開始する。そして、そのデータ転送完了後、ステップS401へと戻る。
また、調停に敗れたノードには、バス使用権の要求が拒否されたことを示すDP(data prefix)パケットが送られる(ステップS409)。したがって、DPパケットを受け取ったノードは、再度バス使用権を要求するために、ステップS401へと戻る。
[非同期(アシンクロナス:Asynchronous)転送]
図13は、アシンクロナス転送における時間的な遷移状態を示した図である。
この図13において、最初の“subaction gap”(サブアクションギャップ)は、バスのアイドル状態を示すものである。このアイドル状態の時間が所定値になった時点で、データ転送を希望するノードがバス使用権を要求できると判定し、したがって、上記図12で説明したようなバスアービトレーションが実行されることになる。
バスアービトレーションによりバスの使用が許可されると、データ転送がパケットされる。このデータを受信したノードは、“ask gap”という短いギャップの後、受信確認用返送コード“ack”を返して応答する(又は、応答パケットを送る)ことによってデータ転送が完了する。この“ack”は、4ビットの情報と4ビットのチェックサムからなり、成功、ビジー状態、又は、ペンディング状態を示す情報を含み、すぐにデータ送信元のノードに返される情報である。
図14は、アシンクロナス転送用のパケットフォーマットを示す図である。
パケットには、データ部及び誤り訂正用のデータCRCの他にヘッダ部があり、そのヘッダ部には、目的ノードID、ソースノードID、転送データ長や各種コード等が書き込まれている。
ここで、アシンクロナス転送は、自己ノードから相手ノードへの1対1の通信である。したがって、転送元ノードから送り出されたパケットは、ネットワーク中の各ノードに行き渡るが、各ノードは自分宛てのパケット以外は無視するので、宛先に指定されたノードのみがそのパケットを受け取ることになる。
[同期(アイソクロナス:Isochronous)転送]
1394シリアルバスの最大の特徴であるともいえるこのアイソクロナス転送は、特に、ビデオ映像データや音声データのようなマルチメディアデータ等、リアルタイム転送を必要とするデータの転送に適した転送モードである。
また、アシンクロナス転送が1対1の転送であったのに対し、このアイソクロナス転送は、ブロードキャスト機能によって、1つの転送元ノードから他の全てのノードへ一様にデータを転送することができる。
図15は、アイソクロナス転送における時間的な遷移状態を示す図である。
アイソクロナス転送は、バス上で一定時間毎に実行される。この時間間隔は、アイソクロナスサイクルと呼ばれ、125μSとしている。この各サイクルの開始時間を示し、各ノードの時間調整を行う役割を担っているのが、サイクル・スタート・パケット(CSP)である。CSPを送信するのは、サイクル・マスタと呼ばれるノードであり、1つ前のサイクル内の転送終了し、所定のアイドル期間(サブアクションギャップ)を経た後、本サイクルの開始を告げるCSPを送信する。即ち、CSPの送信される時間間隔が125μSとなる。
また、上記図15に“チャネルA”、“チャネルB”、及び“チャネルC”と示すように、1つの同期サイクル内において、複数種のパケットにチャネルIDを各々与えることによって、それらのパケットを区別して転送することができる。これによって、複数のノード間で、同時に、リアルタイム転送が可能となり、また、受信ノードは、自分が望むチャネルIDのデータのみを受信すればよい。
尚、チャネルIDは、送信先のノードのアドレスを表すものではなく、データに対する論理的な番号を与えているに過ぎないものである。したがって、送信されたパケットは、1つの送信元ノードから他の全てのノードに行き渡る、即ちブロードキャストで転送されることになる。
アイソクロナス転送では、そのパケット送信に先立って、上述のアシンクロナス転送と同様にバスアービトレーションが行われる。しかしながら、アイソクロナス転送はアシンクロナス転送のように1対1の通信ではないため、上記図15に示すように、アイソクロナス転送には、受信確認用の返送コードである“ask”(受信確認用返信コード)は存在しない。
また、上記図15に示す“iso gap”(アイソクロナスギャップ)は、アイソクロナス転送を行う前にバスがアイドル状態であることを認識するために必要なアイドル期間を表している。この所定のアイドル期間を経過すると、アイソクロナス転送を行いたいノードは、バスが空いていると判断し、転送前のアービトレーションを行うことができる。
図16は、アイソクロナス転送用のパケットフォーマットを示す図である。
各チャネルに分けられた各種のパケットには、各々データ部及び誤り訂正用のデータCRCの他にヘッダ部があり、そのヘッダ部には、転送データ長やチャネルNo.、その他各種コード及び誤り訂正用のヘッダCRC等が書き込まれ、これが転送される。
[バスサイクル]
実際に、1394シリアルバスにおいては、アイソクロナス転送とアシンクロナス転送が混在できる。その時のバス上の転送状態の時間的な遷移の様子を、図17に示す。
アイソクロナス転送は、アシンクロナス転送より優先して実行される。これは、CSPの後、アシンクロナス転送を起動するために必要なアイドル期間のギャップ長(“subaction gap”サブアクションギャップ)よりも短いギャップ長(“ack gap”アイソクロナスギャップ)で、アイソクロナス転送を起動できるからである。したがって、アシンクロナス転送よりアイソクロナス転送が、優先して実行されることとなる。
上記図17示す一般的なバスサイクルでは、サイクル#mのスタート時にCSPがサイクル・マスタから各ノードに転送される。このCSPによって、各ノードで時間調整を行い、所定のアイドル期間(アイソクロナスギャップ)を待ってからアイソクロナス転送を行うべきノードは、アービトレーションを行い、パケット転送に入る。上記図17では、“チャネルe”、“チャネルs”、“チャネルk”が順にアイソクロナス転送されている。
このバスアービトレーションからパケット転送までの動作を、与えられているチャネル分繰り返し行った後、サイクル#mにおけるアイソクロナス転送が全て終了すると、アシンクロナス転送を行うことができるようになる。
即ち、アイドル時間が、アシンクロナス転送が可能なサブアクションギャップに達することによって、アシンクロナス転送を行いたいノードは、アービトレーションの実行に移れると判断する。
尚、アシンクロナス転送が行えるのは、アイソクロナス転送終了後から、次のCSPを転送すべき時間(cycle synch)までの間に、アシンクロナス転送を起動するためのサブアクションギャップが得られた場合に限られる。
上記図17のサイクル#mでは、3つのチャネル分のアイソクロナス転送の後、その後のアシンクロナス転送(“ack”を含む)で2つのパケット(パケット1、パケット2)が転送されている。この2つのパケット転送後は、サイクル#(m+1)をスタートすべき時間(cycle synch)に至るので、サイクル#mでの転送はこれ終了する。
このとき、アシンクロナス転送又はアイソクロナス転送動作中に、次のCSPを送信すべき時間(cycle synch)に至った場合、転送を無理に中断せず、その転送が終了した後に、アイドル期間を経て、次サイクルのCSPを送信する。即ち、1つのサイクルが125μS以上続いた場合は、その延長分、次サイクルが基準の125μSより短縮される。このように、アイソクロナスサイクルは、125μSを基準に超過或いは短縮し得るものである。
尚、アイソクロナス転送は、リアルタイム転送を維持するために、必要であれば毎サイクル実行され、アシンクロナス転送は、サイクル時間が短縮されたことによって、次以降のサイクルに延期されることもある。こういった遅延情報も、サイクル・マスタによって管理される。
以上説明したように、IEEE1394は、SCSI等のディジタルI/Fによるデータ通信の煩わしさを払拭する種々の利便性を持ったものである。特に画像データのような大容量データを、機器制御データと共に高速で転送可能であり、且つ、ケーブルが比較的細く引き回しに便利である。更に、複数の接続機器に対しても、直列的にケーブルを接続すれば良いため、PCに代表されるような主たる制御装置には、1本のケーブルが接続されていれば良い。
そこで、上記図1に示した、IEEE1394により種々のディジタル機器が接続されてなるシステム100について、具体的に説明する。
システム100では、TVモニタ装置101とAVアンプ102がIEEE1394(1394シリアルバス)で接続されており、1394シリアルバスに接続されている他の機器の中から特定の機器が選択される。他の機器とは、例えばディジタルVTR105,106等の映像音声機器である。そして、その選択された特定の機器から出力される映像音声データが、TVモニタ装置101に転送されるようになされている。
また、PC103は、法律等で許可されている範囲内に於いて、1394シリアルバスで接続された種々の映像機器からの画像を取り込み、それをプリンタ104でプリント出力することも可能なようになされている。種々の映像機器とは、例えばディジタルVTR105,106等の映像音声機器である。なお、PC103は、AVアンプ102に1394シリアルバスを介して接続されている。
尚、上記図1に示したネットワークシステムは、機器群からなるシステムの一例であって、TVモニタ装置101やCDプレーヤ108より先に、他の機器が接続された構成であっても構わない。
また、システムを構成する機器についても、上記図1中に示した機器に限らず、例えば、ハードディスク等の外部記憶装置や、第2のCDプレーヤ、第2のDVDプレーヤ等であってもよい。即ち、394シリアルバスでネットワークが構成できる機器であるならばよい。
そこで、上述のようなシステム100において、ここでは説明の簡単のために、プリンタ104とディジタルVTR105の1394シリアルバスによる接続を一例にとり、その接続での情報伝達経路等について説明する。
図18は、プリンタ104とディジタルVTR105の内部構成を示したものである。
尚、上記図18では、ディジタルVTR105の内部構成については、説明の簡単のため、再生系のみを示している。
プリンタ104には、ディジタルVTR105とPC103との1394I/F部521、プリント出力する画像データを形成処理等する画像処理部522、該形成処理等のためのメモリ523、及びプリンタヘッド524が設けられている。更に、プリンタヘッド524や紙送り等を行うドライバ525、ユーザがプリンタ104に対して種々の指示入力を行うための操作部526、及びプリンタ104全体の動作制御を司るプリンタコントローラ527が設けられている。更に、1394I/F521を介してプリンタ104の状況をプリンタ情報として生成するプリンタ情報生成部528、及びデータセレクタ529が設けられている。
ディジタルVTR105には、磁気テープ501に対するデータの記録や再生を行うための記録/再生ヘッド502、再生処理部503、映像復号化部504、D/Aコンバータ505、及び外部出力端子506が設けられている。更に、ユーザがディジタルVTR105に対して種々の指示入力を行うための操作部507、ディジタルVTR105全体の動作制御を司るシステムコントローラ508、及びフレームメモリ509が設けられている。更に、プリンタ104とPC103との1394I/F部510、及び複数種データのセレクタ511が設けられている。
そして、データセレクタ511及びデータセレクタ529は、入力又は出力する各データのセレクトを行うものであり、これにより、順次各データがデータ種毎に区別されて所定のブロックに入出力されるようになされている。
上述のようなプリンタ104とディジタルVTR105との間では、次のような動作がなされる。
先ず、ディジタルVTR105において、記録/再生ヘッド502は、磁気テープ501に記録されている映像データを読み取り、これを再生処理部503へ供給する。このときの該映像データは、家庭用ディジタルビデオの帯域圧縮方法としてのDCT(離散コサイン変換)及びVLC(可変長符号化)に基づいた所定の圧縮方式で符号化されたものとする。
再生処理部503は、記録/再生ヘッド502からの映像データに所定の再生形式の処理を行う。
復号化部504は、再生処理部503を介した該映像データに対して、上記の符号化方式に対応した所定の復号化処理を行う。
D/Aコンバータ505は、復号化部504による復号化後の映像データをアナログ化して、外部出力端子506を介して図示していない外部装置等に対して出力する。
このとき、1394シリアルバスを用いて、所望の映像データ等を他の機器(ノード)に転送する場合は、復号化部504は、復号化後の映像データを、フレームメモリ509に一時的に蓄える。その後、この蓄えられた映像データは、後述するデータセレクタ511を介して13941/F部510に供給され、ここから例えば、プリンタ104やPC103に転送する。
データセレクタ511は、フレームメモリ509からの映像データに加え、システムコントローラ508からの各種制御データも与えられており、これらを選択的に1394I/F部510に転送する。
プリンタ104に転送された映像データが、例えば、プリンタ104でのダイレクトプリント用のデータである場合、プリンタ104においては、この映像データを1394I/F部521を介してプリンタ104内部に取り込む。このとき、該映像データがプリンタ104以外の他の機器(PC103等)ヘの転送であるときは、該映像データは、1394I/F部521を素通りして、目的の機器(ノード)ヘ転送されることになる。
ここで、ディジタルVTR105の再生動作等、ディジタルVTR105へ指示は、操作部507から行われるものである。従って、システムコントローラ508は、操作部507からの指示入力に基づいて、ディジタルVTR105の再生処理部503の制御を始めとする各部の動作制御を行うことになる。このとき、所定の指示入力がなされた場合等、操作部507からの指示入力によっては、例えば、プリンタ104に対する制御コマンドを発生し、これをコマンドデータとしてデータセレクタ511を介して1394I/F部510からプリンタ105ヘと転送する。
また、プリンタ104からの後述するプリンタ104の動作状況等のプリンタ情報データは、1394I/F部510からデータセレクタ511を介して、システムコントローラ508内に取り込むことが可能なようになされている。上記プリンタ情報データは、1394I/F部510を介して入力される。但し、上記プリンタ情報データが、ディジタルVTR105にとって不要なものである場合には、1394I/F部510を素通りして、もう一方のディジタルVTR106へと転送される。また、上記プリンタ情報データは、1394I/F部510を介してPC103へ転送することも可能なようになされている。
一方、プリンタ104においては、先ず、1394I/F部521に対して入力されたデータは、データセレクタ521により各データの種類毎に分類される。これにより、プリント出力すべきデータが画像処理部522に供給される。
画像処理部522は、データセレクタ529により供給されたデータに対して、プリント出力に適した画像処理を行い、これをメモリ523へプリント画像データとして形成する。
メモリ523に形成されたプリント画像データは、プリンタコントローラ527からの書込及び読出制御に従って、プリンタヘッド524へ供給され、ここでプリント出力される。このときのプリンタヘッド524の駆動や紙送り等の駆動は、ドライバ525により行われ、該ドライバ525やプリンタヘッド524の動作制御は、プリンタコントローラ527によって行われる。
ここで、操作部526は、紙送りや、リセット、インクチェック、プリンタ動作のスタンバイ/停止等の動作を指示入力するためのものであり、その指示入力に基づいて、プリンタコントローラ527は各部の動作制御を行うようになされている。
また、1394I/F部521に対して入力されたデータが、PC103やディジタルVTR105等から発せられたプリンタ104に対するコマンドを示すデータであった場合には、次の動作が行われる。即ち、該データは、データセレクタ529からプリンタコントローラ527に対して制御コマンドとして伝達され、プリンタコントローラ527によってプリンタ104の各部の動作制御がなされる。
更に、プリンタ情報生成部528は、プリンタ104の動作状況、プリント出力の終了や開始可能な状態であるかを示すメッセージ、警告メッセージ及びプリント出力する画像データの情報等をプリンタ情報として生成し、これをデータセレクタ529へ供給する。警告メッセージとしては、紙づまり、動作不良、及びインクの有無等を示すものが挙げられる。その後、データセレクタ529により、1394I/F部521を介して外部へ出力される。したがって、この出力されたプリンタ情報を元にして、PC103やディジタルVTR105において、プリンタ状況に応じた表示や処理等が行われることになる。
例えば、PC103において(或いは、ディジタルVTR105がダイレクトプリント機能を有していれば、このディジタルVTR105において)、プリンタ104からのプリンタ情報に基づいたメッセージやプリント画像を表示する。ユーザは、この表示されたメッセージやプリント画像を確認することによって、適切な対処をすべく、PC103(及びディジタルVTR105)からプリンタ104に対するコマンドの入力を行う。このコマンド入力は、制御コマンドデータとして1394シリアルバスを介してプリンタ104へ与えられる。これを受けたプリンタ104は、プリンタコントローラ527により、該制御コマンドデータに従ったプリンタ104の各部の動作制御や、画像処理部522でのプリント画像形成の動作制御を行う。
上述のように、PC103やディジタルVTR105とプリンタ104間を接続した1394シリアルバスには、映像データや各種のコマンドデータなどが適宜転送されることになる。
ディジタルVTR105での各データの転送形式は、先に述べた1394シリアルバスの仕様に基づいたものとしている。即ち、主として映像データ(及び音声データ)は、ISoデータとしてアイソグロナス転送方式で転送し、コマンドデータは、Asyncデータとしてアジングロナス転送方式で転送する。
このとき、ある種のデータによっては、アイソグロナス転送方式よりアジングロナス転送方式で転送した方が都合が良いこともあるため、そのようなときはアジングロナス転送方式を用いる。また、プリンタ104から転送されるプリンタ情報のデータは、Asyncデータとしてアジングロナス転送方式で転送する。更に、情報量が多いプリント画像データ等を転送するときは、ISOデータとしてアイソグロナス転送方式で転送するようにしてもよい。
尚、上記図1において、上述したプリンタ104とディジタルVTR105以外の他の機器間のデータ通信についても、1394シリアルバスの仕様に基づいて、それぞれのデータの双方向転送が可能である。つまり、PC103、ディジタルVTR106、DVDプレーヤ107、CDプレーヤ108、AVアンプ102、及びTVモニタ101間のデータ通信についても双方向転送が可能である。
また、TVモニタ101、AVアンプ102、PC103、ディジタルVTR106、DVDプレーヤ107、及びCDプレーヤ108は、各々の機器に特有の機能制御部を搭載している。但し、1394I/Fによる情報通信に必要な部分は、ディジタルVTR105やプリンタ104の構成と同様である。1394I/Fによる情報通信に必要な部分とは、即ち機器内の各ブロックから送信すべきデータが入力され、受信したデータを適宜機器内の各ブロックに振り分けるデータセレクタ、及び13941/F部である。
以上が、本実施の形態で用いる“IEEE1394”についての説明である。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
本発明は、例えば、図19に示すようなディジタルビデオカメラ600に適用される。
このディジタルビデオカメラ600は、上述したようなIEEE1394I/F267を有するものであり、該IEEE1394I/F267は、IEEE1394ケーブル628によって、上記図1に示したようなPC103に接続されている。以下、ディジタルビデオカメラを、単に「ビデオカメラ」と言う。
また、ビデオカメラ600は、電子ズーム機能等に用いられる後述する画像メモリブロックと接続可能なようにもなされている。
即ち、ビデオカメラ600には、上記図19に示すように、撮像部、ディジタル信号処理部601、及びカメラシステム制御部602が設けられている。
上記撮像部には、光学レンズ部(図示せず)、絞り603、撮像素子(ここでは“CCD”とする)604、AGC605、A/D変換器606、絞り駆動部607、CCDドライバ608、及びタイミングジェネレータ609が含まれている。
ディジタル信号処理部601には、色分離マトリクス610、レベルコントロール回路611,612、色差マトリクス613、信号処理ブロック614、絞り制御用参照信号生成回路615、及びR−Yレベル制御用参照信号生成回路616が設けられている。更に、B−Yレベル制御用参照信号生成回路617、カメラシステム制御部602とのI/F回路618、及びAGCゲイン制御用参照信号生成回路630が設けられている。
カメラシステム制御部602には、標準制御データ記憶領域621及び調整用制御データ記憶領域622を有するRAM、制御データ記憶領域623を有するRAM、及びディジタル信号処理部601とのI/F回路625が設けられている。更に、CPU626、ROM629、PC103とのIEEE1394I/F部627、及び上記の画像メモリブロック等との通信ライン631が設けられている。
上述のようなビデオカメラ600においては、先ず、光学レンズ部(図示せず)及び絞り603を介してCCD604の撮像面に結像された撮像光は、CCD604にて光電変換され、AGC605でゲインコントロールされる。その後、A/D変換器606でディジタル化される。これにより得られたディジタル画像信号は、ディジタル信号処理部601に供給される。
ディジタル信号処理部601において、A/D変換器606からのディジタル画像信号のうち輝度成分Yは、信号処理ブロック614にて、絞り制御用参照信号生成回路615によって生成される参照信号とレベル比較がなされる。その比較結果は、絞り駆動部617に供給され、これにより、撮像光に対して常に適切な絞り値が得られるような自動的な絞り制御が行われることになる。
また、上記のディジタル画像信号の色信号成分は、色分離マトリクス610に供給され、ここでR,G,Bの三色の色成分に分離される。特に、RとBの色成分については各々、レベルコントロール回路611,612によってそのレベルが制御される。他のGの色成分、及びレベルコントロール回路611,612の出力であるところのRとBの色成分は、色差マトリクス613によってR−YとB−Yの色差信号に変換される。
色成分のレベルの制御については、絞り値の制御と同様に、信号処理ブロック614で、色差マトリクス613の出力信号であるところのR−Yの色差信号レベルが、R−Yレベル制御用参照信号生成回路616によって生成される参照信号とレベル比較される。また、信号処理ブロック614で、色差マトリクス613の出力信号であるところのB−Yの色差信号レベルが、B−Yレベル制御用参照信号生成回路617によって生成される参照信号とレベル比較される。そして、その比較結果がレベルコントロール回路611,612に供給されることで、常に適切なホワイトバランスが得られるような自動的なRとBの色成分のレベル制御が行われることになる。
一方、CCD604の撮像面に結像される撮像光の光量に対応する電荷をCCD604内のセルに蓄積する時間、即ちシャッタスピードについては、CCD駆動信号によって制御される。なお、CCD駆動信号は、タイミングジェネレータ609からCCDドライバ608を介してCCD604に供給される。
タイミングジェネレータ609は、カメラシステム制御部602内のI/F625に接続されており、カメラシステム制御部602内のCPU626からの制御命令に従って、CCD604の上記の蓄積時間を制御する。
また、絞り制御用参照信号生成回路615、R−Yレベル制御用参照信号生成回路616、B−Yレベル制御用参照信号生成回路617、及びAGCゲイン制御用参照信号生成回路630の各出力レベルも、変更可能なようになされている。即ち、これらの各出力レベルは、I/F回路618を介してカメラシステム制御部602から送られてくる制御信号によって変更可能である。
カメラシステム制御部602は、ビデオカメラ600の外部に設けられているPC103と、IEEE1394ケーブル628及びIEEE1394I/F部627を介して通信可能なようになされている。カメラシステム制御部602からは、PC103からのカメラ制御命令に従って、絞り値、R−Y、B−Y、及びAGCゲインの制御の基準値を変更するための信号が出力される。即ち、CPU626から絞り制御用参照信号生成回路615、R−Yレベル制御用参照信号生成回路616、B−Yレベル制御用参照信号生成回路617、及びAGCゲイン制御用参照信号生成回路630の出力レベルを変更すべく信号が出力される。これにより、ビデオカメラ600での絞り値や色合い、色の濃さといった撮像部の制御対象を、ビデオカメラ600外部のPC103からコントロールすることが可能となる。
絞り制御用参照信号生成回路615、R−Yレベル制御用参照信号生成回路616、B−Yレベル制御用参照信号生成回路617及びAGCゲイン制御用参照信号生成回路630の出力レベルの基準値は、RAMの標準制御データ記憶領域621に蓄えられている。通常は標準制御データ記憶領域621のデータ(基準値)が、RAMの制御データ記憶領域623に転送される。制御データ記憶領域623のデータ(基準値)は、絞り制御用参照信号生成回路615、R−Yレベル制御用参照信号生成回路616、及びB−Yレベル制御用参照信号生成回路617にも伝達される。同様に、制御データ記憶領域623のデータ(基準値)は、AGCゲイン制御用参照信号生成回路630、及びタイミングジェネレータ609にも伝達される。これらの伝達では、制御データ記憶領域623のデータ(基準値)は、CPU626を介して制御条件として伝達される。これにより、自動的に適切な撮影条件が設定されるようになされている。
図20は、上記図19のビデオカメラ600に付随する画像メモリブロック660を示したものである。
画像メモリブロック660は、例えば、上記図19のディジタル信号処理部601で取り込んだディジタル画像信号(画像データ)の一部を切り出して拡大する電子ズーム機能等に用いられるものである。
このため、画像メモリブロック660は、ディジタル信号処理部601とのI/F回路661、ディジタル信号処理回路662,664、フィールド/フレームメモリ(画像メモリ)663、及びメモリコントローラ665を備えている。そして、メモリコントローラ665は、通信ライン631により上記図19のカメラシステム制御部602と接続されている。
このような画像メモリブロック660では、先ず、ディジタル601にて得られた輝度成分(輝度信号)Y、色差信号R−Y,B−Yは、I/F回路661を介して画像メモリブロック660内に取り込まれる。そして、ディジタル信号処理回路662により圧縮等のディジタル信号処理が行われる。その後、一旦画像メモリ663に記憶される。
画像メモリ663に記憶されたデータが読み出される場合には、その読み出されたデータが、ディジタル信号処理回路664で伸長等のディジタル信号処理が行われる。この結果、元の輝度信号Y、色差信号R−Y,B−Yに戻され、これらの信号が出力されることになる。
ディジタル信号処理回路662、画像メモリ663、及びディジタル信号処理回路664は、メモリコントローラ(メモリ制御回路)665からの制御を受けている。また、メモリコントローラ665は、上記図19に示したカメラシステム制御部602のCPU626と通信ライン631を介して接続されている。即ち、メモリコントローラ665は、CPU626から制御されるようになされている。
上述のようなビデオカメラ600の制御対象を、その外部のPC103から制御する場合について、以下具体的に説明する。
IEEE1394I/F部627にPC103から伝達されたカメラ制御命令は、CPU626において適宜このカメラ制御命令に対応するデータに置換され、I/F625を介してディジタル信号処理部601に対して出力される。
これと同時に、I/F625を介してディジタル信号処理部601に対して出力されたデータに対応する制御情報は、RAMの調整用制御データ記憶領域622にも蓄えられ、必要に応じてRAMの制御データ記憶領域623を介してCPU626に読み出される。
このように構成することにより、一旦PC103から伝達されたカメラ制御命令は、ビデオカメラ600内に記憶され、必要な時にその設定を呼び出すことが可能となる。
CPU626は、上記の各々のRAMに対して操作するアドレスと、読み出し/書き込み制御とをアドレス及びR/W指定部620,624を介して実行している。これにより、PC103によって設定された撮影条件にビデオカメラ600を設定する場合には、調整用制御データ記憶領域622のデータが制御データ記憶領域623に書き込まれる。一方、標準状態にビデオカメラ600を設定する場合には、標準制御データ記憶領域621のデータが制御データ記憶領域623に書き込まれる。
ビデオカメラ600及びPC103は各々、IEEE1394ケーブルが接続されると、それを認識してモード設定動作に入るか否かの判別を行う。
具体的には例えば、PC103側は、図21に示すように、先ず、IEEE1394ケーブルが接続されたか否かを、バスリセットが発生したか否かを検出することによって判別する(ステップS701)。
この判別の結果、バスリセットが発生していなければ、何ら処理を実行することなくそのまま待機する。
ステップS701での判別の結果、バスリセットが発生していれば、ビデオカメラ600が接続されたか否かを判別する(ステップS702)。このときの判別方法については、例えば、上記図4に示したような1394シリアルバスにおけるアドレス空間の64ビットアドレスを読み出して、制御対象とするビデオカメラかどうかを識別する方法等を用いる。
この判別の結果、制御対象とするビデオカメラ600が接続されていないと判断した場合には、ステップS701に戻る。
ステップS702での判別の結果、制御対象とするビデオカメラ600が接続されていると判断した場合には、ビデオカメラ600側がPC103側からのモード設定命令を受け付ける状態であるか否かを判別する(ステップS703)。このモード設定命令を受け付ける状態とは、モード変更が可能で、命令受信待機状態であるかどうか等、ビデオカメラ600本体の状態によるものである。
この判別の結果、モード設定命令を受け付ける状態でない場合、ステップS702に戻り、制御対象であるビデオカメラ600が依然接続されているかどうかを確認した上で、次のステップS703の処理を再実行する。
ステップS703の判別の結果、ビデオカメラ600がモード設定命令を受け付ける状態であると認識した場合、ビデオカメラ600に対してモード設定命令を伝達し、ビデオカメラ600の動作制御を行う。
一方のビデオカメラ600側は、図22に示すように、先ず、通常のカメラ動作を実行する(ステップS711)。ここでの通常のカメラ動作とは、図19に示したRAMの制御データ記憶領域623に、RAMの標準制御データ記憶領域621のデータ(標準制御データ)が書き込まれている状態の動作である。
このような通常のカメラ動作を実行しながら、CPU626は、IEEE1394ケーブルが接続されたか否かを常に監視している(ステップS712)。このときのIEEE1394ケーブルの接続を検出する方法としては、例えば、ポートのバイアス電圧の変化を検出する方法等を用いる。
この監視の結果、IEEE1394ケーブルの接続が確認されなければ、ステップS711に戻る。
ステップS712の監視の結果、ケーブル接続が確認されれば、バスリセットの完了を待ってから(ステップS713)、PC103が接続されたか否かを判別する(ステップS714)。接続対象がPC103であるか否かの確認については、PC103側と同様に、例えば、上記図4に示したビデオカメラ600の1394シリアルバスにおけるアドレス空間の64ビットアドレスを読み出して、PC103か否かを識別する方法等を用いる。
ステップS714の判別の結果、接続対象がPC103である場合、PC103側がモード設定プログラム(上記図21のフローチャートに従った処理プログラム)を実行しているか否かを判別する(ステップS715)。この判別方法については、例えば、上記図3に示したアプリケーションレイアの情報を読み取ったり、或いは、相互通信におけるAsyncデータを認識する方法等を用いる。
ステップS715の判別の結果、PC103側がモード設定プログラムを実行していることを確認できた場合、PC103側からのモード設定命令を受け付けられる状態である旨をPC103側に対して送信する。その後、PC103側からの命令に従って、上述の如く制御の基準値やシャッタスピードを変更し、又、RAMの内容を書き換えることにより、ビデオカメラ600のモード設定動作を実行する。
尚、ビデオカメラ600側は、ステップS712、S713、S714、S715の各判別を順次実行することにより、PC103からの命令に従ってモード設定動作を実行するか否かを識別する。従って、上記各判別のいずれかの過程で条件が整わなかった場合には、PC103からの命令に従わない動作、即ち上述の通常のカメラ動作を繰り返すことになる。
また、上記図22の処理プログラムや、その他カメラ制御に用いる処理プログラムは、図19に示したROM629に記憶され、CPU626により、逐次ROM629から制御命令が読み出され実行されることで、上述の動作が実施される。
上述のようにして、デオカメラ600の制御対象を、その外部のPC103から制御する。
また、図23に示すように、ビデオカメラ600と同様の機能を有する複数のビデオカメラ600a,600b,600cの制御対象を、その外部の1台のPC103から各々独立して制御する場合、次のような動作がなされる。
上記図23に示す構成は、例えば、監視カメラシステムに適用されるものである。即ち、本システムは、主たる制御装置であるところのPC103に対して、第1の監視カメラ600a、第2の監視カメラ600b、及び第3の監視カメラ600cが、IEEE1394I/F部627a、627b、627cを介して直列的に接続されている。
第1の監視カメラ600aのレンズは、焦点距離が3.3〜10mmである。
ここで、カメラの撮像面上のレンズの有効像円径に比して、CCDの有効撮像面積が小さければ小さいほど、望遠側の画像がCCDに取り込まれる。CCDの有効撮像面積は、カメラによってまちまちである。このため、どの程度広角の(望遠の)画像を撮影出来るのかが、レンズの焦点距離値からだけでは把握しにくい場合、35mm銀塩フィルム用カメラに取り付けられるレンズの焦点距離値に換算し、その換算値で撮像可能法画角を議論するのが一般的である。
ここでは、第1の監視カメラ600aの場合、35mm銀塩フィルム用カメラに取り付けられるレンズの焦点距離に換算した値を、24〜72mmとしている。
第2の監視カメラ600b及び第3の監視カメラ600cは各々、焦点距離が3.9〜39mm(35mm銀塩フィルム換算で44〜440mm)のレンズが搭載されたものである。特に、第2の監視カメラ600bは、雲台の向きによって高速移動物体を監視すべく設置されたものであり、カメラ、第3の監視カメラ600cは、同じく雲台の向きによって暗部を監視すべく設置されたものである。
PC103からは、第1〜第3の監視カメラ600a〜600cの各々のカメラ動作制御について、図24に示されるような項目の変更命令が出力される。また、これを受ける第1〜第3の監視カメラ600a〜600c側も、該変更命令に従って、当該制御部の制御条件を変更するようになされている。
このときの制御条件の変更方法は、上記図19及び図20を用いて説明した通りである。即ち、
(1)劇場舞台に代表される如く、背景が暗く、特定の人物にスポットライトが当たっているようなものが撮影対象である場合、背景の暗さでアイリスが開き気味になり、人物の顔が白く飛んでしまうのを防ぐため、絞りを閉じ気味に制御する。
(2)カメラから至近距離にある物が撮影対象である場合、焦点距離を短く設定してマクロ撮影可能な光学条件とする。
(3)高照度下の物が撮影対象である場合、極端なアイリスの絞り過ぎによる光線の回折を防ぐ為にアイリス絞り量を所定の値に抑え、シャッタスピードを高速化する。
(4)照度が不足している環境に於ける輝点の色を識別する必要がある場合、輝点の色を良好に撮影できるように、絞り、シャッタスピード、及びホワイトバランスを適正値に設定する。
等、それぞれの撮影条件に適したカメラモード設定を行うことが可能となっている。
ここで、一般に電子ズームは、CCDで撮像された画面の一部を切り出して拡大することにより拡大画面を得る仕組みとなっている。
上記図20に示したように、ディジタル画像処理部601から出力された輝度信号Y及び色差信号R−Y,B−Yという画像信号は、画像メモリブロック660にI/F回路661を介して入力される。この画像メモリブロック660内において、該画像信号は、ディジタル信号処理回路662で圧縮等のディジタル信号処理が行われ、画像メモリ(フィールド又はフレームメモリ)663に記憶可能な形態に加工される。画像メモリ663に記憶された画像データは、必要に応じてディジタル信号処理回路664に対して読み出され、ここで伸長等のディジタル信号処理が行われ、元の輝度信号Y及び色差信号R−Y,B−Yという画像信号が形成される。このとき、ディジタル信号処理回路662、画像メモリ663、及びディジタル信号処理回路664は各々、メモリコントローラ631によって制御されている。特に、メモリコントローラ665は、通信ライン631を介して、カメラシステム制御部602のCPU626からの動作命令を受けている。
例えば、画像メモリ663から画像情報を読み出す際に、画面の水平方向、垂直方向共に、読み出し開始位置と終了位置を元の画面の内側に設定すれば、読み出し完了後の画像メモリ663からの画像情報は、画面の一部分を切り出したものとなる。これを、ディジタル信号処理回路664で水平方向、垂直方向共に拡大して適当な補間を加えれば、元の画像に比して情報量が低下している分画質は劣化するものの、拡大された電子ズーム画像(拡大画像)を得ることが可能となる。
したがって、切り出し範囲に関する情報をCPU626から得ることにより、任意の倍率の電子ズームを行うことができる。
尚、上述したようにして、メモリコントローラ665により、読み出し開始位置と終了位置を設定し、電子ズームを実行することによって、拡大画像を得ることが可能であるが、拡大画像は、情報量が低下しており、画質が劣化した状態である。元の撮像画面に細かい被写体が撮像されていればいる程、上記の画質の劣化は目立ちやすく、又、拡大後の画像も詳細が判別し難くなるので、拡大する意義が乏しくなる。したがって、細かい被写体については、レンズの焦点距離が短ければ短い程撮像されやすいので、第1の監視カメラ600aのようなワイド寄りのレンズを搭載したカメラでは、電子ズームを行わせない方が好ましい。
そこで、図25は、PC103が、焦点距離の比較的短いレンズを搭載している第1の監視カメラ600aを選択し、第1の監視カメラ600aにより得られた映像をモニタ等に出力する場合の、PC103内の処理の流れを示したものである。
先ず、第1〜第3の監視カメラ600a〜600cでのカメラの種類選択が、操作者によってなされる迄待機する(ステップS721)。
そして、カメラの種類選択がなされたことを検出すると、その選択された監視カメラ(ここでは第1の監視カメラ600a)の映像を取り込むべく、PC103での通信対象を変更する(ステップS722)。
尚、通信対象を変更して、選択された監視カメラに動作命令を出力する場合、上述したように、Asyncデータで通信を行う。また、選択された監視カメラからの映像は、IsoデータとしてPC103のIEEE13941/F部に供給されるため、それが第1の監視カメラ600aからの映像であるかどうかを識別した後に、モニタ上に映し出すことになる。
次に、第1の監視カメラ600aのカメラ情報を読み込む(ステップS723)。
ここでのカメラ情報とは、例えば、図26に示されるような情報であり、第1の監視カメラ600a内部のROM629(上記図19参照)等に記憶されているものを、CPU626及びIEEE1394I/F部627を介して、PC103内に取り込む。
上記のカメラ情報のうち、“最短焦点距離(35mm換算最短焦点距離)”、“最長焦点距離(35mm換算最長焦点距離)”、及び“電子ズーム機能有無”の情報が、本実施の形態に於いて必要な情報となる。
次に、ステップS723にて得られたカメラ情報から、その“最短焦点距離”と“最長焦点距離”の差が第1の所定値以下で、且つ“最短焦点距離”が第2の所定値以下であるか否かを判別することで、ワイドレンズであるか否かを判別する(ステップS724)。
ステップS724の判別の結果、第1のカメラ600aがワイドレンズを搭載しており、且つ電子ズーム機能をも搭載したカメラである場合には、次の動作を行う。即ち、仮に操作者がPC103を介して第1の監視カメラ600aに対してワイドからテレヘのズーム命令を下したとしても、光学テレ端でズームを停止し、その後電子ズームを実行しないような、電子ズーム禁止命令を出力する(ステップS726)。
一方、ステップS724の判別の結果、例えば、操作者が第2の監視カメラ600bや第3の監視カメラ600cを選択し、それらが非ワイドズームを搭載しており、且つ電子ズーム機能をも搭載したカメラである場合には、次の動作を行う。即ち、光学テレ端から先の電子ズームを許可する電子ズーム許可命令を出力する(ステップS725)。
上述のような処理を実行することにより、ワイドレンズが搭載された監視カメラにおいては、電子ズームが実行されず、良好な画像を捉えることが可能になる。また、非ワイドレンズが搭載された監視カメラにおいては、光学テレ端で得られる画像を更に電子ズームで拡大して、被監視物体を詳細に確認すること等が可能となる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態における、上記図25に示したPC103内の処理を、例えば、図27のフローチャートに従った処理とする。
尚、ここでは説明の簡単のために、第1の実施の形態と異なる点についてのみ、具体的に説明する。
先ず、上述した第1の実施の形態と同様にして、カメラの種類選択が操作者によってなされる迄待機する(ステップS731)。
そして、カメラの種類選択がなされたことを検出すると、その選択されたカメラ(ここでは、第2の監視カメラ600bとする)の映像を取り込むべく、PC103での通信対象を変更する(ステップS732)。
次に、第2の監視カメラ600bのカメラ情報を読み込む(ステップS733)。このカメラ情報も、上記図26に示したような情報である。
ここで、本実施の形態では、上記のカメラ情報のうち、“最短露光時間”と“雲台位置”が必要な情報となる。
また、第2の監視カメラ600b、即ち高速移動物体も撮影可能なカメラであることは、例えば、本監視カメラシステムを初期設定する際に、その旨がPC103内のメモリに記憶されている。
そこで、上記メモリの内容により、操作者から選択されたカメラ(第2の監視カメラ600b)が、高速移動物体も撮影可能なカメラであるか否かを判別する(ステップS734)。
ステップS734の判別の結果、高速移動物体も撮影可能なカメラであった場合、第2の監視カメラ600bの雲台の位置が、高速移動物体撮影位置であるか否かを判別する(ステップS735)。
この判別の結果、高速移動物体撮影位置であった場合、第2の監視カメラ600bに対して、最短露光時間となるような制御変更命令を出力する。
一方、高速移動物体撮影位置でなかった場合(雲台の位置が非高速移動物体撮影位置であった場合)、第2の監視カメラ600bに対して、露光時間を1/60の標準値に設定すべく制御変更命令を出力する。
尚、ステップS734の判別にて、高速移動物体を撮影可能なカメラでなかった場合、即ちステップS731にて第2の監視カメラ600bではなく他の監視カメラ(高速移動物体を撮影できないカメラ)が選択された場合には、次の動作を行う。即ち、上記図25のステップS724からの処理に移行し、ワイドレンズ搭載のカメラであるか否かの判別からの処理が実行される。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態における、上記図25に示したPC103内の処理を、例えば、図28のフローチャートに従った処理とする。
尚、ここでは説明の簡単のために、第1の実施の形態と異なる点についてのみ、具体的に説明する。
先ず、上述した第1の実施の形態と同様にして、カメラの種類選択が操作者によってなされる迄待機する(ステップS741)。
そして、カメラの種類選択がなされたことを検出すると、その選択されたカメラ(ここでは、第3の監視カメラ600cとする)の映像を取り込むべく、PC103での通信対象を変更する(ステップS742)。
次に、第3の監視カメラ600cのカメラ情報を読み込む(ステップS743)。このカメラ情報も、上記図26に示したような情報である。
ここで、本実施の形態では、上記のカメラ情報のうち、“最長露光時間”と“雲台位置”が必要な情報となる。
また、第3の監視カメラ600c、即ち暗部も撮影可能なカメラであることは、例えば、本監視カメラシステムを初期設定する際に、その旨がPC103内のメモリに記憶されている。
そこで、上記メモリの内容により、操作者から選択されたカメラ(第3の監視カメラ600c)が、暗部も撮影可能なカメラであるか否かを判別する(ステップS744)。
ステップS744の判別の結果、暗部も撮影可能なカメラであった場合、第3の監視カメラ600cの雲台の位置が、暗部撮影位置であるか否かを判別する(ステップS745)。
この判別の結果、暗部撮影位置であった場合、第3の監視カメラ600cに対して、AGCゲインを上げる、即ち上記図19に示したAGC参照電圧生成回路630の出力をAGCゲインが上がる方向に操作する。更に最長露光時間となるような制御変更命令を出力する(ステップS746,S747)。
一方、暗部撮影位置でなかった場合、第3の監視カメラ600cに対して、AGCゲインを第3の監視カメラ600cの自動調整に委ね、更に露光時間を1/60の標準値に設定すべく制御変更命令を出力する(ステップS748,S749)。つまり、雲台の位置が非暗部体撮影位置であった場合、露光時間を1/60の標準値に設定すべく制御変更命令を出力する。
尚、ステップS744の判別にて、暗部を撮影可能なカメラでなかった場合、即ちステップS741にて第3の監視カメラ600cではなく他の監視カメラ(暗部を撮影できないカメラ)が選択された場合には、次の動作を行う。即ち、上記図27のステップS734からの処理に移行し、高速移動物体を撮影可能なカメラであるか否かの判別を行い、この結果そうでない場合には、更に上記図25のステップS724からの処理に移行する。そして、ワイドレンズ搭載のカメラであるか否かの判別を行い、その判別結果に従った以降の処理を実行する。
以上が、第1〜第3の実施の形態についての説明であるが、本発明はこれらの実施の形態に限られることはない。例えば、第2及び第3の実施の形態では、何れも雲台位置で撮影対象を識別していたが、操作者がモニタを見ながら、その撮像画面が最適なものとなるように、逐次監視カメラの制御内容を変更すべく、PC103を介してマニュアル操作しても構わない。
また、本発明の目的は、前述した実施形態で示したフローチャートの手順を実現するプログラムコードを記憶した記憶媒体を、コンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているオペレーションシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードの指示に基づき、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。ここで、機能拡張ボードは、例えばコンピュータに挿入されたものであり、機能拡張ユニットはコンピュータに接続されたものである。また、プログラムコードは、例えば、読み出された後、一旦機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。
即ち、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインタネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
IEEE1394の説明において、IEEE1394によりディジタル機器が接続されてなるシステムの一例を説明するための図である。 上記IEEE1394シリアルバスを用いて構成されるネットワークシステムの一例を説明するための図である。 上記IEEE1394シリアルバスの構成要素を説明するための図である。 上記IEEE1394シリアルバスにおけるアドレス空間を説明するための図である。 上記IEEE1394シリアルバス・ケーブルの断面図である。 上記IEEE1394によるデータ通信でのデータ転送フォーマットのDS−Link符号化方式を説明するための図である。 上記ネットワークシステムにおけるバスリセットからノードID決定までの処理を説明するためのフローチャートである。 上記バスリセットの監視からルート決定までの処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 上記ノードID決定の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 上記ネットワークシステム構成を有する実際のネットワークを説明するための図である。 上記ネットワークでのバス使用要求及びバス使用許可を説明するための図である。 上記バス使用許可でのバスアービトレーションを説明するためのフローチャートである。 上記IEEE1394でのアシンクロナス転送における時間的な遷移状態を説明するための図である。 上記アシンクロナス転送のパケットフォーマットを説明するための図である。 上記IEEE1394でのアイソクロナス転送における時間的な遷移状態を説明するための図である。 上記アイソクロナス転送のパケットフォーマットを説明するための図である。 上記アイソクロナス転送とアシンクロナス転送が混在した、バス上の転送状態の時間的な遷移の様子を説明するための図である。 上記IEEE1394によりディジタル機器が接続されてなるシステムにおいて、情報伝達経路を説明するための図である。 第1の実施の形態において、本発明を適用したビデオカメラの構成を示すブロック図である。 上記ビデオカメラに付随する画像メモリブロックの構成を示すブロック図である。 上記ビデオカメラに上記IEEE1394により接続されたPC内での、モード設定開始までの処理を説明するためのフローチャートである。 上記ビデオカメラPC内での、モード設定動作開始までの処理を説明するためのフローチャートである。 上記ビデオカメラを複数備える監視カメラシステムを説明するための図である。 上記PCから上記ビデオカメラへのカメラ制御コマンドの種類を説明するための図である。 上記PC内の処理を説明するためのフローチャートである。 上記ビデオカメラ内に記憶されているカメラ仕様の一例を説明するための図である。 第2の実施の形態における上記PC内の処理を説明するためのフローチャートである。 第3の実施の形態における上記PC内の処理を説明するためのフローチャートである。 SCSIを使用した従来のシステムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
103 パーソナルコンピュータ(PC)
600a〜600c ビデオカメラ
627a〜627c IEEE1394I/F部

Claims (4)

  1. レンズを用いた撮影機能を有し、前記撮影機能を制御できる他のディジタル機器と相互に通信可能なディジタル機器であって、
    前記撮影機能の焦点距離範囲情報として最短焦点距離及び最長焦点距離を前記他のディジタル機器に対して送信する送信手段と、
    前記焦点距離範囲情報の送信の後、前記ディジタル機器において前記最短焦点距離及び最長焦点距離に基づいて前記レンズの種別を判断した結果として前記他のディジタル機器から送られてきた制御条件変更命令に基づき、前記撮影機能のズーム制御可能範囲を変更する変更手段と、
    前記撮影機能のズーム制御命令を受け付けた場合、前記変更手段により変更されたズーム制御可能範囲内で光学ズーム及び電子ズームが動作するように撮影機能を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするディジタル機器。
  2. 前記撮影機能として光学ズーム機能及び電子ズーム機能を有しており、前記制御手段は、前記撮影機能のズーム制御命令を受け付けた場合、光学テレ端でズームを停止し、その後電子ズームを実行しないように撮影機能を制御することを特徴とする請求項1に記載のディジタル機器。
  3. 前記レンズの種別の判断は、ワイドレンズか非ワイドレンズであるかの判断であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディジタル機器。
  4. レンズを用いた撮影機能を有し、前記撮影機能を制御できる他のディジタル機器と相互に通信可能なディジタル機器の制御方法であって、
    前記撮影機能の焦点距離範囲情報として最短焦点距離及び最長焦点距離を前記他のディジタル機器に対して送信する送信ステップと、
    前記焦点距離範囲情報の送信の後、前記ディジタル機器において前記最短焦点距離及び最長焦点距離に基づいて前記レンズの種別を判断した結果として前記他のディジタル機器から送られてきた制御条件変更命令に基づき、前記撮影機能のズーム制御命令を受け付けた場合に前記撮影機能がその範囲内で光学ズーム及び電子ズームが動作するよう制御するために前記撮影機能のズーム制御可能範囲を変更する変更ステップと、
    を備えることを特徴とするディジタル機器の制御方法。
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