JP4211310B2 - マルチビームレーザー描画方法およびフォトマスク製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子製造用のフォトマスク等の製造をするためのレーザービームを照射して所望のパターンを描画するレーザー描画方法及びそれを用いたフォトマスク製造方法に係り、特にレーザービームの強度のばらつきに起因する描画パターンの寸法精度の低下を回避するマルチビームレーザー描画方法およびそれを用いたフォトマスク製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体ウェハープロセスに使用されるフォトマスクの製造に、レーザー光によりマスクブランクを描画する装置が利用されている。通常マスクは、ガラス等の基板に実寸の半導体LSIのパターンが多面付けされているか、マスクブランクに原寸の4倍、もしくは5倍のパターンが描画されているものを指し、後者をレチクルという。近年の微細化に伴い、マスクは殆どがレチクルタイプである。レーザー光による描画装置は電子ビームを利用したフォトマスク製造に対して、レーザー光を用いるもので、真空装置がいらないなど装置が簡素であり、またマルチビームを用いることで、描画時間が電子ビームに比べて短いなどのメリットがある。
【0003】
マルチビームを用いるために、通常は発生装置より出力されたレーザー光を複数本のレーザービームに分割する。その後これらを光学系で平行光線とし、マスクブランク上に各レーザービームを同時に走査、露光することで、描画時間を短くしている。露光の方法としては、まずマスクブランクを縦軸、横軸に移動できるステージに固定しておく。そしてある一定の距離で前記の複数本のレーザービームを同時に走査し、マスクブランク上に露光する。この一定の距離で走査し、露光したパターンを基本単位とする。そして、基本単位を照射した後に、マスクブランクを移動する。なお、マスクブランクは、通常マスクブランクを照射した領域にパターンが接するようにステージを移動する。そして再び同様にしてレーザービームを走査し基本単位を照射した後、マスクブランクを移動する。このようにレーザービームの走査とマスクブランクの移動により単位毎の照射を繰り返すことによって多面付けし、マスクブランク全体の描画を終える。従ってマスクブランクでは基本単位が繰り返され、この周期をもって描画されることになる。
【0004】
ビームを走査する方法としては、回転ミラーを用いる方法や、音響光学素子を用いるものがある。これらのミラーや素子を通った後にf−Θレンズや、リダクションレンズを通過し平行光などの処理後、マスクブランク上に露光される。
【0005】
しかし以上のようなマスク描画によって次のような問題点が起こる。すなわち、レーザー光の分割や、光路差の発生に起因し、マスクブランク上では各レーザービームの強度にバラツキが発生してしまう。そして単位面積当たりのビーム強度のばらつきが、寸法のばらつきとなる。
【0006】
複数のレーザービームを用いて描画する描画装置は、このようなビーム間の強度のばらつき、また各照射単位の繋ぎ(特に走査方向の繋ぎ)のばらつきを回避するため、異なるレーザービームをN回、走査方向に一単位パターン長(走査距離)のN分の1分づつずらして重ねて処理対象物(マスクブランク等)に照射している。異なるレーザービームを重ねることにより、ビーム間の強度のばらつきを平均化し、走査方向にずらすことにより、繋ぎのばらつきを平均化している。ただ、重ね描画は、描画時間の短縮からは望ましいことではないので、回数Nが少ないほうが好ましい。
【0007】
図7は、この重ねる方法の一例を説明する図である。前記の露光の一単位パターンの走査方向をY軸に、これに垂直な複数のビームの並んだ方向をX軸とする。したがって一単位パターンの走査・露光は、複数本のビームが、Y軸方向に並んだ線状のパターンに露光される。一単位パターンのマスクブランク上のX軸方向の長さをLX、Y軸方向の長さをLY(走査距離)とする。まず、初回の露光を、初回の一単位パターン11を露光した後に一単位パターンをX軸方向、Y軸方向にお互いに接するように繰り返し露光し、初回の多面付けする。次に初回の一単位パターン11にたいし、X軸方向にLX/2、Y軸方向にLY/4だけずらして二回目の一単位パターン12を露光し、同様に繰り返し露光し、二回目の多面付けする。次に初回の一単位パターン11にたいし、X軸方向にLX×(3/4)、Y軸方向にLY/2だけずらして三回目の一単位パターン13を露光し、同様に繰り返し露光し、三回目の多面付けをする。次に初回の一単位パターン11にたいし、X軸方向にLX/4、Y軸方向にLY×(3/4)だけずらして四回目の一単位パターン14を露光し、同様に繰り返し露光し、四回目の多面付けをする。この結果、多面付けされたパターンは、周辺部を除き四重に重ね書きされたことになる。
【0008】
なお、本例ではX軸方向はLXの1/4単位としているが、これにこだわらず、異なるビーム同士が重なるように任意の量ずらせばよい。
【0009】
図8は、このようにしてマスクブランク上に重ね書きしたビームの強度分布の例を模式的に表した説明図である。図8(a)は、ビームの強度分布を示す図の凡例の説明図であって、図でパターンの長さは一走査の距離1、矢印は走査の方向2、パターンの区切り線は走査のつなぎ3、数字は走査位置における光学強度4を模式的に示している。これらの符号の意味は、以下図1〜3、図8などで共通の意味を持つ。
【0010】
なお、本明細書では、「ビームパターン」は一単位パターン中の重ねて露光された1本のビームに相当する線状パターンをいうこととする。
【0011】
図8(b)は、異なるビームを走査距離の1/4ずつずらして、4回露光したビームの強度分布の説明図である。ここでBEAM1で示したビームパターンは、このビームパターンを初回の多面付けをレーザービームAで露光し、二回目の多面付けで走査を走査距離の1/4ずらしてレーザービームBで露光し、三回目走査を2/4ずらしてレーザービームCで、四回目走査を3/4ずらしてレーザービームDで露光している。これらの四つのビームは同じビームパターン上を露光したものであるが、図では説明のために並列して記載した。走査して重ねがきした結果の光学強度(重ねた各ビームの強度の和)を、図の右部に示した。そしてこれらの平均強度は27となる。さらに平均強度の走査方向のばらつきをRANGEでみると、最大値32、最小値20であるから12となる。同様にして、BEAM2で示したビームパターンは、レーザービームB、C、D、Aで露光し、平均強度27、走査方向のばらつき12となる。BEAM3で示したビームパターンは、レーザービームC、D、A、Bで露光し、平均強度27、走査方向のばらつき12、BEAM4で示したビームパターンは、レーザービームD、A、B、Cで露光し、平均強度27、走査方向のばらつき12となる。これからBEAM1〜4の平均強度のばらつきは0、各BEAMの走査方向のばらつきの平均は12となる。
【0012】
すなわち、四種類のビームを混ぜることにより、ビーム間のバラツキは平均化されることが判る。しかし、走査方向のばらつきを平均化することはできない。各ビームの強度を重ねた値は、走査方向で比較すると、バラツキが大きくなっている。このため、走査方向の寸法精度の低下を招いていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、レーザービームの走査方向の強度ばらつきが、描画するパターンの寸法精度を低下させないマルチビームレーザー描画方法及びそれを用いたフォトマスク製造方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するものであり、請求項1の発明は、ステージ上のマスクブランクに、ひとつのレーザー光源から分割され単位面積あたりのビーム強度がそれぞれ異なる複数のレーザービームを決められた走査距離で露光し、これを走査方向及びそれに垂直方向に繰り返して一単位パターンを描画して多面付けし、さらに露光開始位置を変えて次の一単位パターンを描画して多面付けするマルチビームレーザー描画方法において、レーザービームを複数選択しその相互の走査位置がずれるように多数回一単位パターンの位置をずらして重ねて露光するレーザー描画方法であって、複数選択したレーザービームのうち相異なるレーザービームをそれぞれ少なくとも二回、相互に走査方向のみ位置がずれるようにステージを移動して一単位パターンの露光開始位置をずらして重ねて露光することを特徴とするマルチビームレーザー描画方法としたものである。
【0015】
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載のマルチビームレーザー描画方法において、レーザービームをn回、前記決められた走査距離のn分の一の距離づつ走査方向に相互の位置がずれるように一単位パターンの露光開始位置をずらして走査し重ねて露光するレーザー描画方法であって、選択した相異なるレーザービームm個をそれぞれr(=n/m)回、前記決められた走査距離のr分の一の距離づつ相互に走査方向のみ位置がずれるように、一単位パターンの露光開始位置をずらして重ねて描画することを特徴とするマルチビームレーザー描画方法としたものである。
(ここでn、m、rは共に正の整数で、rは2以上の値である。)
【0016】
本発明の請求項3の発明は、請求項1または2に記載のマルチビームレーザー描画方法において、複数選択したレーザービームをすべて、同一レーザービームが相互に走査方向のみ位置がずれるように一単位パターンの位置をずらしてかつ同一レーザービームを順次相互に逆向きに走査して重ねて露光することを特徴とするマルチビームレーザー描画方法としたものである。
【0017】
本発明の請求項4の発明は、フォトマスクブランクに、すくなくとも所定のパターンをレーザービームにより描画し、露光し、現像してフォトマスクを製造するフォトマスク製造方法において、レーザービームによる描画方法が請求項1〜3いずれか1項記載のマルチビームレーザー描画方法であることを特徴とするフォトマスク製造方法としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本願発明のマルチビームレーザー描画方法では、マスクブランクに、相異なる複数のレーザービームを決められた距離で走査して露光し、これを一単位パターンとして走査方向及びそれに垂直方向(マスクブランクのステージの移動方向)に繰り返し描画して多面付けし、さらに一単位パターンの位置を変え重ねて描画し多面付けするマルチビームレーザー描画方法を前提とする。この重ねて描画する方法として、レーザービームを複数選択しその相互の走査位置がずれるように多数回一単位パターンの位置をずらして重ねて露光する。このうち、複数選択したなかで、相異なるレーザービームをそれぞれ少なくとも二回、相互に走査方向のみ位置がずれるように一単位パターンの位置をずらして重ねて露光するものである。
【0019】
本発明のマルチビームレーザー描画方法の一例として、レーザービームをn回、前記決められた走査距離のn分の一の距離づつ走査方向に相互の位置がずれるように一単位パターンの位置をずらして走査し重ねて描画する。このうち、選択した相異なるレーザービームm個をそれぞれr(=n/m)回、前記決められた走査距離のr分の一の距離づつ相互に走査方向のみ位置がずれるように、一単位パターンの位置をずらして重ねて描画するものである。
なおこのように、選択したm個のレーザービームすべてをr回描画するので、総計n=m×r回重ねて露光することになる。ここでn、m、rは共に正の整数で、rは2以上の値である。また、相異なるレーザービームをm個選択するので、m>1である。
【0020】
さらに、2回以上、同じレーザービームを走査する際、順次、お互いに逆方向になるように走査しても良い。
【0021】
以上のように一つのビームパターン上に、少なくとも2回以上、同じレーザービームを走査方向に位置をずらして露光することにより、描画するパターンの寸法精度を低下させずに、レーザー描画できる。これを図を用いて説明する。
【0022】
図1は、本願発明の方法の形態例1で重ね書きしたマスクブランク上のビームの強度分布を模式的に示した説明図である。図8と同様に、これらのビームは同じビームパターン上を露光したものであるが、図では並列して記載した。また、ビームパターンを説明する各記号、数値などの意味は図8(a)と同様である。
【0023】
図1は、同じビームを走査距離の1/2ずらして2回露光し、異なるビームとの組み合わせで合計4回露光した場合である。ここでBEAM1で示したビームパターンは、このビームパターンを初回の多面付けをレーザービームAで露光し、二回目の多面付けで走査を走査距離の1/4ずらしてレーザービームCで露光し、三回目走査を2/4ずらしてレーザービームAで、四回目走査を3/4ずらしてレーザービームCで露光している。すなわち、前述のn、m、rが、n=4、m=2、r=2に相当する例である。走査して重ねがきした結果の光学強度を、図の右部に示した。そしてこれらの平均強度は30となる。さらに平均強度の走査方向のばらつきをRANGEでみると、最大値、最小値30であるから0となる。同様にして、BEAM2で示したビームパターンは、レーザービームB、D、B、Dで露光し、平均強度24、走査方向のばらつき1となる。BEAM3で示したビームパターンは、レーザービームC、A、C、Aで露光し、平均強度30、走査方向のばらつき0、BEAM4で示したビームパターンは、レーザービームD、B、D、Bで露光し、平均強度24、走査方向のばらつき1となる。
【0024】
これから各ビームパターンBEAM1〜4の平均強度のばらつきは6、各BEAMの走査方向のばらつきの平均は1となる。
すなわち、少なくとも2回以上、同じレーザービームを走査方向に位置をずらして露光することにより、各BEAMの平均強度のばらつきは余り増えることなく、各BEAMの走査方向のばらつきを減らすことができ、描画するパターンの寸法精度を低下させずに、レーザー描画できる。
【0025】
以上の例でBEAM1〜4の平均強度のばらつきが多少増加するのは、次のような理由である。
図3は、同じビームを走査距離の1/4づつずらして4回露光した場合の平均強度、走査方向のばらつきを図1と同様にして示した説明図である。
BEAM1で示したビームパターンは、このビームパターンを初回の多面付けをレーザービームAで露光し、二回目の多面付けで走査を走査距離の1/4ずらして同様にレーザービームAで露光し、三回目走査を2/4ずらしてレーザービームAで、四回目走査を3/4ずらしてレーザービームAで露光している。走査して重ねがきした結果の光学強度を、図の右部に示した。そしてこれらの平均強度は36となる。さらに平均強度の走査方向のばらつきをRANGEでみると、最大値、最小値36であるから0となる。同様にして、BEAM2で示したビームパターンは、レーザービームBで露光し、平均強度37、走査方向のばらつ0となる。BEAM3で示したビームパターンは、レーザービームCで露光し、平均強度24、走査方向のばらつき0、BEAM4で示したビームパターンは、レーザービームDで露光し、平均強度10、走査方向のばらつき0となる。
【0026】
すなわち、同じレーザービームを走査方向に位置をずらして露光することにより、各BEAMの走査方向のばらつきを激減することができるが、各BEAMの平均強度のばらつきは増大することになる。描画するパターンの寸法精度は逆に悪化する。本願発明では、このような各BEAMの平均強度のばらつきを増大することなく、しかも各BEAMの走査方向のばらつきを減らすことができ、描画するパターンの寸法精度を低下させずに、レーザー描画できる。
【0027】
図2は本願発明の実施の形態例2で、本願発明の方法で重ね書きしたビームの強度分布を模式的に示した説明図である。この例では、同じビームを逆方向に走査して2回露光し、走査距離の1/2ずらした異なるビームとの組み合わせで4回露光した場合である。図の記号、数字などの意味は図1と同様である。
図2の例では、3回目の露光のビームと4回目の露光のビームを逆方向から走査するものである。この結果、平均強度のバラツキ9、走査方向のばらつき3となる。このようにしても走査方向のばらつきを減少することができる。
【0028】
なお、以上の例はステージの移動方向(X軸方向)は特に記載はしなかったが、異なるビーム同士が重なるようにずらせばよい。また、同じビームが重なるようにするにはステージ方向には移動しないか、あるいは一単位パターンの倍数だけ移動すればよい。
【0029】
さらに、実施の形態例1では、ずらす位置を走査距離の1/n(1/4)としたが、必ずしもこれにこだわるものではない。走査方向のビームのばらつきは連続性があり、このような位置(走査距離の1/n)からずれてもばらつきを低減する作用は得られる。実施の形態例2では、このような位置でなくても低減できる例である。
【0030】
重ねるビームの選択や重ねる回数rの選択、あるいはビームの走査の方向の選択は、ビームのばらつきの程度、ばらつきが走査方向に増減する仕方などに応じ、適宜選択する。各種レンズ等の光学系に起因するビームのバラツキは、連続性があり、一方的に増減するか、上下に増減したり、上下対称の分布をしている事が多い。
【0031】
重ね書きするビームは適宜選ぶことができる。ばらつきが走査の上下両方向に増加あるいは減少する場合は、同一ビームの相互の走査方向は同じにしたほうが良いが、一方向にばらつきが低減または増加するビームは走査方向を相互に逆向きにしたほうが好ましい。一方向にばらつきが低減または増加するビームで、変化率が上下に偏っている場合は、同一ビームの重ねの回数を増加すると効果が増す。
【0032】
また、本願明細書の中で、一走査で描画するパターンを一単位パターンとしたが、これはマスクブランク上で多面付けされる単位となるものであって、たとえば異なるビーム群からなる複数の単位を走査し多面付けする場合、この複数の単位を本願明細書では一単位パターンとする。すなわち、一単位パターンが複数の単位から形成されるもので、この場合の一単位パターンでも本願の作用効果は同様に得られる。またこの場合、複数の単位を同時にマスクブランクに描画する必要もなく、それぞれの単位を個別に描画しても同様である。
【0033】
以上のように、本願発明の描画方法では、寸法ばらつきの低減したパターンを描画できるので、フォトマスクブランクに、すくなくとも所定のパターンを本願発明のレーザー描画方法により描画し、露光し、現像してフォトマスクを製造することによって、寸法ばらつきの低減したフォトマスクを製造できる。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。
レーザー描画装置として、ALTA3500(ETEC社製)を用いた。複数の線パターンよりなるテストマスクを設計し、描画データを作成した。レーザー光用のレジストを成膜したマスクブランクを前記装置に設置し、前記描画データで、4回の露光により重ねて描画した。その後現像し、作成したマスクの線パターンの走査方向における寸法のばらつきの分布を以下に示した。寸法のばらつきは、ビームの強度のばらつきの分布を間接的に表すことができる。
【0035】
図4は本発明のレーザービーム描画方法の実施例で露光した線パターンの説明図である。同じビームを走査距離の1/2ずらして2回露光し、異なるビームとの組み合わせで4回露光して線パターンを露光した。本例は、n=4、m=2、r=2のケースである。図では4種類の線パターン(BEAM1〜4)について、その部分を模式的に示した。図4(a)は各バターンの寸法ばらつきを走査方向の位置で示した。ばらつきの度合いは○の形状で示してあり、ハッチを施した○が平均より寸法OVER(=強度が強い)、白○が平均より寸法UNDER(=強度が弱い)であることを示す。○が大きいほど、寸法が大きい。参考として、0.01μmの○の大きさをreference欄に併記した。図4(b)の棒グラフは、各線パターン(BEAM1〜4)の走査方向のばらつきをRANGEで表しており、線グラフは、各線パターン(BEAM1〜4)の平均寸法を全体の平均からのずれで示している。
【0036】
各線パターン(BEAM1〜4)の走査方向のばらつきは、平均で4nm程度であり、線パターン(BEAM)間の平均寸法の差も、12nmと小さい。全体的には、RANGEで15nmの寸法のばらつきをもっている。
この時、AとEの組み合わせは、最も平均化される組み合わせを選んだ。
【0037】
<比較例1>
図5は本発明のレーザービーム描画方法の比較例で露光した線パターンの説明図である。同じビームを走査距離の1/4づつずらして4回露光して露光した。本例は、n=4、m=1、r=4のケースである。図5(a)は図4(a)と同様に、各バターンの寸法ばらつきを走査方向の位置で、また図5(b)は図4(b)と同様に、棒グラフは、各線パターンの走査方向のばらつきをRANGEで、線グラフは、各線パターン(BEAM1〜4)の平均寸法を全体の平均からのずれで示している。
【0038】
各線パターン(BEAM1〜4)の走査方向のばらつきは、平均で4nm程度であるが、BEAM間の平均寸法の差は、18nmと大きい。全体的には、RANGE 23nmの寸法のばらつきをもっている。
【0039】
<比較例2>
図6は本発明のレーザービーム描画方法の他の比較例で露光した線パターンの説明図である。異なるビームを走査の1/4づつずらして4回露光した。本例は、n=4、m=4、r=1のケースである。図6(a)は図4(a)と同様に、各バターンの寸法ばらつきを走査方向の位置で、また図6(b)は図4(b)と同様に、棒グラフは、各線パターンの走査方向のばらつきをRANGEで、線グラフは、各線パターン(BEAM1〜4)の平均寸法を全体の平均からのずれで示している。
【0040】
各線パターン(BEAM1〜4)の走査方向のばらつきは、平均で9nmと大きいが、線パターン(BEAM1〜4)間の平均寸法の差は、10nmと小さい。全体的には、RANGE 19nmの寸法のばらつきをもっている。
【0041】
【発明の効果】
請求項1〜2に係るマルチビームレーザー描画方法によれば、複数のビームを複数回重ねて露光しビーム間のばらつきを低減できるだけでなく、複数ビームのうちr本ビームを選択し、ずらして重ね露光することにより走査方向のばらつきも平均化できるため、描画パターンの寸法精度を向上することが可能となる。
【0042】
請求項3に係るマルチビームレーザー描画方法によれば、複数のビームを複数回重ねて露光しビーム間のばらつきを低減できるだけでなく、複数ビームのうち2本以上同じビームを選択し逆方向に走査して重ね露光することにより走査方向のばらつきも平均化できるため、描画パターンの寸法精度を向上することが可能となる。
【0043】
請求項4に係るフォトマスク製造方法によれば、請求項1〜3いずれか1項記載のマルチビームレーザー描画方法により所定パターンを描画し、フォトマスクを製造するので、フォトマスクのパターンの寸法精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施の形態例1で描画したビームの強度分布を模式的に示した説明図である。
【図2】本発明の方法の実施の形態例2で描画したビームの強度分布を模式的に示した説明図である。
【図3】同じビームで描画したビームの強度分布の例を模式的に示した説明図である。
【図4】本発明の方法で描画された線パターンの実施例を模式的に示した説明図である。
【図5】本発明の方法で描画された線パターンの比較例を模式的に示した説明図である。
【図6】本発明の方法で描画された線パターンの他の比較例を模式的に示した説明図である。
【図7】多重露光の方法を示す説明図である。
【図8】ビームの強度分布の一例を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
1・・・・一走査の距離
2・・・・走査の方向
3・・・・走査のつなぎ
4・・・・光学強度
11・・・・初回の一単位パターン
12・・・・二回目の一単位パターン
13・・・・三回目の一単位パターン
14・・・・四回目の一単位パターン
Claims (4)
- ステージ上のマスクブランクに、ひとつのレーザー光源から分割され単位面積あたりのビーム強度がそれぞれ異なる複数のレーザービームを決められた走査距離で露光し、これを走査方向及びそれに垂直方向に繰り返して一単位パターンを描画して多面付けし、さらに露光開始位置を変えて次の一単位パターンを描画して多面付けするマルチビームレーザー描画方法において、レーザービームを複数選択しその相互の走査位置がずれるように多数回一単位パターンの位置をずらして重ねて露光するレーザー描画方法であって、複数選択したレーザービームのうち相異なるレーザービームをそれぞれ少なくとも二回、相互に走査方向のみ位置がずれるようにステージを移動して一単位パターンの露光開始位置をずらして重ねて露光することを特徴とするマルチビームレーザー描画方法。
- 請求項1に記載のマルチビームレーザー描画方法において、レーザービームをn回、前記決められた走査距離のn分の一の距離づつ走査方向に相互の位置がずれるように一単位パターンの露光開始位置をずらして走査し重ねて露光するレーザー描画方法であって、選択した相異なるレーザービームm個をそれぞれr(=n/m)回、前記決められた走査距離のr分の一の距離づつ相互に走査方向のみ位置がずれるように、一単位パターンの露光開始位置をずらして重ねて描画することを特徴とするマルチビームレーザー描画方法。
(ここでn、m、rは共に正の整数で、rは2以上の値である。) - 請求項1または2に記載のマルチビームレーザー描画方法において、複数選択したレーザービームをすべて、同一レーザービームが相互に走査方向のみ位置がずれるように一単位パターンの位置をずらしてかつ同一レーザービームを順次相互に逆向きに走査して重ねて露光することを特徴とするマルチビームレーザー描画方法。
- フォトマスクブランクに、すくなくとも所定のパターンをレーザービームにより描画し、露光し、現像してフォトマスクを製造するフォトマスク製造方法において、レーザービームによる描画方法が請求項1〜3いずれか1項記載のマルチビームレーザー描画方法であることを特徴とするフォトマスク製造方法。
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