JP4211498B2 - 樹脂注型形電気回路ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばバッテリ充電制御装置の如き電気回路が注型樹脂でモールドされた樹脂注型形電気回路ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の樹脂注型形電気回路ユニットは、図2(A)(B)に示すように、有底で筒状の室1を有し少なくとも底部2の外面に複数の放熱フィン3が突設されているアルミニウムの如き金属製のケース4を備え、該ケース4の室1内に収容された電気回路(図示せず)を埋め込んで注型樹脂5が充填され、ケース4の開口部6側にアルミニウムの如き放熱板7がケース4の周面より大きな大きさで且つ該開口部6の周囲に接してネジ8で取付けられ、放熱板7の複数箇所には取付け孔9が設けられている。ケース4の側壁には、電気回路からのコード (図示せず)を引出す箇所にグロメット12が嵌められている。
【0003】
このような樹脂注型形電気回路ユニットは、図示しない電気回路のパワー素子等からの放熱をケース4の放熱フィン3や放熱板7で行うようになっている。
【0004】
電気回路が大出力のものである時には、ケース4のサイズを大きくし、放熱性を良くしている。
【0005】
しかしながら、上記の如き樹脂注型形電気回路ユニットは、注型樹脂5のモールド表面5aと放熱板7との間に隙間10ができ、この隙間10で注型樹脂5から放熱板7に向かう熱がこもってしまい、放熱を妨げてしまう問題点があった。
【0006】
また、ケース4のサイズを大きくして放熱性能を上げる場合には、放熱板7のサイズも大きくなり、設置スペースの確保が困難になったり、材料費が上昇してコスト高になる問題点があった。
【0007】
そこで、出願人は図3(A)(B)に示す如き樹脂注型形電気回路ユニットを提案した。この樹脂注型形電気回路ユニットは、放熱板7の要部をケース4の輪郭の外に置き、ケース4の開口部6の中央を横切ってこの開口部6より狭い幅の張出し部7aを設け、張出し部7aの中央には注入口7bを設け、この放熱板7とその張出し部7aをネジ8でケース4の開口部6の周囲に固定し、注入口7bからケース4の室1内に収容された電気回路(図示せず)を埋め込んで注型樹脂5を充填した構造になっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
このような構造の樹脂注型形電気回路ユニットでは、ケース4の開口部6は張出し部7aで塞がれた箇所以外は開口しているので、注型樹脂5のモールド表面5aからの放熱性能が向上する利点がある。
【0009】
【特許文献1】
発明協会公開技報公技番号2003−501587号(図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造の樹脂注型形電気回路ユニットでは、ケース4の開口部6の中央を横切って張出し部7aが設けられているので、注型樹脂5のモールド表面5aからの放熱が妨げられ、十分に放熱することができない問題点があった。
【0011】
本発明の目的は、注型樹脂のモールド表面側からの放熱を良好に行わせることができる樹脂注型形電気回路ユニットを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、サイズを大型化しないで放熱性能を向上できる樹脂注型形電気回路ユニットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有底で筒状の室を有し少なくとも底部の外面に複数の放熱フィンが突設されている金属製のケースを備え、該ケースの室内に収容された電気回路を埋め込んで注型樹脂が充填され、該ケースの開口部側に放熱板が該開口部の周囲に接して取付けられている樹脂注型形電気回路ユニットを対象とする。
【0014】
本発明に係る樹脂注型形電気回路ユニットでは、放熱板にはケースの開口部に対応して注型樹脂のモールド表面からの放熱を行う放熱窓が開口部に近い大きさで設けられていることを特徴とする。
【0015】
このように放熱板に、ケースの開口部に対応して注型樹脂のモールド表面からの放熱を行う放熱窓を開口部に近い大きさで設けると、注型樹脂のモールド表面と放熱板との間に熱がこもることがなくなり、注型樹脂のモールド表面からの熱が放熱板の放熱窓を通して行われることになって、注型樹脂のモールド表面側からの放熱を良好に行わせることができる。
【0016】
この場合、放熱板の大きさは、ケースの周面に略等しい大きさとなっていることが好ましい。このようになっていると、前述した放熱性能の向上と共に、放熱板のサイズの増大を防止でき、設置スペースの確保が容易になり、材料費の上昇も防止でき、質量の増大も防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1(A)(B)は例えばバッテリ充電制御装置に適用した本発明に係る樹脂注型形電気回路ユニットの実施の形態の一例を示したもので、図1(A)は本例の樹脂注型形電気回路ユニットの底面図、図1(B)は図1(A)のX−X線断面図である。なお、前述した図2(A)(B)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
【0018】
本例の樹脂注型形電気回路ユニットでは、放熱板7にはケース4の開口部6に対応して注型樹脂5のモールド表面5aからの放熱を行う放熱窓11が、開口部6に近い大きさで設けられている。また、放熱板7の大きさは、ケース4の周面に略等しい大きさとなっている。その他の構成は、前述した図2(A)(B)と同様に構成されている。
【0019】
このように放熱板7に、ケース4の開口部6に対応して注型樹脂5のモールド表面5aからの放熱を行う放熱窓11を開口部6に近い大きさで設けると、注型樹脂5のモールド表面5aと放熱板7との間に熱がこもることがなくなり、注型樹脂5のモールド表面5aからの熱が放熱板7の放熱窓11を通して行われることになって、注型樹脂5のモールド表面5a側からの放熱を良好に行わせることができる。
【0020】
また、放熱板7の大きさは、ケース4の周面に略等しい大きさとなっているので、前述した放熱性能の向上と共に、放熱板7のサイズの増大を防止でき、設置スペースの確保が容易になり、材料費の上昇も防止でき、質量の増大も防止できる。
【0021】
上記例では、放熱窓11を1個、開口部6に近い大きさで設けたが、開口部6に対応して複数の放熱窓11を設けてもよい。
【0022】
また、この樹脂注型形電気回路ユニットは、バッテリ充電制御装置に限定されるものではなく、樹脂注型形であれば他のインバータの如き電気回路の樹脂注型形電気回路ユニットにも同様に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂注型形電気回路ユニットでは、放熱板に、ケースの開口部に対応して注型樹脂のモールド表面からの放熱を行う放熱窓を開口部に近い大きさで設けているので、注型樹脂のモールド表面と放熱板との間に熱がこもることがなくなり、注型樹脂のモールド表面からの熱が放熱板の放熱窓を通して行われることになって、注型樹脂のモールド表面側からの放熱を良好に行わせることができる。
【0024】
この場合、放熱板の大きさは、ケースの周面に略等しい大きさとなっていることが好ましい。このようになっていると、前述した放熱性能の向上と共に、放熱板のサイズの増大を防止でき、設置スペースの確保が容易になり、材料費の上昇も防止でき、質量の増大も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)は本発明に係る樹脂注型形電気回路ユニットの実施の形態の一例を示したもので、(A)は本例の樹脂注型形電気回路ユニットの底面図、(B)は(A)のX−X線断面図である。
【図2】(A)(B)は従来の樹脂注型形電気回路ユニットを示したもので、(A)は従来の樹脂注型形電気回路ユニットの底面図、(B)は(A)のY−Y線断面図である。
【図3】(A)(B)は従来の改善された樹脂注型形電気回路ユニットを示したもので、(A)は従来の改善された樹脂注型形電気回路ユニットの底面図、(B)は(A)のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
1 室
2 底部
3 放熱フィン
4 ケース
5 注型樹脂
5a モールド表面
6 ケースの開口部
7 放熱板
7a 張出し部
7b 注入口
8 ネジ
9 取付け孔
10 隙間
11 放熱窓
12 グロメット
Claims (2)
- 有底で筒状の室を有し少なくとも底部の外面に複数の放熱フィンが突設されている金属製のケースを備え、前記ケースの前記室内に収容された電気回路を埋め込んで注型樹脂が充填され、前記ケースの開口部側に放熱板が該開口部の周囲に接して取付けられている樹脂注型形電気回路ユニットにおいて、
前記放熱板には前記ケースの前記開口部に対応して前記注型樹脂のモールド表面からの放熱を行う放熱窓が前記開口部に近い大きさで設けられていることを特徴とする樹脂注型形電気回路ユニット。 - 前記放熱板の大きさは前記ケースの周面に略等しい大きさとなっていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂注型形電気回路ユニット。
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JP2003157574A JP4211498B2 (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 樹脂注型形電気回路ユニット |
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JP2003157574A Expired - Fee Related JP4211498B2 (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 樹脂注型形電気回路ユニット |
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2003
- 2003-06-03 JP JP2003157574A patent/JP4211498B2/ja not_active Expired - Fee Related
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