JP4215669B2 - 養殖装置 - Google Patents

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Description

本発明は、あわび等の魚介類を養殖する養殖装置に関するものである。
あわびの陸上養殖施設(以下、養殖装置という。)においては、従来、水中の溶存酸素量を如何にして十分な量に維持するかという課題の元、種々の構成のものが提案されている。
例えば、水槽を多段に設置し、最上段の水槽上部より新鮮海水を注入し、使用した養殖水が下段に設けたシャワー樋により曝気再生しながら、順に下段に給水され最下段より排出することで、このシャワーリングによる曝気により酸素補給を行うものや、特開2003−125668公報に開示されているように、水路状水槽内に複数の堰を設け、それらの堰を多段的になるように配置することで、水がこの堰を乗り越える際の越流により酸素補給を行うもの等がある。
ところで、これらの養殖装置は、確かに水槽内に確実に酸素補給を行うことができ、上記課題を解決できるものではあるが、いずれも残餌や糞等の不要物が水槽底部に溜まってしまい水が汚れやすいため、1回/週程度という高い頻度で水槽の清掃を行う必要があり厄介である。
そこで、水槽を頻繁に清掃しなくても清浄な水を維持できるように、トラック状の水路状水槽において、ノズル若しくはエアレーターを用いて水面と平行な方向に水を射出することで、水路状水槽に水面と平行方向の回流を生起し、酸素を溶入しながら残餌や糞等の不要物を自動流下させる構成の養殖装置が提案されている。
しかしながら、この水面と平行方向の回流による前記不要物の自動流下は、実際には大量の水を供給することで前記回流の流速を速めなければ実現できず、そのため大量の水や大型の給水ポンプが必要となる等、コスト高となることは避けられなかったのが現状である。
本発明は、上述のような現状に鑑み、従来の養殖装置においては水槽底部の不要物を水面側に十分に浮き上がらせることができず、そのためこれらの不要物を容易に排出することができなかったという知見に基づき成されたもので、気泡を水槽の底面側から水面側に向かって放出する放出孔を有する気泡放出部を適宜な水位に設定した水槽に設けることで水槽に深浅方向の回流を作出することができ、この深浅方向の回流により、水槽の溶存酸素量を常に均一且つ十分な量に維持することができると共に、水槽の底部に溜まった残餌や糞を巻き上がらせて排出を良好に行え、大量の水の供給を必要とすることなく酸素補給及び水の清浄化を達成できる構成を容易且つ安価に実現でき、それだけあわび等の魚介類をコスト安に養殖できる極めて実用性に秀れた養殖装置を提供することを課題としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
給水部1と排水部2とから成る水循環機構を備えた水槽3と、この水槽3に設けられ、水中に気泡4を放出する放出孔5を有する気泡放出部6とから成り、前記水循環機構により水槽3の水を循環せしめると共に、この水槽3に前記気泡放出部6の放出孔5からの気泡4により酸素を供給せしめながらこの水槽3内で魚介類を養殖する養殖装置であって、複数の前記放出孔5が設けられた管体13から成る前記気泡放出部6を前記水槽3の底部にして水槽3の周壁の一部と添設状態に設けて前記気泡放出部6の放出孔5を前記水槽3の一側寄りに設け、この放出孔5から気泡4を前記水槽3の底面側から水面側に向かって放出するように前記気泡放出部6を構成し、水面に向かって浮上する気泡4が、この水面に沿って水面下を前記水槽3の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動し得るように前記水槽3の水位を設定して、この放出孔5からの気泡4により、前記水槽3の略全域に深浅方向の回流が生じるように構成し、前記給水部1及び排水部2を、前記水槽3の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動する気泡4の移動方向に対して交差する方向に離間対向状態に設けて、前記水槽3に給水部1から水を供給すると共に排水部2から前記水槽3の所定水位を超えた水を排出して水槽3内の水を循環させることで、前記深浅方向の回流により前記水槽3の底部の不要物を巻き上げて水面側に強制的に移動させて前記排出部2から排出し得るように構成したことを特徴とする養殖装置に係るものである。
また、前記管体13を前記水槽3の一側寄りにしてその奥行き方向に長さ方向を向けて配設し、この管体13の長さ方向に複数の放出孔5を設けたことを特徴とする請求項記載の養殖装置に係るものである。
また、前記管体13を無数の放出孔5が設けられている多孔質材で形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の養殖装置に係るものである。
また、前記放出孔5から放出される気泡4の径が50μm以下の微細気泡となるように前記気泡放出部6を構成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の養殖装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、水槽の溶存酸素量を常に均一且つ十分な量に維持することができると共に、水槽の底部に溜まった残餌や糞を巻き上がらせて排出を良好に行え、大量の水の供給を必要とすることなく酸素補給及び水の清浄化を達成できる構成を容易且つ安価に実現でき、それだけあわび等の魚介類をコスト安に養殖できる極めて実用性に秀れた養殖装置となる。
また、請求項記載の発明においては、確実に広い範囲で深浅方向の回流を作出して酸素の供給と不要物の除去を一層良好に行うことができる一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項記載の発明においては、本発明を一層容易に実現できるより一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項記載の発明においては、微細気泡により不要物の分解を促進することができるより一層実用性に秀れたものとなる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
給水部1と排水部2とから成る水循環機構により水を循環すると共に、水槽3の一側寄りに設けた気泡放出部6の放出孔5から水槽3の底面側から水面側に向かって気泡4を放出しながらこの水槽3内で魚介類を養殖する。
この際、水槽3の水位を浅く設定することで、前記水槽3の水面に向かって浮上する気泡4は、水面に沿ってこの水面下を水槽3の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動し、この気泡4の移動に伴い水槽3の水面側には前記一側から他側へ向かう流れが生じる。
また、放出孔5からの気泡4の放出に伴い放出孔5近傍には圧力低下が生じ、この圧力低下によって水槽3の底面側には前記他側から一側へ向かう流れが生じる。
従って、前記水面側の流れと前記底面側の流れとにより、水槽3には深浅方向の回流が生じることになり、気泡4から確実に酸素が補給されるのは勿論、この深浅方向の回流により水槽3に均一且つ確実に酸素を溶存せしめることができ、水槽3の溶存酸素量は常に均一且つ十分な量となり、水槽3内が酸素不足となることを阻止できる。
しかも、この深浅方向の回流により水槽3の底部に溜まった残餌や糞等の不要物を巻き上げてこれら不要物を水面側に強制的に移動させることができ、この巻き上げられた不要物を給水部1及び排水部2による水の循環作用により良好に排出することができる。
従って、給水の際のエネルギー(給水エネルギー)を用いることなく、また、単に気泡放出部6の放出孔5を水槽3に設けるだけで、前記気泡4により深浅方向の回流を生じさせることができるから、酸素を良好に補給しつつ水の大量供給を必要とせずに水槽の底部に溜まった不要物を簡易な構成で除去することができる。
また、水位を浅く設定することで、水槽3内の水を少なくでき、それだけ循環に必要な水量も少なくできるから、前記給水エネルギーを用いずに深浅方向の回流を生じさせられることと相俟って、より少ない水で効率良く養殖を行うことができる。
即ち、従来は、水槽にシャワーリングを行ったり水面と平行方向の回流を生じさせてはいたが、これらは単に水に酸素を供給する役割を果たしていたに過ぎず、水槽の底部に溜まった残餌や糞等の不要物を巻き上げて水面近傍まで浮上させるような回流は生じていないか、または、溜まった不要物を速い流速によって巻き上げるために大量の水の供給を必要としていたが、本発明によれば、単に気泡4を水槽3の底面側から水面側に放出する放出孔5を有する気泡放出部6を水槽3の一側寄りに設けるだけで、水槽3の底部に溜まった不要物を巻き上がらせる深浅方向の回流を作出することができ、特殊な装置や複雑な機構を新たに設ける必要なく、また、大量の水を供給する必要もなく、極めて容易且つ安価に酸素補給を行いながら水槽3の底部に溜まった不要物を除去できる構成を実現できることになる。
従って、気泡放出部6の放出孔5からの気泡4により水中の溶存酸素量は常に十分となると共に、この気泡4によって作出される深浅方向の回流により、水槽3の底部に溜まった不要物を確実に浮き上がらせて良好に排出できることになり、大量の水を供給することで流速を速める必要なく、水槽3の清掃の頻度を低減させることができ、極めて作業性に秀れたものとなる。
即ち、本発明によれば、酸素の補給を良好に行いながら、清掃の手間を低減して、しかも、養殖に必要な水量を減らすことができ、極めて養殖を効率良く行えることになり、それだけコスト安にあわび等の養殖対象の魚介類を提供できることになる。
また、水槽3の水位を前記深浅方向の回流が生じるような水位とすると、必然的に水槽3の高さも従来より低いもので十分対応でき、同じスペースでより多段に積層することが可能となり、この点からも養殖を効率的に行えるものとなる。
また、前記気泡放出部6として、複数の前記放出孔5が設けられた管体13を採用し、この管体13の放出孔5を前記水槽3の一側寄りに設けたから、極めて簡易な構成でコスト安に本発明を実現できることになる。
また、例えば、前記管体13を前記水槽3の一側寄りにしてその奥行き方向に長さ方向を向けて配設し、この管体13の長さ方向に複数の放出孔5を設けた場合には、広い範囲に確実に深浅方向の回流を生じさせることができることになり、より確実に不要物を排出できることになる。
また、例えば、前記管体13を無数の放出孔5が設けられている多孔質材で形成した場合には、管体13の形成及び配設が極めて容易なのは勿論、この管体13から均一に気泡4を放出できることになる。
また、前記水槽3の周壁の一部と添設状態に前記放出孔5を複数並設状態に配設したから、例えば平面視四角形状の水槽3の略全域に前記回流を生じさせることができることになる。
また、例えば、前記放出孔5から放出される気泡4の径が50μm以下の微細気泡となるように前記気泡放出部6を構成した場合には、前記不要物をこの微細気泡に長時間接触させることで消化(分解)を促進させることができることになる。
従って、本発明は、水槽の溶存酸素量を常に均一且つ十分な量に維持することができると共に、水槽の底部に溜まった残餌や糞を巻き上がらせて排出を良好に行え、大量の水の供給を必要とすることなく酸素補給及び水の清浄化を達成できる構成を容易且つ安価に実現でき、それだけあわび等の魚介類をコスト安に養殖できる極めて実用性に秀れた養殖装置となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、給水部1と排水部2とから成る水循環機構を備えた水槽3と、この水槽3に設けられ、水中に気泡4を放出する放出孔5を有する気泡放出部6とから成り、前記水循環機構により水槽3の水を循環せしめると共に、この水槽3に前記気泡放出部6の放出孔5からの気泡4により酸素を供給せしめながらこの水槽3内であわびを養殖する養殖装置であって、前記気泡放出部6の放出孔5を前記水槽3の一側寄りに設け、この放出孔5から気泡4を前記水槽3の底面側から水面側に向かって放出するように前記気泡放出部6を構成し、水面に向かって浮上する気泡4が、この水面に沿って水面下を前記水槽3の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動し得るように前記水槽3の水位を設定して、この放出孔5からの気泡4により、前記水槽3に深浅方向の回流が生じるように構成したものである。
気泡放出部6としては、略直線状にして前記水槽3の一辺部と略同じ長さの管体13に複数の放出孔5を設けたものを採用している。
具体的には、図3に図示したようにこの管体13として、無数の放出孔5が設けられている多孔質材で形成されたもの(多孔質パイプ)を採用している。
従って、気泡4は浮力によってこの管体13の上側の無数の放出孔5から放出され、放出孔5の位置等を考慮する必要なく配設できることになり、また、放出孔5一つ一つの径の設定等もする必要がないから、極めて作業性に秀れたものとなる。しかも、管体13全体から偏りなく均一に気泡4を放出できることになり、水槽3に確実に深浅方向の回流を生じさせることができる。
即ち、本実施例は、前記管体13を前記水槽3の底部に、一側寄りにしてその奥行き方向に長さ方向を向けて配設し、この管体13から気泡4を水槽3の底面側から水面側に放出する構成である。
尚、本実施例の放出孔5は直線状(の管体)に複数設けた構成としているが、放出孔5の配設パターンは直線状に限られるものではなく、例えば曲線状となるように複数の放出孔5を配設する等、他のパターンで配設しても良い。
また、本実施例においては、多孔質材から成る管体13を気泡放出部6として採用しているが、他の構成、例えば図1に図示したような複数の放出孔5が所定間隔で並設された管体13を採用しても良い。
更に具体的に説明すると、平面視略長方形状の前記水槽3の周壁の一辺部と添設状態に前記略直線状の管体13を配設し、この放出孔5からの気泡4が、前記水槽3の一辺部と対向する他辺部に向かって移動することで前記水槽3の前記一辺部と他辺部の間に深浅方向の回流が生じるように前記水槽3の水位を設定している。
即ち、単に前記略直線状の管体13を水槽3の一辺部に一本添設状態に配設するだけで、この略直線状の管体13に水槽3の長さ方向若しくは幅方向に向かって無数に設けられた放出孔5から、この水槽3の長さ方向若しくは幅方向の全線に渡って連続して気泡4を供給することができ、水槽3の略全域に前記深浅方向の回流を生じさせることができる構成である。
本実施例においては、図1に図示したように平面視略長方形状の水槽3の長さ方向の一辺部と添設状態にして、この水槽3の長さ方向に無数に放出孔5から、この一辺部と対向する他辺部側に(即ち、水槽3の幅方向に)気泡4が移動するように構成している。
従って、この水槽3の略全域に深浅方向の回流を生じさせることができ、水槽3内に均一且つ確実に酸素を補給できるのは勿論、水槽3の底部に溜まった残餌や糞等の不要物を巻き上げて確実に排出することができ、あわびを極めて良好な環境下で養殖することができる。
尚、本実施例においては、前記水槽3に前記気泡放出部6として一本の略直線状の管体13から成るものを採用しているが、複数の管体13を設けた構成としても良い。即ち、複数の前記略直線状の管体13を並設した構成としても良いし、例えば水槽3の幅が広い場合等には、一辺部と対向する他辺部にも前記略直線状の管体13を添設状態に配設した構成としても良い。
また、本実施例の水槽3は平面視略長方形状であるが、例えば円形状の水槽であっても、上述のようにこの円形状の水槽の一側寄りに前記略直線状の管体13を配設したり、また、水槽3の周壁の一部と添設状態に複数の放出孔5を設けたりすることで同様に前記深浅方向の回流を生じさせることができる。
また、前記放出孔5から放出される気泡4の径が50μm以下の微細気泡となるように前記気泡放出部6を構成している。具体的には、前記略直線状の管体13に形成される前記気泡4を放出する放出孔5は、その径が、この放出孔5から放出される気泡4の径が50μm以下、より具体的には20μm以下の微細気泡となる径である。尚、既存の気泡発生装置等他の手段によって前記微細気泡を発生するように構成しても良い。
従って、前記不要物をこの微細気泡に長時間接触させることで消化を促進させることができ、前記深浅方向の回流によって巻き上げられた不要物を極めて簡易且つ効率的に除去できることになる。
また、前記放出孔5の並設間隔が広すぎると、この放出孔5からの気泡4による指向性が弱くなり、前記深浅方向の回流を良好に生じさせることができないため、この放出孔5の並設間隔は可及的に狭くするのが好ましい。
また、本実施例においては、放出孔5から低圧(0.25kg/m2程度)で大量の空気を送り出すことで水槽3に気泡4を放出している。
また、水槽3の水位が高すぎると前記気泡4の前記一辺部からこの一辺部と対向する他辺部側への移動量が不足して水槽3に深浅方向の回流が生じにくくなり、一方、水位が低すぎると水が汚れやすくなったりして好ましくないため、水槽3の大きさ等に応じて適宜設定する。
本実施例においては、気泡放出部6の放出孔5から水槽3の底面側から水面側に向かって放出される気泡4が、水面下をこの水面に沿って前記一辺部と対向する他辺部に所定量(少なくとも水槽3の幅の半分以上まで)移動し得るように、水槽3の水位を前記養殖する魚介類としてのあわびAの最大殻長の約3倍(およそ20cm)に設定している。これは、従来の水槽の水位に比べて浅く、それだけ水槽3として高さの低いものを採用することができ、同じ高さの中でも従来の水槽3より多段に積層することが可能となり、それだけ設置スペースが少なくて済むことになる。
即ち、本実施例は、単に水槽3の水位を低くし、この水槽3に設けられる気泡放出部6の放出孔5からの気泡4がこの放出孔5の略真上位置の水面から外部に排出されずに、この水面に沿って水面下を移動し得るようにするだけで、既存の設備を用いて水槽3に深浅方向の回流を生ぜしめることができ、安価にして確実に良好な環境であわびを養殖できるものとなる。
また、本実施例は図1に図示したように、この水槽3の開口周縁部と係止する係止部を有する支持枠11を介してこの水槽3を2段に積層し、この上側の水槽3の排水部2と下側の水槽3の給水部1とを給排水パイプ9で連結し、上側の水槽3から排出された排出水を下側の水槽3に供給する構成としている。
尚、図中符号8は、上側の水槽3の給水部1を形成する給水ポンプ(図示省略)と連結された給水パイプ、10は排水溝に水を排出する排水パイプ、12はコンプレッサ(図示省略)と接続される給気ホースである。
また、本実施例の水槽3には、あわびが付着するシェルター7を設けている。具体的には、このシェルター7は、図3に図示したように水面と略平行な屋根部7aと、この屋根部7aを支承する支柱7bとから成るものを採用している。即ち、シェルター7は水面と平行な方向に開通するアーチ状とし、前記気泡4によって生じる深浅方向の回流を妨げない構成としている。
更に、このアーチ状のシェルター7の屋根部7aにより、水が水槽3の水面側と底面側とに仕切られて、この水面側に生じる流れと底面側に生じる流れとが互いに干渉しにくく、それだけ前記深浅方向の回流が生じやすくなる(強い流速が得られることになる)。
本実施例において、深浅方向の回流とは、具体的には図2に図示したような水槽3の断面視反時計回りの回流Wを言う。この深浅方向の回流は、前記放出孔5から略真上に向かって放出された気泡4が水面下を前記一辺部から他辺部側に移動することで生じる水流と、この気泡4が放出される放出孔5の近傍部における気泡4の放出に伴う圧力低下によって生じる水流とにより作出される。従って、残餌や糞等の不要物は前記直線状の管体13側から水面側に巻き上げられることになり、水面近傍を移動して排水部2から排出されることになる。
また、本実施例の水槽3は、前記排出部を形成するパイプ(給排水パイプ9及び排水パイプ10)の排水口を前記水槽3の所定高さ位置に設け、この水槽3の水位をこのパイプの排出口の高さ位置により決定している。即ち、本実施例の水槽3は、前記給水部1から給水される水が所定水位まで貯まると、前記排出口から自動的に排出されることで水の循環を行う構成である。
従って、本実施例の気泡4により作出される深浅方向の回流により巻き上げられた残餌や糞等の不要物を極めて簡易な構成で自動的に排出することができる。
本実施例によれば、従来の養殖装置が1回/週程度の頻度で清掃を行わなければあわびを清浄な水中で養殖できなかったのに対し、1回/月程度の清掃でも十分清浄な水中であわびを養殖できることを確認している。
また、より効率的に前記不要物をこの排水部2から排出するために、給水部1の給水口と排水部2の排水口とは対角線上(可及的に離れた位置)に設けた方が好ましいが、これらを近接位置に設けても十分な水循環作用が発揮されることは確認済みである。
また、本実施例の水槽の幅は従来の水槽に比べて短い約60cmに設定している。このような幅に設定したのは、作業性を考慮したのは勿論、前記気泡4による深浅方向の回流は、前記気泡4が水槽3の一辺部から他辺部に向かうことで生じるため、前記水槽の幅が大きすぎると一の気泡放出部6では十分な深浅方向の回流を生じさせることができないからである。従って、水槽3の幅が大きい場合には、上述したように前記一辺部と対向する他辺部にも気泡放出部6を配設することが望ましい。
また、本実施例は、前記水槽3を2段にややスペースを取って積層した構成であるから、上述の水槽3の幅をやや小さめに設定したことと相俟って極めて作業性に秀れた構成となる。
本実施例は上述のように構成したから、水槽3の一側寄りに設けた気泡放出部6の放出孔5から水槽3の底面側から水面側に向かって気泡4を放出しながらこの水槽3内で魚介類を養殖する際、水槽3の水位を浅く設定することで、前記水槽3の水面に向かって浮上する気泡4は、水面に沿ってこの水面下を水槽3の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動し、この気泡4の移動に伴い水槽3の水面側には前記一側から他側へ向かう流れが生じる。
また、放出孔5からの気泡4の放出に伴い放出孔5近傍には圧力低下が生じ、この圧力低下によって水槽3の底面側には前記他側から一側へ向かう流れが生じる。
従って、前記水面側の流れと前記底面側の流れとにより、水槽3には深浅方向の回流が生じることになり、気泡4から確実に酸素が補給されるのは勿論、この深浅方向の回流により水槽3に均一且つ確実に酸素を溶存せしめることができ、水槽3の溶存酸素量は常に均一且つ十分な量となり、水槽3内が酸素不足となることを阻止できる。
しかも、この深浅方向の回流により水槽3の底部に溜まった残餌や糞等の不要物を巻き上げてこれら不要物を水面側に強制的に移動させることができ、この巻き上げられた不要物を給水部1及び排水部2による水の循環作用により良好に排出することができる。
従って、給水の際のエネルギー(給水エネルギー)を用いることなく、また、単に気泡放出部6を水槽3に設けるだけで、前記気泡4により深浅方向の回流を生じさせることができるから、酸素を良好に補給しつつ水の大量供給を必要とせずに水槽の底部に溜まった不要物を簡易な構成で除去することができる。
また、水位を浅く設定することで、水槽3内の水を少なくでき、それだけ循環に必要な水量も少なくできるから、前記給水エネルギーを用いずに深浅方向の回流を生じさせられることと相俟って、より少ない水で効率良く養殖を行うことができる。
即ち、従来は、水槽にシャワーリングを行ったり水面と平行方向の回流を生じさせてはいたが、これらは単に水に酸素を供給する役割を果たしていたに過ぎず、水槽の底部に溜まった残餌や糞等の不要物を巻き上げて水面近傍まで浮上させるような回流は生じていないか、または、溜まった不要物を速い流速によって巻き上げるために大量の水の供給を必要としていたが、本発明によれば、単に気泡4を水槽3の底面側から水面側に放出する放出孔5を有する気泡放出部6を水槽3の一側寄りに設けるだけで、水槽3の底部に溜まった不要物を巻き上がらせる深浅方向の回流を作出することができ、特殊な装置や複雑な機構を新たに設ける必要なく、また、大量の水を供給する必要もなく、極めて容易且つ安価に酸素補給を行いながら水槽3の底部に溜まった不要物を除去できる構成を実現できることになる。
従って、気泡放出部6の放出孔5からの気泡4により水中の溶存酸素量は常に十分となると共に、この気泡4によって作出される深浅方向の回流により、水槽3の底部に溜まった不要物を確実に浮き上がらせて良好に排出できることになり、大量の水を供給することで流速を速める必要なく、水槽3の清掃の頻度を低減させることができ、極めて作業性に秀れたものとなる。
即ち、酸素の補給を良好に行いながら、清掃の手間を低減して、しかも、養殖に必要な水量を減らすことができ、極めて養殖を効率良く行えることになり、それだけコスト安にあわび等の養殖対象の魚介類を提供できることになる。
また、水槽3の水位を前記深浅方向の回流が生じるような水位とすると、必然的に水槽3の高さも従来より低いもので十分対応でき、同じスペースでより多段に積層することが可能となり、この点からも養殖を効率的に行えるものとなる。
従って、本実施例は、水槽の溶存酸素量を常に均一且つ十分な量に維持することができると共に、水槽の底部に溜まった残餌や糞を巻き上がらせて排出を良好に行え、大量の水の供給を必要とすることなく酸素補給及び水の清浄化を達成できる構成を容易且つ安価に実現でき、それだけあわび等の魚介類をコスト安に養殖できる極めて実用性に秀れた養殖装置となる。
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の概略説明斜視図である。 本実施例の水槽3の概略説明断面図である。 本実施例の水槽3の拡大概略説明斜視図である。
符号の説明
1 給水部
2 排水部
3 水槽
4 気泡
5 放出孔
6 気泡放出部
13 管体

Claims (4)

  1. 給水部と排水部とから成る水循環機構を備えた水槽と、この水槽に設けられ、水中に気泡を放出する放出孔を有する気泡放出部とから成り、前記水循環機構により水槽の水を循環せしめると共に、この水槽に前記気泡放出部の放出孔からの気泡により酸素を供給せしめながらこの水槽内で魚介類を養殖する養殖装置であって、複数の前記放出孔が設けられた管体から成る前記気泡放出部を前記水槽の底部にして水槽の周壁の一部と添設状態に設けて前記気泡放出部の放出孔を前記水槽の一側寄りに設け、この放出孔から気泡を前記水槽の底面側から水面側に向かって放出するように前記気泡放出部を構成し、水面に向かって浮上する気泡が、この水面に沿って水面下を前記水槽の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動し得るように前記水槽の水位を設定して、この放出孔からの気泡により、前記水槽の略全域に深浅方向の回流が生じるように構成し、前記給水部及び排水部を、前記水槽の一側からこの一側と対向する他側に向かって移動する気泡の移動方向に対して交差する方向に離間対向状態に設けて、前記水槽に給水部から水を供給すると共に排水部から前記水槽の所定水位を超えた水を排出して水槽内の水を循環させることで、前記深浅方向の回流により前記水槽の底部の不要物を巻き上げて水面側に強制的に移動させて前記排出部から排出し得るように構成したことを特徴とする養殖装置。
  2. 前記管体を前記水槽の一側寄りにしてその奥行き方向に長さ方向を向けて配設し、この管体の長さ方向に複数の放出孔を設けたことを特徴とする請求項記載の養殖装置。
  3. 前記管体を無数の放出孔が設けられている多孔質材で形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の養殖装置。
  4. 前記放出孔から放出される気泡の径が50μm以下の微細気泡となるように前記気泡放出部を構成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の養殖装置。
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