JP4217332B2 - 画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された画像データを処理して出力する画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像処理方法、特に、デジタル的に画像データを生成し、プリント出力するときの出力画像の品位を向上させる方法および画像処理システムの一例について、図13を用いて説明する。
【0003】
図13は従来の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0004】
図13に示す画像処理システムは、ホストコンピュータ101を用いてDTPなどのページレイアウト文書やワープロ、グラフィック文書などを作成してレーザビームプリンタやインクジェットプリンタなどによりハードコピー出力するシステムである。102はホストコンピュータ101上で動作するアプリケーションであり、代表的なものとしてMicrosoft社のマイクロソフトワード(MicrosoftWord:登録商標)のようなワープロソフトや、Adobe社のページメーカー(PageMaker:登録商標)のようなページレイアウトソフトが有名である。これらのソフトウェアで作成されたデジタル文書データは、不図示のオペレーティングシステム(OS)を介してプリンタドライバ103に送信される。
【0005】
デジタル文書データは、通常、ひとつのページを構成する図形や文字等をあらわすコマンドデータの集合として表されており、これらのコマンドデータをプリンタドライバ103に送信することになる。一連のコマンドでーたはPDL(ページ記述言語)と呼ばれる言語体系として表現されており、PDLの代表例としてはGDI(登録商標)やポストスクリプト(PsotScript:登録商標)等が有名である。
【0006】
プリンタドライバ103は、送信されてきたPDLコマンドをラスタイメージプロセッサ104内のラスタライザ105に転送する。ラスタライザ105はPDLコマンドで表現されている文字、図形等を実際にプリンタ出力するために2次元のビットマップイメージに展開する。ビットマップイメージは、2次元平面を1次元のラスタ(ライン)のくり返しとして構成される画像であるため、このように呼ばれる。展開されたビットマップイメージは、画像メモリ106に一時的に格納される。画像メモリ106に格納されたビットマップイメージは、カラープリンタ108へ送信され、画像形成ユニット108によって記録媒体上にビットマップイメージに基づく画像が形成される。
【0007】
以上の構成によって実行される動作を模式的に示したのが、図14である。
【0008】
ホストコンピュータ101上で表示されている文書画像111はPDLコマンド列112としてプリンタドライバ103経由でラスタライザ105へ送信される。次に、ラスタライザ105は2次元のビットマップイメージ113を画像メモリ106上に展開する。
【0009】
展開されたビットマップイメージ113はカラープリンタ107へ送信される。カラープリンタ107には、周知の電子写真方式やインクジェット記録方式の画像形成ユニット108が搭載されており、この画像形成ユニット108を用いて記録媒体上に可視画像を形成してプリント出力される。尚、画像メモリ107中のビットマップイメージ113は画像形成ユニット108を動作させるために必要な同期信号やクロック信号あるいは特定の色成分信号の転送要求等と同期して転送される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像処理システムにおいて、ビットマップイメージの出力に利用される画像形成ユニットについて考えてみると、種々の問題点が生じてくることが明らかになっている。
【0011】
例えば、通常、カラープリンタはプリント出力上にカラー画像を形成するため、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)という、4色のトナー、またはインクを用いて、いわゆる減法混色の原理に基づいて画像形成における色を表現する。
【0012】
一方、ホストコンピュータのアプリケーションが画像を表示する際にはカラーモニタを利用するのが普通であり、カラーモニタはレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)という加法混色の3原色を用いて色を表現する。
【0013】
従って、文書を構成する文字や図形の色、あるいは写真等をスキャナで読み込んでレイアウトした画像等の色はすべてR,G,Bをある割合で混合した色として表現されている。
【0014】
即ち、ラスタライザ105はPDLとしてR,G,Bで定義されてホストコンピュータ101から転送されてくる色情報をC,M,Y,Kに変換した後、ビットマップイメージを生成してプリンタに送信する必要がある。
【0015】
ところが、RGB信号をCMYK信号に変換する方法は一義的に決まっているものではなく、最適な変換方法というのはPDLで定義されている図形の属性によって異なってくる。
【0016】
例えば、図16の例を参照すると、イメージ114はスキャナ等で読み込まれた自然画像、イメージ115は円形、長方形といった電子的に発生させたグラフィック画像、イメージ116は文字(TEXT)画像といったそれぞれ異なる属性を持っている。これらの属性を有する画像において、文字(TEXT)画像の色をR=G=B=0の黒色として定義してあった場合、これに対する最適なCMYK信号は8ビットの濃度信号で表すとC=M=Y=0、かつK=255となる。つまり、黒い文字はプリンタの4色のトナーのうち黒トナーのみで再現するのが好ましい。一方、自然画像の特定ピクセルの画素値がR=G=B=0であった場合、文字画像と同様にC=M=Y=0、かつK=255に変換してしまうと、本来、自然画像中のもっとも濃度の高い部分を表現すべきなのが黒トナーのみで再現されるため、絶対濃度が不足してしまう。
【0017】
従って、この場合はC=M=Y=100、K=255といった値に変換して絶対濃度を高くした方が好ましい結果が得られる。
【0018】
このような問題を解決するため、ラスタライザ105はCMYK信号への変換を行わずRGB信号の値を用いてビットマップイメージに展開するようにし、画像形成ユニット108側で送信されてくるRGB信号のビットマップイメージ中から周知の像域分離処理を用いて文字画像領域を検出し、検出された文字画像領域とそれ以外の領域とでRGB信号からCMYK信号への変換方法を切り替えてCMYK信号を生成して出力するという方法も考えられている。
【0019】
しかし、この場合に用いる像域分離処理が文字画像領域を100%検出できるとは限らず、また、自然画像領域の中にも誤って文字画像領域として検出してしまう場合もあるため、信頼性に欠けるという問題点がある。
【0020】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数種類の属性の画像が混在した画像を高品位に出力することができる画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、
入力された画像データを処理して出力する画像処理装置であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力手段と、
前記複数のオブジェクトを、各オブジェクトに対応する画像を描画するためのコマンドに基づいてビットマップイメージデータに展開する展開手段と、
前記展開手段で展開されたビットマップイメージデータと、該ビットマップイメージデータのオブジェクトに対応するコマンドの属性とに基づいて、前記オブジェクトに対応するビットマップイメージデータの各画素毎に各属性の存在の有無を示す属性情報フラグを含む属性マップ情報をオブジェクト毎に生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された各オブジェクトの属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の各オブジェクト中の画素にスムージングを施すスムージング手段とを備え、
前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む
を備える。
【0022】
また、好ましくは、前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む。
【0023】
また、好ましくは、前記スムージング手段は、前記ビットマップイメージデータを2値化する2値化手段と、
前記生成手段で生成された属性マップ情報に基づいて、前記2値化手段で2値化されたデータの構成を判定する判定手段とを備え、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ビットマップデータ中の画素にスムージングを施す。
【0024】
また、好ましくは、前記判定手段は、前記属性マップ情報がエッジフラグを有するデータの構成を判定する。
【0025】
また、好ましくは、前記判定手段の判定の結果、エッジフラグを有するデータの構成が所定の構成を有する場合、該データ中の所定の画素にスムージングを施す。
【0026】
また、好ましくは、前記スムージング手段は、スムージング対象の画素間を、前記入力手段で入力された画像データの解像度の所定倍の解像度でスムージングを行う。
【0027】
また、好ましくは、前記属性マップ情報は、前記ビットマップイメージデータの2次元座標位置に対応付けられて生成され、該ビットマップイメージデータ及び、そのビットマップイメージデータと同一座標の属性マップ情報は同期して画像形成部へ転送される。
また、好ましくは、前記スムージング手段は、ソフトウェアによって実現される。
【0028】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理方法は以下の構成を備える。即ち、入力された画像データを処理して出力する画像処理方法であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記複数のオブジェクトを、各オブジェクトに対応する画像を描画するためのコマンドに基づいてビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、該ビットマップイメージデータのオブジェクトに対応するコマンドの属性とに基づいて、前記オブジェクトに対応するビットマップイメージデータの各画素毎に各属性の存在の有無を示す属性情報フラグを含む属性マップ情報をオブジェクト毎に生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各オブジェクトの属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の各オブジェクト中の画素にスムージングを施すスムージング工程とを備え、
前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む。
【0029】
上記の目的を達成するための本発明によるコンピュータ可読メモリは以下の構成を備える。即ち、
入力された画像データを処理して出力する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ可読メモリであって、
入力された画像データを処理して出力する画像処理方法であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記複数のオブジェクトを、各オブジェクトに対応する画像を描画するためのコマンドに基づいてビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、該ビットマップイメージデータのオブジェクトに対応するコマンドの属性とに基づいて、前記オブジェクトに対応するビットマップイメージデータの各画素毎に各属性の存在の有無を示す属性情報フラグを含む属性マップ情報をオブジェクト毎に生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各オブジェクトの属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の各オブジェクト中の画素にスムージングを施すスムージング工程とを備え、
前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0031】
図1は本実施形態の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
尚、図中、参照番号10〜15は、図13の参照番号101〜106と同一であり、また、参照番号18、19は図13の参照番号107、108と同一である。
【0033】
本発明の特徴は、属性マップメモリ16および画像処理部17である。ラスタライザ14は、画像を構成する個々の部品(以後オブジェクトと呼ぶ)に対応付けられたコマンドに基づいて、画像メモリ15上にビットマップイメージを生成する。このときオブジェクトの属性と生成されたビットマップイメージとに基づいて後述する方法で属性マップ情報を生成し、属性マップメモリ16に書き込む。
【0034】
即ち、ラスタライザ14はオブジェクトをあらわすコマンドの属性と、それによって画像メモリ15に書き込むために生成したビットマップイメージデータとに基づいて属性マップ情報を生成する。このとき、すでに展開されている画像メモリ15の内容をビットマップイメージデータとして参照するようにすることも当然可能である。
【0035】
また、画像処理部17は、画像メモリ15のビットマップイメージデータに対し種々の画像処理を施してカラープリンタ18へデータを出力する。このとき、属性マップメモリ16の属性マップ情報を参照して、画像処理方法を適宜切り替える。
【0036】
尚、画像形成ユニット19は、電子写真方式によるカラー記録を行う画像形成部からなっている。
【0037】
まず、属性マップ情報の生成方法について詳細に説明する。
【0038】
画像メモリ15に展開されたビットマップイメージデータが図2のようであった場合に、領域(a)と領域(b)の拡大図を、それぞれ図3および図4に示す。
【0039】
図3は、円形オブジェクトを描画するコマンドに基づいて円のビットマップイメージを生成する場合を示している。21aは画像メモリ15に書き込まれるビットマップイメージデータを表しており、微少画素単位の画素値を例えば8ビットの整数値として2次元配列状に配置したものとなっている。
【0040】
22a〜25aは、ビットマップイメージデータを解析し、その属性毎に分割された属性マップ情報と、その属性情報フラグであり、属性マップ情報は属性マップメモリ16に書き込まれる。属性情報フラグ(本実施形態では、ベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグの4種類)が各1ビット(0または1の2値)ずつ、画像メモリ15のビットマップイメージデータと同じ画素配列状に生成される。図3では、0を白、1を黒の微少矩形として表現している。
【0041】
ベクトルフラグは、文字やグラフィック等のベクトル画像領域で1、それ以外の下地部や連続階調写真部(図2の領域(c))では0となるフラグである。従って、この場合、円形オブジェクトの内部全体であるデータ22aがベクトルフラグとして1がたつ。データ22aは、通常、円形オブジェクトを描画するコマンドに基づいて生成できる。本発明では、ビットマップイメージ21aの内容を参照するようにしているので、ビットマップイメージ21aで、新たに塗りつぶされた領域を検知して、その領域すべてをベクトルフラグとして1がたつデータ22aを得るようにすることができる。
【0042】
文字フラグは、文字画像領域で1、それ以外で0となるフラグである。従って、この場合、円形オブジェクトは文字ではないため、データ23aはすべて0である。
【0043】
エッジフラグは、オブジェクトの境界部分で1、それ以外で0となるフラグである。従って、この場合、円形オブジェクトの境界であるデータ24aがエッジフラグとして1がたつ。これは、データ22aの0から1に変化する画素を検出して、検出された画素位置に1をたてるようにして生成することができる。
【0044】
エッジ境界フラグは、エッジフラグに隣接する画素で1となるフラグである。この場合、データ24aで1となる画素の4近傍に隣接する画素を検出することにより、エッジであるデータ24aの内側と外側の両方に位置するデータ25aに、エッジ境界フラグとして1がたつ。しかし、後述する画像処理の内容によっては、エッジの外側の画素のみを、エッジ境界フラグとして1をたてた方がよい場合もある。この場合、データ24aと同時にもとの画像メモリ21aも参照して円の内側の中間調部分(灰色で示した領域)ではエッジ境界フラグを発生しないようにすることも可能である。
【0045】
図4は、同様に文字オブジェクトに対して属性マップ情報を生成した例である。21b〜25bの意味あいは、21a〜25aと同じであり発生する属性マップ情報もほとんど同一であるが、唯一データ23bのみがデータ23aと異なり、文字フラグとして1がたっている。これは、21bが文字オブジェクトであるために、文字内部全体で文字フラグを1としているからである。
【0046】
以上の手順で属性マップ情報が生成される。そして、生成されたビットマップイメージデータおよび属性マップ情報は、同期信号とともに画像処理部17へ転送される。このとき、画像メモリ15の所定の位置の画素と対応する属性マップ情報が互いに対応付けられて転送されなければならない。即ち、画像メモリ15中の特定画素の画素値が画像処理部17へ送信されるときには、同一画素の属性マップ情報(フラグ)もほぼ同時に送信されなければならない。尚、図2の領域(c)で示した連続階調画像領域、および画像が描画されない下地領域では以上の説明から明らかなようにすべてのフラグが0となる。
【0047】
次に、画像処理部17の詳細構成について、図5を用いて説明する。
【0048】
図5は本実施形態の画像処理部の詳細構成を示す図である。
【0049】
外部機器301(例えば、ホストコンピュータ10)より出力される画像信号Y,M,C,Kは、面順次に転送される。次に、スムージング回路313にて、属性マップ情報312に基づいて、ベクトルフラグを有する画像信号Y,M,C,Kについては200線PWMを使用して出力する。また、それ以外のエッジフラグ等の他のフラグを有する画像信号Y,M,C,Kについては400線PWMを使用して出力する。このような構成にすることで、中間調の再現性をよくすることができる。また、文字、細線の再現性を向上させる構成については、後述するが、入力時の解像度に対し、倍の解像度を有する濃度データを生成する。そして、γ変換部305において、それぞれの解像度の濃度データを画像形成ユニット19の階調再現に応じてデータ変換を実施する。このように、処理された面順次の画像信号Y,M,C,Kと、200/400線PWMの切替信号であるSEN信号は、画像形成ユニット19でPWMによる画像形成が行われる。
【0050】
次に、スムージング回路313の詳細構成について、図6を用いて説明する。
【0051】
図6は本実施形態のスムージング回路の詳細構成を示す図である。
【0052】
まず、入力画像信号であるMCYKの各色の信号が、面順次に転送され、2値化回路1101にて、パターンマッチングを施すための2値化を行う。次に、2値化信号をもとに、パターンマッチング部1102にて、属性マップ情報に基づいて、パターンマッチングを行う。本実施形態では、エッジフラグを有する画素に対しパターンマッチングを行い、それ以外の画素についてはパターンマッチングを行わない。そして、スムージング処理部1103にて、画像データ中のエッジフラグを有する画素の内、ギザギザパターンを構成する画素の間を倍の解像度でスムージングを行う。尚、スムージング対象の画素の補間値は、注目画素の周辺画素の濃度値を参照して決定する。例えば、図7に示すような画像データにスムージングを施した場合、図8に示すようなスムージング結果となる。
【0053】
次に、パターンマッチング部1102の詳細構成について、図9を用いて説明する。
【0054】
図9は本実施形態のパターンマッチング部の詳細構成を示す図である。
【0055】
2値化回路1101から送信されてくる2値化信号(ドットデータ)は、逐次ラインメモリ1001〜1009に記憶されると同時に、シフトレジスタ1011〜1019にラインメモリ1001〜1009のドットデータのうち主走査11ドット×副走査9ドットのドットマトリックス情報を取り出す。その後、判定回路1401で、ドットマトリックス情報の特徴を検出する。パターンマッチングの方法については、様々な提案がなされており、同様の手法を用いるということで、ここでは省略する。
【0056】
次に、スムージング処理部1103の処理の詳細について、図10、図11を用いて説明する。
【0057】
図10は、ラスタライズされたビットマップデータ(濃度値255)の1画素幅のラインのスムージングの一例について示したものである。このように、入力されたビットマップデータのパターンに応じて、ビットマップデータの補間量を決定する。
【0058】
ここで、入力される画像データは、多値の階調を有する画像データであるため、常に0あるいは255のビットマップデータが入力されるわけではない。
【0059】
そこで、図11に示すように、3×3のウインドウで、入力された画像データの各画素のパターンを参照する。つまり、3×3のウインドウ内で、濃度値が0以外の画素の数を数え、濃度値が0以外の画素の濃度値の平均値を取り、スムージングする画素の濃度値で線形演算することで、画素の濃度値の補間を行う。以下に具体例を示す。
【0060】
図11に示す3×3のウインドウ内において、注目画素の濃度値が180で、濃度値が0でない3画素の濃度値が51である場合、濃度値が0以外の画素の濃度値の平均値は、
(51×3)/3=51
となる。そして、この平均値に対し、補間する濃度値は、
180×51/255=60
となる。つまり、この場合、注目画素の濃度値に対し、濃度値60を他の画素の濃度値に加算して補間する。
【0061】
次に、本実施形態で実行される処理の処理フローについて、図12を用いて説明する。
【0062】
図12は本実施形態で実行される処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0063】
まず、ステップS101で、入力された複数のオブジェクトから構成される画像データの各オブジェクトを、ラスタライザ14でビットマップイメージデータに展開する。展開されたビットマップイメージデータを画像メモリ15に格納する。ステップS102で、展開されたビットマップイメージデータと、オブジェクトの属性に基づいて、ビットマップイメージデータの属性マップ情報を生成する。生成された属性マップ情報は、属性マップメモリ16に格納される。ステップS103で、生成された属性マップ情報に基づいて、ビットマップイメージデータに対しスムージング処理を実行する。そして、スムージング処理されたビットマップイメージデータは、入力時の解像度に対して倍の解像度で出力し、それ以外のスムージング処理されたビットマップイメージデータ以外のビットマップイメージデータは、入力時の解像度で出力する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、属性マップ情報に基づいて、エッジフラグを有する画素の内、特に、ギザギザパターンを形成する画素に対し、スムージング処理を施すので、より操作者にとって好ましい画像再現が可能となる。また、スムージング処理の効果が現れるギザギザパターンだけに、スムージング処理を施すので、特に、スムージング処理をソフト的に行う場合には、CPUなどのリソースの負荷を減じることができる。
【0065】
上記実施形態では、属性マップ情報に基づいて、特定の画素間に対してスムージング処理を行う際の濃度値の補間を倍の解像度で行ったが、より解像度を高めて、ギザギザ感を除去するため、N倍(Nは自然数)の解像度でデータを補間するようにしても良い。
【0066】
尚、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0067】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0068】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0069】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0070】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0071】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0072】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図12に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数種類の属性の画像が混在した画像を高品位に出力することができる画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の処理対象ビットマップイメージの一例を示す図である。
【図3】本実施形態の属性マップ情報を説明するための図である。
【図4】本実施形態の属性マップ情報を説明するための図である。
【図5】本実施形態の画像処理部の詳細構成を示す図である。
【図6】本実施形態のスムージング回路の詳細構成を示す図である。
【図7】本実施形態のスムージングを説明するための図である。
【図8】本実施形態のスムージングを説明するための図である。
【図9】本実施形態のパターンマッチング部の詳細構成を示す図である。
【図10】本実施形態のラスタライズされたビットマップデータの1画素幅のラインのスムージングの一例を示す図である。
【図11】本実施形態のスムージングを説明するための図である。
【図12】本実施形態で実行される処理の処理フローを示すフローチャートである。
【図13】従来の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図14】従来の画像処理システムで実行される処理手順を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ホストコンピュータ
11 アプリケーション
12 プリンタドライバ
13 ラスタイメージプロセッサ
14 ラスタライザ
15 画像メモリ
16 属性マップメモリ
17 画像処理部
18 カラープリンタ
19 画像形成ユニット
Claims (13)
- 入力された画像データを処理して出力する画像処理装置であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力手段と、
前記複数のオブジェクトを、各オブジェクトに対応する画像を描画するためのコマンドに基づいてビットマップイメージデータに展開する展開手段と、
前記展開手段で展開されたビットマップイメージデータと、該ビットマップイメージデータのオブジェクトに対応するコマンドの属性とに基づいて、前記オブジェクトに対応するビットマップイメージデータの各画素毎に各属性の存在の有無を示す属性情報フラグを含む属性マップ情報をオブジェクト毎に生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された各オブジェクトの属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の各オブジェクト中の画素にスムージングを施すスムージング手段とを備え、
前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記スムージング手段は、前記ビットマップイメージデータを2値化する2値化手段と、
前記生成手段で生成された属性マップ情報に基づいて、前記2値化手段で2値化されたデータの構成を判定する判定手段とを備え、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ビットマップデータ中の画素にスムージングを施す
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、前記属性マップ情報がエッジフラグを有するデータの構成を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段の判定の結果、エッジフラグを有するデータの構成が所定の構成を有する場合、該データ中の所定の画素にスムージングを施す
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記スムージング手段は、スムージング対象の画素間を、前記入力手段で入力された画像データの解像度の所定倍の解像度でスムージングを行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記属性マップ情報は、前記ビットマップイメージデータの2次元座標位置に対応付けられて生成され、該ビットマップイメージデータ及び、そのビットマップイメージデータと同一座標の属性マップ情報は同期して画像形成部へ転送される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 入力された画像データを処理して出力する画像処理方法であって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記複数のオブジェクトを、各オブジェクトに対応する画像を描画するためのコマンドに基づいてビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、該ビットマップイメージデータのオブジェクトに対応するコマンドの属性とに基づいて、前記オブジェクトに対応するビットマップイメージデータの各画素毎に各属性の存在の有無を示す属性情報フラグを含む属性マップ情報をオブジェクト毎に生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各オブジェクトの属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の各オブジェクト中の画素にスムージングを施すスムージング工程とを備え、
前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む
ことを特徴とする画像処理方法。 - 前記スムージング工程は、前記ビットマップイメージデータを2値化する2値化工程と、
前記生成工程で生成された属性マップ情報に基づいて、前記2値化工程で2値化されたデータの構成を判定する判定工程とを備え、
前記判定工程による判定結果に基づいて、前記ビットマップデータ中の画素にスムージングを施す
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。 - 前記判定工程は、前記属性マップ情報がエッジフラグを有するデータの構成を判定する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。 - 前記判定工程の判定の結果、エッジフラグを有するデータの構成が所定の構成を有する場合、該データ中の所定の画素にスムージングを施す
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。 - 前記スムージング工程は、スムージング対象の画素間を、前記入力工程で入力された画像データの解像度の所定倍の解像度でスムージングを行う
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。 - 前記属性マップ情報は、前記ビットマップイメージデータの2次元座標位置に対応付けられて生成され、該ビットマップイメージデータ及び、そのビットマップイメージデータと同一座標の属性マップ情報は同期して画像形成部へ転送される
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。 - 入力された画像データを処理して出力する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納されたコンピュータ可読メモリであって、
複数のオブジェクトで構成される画像データを入力する入力工程と、
前記複数のオブジェクトを、各オブジェクトに対応する画像を描画するためのコマンドに基づいてビットマップイメージデータに展開する展開工程と、
前記展開工程で展開されたビットマップイメージデータと、該ビットマップイメージデータのオブジェクトに対応するコマンドの属性とに基づいて、前記オブジェクトに対応するビットマップイメージデータの各画素毎に各属性の存在の有無を示す属性情報フラグを含む属性マップ情報をオブジェクト毎に生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各オブジェクトの属性マップ情報に基づいて、前記ビットマップデータ中の各オブジェクト中の画素にスムージングを施すスムージング工程とをコンピュータに実行させるためのプログラムが格納され、
前記属性マップ情報は、少なくともベクトルフラグ、文字フラグ、エッジフラグ、エッジ境界フラグを含む
ことを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
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