JP4213513B2 - パレット - Google Patents

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JP4213513B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物の運搬や保管等のために使用されるパレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、それぞれ一体成形された上部デッキ部材と下部デッキ部材とを、同じく一体成形された桁部材により連結することにより、組み立てられたパレットが知られている(例えば、特表2002−516792号公報、特許第2518711号公報等)。
【0003】
また、本出願人は、先の出願(特願2002−77798)において、上部デッキ部材と、下部デッキ部材と、前記上部デッキ部材と下部デッキ部材とを連結する連結部材とにより組み立てられたパレットを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のパレットにおいては、上下部デッキ部材と桁部材の連結が、桁部材に形成された係止突起を、上下部デッキ部材に形成されたリブやフランジに引っ掛けるようにしただけであるので、上下部デッキ部材と桁部材の連結強度が十分ではなく、組み立てられたパレットに、落下等により衝撃が加わった際に、分解し易いという問題があった。
【0005】
また、上下部デッキ部材の桁部材との連結部分の強度や剛性が弱いために、上下部デッキ部材の桁部材とにより組み立てられたパレットが撓んだり、分解し易いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来のパレットが有する課題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、上部デッキ部材と、下部デッキ部材と、前記上部デッキ部材と下部デッキ部材とを連結する連結桁部材とにより組み立てられたパレットにおいて、前記上部デッキ部材と下部デッキ部材の桁嵌合部には、略角筒状の外周壁と、該外周壁から所定の間隙をおいて形成された周辺板部材と、所定の間隙をおいて配置された一対の垂直板材からなる保持部材と、所定の間隙をおいて配置された一対の垂直板材と該垂直板材の先端部に形成された互いに接近する方向に延在する係止爪とを有する係止雌部材とが形成されており、また、前記連結桁部材には、前記桁嵌合部を構成する外周壁と周辺板部材との間に形成された間隙に嵌合される略角筒状の筒部と、前記桁嵌合部を構成する保持部材の一対の垂直板材に嵌合される仕切り壁と、前記桁嵌合部を構成する係止雌部材の係止爪が係止される係止スリットを有する係止雄壁部材とが形成されており、更に、前記桁嵌合部を構成する係止雌部材の一方の垂直板材が、前記桁嵌合部を構成する略角筒状の外周壁の相対する側壁を連結する補強リブの一部を形成するように構成したものである。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0009】
図1に示されているように、本発明のパレットは、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbと複数の連結桁部材Cとから構成されており、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbとを、連結桁部材Cにより連結することによりパレットが組み立てられるように構成されている。
【0010】
図1や図2に示されているように、上部デッキ部材Paは、平面形状が、略方形状の上部デッキボード1を有しており、上部デッキボード1は、後述する桁嵌合部が配設されている以外の部分は、縦横に走る交差リブ1a、1bにより構成されている。勿論、上部デッキボード1を、板材と、板材の裏面に垂設された交差リブとから構成することもできる。
【0011】
図1や図3に示されているように、下部デッキ部材Pbは、額縁状に配置された4つのの周辺桟部2と、相対する周辺桟部2の中央部を連結する連結桟部3とを有しており、周辺桟部2と連結桟部3とにより囲まれた領域4は、開口として形成されている。なお、下部デッキ部材Pbを、上述した上部デッキ部材Paと同一構造に構成することもできる。
【0012】
上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbの4つの隅部には、それぞれ、角筒状の隅桁嵌合部5が形成されており、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbの隅桁嵌合部5の間には、それぞれ、角筒状の中間桁嵌合部6が形成されており、更に、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbの中央部には、それぞれ、角筒状の中央桁嵌合部7が形成されている。
【0013】
次に、上部デッキ部材Pa及び下部デッキ部材Pbに形成された隅桁嵌合部5、中間桁嵌合部6及び中央桁嵌合部7について説明するが、これら隅桁嵌合部5、中間桁嵌合部6及び中央桁嵌合部7の基本的な構成は同じであるので、図4及び図5を用いて、下部デッキ部材Pbに形成された隅桁嵌合部5の構成について説明する。
【0014】
隅桁嵌合部5は、略角筒状の外周壁5aを有しており、外周壁5aの一方の相対する側壁5a1の略中間領域には、一方の相対する側壁5a1に沿って、所定の間隔を置いて複数の保持部材H1が配設されている。保持部材H1は、所定の間隙を置いて配置された一対の垂直板材h1から構成されており、一対の垂直板材h1間に形成されている間隙が、一直線状に並ぶように配置されている。本実施例には、一例として、3個の保持部材H1が配設されている例が示されている。なお、h2は、一対の垂直板材h1の相対する側面に対して反対側の側面に形成された三角形状の補強リブである。
【0015】
また、外周壁5aの内壁に沿って、且つ、外周壁5aから所定の間隙を置いて、周辺板部材H2が、適当数、配設されている。h3は、外周壁5aの内壁に対して反対側に位置する、周辺板部材H2の側面に、適宜、形成された、上述した補強リブh2と同様の三角形状の補強リブである。
【0016】
Gは、図6に示されているように、所定の間隔を置いて配置された一対の垂直板材g1と、垂直板材g1の先端部から、互いに対向するとともに互いに接近する方向に延在する係止爪g2とからなる係止雌部材であり、一対の係止爪g2の先端間には、所定の間隙が形成されている。また、一対の垂直板材g1の先端部の対向する側面は、下方から上方に行くに従って、外側に傾斜した傾斜面g3として形成されており、係止雌部材Gの上部には、楔状空間部g4が形成されている。
【0017】
本実施例には、直線状に3個配設された保持部材H1を挟んで位置する隅桁嵌合部5の2つの領域には、それぞれ、複数の係止雌部材Gが、隣り合う係止雌部材Gを構成する垂直板材g1が、互いに平行になるように配設されており、且つ、垂直板材g1が、外周壁5aのもう一方の相対する側壁5a2と略平行になるように配置されている。なお、本実施例には、直線状に3個配設された保持部材H1を挟んで位置する隅桁嵌合部5の2つの領域には、それぞれ、3個の係止雌部材Gが配設されている例が示されており、従って、隅桁嵌合部5内には、合計6個の係止雌部材Gが配設されている例が示されている。また、直線状に3個配設された保持部材H1を挟んで位置する隅桁嵌合部5の2つの領域に、それぞれ配設された3個の係止雌部材Gは、等間隔に配設されておらず、中間に位置する係止雌部材(以下、中間係止雌部材と称し、符号Gcを付す。)は、両側に位置する係止雌部材Gのうち、一方の係止雌部材Gに、より近づいて配置されている。以下、便宜的に、両側に位置する係止雌部材Gのうち、中間係止雌部材Gcに、より近づいて配置された係止雌部材Gを、中間係止雌部材側の端部係止雌部材と称し、符号Ge1を付し、中間係止雌部材Gcに、より遠い位置にある係止雌部材Gを、単に、端部係止雌部材と称し、符号Ge2を付す。
【0018】
直線状に3個配設された保持部材H1を挟んで位置する隅桁嵌合部5の2つの領域にそれぞれ配設された、中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1及び端部係止雌部材Ge2の配置は、平面的に見て、隅桁嵌合部5の中心点に対して、点対称になるように構成されている。また、隅桁嵌合部5には、外周壁5aと所定の周辺板部材H2との間に延在するとともに、外周壁5aの上端まで延在する位置決め挿入片T1が形成されている。
【0019】
上述した保持部材H1、周辺板部材H2及び係止雌部材G(中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1、端部係止雌部材Ge2)は、略同じ高さに形成されており、また、隅桁嵌合部5の外周壁5aの高さと同じか、或いは、外周壁5aより、低く形成されている。
【0020】
8は、隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aの一方の相対する側壁5a1を連結する補強リブであり、もう一方の相対する側壁5a2に略平行に複数配設されている。本実施例には、係止雌部材G(中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1、端部係止雌部材Ge2)を構成する一方の垂直板材g1が、補強リブ8の一部を形成するように構成されている。即ち、補強リブ8が、側壁5a1と係止部材Gの一方の垂直板材g1間に位置する部分(補強リブ8の両端部に位置する部分)8a、2個の係止部材Gを構成する垂直板材g1及び2個の係止部材Gの垂直板材g1間を連結する部分8bとにより構成されている。勿論、係止部材Gの垂直板材g1を利用することなく、補強リブ8を、外周壁5aの一方の相対する側壁5a1を直接連結する連結リブとして構成することもできる。本実施例には、3本の補強リブ8が配設されている例が示されているが、1本や2本配設することも、或いは、4本以上配設することもできる。
【0021】
9は、隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aのもう一方の相対する側壁5a2を連結する補強リブであり、補強リブ9は、一方の相対する側壁5a1に略平行に配設されている。本実施例には、一本の補強リブ9が配設されているが、複数本の補強リブ9を配設することもできる。
【0022】
上述したように、隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aの一方の相対する側壁5a1及びもう一方の相対する側壁5a2を連結する補強リブ8、9を配設したことにより、隅桁嵌合部5の強度及び剛性を高めることができる。なお、隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aの一方の相対する側壁5a1を連結する補強リブ8或いは隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aのもう一方の相対する側壁5a2を連結する補強リブ9のいずれか一方の補強リブ8、9を省略することもできる。
【0023】
図7に示されているように、中間桁嵌合部6も、隅桁嵌合部5と同様に、略角筒状の外周壁5aを有しており、外周壁6aの一方の相対する側壁6a1の略中間領域には、一方の相対する側壁6a1に沿って、所定の間隔を置いて複数の保持部材H1が配設されており、また、外周壁6aの内壁に沿って、且つ、外周壁6aから所定の間隙を置いて、周辺板部材H2が、適当数、配設されている。また、直線状に3個配設された保持部材H1を挟んで位置する中間桁嵌合部6の2つの領域にも、それぞれ3個の係止雌部材G(中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1、端部係止雌部材Ge2)が形成されている。更に、中間桁嵌合部6を構成する外周壁6aの一方の相対する側壁6a1を連結する補強リブ8が、もう一方の相対する側壁6a2に略平行に配設されており、また、外周壁6aのもう一方の相対する側壁6a2を連結する補強リブ9が、一方の相対する側壁6a1に略平行に配設されている。
【0024】
図7に示されているように、中央桁嵌合部7も、隅桁嵌合部5と同様に、略角筒状の外周壁7aを有しており、外周壁7aの一方の相対する側壁7a1の略中間領域には、一方の相対する側壁7a1に沿って、所定の間隔を置いて複数の保持部材H1が配設されており、また、外周壁7aの内壁に沿って、且つ、外周壁7aから所定の間隙を置いて、周辺板部材H2が、適当数、配設されている。また、直線状に3個配設された保持部材H1を挟んで位置する中央桁嵌合部7の2つの領域にも、それぞれ3個の係止雌部材G(中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1、端部係止雌部材Ge2)が形成されている。更に、中央桁嵌合部7を構成する外周壁7aの一方の相対する側壁7a1を連結する補強リブ8が、もう一方の相対する側壁7a2に略平行に配設されており、また、外周壁7aのもう一方の相対する側壁7a2を連結する補強リブ9が、一方の相対する側壁7a1に略平行に配設されている。なお、中央桁嵌合部7には、外周壁7aと、所定の周辺板部材H2との間に延在するとともに、外周壁7aの上端まで延在する位置決め挿入片T2が形成されている。
【0025】
次に、上述した上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbの隅桁嵌合部5同士を連結する隅部連結桁部材C1、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbの中間桁嵌合部6同士を連結する中間部連結桁部材C2及び上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbの中央桁嵌合部7同士を連結する中央部連結桁部材C3について説明するが、上記の隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3の基本的な構成は同じであるので、以下においては、図8〜図11を用いて、隅部連結桁部材C1を例に、その構成について説明する。
【0026】
隅部連結桁部材C1は、その上下端部が、上述した隅桁嵌合部5の外周壁5aと外周壁5aから所定の間隙を置いて配設された周辺板部材H2との間に形成された間隙に嵌合可能な略角筒状の筒部c1と、筒部c1を構成する一方の相対する側壁c1aと略平行で、且つ、その中間に配設された仕切り壁c2とを有しており、仕切り壁c2は、もう一方の相対する側壁c1bを架橋するとともに、筒部c1の下端から上端まで延在している。この仕切り壁c2により、隅部連結部材C1は、2つの空間領域A1、A2に分けられている。この仕切り壁c2は、上部デッキ部材Paの隅桁嵌合部5と下部デッキ部材Pbの隅桁嵌合部5とを、隅部連結桁部材C1により連結した際には、隅桁嵌合部5に配設された保持部材H1を構成する一対の垂直板材h1間に形成された間隙に挿入されるように構成されている。
【0027】
隅部連結桁部材C1の筒部c1の一方の相対する側壁c1aと仕切り壁c2とは、筒部c1の上下端まで延在する係止雄壁部材c3により連結されている。本実施例においては、仕切り壁c2を挟んで位置する空間領域A1、A2には、上述した隅桁嵌合部5に形成された中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1及び端部係止雌部材Ge2に対応して.それぞれ3個の係止雄壁部材c3が形成されている。
【0028】
隅部連結桁部材C1の係止雄壁部材c3は、筒部c1の相対する側壁c1bに略平行な中部壁部c3aと、中部壁部c3aの上部に形成された上部雄部c3bと、中部壁部c3aの下部に形成された下部雄部c3cとを有しており、中部壁部c3aと上部雄部c3bとは、上部傾斜部c3dにより連結されており、また、中部壁部c3aと下部雄部c3cとは、下部傾斜部c3eにより連結されている。そして、上部傾斜部c3dと下部傾斜部c3eには、上述した係止部材G(中間係止雌部材Gc、中間係止雌部材側の端部係止雌部材Ge1、端部係止雌部材Ge2)の垂直板材g1の幅より、若干、広く、且つ、垂直板材g1の係止爪g2が挿入可能な奥行きを有する係止スリットc3d’、c3e’が、それぞれ穿設されている。
【0029】
仕切り壁c2を挟んで位置する空間領域A1、A2に、それぞれ配設された3個ずつの係止雄壁部材c3を構成する上部雄部c3b同士及び下部雄部c3c同士の間隔は、図9及び図10に示されているように、等間隔に配設されていない。即ち、中間に位置する上部雄部c3b(以下、中間上部雄部と称し、符号c3b1を付す。)は、両側に位置する上部雄部c3bのうち、一方の上部雄部c3bに、より近づいて配置されている。以下、便宜的に、端部に位置する上部雄部c3bのうち、中間上部雄部c3b1に、より近づいて配置された上部雄部c3bを、中間上部雄部側の端部上部雄部と称し、符号c3b2を付し、中間上部雄部c3b1に対して、より遠い位置にある上部雄部c3bを、単に、端部上部雄部と称し、符号c3b3を付す。同様に、中間に位置する下部雄部c3c(以下、中間下部雄部と称し、符号c3c1を付す。)は、両側に位置する下部雄部c3cのうち、一方の下部雄部c3cに、より近づいて配置されている。以下、便宜的に、端部に位置する下部雄部c3cのうち、中間下部雄部c3c1に、より近づいて配置された下部雄部c3cを、中間下部雄部側の端部下部雄部と称し、符号c3c2を付し、中間下部雄部c3c1に対して、より遠い位置にある下部雄部c3cを、単に、端部c部雄部と称し、符号c3c3を付す。
【0030】
隅部連結桁部材C1の一方の空間領域A1に配設された、中間上部雄部c3b1、中間上部雄部側の端部上部雄部c3b2及び端部上部雄部c3b3の配置は、隅部連結桁部材C1のもう一方の空間領域A2に配設された、中間上部雄部c3b1、中間上部雄部側の端部上部雄部c3b2及び端部上部雄部c3b3の配置とは、平面的に見て、隅部連結桁部材C1の中心点に対して、点対称になるように構成されている。同様に、隅部連結桁部材C1の一方の空間領域A1に配設された、中間下部雄部c3c1、中間下部雄部側の端部下部雄部c3c2及び端部下部雄部c3c3の配置は、隅部連結桁部材C1のもう一方の空間領域A2に配設された、中間下部雄部c3c1、中間下部雄部側の端部下部雄部c3c2及び端部下部雄部c3c3の配置とは、平面的に見て、隅部連結桁部材C1の中心点に対して、点対称になるように構成されている。
【0031】
また、隅部連結桁部材C1の筒部c1の相対する側壁c1bの一方の上部には、上述した上部デッキ部材Paの隅桁嵌合部5に形成された位置決め挿入片T1が挿入可能な上部スリットS1が形成されており、また、隅部連結桁部材C1の筒部c1の相対する側壁c1bのもう一方の下部には、上述した下部デッキ部材Pbの隅桁嵌合部5に形成された位置決め挿入片T1が挿入可能な下部スリットS2が形成されている。
【0032】
また、隅部連結桁部材C1のもう一方の空間領域A2に配設された、仕切り壁c2と一方の相対する側壁c1aを連結する係止雄壁部材c3の上部雄部c3bと下部雄部c3c及び隅部連結桁部材C1の仕切り壁c2と略直交する相対する側壁c1bの上下端部には、上述した隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aのもう一方の相対する側壁5a2を連結する補強リブ9が挿入可能なスリットS3が形成されている。更に、隅部連結桁部材C1の筒部c1を構成する一方の相対する側壁c1a、即ち、隅部連結桁部材C1の仕切り壁c2と略平行な相対する側壁c1aの上下端部及び仕切り壁c2の上下端部には、上述した隅桁嵌合部5を構成する外周壁5aの一方の相対する側壁5a1を連結する補強リブ8が挿入可能なスリットS4が形成されている。
【0033】
上述した中間部連結桁部材C2は、上述した上部スリットS1及び下部スリットS2が形成されていない以外は、隅部連結桁部材C1と実質的に同じ構成を有している。また、中央部連結桁部材C3には、図12に示されているように、中央部連結部材C3の筒部c1の所定の1つの側壁c1bに、上部スリットS1と下部スリットS2が形成されており、上部スリットS1は、一方の領域A2側に位置する側壁c1bの上部に形成されており、また、下部スリットS2は、もう一方の領域A1側に位置する側壁c1bの下部に形成されている。上部スリットS1と下部スリットS2の配置以外の中央部連結桁部材C3の構成は、隅部連結桁部材C1と実質的に同じ構成を有している。
【0034】
次に、図11及び図13〜図16を用いて、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbとを、隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3を用いて組み立てるパレット組立工程について説明する。
【0035】
図11や図12等に示されているように、上下部デッキ部材Pa、Pbの各桁嵌合部5、6、7に配設された係止雌部材Gの一対の垂直板材g1間に形成された楔状空間部g4と、隅部連結桁部材C1と中間部連結桁部材C2と中央部連結桁部材C3とからなる連結桁部材Cを構成する係止雄壁部材c3の上部雄部c3b或いは下部雄部c3cとを、対向するように配置し、その後、係止雌部材Gと連結桁部材Cとを接近させて、係止雌部材Gの一対の垂直板材g1間に形成された楔状空間部g4に、傾斜面g3に沿って、連結桁部材Cを構成する係止雄壁部材c3の上部雄部c3b或いは下部雄部c3cを嵌入するとともに、図14に示されているように、連結桁部材Cの上部傾斜部c3d或いは下部傾斜部c3eに形成された係止スリットc3d’、c3e’に、係止雌部材Gの係止爪g2の一部を挿入し、係止爪g2を、上部雄部c3b或いは下部雄部c3cの係止スリットc3d’、c3e’との対向端面c3c’、c3c”に係止させることにより、各桁嵌合部5、6、7を構成する係止雌部材Gと、連結桁部材C(隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2、中央部連結桁部材C3)を構成する係止雄壁部材c3とを連結する。上記のように、係止雌部材Gの一対の垂直板材g1間に形成された間隙に、この間隙より肉厚の、連結桁部材Cを構成する係止雄壁部材c3の上部雄部c3b或いは下部雄部c3cを嵌入することになるが、この嵌入作業の際には、係止雌部材Gの一対の垂直板材g1が、その弾性力により、外側に拡張し、上記のように、係止雌部材Gの係止爪g2が、上部雄部c3b或いは下部雄部c3cの係止スリットc3d’、c3e’との対向端面c3c’、c3c”に係止した時点で、垂直板材g1が、略垂直な元の状態に戻るように構成されている。
【0036】
上述したように、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbに形成された隅桁嵌合部5、中間桁嵌合部6及び中央桁嵌合部7を構成する係止雌部材Gと、隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3とを連結した際には、隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3の仕切り壁c2は、隅桁嵌合部5、中間桁嵌合部6及び中央桁嵌合部7に配設された保持部材H1の一対の垂直板材h1間に形成された間隙に挿入されるとともに、隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3の筒部c1の上下端部は、隅桁嵌合部5の外周壁5aと周辺板部材H2との間に形成された間隙、中間桁嵌合部6の外周壁6aと周辺板部材H2との間に形成された間隙及び中央桁嵌合部7の外周壁7aと周辺板部材H2との間に形成された間隙に、それぞれ挿入されるように構成されている。
【0037】
また、上下部デッキ部材Pa、Pbに配設された隅桁嵌合部5及び中央桁嵌合部7に位置決め挿入片T1、T2を形成するとともに、パレットの組立作業の際に、位置決め挿入片T1、T2が、隅部連結桁部材C1及び中央部連結桁部材C3の筒部c1に形成された上部スリットS1及び下部スリットS2に挿入するように構成されているので、上下部デッキ部材Pa、Pbに配設された隅桁嵌合部5に嵌合される隅部連結桁部材C1の嵌合位置を間違うようなことがなく、また、上下部デッキ部材Pa、Pbに配設された隅桁嵌合部5に、誤って、中間部連結桁部材C2や中央部連結桁部材C3が嵌合されるようなことがない。また、同様に、上下部デッキ部材Pa、Pbに配設された中央桁嵌合部7に嵌合される中央部連結桁部材C3の嵌合位置を間違うようなことがなく、また、上下部デッキ部材Pa、Pbに配設された中央桁嵌合部7に、誤って、隅部連結桁部材C1や中間部連結桁部材C2が嵌合されるようなことがない。更には、上下部デッキ部材Pa、Pbに配設された中間桁嵌合部6に、誤って、隅部連結桁部材C1や中央部連結桁部材C3が嵌合されるようなことがない。
【0038】
更に、連結桁部材C(隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2、中央部連結桁部材C3)の仕切り壁c2と、一方の相対する側壁c1aを連結する係止雄壁部材c3の上部雄部c3bと下部雄部c3c及び隅桁嵌合部5や中間桁嵌合部6や中央桁嵌合部7の相対する側壁c1bの上下端部に形成されたスリットS3には、隅桁嵌合部5や中間桁嵌合部6や中央桁嵌合部7を構成する外周壁5a、6a、7aの相対する側壁5a2、6a2、7a2を連結する補強リブ9が挿入されるように構成されている。同様に、連結桁部材C(隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2、中央部連結桁部材C3)の筒部c1を構成する相対する側壁c1a、即ち、連結桁部材Cの仕切り壁c2と略平行な相対する側壁c1aの上下端部及び仕切り壁c2の上下端部に形成されたにスリットS4には、隅桁嵌合部5や中間桁嵌合部6や中央桁嵌合部7を構成する外周壁5a、6a、7aの相対する側壁5a1、6a1、7a1を連結する補強リブ8が挿入されるように構成されている。
【0039】
上述したようにして、隅部連結部材C1、中間部連結部材C2及び中央部連結部材C3を介して、上部デッキ部材Paと下部デッキ部材Pbとが連結されて、図16に示されているように、パレットPが組み立てられることになる。
【0040】
上述したように、上下部デッキ部材Pa、Pbに形成された嵌合部(隅桁嵌合部5、中間桁嵌合部6及び中央桁嵌合部7)を構成する外周壁5a、6a、7aの相対する側壁を連結する補強リブ8、9を形成したので、嵌合部の強度や剛性を高めることができ、ひいては、組み立てられたパレットP、特に、パレットPの桁部(隅桁、中間桁、中央桁)の強度や剛性を高めることできる。
【0041】
また、パレットが組み立てられた状態においては、上下部デッキ部材Pa、Pbの各桁嵌合部5、6、7に配設された係止雌部材Gの一対の垂直板材g1間に、連結桁部材Cの係止雄壁部材c3を構成する上部雄部c3b或いは下部雄部c3cが嵌入されているとともに、垂直板材g1に形成された係止爪g2が、連結桁部材Cの上部雄部c3b或いは下部雄部c3cの係止スリットc3d’、c3e’との対向端面c3c’、c3c”に係止されているので、上下部デッキ部材Pa、Pbに対して、連結桁部材Cが、ガタついたり、水平移動するようなことがなく、従って、垂直板材g1に形成された係止爪g2と、連結桁部材Cの上部雄部c3b或いは下部雄部c3cの係止スリットc3d’、c3e’との対向端面c3c’、c3c”との係止状態が解除されるようなことが、確実に防止できる。
【0042】
更に、パレットが組み立てられた状態においては、隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3の仕切り壁c2が、隅桁嵌合部5、中間桁嵌合部6及び中央桁嵌合部7に配設された保持部材H1の一対の垂直板材h1間に形成された間隙に挿入されているので、上下部デッキ部材Pa、Pbに対して、連結桁部材Cが、ガタついたり、水平移動するようなことを、より確実に防止することができ、ひいては、垂直板材g1に形成された係止爪g2と、連結桁部材Cの上部雄部c3b或いは下部雄部c3cの係止スリットc3d’、c3e’との対向端面c3c’、c3c”との係止状態が解除されるようなことが、より確実に防止できる。
【0043】
更にまた、隅部連結桁部材C1、中間部連結桁部材C2及び中央部連結桁部材C3の筒部c1が、隅桁嵌合部5の外周壁5aと周辺板部材H2との間に形成された間隙、中間桁嵌合部6の外周壁6aと周辺板部材H2との間に形成された間隙及び中央桁嵌合部7の外周壁7aと周辺板部材H2との間に形成された間隙に、それぞれ挿入されるように構成されているので、上下部デッキ部材Pa、Pbに対して、連結桁部材Cが、ガタついたり、水平移動するようなことを、更に確実に防止することができ、ひいては、垂直板材g1に形成された係止爪g2と、連結桁部材Cの上部雄部c3b或いは下部雄部c3cの係止スリットc3d’、c3e’との対向端面c3c’、c3c”との係止状態が解除されるようなことが、更に確実に防止できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0045】
上部デッキ部材と下部デッキ部材の桁嵌合部に、該桁嵌合部の外周壁を構成する相対する側壁を連結する補強リブを形成したので、嵌合部の強度や剛性を高めることができ、ひいては、組み立てられたパレット、特に、パレットの桁部の強度や剛性を高めることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のパレットの分解斜視図である。
【図2】図2は本発明のパレットの上部デッキ部材の裏面斜視図である。
【図3】図3は本発明のパレットの下部デッキ部材の斜視図である。
【図4】図4は本発明のパレットを構成する下部デッキ部材の隅桁嵌合部等の斜視図である。
【図5】図5は本発明のパレットを構成する下部デッキ部材の隅桁嵌合部等の平面図である。
【図6】図6は本発明のパレットを構成する桁嵌合部に配設された係止雌部材の斜視図である。
【図7】図7は本発明のパレットを構成する隅桁嵌合部や中間桁嵌合部や中央桁嵌合部等の斜視図である。
【図8】図8は本発明のパレットを構成する隅部連結桁部材の斜視図である。
【図9】図9は図8におけるI−I線に沿った側断面図である。
【図10】図10は図8におけるII−II線に沿った側断面図である。
【図11】図11は本発明のパレットの連結桁部材を構成する係止雄壁部材と桁嵌合部を構成する係止雌部材の嵌入前の部分拡大斜視図である。
【図12】図12は本発明のパレットを構成する中央部連結桁部材の斜視図である。
【図13】図13は本発明のパレットの隅部連結桁部材と隅桁嵌合部との連結前の部分拡大斜視図である。
【図14】図14は本発明のパレットの連結桁部材を構成する係止雄壁部材と桁嵌合部を構成する係止雌部材との嵌入状態の部分拡大斜視図である。
【図15】図15は本発明のパレットの桁嵌合部及び連結桁部材を含む部分拡大断面図である。
【図16】図16は本発明のパレットの組立状態の全体斜視図である。
【符号の説明】
C・・・・・・・・・・・・・・・・連結桁部材
c3・・・・・・・・・・・・・・・係止雄壁部材
G・・・・・・・・・・・・・・・・係止雌部材
H1・・・・・・・・・・・・・・・保持部材
H2・・・・・・・・・・・・・・・周辺板部材
Pa・・・・・・・・・・・・・・・上部デッキ部材
Pb・・・・・・・・・・・・・・・下部デッキ部材
5・・・・・・・・・・・・・・・・隅桁嵌合部
6・・・・・・・・・・・・・・・・中間桁嵌合部
7・・・・・・・・・・・・・・・・中央桁嵌合部
8、9・・・・・・・・・・・・・・補強リブ

Claims (1)

  1. 上部デッキ部材と、下部デッキ部材と、前記上部デッキ部材と下部デッキ部材とを連結する連結桁部材とにより組み立てられたパレットにおいて、前記上部デッキ部材と下部デッキ部材の桁嵌合部には、略角筒状の外周壁と、該外周壁から所定の間隙をおいて形成された周辺板部材と、所定の間隙をおいて配置された一対の垂直板材からなる保持部材と、所定の間隙をおいて配置された一対の垂直板材と該垂直板材の先端部に形成された互いに接近する方向に延在する係止爪とを有する係止雌部材とが形成されており、また、前記連結桁部材には、前記桁嵌合部を構成する外周壁と周辺板部材との間に形成された間隙に嵌合される略角筒状の筒部と、前記桁嵌合部を構成する保持部材の一対の垂直板材に嵌合される仕切り壁と、前記桁嵌合部を構成する係止雌部材の係止爪が係止される係止スリットを有する係止雄壁部材とが形成されており、更に、前記桁嵌合部を構成する係止雌部材の一方の垂直板材が、前記桁嵌合部を構成する略角筒状の外周壁の相対する側壁を連結する補強リブの一部を形成するように構成されていることを特徴とするパレット。
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