JP4211757B2 - 金属膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形体やセラミック成形体等の基材の表面に金属膜を形成する技術に関する。
立体配線基板(MID:Molded Interconnect Device)は、小型・軽量化が要求される電子・オプトエレクトロニクスデバイスなどに適用されている。このような立体配線基板や、あるいはセンサー部品、光反射板などは、樹脂組成物やセラミック組成物等を射出成形等して樹脂成形体やセラミック成形体等からなる基材1を作製し、この基材1の表面に配線や反射膜となる金属膜7を形成することによって製造されている。
このような金属膜7の形成の手法としては、従来からスパッタリングなどのPVD法(物理的気相蒸着法)が適用されている(特許文献1参照)。
図7は金属膜7の形成工程を一例を概略的に示すものであり、基材1に対して予備加熱を施す仕込み室20と、この基材1に窒素プラズマ処理などのプラズマ処理を施すプラズマ処理室21と、プラズマ処理された基材1にスパッタリング等の物理的気相蒸着法にて金属膜7を成膜する成膜室22と、金属膜7が形成された基材1を取り出すための取出し室23とから構成されている。図示の例では成膜室22として前段にターゲット6としてクロムやチタン等からなる第一のターゲット6aを用いる第一の成膜室22aが設けられ、後段にターゲット6として銅等からなる第二のターゲット6bを用いる第二の成膜室22bが設けられており、これにより金属膜7として密着性向上等のためにクロム膜等からなる中間膜を形成した後、銅膜等からなる表層膜を形成するようになっている。基材1は各処理室を搬送され、順次処理が施される。
上記のような金属膜7の形成工程においては、複数の処理工程間で基材1を搬送するための便宜のために基材1を導電体からなる搬送台2に保持させた状態で各処理を施すことが行われている。
すなわち、基材1にプラズマ処理を施す工程では、例えば図8(a)に示すように基材1を搬送台2に保持されたままプラズマ処理室21に導入し、搬送台2を保持電極3上に配置して保持電極3と導通させ、プラズマ処理室21内に窒素ガス等を導入した状態で前記保持電極3に高周波電源25にて高周波電圧を印加してプラズマ処理を施す。このとき、保持電極3と、これと対向する対向電極4の間でRF放電を起こして気体放電現象により窒素プラズマなどのプラズマP1が生成し、プラズマP1中の窒素イオン27などのイオンが基材1の表面に作用してクリーニングを行なうと共に、窒素極性基などの極性基が基材1の表面の分子に付与される。
また、プラズマ処理後の基材1に成膜処理を施す工程では、例えば図8(b)に示すように基材1を搬送台2に保持されたまま成膜室22に導入し、搬送台2を保持電極5上に配置して保持電極5と導通させ、成膜室22内にアルゴンガス等を導入した状態で前記保持電極5に対向するターゲット6にDC電源26からDC電圧を印加してスパッタリングを行う。このとき、保持電極5とターゲット6の間でDC放電が発生し、気体放電現象によりアルゴンプラズマなどのプラズマP2が生成して、プラズマP2中のアルゴンイオン28などのイオンがターゲット6の表面に作用し、ターゲット6を構成する金属原子が弾き飛ばされて基材1の表面に堆積して金属膜7が形成される。
特開2003−073802号公報
しかし、上記のようにして基材1に金属膜7を形成すると、上記成膜処理において基材1の表面だけでなく搬送台2の表面にも金属原子が堆積する場合がある。このため同一の搬送台2を繰り返し使用して基材1に対する金属膜7の形成を行うと、搬送台2の表面に金属層11が形成される場合がある。
このような金属層11が形成された状態の搬送台2を用いて基材1への金属膜7の形成を行うと、プラズマ処理中にプラズマP1中の窒素イオン27等のイオンが金属層11に到達した際、図8(a)に示すように金属層11から金属原子が弾き飛ばされて基材1の表面に堆積してしまうおそれがある。このようにプラズマ処理中に基材1の表面に金属原子が堆積すると、特に上記のように中間膜や表層膜等からなる二層以上の金属膜を形成する場合には、中間膜の形成の前にプラズマ処理中に金属層11から表層膜を構成する銅原子等が放出されて基材1に堆積されると中間膜による密着性向上等の効果が十分に得られなくなるおそれがある。また、基材1に金属膜7としてクロム−銅合金等の合金膜を形成する場合などには、プラズマ処理中における搬送台2上の金属膜11の意図しないスパッタリングにより金属膜11を構成する合金中における銅等のような基材1との密着性の悪い金属のみが基材1に堆積するおそれもあり、この場合も基材1と合金膜からなる金属膜7との密着性を十分に得ることができなくなるおそれがある。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、基材を搬送台に配置した状態でプラズマ処理と物理的気相蒸着法により金属膜を成膜する成膜処理を経ることにより基材の表面に金属膜を形成するにあたり、同一の搬送台を繰り返し用いてもプラズマ処理中に搬送台の表面に堆積した金属膜からスパッタリングにより放出される金属原子が基材表面に付着することを抑制することができる金属膜の形成方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る金属膜形成方法は、基材1を保持した導電体からなる搬送台2をプラズマ処理用の保持電極3上に配置して、前記保持電極3と対向電極4との間に電圧を印加することにより基材1表面にプラズマ処理を施す工程と、前記搬送台2に基材1を保持した状態でこの基材1に対して物理的気相蒸着法により金属膜7を形成する工程とを含み、前記プラズマ処理を施す工程において前記搬送台2と対向電極3との間に、前記搬送台2上の前記基材1が配置されていない部位を遮蔽する遮蔽体8を配設し、前記遮蔽体8に正のバイアスをかけることを特徴とするものである。このようにすると、同一の搬送台2を用いて繰り返し処理を行う場合、以前の成膜処理により搬送台2の表面に金属層11が形成されている状態で基材1のプラズマ処理を行い、前記金属層11を構成する金属原子がスパッタリングにより弾き飛ばされても、この金属原子が遮蔽体8により遮蔽され、金属膜11から放出された金属原子がプラズマ処理中に基材1の表面に堆積することが抑制される。また、遮蔽体8に正のバイアスをかけるようにするとプラズマ処理中にプラズマP1中のイオンが遮蔽体8に衝突することを防止することができ、遮蔽体8を構成する原子がスパッタリングにより弾き飛ばされて基材1に堆積することを抑制することができる。
上記金属膜形成方法においては、遮蔽体8の基材1側の縁部に、搬送台2側に向けて延出する延出部9を設けるようにしても良い。このようにすると、延出部9によって金属原子を更に遮蔽することができ、金属膜11から放出された金属原子がプラズマ処理中に基材1の表面に堆積することを更に確実に抑制することができる。
また、延出部9を設ける場合にはこの延出部9の搬送台2側の縁部9aを曲面状に形成することが好ましい。このようにすると前記縁部9aにおける電界の集中を抑制してアーク放電の発生を抑制し、アークによる基材1、搬送台2、遮蔽体8等の損傷を抑制することができるものである。
また、上記のような遮蔽体8の表面には金属酸化物被覆10を形成することも好ましい。このようにすれば、エッチレートの低い金属酸化物被覆10からはスパッタリングにより原子が弾き飛ばされにくくなり、これにより遮蔽体8を構成する原子がスパッタリングにより弾き飛ばされて基材1に堆積することを抑制することができる。
本発明によれば、同一の搬送台を繰り返し使用して基材に対して金属膜の形成を行っても、プラズマ処理中において基材の表面に搬送台上の金属原子が付着することを抑制することができ、同一の搬送台を用いて繰り返し基材に対する金属膜の形成を行っても、基材と金属膜との間の密着性を十分に高く維持することができるものである。
特に金属膜として密着性向上等のためにクロム膜やチタン膜、或いはこれらと銅との合金膜等からなる中間膜を形成した後に銅膜等の表層膜を形成する場合などには、中間膜の形成の前にプラズマ処理中に搬送台上の金属層から表層膜を構成する銅原子等の金属原子が放出されて基材に堆積して中間膜による密着性向上の効果が低下することを防止することができ、また基材に金属膜としてクロム−銅合金等の合金膜のみを形成する場合にも、プラズマ処理中における搬送台上の金属膜の意図しないスパッタリングにより金属膜を構成する合金中における銅等のような基材との密着性の悪い金属のみが基材に堆積することを防止することができ、この場合も基材と合金膜からなる金属膜との密着性を十分に得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
基材1としては、図6(a)に示すようなポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂を成形した立体配線基板(MID:Molded Interconnect Device)を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、セラミック基材やその他適宜の材質のものを採用することができる。また、金属膜7は配線加工や光反射板の形成等のために形成することができるが、これに限らず適宜の目的のために金属膜7を形成するにあたり、本発明を適用することができる。
図7に示す基材1に対する金属膜7の形成工程は、基材1に対して予備加熱を施す仕込み室20と、この基材1に窒素プラズマ処理などの高周波プラズマ処理を施すプラズマ処理室21と、プラズマ処理された基材1に物理的気相蒸着法にて金属膜7を成膜する成膜室22と、金属膜7が形成された基材1を取り出すための取出し室23とから構成されている。図示の例では成膜室22としてスパッタリングにより金属膜7の形成を行うものが設けられており、前段にはターゲット6としてクロム等からなる第一のターゲット6aを用いる第一の成膜室22aが、後段にターゲット6として銅等からなる第二のターゲット6bを用いる第二の成膜室22bがそれぞれ設けられている。基材1は各処理室を搬送台2に保持された状態で搬送され、下記に示すように順次処理が施されることにより金属膜7が形成される。
基材1は、まずステンレス鋼材(SUS)等の導電体から形成される搬送台2に保持された状態で仕込み室20に導入され、ハロゲンランプ24等にて適宜の条件、例えば150℃で180秒間予備加熱される。尚、搬送台2の材質は、前記SUSに限られず、適宜の導電体にて形成できる。
次に基材1は搬送台2に保持されたままプラズマ処理室21に導入される。プラズマ処理室21は高周波プラズマ処理装置などで構成され、チャンバー29内に保持電極3及び対向電極4を対向させて配設し、保持電極3を高周波電源25に接続すると共にこの高周波電源25をバイアス用の電源32を介して接地するなどして保持電極3に負のバイアスがかけられるようにし、対向電極4をチャンバー29に接続するなどして接地してあり、チャンバー29内にはプラズマ生成用の雰囲気ガスを導入できるようにしてある。そして、保持電極3上に搬送台2を配置して保持電極3と搬送台2とを導通させた状態で保持してチャンバー29内にセットし、チャンバー29内に窒素ガスやアルゴンガス等の雰囲気ガスを導入すると共に減圧状態(例えば10Pa)にして、保持電極3に適宜の高周波電圧(例えばRF700Wで180秒間)を印加すると共に保持電極3側に負のバイアスをかけることによって、保持電極3と対向電極4の間でRF放電を起こして気体放電現象により窒素プラズマなどのプラズマP1を生成させる。このようにプラズマP1を生成させると、プラズマP1中の窒素イオン27などのイオンが基材1の表面に作用し、基材1の表面の汚染物を除去するクリーニングを行なうと共に、窒素極性基などの極性基を基材1の表面の分子に付与する処理がなされる。
このように基材1にプラズマ処理を施した後、基材1は搬送台2に保持されたまま成膜室22に導入される。
成膜室22では、チャンバー30内に保持電極5及びターゲット6を適宜の間隔(例えば60〜70mm)をあけて対向させて配設し、保持電極5をチャンバー30に接続するなどして接地し、DC電源26の負極側をターゲット6に接続すると共に正極側をチャンバー30に接続するなどして接地してあり、チャンバー30内にはスパッタ用の雰囲気ガスを導入できるようにしてある。図示の例では上記の成膜室22として第一の成膜室22aと第二の成膜室22bが設けられており、第一の成膜室22aにはチャンバー30a内に保持電極5aに対向してDC電源26aに接続するクロム等からなる第一のターゲット6aが設けられ、第二の成膜室22bにはチャンバー30b内に保持電極5bに対向してDC電源26bに接続する銅等からなる第二のターゲット6bが設けられている。そして、保持電極5上に搬送台2を配置させた状態で保持してチャンバー30内にセットし、チャンバー30内にアルゴンガス等の雰囲気ガスを導入すると共に減圧状態(例えば1〜5×10−3Pa)にして、ターゲット6にDC電圧(例えば3〜4kW)を印加することによって、保持電極5とターゲット6の間でDC放電を発生させ、気体放電現象によりアルゴンプラズマなどのプラズマP2を生成させる。このようにプラズマP2を生成させると、プラズマP2中のアルゴンイオン28などのイオンがターゲット6の表面に作用し、ターゲット6を構成する金属原子が弾き飛ばされて基材1の表面に堆積して金属膜7が形成される(図8(b)参照)。このとき基材1に対して第一の成膜室22aと第二の成膜室22bにて順次スパッタリング処理を施すことにより、第一の金属膜7としてクロム膜からなる中間膜7a(例えば膜厚10〜100nm)が形成され(図6(b)参照)、次いで第二の金属膜7として銅膜からなる表面層7b(例えば膜厚300nm)が形成される(図6(d)参照)。成膜室22の構成はこのようなものに限られず、例えばクロム−銅合金やチタン−銅合金からなるターゲット6を備える一つの成膜室22のみ、或いはクロムやチタン等からなるターゲット6と銅からなるターゲット6とが併設された一つの成膜室22のみにて、クロム−銅合金やチタン−銅合金等からなる単一層の金属膜7を形成したり、上記構成において第二のターゲット6bとしてクロムからなるものに代えてチタン製、クロム−銅合金製、チタン−銅合金製等からなるものを用いてチタン膜等からなる中間膜7aと銅膜からなる表面層7bとで構成される金属層7を形成したり、三以上の成膜室22を設けて三層以上の金属膜7を形成したりすることができ、所望の金属膜7の構成に応じて適宜の金属からなるターゲット6を備える適宜の個数の成膜室22にて処理を行うことができる。
次に、基材1を保持した搬送台2は取り出し室23から取り出され、次いで基材1を配線板として形成する場合には必要に応じて配線加工が施される。このとき例えば図6(d)に示すように基材1上の金属膜7に配線形成部と非配線形成部との少なくとも境界領域に非配線形成部のパターンに対応して、レーザ等の電磁波を照射することによって、非照射部を残してレーザ等の電磁波を照射した部分の金属膜7を除去し、その後、図6(e)に示すように非照射部の金属膜7の表面に電解めっきを施すなどして導体配線31を形成し、更に必要に応じてエッチング処理を施すなどして非配線形成部に残存する金属膜7を除去するなどして、図6(f)に示すような配線基板を製造することができる。
上記のようにして基材1に対して金属膜7を形成するにあたり、本発明では基材1表面にプラズマ処理を施す工程において、搬送台2と対向電極4との間に、搬送台2上の基材1が配置されていない部位を遮蔽する遮蔽体8を配設するものである。
図1(a)に示す例では、遮蔽体8は搬送台2に対して間隔をあけて対向電極4側に配設している。この遮蔽体8は、基材1と対向電極4との間には設けないようにして基材1を対向電極4に対して露出させるようにしている。遮蔽体8はチャンバー29内に固定して設けるようにしても良く、また搬送台2に対して設けるようにしても良い。またチャンバー29内や搬送台2に対して着脱自在に設けても良い。また、図示の例では遮蔽体8はチャンバー29に接続するなどして接地しており、このとき、遮蔽体8を搬送台2に対して設ける場合は遮蔽体8と搬送台2とを絶縁させるようにする。
このような遮蔽体8を配設すると、プラズマ処理時において搬送台2の表面に金属層11が形成されていて、プラズマ処理中にプラズマP1中の窒素イオン27などのイオンが金属層11に到達し、この金属層11から金属原子が弾き飛ばされたとしても、この金属原子は基材1に到達する前に遮蔽体8によって遮蔽され、基材1に金属原子が堆積することを抑制することができるものである。
遮蔽体8はSUS等の導電体にて形成することができる。またこのとき遮蔽体8の表面には図1(b)に示すように石英ガラスやアルミナ等の金属酸化物被覆10を形成するようにしても良い。このようにすると遮蔽体8の表面にエッチレートの低い金属酸化物被覆10を形成することにより、遮蔽体8の表面にプラズマP1中の窒素イオン27等のイオンが到達した場合に遮蔽体8を構成する金属原子が弾き飛ばされて基材1の表面に堆積することを防止することができる。
また、このとき、遮蔽体8と搬送台2との間の間隔は、5mm以下となるようにすることが好ましい。このようにすると、遮蔽体8と搬送台2との間に電位差が生じてもこの間を移動する電子がプラズマ発生に必要とされるほどの加速を受けにくくなり、このため基材1に金属原子が付着することを更に抑制することができる。
また、図2(a)に示すように、遮蔽体8の基材1側の端縁には搬送台2側へ向けて延出する延出部9を設けるようにしても良い。このような延出部9を設けると、搬送台2の表面の金属層11から放出された金属原子が搬送台2と遮蔽体8との間を基材1へ向けて通過しようとしても、このような金属原子を延出部9にて遮蔽することができ、これにより基材1に対する金属原子の付着を更に抑制することができる。
このような延出部9を設ける場合には、延出部9の搬送台2側の端縁9aを図2(b)に示すように曲面状に形成することが好ましい。このようにすると、延出部9の端縁における電界集中を抑制し、これによりアーク放電が発生することを防止して基材1、搬送台2、遮蔽体8等の損傷を防止することができるものである。
そして本発明では、図3に示すように遮蔽体8に正のバイアスをかけるものである。図示の例では遮蔽体8にはバイアス用の電源33の正極が接続されていると共にこの電源33の負極はチャンバー29に接続するなどして接地されている。このとき遮蔽体8にかけられるバイアス電圧は例えば10〜30Vとすることができる。このようにするとプラズマP1中の窒素イオン27等の陽イオンが遮蔽体8に衝突することを抑制することができ、遮蔽体8の表面でスパッタリングが生じてこの遮蔽体8を構成する原子が基材1に向けて弾き飛ばされて堆積するような事態が発生することも防止することができるものである。
なお、図4、遮蔽体8として、金属膜7を形成するためにターゲットを兼ねるものを設けた参考例を示している。このとき遮蔽体8としては所望の中間膜7aの材質に応じて適宜の金属からなるものを用いることができるが、例えばクロムやチタン或いはこれらと銅との合金などからなる遮蔽体8が設けられる。
このとき遮蔽体8には負のバイアスがかけられるものであり、図示の例では遮蔽体8にはバイアス用の電源34の負極が接続されていると共にこの電源34正極はチャンバー29に接続するなどして接地されている。このとき遮蔽体8にかけるバイアス電圧は例えば10〜30Vとすることができる。
このような遮蔽体8を用いてプラズマ処理を行うと、プラズマP1中の窒素イオン27等のイオンが負のバイアスにより遮蔽体8に衝突し、これにより遮蔽体8を構成する金属原子が弾き飛ばされて基材1に付着することとなる。このため、基材1にはプラズマ処理によるクリーニング等を施すと同時にスパッタリングによる金属膜7の形成を行うことができるものである。
このような金属膜7を形成するためのターゲットを兼用する遮蔽体8を設ける場合、金属膜7として二層以上のものを形成する場合には、成膜室22としては第一層目の金属膜7を形成するためのものを省略して第二層目以降の金属膜7を形成するための成膜室22のみを設けるようにすることができ、また一層のみからなる金属膜7を形成する場合には成膜室22を省略して物理的気相蒸着法による金属膜7形成をプラズマ処理と同時に行うようにすることもできる。
またこのような金属膜7のターゲットを兼用する遮蔽体8を設ける場合には、遮蔽体8と搬送台2(及び保持電極3)とが同一電位になるようにすることが好ましい。例えば図5に示す参考例では、搬送台2と遮蔽体8とを導電性の部材12を介して導通させることにより搬送台2と遮蔽体8とを同一電位としているが、遮蔽体8と保持電極3とを導通させるようにしてもよく、また高周波電源25に対して遮蔽体8と保持電極3とを並列に接続するようにしても良い。このようにすると、遮蔽体8は負のバイアスがかけられた保持電極3と同一電位であるから上記図4に示す場合と同様にプラズマP1中の窒素イオン27等のイオンが負のバイアスにより遮蔽体8に衝突し、これにより遮蔽体8を構成する金属原子が弾き飛ばされて基材1に付着することとなる。このため、基材1にはプラズマ処理によるクリーニング等を施すと同時にスパッタリングによる金属膜7の形成を行うことができるものである。また、遮蔽体8と搬送台2を同一電位とすると、遮蔽体8と搬送台2との間には放電が生じなくなり、かかる放電に起因して搬送台2の表面の金属層11からの金属原子の放出が発生することを抑制することができて、このような金属原子が基材1に付着することを更に抑制することができるものである。
(a)は基材に対してプラズマ処理を施す工程の一例を示す概略図、(b)は前記他例を示す一部の概略図である。 (a)(b)は同上の基材に対してプラズマ処理を施す工程の更に他例を示す一部の概略図である。 同上の基材に対してプラズマ処理を施す工程の実施形態の一例を示す概略図である。 同上の基材に対してプラズマ処理を施す工程の参考例を示す概略図である。 同上の基材に対してプラズマ処理を施す工程の参考例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の一例を示すものであり(a)乃至(f)は基材を示す断面図である。 本発明の実施の形態の全体構成の一例を示す概略図である。 従来技術の一例を示すものであり、(a)は基材に対してプラズマ処理を施す工程を示す概略図、(b)は基材に対して成膜処理を施す工程を示す概略図である。
符号の説明
1 基材
2 搬送台
3 保持電極
4 対向電極
7 金属膜
8 遮蔽体
9 延出部
9a 端縁
10 金属酸化物被覆

Claims (4)

  1. 基材を保持した導電体からなる搬送台をプラズマ処理用の保持電極上に配置して、前記保持電極と対向電極との間に電圧を印加することにより基材表面にプラズマ処理を施す工程と、前記搬送台に基材を保持した状態でこの基材に対して物理的気相蒸着法により金属膜を形成する工程とを含み、前記プラズマ処理を施す工程において前記搬送台と対向電極との間に、前記搬送台上の前記基材が配置されていない部位を遮蔽する遮蔽体を配設し、前記遮蔽体に正のバイアスをかけることを特徴とする金属膜形成方法。
  2. 上記遮蔽体の基材側の縁部に、搬送台側に向けて延出する延出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
  3. 上記延出部の搬送台側の縁部が曲面状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の金属膜形成方法。
  4. 上記遮蔽体の表面に金属酸化物被覆が形成されている特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の金属膜形成方法。
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