JP4214673B2 - 情報記録媒体用の結晶化ガラス基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の情報記録媒体に用いられる基板に適した結晶化ガラス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等の磁気記録装置は、磁気ディスクを基板とする磁気記録媒体と磁気記録再生用ヘッドを主要な要素として構成されている。このうち、磁気ディスク用の基板としては、アルミニウム基板、ガラス基板等が実用化されている。中でもガラス基板は、表面の平滑性や機械的強度が優れていることから、最も注目されている。そのようなガラス基板としては、ガラス基板表面をイオン交換で強化した化学強化ガラス基板や、基板に結晶成分を析出させて結合の強化を図る結晶化ガラス基板が知られている。
【0003】
しかしながら、化学強化ガラス基板は、材料特性上、高強度・高剛性化することができないという問題があった。これに対して、結晶化ガラス基板は、アルミニウム基板及び化学強化ガラス基板の欠点を補う材料として、注目されている。
【0004】
このような結晶化ガラス基板としては、特開平11-16142号、特開平11-16143号、特開平10-226532号、特開平9-208260号に、リチウムダイシリケート結晶(Li2O・2SiO2)が主結晶相である結晶化ガラス基板が提案されている。
【0005】
また、特開平9-100137号、特開平6-206736号公報には、ムライト、コージュライトのいずれかの結晶を主結晶相とし持つ結晶化ガラス基板が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記リチウムダイシリケート結晶(Li2O・2SiO2)が主結晶相である結晶化ガラスは、高い膨張係数を有しているため、基板を機器に組み込む際にチャッキング用部材として使用されているステンレス系の材料と熱膨張係数が近いという特徴がある。このため、これらの結晶化ガラス基板を磁気ディスクとして機器に組み込む際に、ディスクを回転させるモータ等によって加熱されても、基板が割れにくいとという特徴を有している。しかしながら、リチウムダイシリケート結晶(Li2O・2SiO2)が主結晶相である結晶化ガラスは、コロージョン(特に、基板からのアルカリ金属成分の移動量)が、非常に大きいという問題を有していた。アルカリ金属成分の移動量が大きいと、結晶化ガラス基板上に形成される保護層や磁気記録層をアルカリ金属成分が侵食し、磁気ディスクの平滑性を低下させたり、保護層や磁気記録層を改質劣化させてしまう。
【0007】
一方、上記ムライト、コージュライトのいずれかの結晶を主結晶相として持つ結晶化ガラス基板は、アルカリ金属成分のコロージョンは低いものの、熱膨張係数が低いため、これらの結晶化ガラス基板を磁気ディスクとして機器に組み込む際に、ディスクを回転させるモータ等によって加熱されて、基板が割れてしまうおそれがあった。また、ムライト、コージュライトのいずれかの結晶を主結晶相として持つ結晶化ガラス基板は、非常に平滑化する際の加工性が悪いという課題もあった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、アルカリ金属成分に関して低コロージョンでありながら高い熱膨張係数を持つ加工性の良好な結晶化ガラス基板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された情報記録媒体用の結晶化ガラス基板は、重量%で
SiO2 55w%以上で64w%以下、
Al2O3 3w%以上で10w%以下、
ZnO 5w%以上で20w%以下、
Li2O 4w%以上で8w%以下、
ZrO2 3.1w%以上で5w%以下、
P2O5 1w%以上で5w%以下、
MgO 0.5w%以上で5w%以下
含有し、
V,Cu,Mn,Cr,Co,Mo,Ni,Fe,Te,Ce,Pr,Nd,Erを含有しないことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の結晶化ガラス基板は、重量%で以下の各成分を含有している。
【0012】
SiO2 55w%以上で64w%以下、
Al2O3 3w%以上で10w%以下、
ZnO 5w%以上で20w%以下、
Li2O 4w%以上で8w%以下、
ZrO2 3.1w%以上で5w%以下、
P2O5 1w%以上で5w%以下、
MgO 0.5w%以上で5w%以下
【0013】
上記のガラス成分を有する系において、SiO2はガラス形成酸化物であり、主結晶相として析出するクリストバライト、クリストバライト固溶体、石英、石英固溶体の成分である。ただし本実施形態において、SiO2が55w%より少ないと、前述の結晶が析出しにくくなり望ましくない。一方、SiO2が64w%を越えると、溶融温度が高くなるとともに失透性が大きくなるため、溶融性が悪くなり望ましくない。
【0014】
Al2O3は、ガラス中間酸化物であり、副結晶相としてリチウムアルミのシリケート、リチウムアルミノシリケート固溶体が析出する場合はこれら結晶相の構成成分となる。ただし本実施形態において、Al2O3が3w%より少ないと、機械的強度及び化学的耐久性が得られない。一方、Al2O3が10w%を越えると溶融温度が高くなり溶融性と失透性が悪化する。
【0015】
ZnOは、融剤として働くため均一な結晶析出を補助する。また、リチウムジンクシリケート、リチウムジンクシリケート固溶体が析出する場合はこれら結晶相の構成成分となる。ただし本実施形態において、ZnOが5w%より少ないと十分な結晶均質化の改善がなされない。一方、ZnOが20w%を越えると、ガラスが安定となり結晶化が抑制され求める強度が得られにくくなる。
【0016】
Li2Oは、融剤として働くため生産時の安定性を向上させる。また、リチウムアルミノシリケート、リチウムアルミノシリケート固溶体、リチウムジンクシリケート、リチウムジンクシリケート固溶体が析出する場合はこれら結晶相の構成成分となる。ただし本実施形態において、Li2Oが4w%より少ないと溶融性が悪くなる。一方、Li2Oが8w%を越えると、結晶層として、リチウムモノシリケート(Li2O・SiO2)及びリチウムダイシリケート(Li2O・2SiO2)等の結晶相が析出するため、前述のアルカリ金属成分のコロージョンの値が大きくなり基板からのアルカリ金属成分の溶出が発生するため望ましくない。
【0017】
ZrO2は、結晶核剤として有効に機能するとともに、ガラス修飾酸化物として機能する。ただし本実施形態において、ZrO2が3.1w%より少ないと必要な結晶核が形成されない。さらに、化学的耐久性および耐マイグレーションが低下し、磁気記録層に影響を与える。一方、5w%を越えると、溶融温度が高くなり失透しやすくなるため溶融成形が困難となる。また、結晶粒子が粗大化したり、析出結晶相が変化し求める特性が得られにくくなる。微細で均質な結晶構造が得られなくなり、研磨加工において磁気ディスク基板として必要な平滑面が得られなくなる。
【0018】
P2O5は、融剤として働き、さらにシリケート系結晶を析出させる核形成剤であり、ガラス全体に結晶を均一に析出させるために重要な成分である。ただし本実施形態において、P2O5が1w%より少ないと必要な結晶核が形成されない。さらに、化学的耐久性および耐マイグレーションが低下し、磁気記録層に影響を与える。一方、5w%を越えると、溶融温度が高くなり失透しやすくなるため溶融成形が困難となる。また、結晶粒子が粗大化したり、析出結晶相が変化し求める特性が得られにくくなったり、研磨加工において磁気ディスク基板として必要な平滑面が得られなくなる。さらに、溶融時の炉材に対する反応性が増し、また失透性も強くなることから溶融成形時の生産性が低下する。加えて、ガラス構造の安定性が低下し、アルカリ金属成分の溶出が発生しやすくなる。
【0019】
以下製造方法を説明する。最終的に生成されるガラス基板の主成分の組成を含む原料を所定の割合にて充分に混合し、これを白金るつぼあるいはレンガるつぼに入れ溶融を行う。溶融後金型に流し概略の形状を形成する。これを室温までアニールする。続いて、500〜600℃の1次熱処理温度と1次処理時間により保持し(熱処理)、結晶核生成が行われる。引き続き、600〜750℃の2次熱処理温度と2次処理時間により保持し結晶核成長を行う。これを除冷することにより目的とする結晶化ガラスが得られる。
【0020】
さらにこれを所望の形状、厚さに研削・研磨加工を施すことにより、化粧化ガラス基板として利用できる。
【0021】
本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の条件式(1)を満足している。
【0022】
Co < 150 (1)
ただし、
Co:2.5インチディスク用基板あたりの水に対するアルカリ金属成分の移動量[ppb]。
【0023】
条件式(1)は、基板からのアルカリ金属成分の水への移動量の範囲を規定している。アルカリ金属成分のコロージョンの値は、2.5インチディスク用基板あたりの水に対するアルカリ金属成分の溶出量[ppb]で表したものである。移動量の値が150[ppb]を超えると、結晶化ガラス基板上に形成される保護層や磁気記録層をアルカリ金属成分が侵食することによって発生する磁気ディスクの平滑性の低下や、保護層や磁気記録層の改質劣化が顕著となり、望ましくない。特に、移動量の値が150[ppb]を超えた領域に存在する結晶化ガラス基板では、アルカリ金属成分の溶出量が大き過ぎ、基板上に形成される保護層や磁気記録層への侵食が顕著になり望ましくない。
【0024】
本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の条件式(2)を満足している。
70 < C.T.E < 150 (2)
ただし、
C. T. E.:25℃〜100℃における熱膨張係数[×10-7/℃]。
【0025】
条件式(2)は、熱膨張に関する条件で、結晶化ガラス基板が満足すべき範囲を25℃〜100℃における熱膨張係数[×10-7/℃]の数値範囲として規定したものである。近年、磁気記録媒体の記録密度向上に伴って、磁気ヘッドと磁気記録媒体(結晶化ガラス基板)のポジショニングには、高い精度が要求されているため、結晶化ガラス基板だけではなく各種構成部品にも高い寸法精度が要求されている。さらに、寸法精度を維持するために結晶化ガラス基板と各種構成部品との間の熱膨張係数の差も無視できなくなってきている。磁気記録装置の場合、各種構成部品は、ステンレス系の金属材料で形成されることが多く、通常25℃〜100℃における熱膨張係数[×10-7/℃]の値で、90〜100×10-7/℃を有している。したがって、結晶化ガラス基板の熱膨張係数も、この範囲に対応することが望ましい。すなわち、条件式(2)の上限及び下限を超えると、各種構成部品との間の熱膨張係数が大きくなり過ぎ、寸法精度を維持できないだけでなく、最悪の場合、結晶化ガラス基板を破壊してしまうことがあり、望ましくない。
【0026】
本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の条件式(3)を満足している。
1.0 < P / PLi < 1.5 (3)
ただし、
P:研磨材として酸化セリウム(平均粒径0.5μm)を用いて、100g/cm2の圧力にて研磨加工した場合の表面平滑性の値として3Åを達成する場合の単位時間あたりの研削・研磨取代[μg/min];
PLi:同一条件下でリチウムダイシリケート系の結晶化ガラス基板を研削・研磨する際に、表面平滑性の値として3Åを達成する場合の単位時間あたりの研削・研磨取代[μg/min]。
【0027】
条件式(3)は、従来のリチウムダイシリケート系の結晶化ガラス基板に対する加工レートを規定したものである。条件式(3)の下限を超えると、従来のリチウムダイシリケート系の結晶化ガラス基板に対して優位でなくなる。また、条件式(3)の上限を超えると、加工時の破損確率(クラック、ピント、スクラッチ等の発生)が急増し望ましくない。
【0028】
本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の条件式(4)を満足している。
28 < E / ρ < 36 (4)
ただし、
E:ヤング率[GPa];
ρ:比重。
【0029】
条件式(4)は、ヤング率と比重の比を規定したものであり、主として結晶化ガラス基板の物理特性を表すことにより基板固有の共振周波数を定めている。条件式(4)の下限を超えると、共振周波数の値が小さくなり過ぎ、磁気記録装置との共振が問題となるとともに、剛性が低下し望ましくない。逆に、条件式(5)の上限を超えると、共振周波数が大きくなり過ぎ、汎用で使用可能な磁気記録装置の設計資産を用いることができなくなるため、別途専用の設計が必要となり望ましくない。特に、条件式(4)の範囲を満足することにより、従来問題となっているアルミニウム基板の共振周波数域より高く、汎用基板として一般的なガラス材料の共振周波数域とほぼ同等に設定することが可能となるため、製造装置の共用が図れ、磁気記録装置のコストダウンの観点からも望ましい。
【0030】
また、前述の必須成分で規定される本実施形態の結晶化ガラス基板においては、前述の条件式(1)~(4)の範囲は、以下の通り最適化される。
70 < Co < 150 (1a)
60 < C.T.E < 100 (2a)
1.0 < R / RLi < 1.5 (3a)
29 < E / ρ < 36 (4a)
本実施形態に対し、以下の各成分をそれぞれ定められた重量%の数値範囲で加えてもよい。以下の各成分を加えることにより、ヤング率E[GPa]及び、比重ρの値を調整することにより、E / ρの値を調整することが可能となる。
融剤として作用するMgOを加えてもよい。MgOを加えることにより、粒状の結晶を凝集させ結晶粒子塊を形成することができる。しかしながら0.5w%より少ないと作業温度幅が狭くなるとともに、ガラスマトリクス相の化学的耐久性が向上しない。一方、MgOが5w%を越えると、他の結晶相が析出してくるため、求める強度を得ることが難しくなる。なお、MgOを加えることにより、ヤング率Eは増加する傾向を示しρの値は減少する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0031】
融剤として作用するCaOを加えてもよい。CaOは、高い溶融性、安定した結晶相を形成させることができる。CaOが0.5w%より少ないと、十分な溶融性改善がなされない。逆に、5w%を越えると、ガラスが安定となり結晶化が抑制され、求める強度が得られにくくなる。なお、CaOを加えることにより、ヤング率Eは増加する傾向を示しρの値は減少する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0032】
融剤として作用するBaOを加えてもよい。BaOは、高い溶融性、安定した結晶相を形成させることができる。BaOが0.5w%より少ないと、十分な溶融性改善がなされない。逆に、5w%を越えると、ガラスが安定となり結晶化が抑制され、求める強度が得られにくくなる。なお、BaOを加えることにより、ヤング率Eは減少する傾向を示しρの値は急激に増加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は減少することになり、共振周波数は低くなる傾向を示す。
【0033】
融剤として作用するSrOを加えてもよい。SrOは、高い溶融性、安定した結晶相を形成させることができる。SrOが0.5w%より少ないと、十分な溶融性改善がなされない。逆に、5w%を越えると、ガラスが安定となり結晶化が抑制され、求める強度が得られにくくなる。なお、SrOを加えることにより、ヤング率Eは減少する傾向を示しρの値は増加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は減少することになり、共振周波数は低くなる傾向を示す。
【0034】
融剤として作用するY2O3を加えてもよい。ただし、Y2O3が0.1w%より少ないと十分な剛性向上が得られない。Y2O3が5w%を越えると、結晶析出が抑制され、十分な結晶化度が得られず、所望の特性が達成されない。なお、Y2O3を加えることにより、ヤング率Eは急激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0035】
融剤として作用するNb2O5を加えてもよい。Nb2O5は結晶核剤物質が増加させる作用を行う。ただし、Nb2O5が0.1w%より少ないと十分な剛性の向上がなされない。逆に、5w%を越えると、ガラスの結晶化が不安定となり、析出結晶相を制御できなくなり、求める特性が得られにくくなる。なお、Nb2O5を加えることにより、ヤング率Eは急激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0036】
融剤として作用するTa2O5を加えてもよい。Ta2O5は、溶融性、強度を向上させ、またガラスマトリクス相の化学的耐久性を向上させる。ただし、Ta2O5が0.1w%より少ないと十分な剛性の向上がなされない。逆に5w%を越えると、ガラスの結晶化が不安定となり、析出結晶相を制御できなくなり、求める特性が得られにくくなる。なお、Ta2O5を加えることにより、ヤング率Eは急激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0037】
融剤として作用するLa2O5を加えてもよい。La2O5は、溶融性、強度を向上させ、またガラスマトリクス相の化学的耐久性を向上させる。ただし、La2O5が0.1w%より少ないと十分な剛性の向上がなされない。逆に5w%を越えると、ガラスの結晶化が不安定となり、析出結晶相を制御できなくなり、求める特性が得られにくくなる。なお、La2O5を加えることにより、ヤング率Eは急激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0038】
清澄剤として働く、Sb2O3を加えてもよい。Sb2O3は、生産時の安定性を向上させる。ただし、Sb2O3は、2w%以下で十分で、2w%を越えるとガラスの結晶化が不安定となり析出結晶相を制御できなくなり、求める特性が得られにくくなる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各実施例の結晶化ガラス基板のガラス組成は、すべて酸化物基準の重量%(w%)で表されており、前述の製造方法にて表に示された核形成温度・時間、核成長温度・時間に従って処理され加工されることにより、結晶化ガラス基板となる。
【0040】
各表中に示された結晶相の略称は、Cristがクリストバライト、α-Qがα−クォーツ、LASがリチウムアルミニウムシリケート、LZSがリチウムジンクシリケート、L2Sがリチウムダイシリケートをそれぞれ表し、SSは固溶体(solid solution)を表す。
【0041】
表1〜2に、実施例1〜18の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表3〜4に、実施例1〜18と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例19〜36として示した。さらに、表5〜6に、実施例1〜18と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例37〜54として示した。ただし、実施例1−3,7−14,17,19−21,25−32,35,37−39,43−50,53は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
表7〜8に、実施例55〜75の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表9〜10に、実施例55〜75と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例76〜96として示した。さらに、表11〜12に、実施例55〜75と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例97〜117として示した。ただし、実施例55,57,62,64−70,74,76,78,83,86−91,95,97,99,104,106−112,116は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
表13〜14に、実施例118〜138の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表15〜16に、実施例118〜138と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例139〜159として示した。さらに、表17〜18に、実施例118〜138と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例160〜180として示した。ただし、実施例118,120,125,128−134,137,139,141,146,149−155,158,160,162,167,170−176,179は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0056】
【表13】
【0057】
【表14】
【0058】
【表15】
【0059】
【表16】
【0060】
【表17】
【0061】
【表18】
【0062】
表19〜20に、実施例181〜201の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表21〜22に、実施例181〜201と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例202〜222として示した。さらに、表23〜24に、実施例181〜201と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例223〜243として示した。ただし、実施例181,183,190−196,200,202,204,211−217,221,223,225,232−238,242は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0063】
【表19】
【0064】
【表20】
【0065】
【表21】
【0066】
【表22】
【0067】
【表23】
【0068】
【表24】
【0069】
表25〜26に、実施例244〜264の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表27〜28に、実施例244〜264と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例265〜285として示した。さらに、表29〜30に、実施例244〜264と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例286〜306として示した。ただし、実施例244,246,253−260,263,265,267,274−281,284,286,288,295−302,305は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0070】
【表25】
【0071】
【表26】
【0072】
【表27】
【0073】
【表28】
【0074】
【表29】
【0075】
【表30】
【0076】
表31〜32に、実施例307〜327の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表33〜34に、実施例307〜327と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例328〜348として示した。さらに、表35〜36に、実施例307〜327と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例349〜369として示した。ただし、実施例307,309,313−319,323,326,328,330,334−341,344,347,349,351,355−361,365,368は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0077】
【表31】
【0078】
【表32】
【0079】
【表33】
【0080】
【表34】
【0081】
【表35】
【0082】
【表36】
【0083】
表37〜38に、実施例370〜390の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表39〜40に、実施例370〜390と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例391〜411として示した。さらに、表41〜42に、実施例370〜390と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例412〜432として示した。ただし、実施例370,372,376−382,386,389,391,393,397−403,407,410,412,414,418−424,428,431は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0084】
【表37】
【0085】
【表38】
【0086】
【表39】
【0087】
【表40】
【0088】
【表41】
【0089】
【表42】
【0090】
表43〜44に、実施例433〜453の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表45〜46に、実施例433〜453と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例454〜474として示した。さらに、表47〜48に、実施例433〜453と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例475〜495として示した。ただし、実施例433,435,439−445,449,452,454,456,460−466,470,473,475,477,481−487,491,494は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0091】
【表43】
【0092】
【表44】
【0093】
【表45】
【0094】
【表46】
【0095】
【表47】
【0096】
【表48】
【0097】
表49〜50に、実施例496〜516の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表51〜52に、実施例496〜516と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例517〜537として示した。さらに、表53〜54に、実施例496〜516と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例538〜558として示した。ただし、実施例496,498,502−508,512,515,517,519,523−529,533,536,538,540,544−550,554,557は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0098】
【表49】
【0099】
【表50】
【0100】
【表51】
【0101】
【表52】
【0102】
【表53】
【0103】
【表54】
【0104】
表55〜56に、実施例559〜579の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表57〜58に、実施例559〜579と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例580〜600として示した。さらに、表59〜60に、実施例559〜579と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例601〜621として示した。ただし、実施例559,561,565−574,578,580,582,586−595,599,601,603,607−616,620は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0105】
【表55】
【0106】
【表56】
【0107】
【表57】
【0108】
【表58】
【0109】
【表59】
【0110】
【表60】
【0111】
表61〜62に、実施例622〜643の結晶化ガラス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示した。また、表63〜64に、実施例622〜643と同様のガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例644〜665として示した。さらに、表65〜66に、実施例622〜643と同様のガラス組成に対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例666〜687として示した。ただし、実施例622,624,628−639,642,644,646,650−655,657,661−666,668,672−683,686は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0112】
【表61】
【0113】
【表62】
【0114】
【表63】
【0115】
【表64】
【0116】
【表65】
【0117】
【表66】
【0118】
また、以下の表に、比較例として従来のリチウムダイシリケート系の結晶を主結晶相とする結晶ガラス基板を示した。
【0119】
【表67】
【0120】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、アルカリ金属成分に関し低コロージョンでありながら高い膨張係数を持つ加工性の良好な結晶化ガラス基板を提供することができた。
Claims (1)
- 重量%で
SiO2 55w%以上で64w%以下、
Al2O3 3w%以上で10w%以下、
ZnO 5w%以上で20w%以下、
Li2O 4w%以上で8w%以下、
ZrO2 3.1w%以上で5w%以下、
P2O5 1w%以上で5w%以下、
MgO 0.5w%以上で5w%以下
含有し、
V,Cu,Mn,Cr,Co,Mo,Ni,Fe,Te,Ce,Pr,Nd,Erを含有しないことを特徴とする結晶化ガラス基板。
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