JP4215431B2 - 緑化基盤造成工法および基盤体 - Google Patents

緑化基盤造成工法および基盤体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、植物の生育可能な緑化基盤を建築物の屋上等に造成する緑化基盤造成工法、およびこの緑化基盤造成工法での利用に適した基盤体に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、植物の生育可能な緑化基盤をビル等建築物の屋上に造成し、この緑化基盤での植物の生育、繁殖等によってこの屋上での緑化をはかる、いわゆる屋上緑化が、大気浄化、地球温暖化の防止、都市部におけるヒートアイランド現象の緩和、都市気象の改善、ビルでの冷暖房費の節減、および都市部における住環境形成や自然景観の再現等を目的として、近年積極的に行われつつある。
【0003】
ところで、建築物の屋上に緑化基盤を造成する場合においては、その緑化基盤となる土壌を軽量とすることが、まず求められる。そこで、通常は、軽量資材に土壌改良材等を混合させてなる軽量土壌を使用する工法や、人工土壌を繊維の間に充填させてなるマット体を敷き詰める工法等が、屋上緑化を対象とする緑化基盤造成工法として知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前者の工法、つまり軽量土壌による緑化基盤造成工法は、この軽量土壌をモルタル吹付機等で吹き付けることによって緑化基盤を造成するものであるが、このモルタル吹付機の本体が大型であるため、その造成にあたっては、このモルタル吹付機の本体をビルの屋外に設置し、本体にホースで繋がれたそのノズル部分を、ビル屋上に引き込んでその作業を行うことが要求される。
【0005】
この場合、本体からノズルまでの距離が長いと、ホース内での軽量土壌の圧気搬送が十分に行えなくなる。つまり、この軽量土壌による緑化基盤造成工法においては、ビルの高さ制限を受けることになりやすい。
【0006】
また、対象となるビルの立地条件等によっては、路上へのモルタル吹付機本体の設置も必要となることから、屋外へのその設置自体が容易でなく、更には、このモルタル吹付機による施工自体、専業の技術者を要し、作業効率の低下を伴うことも否定できないことから、屋上緑化基盤の造成にあたっては、モルタル吹付機の使用自体が好ましくないとも考えられる。
【0007】
これに対し、後者の工法、つまりマット体を敷き詰める緑化基盤造成工法であれば、モルタル吹付機等を使用することなく、屋上に搬入したマット体を対応箇所に適当に敷き詰めれば足りるため、その作業の容易化が確実に可能となる。しかし、このようなマット体での緑化においては、屋上緑化に使用される植物が薄型のマット体での生育の可能なもの、つまり芝等の草類やコケ類、サボテン類、セダム類等に限定されるため、これによりなる屋上緑化では、自然景観とほど遠いものになる虞れが多分にある。
【0008】
そして、このマット体は高価であるため、作業効率が上がるとはいえ、緑化基盤の造成コストの増大化が避けられない。
【0009】
この発明は、軽量、安価であるにもかかわらず、造成の容易化、および植物の多様化等を実現可能とした緑化基盤造成工法、およびこの緑化基盤造成工法での使用に適した基盤体の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の緑化基盤造成工法によれば、所定大以下に粉砕された木製廃材、廃棄木材、剪定材からなる発酵分解前の有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材を少なくとも透水性のある袋体に詰めて適当大の基盤体としている。そして、緑化対象スペースにこの基盤体を適当数配設した後、この基盤体の少なくとも土壌材に対する給水のもとでこの土壌材に適度な水分を与えるとともに、この給水後の放置による養生のもとで袋体内における条件的嫌気性菌による有機質チップの発酵分解を促し、条件的嫌気性菌による発酵分解のもとでの有機質チップの堆肥化終了を待ってこの基盤体を植物の生育される緑化基盤としている
【0013】
また、請求項に示すこの発明の基盤体は、所定大以下に粉砕された木製廃材、廃棄木材、剪定材からなる発酵分解前の有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材を少なくとも透水性のある袋体に詰めて形成されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
この発明に係る緑化基盤造成工法は、予め製造された基盤体10を対象となるスペース内に配設することによって、植物の生育可能な緑化基盤12を、その対象スペースに造成しようとするものである(図1参照)。
【0016】
この発明に係る基盤体10は、所定の土壌材14を透水性のある袋体、たとえばヤシ繊維からなるチューブ状の袋体16に詰めることにより製造される。
【0017】
ここで、この発明の緑化基盤造成工法における作業の流れを、図2を参照しながら説明する。
【0018】
図2を見るとわかるように、この発明においては、袋体16に詰める土壌材14として、所定大以下に粉砕された有機質チップ20と、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材22と、ココナツ外殻から採取されたヤシ繊維材24とを混合、かく拌(102)させたものが使用される。
【0019】
有機質チップ20としては、1インチ以下等に粉砕された、たとえば木質チップが例示できる。なお、この有機質チップ20は、発酵分解による堆肥化を前提とするものであるため、その粉砕前に乾燥していないことが、ここで使用される木質チップ(有機質チップ)の条件となる。
【0020】
また、この木質チップ(有機質チップ)20を堆肥化させる堆肥化促進材22としては、条件的嫌気性菌を利用した微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、たとえば発酵下水汚泥コンポストに無機材、たとえば炭等を組み合わせたものが例示できる。
【0021】
ここでいう条件的嫌気性菌とは、酸化分解を行う好気性菌と腐敗分解を行う絶対的嫌気性菌とをバランス良く配合することによりなる、発酵分解を行い得るものであり、酸素の少ない条件下でも生息できるという点を、その特徴の一つとしたものである。
【0022】
更に、この発明における土壌材14には、これらに加えて有機質のヤシ繊維材24が混合される。このヤシ繊維材24としては、たとえば、ココナツ外殻から分別、採取されたココナツダストを、浸水による脱塩処理の後に脱水、乾燥させたものが例示できる。
【0023】
そして、図2に示すように、これらを混合してなる土壌材14を袋体16に詰めることにより(104)、この発明の緑化基盤造成工法に使用される基盤体10は製造される。
【0024】
この袋体16としては、透水性のあることが、少なくとも要求される。そこで、この発明の実施の形態においては、この袋体16の素材として、ココナツ外殻から分別、採取した天然繊維であるヤシ繊維を例示し、このヤシ繊維からなる不織布を袋状に形成することで、この発明において使用される袋体とするものとしている。
【0025】
この袋体16の大きさ、形状としては、たとえば、長さ約1m、内径約30cm程度の細長チューブ状が例示でき、このチューブ状の袋体内に土壌材14を詰めた後、その開口を縫合、あるいは緊締等により封止することで、対応形状、つまりは長さ約1m弱、直径約30cm強の俵型の基盤体10が形成、製造される(図1参照)。
【0026】
上述したように、袋体16に詰められる土壌材14は、木質チップ20、堆肥化促進材22、およびヤシ繊維材24を混合させたものであり、これらの混合資材は、いずれも乾燥状態、あるいは若干の含水程度の状態で混合されるため、これによりなる土壌材は十分に軽量であるといえる。そして、長さ約1m、内径約30cm程度の細長のチューブ状袋(袋体)16にこの土壌材14を積め込んで製造した基盤体10の重量は、その試験時における計測でも、ほぼ30kg程度として計測されている。
【0027】
つまり、この基盤体10であれば、その大きさ、および重さからして、人力での搬入、配置が十分、かつ容易に可能となる。
【0028】
この基盤体10による緑化基盤12の造成対象をビル等建築物の屋上と仮定した場合、この基盤体は、その緑化基盤に応じた適当数だけ、その屋上に搬入され、図1に示すように、更にその対象となる配置スペース26に、この基盤体は配置される(106)(図2参照)。
【0029】
なお、この緑化基盤12における基盤体10の数、およびその緑化基盤の全体形状等は、対象となる屋上等での耐荷重量に応じて適宜設定される。
【0030】
図1には、屋上における緑化対象スペースを、略格子状に規定した例を示す。この場合においては、たとえば、格子状の溝として規定された配置スペース26に、基盤体10は間断なく敷き詰められる。
【0031】
そして、図2に示すように、この発明の緑化基盤造成工法においては、この緑化対象スペースに配置した後の基盤体10に、適当量の水分を含ませるための給水を行うものとしている(108)。
【0032】
この給水方法としては、たとえば、基盤体10、つまりは袋体16の外部からの散水が例示できる。なお、ヤシ繊維からなる袋体16が十分な透水性を持つことから、この袋体外部からでの散水により、袋体内の土壌材14に適当量の水分を十分に含ませることができる。
【0033】
そして、この給水(散水)の後、この基盤体10は放置されて、所定期間の養生に入る(110)。つまり、この発明においては、土壌材14を、緑化対象スペースへの配置後に養生させるものとしている。
【0034】
ここで、この実施の形態においては、基盤体10を、生分解性澱粉樹脂からなる包装材、たとえば包装袋27でその単体毎に被覆し、その被覆状態で土壌材14を養生するものとしている。
【0035】
生分解性澱粉樹脂とは、とうもろこし等の澱粉を利用して作られた樹脂であり、自然の中で微生物に食されて自然分解することや水に解けないこと等をその特徴とするものである。
【0036】
この養生期間中、土壌材14においては、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材22による、条件的嫌気性菌28での木質チップ20の発酵分解が行われる(112)。
【0037】
なお、この実施の形態においては、包装袋(包装材)27で基盤体10を被覆しているため、養生時の初期発酵が適切に促進される。
【0038】
この条件的嫌気性菌28での木質チップ20の発酵分解は、酸素の少ない条件下においても行われるものであり、好気性菌による酸化分解や絶対的嫌気性菌による腐敗分解等と異なり、その期間中におけるかく拌、切り返し等が不要となることから、この条件的嫌気性菌による発酵分解によれば、袋詰め後の養生のみによる微生物分解を得ることが可能となる。
【0039】
そして、この発酵分解によれば、酸素欠乏や窒素飢餓等の問題の発生も発生せず、また悪臭の発生もないことから、悪臭に起因するの飛来等も確実に防止可能となる。
【0040】
この条件的嫌気性菌28での発酵分解による木質チップ20の堆肥化が終了すると(114)、基盤体10、つまりはこの基盤体を配置した配置スペース26の全域が、植物の生育可能な緑化基盤12として造成されることになる(図1参照)。そして、この緑化基盤12に、たとえば適当な植物の苗木30を植栽することによって(116)、ビル等建築物の屋上における緑化、つまりは屋上緑化が可能となる。
【0041】
このようにしてなる緑化基盤12に対する苗木30の植栽は、たとえば、袋体16に形成した切れ目等を介して行われる。
【0042】
なお、包装袋27での基盤体10の被覆は、土壌材14の養生時における発酵促進を目的としたものであるため、発酵分解による木質チップ20の堆肥化終了後にこの包装袋の上部等を切り開いておけば、この包装袋が苗木の植栽の妨げとなることもない。
【0043】
上記のように、この発明の緑化基盤造成工法によれば、袋体16に詰め込み、配置スペース26に配置した後に、条件的嫌気性菌28での発酵分解による木質チップ20の堆肥化をはかっている。つまり、事前の堆肥化工程が省略できるため、その作業効率は著しく向上する。
【0044】
また、条件的嫌気性菌28での発酵分解による木質チップ20の堆肥化であれば、切り返し等の付加作業が不要となる。つまり、木質チップ20の堆肥化に対する付加作業を何等行うことなく、この木質チップの堆肥化による緑化基盤12の造成が可能となるため、この点においてもその作業性の向上が十分にはかられるとともに、造成コストも確実に低減される。
【0045】
そして、この発明は、堆肥化前の木質チップ20の混合された土壌材14を袋体16に詰めて基盤体10とし、この基盤体を、緑化対象スペースの配置スペースに搬入、配置するとともに、その後の養生による堆肥化により、緑化基盤となる土壌を得るものであるため、軽量のままの基盤体を、その緑化対象スペースに搬入、配置すれば足りることになる。
【0046】
つまり、その搬入、配置作業が人力でも容易に行えることから、その作業の簡単化、容易化が十分に確保できる。
【0047】
そして、この発明によれば、モルタル吹付機等の大型の機械を要することなく、基盤体10の配置のみによって緑化基盤12が造成できる。つまり、大型の機械の設置、およびそれに従事する専業の作業者等が不要となることから、その作業効率が確実に上昇されるとともに、その造成コストも十分に低減される。
【0048】
更に、この発明においては、有機系天然繊維であるヤシ繊維材24を土壌材14に混合している。有機系の肥料を土壌材に混合させるのと異なり、ヤシ繊維材24を土壌材14に混合させるこの発明の構成によれば、散水や雨水等によっても有機質が外部に流出されることもなく、このヤシ繊維材は有機質として土壌材中に適切に滞留される。従って、この発明によれば、緑化基盤12の無機質化が確実に防止できることから、植物の生育基盤としての機能の確保が、より確実に行われる。
【0049】
また、このヤシ繊維材24は、軽量の有機質であるばかりでなく、吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等にも優れていることから、このヤシ繊維材を土壌材14に混合することにより、土壌材の、緑化基盤12としての機能、性能も確実に向上される。
【0050】
そして、水道水等の利用を余儀なくされる屋上緑化においては、その節水が要求される。しかし、土壌材14に混合されたヤシ繊維材24が高い保水性能、および給水性能を持つことから、これによる節水効果も十分に期待できる。
【0051】
更に、この発明における土壌材14を構成する木質チップ20、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材22、およびヤシ繊維材24は、いずれもリサイクル品から生成されている。詳細にいえば、木質チップ20としては木製廃材、たとえば建築物等の解体時に発生する廃棄木材や木製型枠材の廃材、あるいは間伐材や土木現場で発生する廃棄木材、更には街路樹、公園等の剪定材等が利用でき、また、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材22をなす発酵下水汚泥コンポストは下水汚泥から生成されるものであり、更に、ヤシ繊維材24となるココナツダストは食用油等となるコプラ等を取り除いたあとに残るココナツ外殻からの分別、採取品である。
【0052】
そして、この発明の実施の形態においては、袋体16の素材としても、ココナツ外殻から分別、採取したヤシ繊維からなる不織布を利用していることから、それぞれの廃材の有効利用が、この発明によれば十分にはかられることになる。つまり、この発明によれば、各分野における廃材を適切に再生し利用することで、その廃棄に伴う環境等への悪影響を十分に抑制できるため、この点における環境保全等への寄与も、この発明によれば十分に可能となる。
【0053】
更に、木質チップ20とする木製廃材に各種木材が利用でき、発注者が自己所有の木製廃材をその木質チップの原材料として指定、提供することも可能であることから、発注者の利益的部分、つまり発注者自身の廃棄費用低減、および木質チップ費用の低減等による造成コストの削減も、この工法によれば十分にはかられる。
【0054】
また、この発明は、袋詰めされた基盤体10を配置スペース26に配置することで緑化基盤12を造成するものであるため、造成された緑化基盤の厚みとしては、基盤体自体の厚み、つまりは袋体16の内径に相当する程度の厚みが自ずと確保されることになる。つまり、軽量の土壌材14を使用した緑化基盤12の造成であるにも拘らず、その厚みの確保が十分にはかられるため、植栽される植物の種類、つまり植生の種類に対する限定はなくなり、根を深く張る種類の木本植物をもその植生の対象にできる。従って、植生の多様化、ひいてはその地域等に応じた自然林の復元もが、この発明によれば十分に可能となる。
【0055】
ここで、この発明の実施の形態においては、木質チップ20を有機質チップとして具体化しているが、有機質材料からなるチップであれば足りるため、木質チップに限定されず、たとえば、刈草を所定大以下に粉砕した刈草チップ、あるいは、乾燥した刈草を圧縮成形した後に所定大以下に粉砕してなる刈草RDFチップ等を、この有機質チップとして利用してもよい。
【0056】
また、土壌材14に混合するヤシ繊維材24としてココナツダストを例示している。この種のココナツダストとしては、メッシュスクリーンにより選別された粉塵状の粉体のみを使用することが一般的である。しかし、これに限定されず、このような粉体のみのココナツダストに、たとえば長尺繊維としての使用に劣る短尺繊維を混在させたものを、この実施の形態でいうココナツダストとして使用してもよい。
【0057】
このような、短尺繊維の混在されたココナツダストをヤシ繊維材24として土壌材14に混合させれば、繊維の絡み合いにより、補強材としての機能を土壌材、ひいては緑化基盤12に付加することも十分に可能となる。
【0058】
また、この実施の形態においては、袋体16の素材として、ヤシ繊維からなる不織布を例示しているが、少なくとも透水性を持った素材であれば足りるため、これに限定されず、ヤシ繊維以外の素材、たとえば樹脂繊維等の織布から、この袋体を形成してもよい。
【0059】
しかしながら、ヤシ繊維からなる不織布を素材として、袋体16を形成すれば、透水性能に加えた保水性能、保肥性能、吸水性能、および給水性能が、この袋体において確保できるとともに、これらに加えた高い耐久性をも確保できるため、屋上緑化に適した緑化基盤12が、これによれば容易、かつ十分に確保可能となる。
【0060】
なお、この発明の実施の形態においては、袋体16の大きさ、形状を、長さ約1m、内径約30cm程度の細長チューブ状として例示しているが、袋体は、土壌材14を詰め込むに足りる大きさ、形状であれば足りるため、これに限定されるものではない。ただし、袋体16を過剰に大きくすると、土壌材14を詰め込んだ後の基盤体10としての運搬等がその重量、および形状等により容易でなくなる虞れもあることから、人力での運搬の可能な程度の大きさに、袋体の大きさを留めておくことが好ましい。
【0061】
また、この実施の形態では、基盤体10を生分解性澱粉樹脂からなる包装袋27で被覆しているが、この包装袋での被覆は、養生時の初期発酵の促進をはかることを目的としたものであるため、初期発酵の促進を可能とする被覆体であれば、この種の包装袋に限定されず、他の被覆体、たとえばシート状の被覆体で、基盤体、あるいは緑化基盤全体を被覆する構成としてもよい。
【0062】
しかしながら、シート状の被覆体で基盤体、あるいは緑化基盤全体を被覆する場合、この被覆体に対する押え構造が複雑化しやすく、その作業性の低下も考えられる。また、このシート状の被覆体や一般的な樹脂袋としてなる包装袋等では、養生後の取り除き作業も必要となるため、この点からも、その作業性が低下する。
【0063】
そこで、この発明においては、養生時の被覆体として、生分解性澱粉樹脂からなる包装袋27を用いている。生分解性澱粉樹脂は、自然の中で微生物に食される自然分解可能なものであるため、この発明での堆肥化において行う微生物群発酵分解に適しているといえる。
【0064】
そして、この生分解性澱粉樹脂からなる包装袋27は自然分解されるため、土壌材14の養生後も、その除去を行うことなく放置できる。従って、この生分解性澱粉樹脂からなる包装袋27を用いれば、微生物群発酵分解に寄与するばかりでなく、その作業性も確実に向上する。
【0065】
なお、ここでは、生分解性澱粉樹脂からなる包装材として包装袋27を具体化しているが、基盤体10を適切に被覆、包装可能、たとえば単体毎に包装可能であれば足りるため、包装袋に限定されず、たとえば、生分解性澱粉樹脂からなる包装フィルム等によって、基盤体を被覆する構成としてもよい。
【0066】
そして、包装袋27を包装材とすれば、基盤体10を包装袋内に入れればその被覆は足りるため、その作業性が確実に向上する。
【0067】
ここで、この実施の形態においては、基盤体10の配置形状として略格子状を例示しているが、これに限定されるものではないことは、改めていうまでもない。
【0068】
ところで、この発明の実施の形態においては、屋上緑化を対象としたものとして具体化している。しかし、屋上緑化に限定されず、他の箇所の緑化、たとえば、建築物、あるいは構造物等の壁面や法面等の緑化、および盛土、切土等によりなる法面の緑化等に、この発明を応用してもよい。
【0069】
更に、ヤシ繊維材24を混合してなる土壌材14が高い吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等を持つことから、この基盤体10は、屋上緑化等に限定されず、たとえば、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等にも、十分適応可能となる。
【0070】
従来、この種の砂漠化防止対策工、砂漠緑化等においては、その給水が課題となっており、一般的な保水材等の持つ保水性能だけでは、十分に補いきれていない。しかし、この発明の基盤体10によれば、ヤシ繊維材24が十分な給水性能を持つため、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等において求められる以上の保水性能が、給水性能として確保できる。
【0071】
従って、この発明の緑化基盤造成工法によれば、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等も十分に可能となる。
【0072】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
上記のように、この発明によれば、所定大以下に粉砕された木製廃材、廃棄木材、剪定材からなる発酵分解前の有機質チップを微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、およびヤシ繊維材と混合して土壌材とし、これを袋体に詰めてなる基盤体を、緑化対象スペースに搬入、配置すれば足りる。つまり、堆肥化前の軽量の状態で、基盤体を搬入、配置すれば足り、このときの基盤体の重量は、人力での作業に耐え得る程度に十分に抑制できるため、大型の機械等が不要となることから、その作業性が十分に向上されるとともに、その造成コストも十分に低減される。
【0074】
そして、基盤体を緑化対象スペースに配置した後の養生のもとで、条件的嫌気性菌による発酵分解をはかれば足りるため、有機質チップに対する、事前の堆肥化工程が省略できる。従って、その作業効率は著しく向上する。
【0075】
更に、条件的嫌気性菌での発酵分解による有機質チップの堆肥化であれば、切り返し等の付加作業が不要となるため、この点においてもその作業性の向上が十分にはかられるとともに、造成コストも確実に低減される。
【0076】
また、有機系天然繊維であるヤシ繊維材を土壌材に混合しているため、緑化基盤の無機質化が確実に防止できる。従って、植物の生育基盤としての機能の確保が、より確実に行われる。
【0077】
更に、このヤシ繊維材は、軽量の有機質であるばかりでなく、吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等にも優れていることから、このヤシ繊維材を土壌材に混合することにより、土壌材の、緑化基盤としての機能、性能も確実に向上される。
【0078】
そして、土壌材を構成する有機質チップ、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、およびヤシ繊維材は、いずれもリサイクル品として生成されるものであるため、それぞれの廃材の有効利用が、この発明によれば十分にはかられる。従って、その廃棄に伴う環境等への悪影響が十分に抑制できることから、この点における環境保全等への寄与が、この発明によれば十分に可能となる。
【0079】
また、袋詰めされた基盤体を配置スペースに配置することで緑化基盤を造成するため、造成された緑化基盤の厚みとしては、基盤体自体の厚み、つまりは袋体の内径に相当する程度の厚みが自ずと確保できる。つまり、軽量の土壌材を使用した緑化基盤の造成であるにも拘らず、その厚みの確保が十分にはかられるため、植栽される植物の種類、つまり植生の種類に対する限定はなくなり、根を深く張る種類の木本植物をもその植生の対象にできる。従って、植生の多様化、ひいてはその地域等に応じた自然林の復元もが、この発明によれば十分に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る緑化基盤造成工法によりなる、緑化基盤の概略斜視図である。
【図2】 この発明に係る緑化基盤造成工法を示す概略の作業工程図である。
【符号の説明】
10 基盤体
12 緑化基盤
14 土壌材
16 袋体
28 包装袋(包装材)

Claims (2)

  1. 所定大以下に粉砕された木製廃材、廃棄木材、剪定材からなる発酵分解前の有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材を少なくとも透水性のある袋体に詰めて適当大の基盤体とし、
    緑化対象スペースにこの基盤体を適当数配設した後、この基盤体の少なくとも土壌材に対する給水のもとでこの土壌材に適度な水分を与えるとともに、この給水後の放置による養生のもとで袋体内における条件的嫌気性菌による有機質チップの発酵分解を促し、
    条件的嫌気性菌による発酵分解のもとでの有機質チップの堆肥化終了を待ってこの基盤体を植物の生育される緑化基盤とする緑化基盤造成工法。
  2. 所定大以下に粉砕された木製廃材、廃棄木材、剪定材からなる発酵分解前の有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材を少なくとも透水性のある袋体に詰めて形成された基盤体。
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