JP4213071B2 - 携帯通信端末とその地磁気センサの誤差補正方法 - Google Patents
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Description
この2筐体型の携帯電話機には、閉状態において表示部が内側に隠れるタイプと外側に露出したままになるタイプとがあり、後者のタイプの代表的なものとしては、表示部の面とキー入力部の面とをほぼ平行な状態で相対的に回転させるタイプがある。
また、携帯電話機100は、GPSサーバ装置401から取得した現在地の位置情報を、基地局300から通信網を経由してナビゲーションサーバ装置402に送信し、現在地周辺の地図の情報をナビゲーションサーバ装置402から取得する。
図2は、開いた状態にある携帯電話機100の斜視図であり、図3は、閉じた状態にある携帯電話機100の一側面からの斜視図であり、図4は、閉じた状態にある携帯電話機100の他の側面からの斜視図である。
なお、可動機構部4は、所定の回転軸を中心に、第1筐体2と第2筐体3の2つの筐体を相対的に回転可能に構成される。
表示パネル21は、後述する表示部155に含まれる。また、スピーカ22は、後述する音声処理部156に含まれる。
操作キー311は、後述するキー入力部154に含まれる。また、マイクロフォン312は、後述する音声処理部156に含まれる。
また、第2筐体3の蓋側筐体32の外平面32aにおいて、光学系34aより更に連結部に近い側には、光学系34aと並列に、内蔵のフラッシュランプによる閃光を外部に放射するための発光窓321と、接写時等に撮影補助としての白色光を放射するための発光窓322が配置されている。
カメラモジュール34は、後述する撮像部157に含まれる。
図5に示すように、基板実装筐体31の内部31bには、その底面部全体にわたって、メイン基板37が装着される。
メイン基板37上においてメモリカード用スロット33に面する位置には、着脱可能なメモリカードが装着されるメモリカード部159が実装される。
また、このメモリカード部159に隣接するメイン基板37の中央寄りの位置には、地磁気センサ158が実装される。
図6に例示する携帯電話機100は、無線通信部150と、GPS信号受信部151と、記憶部152と、開閉判定部153と、キー入力部154と、表示部155と、音声入出力部156と、撮像部157と、地磁気センサ158と、メモリカード部159と、制御部160とを有する。
無線通信部150は、本発明の無線通信手段の一実施形態である。
GPS信号受信部151は、本発明のGPS信号受信手段の一実施形態である。
GPS信号受信部151および無線通信部150は、本発明の位置情報取得手段の一実施形態である。
開閉判定部153は、本発明の作動状態判定手段の一実施形態である。
表示部155は、本発明の表示手段の一実施形態である。
地磁気センサ158は、本発明の地磁気センサの一実施形態である。
メモリカード部159は、本発明の記憶媒体装着手段の一実施形態である。
制御部160は、本発明の制御手段の一実施形態である。
また、無線通信部150は、位置情報取得手段として、基地局300から送出される測位用の基準信号を受信しする処理も行う。
例えば、開閉判定部153は、第1筐体2と第2筐体3とが重なった状態になる閉状態を検出するスイッチ等の検出器を含んでおり、閉状態とそれ以外の状態とを判別する。
例えば図5に示すように、地磁気センサ158は、メイン基板37上の固定された位置において、互いに直交する3つの方向の地磁気を検出する。すなわち、メイン基板37上に設定された所定の3軸の座標系を基準として、その各軸方向の地磁気を検出する。地磁気の検出には、例えばコイルの励磁を利用する方法や、ホール効果を利用する方法、磁気抵抗素子を利用する方法など、種々の方法が用いられる。
例えば、電話機の機能に関連する処理として、キー入力部154におけるキー入力操作に応じて無線通信部150の発呼、着信のシーケンスを制御する処理や、音声処理部156において入出力される音声データを無線通信部150において送受信させる処理を行う。
データ通信機能に関連する処理としては、キー入力部154におけるキー入力操作に応じて無線通信部150を動作させて、所定のメールサーバ装置と通信を行い、電子メール等のデータのやりとりする処理を行う。
撮像機能に関連する処理としては、キー入力部154におけるキー入力操作に応じて撮像部157に静止画や動画の撮像処理を実行させる処理や、撮像された画像のデータに圧縮符号化等の画像処理を施して記憶部152に格納する処理などを行う。静止画の撮影時には、適切なタイミングでフラッシュランプを点灯させる処理も行う。
GPSサーバ装置401は、携帯電話機100からGPSの情報を受信すると、この受信したGPS情報に基づいて携帯電話機100の現在地の位置(例えば緯度、経度の情報)を算出し、その算出結果を通信網から基地局300を経由して、携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、GPSサーバ装置401から送信される位置情報を受信して、記憶部152に格納する(ステップST126)。
ナビゲーションサーバ装置402は、携帯電話機100から位置情報を受信すると、この位置情報によって特定される携帯電話機100の現在地周辺の地図の情報をデータベースから検索し、該検索した地図情報を通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報を受信して、記憶部152に格納する(ステップST132)。
本実施形態では、一例として、地図情報にそれぞれ固有の識別番号が割り当てられているものとする。ナビゲーションサーバ装置402は、この識別番号に基づいて、所定サイズ(例えば1km四方)ごとに地図のデータを管理しており、携帯電話機100へ地図情報を送信する場合には、この識別番号を地図のデータに添付して送信する。図9の例において、現在地周辺の地図は識別番号MP0であり、その四方の地図は識別番号MP1〜MP4である。
キー入力部154のキー操作によってノースアップ表示が選択された場合、制御部160は、地図の北方向を表示画面の上方向に固定させて表示部155に表示させる。
制御部160は、後述するように、筐体の開、閉状態に応じて表示画面上における画像を回転させる処理を行い、ユーザに対して適切な向きに画像を表示させる。
現在地が端領域にあると判定した場合、制御部160は、この端領域に隣接する地図をナビゲーションサーバ装置146に要求する(ステップST146)。例えば、現在取得中の地図の識別番号と、この地図に対して東西南北の何れの方位に隣接するかを指示する情報とを、ナビゲーションサーバ装置146に送信する。
ナビゲーションサーバ装置146は、携帯電話機100から送られるこれらの情報に応じた地図をデータベースから検出して、携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報を受信して記憶部152に格納し(ステップST132)、この地図情報に応じた地図を表示部155に表示させる(ステップST134)。その後は、ステップST138以降の処理を繰り返す。
また、現在地が端領域にないと判定した場合、制御部160は、現在地の算出結果に応じて、例えば携帯電話機100の現在地が地図の中央になるように地図の表示領域を移動させる処理を行い、その後は、ステップST138以降の処理を繰り返す。
この開状態における表示を通常表示とすると、開閉判定部153において閉状態が判定された場合、制御部160は、通常表示における画像を180度回転させて表示パネル21に表示させる(ステップST164)。すなわち、第1筐体2における連結部側が画像の上方となる向きで、表示パネル21に画像を表示させる。
このような表示画像の回転処理によって、筐体の開、閉状態によらず常にユーザの見易い向きで表示部155に画像を表示させることができる。
ここでは、まず、図11を参照して方位の算出方法の概略を述べ、その後、図12〜図19を参照して制御部160における方位算出処理の幾つかの例を述べる。
図11において、座標軸Hx、Hy、Hzを有する直角座標系は、地平面上に設定される基準の座標系である。すなわち、座標軸HxおよびHyは地平面に平行な座標軸であり、それぞれ所定の方位を向く。また、座標軸Hzは地平面に垂直な方向を向く座標軸である。
方位角θは、第2筐体3のメイン基板37上に設定される地磁気検出の基準方向(例えば図2における方向A)のベクトルを地平面に正射影した像Zxyと座標軸Hxとのなす角度である。傾斜角φは、この像Zxyと基準方向Aのベクトルとのなす角度である。また、ひねり角ηは、基準方向Aのベクトルを回転軸として携帯電話機100をその周りに回転させた角度である。
方位角θ、傾斜角φ、ひねり角ηが何れもゼロの場合、第2筐体3のメイン基板37上に設定される地磁気検出の座標系は、図11に示す座標軸Hx、Hy、Hzの座標系と一致する。
tanθ=β/(γ・sinφ−α・cosφ) … (1)
制御部160は、例えば式(1)に示すような関係を用いて、地磁気センサ158から得られる3方向の地磁気の検出値に応じた方位角を算出する。
一般のユーザは、表示パネル21を例えば45度程度の角度で傾けたときに、楽な姿勢で表示パネル21の画像を見ることができる。そこで、制御部160は、地平面に対する表示パネル21の傾斜角が例えば45度になるときの傾斜角φを用いて、式(1)により方位を算出する。
例えば、閉状態において第1筐体2と第2筐体3とがほぼ平行に重なるのに対し、開状態において第1筐体2と第2筐体3とが相対的に傾斜する(例えば「く」字状に傾く)ように、2つの筐体が連結されているものとする。この場合、ユーザが、両方の操作スタイルで表示パネル21に対する視線の方向を一定に保とうとすると、地平面に対する第2筐体3の傾斜は、開状態と閉状態とで異なる。第2筐体3の傾斜が異なるということは、地平面に対する基準方向Aの傾斜が開,閉状態において異なることを意味する。そこで、制御部160は、開閉判定部153の判定結果に応じた所定の角度の傾斜角φを用いて、方位の算出を行う。この傾斜角φは、開状態および閉状態の何れにおいても、地平面に対する表示パネル21の傾斜角が例えば45度で一定となるように予め設定された角度である。
この所定のイベントは、例えば、図8のステップST146においてナビゲーションサーバ装置402から地図を取得する場合や、着信処理、メール受信処理を行う場合などにおいて、無線通信部150を動作させるイベントを含む。
また、キー入力操作、方位の情報の変化、地図の表示の更新などに応じて表示部155における表示輝度を変化させるイベントや、音声処理部156を動作させてスピーカから音声を出力させるイベントなどを含んでも良い。
表示部155がLCDパネルを有する場合は、例えば、LCDバックライトとしての光源をオンオフさせたり、光源の発光強度を変化させるイベントを含んでも良い。
図13の例において、補正用データは、地磁気センサ158の3方向(X軸、Y軸、Z軸)の検出値に対応する3つの補正値によって構成される。例えば、無線通信部150を動作させる通信処理が実行される場合、制御部160は、X軸、Y軸、Z軸の地磁気検出値に対応する‘−1’,‘0’,‘−1’の補正値を記憶部152から読み出す。
記憶部152は、例えばこのような補正用データを、複数のイベントにそれぞれ対応付けて記憶する。補正用データの各補正値は、例えば、それぞれのイベントが発生している場合と発生していない場合とにおける地磁気検出値の変動量を予め測定することにより決定される。
制御部160は、ナビゲーション処理が実行されている間、上述したステップST204〜ST210の処理を繰り返す(ステップST212)。
例えば、図13の例において、通信処理と音声出力処理とが共に発生している場合、X軸の補正値は‘−1’+‘−1’=‘−2’、Y軸の補正値は‘0’+‘0’=‘0’、Z軸の補正値は‘−1’+‘0’=‘−1’になる。
例えば、現在のX軸、Y軸、Z軸の補正値が‘−2’、‘−1’、‘1’の状態で図13に示す通信処理が終了した場合、X軸の補正値は‘−2’−‘−1’=‘−1’、Y軸の補正値は‘−1’−‘0’=‘−1’、Z軸の補正値は‘1’−‘−1’=‘2’に変更される。
したがって、イベントの発生によって地磁気センサ158の検出値が変動し、表示部155に表示される方位の情報の精度が低下しても、イベントの発生を検知して方位の情報を補正することにより、方位の情報の精度を回復させることができる。
また、イベントごとに予め決定されて記憶部152に記憶される補正用データを用いて方位の情報の補正が行われるため、発生するイベント毎に精度良く方位の情報を補正することができる。
図14は、携帯電話機100における方位算出処理の第2の例を図解したフローチャートである。
例えば、方位を表すコンパスの画像を表示させている場合には、このコンパスが左右に振れるような動きを表示させることにより、方位の情報の精度が低いことを示しても良い。また、コンパスの画像の形や色、サイズを変化させたり、方位の精度が低いことを示す別の画像を表示させても良い。
例えば、コンパスの画像を左右に振らせる動きによって方位の精度低下を表示している場合には、この左右の振れを停止させることによって方位の精度が回復したことを示しても良い。コンパスの画像の形や色、サイズを変化させることにより方位の精度低下を表示している場合には、これを元の状態に戻すことにより精度の回復を表しても良い。あるいは、方位の情報の精度が回復したことを示す別の画像を表示させても良い。
図15は、携帯電話機100における方位算出処理の第3の例を図解したフローチャートである。
そこで、第3の例の方位算出処理では、このようなオフセット誤差の変化による方位算出値の精度低下を低減させるため、オフセット誤差補正処理により得られるオフセット誤差の補正値を開状態および閉状態のそれぞれについて別に保持する。そして、筐体の開閉状態に変化が生じた場合、これに合わせて、オフセット誤差の補正に用いる補正値を変更する。
閉状態から開状態への変化を検出した場合、制御部160は、ステップST306に戻って開状態のオフセット誤差補正用データを読み出し、これを用いて地磁気検出値の補正と方位の算出を繰り返す(ステップST310,ST312)。
開状態から閉状態への変化を検出した場合、制御部160は、ステップST308に戻って閉状態のオフセット誤差補正用データを読み出し、これを用いて地磁気検出値の補正と方位の算出を繰り返す(ステップST310,ST312)。
開閉状態の変化がない場合、制御部160は、ナビゲーション処理の終了が選択されていないか確認し(ステップST316)、ナビゲーション処理が続行するならば、現在使用中のオフセット誤差補正用データを用いて地磁気検出値の補正と方位の算出を繰り返す(ステップST310,ST312)。
したがって、開状態および閉状態の両方で表示部155による方位の情報の表示が可能な構造を有する携帯電話機100において、この開閉状態の変化に伴い地磁気センサ158の検出値が変動して、表示中の方位の情報の精度が低下する場合でも、開閉判定部153における判定結果の変化を検知して方位の情報を補正することにより、方位の情報の精度を回復させることができる。
また、開状態および閉状態のそれぞれにおけるオフセット誤差補正用データが制御部160の所定のレジスタに別に保持されており、開閉状態に応じた適切なオフセット誤差補正用データを用いて方位の情報の補正が行われるため、それぞれの状態において精度良く方位の情報を補正することができる。
図16は、携帯電話機100における方位算出処理の第4の例を図解したフローチャートである。
制御部160は、例えば既に述べた図14のステップST214と同様に、方位を表すコンパスの画像を左右に振らせたり、コンパスの形,色,サイズ等を変化させたり、方位の精度低下を表す別の画像を表示させるなどの方法により、方位の精度低下の情報を表示部155に表示させる。
例えば、コンパスの画像を左右に振らせる動きによって方位の精度低下を表示している場合には、この左右の振れを停止させても良い。コンパスの画像の形や色、サイズを変化させることにより方位の精度低下を表示している場合には、これを元の状態に戻しても良い。あるいは、方位の情報の精度が回復したことを示す別の画像を表示させても良い。
図17は、携帯電話機100における方位算出処理の第5の例を図解したフローチャートである。
図18は、メモリカードの装着の有無に応じた地磁気センサ検出値(X軸、Y軸、Z軸)の時間的変化の一例を示す図である。図18の例では、X軸、Y軸、Z軸における地磁気センサ検出値が、それぞれ‘−7’、‘−8’、‘−1’だけ変化している。
第5の例の方位算出処理では、このような地磁気センサ検出値の変動による方位の誤差を低減させるため、オフセット誤差補正処理により得られるオフセット誤差の補正値をメモリカード装着時および未装着時のそれぞれについて別に保持する。そして、筐体のメモリカードの装着状態に変化が生じた場合、これに合わせて、オフセット誤差の補正に用いる補正値を変更する。
メモリカード部159にメモリカードが装着されていない状態からメモリカード部159にメモリカードが装着された状態への変化を検出した場合、制御部160は、ステップST406に戻ってメモリカード装着時のオフセット誤差補正用データを読み出し、これを用いて地磁気検出値の補正と方位の算出を繰り返す(ステップST410,ST412)。
メモリカード部159にメモリカードが装着された状態からメモリカード部159にメモリカードが装着されていない状態への変化を検出した場合、制御部160は、ステップST408に戻ってメモリカード未装着時のオフセット誤差補正用データを読み出し、これを用いて地磁気検出値の補正と方位の算出を繰り返す(ステップST410,ST412)。
メモリカードの装着状態に変化がない場合、制御部160は、ナビゲーション処理の終了が選択されていないか確認し(ステップST416)、ナビゲーション処理が続行するならば、現在使用中のオフセット誤差補正用データを用いて地磁気検出値の補正と方位の算出を繰り返す(ステップST410,ST412)。
したがって、メモリカードの装着状態の変化によって地磁気センサ158の検出値が変動し、表示部155に表示される方位の情報の精度が低下しても、メモリカード部159におけるメモリカードの装着状態の変化を検知して方位の情報を補正することにより、方位の情報の精度を回復させることができる。
また、装着状態および未装着状態のそれぞれにおけるオフセット誤差補正用データが制御部160の所定のレジスタに別に保持されており、メモリカードの装着状態に応じた適切なオフセット誤差補正用データを用いて方位の情報の補正が行われるため、それぞれの状態において精度良く方位の情報を補正することができる。
図19は、携帯電話機100における方位算出処理の第6の例を図解したフローチャートである。
制御部160は、例えば既に述べた図14のステップST214と同様に、方位を表すコンパスの画像を左右に振らせたり、コンパスの形,色,サイズ等を変化させたり、方位の精度低下を表す別の画像を表示させるなどの方法により、方位の精度低下の情報を表示部155に表示させる。
例えば、コンパスの画像を左右に振らせる動きによって方位の精度低下を表示している場合には、この左右の振れを停止させても良い。コンパスの画像の形や色、サイズを変化させることにより方位の精度低下を表示している場合には、これを元の状態に戻しても良い。あるいは、方位の情報の精度が回復したことを示す別の画像を表示させても良い。
携帯電話機100内部で発生する静的な磁界は、携帯電話機100を向ける方位に依らない定常的な誤差を地磁気センサ158の検出値にもたらす。これに対し、地磁気自体の検出値は、携帯電話機100を向ける方位に応じて変化する。したがって、例えば携帯電話機100を回転させながら地磁気の検出を行い、携帯電話機100の回転に応じた地磁気のベクトルの軌跡を求めることによって、地磁気センサ158の検出値に含まれるオフセット誤差を容易に算出することできる。
制御部160は、上述のようなオフセット誤差補正処理によって算出されるオフセット誤差を、オフセット誤差補正用データとして制御部160の所定のレジスタに格納する。
ここで所定の異常状態とは、例えば、‘0’〜‘255’までの整数値で表現される8ビットの検出値の何れか1つ(すなわちX軸、Y軸、Z軸の地磁気検出値の何れか1つ)にオーバーフローが生じて、その値が最大値‘255’や最小値‘0’になっている状態である。
また、上限値と下限値を持つ正常範囲が規定されている場合には、地磁気検出値の何れか1つがこの正常範囲を外れていることをもって、異常状態としても良い。
また、ステップST504において地磁気検出値の異常状態が検知されない場合や、ステップST508において所定時間内に全ての検出値の異常状態が解消されたと判定された場合、同様にナビゲーション処理の続行を確認した上で、ステップST504〜ST510の処理を繰り返す(ステップST512)。
したがって、地磁気センサ158の検出値の異常を監視することにより、携帯電話機100の着磁等によるオフセット誤差の発生が検知されて適切な補正が行われるため、オフセット誤差による方位の情報の精度低下を抑えることができる。
そのため、例えば建物や電車などから発生する外部磁界の影響で起こった一時的な地磁気検出値の異常状態を、携帯電話機100の着磁等により生じたオフセット誤差と間違って判定し、不適切なオフセット誤差補正処理が実行されてしまうケースを減らすことができる。
このような一時的な外部磁界による異常が起きているときにオフセット誤差補正処理を実行してしまうと、オフセット誤差を正しく算出できないため、誤った補正値で地磁気検出値の補正を行ってしまい、結果として方位の算出結果が不正確になる。方位の不正確な状態は、少なくとも次回のオフセット誤差補正処理まで続いてしまう。
したがって、図20の処理のように、所定時間以上異常状態が持続するか否かに応じて、外部磁界の影響により生じた異常状態とオフセット誤差とを判別し、この判別結果に従ってオフセット誤差補正処理の実行を制御することにより、該補正処理の不適切な実行を効果的に防ぐことができる。
図22は、携帯電話機100におけるオフセット誤差補正処理の第2の例を図解したフローチャートである。
制御部160、例えば既に述べた図14のステップST214と同様に、方位を表すコンパスの画像を左右に振らせたり、コンパスの形,色,サイズ等を変化させたり、方位の精度低下を表す別の画像を表示させるなどの方法により、方位の精度低下の情報を表示部155に表示させる。
例えば、コンパスの画像を左右に振らせる動きによって方位の精度低下を表示している場合には、この左右の振れを停止させても良い。コンパスの画像の形や色、サイズを変化させることにより方位の精度低下を表示している場合には、これを元の状態に戻しても良い。あるいは、方位の情報の精度が回復したことを示す別の画像を表示させても良い。
図23は、携帯電話機100におけるオフセット誤差補正処理の第3の例を図解したフローチャートである。
そこで、以下に述べる処理では、外部磁界等の影響で地磁気センサ158の検出値に誤差を生じる地域に入ったことを検知した場合、オフセット誤差補正処理を禁止する。また、方位の情報の精度が低下することを表示部155に表示させて、ユーザが方位の情報を参考にすべきか否かを判断できるようにする。
また、この場合、制御部160は、方位の情報の精度が低下していることを表示部155に表示させる(ステップST608)。例えば、既に述べた図14のステップST214と同様に、方位を表すコンパスの画像を左右に振らせたり、コンパスの形,色,サイズ等を変化させたり、方位の精度低下を表す別の画像を表示させるなどの方法により、方位の精度低下の情報を表示部155に表示させる。
また、この場合、制御部160は、方位の情報の精度が回復したことを表示部155に表示させる(ステップST612)。例えば、コンパスの画像を左右に振らせる動きによって方位の精度低下を表示している場合には、この左右の振れを停止させても良い。コンパスの画像の形や色、サイズを変化させることにより方位の精度低下を表示している場合には、これを元の状態に戻しても良い。あるいは、方位の情報の精度が回復したことを示す別の画像を表示させても良い。
これにより、表示されている方位の情報の精度が低いか否かをユーザが正しく把握できるようになる。例えば、方位の情報の精度が低い場合、画面に表示中の方位を参考にせずに、地図に表示されている情報と周囲の風景とを見比べて方位を把握するなど、別の方法により方位の見当を付けるべきことがユーザにとって明確になるため、ナビゲーション機能の使い易さを向上させることができる。
次に述べる第5の例(図28)の処理では、予め記憶部152に登録される情報に基づいて、携帯電話機100の現在地が磁気センサ158の検出値の精度低下を生じる精度低下地域に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合に、オフセット誤差補正処理を禁止する。また、方位の情報の精度が低下することを表示部155に表示させて、ユーザが方位の情報を参考にすべきか否かを判断できるようにする。
制御部160は、まず記憶部152に登録されている精度低下地域の情報から、現在表示中の地図と同一の識別番号の情報を検索する。検索の結果、同一の識別番号の情報が存在する場合は、更にその座標情報が示す地図上の精度低下地域の座標範囲に携帯電話機100の現在地が含まれるか否かを判定する。現在地がこの座標範囲に含まれる場合、制御部160は、携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれるとの判定を下す。
また、この場合、制御部160は、方位の情報の精度が低下していることを表示部155に表示させる(ステップST708)。例えば、既に述べた図14のステップST214と同様に、方位を表すコンパスの画像を左右に振らせたり、コンパスの形,色,サイズ等を変化させたり、方位の精度低下を表す別の画像を表示させるなどの方法により、方位の精度低下の情報を表示部155に表示させる。
また、この場合、制御部160は、方位の情報の精度が回復したことを表示部155に表示させる(ステップST712)。例えば、コンパスの画像を左右に振らせる動きによって方位の精度低下を表示している場合には、この左右の振れを停止させても良い。コンパスの画像の形や色、サイズを変化させることにより方位の精度低下を表示している場合には、これを元の状態に戻しても良い。あるいは、方位の情報の精度が回復したことを示す別の画像を表示させても良い。
これにより、表示されている方位の情報の精度が低いか否かをユーザが正しく把握できるようになるため、ナビゲーション機能の使い易さを向上させることができる。
ここで所定の異常状態は、例えば図20のオフセット誤差補正処理において述べたものと同様である。すなわち、‘0’〜‘255’までの整数値で表現される8ビットの検出値の何れか1つにオーバーフローが生じている状態や、地磁気検出値の何れか1つが所定の正常範囲を外れている状態を、異常状態として検知する。
これにより、精度低下地域の登録情報によって記憶部152の記憶領域が際限なく消費されることを防止できるとともに、最新の情報を残すことによって精度低下地域の情報の信頼性を高めることができる。
また、ステップST734において地磁気検出値の異常状態が検知されない場合や、ステップST738において所定時間以上にわたって地磁気検出値の異常状態が続いたと判定された場合、同様にナビゲーション処理の続行を確認した上で、ステップST734〜ST740の処理を繰り返す。
すなわち、制御部160は、携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれるか否かを示す情報を、所定のサーバ装置から無線通信部150を介して取得し、この取得した情報において現在地が精度低下地域に含まれることが示されている場合、オフセット誤差補正処理を禁止しても良い。
すなわち、制御部160は、地磁気検出値に基づき算出した方位に応じた地図の画像情報を、ナビゲーションサーバ装置402から取得して表示部155に表示させる処理を行なっても良い。
そして、この処理中に、例えばGPS信号のレベルが所定値より低くなる等により、地磁気検出値の検出精度の低下が検知された場合、制御部160は、算出した方位とは関係なく予め設定された方位の地図の画像情報をナビゲーションサーバ装置402に要求してこれを取得し、表示部155に表示させても良い。
逆に、制御部160以外の他のユニットにおける少なくとも一部の処理を、制御部160のコンピュータにおいて実行させても良い。
Claims (7)
- 地磁気を検出する地磁気センサと、
表示手段と、
上記地磁気センサの検出値に基づいて地理的方位を算出し、該算出した方位の情報を上記表示手段に表示させる制御手段とが、
可動機構を介して連結される2つの筐体に収容された携帯通信端末であって、
上記可動機構の作動状態を判定する作動状態判定手段を有し、
上記表示手段は、上記可動機構の作動状態に依らず情報を表示可能な上記筐体の所定の位置に配置されており、
上記制御手段は、上記方位の情報を上記表示手段に表示させているときに上記作動状態判定手段において判定される作動状態の変化を監視し、該作動状態の変化を検知した場合、上記地磁気センサの検出値に、該変化後の作動状態に対応する所定の補正を行う
ことを特徴とする携帯通信端末。 - 上記作動状態判定手段において判定される複数の作動状態のそれぞれに対応する補正用データを記憶した記憶手段を有し、
上記制御手段は、上記作動状態の変化を検知した場合、変化後の作動状態に対応する補正用データを上記記憶手段から読み出して、上記地磁気センサの検出値を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。 - 上記制御手段は、上記作動状態の変化を検知した後、該変化後の作動状態が所定時間持続した場合に、上記地磁気センサの検出値の補正を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信端末。 - 地磁気を検出する地磁気センサと、
表示手段と、
上記地磁気センサの検出値に基づいて地理的方位を算出し、該算出した方位の情報を上記表示手段に表示させる制御手段とが、
可動機構を介して連結される2つの筐体に収容された携帯通信端末であって、
上記可動機構の作動状態を判定する作動状態判定手段を有し、
上記表示手段は、上記可動機構の作動状態に依らず情報を表示可能な上記筐体の所定の位置に配置されており、
上記制御手段は、上記方位の情報を上記表示手段に表示させているときに上記作動状態判定手段において判定される作動状態の変化を監視し、該作動状態の変化を検知した場合、上記方位の情報を該変化後の作動状態に応じて補正する
ことを特徴とする携帯通信端末。 - 上記制御手段は、上記作動状態の変化を検知してから、方位を再算出し、該再算出した方位の情報を上記表示手段に表示させるまでの間、上記表示手段に表示される方位の情報の精度が低いことを示す情報を上記表示手段に表示させる、
請求項4に記載の携帯通信端末。 - 上記作動状態判定手段は、上記地磁気センサを収容する一方の筐体に対し、他方の筐体が重なった状態になるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または4に記載の携帯通信端末。 - 地磁気を検出する地磁気センサと、上記地磁気センサの検出値に基づいて算出される方位の情報を表示する表示手段とが、可動機構を介して連結される2つの筐体に収容されており、上記表示手段が、上記可動機構の作動状態に依らず情報を表示可能な上記筐体の所定の位置に配置される携帯通信端末において、上記地磁気センサの誤差を補正する地磁気センサの誤差補正方法であって、
上記方位の情報を上記表示手段に表示させているときに上記可動機構の作動状態の変化を監視する第1の工程と、
上記第1の工程において上記作動状態の変化を検知した場合、上記地磁気センサの検出値に、該変化後の作動状態に対応する所定の補正を行う第2の工程と、
を有することを特徴とする地磁気センサの誤差補正方法。
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