JP4212613B2 - 偏波共用アンテナ - Google Patents
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Description
この従来アンテナによれば、誘電体基板および無給電素子を垂直偏波と水平偏波の双方で共用するため、製造コストを低減することができるという利点が得られる。しかし、この従来アンテナは、水平面内ビーム幅を垂直偏波と水平偏波とで同一にできないという問題点を有する。
また、本発明の目的は、電気的特性の安定な偏波共用アンテナを提供することにある。
また、前記誘電体基板の表面前方側に所定の間隔をおいて配設され、前記垂直偏波用スロットの中央部を横断する形態で垂直方向に延びる第3の垂直偏波用無給電素子をさらに備えることができる。
上記偏波共用アンテナは、水平方向もしくは垂直方向に複数配列することによってアレー構造の偏波共用アンテナを構成することができる。
また、本発明によれば、各無給電素子に結合部を形成する必要がないので、該無給電素子を誘電体基板に金属箔で形成することが可能であり、これによって、電気的特性の安定化、組立の容易化ならびに低廉化を図ることができる。
図1は、本発明に係る偏波共用アンテナの第1の実施形態を示す分解斜視図である。
図1において、誘電体基板10の表面中央部には、十字形の給電スロット20が形成され、また、誘電体基板10の裏面には、該裏面に着設された帯状の金属箔からなる垂直偏波用給電線路31および水平偏波用給電線路32が形成されている。
垂直偏波用スロット21および水平偏波用スロット22は、それぞれその中心部から両端部に向かってテーパ状に拡がる形状、換言すれば、2つの等脚台形の短辺相互を同一面内で結合した形状を有する。そして、この垂直偏波用スロット21および水平偏波用スロット22は、その長手方向長が例えば約λ/2(λは、使用周波数帯域の中心周波数の波長)に設定されるともに、その最大幅長(上記等脚台形の長辺の長さ)が例えば約λ/10に設定される。
上記給電線路31,32は、互いに交差するので、その交差部位で相互が接触するのを回避する必要がある。そこで、この実施の形態では、図2に示すように、上記交差部位で一方の給電線路31を他方の給電線路32上に迂回させて、両者の接触を回避している。
図3に示すように、垂直偏波用無給電素子41は、垂直偏波用スロット21の一端側および他端側においてそれぞれ垂直方向(水平偏波用スロット21の中心軸線に沿った方向)に延び、水平偏波用無給電素子43は、水平偏波用スロット22の中央部を通って水平方向に延びている。なお、図3では、煩雑化を避けるために給電線路31,32を省略している。
なお、前記したように、垂直偏波用スロット21および水平偏波用スロット22は、それぞれその中心部から両端部に向かってテーパ状に拡がる形状を有している。スロット21,22にこのような形状を持たせることによって、VSWR特性の広帯域化を図ることができる。
この場合、上記金属箔11からなる地導体面が十分広いとすると、一般的に水平面指向性における垂直偏波のビーム幅が水平偏波のビーム幅よりも広くなる傾向を示す。すなわち、例えば、図4(a)に示すように垂直偏波のビーム幅が77°である場合、図4(b)に示すように水平偏波のビーム幅は63°程度になる。そこで、垂直偏波および水平偏波のビーム幅を60°近傍にそろえるためには、垂直偏波のビーム幅を狭める必要がある。
結局、一枚板構造の無給電素子を使用した場合には、垂直偏波ビーム幅と水平偏波ビーム幅を同一もしくは十分に近づけることが困難である。
なお、図6に示す水平偏波用無給電素子43および垂直偏波用無給電素子44に代えて、これらを一体化した図7に示す十字形無給電素子45を用いても良い。
このように、垂直偏波用無給電素子および水平偏波用無給電素子を無給電素子用誘電体基板上に金属箔で形成すれば、電気的特性の安定化、組立の容易化ならびに低廉化を図ることができる。
図11に示す構成において、誘電体基板10と無給電素子用誘電体基板60との間隔を約0.09λに設定し、中央の垂直偏波用無給電素子44の長手軸線と左右の垂直偏波用無給電素子41,42の長手軸線との間隔をそれぞれ0.21λに設定した。
また、垂直偏波用無給電素子41,42の長さおよび幅をそれぞれ0.37λおよび0.07λに、垂直偏波用無給電素子44の長さおよび幅をそれぞれ0.27λおよび0.07λに、水平偏波用無給電素子43の長さおよび幅をそれぞれ0.31λおよび0.07λに設定した。
また、本実施例に係る偏波共用アンテナによれば、図13に例示するような垂直偏波のVSWR特性および図14に例示するような水平偏波のVSWR特性が得られた。なお、各図において、f0は使用周波数帯域(2GHz帯)の中心周波数である。これらのVSWR特性から明らかなように、本実施例によれば、比帯域約12.2%においても良好なVSWR特性を得ることが可能になる。
図15は、このアレー構造の偏波共用アンテナの一例を示す分解斜視図である。このアンテナは、図11に示すアンテナを垂直方向に2個連接した構造を有する。このアンテナでは、各十字形給電スロット20を共通の誘電体基板100の地導体層110に形成するとともに、該各給電スロット20に対応する無給電素子41〜44を共通の無給電素子用誘電体基板600に形成し、さらに、誘電体基板100の後方をカバーし得る大きさの反射板500を使用している。そして、各スロット20を同時励振するため、誘電体基板100の裏面にトーナメント形式の垂直偏波用給電線路310および水平偏波用給電線路320を形成している。
なお、給電スロット20の配列数は2に限定されず、3以上の所望数の給電スロット20を配列することができる。また、給電スロット20の配列方向も垂直方向に限定されず、必要に応じて、水平方向に配列しても良い。
11 地導体層
20 十字形給電スロット
21 垂直偏波用スロット
22 水平偏波用スロット
31,310 垂直偏波用給電線路
32,320 水平偏波用給電線路
41,42,44 垂直偏波用無給電素子
43,46,47 水平偏波用無給電素子
50,500 反射板
Claims (13)
- 表面に地導体層が形成された誘電体基板と、
前記地導体層に形成され、それぞれ中心部から両端方向に向かうに従って幅が拡大する形状を有した垂直偏波用スロットおよび水平偏波用スロットをそれらの中央部において交差させた構成を有する十字形給電スロットと、
前記垂直偏波用スロットに給電するために前記誘電体基板の裏面に形成された垂直偏波用給電線路と、
前記水平偏波用スロットに給電するために前記誘電体基板の裏面に形成された水平偏波用給電線路と、
使用周波数域の中心周波数に共振する長さを有し、前記誘電体基板の表面前方側に所定の間隔をおいてそれぞれ配設された金属板からなる第1、第2の垂直偏波用無給電素子および単一の水平偏波用無給電素子と、を備え、
前記第1および第2の垂直偏波用無給電素子は、前記垂直偏波用スロットの一端側および他端側においてそれぞれ垂直方向に延び、
前記水平偏波用無給電素子は、前記水平偏波用スロットの中央部前方を通って水平方向に延びている、ことを特徴とする偏波共用アンテナ。 - 前記誘電体基板の表面前方側に所定の間隔をおいて配設され、前記垂直偏波用スロットの中央部を横断する形態で垂直方向に延びる金属板からなる第3の垂直偏波用無給電素子をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ。
- 前記水平偏波用無給電素子は、前記第1および第2の垂直偏波用無給電素子との高周波的な結合を低減するために、各端部が先細状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ。
- 無給電素子用誘電体基板を設け、前記各垂直偏波用無給電素子および前記水平偏波用無給電素子を前記無給電素子用誘電体基板上に金属箔によって形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏波共用アンテナ。
- 前記各垂直偏波用無給電素子および前記水平偏波用無給電素子を前記無給電素子用誘電体基板の一方の面および他方の面にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項4に記載の偏波共用アンテナ。
- 表面に地導体層が形成された誘電体基板と、
前記地導体層に形成され、それぞれ中心部から両端方向に向かうに従って幅が拡大する形状を有した垂直偏波用スロットおよび水平偏波用スロットをそれらの中央部において交差させた構成を有する十字形給電スロットと、
前記垂直偏波用スロットに給電するために前記誘電体基板の裏面に形成された垂直偏波用給電線路と、
前記水平偏波用スロットに給電するために前記誘電体基板の裏面に形成された水平偏波用給電線路と、
使用周波数域の中心周波数に共振する長さを有し、前記誘電体基板の表面前方側に所定の間隔をおいてそれぞれ配設された金属板からなる第1、第2の垂直偏波用無給電素子および第1、第2の水平偏波用無給電素子と、を備え、
前記第1および第2の垂直偏波用無給電素子は、前記垂直偏波用スロットの一端側および他端側においてそれぞれ垂直方向に延び、
前記第1、第2の水平偏波用無給電素子は、前記水平偏波用スロットの一端側および他端側においてそれぞれ水平方向に延びている、ことを特徴とする偏波共用アンテナ。 - 前記誘電体基板の表面前方側に所定の間隔をおいて配設され、前記水平偏波用スロットの中央部を横断する形態で水平方向に延びる金属板からなる第3の水平偏波用無給電素子をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の偏波共用アンテナ。
- 前記第3の水平偏波用無給電素子は、前記第1および第2の垂直偏波用無給電素子との高周波的な結合を低減するために、各端部が先細状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の偏波共用アンテナ。
- 前記誘電体基板の表面前方側に所定の間隔をおいて配設され、前記垂直偏波用スロットの中央部を横断する形態で垂直方向に延びる金属板からなる第3の垂直偏波用無給電素子をさらに備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の偏波共用アンテナ。
- 無給電素子用誘電体基板を設け、前記各垂直偏波用無給電素子および前記各水平偏波用無給電素子を前記無給電素子用誘電体基板上に金属箔によって形成したことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の偏波共用アンテナ。
- 前記各垂直偏波用無給電素子および前記各水平偏波用無給電素子を前記無給電素子用誘電体基板の一方の面および他方の面にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項10に記載の偏波共用アンテナ。
- 前記地導体層が形成された誘電体基板の裏面後方に反射板を配設したことを特徴とすると請求項1〜11のいずれかに記載の偏波共用アンテナ。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の偏波共用アンテナを水平方向もしくは垂直方向に複数配列してアレー構造を持たせたことを特徴とする偏波共用アンテナ。
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