JP4215873B2 - ヒートモード感受性画像形成要素からポジテイブ作用性印刷版を作製するための方法 - Google Patents

ヒートモード感受性画像形成要素からポジテイブ作用性印刷版を作製するための方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明はIR感受性最上層を含むヒートモード画像形成要素を用いて平版印刷版を作製するための方法に関する。
【0002】
さらに特定的に本発明は、露出されると水性現像液により浸透及び/又は可溶化される最上層の容量が変化することにより、ヒートモード画像形成要素を用いて平版印刷版を作製するための方法に関する。
【0003】
【発明の背景】
平版印刷は、そのいくらかの領域が平版印刷インキを受容することができるが、他の領域は水で湿らされるとインキを受容しない特別に作られた表面からの印刷の方法である。インキを受容する領域は印刷画像領域を形成し、インキ−反発性領域は背景領域を形成する。
【0004】
写真平版印刷の技術分野の場合、写真材料は、露光された領域において(ネガティブ−作用性)又は非露光領域において(ポジティブ−作用性)、親水性背景上で画像通りに油性又は脂性インキに対して受容性とされる。
【0005】
表面平版印刷版(surface litho plates)又はプラノグラフィ印刷版(planographic printing plates)とも呼ばれる通常の平版印刷版の作製の場合、水に対して親和性を有するか又は化学的処理によりそのような親和性を得る支持体に感光性組成物の薄層がコーティングされる。その目的のためのコーティングにはジアゾ化合物、ジクロム酸塩−増感親水性コロイド及び多様な合成感光性樹脂を含有する感光性ポリマー層が含まれる。特にジアゾ−増感系が広く用いられる。
【0006】
感光層が画像通りに露出されると、露出された画像領域は不溶性となり、非露出領域は溶解性のままである。次いで版は適した液を用いて現像され、非露出領域のジアゾニウム塩又はジアゾ樹脂が除去される。
【0007】
別の場合、画像通りに露出されると露出された領域において可溶性とされる感光性コーティングを含む印刷版が既知である。だから続く現像は露出された領域を除去する。そのような感光性コーティングの典型的例はキノン−ジアジドに基づくコーティングである。
【0008】
典型的に、それから印刷版が作製される上記の写真材料は、平版印刷法において再現されるべき画像を含有する写真フィルムを介してカメラ−露出される。そのような作業法はやっかいであり、労働集約的である。しかし他方、かくして得られる印刷版は優れた平版印刷の質のものである。
【0009】
かくして上記の方法において写真フィルムの必要を除き、特に再現されるべき画像を示すコンピューターデータから直接印刷版を得るための試みが成されてきた。しかし感光性コーティングはレーザーを用いて直接露出されるのに十分に感受性ではない。従って感光性コーティングの上にハロゲン化銀層をコーティングすることが提案された。次いでハロゲン化銀をコンピューターの制御下でレーザーを用いて直接露出することができる。続いてハロゲン化銀層を現像して感光性コーティングの上に銀画像を残す。次いでその銀画像は感光性コーティングの全体的露出においてマスクとして働く。全体的露出の後、銀画像は除去され、感光性コーテイングが現像される。そのような方法は例えばJP−A−60−61 752に開示されているが、複雑な現像及びそれに伴う現像液が必要であるという欠点を有する。
【0010】
GB−1 492 070は金属層又はカーボンブラックを含有する層を感光性コーティング上に設ける方法を開示している。次いでこの金属層をレーザーを用いて融蝕し、感光層上の画像マスクを得る。次いで感光層を画像マスクを介してUV−光により全体的に露出する。画像マスクの除去の後、感光層を現像して印刷版を得る。しかしこの方法は感光層の現像の前にやっかいな処理により画像マスクを除去しなければならないという欠点をまだ有している。
【0011】
さらに、感光性ではなく感熱性である画像形成要素の使用を含む印刷版の作製のための方法が既知である。印刷版の作製のための上記のような感光性画像形成要素の特別な欠点は、それを光から遮蔽しなければならないことである。さらにそれらは保存安定性の観点で感度の問題を有し、それらは比較的低い解像度を示す。明らかに市場で、ヒートモード印刷版前駆体に向かう傾向が見られる。
【0012】
例えば1992年1月のResearch Disclosure no.33303は、熱可塑性ポリマー粒子及び赤外吸収性顔料、例えばカーボンブラックを含有する架橋された親水性層を支持体上に含むヒートモード画像形成要素を開示している。赤外レーザーに画像通りに露出することにより、熱可塑性ポリマー粒子が画像通りに凝析し、それによりこれらの領域において画像形成要素の表面を、さらなる現像なしでインキ受容性とする。この方法の欠点は、得られる印刷版が容易に損傷を受けることであり、それはそこにいくらかの圧力が加えられると非−印刷領域がインキ−受容性となり得るからである。さらに限界的条件下で、そのような印刷版の平版印刷性能は劣り得、従ってそのような印刷版はほとんど平版印刷寛容度を有していない。
【0013】
US−P−4 708 925は、アルカリ−可溶性ノボラック樹脂及びオニウム−塩を含有する感光性組成物を含む画像形成要素を開示している。この組成物は場合によりIR−増感剤を含有することができる。該画像形成要素をUV−可視−又はIR−線に画像通りに露出し、水性アルカリ液を用いる現像段階が続いた後、ポジティブ又はネガティブ作用性印刷版が得られる。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0014】
EP−A−625 728は、UV−及びIR−線に感受性である層を含み、ポジティブもしくはネガティブ作用性であることができる画像形成要素を開示している。この層はレゾール樹脂、ノボラック樹脂、潜在的ブレンステッド酸及びIR−吸収性物質を含む。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0015】
US−P−5 340 699はEP−A−625 728とほとんど同じであるが、ネガティブ作用性IR−レーザー記録画像形成要素を得るための方法を開示している。IR−感受性層はレゾール樹脂、ノボラック樹脂、潜在的ブレンステッド酸及びIR−吸収性物質を含む。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0016】
さらにEP−A−678 380は、レーザー−融蝕可能な表面層の下の研磨された金属支持体上に保護層が設けられる方法を開示している。画像通りに露出されると表面層は保護層のいくらかの部分と同様に完全に融蝕される。次いで印刷版を清浄化溶液で処理し、保護層の残りを除去し、それにより親水性表面層を露出する。
【0017】
EP−A−97 200 588.8は親水性表面を有する平版印刷ベース上にアルカリ水溶液中に可溶性のポリマーを含む中間層及びIR−線に感受性の最上層を含み、ここで該最上層はIR−線に露出されるとアルカリ性水溶液により浸透及び/又は可溶化される容量が減少するか又は増加する、平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素を開示している。
【0018】
該ヒートモード画像形成要素は、照射の間にいくらかの融蝕が起こり、いくらかの破壊屑を生成させるという欠点を有する。該破壊屑はレーザービームの透過を妨げ得るか(例えば焦点レンズ上に付着することによるか又は部分的に透過を遮断するエーロゾルとして)あるいはこの破壊屑が版にゆるく付着したまま残り、該破壊屑の輸送ローラー上における堆積が起こると、記録の間又はその後の画像形成要素の輸送を妨げ得る。
【0019】
GB−A−1 245 924は、層の与えられた領域の与えられた溶媒中における溶解度を層のその領域を加熱することにより向上させることができるような組成の感熱性記録層を含む記録材料を用いている情報記録法を開示しており、この方法において該層は情報通りに加熱され、記録層の種々の領域の該溶媒中における溶解度の差を用いて情報の記録を生み、次いで層全体がそのような溶媒と接触させられてそのような溶媒に可溶性であるか又は最も可溶性である記録層の部分がそのような溶媒により除去されるか又はそのような溶媒により浸透される。
【0020】
EP−A−347 245は、予備増感版を光に画像通りに露出し、露出された予備増感版をアルカリ性現像液及び補充液を用いて現像−処理することを含み、ここで現像液及び補充液はアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液であり、補充液の比率(SiO2):(M2O)(ここで(SiO2)及び(M2O)はそれぞれSiO2及びアルカリ金属酸化物M2Oのモル濃度である)が0.6〜1.5の範囲である平版印刷版の作製において用いるための予備増感版の現像−処理のための方法を開示している。
【0021】
EP−A−732 628は、アルカリ金属ケイ酸塩及びアルカリ金属メタケイ酸塩から成る群より選ばれる少なくとも1種の化合物のアルカリ性組成物を含む水性アルカリ性現像液を開示しており、この場合該アルカリ性混合物のM2O/SiO2モル比は0.5〜1.2の範囲内であり、該アルカリ性混合物の合計含有率は現像液全体の5〜15重量%の範囲内であり、該現像液は非−イオン性界面活性剤ならびに少なくともアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から成る群より選ばれる他の界面活性剤を含む。
【0022】
US−P−5 466 557は(1)レゾール樹脂、(2)ノボラック樹脂、(3)潜在的ブレンステッド酸、(4)赤外線吸収剤及び(5)テレフタルアルデヒドを含む輻射線−感受性組成物を開示している。
【0023】
GB−A−1 155 035は層の与えられた領域が十分に加熱されるとその領域において、水又は水性媒体中における層のその領域の溶解度の減少を生ずる変化を受けるポリマー材料の層を含む記録材料が用いられている情報の記録法を開示しており、該層には層の全領域に分布する1種又は複数種の物質も導入されており、層はそのような物質により吸収される強い輻射エネルギーに層を露出することにより加熱されることができ、該材料は記録されるべき情報により決定されるパターンで材料全体に分布する強い輻射エネルギーに露出され、その輻射エネルギーは該分布している物質により少なくとも部分的に吸収されて対応する熱パターンが材料中に生成し、それによりそのような情報が該層の種々の領域の水又は水性媒体における溶解度の差を用いて記録される。
【0024】
GB−A−1 154 568は対比する光−吸収性及び光−透過性領域を有するグラフィック原稿を記録する方法を開示しており、この方法では層が十分に加熱されるとその水溶性又は水−吸収力が増加するゼラチンを主に含み、そこに分布する光吸収性物質も有する支持された層を含む記録材料を、そのようなゼラチン層を原稿の光吸収性領域と接触させて置き、該ゼラチン層を原稿を介して光に露出し、光の強度及び露出の持続時間は、ゼラチン層の原稿の光−吸収性領域と接触している領域はそのような光−吸収性領域からの熱伝導により実質的に影響されないが、ゼラチン層の他の領域の水溶性又は水−吸収力はゼラチン層のこれらの他の領域の光−吸収性物質によるコピー光の吸収の故のその加熱により増加するようなものである。
【0025】
従ってIR−照射の間に融蝕を受けないヒートモード画像形成要素を求める要求がある。
【0026】
【発明の目的】
本発明の目的はIR−照射の間に融蝕を受けないヒートモード画像形成要素を用いて平版印刷版を作製するための方法を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、優れた印刷性を有し、選択的で迅速簡便で生態学的な方法で現像可能なヒートモード感受性画像形成要素からのポジティブ平版印刷版の作製のための方法を提供することである。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、高い赤外感度を有するヒートモード感受性画像形成要素からポジティブ平版印刷版を作製するための方法を提供することである。
【0029】
本発明の目的は、短い及び同様に長い画素滞留時間においてレーザー露出により画像形成することができるヒートモード感受性画像形成要素からポジティブ平版印刷版を作製するための方法を提供することでもある。
【0030】
本発明のさらに別の目的は下記の記載から明らかになるであろう。
【0031】
【発明の概略】
本発明に従い、以下の
a)親水性表面を有する平版印刷ベース上にアルカリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び第1層と同じ平版印刷版の側に最上層を有し、その最上層がIR−線に対して感受性であり、ケイ酸塩としてSiO2を含有するアルカリ性現像液に関して非浸透性であるヒートモード画像形成要素を製造し;
b)該ヒートモード画像形成要素をIR−線に画像通りに露出し;
c)該画像通りに露出されたヒートモード画像形成要素を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露出された領域及びその下の第1層の領域が溶解されて第1層の露出されない領域が溶解されないで残るようにする
段階を含み、該最上層がインドアニリン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、ポルフィン誘導体、アントラキノン色素、メロスチリル色素、ピリリウム化合物、ジフェニル及びトリフェニルアゾ化合物及びスクアリリウム誘導体から成る群より選ばれるIR−色素を該IR−感受性最上層の合計量の1〜100重量%の量で含むことを特徴とする平版印刷版の作製のための方法を提供する。
【0032】
【発明の詳細な記述】
本発明に従い、上記の感熱性画像形成要素を用いて、融蝕のない高い質の平版印刷版を生態学的に許容され得る方法で得ることができることが見いだされた。
好ましくは平版印刷版の作製のための本発明の方法は、以下の
a)親水性表面を有する平版印刷ベース上にアルカリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び第1層と同じ平版印刷版の側に最上層を有し、その最上層が結合剤樹脂を含み、IR−線に対して感受性であり、ケイ酸塩としてSiO2を含有するアルカリ性現像液に関して非浸透性であるヒートモード画像形成要素を製造し;
b)該ヒートモード画像形成要素をIR−線に画像通りに露出し;
c)該画像通りに露出されたヒートモード画像形成要素を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露出された領域及びその下の第1層の領域が溶解されて第1層の露出されない領域が溶解されないで残るようにする
段階を含み、該最上層がIR−色素を該IR−感受性最上層の合計量の1〜100重量%の量で含むことを特徴とする。
【0033】
本発明に従う最上層はIR−色素を含み、好ましくはIR−色素及び結合剤樹脂を含む。IR−色素の混合物を用いることができるが、1種のみのIR−色素を用いるのが好ましい。適したIR−色素はずっと以前から既知であり、数種の化学的種類、例えばインドアニリン色素、オキソノール色素、ポルフィン誘導体、アントラキノン色素、メロスチリル色素、ピリリウム化合物及びスクアリリウム誘導体に属する。好ましくは該IR−色素は、特に約1060nmの発光スペクトルを有するレーザー源を用いる照射の場合、ドイツ特許出願DE−4.31162の一般式の範囲に属する。この一般式(I)は:
【0034】
【化1】
Figure 0004215873
【0035】
により示され、
式中、Kは対イオンAn−と一緒にQを示すか又は
【0036】
【化2】
Figure 0004215873
【0037】
を示し、
ここでQは塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、アルキルオキシ、アリールオキシ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリル又はL−S−により示される部分を示し、
ここでLはアルキル、アリール、ヘテロシクリル、シアノ又は置換カルボニル、チオカルボニルもしくはイミノカルボニルを示し、
An−はカチオン性色素の化学において通常用いられるアニオン又はその同等物を示し、
1はシアノ、アルコキシカルボニル、アルキル−もしくはアリールカルボニル又は場合により窒素原子においてアルキル及び/もしくはアリールにより1回又は2回置換されていることができるアミノカルボニルを示し、
2はアリールスルホニル、アルキルスルホニル、ヘテロアリールを示すかあるいは
【0038】
【化3】
Figure 0004215873
【0039】
により示されることができ、
ここでB3は炭素環式もしくは複素環式環を完成するための非−金属原子を示し、
環Tは1〜3個のC1−C4アルキル基により置換されていることができ、n=1又は2であり、
1及びA2は以下の組み合わせを示すことができる:
(1)式(IIIa)及び(IIIb)の部分:
【0040】
【化4】
Figure 0004215873
【0041】
ここでX3、X10=O、
4、X11=−CR38=−CR39
38及びR39はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリールあるいは一緒になって環状脂肪族、芳香族又は複素環式5−もしくは7−員環を完成するために必要な非−金属原子あるいは互いに独立して環状脂肪族、芳香族又は複素環式5−もしくは7−員環を完成するために必要な非−金属原子を示し、
3、R4、R19及びR20はそれぞれ独立して水素、C1−C8アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、アルコキシカルボニル、場合により置換されていることができるアミノカルボニル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルオキシ、アシルアミノ、アリールアミノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニルあるいは環状脂肪族、芳香族又は複素環式5−もしくは7−員環を完成するために必要な非−金属原子を示し、
47及びR50はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、シアノ、アルコキシシアノ又は第1の場合はR47とそれぞれX4及びR3の間で、第2の場合はR50とそれぞれX11及びR19の間で飽和もしくは不飽和5−〜7−員環を形成するための非−金属原子を示す。
【0042】
(2)X3、X10=R44
4、X11=−CR38=−CR39
それぞれR3とR4、R38とR39は一緒になって場合により置換されていることができる芳香環を完成するための原子を示し、
44は場合により置換されていることができるアルキル又はアリールあるいは5−もしくは7−員環を完成するために必要な原子を示す
同じ式(IIIa)及び(IIIb)の部分、
(3)式(IVa)及び(IVb)の部分:
【0043】
【化5】
Figure 0004215873
【0044】
ここでX5及びX12はそれぞれ独立してO、S、Se、Te又はR44Nを示し、R5〜R10及びR21〜R26はそれぞれ独立してR3の場合に上記で示された意味の1つを示し、
48及びR51はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール又はアルコキシカルボニルを示し、
5、X12が一緒にR44Nであり、Q=ハロゲンである化合物を除く、
(4)式(VIIa)及び(VIIb)の部分
【0045】
【化6】
Figure 0004215873
【0046】
ここでR60及びR61はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、シアノ、アルコキシカルボニル、ハロゲンを示し、
62、R64、R66、R68はそれぞれ独立してアルキル又はアリールを示し、
63、R65、R67、R69はそれぞれ独立して水素、アルキル又はアリールを示し、
環D1〜D4はそれぞれ独立して水素、塩素、臭素、アルキル又はアルコキシにより1回か又は多数回置換されていることができる。
【0047】
この一般式(I)の最も好ましいサブクラスは以下である:
−式(XXI)に従う化合物
【0048】
【化7】
Figure 0004215873
【0049】
−式(XXIII)に従う化合物:
【0050】
【化8】
Figure 0004215873
【0051】
−式(XXV)に従う化合物:
【0052】
【化9】
Figure 0004215873
【0053】
−式(XXVII)に従う化合物
【0054】
【化10】
Figure 0004215873
【0055】
−式(XXIX)に従う化合物:
【0056】
【化11】
Figure 0004215873
【0057】
これらのサブクラスの式において、R1、R2、R17及びR18はR3と同じ意味を有し、B1、B2、他のR記号、T及びD記号は前記と同じに定義され、αは0又は1である。
【0058】
特定のスペクトル特性の決定のために選ばれる一般式(I)又は上記で定義された好ましいサブクラスの1つに対応するいくつかの特定の赤外吸収性色素(IRD)を下記に挙げる。それらに参照番号を指定し、それにより先の記載及び実施例の表においてそれらが同定されるであろう:
【0059】
【化12】
Figure 0004215873
【0060】
【化13】
Figure 0004215873
【0061】
【化14】
Figure 0004215873
【0062】
【化15】
Figure 0004215873
【0063】
【化16】
Figure 0004215873
【0064】
スペクトルパラメーターの実験的研究に含まれるさらに別の適した先行技術の色素を以下の式により示す:
IRD−14はAmerican Syanamid Co,Glendale Protective Technologie Division,Woodbury,New−Yorkにより販売されているCYASORB IR165として既知の商業製品である。それは:
【0065】
【化17】
Figure 0004215873
【0066】
により示される2部の分子状非−イオン性形態(IRD−14a)と3部のイオン性形態(IRD−14b)の混合物である。
【0067】
【化18】
Figure 0004215873
【0068】
【化19】
Figure 0004215873
【0069】
特に約830nmの発光スペクトルを有するレーザー源を用いる照射のための他の好ましいIR−色素は以下の一般式の範囲に属する。
【0070】
【化20】
Figure 0004215873
【0071】
式中、X、X’はそれぞれ独立してO、Sを示し、
70〜R74はそれぞれ独立して水素、アルキル又はアリールを示すことができ;R70はR72と一緒に、R72はR74と一緒に、R71はR73と一緒に、R70はR72及びR74と一緒に炭素環式環を形成することができる。
【0072】
72はハロゲン、NR8889(R88、R89はそれぞれ独立してアルキル、アリールを示すか又は(複素)環式環を形成することができる)、PR8889、エステル−COOR92(R92はアルキル又はアリールを示す)、バルビツル酸基(場合により置換されていることができるN−原子を有する)を示すこともできる。
【0073】
71又はR73は:−OCOR93を示すことができ;R93はアルキル又はアリールを示す。
【0074】
77はR78と一緒に、R78はR79と一緒に、R79はR80と一緒に、R81はR82と一緒に、R82はR83と一緒に、R83はR84と一緒に場合により炭素環式酸、エステルもしくはスルホ基で置換されていることができる環付加ベンゾ環を形成することができる。
【0075】
78、R79、R82、R83はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、ハロゲン、エステル、炭素環式酸、アミド、アミン、ニトリル、アルコキシ、アリールオキシ又はスルホ基を示すことができる。
【0076】
85、R86、R87、R88はそれぞれ独立してアルキル基を示すことができ、
85はR86と一緒に、R87はR88と一緒に環式(スピロ)環(cyclic (spiro)ring)を形成することができる。
【0077】
75、R76はそれぞれ独立してアルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR94(nは1〜5の整数を示し、R94はアルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHSO295(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R95はアルキル又はアリールを示す)を示す。
【0078】
【化21】
Figure 0004215873
【0079】
96、R102はアルキル又はアリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);;−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR103(nは1〜5の整数を示し、R103はアルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHSO2104(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R104はアルキル又はアリールを示す)を示す。
【0080】
97、R98、R100、R101はそれぞれ独立して:水素、アルキル、アリールを示し;R97はR98と一緒に、R100はR101と一緒に環付加ベンゾ環を形成することができる。
【0081】
98は:水素、アルキル、アリール、ハロゲン、エステル又は−SO2R105(R105はアルキル又はアリールを示す)を示すことができる。
【0082】
【化22】
Figure 0004215873
【0083】
106、R107、R108、R109はそれぞれ独立してアルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR117(nは1〜5の整数を示し、R117はアルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHSO2118(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R118はアルキル又はアリールを示す)を示すことができる。
【0084】
110、R111、R112、R113はそれぞれ独立して:水素、アルキル又はアリール基を示す。
【0085】
114、R115、R116はそれぞれ独立して:水素、アルキル又はアリール基を示すことができ;R115はハロゲン、エステル又は−SO2R119(R119はアルキル又はアリールを示す)を示す。
【0086】
【化23】
Figure 0004215873
【0087】
120、R121、R122、R123、R124、R125、R126、R127は:それぞれ独立してアルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);;−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR131(nは1〜5の整数を示し、R131はアルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHSO2132(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R132はアルキル又はアリールを示す)を示すことができる。
【0088】
120はR121と一緒に、R122はR123と一緒に、R124はR125と一緒に、R126はR127と一緒に環(cyclic ring)を形成することができる。
【0089】
128、R129、R130は:それぞれ独立して水素、アルキル又はアリール基を示すことができ;R129は:ハロゲン、エステル又は−SO2R133(R133はアルキル又はアリールを示す)を示すことができる。
【0090】
【化24】
Figure 0004215873
【0091】
134、R137、R138、R141はそれぞれ独立して:水素、アルキル又はアリールを示すことができ、
134はR135と一緒に、R141はR140と一緒に炭素環式環を形成することができる。
【0092】
135はR136と一緒に、R139はR140と一緒に炭素環式環を形成することができる。
【0093】
135、R136、R139、R140はそれぞれ独立して:水素、アルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);;−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す)を示すことができる;
【0094】
【化25】
Figure 0004215873
【0095】
142、R143、R144、R145はそれぞれ独立してアルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);;−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR146(nは1〜5の整数を示し、R146はアルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHSO2147(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R147はアルキル又はアリールを示す)を示す。
【0096】
R142はR143と一緒に、R144はR145と一緒に環を形成することができる。
【0097】
色素の電荷はいずれかの(分子間又は分子内)対イオンにより補償されることができる。
【0098】
最上層における結合剤樹脂としてゼラチン、セルロース、セルロースエステル、例えば酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、塩化ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、シリコーン樹脂などを用いることができる。結合剤樹脂として好ましいのは疎水性結合剤樹脂であり、フェノール性樹脂、例えばノボラック及びビニルフェノールがより好ましい。
【0099】
IR−色素は該IR−感受性最上層の合計量の好ましくは10〜80重量部の量で存在する。
【0100】
最上層の合計量は好ましくは0.1〜10g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲である。
【0101】
本発明に従って画像通りに露出されると、最上層においてアルカリ性水溶液により浸透及び/又は可溶化される容量における差が発生する。
【0102】
本発明の場合、画像通りにIR露出されると、現像の間に非画像形成部分を可溶化したり及び/又はそれに損傷を与えたりせずに、最上層の画像形成部分及びその下の第1層の領域が清浄化されて除去される程度まで該容量が増加する。
【0103】
アルカリ性水溶液を用いる現像は好ましくは5〜120秒の間隔内に行われる。
【0104】
最上層及び平版印刷ベースの間に本発明は水性現像液、より好ましくは7.5〜14のpHを有する水性アルカリ性現像液中に可溶性の第1層を含む。該層は好ましくは最上層に連続している。この層において用いられるアルカリ可溶性ポリマーは好ましくは通常のポジティブ又はネガティブ作用性PS−版で用いられるような疎水性及びインキ−受容性ポリマー、例えばノボラック、ポリビニルフェノール、カルボキシ置換ポリマーなどである。これらのポリマーの典型的例はDE−A−4 007 428、DE−A−4 027 301及びDE−A−4 445 820に記載されている。本発明と関連して用いられる疎水性ポリマーはさらに水中における不溶性及びアルカリ溶液中における少なくとも部分的な可溶性/膨潤性及び/又は補助溶媒と組み合わされた場合の水中における少なくとも部分的な可溶性を特徴としている。さらにこのアルカリ水溶液可溶性層は好ましくは可視光−及びUV−光減感層である。該層は好ましくは熱的に硬膜可能である。この好適に可視光−もしくはUV−光減感されている層は、250nm〜650nmの波長領域内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ化合物、フォトアシッド(photoacids)、光開始剤、キノンジアジド、増感剤などを含まない。この方法で昼光に安定な印刷版を得ることができる。該第1層は好ましくは低分子量の酸、好ましくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安息香酸、最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸も含む。
【0105】
第1層における低分子量の酸の合計量とポリマーの間の比率は好ましくは2:98〜40:60、より好ましくは5:95〜30:70の範囲である。該第1層の合計量は好ましくは0.1〜10g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲である。
【0106】
本発明の画像形成要素において、平版印刷ベースは陽極酸化されたアルミニウムであることができる。特に好ましい平版印刷ベースは電気化学的に粗面化され(grained)且つ陽極酸化されたアルミニウム支持体である。陽極酸化されたアルミニウム支持体を処理してその表面の親水性を向上させることができる。例えばアルミニウム支持体を例えば95℃などの高められた温度でケイ酸ナトリウム溶液を用いてその表面を処理することによりケイ酸塩化することができる。別の場合、リン酸塩処理を適用することができ、それは酸化アルミニウム表面をリン酸塩溶液で処理することを含み、リン酸塩溶液はさらに無機フッ化物を含有していることができる。さらに酸化アルミニウム表面をクエン酸又はクエン酸塩溶液で濯ぐことができる。この処理は室温で行うことができるか又は約30〜50℃というわずかに高められた温度で行うことができる。さらに興味深い処理は酸化アルミニウム表面を重炭酸塩溶液で濯ぐことを含む。さらに、酸化アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル及びスルホン化脂肪族アルデヒドとの反応により生成するポリビニルアルコールのアセタールを用いて処理することができる。これらの後処理の1つ又はそれ以上を単独でか又は組み合わせて行うことができることはさらに明らかである。これらの処理のもっと詳細な記載はGB−A−1 084 070、DE−A−4 423 140、DE−A−4417 907、EP−A−659 909、EP−A−537 633、DE−A−4 001 466、EP−A−292 801、EP−A−291 760及びUS−P−4 458 005に示されている。
【0107】
本発明と関連する他の実施態様に従うと、親水性表面を有する平版印刷ベースは柔軟性支持体、例えば架橋された親水性層が設けられた紙又はプラスチックフィルムを含む。特に適した架橋された親水性層は、ホルムアルデヒド、グリオキサル、ポリイソシアナート又は加水分解されたテトラ−アルキルオルトシリケートなどの架橋剤を用いて架橋された親水性結合剤から得ることができる。後者が特に好ましい。
【0108】
親水性結合剤として親水性(コ)ポリマー、例えばビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマーあるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを用いることができる。用いられる(コ)ポリマー又は(コ)ポリマー混合物の親水度は好ましくは、少なくとも60重量パーセント、好ましくは80重量パーセントの程度まで加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水度と同じか又はそれより高い。
【0109】
架橋剤、特にテトラアルキルオルトシリケートの量は好ましくは親水性結合剤の重量部当たり少なくとも0.2重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、最も好ましくは1.0重量部〜3重量部である。
【0110】
本実施態様に従って用いられる平版印刷ベースの架橋された親水性層は好ましくは、層の機械的強度及び多孔度を向上させる物質も含有する。この目的でコロイドシリカを用いることができる。用いられるコロイドシリカは例えば最高40nm、例えば20nmの平均粒度を有するコロイドシリカのいずれの商業的に入手可能な水−分散液の形態であることもできる。さらにコロイドシリカより大きな寸法の不活性粒子、例えばJ.Colloid and InterfaceSci.,Vol.26,1968,pages 62 to 69に記載されている通りStoeberに従って調製されるシリカあるいはアルミナ粒子あるいは二酸化チタン又は他の重金属酸化物の粒子である少なくとも100nmの平均直径を有する粒子を加えることができる。これらの粒子の導入により、架橋された親水性層の表面に顕微鏡的丘と谷から成る均一な粗いきめが与えられ、それは背景領域における水のための保存場所として働く。
【0111】
本実施態様に従う平版印刷ベースの架橋された親水性層の厚さは0.2〜25μmの範囲内で変化することができ、好ましくは1〜10μmである。
【0112】
本発明に従って用いるために適した架橋された親水性層の特定の例は、EP−A−601 240、GB−P−1 419 512、FR−P−2 300 354、US−P−3 971 660、US−P−4 284 705及びEP−A 514 490に開示されている。
【0113】
本実施態様と関連する平版印刷ベースの柔軟性支持体として、プラスチックフィルム、例えば基質化ポリエチレンテレフタレートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを用いるのが特に好ましい。プラスチックフィルム支持体は不透明又は透明であることができる。
【0114】
接着促進層が設けられたポリエステルフィルム支持体を用いるのが特に好ましい。本発明に従って用いるのに特に適した接着促進層は、EP−A−619 524、EP−A−620 502及びEP−A−619 525に開示されている通り親水性結合剤及びコロイドシリカを含む。好ましくは接着促進層中のシリカの量はm2当たり200mg〜m2当たり750mgである。さらにシリカ対親水性結合剤の比率は好ましくは1より高く、コロイドシリカの表面積は好ましくは少なくともグラム当たり300m2、より好ましくは少なくともグラム当たり500m2である。
【0115】
本発明と関連する画像通りの露出は、赤外又は近−赤外、すなわち700〜1500nmの波長領域で働くレーザーの使用を含む画像通りの走査露出である。最も好ましいのは近−赤外で発光するレーザーダイオードである。画像形成要素の露出は短い画素滞留時間を有するレーザー及び同様に長い画素滞留時間を有するレーザーを用いて行うことができる。好ましいのは0.005μ秒〜20μ秒の画素滞留時間を有するレーザーである。
【0116】
画像通りの露出の後、ヒートモード画像形成要素はアルカリ性水溶液でそれを濯ぐことにより現像される。本発明で用いられるアルカリ性水溶液は、通常のポジティブ作用性予備増感印刷版の現像に用いられ、好ましくは11.5〜14のpHを有するものである。かくして露出されてアルカリ性水溶液に関してより浸透性とされた最上層の画像形成された部分及び下の層の対応する部分は清浄化されて除去され、それによりポジティブ作用性印刷版が得られる。
【0117】
本発明においては用いられる現像液の組成も非常に重要である。
【0118】
従って長期間安定して現像処理を行うために、現像液中のアルカリの濃度及びケイ酸塩の濃度などの質が特に重要である。そのような状況下で本発明者等は、前記の組成を有する現像液を用いる場合のみに迅速高温処理を行うことができ、補充されるべき補充液の量が少なく、現像液を変えずに3カ月以上の長さの長期間に及んで安定した現像処理を行うことができることを見いだした。
【0119】
本発明で用いられる現像液及び現像液のための補充液は好ましくは主にアルカリ金属ケイ酸塩及びMOHにより示されるアルカリ金属水酸化物又はM2Oにより示されるその酸化物を含む水溶液であり、ここで該現像液はSiO2及びM2Oを0.5〜1.5のモル比で含み、SiO2の濃度は0.5〜5重量%である。そのようなアルカリ金属ケイ酸塩として好適に用いられるのは例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム及びメタケイ酸ナトリウムである。他方、そのようなアルカリ金属水酸化物として好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムである。
【0120】
本発明で用いられる現像液は同時に他のアルカリ性試薬を含有することができる。そのような他のアルカリ性試薬の例には水酸化アンモニウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸アンモニウムなどの無機アルカリ性試薬;ならびにモノ−、ジ−もしくはトリエタノールアミン、モノ−、ジ−もしくはトリメチルアミン、モノ−、ジ−もしくはトリエチルアミン、モノ−もしくはジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−、ジ−もしくはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ性試薬が含まれる。
【0121】
本発明の場合、現像液中における[SiO2]/[M2O]のモル比が特に重要であり、それは一般に0.6〜1.5、好ましくは0.7〜1.3である。これはもしモル比が0.6より低いと活性の大きなばらつきが観察され、一方もしそれが1.5を越えると迅速現像を行うのが困難になり、非画像領域上の感光層の溶出又は除去が不完全でありがちなためである。さらに現像液及び補充液中のSiO2の濃度は好ましくは1〜4重量%の範囲である。SiO2の濃度のそのような制限は、大量の本発明の版を長期間処理した場合でも優れた仕上げの質を有する平版印刷版を安定して与えることを可能にする。
【0122】
特に好ましい実施態様の場合、1.0〜1.5の範囲のモル比[SiO2]/[M2O]及び1〜4重量%のSiO2の濃度を有するアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が現像液として用いられる。そのような場合、現像液のアルカリ濃度と等しいか又はそれより高いアルカリ濃度を有する補充液が用いられるのはもちろんである。供給されるべき補充液の量を減少させるために、補充液におけるモル比[SiO2]/[M2O]が現像液のそれと等しいか又はそれより小さいことあるいは現像液のモル比が補充液のそれと等しい場合はSiO2の濃度が高いことが有利である。
【0123】
本発明で用いられる現像液及び補充液において同時に、20℃における水中の溶解度が10重量%以下の有機溶媒を必要に従って用いることができる。そのような有機溶媒の例は酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル及びレブリン酸ブチルなどのカルボン酸エステル類;エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどのケトン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール及びメチルアミルアルコールなどのアルコール類;キレシンなどのアルキル−置換芳香族炭化水素;ならびにメチレンジクロリド及びモノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素である。これらの有機溶媒は単独でか又は組み合わせて用いることができる。本発明において特に好ましいのはベンジルアルコールである。これらの有機溶媒は一般に5重量%以下、好ましくは4重量%以下の量で現像液又はそのための補充液に加えられる。
【0124】
本発明で用いられる現像液及び補充液は同時に、その現像性を向上させる目的の界面活性剤を含有することができる。そのような界面活性剤の例には高級アルコール(C8〜C22)硫酸エステルの塩、例えばラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、オクチルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのアンモニウム塩、Teepol B−81(商標、Shell Chemicals Co.,Ltd.から入手可能)及びアルキル硫酸二ナトリウム;脂肪族アルコールリン酸エステルの塩、例えばセチルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩;アルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、ジナフタレンジスルホン酸のナトリウム塩及びメタニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩;アルキルアミドのスルホン酸塩、例えばC1733CON(CH3)CH2CH2SO3Naならびに2塩基性脂肪族酸エステルのスルホン酸塩、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及びジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが含まれる。これらの界面活性剤は単独でか又は組み合わせて用いられることができる。特に好ましいのはスルホン酸塩である。これらの界面活性剤は一般に5重量%以下、好ましくは3重量%以下の量で用いられることができる。
【0125】
本発明で用いられる現像液及び補充液の現像安定性を強化するために、以下の化合物を同時に用いることができる。
【0126】
そのような化合物の例は中性塩、例えばJN−A−58−75 152に開示されているようなNaCl、KCl及びKBr;キレート化剤、例えばJN−A−58−190 952(U.S−A−4 469 776)に開示されているようなEDTA及びNTA、錯体、例えばJN−A−59−121 336(US−A−4 606 995)に開示されているような[Co(NH3)6]C13;JN−A−55−25 100に開示されているもののような周期表のIIa、IIIa又はIIIb族の元素のイオン化可能化合物;アニオン性又は両性界面活性剤、例えばJN−A−50−51 324に開示されているようなアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びN−テトラデシル−N,N−ジヒドロキシエチルベタイン;US−A−4 374 920に開示されているようなテトラメチルデシンジオール;JN−A−60−213 943に開示されているような非−イオン性界面活性剤;カチオン性ポリマー、例えばJN−A−55−95 946に開示されているようなp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチルクロリド第4生成物(methyl chloride quaternary products);両性高分子電解質、例えばJN−A−56−142 528に開示されているようなビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリル酸ナトリウムのコポリマー;還元性無機塩、例えばJN−A−57−192 952(US−A−4 467 027)に開示されているような亜硫酸ナトリウム及びアルカリ−可溶性メルカプト化合物又はチオエーテル化合物、例えばチオサリチル酸、システイン及びチオグリコール酸;無機リチウム化合物、例えばJN−A−58−59 444に開示されているような塩化リチウム;有機リチウム化合物、例えばJN−A−50 34 442に開示されているような安息香酸リチウム;JN−A−59−75 255に開示されているようなSi、Tiなどを含有する有機金属界面活性剤;JN−A−59−84 241(US−A−4 500 625)に開示されているような有機ホウ素化合物;第4級アンモニウム塩、例えばEP−A−101 010に開示されているようなテトラアルキルアンモニウムオキシド;ならびに殺バクテリア剤、例えばJN−A−63−226 657に開示されているようなデヒドロ酢酸ナトリウムである。
【0127】
本発明の現像処理のための方法において、現像液のための補充液を補充するいずれの既知の手段も用いることができる。好適に用いられるそのような方法の例は、JN−A−55−115 039(GB−A−2 046 931)に開示されているように処理されたPS版の量と時間の関数として断続的又は継続的に補充液を補充するための方法、JN−A−58−95 349(US−A−4 537 496)に開示されているように溶出された感光層の程度を検出するためのセンサーを現像領域の中央部分に配置し、検出される溶出した感光層の程度に比例して補充液を補充することを含む方法;GB−A−2 208 249に開示されているように現像液のインピーダンス値を決定し、検出されるインピーダンス値をコンピューターにより処理して補充液の補充を行うことを含む方法である。
【0128】
本発明の印刷版は印刷法においてシームレススリーブ印刷版として用いることもできる。この選択肢の場合、印刷版はレーザーを用いて円筒形にはんだ付けされる。古典的に作製された印刷版を古典的な方法で適用する代わりに、直径として印刷シリンダーの直径を有するこの円筒状印刷版を印刷シリンダー上で滑らせる。スリーブに関するさらなる詳細は“Grafisch Nieuws” ed.Keesing,15,1995,page 4 to 6に示されている。
【0129】
画像通りに露出された画像形成要素をアルカリ性水溶液を用いて現像し、乾燥した後、得られる版をそのまま印刷版として用いることができる。しかし耐久性を向上させるために該版を200℃〜300℃の温度で30秒〜5分間、焼くこともできる。画像形成要素をUV−線への全体的後−露出に供し、画像を硬化させて印刷版のランレングスを増加させることもできる。
【0130】
以下の実施例は本発明をそこに制限することなく本発明を例示するものである。すべての部及びパーセンテージは、他に特定されなければ重量による。
【0131】
【実施例】
実施例1:アルカリ−可溶性結合剤に基づくポジティブ作用性サーマルプレート(positive working thermal plate)
平版印刷ベースの製造
厚さが0.20mmのアルミニウム箔を、50℃において5g/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に箔を沈め、脱イオン水で濯ぐことにより脱脂した。次いで35℃の温度及び1200A/m2の電流密度において交流を用い、4g/lの塩酸、4g/lの硼酸及び5g/lのアルミニウムイオンを含有する水溶液中で箔を電気化学的に研磨し、0.5mmの平均中心線粗さRaを有する表面トポロジーを形成した。
【0132】
脱イオン水で濯いだ後、次いで300g/lの硫酸を含有する水溶液を用い、60℃において180秒間、アルミニウム箔をエッチングし、25℃において30秒間、脱イオン水で濯いだ。
【0133】
続いて箔を200g/lの硫酸を含有する水溶液中で、45℃の温度、約10Vの電圧及び150A/m2の電流密度において約300秒間、陽極酸化に供し、3.00g/m2のAl23の陽極酸化フィルムを形成し、次いで脱イオン水で洗浄し、ポリビニルホスホン酸を含有する溶液及び次いで三塩化アルミニウムを含有する溶液を用いて後処理し、続いて脱イオン水を用いて20℃で120秒間濯ぎ、乾燥した。
【0134】
第1層の調製
484gのテトラヒドロフラン及び288gのメトキシプロパノールに111.7gのメトキシプロパノール中の72.6gのアルノボルの溶液及び9.86gの3,4,5−トリメトキシ安息香酸を加え、該溶液をアルミニウム支持体の陽極酸化層上に14μmの湿潤厚さでコーティングし、1.12g/m2の乾燥重量を得た。
【0135】
最上層の調製
28.66gのテトラヒドロフラン及び19.11gのメトキシプロパノールに0.43gのメトキシプロパノール中の0.291gのノボラックの溶液及び0.291gのIRD No 17を加え、該溶液を30μmの湿潤厚さでコーティングし、0.31g/m2の乾燥重量を得た。
【0136】
この材料をGERBER C42TTM内部ドラムプレートセッター(platesetter)を用い、12,000rpm及び2540dpiにおいて画像形成した。画像面内のレーザーの出力レベルは6.65Wであった。IR−露出の後、融蝕の結果としての層の損傷は観察され得なかった。これはIR−露出の前後に層の光学濃度を測定することによっても証明された(表1を参照されたい)。
【0137】
露出の後、材料をアルカリ性現像液(EP 26現像液、Agfaから商業的に入手可能)中で現像し、IR−露出された領域を非常に迅速に溶解し、ポジティブ作用性版を得た。
【0138】
版をHeidelberg GTO46印刷機上で通常のインキ(K+E)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷し、優れたプリント、すなわちIR−露出領域にスカム形成がなく、非−露出領域においてインキ−吸収が優れたプリントを得た。
【0139】
比較実施例:アルカリ−可溶性結合剤に基づくポジティブ作用性サーマルプレート
平版印刷ベース及び第1層は実施例1に記載されている通りに調製し、コーティングした。
【0140】
IR−感受性最上層はメチルエチルケトン/メトキシプロパノール70/30中の1.00%カーボンブラック分散液(SPECIAL SCHWARZ 250TM)から20μmの湿潤コーティング厚さでコーティングした。
【0141】
この材料をGERBER C42TTM内部ドラムプレートセッターを用い、12,000rpm及び2540dpiにおいて画像形成した。画像面内のレーザーの出力レベルは3.5Wであった。IR−露出の後、最上層は、より低いIR−レーザー出力でも(実施例1の場合の6.65Wに対して3.5W)、IR−レーザー露出により融蝕過程の結果として明らかに損傷を受けている。層の表面上に小さい塵粒を観察することができる。この融蝕はIR−レーザー露出の前後に層の光学濃度を測定することによって定量することもできた(表1を参照されたい)。
【0142】
露出の後、材料をアルカリ性現像液(85% EP 26現像液、Agfaから商業的に入手可能)中で現像し、IR−露出された領域を非常に迅速に溶解し、ポジティブ作用性版を得た。
【0143】
版をHeidelberg GTO46印刷機上で通常のインキ(K+E)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷し、優れたプリント、すなわちIR−露出領域にスカム形成がなく、非−露出領域においてインキ−吸収が優れたプリントを得た。
【0144】
実施例2:アルカリ−可溶性結合剤に基づくポジティブ作用性サーマルプレート平版印刷版及び第1層は実施例1に記載されている通りに調製し、コーティングした。
【0145】
最上層の調製
28.66gのテトラヒドロフラン及び19.11gのメトキシプロパノールに0.82gのメトキシプロパノール中の0.47gのノボラックの溶液及び0.112gのIRD No 17を加え、該溶液を30μmの湿潤厚さでコーティングし、0.31g/m2の乾燥重量を得た。
【0146】
この材料をGERBER C42TTM内部ドラムプレートセッターを用い、12,000rpm及び2540dpiにおいて画像形成した。画像面内のレーザーの出力レベルは6.65Wであった。IR−露出の後、融蝕の結果としての層の損傷は観察され得なかった。これはIR−露出の前後に層の光学濃度を測定することによっても証明された(表1を参照されたい)。
【0147】
露出の後、材料をアルカリ性現像液(EP 26現像液、Agfaから商業的に入手可能)中で現像し、IR−露出された領域を非常に迅速に溶解し、ポジティブ作用性版を得た。
【0148】
版をHeidelberg GTO46印刷機上で通常のインキ(K+E)及び湿し液(rotamatic)を用いて印刷し、優れたプリント、すなわちIR−露出領域にスカム形成がなく、非−露出領域においてインキ−吸収が優れたプリントを得た。
【0149】
【表1】
Figure 0004215873
【0150】
本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
【0151】
1.a)親水性表面を有する平版印刷ベース上にアルカリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び第1層と同じ平版印刷版の側に最上層を有し、その最上層がIR−線に対して感受性であり且つケイ酸塩としてSiO2を含有するアルカリ性現像液に関して非浸透性であるヒートモード画像形成要素を製造し;
b)該ヒートモード画像形成要素をIR−線に画像通りに露出し;
c)該画像通りに露出されたヒートモード画像形成要素を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露出された領域及びその下の第1層の領域が溶解され且つ第1層の露出されない領域が溶解されないで残るようにする
段階を含み、該最上層がインドアニリン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、ポルフィン誘導体、アントラキノン色素、メロスチリル色素、ピリリウム化合物、ジフェニル及びトリフェニルアゾ化合物及びスクアリリウム誘導体から成る群より選ばれるIR−色素を該IR−感受性最上層の合計量の1〜100重量%の量で含むことを特徴とする平版印刷版の作製のための方法。
【0152】
2.a)親水性表面を有する平版印刷ベース上にアルカリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び第1層と同じ平版印刷版の側に最上層を有し、その最上層が結合剤樹脂を含み、IR−線に対して感受性であり且つケイ酸塩としてSiO2を含有するアルカリ性現像液に関して非浸透性であるヒートモード画像形成要素を製造し;
b)該ヒートモード画像形成要素をIR−線に画像通りに露出し;
c)該画像通りに露出されたヒートモード画像形成要素を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露出された領域及びその下の第1層の領域が溶解され且つ第1層の露出されない領域が溶解されないで残るようにする
段階を含み、該最上層がインドアニリン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、ポルフィン誘導体、アントラキノン色素、メロスチリル色素、ピリリウム化合物、ジフェニル及びトリフェニルアゾ化合物及びスクアリリウム誘導体から成る群より選ばれるIR−色素を該IR−感受性最上層の合計量の1〜100重量%の量で含むことを特徴とする平版印刷版の作製のための上記1項に記載の方法。
【0153】
3.該結合剤樹脂がノボラック又はヒドロキシスチレン含有ポリマーである上記2項に記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0154】
4.第1層に含まれる該ポリマーが疎水性ポリマーである上記1〜3項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0155】
5.第1層に含まれる該ポリマーがノボラック又はヒドロキシスチレン含有ポリマーである上記1〜4項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0156】
6.該第1層が低分子量の酸を含む上記1〜5項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0157】
7.該第1層が可視光−及びUV光−減感層である上記1〜6項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0158】
8.該第1層が熱的に硬膜可能である上記1〜7項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0159】
9.親水性表面を有する該平版印刷ベースが電気化学的に粗面化され(grained)且つ陽極酸化されたアルミニウム支持体である上記1〜8項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0160】
10.該アルミニウム支持体をポリビニルホスホン酸で処理する上記9項に記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0161】
11.該アルカリ性現像液がSiO2及びM2Oを0.5〜1.5のモル比で含み、SiO2の濃度が0.5〜5重量%である上記1〜10項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。

Claims (4)

  1. a) 親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ性水溶液中に可溶性の疎水性ポリマーを含む第1層及び平版印刷版の第1層と同じ側最上層を有し、その最上層がIR−線に対して感受性でありケイ酸塩としてSiO2を含有するアルカリ性現像液に関して非浸透性であり且つ疎水性結合剤樹脂を含んでなるヒートモード画像形成要素を製造し;
    b) 該ヒートモード画像形成要素をIR−線に画像通りに露出し;
    c) 該画像通りに露出されたヒートモード画像形成要素を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露出された領域及びその下の第1層の領域が溶解され且つ第1層の露出されない領域が溶解されないで残るようにする
    段階を含み、該最上層がインドアニリン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、ポルフィン誘導体、アントラキノン色素、メロスチリル色素、ピリリウム化合物、ジフェニル及びトリフェニルアゾ化合物及びスクアリリウム誘導体から成る群より選ばれるIR−色素を該IR−感受性最上層の合計量の1〜100重量%の量で含むことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
  2. 疎水性結合剤樹脂がフェール樹脂である請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
  3. 該フェノール樹脂がノボラック又はヒドロキシスチレン含有ポリマーである請求項2に記載の平版印刷版の作製方法。
  4. 第1層に含まれる該ポリマーがノボラック又はヒドロキシスチレン含有ポリマーである請求項1〜のいずれかに記載の平版印刷版の作製方法。
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