JP2002145639A - 情報記録媒体用の結晶化ガラス基板 - Google Patents

情報記録媒体用の結晶化ガラス基板

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JP2002145639A
JP2002145639A JP2000341221A JP2000341221A JP2002145639A JP 2002145639 A JP2002145639 A JP 2002145639A JP 2000341221 A JP2000341221 A JP 2000341221A JP 2000341221 A JP2000341221 A JP 2000341221A JP 2002145639 A JP2002145639 A JP 2002145639A
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weight
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Hideki Kawai
秀樹 河合
Toshiharu Mori
登史晴 森
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ金属成分に関し低コロージョンであ
りながら高い膨張係数を持つ加工性の良好な結晶化ガラ
ス基板を提供する。 【解決手段】 情報記録媒体用の結晶化ガラス基板であ
って、重量%で以下の各成分を含有している。 SiO2 65w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 ZnO 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク、光
ディスク、光磁気ディスク等の情報記録媒体に用いられ
る基板に適した結晶化ガラス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の磁気記録装置は、磁気
ディスクを基板とする磁気記録媒体と磁気記録再生用ヘ
ッドを主要な要素として構成されている。このうち、磁
気ディスク用の基板としては、アルミニウム基板、ガラ
ス基板等が実用化されている。中でもガラス基板は、表
面の平滑性や機械的強度が優れていることから、最も注
目されている。そのようなガラス基板としては、ガラス
基板表面をイオン交換で強化した化学強化ガラス基板
や、基板に結晶成分を析出させて結合の強化を図る結晶
化ガラス基板が知られている。
【0003】しかしながら、化学強化ガラス基板は、材
料特性上、高強度・高剛性化することができないという
問題があった。これに対して、結晶化ガラス基板は、ア
ルミニウム基板及び化学強化ガラス基板の欠点を補う材
料として、注目されている。
【0004】このような結晶化ガラス基板としては、特
開平11-16142号、特開平11-16143号、特開平10-226532
号、特開平9-208260号に、リチウムダイシリケート結晶
(Li2O・2SiO2)が主結晶相である結晶化ガラス基板が提案
されている。
【0005】また、特開平9-100137号、特開平6-206736
号公報には、ムライト、コージュライトのいずれかの結
晶を主結晶相とし持つ結晶化ガラス基板が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記リチウムダイシリ
ケート結晶(Li2O・2SiO2)が主結晶相である結晶化ガラス
は、高い膨張係数を有しているため、基板を機器に組み
込む際にチャッキング用部材として使用されているステ
ンレス系の材料と熱膨張係数が近いという特徴がある。
このため、これらの結晶化ガラス基板を磁気ディスクと
して機器に組み込む際に、ディスクを回転させるモータ
等によって加熱されても、基板が割れにくいとという特
徴を有している。しかしながら、リチウムダイシリケー
ト結晶(Li2O・2SiO2)が主結晶相である結晶化ガラスは、
コロージョン(特に、基板からのアルカリ金属成分の移
動量)が、非常に大きいという問題を有していた。アル
カリ金属成分の移動量が大きいと、結晶化ガラス基板上
に形成される保護層や磁気記録層をアルカリ金属成分が
侵食し、磁気ディスクの平滑性を低下させたり、保護層
や磁気記録層を改質劣化させてしまう。
【0007】一方、上記ムライト、コージュライトのい
ずれかの結晶を主結晶相として持つ結晶化ガラス基板
は、アルカリ金属成分のコロージョンは低いものの、熱
膨張係数が低いため、これらの結晶化ガラス基板を磁気
ディスクとして機器に組み込む際に、ディスクを回転さ
せるモータ等によって加熱されて、基板が割れてしまう
おそれがあった。また、ムライト、コージュライトのい
ずれかの結晶を主結晶相として持つ結晶化ガラス基板
は、非常に平滑化する際の加工性が悪いという課題もあ
った。
【0008】本発明は、上記課題に鑑み、アルカリ金属
成分に関して低コロージョンでありながら高い熱膨張係
数を持つ加工性の良好な結晶化ガラス基板を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された情報記録媒体用の結晶化ガラ
ス基板は、重量%で以下の各成分を含有することを特徴
とする: SiO2 65w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 ZnO 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。実施形態の結晶化ガラス基板は、重量%で以
下の各成分を含有している。
【0011】 SiO2 65w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 ZnO 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。
【0012】上記のガラス成分を有する系において、Si
O2はガラス形成酸化物であり、主結晶相として析出する
クリストバライト、クリストバライト固溶体、石英、石
英固溶体の成分である。ただし本実施形態において、Si
O2が65w%より少ないと、前述の結晶が析出しにくくなり
望ましくない。一方、SiO2が70w%を越えると、溶融温度
が高くなるとともに失透性が大きくなるため、溶融性が
悪くなり望ましくない。
【0013】Al2O3は、ガラス中間酸化物であり、副結
晶相としてリチウムアルミのシリケート、リチウムアル
ミノシリケート固溶体が析出する場合はこれら結晶相の
構成成分となる。ただし本実施形態において、Al2O3が3
w%より少ないと、機械的強度及び化学的耐久性が得られ
ない。一方、Al2O3が10w%を越えると溶融温度が高くな
り溶融性と失透性が悪化する。
【0014】ZnOは、融剤として働くため均一な結晶析
出を補助する。また、リチウムジンクシリケート、リチ
ウムジンクシリケート固溶体が析出する場合はこれら結
晶相の構成成分となる。ただし本実施形態において、Zn
Oが3w%より少ないと十分な結晶均質化の改善がなされな
い。一方、ZnOが10w%を越えると、ガラスが安定となり
結晶化が抑制され求める強度が得られにくくなる。
【0015】Li2Oは、融剤として働くため生産時の安定
性を向上させる。また、リチウムアルミノシリケート、
リチウムアルミノシリケート固溶体、リチウムジンクシ
リケート、リチウムジンクシリケート固溶体が析出する
場合はこれら結晶相の構成成分となる。ただし本実施形
態において、Li2Oが4w%より少ないと溶融性が悪くな
る。一方、Li2Oが8w%を越えると、結晶層として、リチ
ウムモノシリケート(Li2O・SiO2)及びリチウムダイシ
リケート(Li2O・2SiO2)等の結晶相が析出するため、前
述のアルカリ金属成分に関するコロージョンの値が大き
くなり基板からのアルカリ金属成分の溶出が発生するた
め望ましくない。
【0016】ZrO2は、結晶核剤として有効に機能すると
ともに、ガラス修飾酸化物として機能する。ただし本実
施形態において、ZrO2が1w%より少ないと必要な結晶核
が形成されない。さらに、化学的耐久性および耐マイグ
レーションが低下し、磁気記録層に影響を与える。一
方、5w%を越えると、溶融温度が高くなり失透しやすく
なるため溶融成形が困難となる。また、結晶粒子が粗大
化したり、析出結晶相が変化し求める特性が得られにく
くなる。微細で均質な結晶構造が得られなくなり、研磨
加工において磁気ディスク基板として必要な平滑面が得
られなくなる。
【0017】P2O5は、融剤として働き、さらにシリケー
ト系結晶を析出させる核形成剤であり、ガラス全体に結
晶を均一に析出させるために重要な成分である。ただし
本実施形態において、P2O5が1w%より少ないと必要な結
晶核が形成されない。さらに、化学的耐久性および耐マ
イグレーションが低下し、磁気記録層に影響を与える。
一方、5w%を越えると、溶融温度が高くなり失透しやす
くなるため溶融成形が困難となる。また、結晶粒子が粗
大化したり、析出結晶相が変化し求める特性が得られに
くくなったり、研磨加工において磁気ディスク基板とし
て必要な平滑面が得られなくなる。さらに、溶融時の炉
材に対する反応性が増し、また失透性も強くなることか
ら溶融成形時の生産性が低下する。加えて、ガラス構造
の安定性が低下し、アルカリ金属成分の溶出が発生しや
すくなる。
【0018】以下製造方法を説明する。最終的に生成さ
れるガラス基板の主成分の組成を含む原料を所定の割合
にて充分に混合し、これを白金るつぼあるいはレンガる
つぼに入れ溶融を行う。溶融後金型に流し概略の形状を
形成する。これを室温までアニールする。続いて、50
0〜600℃の1次熱処理温度と1次処理時間により保
持し(熱処理)、結晶核生成が行われる。引き続き、6
00〜750℃の2次熱処理温度と2次処理時間により
保持し結晶核成長を行う。これを除冷することにより目
的とする結晶化ガラスが得られる。
【0019】さらにこれを所望の形状、厚さに研削・研
磨加工を施すことにより、結晶化ガラス基板として利用
できる。
【0020】本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の
条件式(1)を満足している。
【0021】Co < 150 (1) ただし、 Co:2.5インチディスク用基板あたりの水に対するアル
カリ金属成分の移動量[ppb]。
【0022】条件式(1)は、基板からのアルカリ金属成
分の水への移動量の範囲を規定している。アルカリ金属
成分のコロージョンの値は、2.5インチディスク用基板
あたりの水に対するアルカリ金属成分の溶出量[ppb]
で表したものである。移動量の値が150[ppb]を超える
と、結晶化ガラス基板上に形成される保護層や磁気記録
層をアルカリ金属成分が侵食することによって発生する
磁気ディスクの平滑性の低下や、保護層や磁気記録層の
改質劣化が顕著となり、望ましくない。特に、移動量の
値が150[ppb]を超えた領域に存在する結晶化ガラス基
板では、アルカリ金属成分の溶出量が大き過ぎ、基板上
に形成される保護層や磁気記録層への侵食が顕著になり
望ましくない。
【0023】本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の
条件式(2)を満足している。 70 < C.T.E < 150 (2) ただし、 C. T. E.:25℃〜100℃における熱膨張係数[×10-7/
℃]。
【0024】条件式(2)は、熱膨張に関する条件で、結
晶化ガラス基板が満足すべき範囲を25℃〜100℃におけ
る熱膨張係数[×10-7/℃]の数値範囲として規定した
ものである。近年、磁気記録媒体の記録密度向上に伴っ
て、磁気ヘッドと磁気記録媒体(結晶化ガラス基板)の
ポジショニングには、高い精度が要求されているため、
結晶化ガラス基板だけではなく各種構成部品にも高い寸
法精度が要求されている。さらに、寸法精度を維持する
ために結晶化ガラス基板と各種構成部品との間の熱膨張
係数の差も無視できなくなってきている。磁気記録装置
の場合、各種構成部品は、ステンレス系の金属材料で形
成されることが多く、通常25℃〜100℃における熱膨張
係数[×10-7/℃]の値で、90〜100×10-7/℃を有して
いる。したがって、結晶化ガラス基板の熱膨張係数も、
この範囲に対応することが望ましい。すなわち、条件式
(2)の上限及び下限を超えると、各種構成部品との間の
熱膨張係数が大きくなり過ぎ、寸法精度を維持できない
だけでなく、最悪の場合、結晶化ガラス基板を破壊して
しまうことがあり、望ましくない。
【0025】本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の
条件式(3)を満足している。 1.0 < P / PLi < 1.5 (3) ただし、 P:研磨材として酸化セリウム(平均粒径0.5μm)を用
いて、100g/cm2の圧力にて研磨加工した場合の表面平滑
性の値として3Åを達成する場合の単位時間あたりの研
削・研磨取代[μg/min]; PLi:同一条件下でリチウムダイシリケート系の結晶化
ガラス基板を研削・研磨する際に、表面平滑性の値とし
て3Åを達成する場合の単位時間あたりの研削・研磨取
代[μg/min]。
【0026】条件式(3)は、従来のリチウムダイシリケ
ート系の結晶化ガラス基板に対する加工レートを規定し
たものである。条件式(3)の下限を超えると、従来のリ
チウムダイシリケート系の結晶化ガラス基板に対して優
位でなくなる。また、条件式(3)の上限を超えると、加
工時の破損確率(クラック、ピント、スクラッチ等の発
生)が急増し望ましくない。
【0027】本実施形態の結晶化ガラス基板は、以下の
条件式(4)を満足している。 28 < E / ρ < 36 (4) ただし、 E:ヤング率[GPa]; ρ:比重。
【0028】条件式(4)は、ヤング率と比重の比を規定
したものであり、主として結晶化ガラス基板の物理特性
を表すことにより基板固有の共振周波数を定めている。
条件式(4)の下限を超えると、共振周波数の値が小さく
なり過ぎ、磁気記録装置との共振が問題となるととも
に、剛性が低下し望ましくない。逆に、条件式(5)の上
限を超えると、共振周波数が大きくなり過ぎ、汎用で使
用可能な磁気記録装置の設計資産を用いることができな
くなるため、別途専用の設計が必要となり望ましくな
い。特に、条件式(4)の範囲を満足することにより、従
来問題となっているアルミニウム基板の共振周波数域よ
り高く、汎用基板として一般的なガラス材料の共振周波
数域とほぼ同等に設定することが可能となるため、製造
装置の共用が図れ、磁気記録装置のコストダウンの観点
からも望ましい。
【0029】また、前述の必須成分で規定される本実施
形態の結晶化ガラス基板においては、前述の条件式(1)~
(4)の範囲は、以下の通りである。 30 < Co < 100 (1a) 70 < C.T.E < 120 (2a) 1.0 < R / RLi < 1.5 (3a) 28 < E / ρ < 35 (4a) 本実施形態に対し、以下の各成分をそれぞれ定められた
重量%の数値範囲で加えてもよい。以下の各成分を加え
ることにより、ヤング率E[GPa]及び、比重ρの値を調
整することにより、E / ρの値を調整することが可能と
なる。融剤として作用するMgOを加えてもよい。MgOを加
えることにより、粒状の結晶を凝集させ結晶粒子塊を形
成することができる。しかしながら0.5w%より少ないと
作業温度幅が狭くなるとともに、ガラスマトリクス相の
化学的耐久性が向上しない。一方、MgOが5w%を越える
と、他の結晶相が析出してくるため、求める強度を得る
ことが難しくなる。なお、MgOを加えることにより、ヤ
ング率Eは増加する傾向を示しρの値は減少する傾向を
示す。したがって、E / ρの値は増加することになり、
共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0030】融剤として作用するCaOを加えてもよい。C
aOは、高い溶融性、安定した結晶相を形成させることが
できる。CaOが0.5w%より少ないと、十分な溶融性改善が
なされない。逆に、5w%を越えると、ガラスが安定とな
り結晶化が抑制され、求める強度が得られにくくなる。
なお、CaOを加えることにより、ヤング率Eは増加する傾
向を示しρの値は減少する傾向を示す。したがって、E
/ ρの値は増加することになり、共振周波数は高くなる
傾向を示す。
【0031】融剤として作用するBaOを加えてもよい。B
aOは、高い溶融性、安定した結晶相を形成させることが
できる。BaOが0.5w%より少ないと、十分な溶融性改善が
なされない。逆に、5w%を越えると、ガラスが安定とな
り結晶化が抑制され、求める強度が得られにくくなる。
なお、BaOを加えることにより、ヤング率Eは減少する傾
向を示しρの値は急激に増加する傾向を示す。したがっ
て、E / ρの値は減少することになり、共振周波数は低
くなる傾向を示す。
【0032】融剤として作用するSrOを加えてもよい。S
rOは、高い溶融性、安定した結晶相を形成させることが
できる。SrOが0.5w%より少ないと、十分な溶融性改善が
なされない。逆に、5w%を越えると、ガラスが安定とな
り結晶化が抑制され、求める強度が得られにくくなる。
なお、SrOを加えることにより、ヤング率Eは減少する傾
向を示しρの値は増加する傾向を示す。したがって、E
/ ρの値は減少することになり、共振周波数は低くなる
傾向を示す。
【0033】融剤として作用するY2O3を加えてもよい。
ただし、Y2O3が0.1w%より少ないと十分な剛性向上が得
られない。Y2O3が5w%を越えると、結晶析出が抑制さ
れ、十分な結晶化度が得られず、所望の特性が達成され
ない。なお、Y2O3を加えることにより、ヤング率Eは急
激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示す。
したがって、E / ρの値は増加することになり、共振周
波数は高くなる傾向を示す。
【0034】融剤として作用するNb2O5を加えてもよ
い。Nb2O5は結晶核剤物質が増加させる作用を行う。た
だし、Nb2O5が0.1w%より少ないと十分な剛性の向上がな
されない。逆に、5w%を越えると、ガラスの結晶化が不
安定となり、析出結晶相を制御できなくなり、求める特
性が得られにくくなる。なお、Nb2O5を加えることによ
り、ヤング率Eは急激に増加する傾向を示しρの値は増
加する傾向を示す。したがって、E / ρの値は増加する
ことになり、共振周波数は高くなる傾向を示す。
【0035】融剤として作用するTa2O5を加えてもよ
い。Ta2O5は、溶融性、強度を向上させ、またガラスマ
トリクス相の化学的耐久性を向上させる。ただし、Ta2O
5が0.1w%より少ないと十分な剛性の向上がなされない。
逆に5w%を越えると、ガラスの結晶化が不安定となり、
析出結晶相を制御できなくなり、求める特性が得られに
くくなる。なお、Ta2O5を加えることにより、ヤング率E
は急激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示
す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共
振周波数は高くなる傾向を示す。
【0036】融剤として作用するLa2O5を加えてもよ
い。La2O5は、溶融性、強度を向上させ、またガラスマ
トリクス相の化学的耐久性を向上させる。ただし、La2O
5が0.1w%より少ないと十分な剛性の向上がなされない。
逆に5w%を越えると、ガラスの結晶化が不安定となり、
析出結晶相を制御できなくなり、求める特性が得られに
くくなる。なお、La2O5を加えることにより、ヤング率E
は急激に増加する傾向を示しρの値は増加する傾向を示
す。したがって、E / ρの値は増加することになり、共
振周波数は高くなる傾向を示す。
【0037】清澄剤として働くSb2O3を加えてもよい。S
b2O3は、生産時の安定性を向上させる。ただし、Sb2O3
は、2w%以下で十分で2w%を越えるとガラスの結晶化が不
安定となり析出結晶相を制御できなくなり、求める特性
が得られにくくなる。
【0038】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。各実施例の結晶化ガラス基板のガラス組成は、すべ
て酸化物基準の重量%(w%)で表されており、前述の製
造方法にて表に示された核形成温度・時間、核成長温度
・時間に従って処理され加工されることにより、結晶化
ガラス基板となる。
【0039】各表中に示された結晶相の略称は、Crist
がクリストバライト、α-Qがα−クォーツ、LASがリチ
ウムアルミニウムシリケート、LZSがリチウムジンクシ
リケート、L2Sがリチウムダイシリケートをそれぞれ表
し、SSは固溶体(solid solution)を表す。
【0040】表1〜2に、実施例1〜18の結晶化ガラス基
板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示
した。また、表3〜4に、実施例1〜18と同様のガラス組
成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガラ
ス基板を実施例19〜36として示した。さらに、表5〜6
に、実施例1〜18と同様のガラス組成に対し、核成長時
間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例37〜
54として示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表7〜8に、実施例55〜75の結晶化ガラス基
板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示
した。また、表9〜10に、実施例55〜75と同様のガラス
組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結晶化ガ
ラス基板を実施例76〜96として示した。さらに、表11〜
12に、実施例55〜75と同様のガラス組成に対し、核成長
時間を変化させて製造した結晶化ガラス基板を実施例97
〜117として示した。
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】表13〜14に、実施例118〜138の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表15〜16に、実施例118〜138と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例139〜159として示した。さら
に、表17〜18に、実施例118〜138と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例160〜180として示した。
【0055】
【表13】
【0056】
【表14】
【0057】
【表15】
【0058】
【表16】
【0059】
【表17】
【0060】
【表18】
【0061】表19〜20に、実施例181〜201の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表21〜22に、実施例181〜201と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例202〜222として示した。さら
に、表23〜24に、実施例181〜201と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例223〜243として示した。
【0062】
【表19】
【0063】
【表20】
【0064】
【表21】
【0065】
【表22】
【0066】
【表23】
【0067】
【表24】
【0068】表25〜26に、実施例244〜264の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表27〜28に、実施例244〜264と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例265〜285として示した。さら
に、表29〜30に、実施例244〜264と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例286〜306として示した。
【0069】
【表25】
【0070】
【表26】
【0071】
【表27】
【0072】
【表28】
【0073】
【表29】
【0074】
【表30】
【0075】表31〜32に、実施例307〜327の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表33〜34に、実施例307〜327と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例328〜348として示した。さら
に、表35〜36に、実施例307〜327と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例349〜369として示した。
【0076】
【表31】
【0077】
【表32】
【0078】
【表33】
【0079】
【表34】
【0080】
【表35】
【0081】
【表36】
【0082】表37〜38に、実施例370〜390の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表39〜40に、実施例370〜390と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例391〜411として示した。さら
に、表41〜42に、実施例370〜390と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例412〜432として示した。
【0083】
【表37】
【0084】
【表38】
【0085】
【表39】
【0086】
【表40】
【0087】
【表41】
【0088】
【表42】
【0089】表43〜44に、実施例433〜453の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表45〜46に、実施例433〜453と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例454〜474として示した。さら
に、表47〜48に、実施例433〜453と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例475〜495として示した。
【0090】
【表43】
【0091】
【表44】
【0092】
【表45】
【0093】
【表46】
【0094】
【表47】
【0095】
【表48】
【0096】表49〜50に、実施例496〜516の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表51〜52に、実施例496〜516と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例517〜537として示した。さら
に、表53〜54に、実施例496〜516と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例538〜558として示した。
【0097】
【表49】
【0098】
【表50】
【0099】
【表51】
【0100】
【表52】
【0101】
【表53】
【0102】
【表54】
【0103】表55〜56に、実施例559〜579の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表57〜58に、実施例559〜579と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例580〜600として示した。さら
に、表59〜60に、実施例559〜579と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例601〜621として示した。
【0104】
【表55】
【0105】
【表56】
【0106】
【表57】
【0107】
【表58】
【0108】
【表59】
【0109】
【表60】
【0110】表61〜62に、実施例622〜642の結晶化ガラ
ス基板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件ととも
に示した。また、表63〜64に、実施例622〜642と同様の
ガラス組成に対し、核成長温度を変化させて製造した結
晶化ガラス基板を実施例643〜663として示した。さら
に、表65〜66に、実施例622〜642と同様のガラス組成に
対し、核成長時間を変化させて製造した結晶化ガラス基
板を実施例664〜684として示した。
【0111】
【表61】
【0112】
【表62】
【0113】
【表63】
【0114】
【表64】
【0115】
【表65】
【0116】
【表66】
【0117】また、以下の表に、比較例として従来のリ
チウムダイシリケート系の結晶を主結晶相とする結晶ガ
ラス基板を示した。
【0118】
【表67】
【0119】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、アルカリ金属成分に関し低コロージョンでありな
がら高い膨張係数を持つ加工性の良好な結晶化ガラス基
板を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA11 BB01 DA06 DB03 DC01 DD03 DE03 DF01 EA03 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB01 FC02 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM27 NN29 NN33 NN34 QQ02 QQ03 QQ08 QQ09 5D006 CB04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で以下の各成分を含有することを特
    徴とする結晶化ガラス基板: SiO2 65w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 ZnO 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。
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