JP4213537B2 - ロータおよび永久磁石電動装置 - Google Patents

ロータおよび永久磁石電動装置 Download PDF

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Description

本発明は、外周部に駆動用の永久磁石片が設けられるロータおよびそれを備える永久磁石電動装置に関する。
永久磁石片をロータの外周面部に貼り付けたロータが、コイルを備えるステータ内に設けられる永久磁石電動機では、永久磁石片が渦電流損によって発熱するとともに、コイルが発熱する。したがって永久磁石電動機では、永久磁石片およびコイルを冷却する必要がある。外方側に配置されるステータのコイルは、外方から冷却することも可能であるが、内方側に配置されるロータの永久磁石片は、外方から冷却することができないので、ロータおよびステータ間の空隙を利用し、この空隙に軸線方向一端部から他端部に向けて冷却用空気を流下させることによって、コイルと共に冷却している。
永久磁石電動装置の効率を高くするために、前記ロータおよびステータ間の空隙の半径方向寸法ができるだけ小さく構成されており、この空隙に冷却空気を流下させることは困難である。さらに冷却空気は、永久磁石片およびコイルを冷却することによって温度上昇するので、軸線方向一端部付近では、永久磁石片およびコイルを効率良く冷却することができるが、軸線方向他端部に近づくにつれて、永久磁石片およびコイルの冷却効率が悪くなってしまう。
冷却構造を備える永久磁石電動機のロータに関する従来文献技術として、ロータ内部に永久磁石片を埋め込み、永久磁石片の近傍に軸線方向に挿通する通路を形成し、この通路に冷却空気を流し、ロータを冷却する技術が知られている。これら従来文献技術では、通路にロータから軸線方向に突出するように仕切板を設け、または通路を軸線に対して傾斜させて形成することによって、通路に冷却空気を流下させている(たとえば特許文献1および2参照)。
特開2002−78291号公報 特開2001−25209号公報
このような従来の技術は、内部に永久磁石片が埋め込まれたロータにおける冷却構造であり、外周部に永久磁石片が設けられるロータを効率良く冷却できる構造ではない。また冷却空気が軸線方向一端部から他端部に通路内を流下しながら永久磁石片を冷却する構造であり、軸線方向他端部側での冷却効率が悪くなってしまう課題が残り、永久磁石片を均一に冷却することができない。さらに内部に埋め込まれた永久磁石片近傍に通路を形成する構成では、周方向に多数の磁極が形成されるロータに適用することができない。
したがって本発明の目的は、周方向の磁極数に制限がなく、かつ外周部に設けられる永久磁石片を均一に冷却することができるロータおよびそれを備える永久磁石電動装置を提供することである。
請求項1記載の本発明は、駆動用のコイルが設けられる円筒状のステータと、ステータ内に収容されて回転可能に支持され、外周部に駆動用の永久磁石片が設けられるロータとを含む永久磁石電動装置のロータであって、
ロータコアは、外周部を除く部分で周方向に等間隔に配置される偶数個の第1領域に、軸線方向に貫通する第1透孔が形成される第1コア部材と、前記第1領域に対応する第2領域に、軸線方向に貫通する第2透孔が形成され、各第2透孔が周方向に1つおきに半径方向外方に開放される第2コア部材と、前記第1領域に対応する各領域のうち周方向に1つおきの領域となる第3領域に、軸線方向に貫通する第3透孔が形成される第3コア部材とが、軸線方向に積層されて構成され、
ロータコアにおける第1〜第3コア部材の積層構成は、軸線方向両端層が第3コア部材によってそれぞれ構成され、各第3コア部材は、周方向に第1領域の配置間隔角度ずれて配置され、各第3コア部材間における相互に間隔をあけた複数の層が第2コア部材によって構成され、各第2コア部材は、第2領域のうち周方向に1つおきの領域が第3領域と周方向に関して一致するように配置され、軸線方向に隣り合う第2コア部材は、周方向に第1領域の配置間隔角度ずれて配置され、第2および第3コア部材が設けられた層を除く残余の層が第1コア部材によって構成され、各第1コア部材は、第1領域が第2領域と周方向に関して一致するように配置されることを特徴とするロータである。
本発明に従えば、コイルが設けられるステータ内に収容されて回転可能に支持され、外周部に駆動用の永久磁石片が設けられるロータには、第1〜第3コア部材を積層して、ロータコアを構成することによって、ロータコアに、軸線方向一端部で開口するとともに軸線方向他端部で閉塞する第1通路と、軸線方向一端部で閉塞するとともに軸線方向他端部で開口する第2通路とを形成することができる。これら第1および第2通路は、軸線方向に間隔をあけた位置でそれぞれ開口している。これら第1および第2通路は、冷媒供給通路および冷媒回収通路として利用することができる。このようにして3種類のコア部材を用いて、冷媒供給通路および冷媒回収通路が形成されるロータコアを容易に組み立てることができる。
請求項記載の本発明は、駆動用のコイルが設けられる円筒状のステータと、
ステータ内に収容されて回転可能に支持され、外周部に駆動用の永久磁石片が設けられる請求項1に記載のロータと、
ロータに形成される冷媒供給通路に冷媒を供給する冷媒供給手段とを含むことを特徴とする永久磁石電動装置である。
本発明に従えば、冷媒供給手段によってロータの冷媒供給通路に冷媒を供給することによって、永久磁石片およびコイルを効率良く冷却することができる永久磁石電動装置を実現することができる。
請求項記載の本発明によれば、第1〜第3コア部材を積層して、つまり3種類のコア部材を積層して、ロータコアを構成することによって、冷媒供給通路および冷媒回収通路が形成されるロータコアを容易に組み立てることができる。
請求項記載の本発明によれば、永久磁石片およびコイルを効率良く冷却することができる永久磁石電動装置を実現することができる。
図1は、本発明の実施の一形態のロータ1を備える永久磁石電動機2を示す断面図である。電動機2は、駆動用のコイルが設けられるステータ3と、駆動用の永久磁石片が設けられるロータ1と、を備える永久磁石電動装置である。電動機2は、ケーシング4を有しており、このケーシング4内にステータ3およびロータ1が収容されている。図解を容易にするために、永久磁石片およびコイルは、図示を省略する。
ステータ3は、円筒状であり、ケーシング4に固定される。ロータ1は、ロータ本体5とロータ本体5を同軸に挿通するロータ軸6とを有し、ロータ本体5の外周部に永久磁石片が設けられている。このロータ1は、ステータ3内に同軸に収容された状態で、ケーシング4によって、ロータ軸6が支持され、ロータ軸6の軸線であるロータ1の軸線Lまわりに回転可能に設けられる。
電動機2は、コイルが通電されることによって、永久磁石片とコイルとの磁気的作用によってロータ1が回転する。このようにロータ1を回転させるとき、永久磁石片が渦電流損によって発熱するとともに、コイルが通電されることによって発熱する。このような発熱は、電動機の性能低下に繋がるので、永久磁石片およびコイルを冷却する必要がある。
外方側に配置されるステータ3のコイルは、外側からの冷却も可能であるが、内方側に配置されるロータ1は、外側から冷却することができないので、冷媒供給手段8を設け、この冷媒供給手段8によって、ロータ1とステータ3との間の半径方向のギャップ(以下、単に「ギャップ」という場合がある)7に、冷媒としての冷却空気を供給して流下させて、ロータ1の外周部に設けられる永久磁石片を冷却する。
図2は、ロータ1の一部を簡略化して示す斜視図である。図3は、ロータ1の一部を示す断面図である。図4は、ロータ1の一部を図3と異なる角度位置で切断して示す断面図である。図3および図4は、共に軸線Lを含む平面で切断した断面図であり、相互に軸線まわりに45度ずれた平面で切断した断面図である。図1を併せて参照して、ロータ1のロータ本体5は、ロータコア10の外周部に永久磁石片(図解容易のために図示省略)が貼着されて構成される。ロータコア10は、軸線付近の中央部に軸線方向に挿通する軸挿通孔11が形成されており、この軸挿通孔11にロータ軸6が挿通される。
ロータコア10には、軸線方向に間隔をあけた複数の吐出口12によって、外周部で開口する冷媒供給通路13が形成される。冷媒供給通路13は、ロータコア10の内周部および外周部を避けて、その間に挟まれる中間部において軸線方向に延び、軸線方向一端部で開口するとともに軸線方向他端部で閉塞する供給本通路部14と、供給本通路部14から軸線方向に間隔をあけた複数の位置で分岐して半径方向外方に延び、外周部で開口する供給枝通路部15とを有する。したがって各供給枝通路部15が各吐出口12でそれぞれ開口している。
またロータコア10には、軸線方向に間隔をあけた複数の吸込口16によって、外周部で開口する冷媒回収通路17形成される。冷媒回収通路17は、ロータコア10の内周部および外周部を避けて、その間に挟まれる中間部において軸線方向に延び、軸線方向一端部で閉塞するとともに軸線方向他端部で開口する回収本通路部18と、回収本通路部18から軸線方向に間隔をあけた複数の位置で分岐して半径方向外方に延び、外周部で開口する回収枝通路部19とを有する。したがって各回収枝通路部19が各吸込口16でそれぞれ開口している。
本実施の形態では、ロータコア10には、4つの冷媒供給通路13と、これと同数である4つの冷媒回収通路17とが形成される。各冷媒供給通路13は、周方向に等間隔毎、したがって90度毎に、相互に独立して形成される。各冷媒回収通路17は、周方向に等間隔毎、したがって90度毎に、相互に独立して形成される。各冷媒供給通路13と各冷媒回収通路17とは、周方向に関して交互に形成され、周方向に隣接する冷媒供給通路13と冷媒回収通路17とは、相互に45度ずつずれた位置に形成されている。
また各吐出口12は、軸線方向に等間隔に並んで形成され、かつ周方向に等間隔に並んで形成され、各吸込口16は、軸線方向に等間隔に並んで形成され、かつ周方向に等間隔に並んで形成されている。周方向に隣接する冷媒供給通路13の各吐出口12と冷媒回収通路17の各吸込口16とは、周方向に45度ずれた位置で、軸線方向に隣接する2つの吐出口12間に吸込口16がそれぞれ1つずつ形成されるように形成される。いわばロータコア10には、各吐出口12および各吸込口16から成る開口群が、千鳥状に形成されている。
図5は、第1コア部材21を示す正面図である。図6は、第2コア部材22を示す正面図である。図7は、第3コア部材23を示す正面図である。ロータコア10は、複数のコア部材21〜23を用いて、これら各コア部材21〜23が軸線方向に積層されて構成される。各コア部材21〜23は、第1コア部材21、第2コア部材22および第3コア部材23の3種類のコア部材を有する。
第1コア部材21は、ロータコア10の外径と同一の外径の円板に、中央部の軸孔25と、軸孔25を外囲するように周方向に並べて、偶数、本実施の形態では8つの第1透孔26が形成された構成である。軸孔25は、ロータコア10の軸挿通孔11を構成する円形状の孔であり、軸線方向に挿通して形成される。
各第1透孔26は、外周部を除く部分で周方向に等間隔に配置される偶数個、本実施の形態では周方向に45度毎に配置される8個の第1領域に、軸線方向に貫通して形成される。各第1領域は、互いに独立しており、軸孔25に臨む内周部を除く部分に配置されている。各第1透孔26は、略台形状であり、短い底辺に相当する部分を半径方向内方側に配置して形成されている。これら各第1透孔26は、相互に独立しているとともに、軸孔25からも独立し、さらに半径方向外方にも開放されていない。
第2コア部材22は、ロータコア10の外径と同一の外径の円板に、中央部の軸孔27と、軸孔27を外囲するように周方向に並べて、第1透孔26と同数である8つの第2透孔28が形成された構成である。軸孔27は、第1コア部材21の軸孔25と同様の構成であり、ロータコア10の軸挿通孔11を構成する円形状の孔であり、軸線方向に挿通して形成される。
各第2透孔28は、第1領域に対応する領域であって、かつ外周部を除く部分で周方向に等間隔に配置される偶数個、本実施の形態では8個の第2領域に、軸線方向に貫通して形成される。第1領域と対応する領域とは、第1および第2コア部材21,22を軸線方向に重ね合せたときに第1領域と一致する領域である。各第2領域は、互いに独立しており、軸孔27に臨む内周部を除く部分に配置されている。各第2透孔28は、第1透孔26と同様の構成であり、略台形状であり、短い底辺に相当する部分を半径方向内方側に配置して形成されている。
さらに各第2領域のうち周方向に関して1つおきの領域の半径方向外方側の領域は、切除されている。したがって各第2透孔28は、周方向に1つおきに半径方向外方に開放される。このように各第2透孔28は、相互に独立しているとともに、軸孔25からも独立し、さらに周方向1つおきに半径方向外方に開放し、残余は半径方向外方に開放されていない。つまり各第2透孔28は、半径方向外方に開放されない第2透孔28aと、半径方向外方に開放される第2透孔28bとが、周方向に交互に形成される。以下、不特定の第2透孔を指す場合には、添え字「a」,「b」を省略する。
第3コア部材23は、ロータコア10の外径と同一の外径の円板に、中央部の軸孔29と、軸孔29を外囲するように周方向に並べて、第1透孔26の半数である4つの第3透孔30が形成された構成である。軸孔29は、第1コア部材21の軸孔25と同様の構成であり、ロータコア10の軸挿通孔11を構成する円形状の孔であり、軸線方向に挿通して形成される。
各第3透孔30は、第1領域に対応する領域のうち周方向に1つおきの領域となる第3領域に、軸線方向に貫通して形成される。各第3領域は、互いに独立しており、軸孔29に臨む内周部を除く部分に配置されている。各第3透孔30は、同様の構成であり、略台形状であり、短い底辺に相当する部分を半径方向内方側に配置して形成されている。図7には、第1領域と対応する領域であって、かつ第3透孔が形成されない領域を仮想線で示す。
このような図5〜図7に示す第1〜第3コア部材21〜23が、軸線方向に積層されて、ロータコア10が構成される。ロータコア10における第1〜第3コア部材21〜23の具体的な積層構成は、軸線方向両端層が第3コア部材23によってそれぞれ構成され、第3コア部材23が配置される軸線方向両端層間の中間層群のうち、軸線方向に間隔をあけた複数の層が、第2コア部材22によって構成され、第2および第3コア部材22,23が設けられた層を除く残余の層が第1コア部材21によって構成される。本実施の形態では、第2コア部材22は、たとえば、第3コア部材23から5層の間隔をあけて6層目に設けられるとともに、相互に5層の間隔をあけて6層目毎に設けられている。
軸線方向両端に配置される各第3コア部材23は、軸線方向一端部から他端部に向かって見たときに、図7(1)および図7(2)のように、周方向に第1領域の配置間隔角度、具体的には45度ずれて配置される。つまり各第3コア部材23は、第3透孔30が、周方向に45度ずれるように、配置されている。
各第2コア部材22は、第2領域のうち周方向に1つおきの領域が第3コア部材23の第3領域と周方向に関して一致するように配置される。さらに詳細には、第2領域のうち周方向に1つおきの領域が一方の第3コア部材23の第3領域と一致し、第2領域のうちの残余の領域が他方の第3コア部材23の第3領域と一致するように配置される。また軸線方向に隣り合う2つの第2コア部材22は、周方向に第1領域の配置間隔角度、具体的には45度ずれて配置される。つまり軸線方向に隣り合う2つの第2コア部材22は、一方の第2コア部材22の外方に開放されない第2透孔28aと、他方の第2コア部材22の外方に開放される第2透孔28bとが一致し、他方の第2コア部材22の外方に開放されない第2透孔28aと、一方の第2コア部材22の外方に開放される第2透孔28bとが一致するように、配置される。
各第1コア部材21は、第1領域が各第2コア部材22の第2領域28と周方向に関して一致するように配置される。また第1〜第3コア部材21〜23は、同軸に配置されており、各軸孔25,27,29が軸線方向に垂直な面内で一致するように配置されている。
このように第1〜第3の3種類のコア部材21〜23を組み合わせて積層することによって、前述のような冷媒供給通路13および冷媒回収通路17が形成されるロータコア10を形成することができる。つまりロータコア10には、軸線方向一端部で開口するとともに、外周部における軸線方向および周方向に間隔をあけた複数の位置で開口する冷媒供給通路13が形成され、軸線方向他端部で開口するとともに、外周部における軸線方向および周方向に間隔をあけた複数の位置で開口する冷媒回収通路17が形成される。
なお各第1〜第3コア部材21〜23は、たとえばキーなどを用いてロータ軸6に回り止めされて設けられる。また永久磁石片は、各吐出口12および各吸込口16が形成される領域を除く領域における外周部に貼着されている。
このようなロータ1を備える電動機2において、冷媒供給手段8によって、ロータ1の軸線方向両端部付近に、一端部付近が高圧となりかつ他端部付近が低圧となる差圧を与えることによって、矢符Aで示すように、冷却空気をロータコア10の軸線方向一端部に向けて供給することができ、その冷却空気を、矢符Bで示すように、冷媒供給通路13に供給することができる。冷媒供給手段8は、たとえばロータコア10の軸線方向一端部付近に向けて冷却空気を送る送風ファン8aと、ロータコア10の軸線方向他端部付近から冷却空気を吸引する吸引ファン8bとから構成されてもよい。この冷媒供給手段8は、外部から空気を取り込んで、その空気を冷却空気としてロータコア10の軸線方向一端部付近に向けて送り、かつロータコア10の軸線方向他端部付近から吸引した冷却空気を外部に排出する構成であってもよい。またロータコア10の軸線方向他端部付近から吸引した冷却空気を熱交換器などを用いて冷却させ、ロータコア10の軸線方向一端部付近に向けて送る構成、つまり熱交換器が介在される循環路を循環させる構成であってもよい。
このように構成すれば、冷媒供給手段8によって、冷媒供給通路13に供給される冷却空気は、ロータ1の内部を流下して、矢符Cで示すように、外周部で開口する各吐出口12から吐出され、ロータ1とステータ3とのギャップ7に供給することができる。このように軸線方向および周方向に間隔をあけて散在して形成される複数の吐出口12から冷却空気を吐出させることができるので、ギャップ7に軸線方向および周方向に分散させて冷却空気を供給することができる。
これによってギャップ7に軸線方向一端部から、直接、冷却空気を供給する構成に比べて、冷媒供給通路13からギャップ7に冷却空気を容易に供給することができ、しかも冷却空気は、冷媒供給通路を流下する間は昇温されないので、温度の低い冷却空気を、軸線方向および周方向に分散させて供給することができる。したがってロータ1の外周部に設けられる永久磁石片を効率良く均一に冷却することができるうえ、前記ギャップ7に臨むステータ3のコイルも効率良く均一に冷却することができる。
さらにギャップ7の冷却空気を、矢符Dで示すように、たとえばその冷却空気が吐出された吐出口12近傍の吸込口16など、ロータ1の外周部の各吸込口16から吸い込んで回収し、冷媒回収通路17によって軸線方向他端部に導いて、矢符E、Fで示すように排出することができる。このように軸線方向および周方向に間隔をあけて形成される複数の吸込口16から冷却空気を吸い込むことができるので、冷媒供給通路13によって供給され永久磁石片およびコイルを冷却して昇温したギャップの冷却空気を回収することができる。これによってギャップ7に分散している昇温した冷却空気を容易に回収することができ、ギャップ7の冷却空気を温度の低い冷却空気と迅速に交換し、冷却効率を向上することができる。
さらに前述のような冷却構造を成し得るロータ1は、第1〜第3コア部材21〜23を積層して、ロータコア10を構成することによって実現できる。つまり第1〜第3コア部材21〜23を積層することによって、ロータコア10に、軸線方向一端部で開口するとともに軸線方向他端部で閉塞する第1通路と、軸線方向一端部で閉塞するとともに軸線方向他端部で開口する第2通路とを形成することができる。これら第1および第2通路は、軸線方向に間隔をあけた位置でそれぞれ開口している。これら第1および第2通路は、冷媒供給通路13および冷媒回収通路17となる。このようにして3種類のコア部材21〜23を用いて、冷媒供給通路13および冷媒回収通路17が形成されるロータコア10を容易に組み立てることができる。
しかも第1〜第3コア部材21〜23は、前述のような極めて単純な構造であり、製造が容易である。また組立も、予め定める周方向一カ所の基準位置を、他の部材の同様の基準位置と合せるかまたは第1領域の配置間隔角度(45度)ずらして積層すればよく、つまり周方向に関して2位置の位置決めができればよく、容易に組み立てることができる。
そしてこのようなロータ1を備えることによって、冷媒供給手段8によってロータ1の冷媒供給通路13に冷却空気を供給することによって、永久磁石片およびコイルを効率良く冷却することができる電動機2を実現することができる。このような電動機2は、たとえば船舶のポッド(POD)推進機に内蔵される電動機として用いることができる。POD推進機では、全体が海水中など水中に埋没され、外部から水冷される構成であるので、ロータ1の冷却を主とする本発明の構造が有効である。もちろんPOD推進機の電動機以外として用いられてもよい。
またこのような構成は、外周部における吐出口12および吸込口16が形成される部分には永久磁石片を設けることができないが、それ以外の部分には永久磁石片を設けることができ、磁極数に制限がなく、たとえば周方向に48極形成するような多極の電動機にも好適に実施することができる。しかもロータ1だけの構成で実現することができ、ステータ3の構成に制限を受けることがなく、設計上の自由度を高くすることができる。
図8は、本発明の実施の他の形態のロータ1Aを備える電動機2Aを示す断面図である。本実施の形態の電動機2Aは、図1〜図7の前述の実施の形態の電動機2と類似しており、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態では、ロータ1Aには、冷媒供給通路13は形成されるが、冷媒回収通路17は形成されない。ロータ1Aの構造自体は、前述の実施の形態のロータ1と同様であり、第1〜第3コア部材21〜23が同様に積層されて、軸線方向一端部で開口するとともに軸線方向他端部で閉塞する第1通路と、軸線方向一端部で閉塞するとともに軸線方向他端部で開口する第2通路とを形成されている。これら第1および第2通路が、両方とも冷媒供給通路13として用いられる。
本実施の形態では、冷媒供給手段8Aは、ロータ1Aの軸線方向両端部付近に冷却空気を供給する2つの送風ファン8aを有している。冷媒供給手段8Aによって、ロータコア10の軸線方向両端部付近に、矢符Aで示すように、冷却空気を供給することによって、その冷却空気を、矢符Bで示すように、冷媒供給通路13に供給することができる。冷媒供給手段8Aは、前述の実施の形態の冷媒供給手段8と同様に、外部から空気を取り込んで、その空気を冷却空気としてロータコア10の軸線方向両端部付近に向けて送る構成でもよい。さらに熱交換器が介在される循環路を循環させる構成でもよい。このようにして、冷却空気を、ロータ1Aの内部を流下させて、矢符Cで示すように各吐出口12から吐出させ、ギャップ7に軸線方向および周方向に分散させて供給することができる。
さらに本実施の形態では、ステータ3Aに、軸線方向に間隔をあけて複数の冷媒排出孔35が形成されている。各冷媒排出孔35は、ステータ3Aを半径方向に挿通して形成されている。これによってギャップ7に供給された冷却空気は、矢符Gで示すように、各冷媒排出孔35を流下してステータの外方に排出し、矢符Hで示すように回収する。
このような構成であっても、ギャップ7に軸線方向一端部から、直接、冷却空気を供給する構成に比べて、冷媒供給通路13からギャップ7に冷却空気を容易に供給することができ、しかも冷却空気は、冷媒供給通路を流下する間は昇温されないので、温度の低い冷却空気を、軸線方向および周方向に分散させて供給することができる。したがってロータ1Aの外周部に設けられる永久磁石片を効率良く冷却することができるうえ、前記ギャップ7に臨むステータ3Aのコイルも効率良く冷却することができる。
もちろんロータコア10を第1〜第3コア部材21〜23によって構成する効果を同様に達成することができる。またこのようにステータ3Aを半径方向に流下させて冷却空気を回収する構成において、ロータ1の軸線方向一端部からギャップ7に導く通路と、ロータ1の軸線方向他端部からギャップ7に導く通路とを独立させ、各通路によってロータ1Aの全体にわたって分散させて冷却空気を供給するので、万一、冷媒供給手段8Aが故障するなどして、軸線方向両端部のいずれかへの冷却空気の供給ができなくなっても、ギャップ7に冷却空気を分散させて供給することができ、信頼性の高い電動機を実現することができる。
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえばロータには、周方向に45度毎に8つの通路が形成される構成であったけれども、これに限定されることはなく、偶数個の通路が形成され、交互に、軸線方向一端部で開口する通路と軸線方向他端部で開口する通路とが形成される構成であればよい。また第1〜第3部材21〜23の具体的形状も限定されることはなく、また層構成も限定されることはない。たとえば第1〜第3コア部材21〜23に形成される第1〜第3透孔26,28,30は、円形など他の形状であってもよいし、軸線方向に隣り合う第2コア部材22間に配置される第1コア部材21の枚数は、1〜4および6枚以上であってもよい。もちろん第1〜第3コア部材21〜23の1枚の厚み(軸線方向寸法)は、限定されず、相互に同一であってもよいし、異なってもよい。また各吐出口12および各吸込口16は、均一に分散させて形成してもよいし、不均一に分散させて形成してもよい。たとえば熱の発生量の分布などに基づいて配置するようにしてもよい。
本発明の実施の一形態のロータ1を備える電動機2を示す断面図である。 ロータ1の一部を簡略化して示す斜視図である。 ロータ1の一部を示す断面図である。 ロータ1の一部を図3と異なる角度位置で切断して示す断面図である。 第1コア部材21を示す正面図である。 第2コア部材22を示す正面図である。 第3コア部材23を示す正面図である。 本発明の実施の他の形態のロータ1Aを備える電動機2Aを示す断面図である。
符号の説明
1,1A ロータ
2,2A 永久磁石電動機
3,3A ステータ
4 ケーシング
5 ロータ本体
6 ロータ軸
10 ロータコア
11 軸挿通孔
12 吐出口
13 冷媒供給通路
16 吸込口
17 冷媒回収通路
21 第1コア部材
22 第2コア部材
23 第3コア部材
26 第1透孔
28 第2透孔
30 第3透孔

Claims (2)

  1. 駆動用のコイルが設けられる円筒状のステータと、ステータ内に収容されて回転可能に支持され、外周部に駆動用の永久磁石片が設けられるロータとを含む永久磁石電動装置のロータであって、
    ロータコアは、外周部を除く部分で周方向に等間隔に配置される偶数個の第1領域に、軸線方向に貫通する第1透孔が形成される第1コア部材と、前記第1領域に対応する第2領域に、軸線方向に貫通する第2透孔が形成され、各第2透孔が周方向に1つおきに半径方向外方に開放される第2コア部材と、前記第1領域に対応する各領域のうち周方向に1つおきの領域となる第3領域に、軸線方向に貫通する第3透孔が形成される第3コア部材とが、軸線方向に積層されて構成され、
    ロータコアにおける第1〜第3コア部材の積層構成は、軸線方向両端層が第3コア部材によってそれぞれ構成され、各第3コア部材は、周方向に第1領域の配置間隔角度ずれて配置され、各第3コア部材間における相互に間隔をあけた複数の層が第2コア部材によって構成され、各第2コア部材は、第2領域のうち周方向に1つおきの領域が第3領域と周方向に関して一致するように配置され、軸線方向に隣り合う第2コア部材は、周方向に第1領域の配置間隔角度ずれて配置され、第2および第3コア部材が設けられた層を除く残余の層が第1コア部材によって構成され、各第1コア部材は、第1領域が第2領域と周方向に関して一致するように配置されることを特徴とするロータ。
  2. 駆動用のコイルが設けられる円筒状のステータと、
    ステータ内に収容されて回転可能に支持され、外周部に駆動用の永久磁石片が設けられる請求項1に記載のロータと、
    ロータに形成される冷媒供給通路に冷媒を供給する冷媒供給手段とを含むことを特徴とする永久磁石電動装置。
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