JP2004060276A - 緑化基盤造成工法 - Google Patents
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Abstract
【目的】実用性に優れ、かつ、その造成コストの低減化をはかる。
【構成】所定大以下に粉砕された有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材28を、袋体30に詰めてこれを適当大の混合基盤体12とするとともに、所定大以下に粉砕された有機質チップ42のみを袋体30に詰めて、これを適当大の補助基盤体14とする。そして、混合基盤体12と補助基盤体14とを、配置枠16内にその並置のもとで混在させ、少なくとも混合基盤体に対する給水、および被覆体38によるその被装のもとで、混合基盤体内の有機質チップを、条件的嫌気性菌による発酵分解によりこの配置枠内で堆肥化させる。
【選択図】 図1
【構成】所定大以下に粉砕された有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材28を、袋体30に詰めてこれを適当大の混合基盤体12とするとともに、所定大以下に粉砕された有機質チップ42のみを袋体30に詰めて、これを適当大の補助基盤体14とする。そして、混合基盤体12と補助基盤体14とを、配置枠16内にその並置のもとで混在させ、少なくとも混合基盤体に対する給水、および被覆体38によるその被装のもとで、混合基盤体内の有機質チップを、条件的嫌気性菌による発酵分解によりこの配置枠内で堆肥化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、配置枠内ヘの所定基盤体の配置、敷設によって、植生の生育土壌となる緑化基盤をその造成対象に造成する緑化基盤造成工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、土木工事等により生じる切土や盛土等の傾斜面(法面)は、通常、種々の法面工法によって保護、補強されるが、開発事業等による自然破壊、環境破壊等が社会問題ともなっており、緑化による景観の向上や環境保全、および自然保護の観点から、植生(植物)の生育可能な厚さを持った生育基盤(緑化基盤)を法面に造成することが、近年の開発事業等において広く行われている。
【0003】
ところで、緑化基盤の一般的な造成対象となる法面は斜面であるため、その造成は容易でない。通常は、たとえば平面略格子状の法枠を法面に構築し、その法枠の1ブロック毎に所定の土壌材を敷設することによって、法面の緑化基盤は造成されている。
【0004】
ここで、この種の緑化基盤造成工法として、たとえば、所定の土壌材を袋体内に詰め込んだ、いわゆる土のうを、この法枠の1ブロック内に間断なく敷設するものが知られている。
【0005】
このような土のうを使用する工法であれば、緑化基盤の厚層化が確実に得られ、また、敷設初期、つまり造成初期における侵食、風化等が確実に防止できるため、その機能性が十分に高く確保可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、土のうに詰められる土壌材としては、たとえば、土壌基材に肥料、および土壌改良材等を混合したものが一般的に使用される。しかし、その土壌基材の多くは壌土、つまり土であり、この壌土の比重は重いため、壌土を利用する土のうにおいては、土のう一つ一つを小型にすることによるそれ単体の軽量化が、その製造の際には必須となっている。
【0007】
しかし、土のうが小型であれば、軽量化がはかられる反面、配置枠内に配置、敷設する数は自ずと増大化する。そして、法枠に対する土のうの搬入、配置は、通常、作業者による人力のもとで行われるため、その作業工数の増大化に伴った作業性の低下、および労力の増大が避けられない。
【0008】
ここで、軽量の土壌基材を壌土に代えて使用した人工的な軽量土壌材も知られており、これを使用すれば、土のうの軽量化は十分に期待できる。
【0009】
この軽量土壌材としては、通常、人工的に生成された軽量の土壌基材を事前に堆肥化させたものが使用される。しかし、この土壌基材の堆肥化にあたっては、適当期間の養生を含む事前の堆肥化作業が必要であり、また、この養生には、複雑な作業工程、あるいは種々の付加作業等をも要するため、軽量土壌材を土のうに使用する場合においては、その堆肥化に対する作業効率の低下が避けられない。
【0010】
そして、このように堆肥化された土壌基材によりなる土壌材は比較的高価であるため、公知の一般的な軽量土壌材を使用するにあたっては、造成コストの増大化も伴われる。
【0011】
さらに、土壌基材を堆肥化させる場合、通常は堆肥化促進材を使用するが、その含有成分によっては、土壌基材における酸素欠乏や窒素飢餓等の問題、あるいは悪臭の発生、さらにはこの悪臭に起因する虫の飛来等の諸問題を伴う虞れもあることから、作業効率ばかりか、その堆肥化自体に問題を含むことも否定はできない。
【0012】
ところで、公知の緑化基盤造成工法において使用される法枠としては、たとえば、平面略格子状に形成した型枠にコンクリート等を打設してなる、いわゆるコンクリート法枠が、一般的に知られている。
【0013】
このようなコンクリート法枠は、対象となる法面に合わせて型枠を形成する、いわゆる現場打ちであるため、法面に対する適応性に優れる半面、型枠の形成、およびコンクリート等の打設というような、異なる複数の作業工程が要求されるとともに、コンクリート等の固結期間もその作業期間に含まれることから、この種のコンクリート法枠においては、作業の煩雑化による作業性の低下、工期の長期化、およびこれらに起因するコストの増大化等を招く虞れのあることも否定はできない。
【0014】
つまり、公知の緑化基盤造成工法においては、この法枠自体も、その造成コストの増大化の原因となっているものと考えられる。
【0015】
さらに、このようなコンクリート法枠を利用して造成した緑化基盤においては、コンクリート法枠の露出が避けられない。そして、緑化基盤とは異質のコンクリート法枠がその緑化基盤上に露出すると、緑化基盤自体の景観を損なうことが避けられないため、コンクリート法枠に代わる法枠を利用した工法の出現も、緑化基盤造成工法においては望まれている。
【0016】
この発明は、実用性に優れ、かつ、その造成コストの低減化をはかる緑化基盤造成工法の提供を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の緑化基盤造成工法によれば、所定大以下に粉砕された有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材を、少なくとも透水性のある袋体に詰めることにより、これを適当大の混合基盤体として形成するとともに、所定大以下に粉砕された有機質チップのみを、少なくとも透水性のある袋体に詰めることにより、これを適当大の補助基盤体として形成する。
【0018】
そして、混合基盤体と補助基盤体とを、所定の配置枠内に、その並置のもとで混在させ、少なくとも混合基盤体に対する給水、および被覆体によるその被装のもとで、混合基盤体内の有機質チップを、条件的嫌気性菌による発酵分解によりこの配置枠内で堆肥化させ、その堆肥化終了を待って、少なくともこの混合基盤体を植生の生育土壌である緑化基盤として造成するものとしている。
【0019】
また、この発明の請求項2においては、混合基盤体、および補助基盤体の袋体を、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維の不織布からなるものとして具体化している。
【0020】
さらに、この発明の請求項3においては、配置枠をほぼ正方形し、この配置枠の一辺に相当する長さの略俵型に形成した混合基盤体、および補助基盤体を、複数体のその並置のもとでこの配置枠内に敷設するものとして具体化している。
【0021】
また、この発明の請求項4においては、混合基盤体、および補助基盤体を、1体おきに交互並置するものとしている。
【0022】
そして、この発明の請求項5においては、混合基盤体を被装する被覆体が、生分解性澱粉樹脂からなる包装材とされ、この包装材によって、混合基盤体を単体毎に個別に被装するものとしている。
【0023】
また、この発明の請求項6においては、配置枠が、所定形状の網枠単体を法面に平面略格子状に組み付けることにより構築された金網法枠の1ブロックとして具体化されている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
この発明に係る緑化基盤造成工法は、図1に示すように、予め製造された混合基盤体12、および補助基盤体14を、法面等の対象地盤上に規定、形成した配置枠16内に、その並置のもとで混在させることにより、その対象地盤上に植物の生育可能な緑化基盤10を造成しようとするものである。
【0026】
この実施の形態においては、切土や盛土等によりなる傾斜面(法面)18を、その緑化の対象地盤として具体化する。
【0027】
この法面の緑化にあたっては、まず、法面18上に所定の法枠20が形成される。そして、図1を見るとわかるように、この法枠20としては、たとえば、側面略く字形、あるいは略L形状の本体枠22内に適当大の網目の金網24を張設してなる網枠単体26を、アンカーピン(図示しない)等による地盤に対する固定、および隣接する網枠単体との連結等を伴いながら平面略格子状に組み付けることにより形成された、いわゆる金網法枠が利用できる。
【0028】
この実施の形態においては、この平面略格子状に形成された金網法枠(法枠)20の1ブロックが配置枠16として利用され、図示のように、この1ブロック毎に、混合基盤体12、および補助基盤体14が並置されるものとなっている。
【0029】
この金網法枠20をなす網枠単体26の長さ、つまり配置枠16の一辺の長さとしては、1.5m程度が一般的とされている。
【0030】
なお、この種の金網法枠20自体は公知であり、また、その構成はこの発明の趣旨でないため、この金網法枠に対する詳細な説明は、ここでは省略するものとする。
【0031】
以下、この発明の緑化基盤造成工法での作業の流れを、図2を参照しながら順を追って説明する。
【0032】
図1に示すように、この緑化基盤造成工法においては、たとえば、まず、緑化基盤10のベースとなる混合基盤体12が、所定の土壌材28を透水性のある袋体30に詰めることにより製造される。
【0033】
図2を見るとわかるように、この土壌材28は、所定大以下に粉砕された有機質チップ32と、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34と、ココナツ外殻から採取されたヤシ繊維材36とを混合、かく拌することにより生成される(102)。
【0034】
有機質チップ32としては、1インチ以下等に粉砕された、たとえば木質チップが例示できる。なお、この有機質チップ32は、発酵分解による堆肥化を前提とするものであるため、その粉砕前に乾燥していないことが、ここで使用される木質チップ(有機質チップ)の条件となる。
【0035】
また、この木質チップ(有機質チップ)32を堆肥化させる堆肥化促進材34としては、条件的嫌気性菌を利用した微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、たとえば発酵下水汚泥コンポストに無機材、たとえば炭等を組み合わせたものが例示できる。
【0036】
ここでいう条件的嫌気性菌とは、酸化分解を行う好気性菌と腐敗分解を行う絶対的嫌気性菌とをバランス良く配合することによりなる、発酵分解を行い得るものであり、酸素の少ない条件下でも生息できるという点を、その特徴の一つとしたものである。
【0037】
更に、この発明における土壌材28には、これらに加えて有機質のヤシ繊維材36が混合される。このヤシ繊維材36としては、たとえば、ココナツ外殻から分別、採取されたココナツダストを、浸水による脱塩処理の後に脱水、乾燥させたものが例示できる。
【0038】
そして、図2に示すように、これらを混合、かく拌してなる土壌材28を袋体30に詰めることにより(104)、この発明の緑化基盤造成工法に使用される混合基盤体12は製造される。
【0039】
この袋体30としては、透水性のあることが、少なくとも要求される。そこで、この発明の実施の形態においては、この袋体30の素材として、ココナツ外殻から分別、採取した天然繊維であるヤシ繊維を例示し、このヤシ繊維からなる不織布を袋状に形成することで、この発明において使用される袋体とするものとしている。
【0040】
なお、図1を見るとわかるように、この実施の形態においては、混合基盤体12、および補助基盤体14を配置枠16内に4体並置するものとしていることから、ここでは、たとえば長さ約1.5m、直径約35cm程度の俵形状の混合基盤体12を形成可能とする大きさ、形状の細長チューブとして、袋体30が形成されている。そして、このチューブ状の袋体30内に土壌材28を詰めた後、その開口を縫合、あるいは緊締等のもとで封止することにより、対応大の混合基盤体12が形成、製造される(図1参照)。
【0041】
上述したように、袋体30に詰められる土壌材28は、木質チップ32、堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36を混合させたものであり、これらの混合資材は、いずれも乾燥状態、あるいは若干の含水程度の状態で混合されるため、これによりなる土壌材は十分に軽量であるといえる。
【0042】
なお、長さ約1.5m、直径約35cm程度の大きさをなす混合基盤体12においては、約90リットルの土壌材28が袋体30内に詰められることになるが、それによりなる混合基盤体であっても、その試験時における重量は35〜37kg程度として計測されている。
【0043】
つまり、木質チップ32、堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36を混合させた土壌材28を袋体30に詰めてなる混合基盤体12であれば、長さ約1.5m、直径約35cm程度のものであっても、人力での搬入、配置の可能な程度にその重量を抑えることが十分に可能となる。
【0044】
ここで、この発明においては、この混合基盤体12が、たとえばその搬入/配置前に、所定の被覆体38によって予め被装される(106)。
【0045】
被覆体38としては、たとえば、生分解性澱粉樹脂からなる包装袋が例示できる。
【0046】
なお、この生分解性澱粉樹脂とは、とうもろこし等の澱粉を利用して作られた樹脂を指し、自然の中で微生物に食されて自然分解することや水に解けないこと等をその特徴とするものである。
【0047】
図1、および図2に示すように、混合基盤体12は、被覆体38によって単体毎に被装された状態で、配置枠16内に搬入、配置、つまりは敷設される(108)。
【0048】
なお、この発明に係る緑化基盤造成工法においては、補助基盤体14が、この混合基盤体12と共に配置枠16内に配置、敷設されるが、ここでは混合基盤体に対する作業工程を先に説明するものとする。
【0049】
図2に示すように、配置枠16内ヘの混合基盤体12の敷設後においては、まず、被覆体38内の混合基盤体に、適当量の水分を含ませるための給水が行われる(110)。
【0050】
この給水方法としては、たとえば、給水ホース等による、被覆体38を介した個別の給水が例示できる。なお、ヤシ繊維からなる袋体30が十分な透水性を持つことから、この袋体外部に対する給水のもとでも、その袋体内ヘの給水、つまり土壌材28への給水、含水は十分に可能となる。
【0051】
そして、この給水の後、この混合基盤体12は被覆体38により被装された状態で放置されて、所定期間の養生に入る(112)。つまり、この発明においては、土壌材28を、配置枠16内に配置、敷設した後に養生させるものとしている。
【0052】
この養生期間中、土壌材28においては、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34による、条件的嫌気性菌40での木質チップ32の発酵分解が行われる(114)。
【0053】
なお、前述のように、この実施の形態においては、混合基盤体12が被覆体38で被覆されているため(図1参照)、養生時の初期発酵が適切に促進される。
【0054】
この条件的嫌気性菌40での木質チップ32の発酵分解は、酸素の少ない条件下においても行われるものであり、好気性菌による酸化分解や絶対的嫌気性菌による腐敗分解等と異なり、その期間中におけるかく拌、切り返し等が不要となることから、この条件的嫌気性菌による発酵分解によれば、袋詰め後の養生のみによる微生物分解を得ることが可能となる。
【0055】
そして、この発酵分解によれば、酸素欠乏や窒素飢餓等の問題の発生も発生せず、また悪臭の発生もないことから、悪臭に起因する虫の飛来等も確実に防止可能となる。
【0056】
図2に示すように、この条件的嫌気性菌40での発酵分解による木質チップ32の堆肥化が終了すると(116)、この混合基盤体12の土壌材28が、植生の生育可能な生育土壌として生成される。
【0057】
ところで、緑化基盤における植生の一般的な配置を考えると、この植生は、通常、密集されることなく所定間隔離反した位置に等間隔毎に配置、植栽されている。そこで、図1に示すように、この発明においては、この点に着目し、この、生育土壌となり得る混合基盤体12を配置枠16内に間断を経て配置するとともに、その間を、混合基盤体でない部材、つまりは補助基盤体14で埋めている。
【0058】
図1、および図2を見るとわかるように、この補助基盤体14は、有機質チップ、たとえば木質チップ42のみを透水性のある袋体44に詰めることにより製造される(118)。
【0059】
この補助基盤体14をなす木質チップ(有機質チップ)42、および袋体44としては、混合基盤体12において用いた木質チップ(有機質チップ)32、および袋体30と同一のもの、若しくは同等のものが利用できるため、これらに対する説明は、混合基盤体の木質チップ、および袋体に対するものを援用するものとして、ここでは省略する。
【0060】
なお、混合基盤体の木質チップ32と異なり、この補助基盤体の木質チップ42に対しては、含水等の条件は除かれる。つまり、この補助基盤体の木質チップ42は、乾燥状態のまま使用される。
【0061】
このように製造された補助基盤体14は、混合基盤体12と共に、たとえばその1体おきの交互並置のもとで、配置枠16内に配置、敷設される(108)。そして、混合基盤体12、および補助基盤体14を配置枠16内にほぼ間断なく敷設することによって、この発明における緑化基盤10が造成される。
【0062】
この緑化基盤10に対しては、植生、たとえば適当な植物の苗木46が、混合基盤体12の適当箇所、たとえば離間2ヵ所等に植栽される(120)。
【0063】
なお、混合基盤体12は被覆体38によって被装された状態にあるため、図1に示すように、被覆体、および袋体30に連続的な切れ目48を形成することで、この混合基盤体に対する苗木46の植栽は容易に可能となる。また、被覆体38での混合基盤体12の被覆は、土壌材28の養生時における発酵促進を目的としたものであるため、発酵分解による木質チップ32の堆肥化終了後にこの被覆体の上面部分を予め切り開いておいてもよい。
【0064】
また、ここでの詳細な説明は省略しているが、配置枠16に配置、敷設された混合基盤体12、および補助基盤体14は、必要に応じて、地盤、つまり法面18に固定される。
【0065】
この固定の手段としては、混合基盤体12、および補助基盤体14を法面18にその打設のもとで直接的に固定するアンカーピンや、その上方に掛け渡すことによって抑える固定ワイヤ等が例示できる。
【0066】
上記のように、この発明の緑化基盤造成工法に使用する混合基盤体12は、木質チップ32と、条件的嫌気性菌40での発酵分解を可能とする堆肥化促進材34、および保水機能を有するヤシ繊維材36との混合によりなる土壌材28を、袋体30に詰めて製造したものであり、この土壌材は、上述したように、配置枠16内への配置、敷設後において、付加作業等を何等要することなく堆肥化できるものであるため、土壌材の堆肥化にあたっての作業性、およびその作業効率は著しく向上する。
【0067】
そして、条件的嫌気性菌40での発酵分解による木質チップ32の堆肥化であれば、切り返し等の付加作業も不要となり、また、悪臭等の発生もないため、堆肥化に対する諸問題を伴うこともなくなる。
【0068】
つまり、この発明の緑化基盤造成工法によれば、実用性に優れた混合基盤体12を容易に得ることが可能となるため、軽量の土壌材を使用した緑化基盤10の造成自体が容易となる。
【0069】
そして、この発明で使用する土壌材28は、上述したように軽量のものであり、これにより製造された混合基盤体12は、人力による搬送、配置作業を考慮したとしても、その大きさは、従来の土のうに比較して飛躍的に大型化できるため、この混合基盤体を配置、敷設することによりなる緑化基盤10の造成にあたっての配置枠16内への配置、敷設に必要なその数、および要求される労力は、いずれも確実に低減できるものとなる。
【0070】
従って、作業性に優れ、なおかつ作業労力の低減のはかられる緑化基盤造成工法が、この発明によれば確保可能となる。
【0071】
そして、この発明によれば、補助基盤体14を混合基盤体12と共に配置枠16内に配置、敷設している。この補助基盤体14は、木質チップ42のみを袋体44に詰めて製造されるものであるため、堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36を木質チップ32に混合する混合基盤体の土壌材28に比較して、格段と安価に製造できることに間違いはない。
【0072】
つまり、この発明によれば、植栽される部分のみに混合基盤体12を配置し、その部分を安価な補助基盤体14で間詰めすれば足りるため、高価となり得る混合基盤体の使用量の半減により、その造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0073】
従って、この発明によれば、緑化基盤に対する造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0074】
なお、この発明において間詰めとして使用する補助基盤体14は、有機質素材である木質チップ42を使用するものであるため、同種の木質チップ32を使用した混合基盤体の土壌材28とは、そのなじみに優れたものとなる。そして、有機質素材である木質チップ42は、植生の生育土壌における栄養源としての機能を多分に持つため、これを緑化基盤10の一部として利用することによって、生育土壌としての有効性が一層向上される。
【0075】
また、この発明においては、有機系天然繊維であるヤシ繊維材36を混合基盤体の土壌材28に混合している。有機系の肥料を土壌材に混合させるのと異なり、ヤシ繊維材36を土壌材28に混合させるこの発明の構成によれば、散水や雨水等によっても有機質が外部に流出されることもなく、このヤシ繊維材は有機質として土壌材中に適切に滞留されるため、緑化基盤10の無機質化が確実に防止でき、植生の生育土壌としての機能性確保が、より確実に行われる。
【0076】
また、このヤシ繊維材36は、軽量の有機質であるばかりでなく、吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等にも優れていることから、このヤシ繊維材を土壌材28に混合することにより、土壌材の、緑化基盤10としての機能、性能も確実に向上される。
【0077】
さらに、混合基盤体の土壌材28を構成する木質チップ32、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36、ならびに補助基盤体14をなす木質チップ42は、いずれもリサイクル品から生成される。詳細にいえば、木質チップ32,42としては木製廃材、たとえば建築物等の解体時に発生する廃棄木材や木製型枠材の廃材、あるいは間伐材や土木現場で発生する廃棄木材、更には街路樹、公園等の剪定材等が利用でき、また、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34をなす発酵下水汚泥コンポストは下水汚泥から生成されるものであり、更に、ヤシ繊維材36となるココナツダストは食用油等となるコプラ等を取り除いたあとに残るココナツ外殻からの分別、採取品である。
【0078】
そして、この発明の実施の形態においては、袋体30,44の素材としても、ココナツ外殻から分別、採取したヤシ繊維からなる不織布を利用していることから、それぞれの廃材の有効利用が、この発明によれば十分にはかられることになる。つまり、この発明によれば、各分野における廃材を適切に再生し利用することで、その廃棄に伴う環境等への悪影響を十分に抑制できるため、この点における環境保全等への寄与も、この発明によれば十分に可能となる。
【0079】
さらに、木質チップ32,42とする木製廃材に各種木材が利用でき、発注者が自己所有の木製廃材をその木質チップの原材料として指定、提供することも可能であることから、発注者の利益的部分、つまり発注者自身の廃棄費用低減、および木質チップ費用の低減等による造成コストの削減も、この工法によれば十分にはかられる。
【0080】
また、この発明は、袋詰めされた混合基盤体12、および補助基盤体14を配置枠16内に配置、敷設することで緑化基盤10を造成するものであるため、造成された緑化基盤の厚みとしては、各基盤体自体の厚み、つまりはその直径に相当する程度の厚みが自ずと確保されることになる。つまり、緑化基盤10としての厚みが十分に確保可能となるため、植生の多様化、ひいてはその地域等に応じた自然林の復元が、この発明によれば十分に可能となる。
【0081】
ここで、この発明の実施の形態においては、木質チップ32,42を有機質チップとして具体化しているが、有機質材料からなるチップであれば足りるため、木質チップに限定されず、たとえば、刈草を所定大以下に粉砕した刈草チップ、あるいは、乾燥した刈草を圧縮成形した後に所定大以下に粉砕してなる刈草RDFチップ等を、この有機質チップとして利用してもよい。
【0082】
また、土壌材28に混合するヤシ繊維材36としてココナツダストを例示している。この種のココナツダストとしては、メッシュスクリーンにより選別された粉塵状の粉体のみを使用することが一般的である。しかし、これに限定されず、このような粉体のみのココナツダストに、たとえば長尺繊維としての使用に劣る短尺繊維を混在させたものを、この実施の形態でいうココナツダストとして使用してもよい。
【0083】
このような、短尺繊維の混在されたココナツダストをヤシ繊維材36として土壌材28に混合させれば、繊維の絡み合いにより、補強材としての機能を土壌材、ひいては緑化基盤12に付加することも十分に可能となる。
【0084】
また、この実施の形態においては、袋体30,44の素材として、ヤシ繊維からなる不織布を例示しているが、少なくとも透水性を持った素材であれば足りるため、これに限定されず、ヤシ繊維以外の素材、たとえば樹脂繊維等の織布から、この袋体を形成してもよい。
【0085】
しかしながら、ヤシ繊維からなる不織布を素材として、袋体30,44をそれぞれ形成すれば、透水性能に加えた保水性能、保肥性能、吸水性能、および給水性能が、この袋体において確保できるとともに、これらに加えた高い耐久性をも確保できるため、造成後の手入れの困難な法面に適した緑化基盤10が、これによれば容易、かつ十分に確保可能となる。
【0086】
なお、この発明の実施の形態においては、この袋体30,44によりなる混合基盤体12、および補助基盤体14を、一辺1.5m程度の配置枠16内に4体並置可能とする大きさ、形状として具体化しているが、配置枠内に並置可能な大きさ、形状であれば足りるため、これに限定されず、他の大きさ、形状としてもよいことはいうまでもない。
【0087】
ただし、混合基盤体の袋体30を過剰に大きくすると、土壌材28を詰め込んだ後の混合基盤体12としての運搬等がその重量、および形状等により容易でなくなる虞れがあり、また、逆に小さくするとその数が増大するため、人力での運搬、配置の可能な程度の最大限の大きさに袋体、つまり各基盤体の大きさを設定することが、この構成においては好ましいといえる。
【0088】
なお、この実施の形態においては、混合基盤体12、および補助基盤体14を1体おきの交互に並置するものとして具体化しているが、補助基盤体を間に挟んで混合基盤体を配置する配列構成であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、2体おき、あるいは1体ずつの混合基盤体の間に補助基盤体2体を介在させる変則交互並置としてもよい。
【0089】
また、この実施の形態では、混合基盤体12を生分解性澱粉樹脂からなる被覆体(包装袋)38で被覆しているが、この被覆体での被装は、養生時の初期発酵の促進をはかることを目的としたものであるため、初期発酵の促進を可能とする被覆体であれば、この種の包装袋に限定されず、他の被覆体、たとえばシート状の被覆体で、配置枠16毎、あるいは緑化基盤10全体を被装する構成としてもよい。
【0090】
しかしながら、シート状の被覆体で配置枠16毎、あるいは緑化基盤10全体を被覆する場合、この被覆体に対する押え構造が複雑化しやすく、その作業性の低下も考えられる。また、このシート状の被覆体や一般的な樹脂袋としてなる包装袋等では、養生後の取り除き作業も必要となるため、この点からも、その作業性が低下する。
【0091】
これに対し、この実施の形態で具体化した生分解性澱粉樹脂からなる包装袋(被覆体)38であれば、包装袋が経時に伴って自然分解されるため、土壌材28の養生後も、その除去を行うことなく放置できる。従って、この生分解性澱粉樹脂からなる包装袋(被覆体)38を用いれば、微生物群発酵分解に寄与するばかりでなく、その作業性も確実に向上する。
【0092】
なお、ここでは、生分解性澱粉樹脂からなる包装袋として被覆体38を具体化しているが、少なくとも混合基盤体12を適切に被装可能であれば足りるため、その形態は袋体に限定されない。つまり、同素材からなるシート状の包装フィルム等によって、混合基盤体12を単体毎に被装しても、また、配置枠16毎に、それを全体的に被装してもよい。
【0093】
しかしながら、被覆体38を包装袋とすれば、混合基盤体12を包装袋内に入れることでその被装は得られるため、その作業性が確実に向上する。
【0094】
ここで、この実施の形態においては、配置枠16として、網枠単体26を平面略格子状に組み付けてなる金網法枠20の1ブロックを例示しているが、法枠自体はこれに限定されるものではない。しかしながら、例示のような、網枠単体26を平面略格子状に組み付けてなる金網法枠20によれば、網枠単体26自体が小型、かつ軽量であるため、その搬入、配置の容易化によりその作業性の向上が確実にはかられるとともに、網枠単体自体が法面の凹凸に対応可能な形状可変枠であることから、法面に対する適応性も十分に高く確保可能となる。
【0095】
さらに、コンクリート等の打設を要しないため、工期が十分に短く設定でき、また、網枠単体26自体を立設させたにすぎないため、この金網法枠20が緑化基盤造成後にその表面上に大きく露出することもなくなる。
【0096】
従って、金網法枠20の1ブロックを配置枠16とするこの工法によれば、法枠の構築に要する造成コストの低減化が得られるとともに、造成後の景観の向上が一層はかられる。
【0097】
そして、この種の網枠単体26を使用する金網法枠20は、その配置枠16内に配置する基盤体を、いわゆる土のう状のものに限定する傾向にある。しかし、この発明において使用する混合基盤体12、および補助基盤体14はいずれも土のう状の態様のものであるため、金網法枠20に対する使用においても、何等困難を伴うことはない。さらに、この混合基盤体12、および補助基盤体14によれば、大型に形成できるため、土のうの配置、敷設に対する作業性が確実に向上される。
【0098】
従って、この発明における混合基盤体12、および補助基盤体14を金網法枠20に組み合わせることで、この金網法枠による効果を最大限に引き出すことも容易に可能となる。
【0099】
なお、この実施の形態においては、側面略く字形、あるいは略L形状の本体枠22内に適当大の網目の金網24を張設したものとして網枠単体26を具体化しているが、網枠単体を組み合わせることで金網法枠20を構築可能であれば足りるため、網枠単体の形状はこれに限定されず、他の形状としてもよい。
【0100】
また、金網法枠20を平面略格子状として具体化しているが、その1ブロックに混合基盤体12、および補助基盤体14が混在並置可能であれば足りるため、金網法枠の構築形状は平面格子状に特に限定されるものでもない。
【0101】
ところで、この発明の実施の形態は、法面18をその造成の対象としたものとして具体化されている。しかし、法面18に限定されず、他の箇所、たとえば、ビル等の屋上や建築物、あるいは構造物等の壁面を対象とするものに、この発明を応用してもよい。
【0102】
この発明においては、軽量の混合基盤体12、および補助基盤体14を使用するものであるため、緑化基盤に軽量化の望まれる屋上等においては、特に有効に利用できるものとなる。
【0103】
そして、水道水等の利用を余儀なくされる屋上緑化においては、その節水が要求される。しかし、土壌材28に混合されたヤシ繊維材36や袋体30,44をなすヤシ繊維がいずれも高い保水性能、および給水性能を持つことから、これによる節水効果も十分に期待できる。
【0104】
また、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等にも、この発明は十分適応可能となる。
【0105】
従来、この種の砂漠化防止対策工、砂漠緑化等においては、その給水が課題となっており、一般的な保水材等の持つ保水性能だけでは、十分に補いきれるものではなかった。しかし、この発明における混合基盤体12に含まれるヤシ繊維素材36や袋体30,44をなすヤシ繊維は、いずれも十分な給水性能を持つため、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等において求められる以上の保水性能が、給水性能として確保できる。
【0106】
従って、この発明の緑化基盤造成工法によれば、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等も十分に可能となる。
【0107】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】
上記のように、この発明の緑化基盤造成工法によれば、条件的嫌気性菌での有機質チップの発酵分解を可能とする堆肥化促進材を混合することによって、植生の生育土壌となる混合基盤体の土壌材を生成しているため、土壌材に対する事前の堆肥化、およびそれに伴う付加作業が不要となる。そして、堆肥化にあたっての、悪臭等による諸問題も伴わないことから、実用性に優れた混合基盤体を容易に得ることが可能となり、軽量の土壌材を使用した緑化基盤の造成自体が容易となる。
【0109】
さらに、堆肥化前の土壌材を袋体に詰めてなる混合基盤体は、人力による搬送、配置作業を考慮したとしても、従来の土のうに比較して飛躍的に大型化できるため、この混合基盤体を配置、敷設することによりなる緑化基盤の造成にあたっての配置枠内への配置、敷設に必要なその数、および要求される労力は、いずれも確実に低減できるものとなる。
【0110】
従って、実用性、および作業性に優れ、なおかつ作業労力の低減のはかられる緑化基盤造成工法が、この発明によれば確保可能となる。
【0111】
そして、この発明によれば、安価な補助基盤体を混合基盤体と共に配置枠内に配置、敷設しているため、高価となり得る混合基盤体の使用量の半減により、その造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0112】
従って、この発明によれば、緑化基盤に対する造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0113】
また、有機系天然繊維であるヤシ繊維材を混合基盤体の土壌材に混合しているため、緑化基盤の無機質化が確実に防止できる。従って、植生の生育基盤としての機能性確保が、より確実に行われる。
【0114】
更に、このヤシ繊維材は、軽量の有機質であるばかりでなく、吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等にも優れていることから、このヤシ繊維材を混合基盤体の土壌材に混合することにより、土壌材の、緑化基盤としての機能、性能も確実に向上される。
【0115】
そして、土壌材を構成する有機質チップ、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、およびヤシ繊維材は、いずれもリサイクル品として生成されるものであるため、それぞれの廃材の有効利用が、この発明によれば十分にはかられる。従って、その廃棄に伴う環境等への悪影響が十分に抑制できることから、この点における環境保全等への寄与が、この発明によれば十分に可能となる。
【0116】
また、ヤシ繊維からなる不織布を素材として、混合基盤体、および補助基盤体の袋体を形成すれば、透水性能に加えた保水性能、保肥性能、吸水性能、および給水性能、更にはこれらに加えた高い耐久性能が、各基盤体において容易、かつ十分に確保可能となる。
【0117】
そして、混合基盤体を生分解性澱粉樹脂からなる包装材で被装すれば、土壌材の養生後も、その除去を行うことなく放置できる。従って、この生分解性澱粉樹脂からなる包装材を用いれば、微生物群発酵分解に寄与するばかりでなく、その作業性も確実に向上する。
【0118】
さらに、配置枠をほぼ正方形とし、この配置枠の一辺に相当する長さの略俵型に形成された混合基盤体、および補助基盤体を、複数体のその並置のもとでこの配置枠内に敷設すれば、その配置数が確実に減少できるため、その作業性の向上が確実にはかられる。
【0119】
そして、網枠単体を平面略格子状に組み付けてなる金網法枠の1ブロックを、配置枠とすれば、コンクリート等の打設を要しないため、工期が十分に短く設定でき、また、網枠単体自体を立設させたにすぎないため、この金網法枠が緑化基盤造成後にその表面上に大きく露出することもなくなる。従って、法枠の構築に要する造成コストの低減化が得られるとともに、造成後の景観の向上が一層はかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る緑化基盤造成工法によりなる緑化基盤の一例を示す、その概略斜視図である。
【図2】この発明に係る緑化基盤造成工法を示す概略の作業工程図である。
【符号の説明】
10 緑化基盤
12 混合基盤体
14 補助基盤体
16 配置枠
20 法枠(金網法枠)
28 土壌材
30,44 袋体
32,42 有機質チップ
34 堆肥化促進材
36 ヤシ繊維材
38 被覆体(包装袋)
【発明の属する技術分野】
この発明は、配置枠内ヘの所定基盤体の配置、敷設によって、植生の生育土壌となる緑化基盤をその造成対象に造成する緑化基盤造成工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、土木工事等により生じる切土や盛土等の傾斜面(法面)は、通常、種々の法面工法によって保護、補強されるが、開発事業等による自然破壊、環境破壊等が社会問題ともなっており、緑化による景観の向上や環境保全、および自然保護の観点から、植生(植物)の生育可能な厚さを持った生育基盤(緑化基盤)を法面に造成することが、近年の開発事業等において広く行われている。
【0003】
ところで、緑化基盤の一般的な造成対象となる法面は斜面であるため、その造成は容易でない。通常は、たとえば平面略格子状の法枠を法面に構築し、その法枠の1ブロック毎に所定の土壌材を敷設することによって、法面の緑化基盤は造成されている。
【0004】
ここで、この種の緑化基盤造成工法として、たとえば、所定の土壌材を袋体内に詰め込んだ、いわゆる土のうを、この法枠の1ブロック内に間断なく敷設するものが知られている。
【0005】
このような土のうを使用する工法であれば、緑化基盤の厚層化が確実に得られ、また、敷設初期、つまり造成初期における侵食、風化等が確実に防止できるため、その機能性が十分に高く確保可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、土のうに詰められる土壌材としては、たとえば、土壌基材に肥料、および土壌改良材等を混合したものが一般的に使用される。しかし、その土壌基材の多くは壌土、つまり土であり、この壌土の比重は重いため、壌土を利用する土のうにおいては、土のう一つ一つを小型にすることによるそれ単体の軽量化が、その製造の際には必須となっている。
【0007】
しかし、土のうが小型であれば、軽量化がはかられる反面、配置枠内に配置、敷設する数は自ずと増大化する。そして、法枠に対する土のうの搬入、配置は、通常、作業者による人力のもとで行われるため、その作業工数の増大化に伴った作業性の低下、および労力の増大が避けられない。
【0008】
ここで、軽量の土壌基材を壌土に代えて使用した人工的な軽量土壌材も知られており、これを使用すれば、土のうの軽量化は十分に期待できる。
【0009】
この軽量土壌材としては、通常、人工的に生成された軽量の土壌基材を事前に堆肥化させたものが使用される。しかし、この土壌基材の堆肥化にあたっては、適当期間の養生を含む事前の堆肥化作業が必要であり、また、この養生には、複雑な作業工程、あるいは種々の付加作業等をも要するため、軽量土壌材を土のうに使用する場合においては、その堆肥化に対する作業効率の低下が避けられない。
【0010】
そして、このように堆肥化された土壌基材によりなる土壌材は比較的高価であるため、公知の一般的な軽量土壌材を使用するにあたっては、造成コストの増大化も伴われる。
【0011】
さらに、土壌基材を堆肥化させる場合、通常は堆肥化促進材を使用するが、その含有成分によっては、土壌基材における酸素欠乏や窒素飢餓等の問題、あるいは悪臭の発生、さらにはこの悪臭に起因する虫の飛来等の諸問題を伴う虞れもあることから、作業効率ばかりか、その堆肥化自体に問題を含むことも否定はできない。
【0012】
ところで、公知の緑化基盤造成工法において使用される法枠としては、たとえば、平面略格子状に形成した型枠にコンクリート等を打設してなる、いわゆるコンクリート法枠が、一般的に知られている。
【0013】
このようなコンクリート法枠は、対象となる法面に合わせて型枠を形成する、いわゆる現場打ちであるため、法面に対する適応性に優れる半面、型枠の形成、およびコンクリート等の打設というような、異なる複数の作業工程が要求されるとともに、コンクリート等の固結期間もその作業期間に含まれることから、この種のコンクリート法枠においては、作業の煩雑化による作業性の低下、工期の長期化、およびこれらに起因するコストの増大化等を招く虞れのあることも否定はできない。
【0014】
つまり、公知の緑化基盤造成工法においては、この法枠自体も、その造成コストの増大化の原因となっているものと考えられる。
【0015】
さらに、このようなコンクリート法枠を利用して造成した緑化基盤においては、コンクリート法枠の露出が避けられない。そして、緑化基盤とは異質のコンクリート法枠がその緑化基盤上に露出すると、緑化基盤自体の景観を損なうことが避けられないため、コンクリート法枠に代わる法枠を利用した工法の出現も、緑化基盤造成工法においては望まれている。
【0016】
この発明は、実用性に優れ、かつ、その造成コストの低減化をはかる緑化基盤造成工法の提供を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の緑化基盤造成工法によれば、所定大以下に粉砕された有機質チップと、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材との混合によりなる土壌材を、少なくとも透水性のある袋体に詰めることにより、これを適当大の混合基盤体として形成するとともに、所定大以下に粉砕された有機質チップのみを、少なくとも透水性のある袋体に詰めることにより、これを適当大の補助基盤体として形成する。
【0018】
そして、混合基盤体と補助基盤体とを、所定の配置枠内に、その並置のもとで混在させ、少なくとも混合基盤体に対する給水、および被覆体によるその被装のもとで、混合基盤体内の有機質チップを、条件的嫌気性菌による発酵分解によりこの配置枠内で堆肥化させ、その堆肥化終了を待って、少なくともこの混合基盤体を植生の生育土壌である緑化基盤として造成するものとしている。
【0019】
また、この発明の請求項2においては、混合基盤体、および補助基盤体の袋体を、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維の不織布からなるものとして具体化している。
【0020】
さらに、この発明の請求項3においては、配置枠をほぼ正方形し、この配置枠の一辺に相当する長さの略俵型に形成した混合基盤体、および補助基盤体を、複数体のその並置のもとでこの配置枠内に敷設するものとして具体化している。
【0021】
また、この発明の請求項4においては、混合基盤体、および補助基盤体を、1体おきに交互並置するものとしている。
【0022】
そして、この発明の請求項5においては、混合基盤体を被装する被覆体が、生分解性澱粉樹脂からなる包装材とされ、この包装材によって、混合基盤体を単体毎に個別に被装するものとしている。
【0023】
また、この発明の請求項6においては、配置枠が、所定形状の網枠単体を法面に平面略格子状に組み付けることにより構築された金網法枠の1ブロックとして具体化されている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
この発明に係る緑化基盤造成工法は、図1に示すように、予め製造された混合基盤体12、および補助基盤体14を、法面等の対象地盤上に規定、形成した配置枠16内に、その並置のもとで混在させることにより、その対象地盤上に植物の生育可能な緑化基盤10を造成しようとするものである。
【0026】
この実施の形態においては、切土や盛土等によりなる傾斜面(法面)18を、その緑化の対象地盤として具体化する。
【0027】
この法面の緑化にあたっては、まず、法面18上に所定の法枠20が形成される。そして、図1を見るとわかるように、この法枠20としては、たとえば、側面略く字形、あるいは略L形状の本体枠22内に適当大の網目の金網24を張設してなる網枠単体26を、アンカーピン(図示しない)等による地盤に対する固定、および隣接する網枠単体との連結等を伴いながら平面略格子状に組み付けることにより形成された、いわゆる金網法枠が利用できる。
【0028】
この実施の形態においては、この平面略格子状に形成された金網法枠(法枠)20の1ブロックが配置枠16として利用され、図示のように、この1ブロック毎に、混合基盤体12、および補助基盤体14が並置されるものとなっている。
【0029】
この金網法枠20をなす網枠単体26の長さ、つまり配置枠16の一辺の長さとしては、1.5m程度が一般的とされている。
【0030】
なお、この種の金網法枠20自体は公知であり、また、その構成はこの発明の趣旨でないため、この金網法枠に対する詳細な説明は、ここでは省略するものとする。
【0031】
以下、この発明の緑化基盤造成工法での作業の流れを、図2を参照しながら順を追って説明する。
【0032】
図1に示すように、この緑化基盤造成工法においては、たとえば、まず、緑化基盤10のベースとなる混合基盤体12が、所定の土壌材28を透水性のある袋体30に詰めることにより製造される。
【0033】
図2を見るとわかるように、この土壌材28は、所定大以下に粉砕された有機質チップ32と、条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34と、ココナツ外殻から採取されたヤシ繊維材36とを混合、かく拌することにより生成される(102)。
【0034】
有機質チップ32としては、1インチ以下等に粉砕された、たとえば木質チップが例示できる。なお、この有機質チップ32は、発酵分解による堆肥化を前提とするものであるため、その粉砕前に乾燥していないことが、ここで使用される木質チップ(有機質チップ)の条件となる。
【0035】
また、この木質チップ(有機質チップ)32を堆肥化させる堆肥化促進材34としては、条件的嫌気性菌を利用した微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、たとえば発酵下水汚泥コンポストに無機材、たとえば炭等を組み合わせたものが例示できる。
【0036】
ここでいう条件的嫌気性菌とは、酸化分解を行う好気性菌と腐敗分解を行う絶対的嫌気性菌とをバランス良く配合することによりなる、発酵分解を行い得るものであり、酸素の少ない条件下でも生息できるという点を、その特徴の一つとしたものである。
【0037】
更に、この発明における土壌材28には、これらに加えて有機質のヤシ繊維材36が混合される。このヤシ繊維材36としては、たとえば、ココナツ外殻から分別、採取されたココナツダストを、浸水による脱塩処理の後に脱水、乾燥させたものが例示できる。
【0038】
そして、図2に示すように、これらを混合、かく拌してなる土壌材28を袋体30に詰めることにより(104)、この発明の緑化基盤造成工法に使用される混合基盤体12は製造される。
【0039】
この袋体30としては、透水性のあることが、少なくとも要求される。そこで、この発明の実施の形態においては、この袋体30の素材として、ココナツ外殻から分別、採取した天然繊維であるヤシ繊維を例示し、このヤシ繊維からなる不織布を袋状に形成することで、この発明において使用される袋体とするものとしている。
【0040】
なお、図1を見るとわかるように、この実施の形態においては、混合基盤体12、および補助基盤体14を配置枠16内に4体並置するものとしていることから、ここでは、たとえば長さ約1.5m、直径約35cm程度の俵形状の混合基盤体12を形成可能とする大きさ、形状の細長チューブとして、袋体30が形成されている。そして、このチューブ状の袋体30内に土壌材28を詰めた後、その開口を縫合、あるいは緊締等のもとで封止することにより、対応大の混合基盤体12が形成、製造される(図1参照)。
【0041】
上述したように、袋体30に詰められる土壌材28は、木質チップ32、堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36を混合させたものであり、これらの混合資材は、いずれも乾燥状態、あるいは若干の含水程度の状態で混合されるため、これによりなる土壌材は十分に軽量であるといえる。
【0042】
なお、長さ約1.5m、直径約35cm程度の大きさをなす混合基盤体12においては、約90リットルの土壌材28が袋体30内に詰められることになるが、それによりなる混合基盤体であっても、その試験時における重量は35〜37kg程度として計測されている。
【0043】
つまり、木質チップ32、堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36を混合させた土壌材28を袋体30に詰めてなる混合基盤体12であれば、長さ約1.5m、直径約35cm程度のものであっても、人力での搬入、配置の可能な程度にその重量を抑えることが十分に可能となる。
【0044】
ここで、この発明においては、この混合基盤体12が、たとえばその搬入/配置前に、所定の被覆体38によって予め被装される(106)。
【0045】
被覆体38としては、たとえば、生分解性澱粉樹脂からなる包装袋が例示できる。
【0046】
なお、この生分解性澱粉樹脂とは、とうもろこし等の澱粉を利用して作られた樹脂を指し、自然の中で微生物に食されて自然分解することや水に解けないこと等をその特徴とするものである。
【0047】
図1、および図2に示すように、混合基盤体12は、被覆体38によって単体毎に被装された状態で、配置枠16内に搬入、配置、つまりは敷設される(108)。
【0048】
なお、この発明に係る緑化基盤造成工法においては、補助基盤体14が、この混合基盤体12と共に配置枠16内に配置、敷設されるが、ここでは混合基盤体に対する作業工程を先に説明するものとする。
【0049】
図2に示すように、配置枠16内ヘの混合基盤体12の敷設後においては、まず、被覆体38内の混合基盤体に、適当量の水分を含ませるための給水が行われる(110)。
【0050】
この給水方法としては、たとえば、給水ホース等による、被覆体38を介した個別の給水が例示できる。なお、ヤシ繊維からなる袋体30が十分な透水性を持つことから、この袋体外部に対する給水のもとでも、その袋体内ヘの給水、つまり土壌材28への給水、含水は十分に可能となる。
【0051】
そして、この給水の後、この混合基盤体12は被覆体38により被装された状態で放置されて、所定期間の養生に入る(112)。つまり、この発明においては、土壌材28を、配置枠16内に配置、敷設した後に養生させるものとしている。
【0052】
この養生期間中、土壌材28においては、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34による、条件的嫌気性菌40での木質チップ32の発酵分解が行われる(114)。
【0053】
なお、前述のように、この実施の形態においては、混合基盤体12が被覆体38で被覆されているため(図1参照)、養生時の初期発酵が適切に促進される。
【0054】
この条件的嫌気性菌40での木質チップ32の発酵分解は、酸素の少ない条件下においても行われるものであり、好気性菌による酸化分解や絶対的嫌気性菌による腐敗分解等と異なり、その期間中におけるかく拌、切り返し等が不要となることから、この条件的嫌気性菌による発酵分解によれば、袋詰め後の養生のみによる微生物分解を得ることが可能となる。
【0055】
そして、この発酵分解によれば、酸素欠乏や窒素飢餓等の問題の発生も発生せず、また悪臭の発生もないことから、悪臭に起因する虫の飛来等も確実に防止可能となる。
【0056】
図2に示すように、この条件的嫌気性菌40での発酵分解による木質チップ32の堆肥化が終了すると(116)、この混合基盤体12の土壌材28が、植生の生育可能な生育土壌として生成される。
【0057】
ところで、緑化基盤における植生の一般的な配置を考えると、この植生は、通常、密集されることなく所定間隔離反した位置に等間隔毎に配置、植栽されている。そこで、図1に示すように、この発明においては、この点に着目し、この、生育土壌となり得る混合基盤体12を配置枠16内に間断を経て配置するとともに、その間を、混合基盤体でない部材、つまりは補助基盤体14で埋めている。
【0058】
図1、および図2を見るとわかるように、この補助基盤体14は、有機質チップ、たとえば木質チップ42のみを透水性のある袋体44に詰めることにより製造される(118)。
【0059】
この補助基盤体14をなす木質チップ(有機質チップ)42、および袋体44としては、混合基盤体12において用いた木質チップ(有機質チップ)32、および袋体30と同一のもの、若しくは同等のものが利用できるため、これらに対する説明は、混合基盤体の木質チップ、および袋体に対するものを援用するものとして、ここでは省略する。
【0060】
なお、混合基盤体の木質チップ32と異なり、この補助基盤体の木質チップ42に対しては、含水等の条件は除かれる。つまり、この補助基盤体の木質チップ42は、乾燥状態のまま使用される。
【0061】
このように製造された補助基盤体14は、混合基盤体12と共に、たとえばその1体おきの交互並置のもとで、配置枠16内に配置、敷設される(108)。そして、混合基盤体12、および補助基盤体14を配置枠16内にほぼ間断なく敷設することによって、この発明における緑化基盤10が造成される。
【0062】
この緑化基盤10に対しては、植生、たとえば適当な植物の苗木46が、混合基盤体12の適当箇所、たとえば離間2ヵ所等に植栽される(120)。
【0063】
なお、混合基盤体12は被覆体38によって被装された状態にあるため、図1に示すように、被覆体、および袋体30に連続的な切れ目48を形成することで、この混合基盤体に対する苗木46の植栽は容易に可能となる。また、被覆体38での混合基盤体12の被覆は、土壌材28の養生時における発酵促進を目的としたものであるため、発酵分解による木質チップ32の堆肥化終了後にこの被覆体の上面部分を予め切り開いておいてもよい。
【0064】
また、ここでの詳細な説明は省略しているが、配置枠16に配置、敷設された混合基盤体12、および補助基盤体14は、必要に応じて、地盤、つまり法面18に固定される。
【0065】
この固定の手段としては、混合基盤体12、および補助基盤体14を法面18にその打設のもとで直接的に固定するアンカーピンや、その上方に掛け渡すことによって抑える固定ワイヤ等が例示できる。
【0066】
上記のように、この発明の緑化基盤造成工法に使用する混合基盤体12は、木質チップ32と、条件的嫌気性菌40での発酵分解を可能とする堆肥化促進材34、および保水機能を有するヤシ繊維材36との混合によりなる土壌材28を、袋体30に詰めて製造したものであり、この土壌材は、上述したように、配置枠16内への配置、敷設後において、付加作業等を何等要することなく堆肥化できるものであるため、土壌材の堆肥化にあたっての作業性、およびその作業効率は著しく向上する。
【0067】
そして、条件的嫌気性菌40での発酵分解による木質チップ32の堆肥化であれば、切り返し等の付加作業も不要となり、また、悪臭等の発生もないため、堆肥化に対する諸問題を伴うこともなくなる。
【0068】
つまり、この発明の緑化基盤造成工法によれば、実用性に優れた混合基盤体12を容易に得ることが可能となるため、軽量の土壌材を使用した緑化基盤10の造成自体が容易となる。
【0069】
そして、この発明で使用する土壌材28は、上述したように軽量のものであり、これにより製造された混合基盤体12は、人力による搬送、配置作業を考慮したとしても、その大きさは、従来の土のうに比較して飛躍的に大型化できるため、この混合基盤体を配置、敷設することによりなる緑化基盤10の造成にあたっての配置枠16内への配置、敷設に必要なその数、および要求される労力は、いずれも確実に低減できるものとなる。
【0070】
従って、作業性に優れ、なおかつ作業労力の低減のはかられる緑化基盤造成工法が、この発明によれば確保可能となる。
【0071】
そして、この発明によれば、補助基盤体14を混合基盤体12と共に配置枠16内に配置、敷設している。この補助基盤体14は、木質チップ42のみを袋体44に詰めて製造されるものであるため、堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36を木質チップ32に混合する混合基盤体の土壌材28に比較して、格段と安価に製造できることに間違いはない。
【0072】
つまり、この発明によれば、植栽される部分のみに混合基盤体12を配置し、その部分を安価な補助基盤体14で間詰めすれば足りるため、高価となり得る混合基盤体の使用量の半減により、その造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0073】
従って、この発明によれば、緑化基盤に対する造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0074】
なお、この発明において間詰めとして使用する補助基盤体14は、有機質素材である木質チップ42を使用するものであるため、同種の木質チップ32を使用した混合基盤体の土壌材28とは、そのなじみに優れたものとなる。そして、有機質素材である木質チップ42は、植生の生育土壌における栄養源としての機能を多分に持つため、これを緑化基盤10の一部として利用することによって、生育土壌としての有効性が一層向上される。
【0075】
また、この発明においては、有機系天然繊維であるヤシ繊維材36を混合基盤体の土壌材28に混合している。有機系の肥料を土壌材に混合させるのと異なり、ヤシ繊維材36を土壌材28に混合させるこの発明の構成によれば、散水や雨水等によっても有機質が外部に流出されることもなく、このヤシ繊維材は有機質として土壌材中に適切に滞留されるため、緑化基盤10の無機質化が確実に防止でき、植生の生育土壌としての機能性確保が、より確実に行われる。
【0076】
また、このヤシ繊維材36は、軽量の有機質であるばかりでなく、吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等にも優れていることから、このヤシ繊維材を土壌材28に混合することにより、土壌材の、緑化基盤10としての機能、性能も確実に向上される。
【0077】
さらに、混合基盤体の土壌材28を構成する木質チップ32、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34、およびヤシ繊維材36、ならびに補助基盤体14をなす木質チップ42は、いずれもリサイクル品から生成される。詳細にいえば、木質チップ32,42としては木製廃材、たとえば建築物等の解体時に発生する廃棄木材や木製型枠材の廃材、あるいは間伐材や土木現場で発生する廃棄木材、更には街路樹、公園等の剪定材等が利用でき、また、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材34をなす発酵下水汚泥コンポストは下水汚泥から生成されるものであり、更に、ヤシ繊維材36となるココナツダストは食用油等となるコプラ等を取り除いたあとに残るココナツ外殻からの分別、採取品である。
【0078】
そして、この発明の実施の形態においては、袋体30,44の素材としても、ココナツ外殻から分別、採取したヤシ繊維からなる不織布を利用していることから、それぞれの廃材の有効利用が、この発明によれば十分にはかられることになる。つまり、この発明によれば、各分野における廃材を適切に再生し利用することで、その廃棄に伴う環境等への悪影響を十分に抑制できるため、この点における環境保全等への寄与も、この発明によれば十分に可能となる。
【0079】
さらに、木質チップ32,42とする木製廃材に各種木材が利用でき、発注者が自己所有の木製廃材をその木質チップの原材料として指定、提供することも可能であることから、発注者の利益的部分、つまり発注者自身の廃棄費用低減、および木質チップ費用の低減等による造成コストの削減も、この工法によれば十分にはかられる。
【0080】
また、この発明は、袋詰めされた混合基盤体12、および補助基盤体14を配置枠16内に配置、敷設することで緑化基盤10を造成するものであるため、造成された緑化基盤の厚みとしては、各基盤体自体の厚み、つまりはその直径に相当する程度の厚みが自ずと確保されることになる。つまり、緑化基盤10としての厚みが十分に確保可能となるため、植生の多様化、ひいてはその地域等に応じた自然林の復元が、この発明によれば十分に可能となる。
【0081】
ここで、この発明の実施の形態においては、木質チップ32,42を有機質チップとして具体化しているが、有機質材料からなるチップであれば足りるため、木質チップに限定されず、たとえば、刈草を所定大以下に粉砕した刈草チップ、あるいは、乾燥した刈草を圧縮成形した後に所定大以下に粉砕してなる刈草RDFチップ等を、この有機質チップとして利用してもよい。
【0082】
また、土壌材28に混合するヤシ繊維材36としてココナツダストを例示している。この種のココナツダストとしては、メッシュスクリーンにより選別された粉塵状の粉体のみを使用することが一般的である。しかし、これに限定されず、このような粉体のみのココナツダストに、たとえば長尺繊維としての使用に劣る短尺繊維を混在させたものを、この実施の形態でいうココナツダストとして使用してもよい。
【0083】
このような、短尺繊維の混在されたココナツダストをヤシ繊維材36として土壌材28に混合させれば、繊維の絡み合いにより、補強材としての機能を土壌材、ひいては緑化基盤12に付加することも十分に可能となる。
【0084】
また、この実施の形態においては、袋体30,44の素材として、ヤシ繊維からなる不織布を例示しているが、少なくとも透水性を持った素材であれば足りるため、これに限定されず、ヤシ繊維以外の素材、たとえば樹脂繊維等の織布から、この袋体を形成してもよい。
【0085】
しかしながら、ヤシ繊維からなる不織布を素材として、袋体30,44をそれぞれ形成すれば、透水性能に加えた保水性能、保肥性能、吸水性能、および給水性能が、この袋体において確保できるとともに、これらに加えた高い耐久性をも確保できるため、造成後の手入れの困難な法面に適した緑化基盤10が、これによれば容易、かつ十分に確保可能となる。
【0086】
なお、この発明の実施の形態においては、この袋体30,44によりなる混合基盤体12、および補助基盤体14を、一辺1.5m程度の配置枠16内に4体並置可能とする大きさ、形状として具体化しているが、配置枠内に並置可能な大きさ、形状であれば足りるため、これに限定されず、他の大きさ、形状としてもよいことはいうまでもない。
【0087】
ただし、混合基盤体の袋体30を過剰に大きくすると、土壌材28を詰め込んだ後の混合基盤体12としての運搬等がその重量、および形状等により容易でなくなる虞れがあり、また、逆に小さくするとその数が増大するため、人力での運搬、配置の可能な程度の最大限の大きさに袋体、つまり各基盤体の大きさを設定することが、この構成においては好ましいといえる。
【0088】
なお、この実施の形態においては、混合基盤体12、および補助基盤体14を1体おきの交互に並置するものとして具体化しているが、補助基盤体を間に挟んで混合基盤体を配置する配列構成であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、2体おき、あるいは1体ずつの混合基盤体の間に補助基盤体2体を介在させる変則交互並置としてもよい。
【0089】
また、この実施の形態では、混合基盤体12を生分解性澱粉樹脂からなる被覆体(包装袋)38で被覆しているが、この被覆体での被装は、養生時の初期発酵の促進をはかることを目的としたものであるため、初期発酵の促進を可能とする被覆体であれば、この種の包装袋に限定されず、他の被覆体、たとえばシート状の被覆体で、配置枠16毎、あるいは緑化基盤10全体を被装する構成としてもよい。
【0090】
しかしながら、シート状の被覆体で配置枠16毎、あるいは緑化基盤10全体を被覆する場合、この被覆体に対する押え構造が複雑化しやすく、その作業性の低下も考えられる。また、このシート状の被覆体や一般的な樹脂袋としてなる包装袋等では、養生後の取り除き作業も必要となるため、この点からも、その作業性が低下する。
【0091】
これに対し、この実施の形態で具体化した生分解性澱粉樹脂からなる包装袋(被覆体)38であれば、包装袋が経時に伴って自然分解されるため、土壌材28の養生後も、その除去を行うことなく放置できる。従って、この生分解性澱粉樹脂からなる包装袋(被覆体)38を用いれば、微生物群発酵分解に寄与するばかりでなく、その作業性も確実に向上する。
【0092】
なお、ここでは、生分解性澱粉樹脂からなる包装袋として被覆体38を具体化しているが、少なくとも混合基盤体12を適切に被装可能であれば足りるため、その形態は袋体に限定されない。つまり、同素材からなるシート状の包装フィルム等によって、混合基盤体12を単体毎に被装しても、また、配置枠16毎に、それを全体的に被装してもよい。
【0093】
しかしながら、被覆体38を包装袋とすれば、混合基盤体12を包装袋内に入れることでその被装は得られるため、その作業性が確実に向上する。
【0094】
ここで、この実施の形態においては、配置枠16として、網枠単体26を平面略格子状に組み付けてなる金網法枠20の1ブロックを例示しているが、法枠自体はこれに限定されるものではない。しかしながら、例示のような、網枠単体26を平面略格子状に組み付けてなる金網法枠20によれば、網枠単体26自体が小型、かつ軽量であるため、その搬入、配置の容易化によりその作業性の向上が確実にはかられるとともに、網枠単体自体が法面の凹凸に対応可能な形状可変枠であることから、法面に対する適応性も十分に高く確保可能となる。
【0095】
さらに、コンクリート等の打設を要しないため、工期が十分に短く設定でき、また、網枠単体26自体を立設させたにすぎないため、この金網法枠20が緑化基盤造成後にその表面上に大きく露出することもなくなる。
【0096】
従って、金網法枠20の1ブロックを配置枠16とするこの工法によれば、法枠の構築に要する造成コストの低減化が得られるとともに、造成後の景観の向上が一層はかられる。
【0097】
そして、この種の網枠単体26を使用する金網法枠20は、その配置枠16内に配置する基盤体を、いわゆる土のう状のものに限定する傾向にある。しかし、この発明において使用する混合基盤体12、および補助基盤体14はいずれも土のう状の態様のものであるため、金網法枠20に対する使用においても、何等困難を伴うことはない。さらに、この混合基盤体12、および補助基盤体14によれば、大型に形成できるため、土のうの配置、敷設に対する作業性が確実に向上される。
【0098】
従って、この発明における混合基盤体12、および補助基盤体14を金網法枠20に組み合わせることで、この金網法枠による効果を最大限に引き出すことも容易に可能となる。
【0099】
なお、この実施の形態においては、側面略く字形、あるいは略L形状の本体枠22内に適当大の網目の金網24を張設したものとして網枠単体26を具体化しているが、網枠単体を組み合わせることで金網法枠20を構築可能であれば足りるため、網枠単体の形状はこれに限定されず、他の形状としてもよい。
【0100】
また、金網法枠20を平面略格子状として具体化しているが、その1ブロックに混合基盤体12、および補助基盤体14が混在並置可能であれば足りるため、金網法枠の構築形状は平面格子状に特に限定されるものでもない。
【0101】
ところで、この発明の実施の形態は、法面18をその造成の対象としたものとして具体化されている。しかし、法面18に限定されず、他の箇所、たとえば、ビル等の屋上や建築物、あるいは構造物等の壁面を対象とするものに、この発明を応用してもよい。
【0102】
この発明においては、軽量の混合基盤体12、および補助基盤体14を使用するものであるため、緑化基盤に軽量化の望まれる屋上等においては、特に有効に利用できるものとなる。
【0103】
そして、水道水等の利用を余儀なくされる屋上緑化においては、その節水が要求される。しかし、土壌材28に混合されたヤシ繊維材36や袋体30,44をなすヤシ繊維がいずれも高い保水性能、および給水性能を持つことから、これによる節水効果も十分に期待できる。
【0104】
また、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等にも、この発明は十分適応可能となる。
【0105】
従来、この種の砂漠化防止対策工、砂漠緑化等においては、その給水が課題となっており、一般的な保水材等の持つ保水性能だけでは、十分に補いきれるものではなかった。しかし、この発明における混合基盤体12に含まれるヤシ繊維素材36や袋体30,44をなすヤシ繊維は、いずれも十分な給水性能を持つため、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等において求められる以上の保水性能が、給水性能として確保できる。
【0106】
従って、この発明の緑化基盤造成工法によれば、砂漠化防止対策工、砂漠緑化等も十分に可能となる。
【0107】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】
上記のように、この発明の緑化基盤造成工法によれば、条件的嫌気性菌での有機質チップの発酵分解を可能とする堆肥化促進材を混合することによって、植生の生育土壌となる混合基盤体の土壌材を生成しているため、土壌材に対する事前の堆肥化、およびそれに伴う付加作業が不要となる。そして、堆肥化にあたっての、悪臭等による諸問題も伴わないことから、実用性に優れた混合基盤体を容易に得ることが可能となり、軽量の土壌材を使用した緑化基盤の造成自体が容易となる。
【0109】
さらに、堆肥化前の土壌材を袋体に詰めてなる混合基盤体は、人力による搬送、配置作業を考慮したとしても、従来の土のうに比較して飛躍的に大型化できるため、この混合基盤体を配置、敷設することによりなる緑化基盤の造成にあたっての配置枠内への配置、敷設に必要なその数、および要求される労力は、いずれも確実に低減できるものとなる。
【0110】
従って、実用性、および作業性に優れ、なおかつ作業労力の低減のはかられる緑化基盤造成工法が、この発明によれば確保可能となる。
【0111】
そして、この発明によれば、安価な補助基盤体を混合基盤体と共に配置枠内に配置、敷設しているため、高価となり得る混合基盤体の使用量の半減により、その造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0112】
従って、この発明によれば、緑化基盤に対する造成コストの低減化が確実にはかられる。
【0113】
また、有機系天然繊維であるヤシ繊維材を混合基盤体の土壌材に混合しているため、緑化基盤の無機質化が確実に防止できる。従って、植生の生育基盤としての機能性確保が、より確実に行われる。
【0114】
更に、このヤシ繊維材は、軽量の有機質であるばかりでなく、吸水能力、保水能力、および保肥能力、更には植物への給水能力等にも優れていることから、このヤシ繊維材を混合基盤体の土壌材に混合することにより、土壌材の、緑化基盤としての機能、性能も確実に向上される。
【0115】
そして、土壌材を構成する有機質チップ、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材、およびヤシ繊維材は、いずれもリサイクル品として生成されるものであるため、それぞれの廃材の有効利用が、この発明によれば十分にはかられる。従って、その廃棄に伴う環境等への悪影響が十分に抑制できることから、この点における環境保全等への寄与が、この発明によれば十分に可能となる。
【0116】
また、ヤシ繊維からなる不織布を素材として、混合基盤体、および補助基盤体の袋体を形成すれば、透水性能に加えた保水性能、保肥性能、吸水性能、および給水性能、更にはこれらに加えた高い耐久性能が、各基盤体において容易、かつ十分に確保可能となる。
【0117】
そして、混合基盤体を生分解性澱粉樹脂からなる包装材で被装すれば、土壌材の養生後も、その除去を行うことなく放置できる。従って、この生分解性澱粉樹脂からなる包装材を用いれば、微生物群発酵分解に寄与するばかりでなく、その作業性も確実に向上する。
【0118】
さらに、配置枠をほぼ正方形とし、この配置枠の一辺に相当する長さの略俵型に形成された混合基盤体、および補助基盤体を、複数体のその並置のもとでこの配置枠内に敷設すれば、その配置数が確実に減少できるため、その作業性の向上が確実にはかられる。
【0119】
そして、網枠単体を平面略格子状に組み付けてなる金網法枠の1ブロックを、配置枠とすれば、コンクリート等の打設を要しないため、工期が十分に短く設定でき、また、網枠単体自体を立設させたにすぎないため、この金網法枠が緑化基盤造成後にその表面上に大きく露出することもなくなる。従って、法枠の構築に要する造成コストの低減化が得られるとともに、造成後の景観の向上が一層はかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る緑化基盤造成工法によりなる緑化基盤の一例を示す、その概略斜視図である。
【図2】この発明に係る緑化基盤造成工法を示す概略の作業工程図である。
【符号の説明】
10 緑化基盤
12 混合基盤体
14 補助基盤体
16 配置枠
20 法枠(金網法枠)
28 土壌材
30,44 袋体
32,42 有機質チップ
34 堆肥化促進材
36 ヤシ繊維材
38 被覆体(包装袋)
Claims (6)
- 配置枠内ヘの所定基盤体の配置、敷設によって、植生の生育土壌となる緑化基盤をその造成対象に造成する緑化基盤造成工法であり、
所定大以下に粉砕された有機質チップと;条件的嫌気性菌を利用して有機質チップを発酵分解させる、微生物群発酵分解用の堆肥化促進材と;ココナツ外殻から採取したヤシ繊維材と;の混合によりなる土壌材を、少なくとも透水性のある袋体に詰めることにより、これを適当大の混合基盤体として形成するとともに、所定大以下に粉砕された有機質チップのみを、少なくとも透水性のある袋体に詰めることにより、これを適当大の補助基盤体として形成し、
前記混合基盤体と前記補助基盤体とを、所定の配置枠内に、その並置のもとで混在させ、少なくとも混合基盤体に対する給水、および被覆体によるその被装のもとで、混合基盤体内の有機質チップを、条件的嫌気性菌による発酵分解によりこの配置枠内で堆肥化させ、その堆肥化終了を待って、少なくともこの混合基盤体を植生の生育土壌とする緑化基盤造成工法。 - 混合基盤体、および補助基盤体の袋体が、ココナツ外殻から採取したヤシ繊維の不織布からなる請求項1記載の緑化基盤造成工法。
- 配置枠がほぼ正方形であり、この配置枠の一辺に相当する長さの略俵型に形成された混合基盤体、および補助基盤体が、複数体のその並置のもとでこの配置枠内に敷設された請求項1または2記載の緑化基盤造成工法。
- 混合基盤体、および補助基盤体が、1体おきに交互並置された請求項1ないし3のいずれか記載の緑化基盤造成工法。
- 混合基盤体を被装する被覆体が、生分解性澱粉樹脂からなる包装材であり、この包装材によって、混合基盤体を単体毎に個別に被装した請求項1ないし4のいずれか記載の緑化基盤造成工法。
- 配置枠が、所定形状の網枠単体を法面に平面略格子状に組み付けることにより構築された金網法枠の1ブロックである請求項1ないし5のいずれか記載の緑化基盤造成工法。
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- 2002-07-29 JP JP2002220060A patent/JP2004060276A/ja active Pending
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