JP4209995B2 - 3−アリールフェニルスルフィド誘導体及び殺虫、殺ダニ剤 - Google Patents

3−アリールフェニルスルフィド誘導体及び殺虫、殺ダニ剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な3−アリールフェニルスルフィド誘導体及びこれを有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3−メチルチオビフェニル誘導体については、東ドイツ特許142541号公報明細書、東ドイツ特許142542号公報明細書、特開平7−2655号公報明細書及びテトラヘドロン(Tetrahedron)、第39巻、第2289頁(1983年)に記載の化合物、テトラヘドロン・レタ−(Tetrahedron Lett.)、第25巻、第44号、第5095頁(1984年)等に知られており、3−ピリジルフェニルスルフィド誘導体についてはドイツ特許4323916号公報明細書及び国際出願WO95/02580号公報明細書等に知られているが、殺虫、殺ダニ剤について何等記載がない。また、3−アゾリルフェニルスルフィド誘導体については、国際出願WO96/06830号公報明細書、特開平2−184675号公報明細書、特開昭60−233061号公報明細書、欧州特許152890号公報明細書、南アフリカ特許6800955号公報明細書及びドイツ特許3316300号公報明細書等に知られているが、殺虫、殺ダニ剤について何等記載がない。一方、4−ビフェニルスルフィド誘導体については、殺虫剤として使用し得ることが、例えば、米国特許3442955号明細書等に報告されているが、本発明の3−アリールフェニルスルフィド誘導体は未だ知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、既存の市販殺虫剤には残留、蓄積、環境汚染等の問題から使用が規制されたり、長期使用によって抵抗性害虫が発生し、効力の薄れたものも出ている。そのため低薬量において高い効力を有し、安全性に優れた殺虫剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況に鑑み種々の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を合成し、その生理活性について検討を重ねた。その結果、本発明化合物が種々の有害生物、特に農園芸有害生物であるナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ等に代表されるダニ類、コナガ、ニカメイガ、シロイチモジヨトウ等に代表される鱗翅目害虫、トビイロウンカ、ツマグロヨコバイ、ワタアブラムシ等に代表される半翅目害虫及びアズキゾウムシ等に代表される鞘翅目害虫に卓効を示すことを見いだし、本発明を完成したものである。
【0005】
即ち、本発明は(1)一般式[I]
【0006】
【化3】
Figure 0004209995
【0007】
{式中、RはC2〜C6のアルキル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C2〜C6のアルケニル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C2〜C6のアルキニル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C3〜C6のシクロアルキル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC4〜C9のシクロアルキルアルキル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)を示し、nは0〜2の整数を示し、Ar基は一般式、
【0008】
【化4】
Figure 0004209995
【0009】
で表される基を示し、上記式中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5は、それぞれ、窒素原子又はC−A1、窒素原子又はC−A2、窒素原子又はC−A3、窒素原子又はC−A4及び窒素原子又はC−A5を示し、Q6は酸素原子又は硫黄原子を示し、Q7は窒素原子又はC−A7を示し、Q8は窒素原子又はC−A8を示し、A1、A5、A7、A11及びB0は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルキル基、C1〜C4のハロアルキル基、C1〜C6のアルキルチオ基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC1〜C6のアルコキシ基を示し、A2、A3、A4、A6、A9、B1、B2及びB3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルキル基(該基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C2〜C7のアルコキシカルボニル基又はC1〜C6のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C2〜C6のアルケニル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C2〜C6のアルキニル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C6のアルコキシ基(該基はハロゲン原子、シアノ基、C2〜C5のアルコキシカルボニル基又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C6のアルキルチオ基(該基はハロゲン原子又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C6のアルキルスルフィニル基(該基はハロゲン原子又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C6のアルキルスルホニル基(該基はハロゲン原子又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C7のアシル基、C2〜C5のハロアルキルカルボニル基、カルボキシル基、C2〜C7のアルコキシカルボニル基又はNR12[式中、R1及びR2は互いに独立して、水素原子、C1〜C6のアルキル基(該基はハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C1〜C6のアルコキシ基又はC1〜C6のアルキルチオ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C2〜C6のアルケニル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C2〜C6のアルキニル基(該基はハロゲン原子又はシアノ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C7のアシル基又はC2〜C7のアルコキシカルボニル基を示す。R1及びR2はこれらの結合した窒素原子と共に5から6員環を形成してもよい。]を示し、A8は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C6のアルキル基(該基はハロゲン原子又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C6のアルコキシ基(該基はハロゲン原子又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C7のアシル基、C2〜C5のハロアルキルカルボニル基又はNR12(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を示す。)を示し、A10は水素原子、C1〜C6のアルキル基(該基はハロゲン原子又はC1〜C3のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C1〜C7のアシル基、C2〜C5のハロアルキルカルボニル基、カルボキシル基又はC2〜C7のアルコキシカルボニル基を示し、ただし、Ar基が一般式[Ar−1]及び[Ar−2]の場合、Q1〜Q5は最大2個までが窒素原子になり得、更にAr基が一般式[Ar−1]でQ5だけが窒素原子の場合、A1は水素原子であり、又、Ar基が一般式[Ar−1]でQ1、Q2、Q3、Q4及びQ5が、それぞれ、C−A1、C−A2、C−A3、C−A4及びC−A5の場合、A2、A3、A4及びB2が同時に水素原子であることはなく、A1からA5全てが水素原子の場合には、B2がメチル基でRがイソプロピル基である化合物を除き、Ar基が一般式[Ar−4]でQ8がC−A8の場合、RはC2〜C6のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C3〜C6のシクロアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC4〜C9のシクロアルキルアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)を示す。}にて表される3−アリールフェニルスルフィド誘導体及び、これを有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤を提供するものである。
【0010】
尚、本明細書において、用いられる用語の定義を以下に示す。
【0011】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。
【0012】
アルキル基とは、特に限定しない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0013】
シクロアルキル基とは、炭素数が3〜6のシクロアルキル基を示し、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0014】
シクロアルキルアルキル基とは、炭素数が3〜6のシクロアルキル基により置換された炭素数1〜3のアルキル基を示し、例えばシクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等を挙げることができる。
【0015】
アルケニル基とは、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を示し、例えばエテニル基、2−プロペニル基等を挙げることができる。
【0016】
アルキニル基とは、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基を示し、例えばエチニル基、2−プロピニル基等を挙げることができる。
【0017】
ハロアルキル基とは、特に限定しない限り、同一又は相異なるハロゲン原子1〜9で置換されている炭素数が1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、例えばクロロメチル基、トリフルオロメチル基、テトラフルオロエチル基等を挙げることができる。
【0018】
アルコキシ基とは、アルキル部分が上記の意味である(アルキル)−O−基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基等を挙げることができる。
【0019】
アルコキシアルキル基とは、アルキル部分が上記の意味である(アルキル)−O−(アルキル)−基を示し、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基等を挙げることができる。
【0020】
アルコキシアルコキシ基とは、アルキル部分が上記の意味である(アルキル)−O−(アルキル)−O−基を示し、例えばメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基等を挙げることができる。
【0021】
ハロアルコキシ基とは、ハロアルキル部分が上記の意味である(ハロアルキル)−O−基を示し、例えばトリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等を挙げることができる。
【0022】
アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基及びアルキルスルホニル基とは、アルキル部分が上記の意味である(アルキル)−S−基、(アルキル)−SO−基、(アルキル)−SO2−基を示し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等を挙げることができる。
【0023】
ハロアルキルチオ基、ハロアルキルスルフィニル基及びハロアルキルスルホニル基とは、ハロアルキル部分が上記の意味である(ハロアルキル)−S−基、(ハロアルキル)−SO−基、(ハロアルキル)−SO2−基を示し、例えばトリフルオロメチルチオ基、ジクロロフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基等を挙げることができる。
【0024】
アシル基とは、ホルミル基又はアルキル部分が上記の意味である(アルキル)−CO−基を示し、例えばアセチル基、プロピオニル基等を挙げることができる。
【0025】
ハロアルキルカルボニル基及びアルコキシカルボニル基とは、ハロアルキル又はアルコキシ部分が上記の意味である(ハロアルキル)−CO−基、(アルコキシ)−CO−基を示し、例えばトリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0026】
前記一般式[I]において、好ましい化合物群としては、Ar基が一般式[Ar−1]又は一般式[Ar−4]であり、Rが2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基又はシクロプロピルメチル基であり、nが0又は1で表される化合物群が挙げられる。
【0027】
更に好ましい化合物群としては、Rが2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基又はシクロプロピルメチル基であり、Ar基が、A1及びA5が水素原子でA3又はA2がハロゲン原子、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチル基であるフェニル基であり、B0が水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、B2がハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はハロアルキル基であり、nが0又は1で表される化合物群が挙げられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、一般式[I]で表される本発明化合物の代表的な具体例を表1〜表60 に例示する。尚、化合物番号は以後の記載において参照される。
【0029】
本明細書における表中の次の表記は下記の通りそれぞれ該当する基を表す。
【0030】
Me :メチル基、 Et :エチル基、
Pr :n−プロピル基、 Pr−i :イソプロピル基、
Pr−c :シクロプロピル基、 Bu :n−ブチル基、
Bu−i :イソブチル基、 Bu−s :sec−ブチル基、
Bu−t :tert−ブチル基、 Bu−c :シクロブチル基、
Pen :n−ペンチル基、 Pen−i:イソペンチル基、
Pen−c:シクロペンチル基、 Hex−c:シクロヘキシル基、
【0031】
【表1】
Figure 0004209995
【0032】
【表2】
Figure 0004209995
【0033】
【表3】
Figure 0004209995
【0034】
【表4】
Figure 0004209995
【0035】
【表5】
Figure 0004209995
【0036】
【表6】
Figure 0004209995
【0037】
【表7】
Figure 0004209995
【0038】
【表8】
Figure 0004209995
【0039】
【表9】
Figure 0004209995
【0040】
【表10】
Figure 0004209995
【0041】
【表11】
Figure 0004209995
【0042】
【表12】
Figure 0004209995
【0043】
【表13】
Figure 0004209995
【0044】
【表14】
Figure 0004209995
【0045】
【表15】
Figure 0004209995
【0046】
【表16】
Figure 0004209995
【0047】
【表17】
Figure 0004209995
【0048】
【表18】
Figure 0004209995
【0049】
【表19】
Figure 0004209995
【0050】
【表20】
Figure 0004209995
【0051】
【表21】
Figure 0004209995
【0052】
【表22】
Figure 0004209995
【0053】
【表23】
Figure 0004209995
【0054】
【表24】
Figure 0004209995
【0055】
【表25】
Figure 0004209995
【0056】
【表26】
Figure 0004209995
【0057】
【表27】
Figure 0004209995
【0058】
【表28】
Figure 0004209995
【0059】
【表29】
Figure 0004209995
【0060】
【表30】
Figure 0004209995
【0061】
【表31】
Figure 0004209995
【0062】
【表32】
Figure 0004209995
【0063】
【表33】
Figure 0004209995
【0064】
【表34】
Figure 0004209995
【0065】
【表35】
Figure 0004209995
【0066】
【表36】
Figure 0004209995
【0067】
【表37】
Figure 0004209995
【0068】
【表38】
Figure 0004209995
【0069】
【表39】
Figure 0004209995
【0070】
【表40】
Figure 0004209995
【0071】
【表41】
Figure 0004209995
【0072】
【表42】
Figure 0004209995
【0073】
【表43】
Figure 0004209995
【0074】
【表44】
Figure 0004209995
【0075】
【表45】
Figure 0004209995
【0076】
【表46】
Figure 0004209995
【0077】
【表47】
Figure 0004209995
【0078】
【表48】
Figure 0004209995
【0079】
【表49】
Figure 0004209995
【0080】
【表50】
Figure 0004209995
【0081】
【表51】
Figure 0004209995
【0082】
【表52】
Figure 0004209995
【0083】
【表53】
Figure 0004209995
【0084】
【表54】
Figure 0004209995
【0085】
【表55】
Figure 0004209995
【0086】
【表56】
Figure 0004209995
【0087】
【表57】
Figure 0004209995
【0088】
【表58】
Figure 0004209995
【0089】
【表59】
Figure 0004209995
【0090】
【表60】
Figure 0004209995
【0091】
一般式[I]で表される本発明化合物は、以下に示す製造法に従って製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0092】
<製造法1>
一般式[I]で表される本発明化合物のフェニル基は、常にRS(O)n基にて置換されているが、その原料として3−アリールフェニルチオール誘導体を使用することができる。
【0093】
【化5】
Figure 0004209995
【0094】
(式中、L1は、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基又はSO2Mを示し、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属[ナトリウム又はカリウムが好ましい]を示し、Ar、B0〜B3及びRは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[II]で表される化合物1モルに対し、一般式[III]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒0.5〜10l中、塩基1〜5倍モル又はラジカル開始剤1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−1]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0095】
ここで溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム及びジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトニトリル及びプロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル又はプロピオン酸エチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ピリジン又はピコリン等のピリジン類及び水又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0096】
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の重炭酸塩類等の無機塩基類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルコールの金属塩類又はトリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類を例示できる。
【0097】
ラジカル開始剤としては、例えば亜硫酸、亜硫酸塩、ロンガリット(ナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレ−ト)等の亜硫酸付加物等を例示できる。また、塩基とラジカル開始剤を併用してもよい。
【0098】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは0℃〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0099】
<製造法2>
一般式[I−1]で表される本発明化合物の原料としては、製造法1で使用した一般式[II]で表される化合物の酸化的2量体である一般式[IV]で表される化合物を使用することもできる。
【0100】
【化6】
Figure 0004209995
【0101】
(式中、L2はハロゲン原子又はスルフィン酸塩を示し、Ar、B0〜B3及びRは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[IV]で表される化合物1モルに対し、一般式[V]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒0.5〜10l中、ラジカル開始剤(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−1]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0102】
ここで溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等の非プロトン性極性溶媒、アセトニトリル及びプロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル又はプロピオン酸エチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ピリジン又はピコリン等のピリジン類及び水又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0103】
また、ラジカル開始剤に製造法1で例示した塩基を併用してもよい。
【0104】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは0℃〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0105】
<製造法3>
【0106】
【化7】
Figure 0004209995
【0107】
(式中、L3はハロゲン原子を示し、Ar基は一般式[Ar−1]又は一般式[Ar−3]を示し、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[VI]又は一般式[VII]で表される化合物1モルに対し、金属(リチウム、マグネシウム又は亜鉛等を例示できる。)又は有機金属化合物(n−ブチルリチウム等を例示できる。)1〜2倍モルを、溶媒0.5〜10l中で反応させた後、一般式[VI]又は一般式[VII]で表される他方の化合物1〜5倍モルを、遷移金属触媒0.01〜1倍モルの存在下又は非存在下で反応させることにより、一般式[I]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0108】
ここで溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ピリジン又はピコリン等のピリジン類又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0109】
遷移金属触媒としては、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム及びトリス(ジベンザルアセトン)パラジウム等のパラジウム化合物類、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル等のニッケル化合物等を例示できる。
【0110】
反応温度は−90℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−78℃〜60℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0111】
上記のL3は、一般に臭素原子又はヨウ素原子が好ましいが、一般式[VII]で表される化合物を金属又は有機金属化合物と反応させた後に、A1及びA5が水素ではないベンゼン誘導体である一般式[VI]の化合物を反応させる場合には、L3はフッ素原子が好ましい。
【0112】
<製造法4>
【0113】
【化8】
Figure 0004209995
【0114】
(式中、Zはトリアルキルスタニル基[トリメチルスタニル基が好ましい]、ジヒドロキシボラニル基又はジアルコキシボラニル基[1,3−ジオキソボロラン−2−イル基又はジメトキシボラニル基が好ましい]を示し、Ar基は一般式[Ar−1]又は一般式[Ar−3]を示し、B0〜B3、L3[臭素又はヨウ素原子が好ましい]、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[VIII]又は[IX]で表される化合物1モルに対し、一般式[VI]又は[VII]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モル及び遷移金属触媒(製造法3の記載と同様である。)0.01〜1倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0115】
上記のZがジヒドロキシボラニル基の場合には、一般式[VIII]又は[IX]で表される化合物の替わりに、その脱水3量体である一般式[VIII−1]又は[IX−1]で表されるボロキシンを使用することもできる。
【0116】
【化9】
Figure 0004209995
【0117】
(式中、Ar基は一般式[Ar−1]又は一般式[Ar−3]を示し、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0118】
<製造法5>
【0119】
【化10】
Figure 0004209995
【0120】
(式中、Y1は水素原子又はハロゲン原子を示し、Ar基は一般式[Ar−1]、[Ar−3]又は[Ar−4]を示し、L3、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[X]で表される化合物1モルに対し、金属(リチウム又はマグネシウム等を例示できる。)又は有機金属化合物(n−ブチルリチウム等を例示できる。)1〜3倍モルを、溶媒(製造法3の記載と同様である。)0.5〜10l中で反応させた後、一般式[XI]又は一般式[XII]で表される化合物1〜5倍モルを反応させることにより、一般式[I]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0121】
反応温度は−90℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−78℃〜70℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0122】
<製造法6>
【0123】
【化11】
Figure 0004209995
【0124】
(式中、Ar基は一般式[Ar−2]又は一般式[Ar−4]を示し、B4は前記B2の定義中の電子吸引性基[シアノ基、ニトロ基又はアルコキシカルボニル基等を示す。]を示し、B0、B1、B3及びRは前記と同じ意味を示し、L4はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はフェニルスルホニルオキシ基を示す。)
即ち、一般式[XIII]で表される化合物1モルに対し、一般式[XIV]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−2]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0125】
ここで溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、例えばベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン及びジオキサン等のエーテル類、アセトン又はメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル又はプロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ピリジン又はピコリン等のピリジン類又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0126】
反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0127】
<製造法7>
【0128】
【化12】
Figure 0004209995
【0129】
(式中、Ar基は一般式[Ar−2]又は一般式[Ar−4]を示し、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[XIII]で表される化合物1モルに対し、一般式[XV]で表される化合物及び無水銅塩(例えば、無水酢酸銅等を例示できる。)1〜5倍モルを、溶媒0.5〜10l中、3〜4Åのモルキュラーシーブス5〜50gの存在下又は非存在下、有機塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等を例示できる。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0130】
ここで溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルカン類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン及びジオキサン等のエーテル類、アセトン又はメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル又はプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ピリジン又はピコリン等のピリジン類又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0131】
反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜72時間で終了する。
【0132】
<製造法8>
【0133】
【化13】
Figure 0004209995
【0134】
(式中、Ar基は一般式[Ar−1]〜[Ar−4]を示し、B0〜B3及びRは前記と同じ意味を示し、L5はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基又はニトロ基を示す。)
即ち、一般式[XVI]で表される化合物1モルに対し、一般式[XVII]で表される化合物(R基により、イオウ原子が置換されたイソチオ尿素鉱酸塩とアルカリ水酸化物又は炭酸アルカリとから発生させることもできる。)1〜5倍モルを、溶媒0.5〜10l中、塩基1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−1]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0135】
ここで溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール及びメチルセルソルブ等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ピリジン又はピコリン等のピリジン類及び水又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0136】
塩基としては、製造法1にて例示した塩基及び一酸化銅等を使用することができる。
【0137】
反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは0℃〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0138】
<製造法9>
【0139】
【化14】
Figure 0004209995
【0140】
(式中、Ar、B0〜B3、R及びMは前記と同じ意味を示し、mは0又は2を示す。)
即ち、一般式[XVIII]で表される化合物1モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、常法[鉱酸(塩酸及び硫酸等を例示できる。)と亜硝酸塩もしくは亜硝酸アルキルエステルを用いる方法]にてジアゾニウム塩とした後、一般式[XIX]で表されるメルカプタンの塩又はスルフィン酸の塩又は一般式[XX]で表されるジスルフィド類1〜5倍モルと反応させることにより、一般式[I−3]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0141】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−10℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0142】
<製造法10>
【0143】
【化15】
Figure 0004209995
【0144】
(式中、X1はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基を示し、Y2はアルコキシ基又はアルキルチオ基を示し、L6はハロゲン原子、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基を示し、R1はアルキル基を示し、L3、A8、A10、A11、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
一般式[I−4]で表される本発明化合物は、一般的な1,3双極子環化付加反応(例えば、特開昭63−287768号公報明細書あるいはコンプリヘンシブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)第5巻、第283頁記載の方法等)によっても製造することができ、又、一般式[I−5]で表される本発明化合物は、ニトリル誘導体との環化反応(例えば、特開平1−230562号公報明細書あるいはコンプリヘンシブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)第5巻、第769頁記載の方法等)によっても製造することができる。
【0145】
即ち、一般式[XXI]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXII]若しくは一般式[XXIII]又は一般式[XIV]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−4]で表される目的のピラゾリルフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0146】
又、一般式[XXI]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXV−1]で表される化合物又は一般式[XXV−2]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−5]で表される目的のトリアゾリルフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0147】
別法として一般式[XXI]で表される化合物1モルに対し、1〜3倍モルのアンモニア水でアミドラゾン[XXI−1]とし、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、これに一般式[XXV−3]で表される酸ハライド類を塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させるか、又は一般式[XXV−4]で表されるオルソエステル類を1〜5倍モルを、酸触媒(例えばp−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類又は四塩化チタン等のルイス酸を例示できる。)の存在下反応させることにより、一般式[I−5]で表される目的のトリアゾリルフェニルスルフィド誘導体を得ることもできる。
【0148】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−10℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0149】
<製造法11>
【0150】
【化16】
Figure 0004209995
【0151】
(式中、L6、R1、X1、A8、A10、A11、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[XXVI]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXVII−1]で表される化合物又は一般式[XXVII−2]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−4]で表される目的の3−ピラゾリルフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0152】
又、一般式[XXVI]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXVIII]で表される化合物又はその鉱酸塩及び一般式[XXIX]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−5]で表される目的の3−トリアゾリルフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0153】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−10℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0154】
<製造法12>
【0155】
【化17】
Figure 0004209995
【0156】
(式中、R1、X1、A2〜A5、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)即ち、一般式[XXX]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXVII−3]で表される化合物又は一般式[XXVII−4]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−6]で表される目的の3−(2−オキソピリミジニル)フェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0157】
又、一般式[XXXI]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXXII−1]で表される化合物又は一般式[XXXII−2]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[I−7]で表される目的の3−(6−オキソピリミジニル)フェニルスルフィド誘導体を得ることができる。
【0158】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−10℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0159】
<製造法13>
【0160】
【化18】
Figure 0004209995
【0161】
(式中、Ar、B0〜B3及びRは前記と同じ意味を示し、qは1又は2を示す。)
即ち、一般式[I−1]で表される本発明化合物1モルを、溶媒0.5〜10l中、酸化剤1〜6倍モルで酸化することにより、一般式[I−8]で表される目的の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を得ることができる。ここで、場合により触媒(例えばタングステン酸ナトリウムを例示できる。)0.01〜1倍モルを添加しても良い。
【0162】
ここで酸化剤としては、例えば過酸化水素、m−クロロ過安息香酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン(OXONE、イー・アイ・デュポン社商品名;ペルオキソ硫酸水素カリウム含有物)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、次亜塩素酸 tert−ブチル又は次亜塩素酸ナトリウム等を例示できる。
【0163】
溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム及びジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸及び水又はこれらの混合溶媒を例示できる。
【0164】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−10℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0165】
一般式[I]で表される本発明化合物は、製造法13と同様に本発明化合物そのものを原料として製造することが可能である。即ち、一般的に知られている方法により官能基導入あるいは官能基変換を行うことで本発明化合物から新たな一般式[I]で表される本発明化合物を得ることができる(実施例13〜17を参照。ただし、これらに限るものではない。)。
【0166】
次に本発明化合物の製造中間体の合成法について詳細に説明する。
【0167】
<製造法14> 一般式[II]及び[IV]で表される製造中間体の合成
一般式[II]及び[IV]で表される化合物は下記のように合成することができるが、酸化還元反応により相互に変換が可能であり、特に一般式[II]で表される化合物は空気中の酸素によっても容易に酸化され、一般式[IV]で表される化合物になることもある。
【0168】
【化19】
Figure 0004209995
【0169】
(式中、R2はメチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Ar、B0〜B3及びY1は前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[XXXIII]で表される化合物1モルを、溶媒(製造法13の記載と同様である。)0.5〜10l中、酸化剤(製造法13の記載と同様である。)1〜3倍モルで酸化しメチルスルホキシドとした後、無水酢酸又は無水トリフルオロ酢酸1〜5倍モルで処理しプンメラー転位反応を行い、相当するアシルオキシメチルスルフィド[XXIV]とし、これを加水分解することにより、一般式[II]又は[IV]で表される目的化合物を得ることができる。
【0170】
又は、一般式[XXXV]で表される化合物1モルを、クロロスルホン酸1〜5倍モルで処理しスルホニルクロリド[XXXVI]とした後、これを水素化リチウムアルミニウム、亜鉛と酸、スズと酸もしくは赤りんとヨウ素1〜5倍モルを用いて還元することにより、一般式[II]で表される合成中間体を得ることができる。
【0171】
又は、一般式[XXXV]で表される化合物1モルを、二硫化炭素、ニトロベンゼンやo−ジクロロベンゼン等の不活性溶媒0.5〜10l中、塩化アルミニウム等のルイス酸0.01〜2.0倍モルの存在下、一塩化硫黄0.4〜1.0倍モルと反応させることにより、一般式[IV]で表される合成中間体を得ることができる。
【0172】
又は、一般式[X]で表される化合物1モルを、溶媒(製造法3の記載と同様である。)0.5〜10l中、金属又は有機金属化合物(製造法3の記載と同様である。)1〜3倍モルで処理した後、硫黄1〜5倍モルを反応させることにより、一般式[II]で表される目的化合物を得ることができる。
【0173】
又は、一般式[XVIII]で表される化合物1モルを製造法9と同様に、ジアゾニウム塩とした後、キサントゲン酸塩又はチオシアン酸塩1〜3倍モルと反応させて得られた生成物を、アルカリ加水分解することにより、一般式[II]で表される目的化合物を得ることができる。
【0174】
何れの反応も、反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0175】
更に、B2が電子吸引性基B4である時は置換反応により、一般式[II−1]で表される合成中間体を得ることができる。
【0176】
【化20】
Figure 0004209995
【0177】
(式中、Ar、L5及びB0〜B4は前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[XXXVII]で表される化合物1モルに対し、硫化ナトリウム[XXXVIII]1〜3倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させた後、鉱酸等にて中和することにより、一般式[II−1]で表される目的の3−アリールフェニルチオール誘導体を得ることができる。
【0178】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0179】
上記の、一般式[X]、[XVIII]、[XXXIII]、[XXXV]及び[XXXVII]で表される化合物は、製造法3、製造法4、製造法6、製造法7、製造法10、製造法11又は製造法12に準じた合成法にて得ることができ、一般式[X]で表される化合物のうちY1がハロゲン原子の場合は、対応するY1が水素原子の化合物をハロゲン化することにより合成することもできる。
【0180】
<製造法15> 一般式[XIII]で表される製造中間体の合成
【0181】
【化21】
Figure 0004209995
【0182】
(式中、R3は水素原子又はアルキル基を示し、A2〜A11、R1、X1及びL6は前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[XXXIX]で表されるピリジン類1モルを、溶媒(製造法13の記載と同様である。)0.5〜10l中、過酸(例えば、m―クロロ過安息香酸、ペルオキシ硫酸等を例示できる。)1〜3倍モルで酸化してN−オキシド[XL]とし、次いで酸ハライド類(アセチルクロリド、オキシ塩化リン等を例示できる。)1〜5倍モルを反応させ、得られた生成物を更にアルカリ条件下又は酸性条件下で加水分解することにより一般式[XIII−1]で表される目的の合成中間体を得ることができる。
【0183】
尿素[XLI]1モルに対し、一般式[XXVII−3]で表される化合物又は一般式[XXVII−4]で表される化合物0.5〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)0.5〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[XIII−2]で表される目的の合成中間体を得ることができる。
【0184】
一般式[XLII]で表される化合物1モルに対し、一般式[XXXII−1]で表される化合物又は一般式[XXXII−2]で表される化合物1〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[XIII−3]で表される目的の合成中間体を得ることができる。
【0185】
抱水ヒドラジン[XLIII]1モルに対し、一般式[XLIV]で表される化合物0.5〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中で反応させることにより、一般式[XIII−4]で表される目的の合成中間体を得ることができる。
【0186】
又、抱水ヒドラジン[XLIII]1モルに対し、一般式[XXVII−1]で表される化合物又は一般式[XXVII−2]で表される化合物0.5〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)0.5〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[XIII−5]で表される目的の合成中間体を得ることができる。
【0187】
更に、抱水ヒドラジン[XLIII]1モルに対し、一般式[XXVIII]で表される化合物又はその鉱酸塩又は一般式[XXIX]で表される化合物0.5〜5倍モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下で反応させることにより、一般式[XIII−6]で表される目的の合成中間体を得ることができる。
【0188】
何れの反応も、反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜100℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0189】
<製造法16> 一般式[XXI]で表される製造中間体の合成
【0190】
【化22】
Figure 0004209995
【0191】
(式中、L3、L6、A10、B0〜B3、R及びnは前記と同じ意味を示す。)
即ち、一般式[XLV]で表されるフェニルヒドラジン誘導体1モルを、溶媒(製造法1の記載と同様である。)0.5〜10l中、塩基(製造法1の記載と同様である。)1〜5倍モルの存在下、一般式[XLVI]で表される化合物1〜5倍モルでアシル化して、一般式[XLVII]で表される化合物とした後、ハロゲン化剤(例えば三塩化リン、三臭化リン、塩化チオニル、オキシ塩化リン、五塩化リン、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素又はトリフェニルホスフィン/四臭化炭素等を例示できる。)1〜5倍モルで処理することにより、一般式[XXI]で表される目的化合物を得ることができる。
【0192】
又は、一般式[XLV]で表されるフェニルヒドラジン誘導体1モルを、溶媒(製造法3の記載と同様である。)0.5〜10l中、酸触媒(例えばp−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類又は四塩化チタン等のルイス酸を例示できる。)の存在下又は非存在下、一般式[XLVIII]で表されるアルデヒド誘導体又はアルデヒドに低級アルコールが付加した化合物(アルデヒドヘミアセタール)1〜5倍モルと反応させ、一般式[XLIX]で表されるフェニルヒドラゾン誘導体とした後、ハロゲン化剤(例えば塩素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド又は次亜塩素酸 tert−ブチル等を例示できる。)1〜5倍モルで処理することにより、一般式[XXI]で表される目的化合物を得ることができる。
【0193】
何れの反応も、反応温度は−70℃から反応系における還流温度までの任意の温度で行い、好ましくは−20℃〜150℃の温度範囲であり、反応は化合物により異なるが10分〜20時間で終了する。
【0194】
【実施例】
次に、実施例をあげて本発明化合物の製造法、製剤法及び用途を具体的に説明する。尚、本発明化合物の合成中間体の製造法も併せて記載する。
【0195】
<実施例1>
(1)2−(2−プロペニルチオ)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号I−42)の製造
2−メルカプト−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル1.0g(3.6ミリモル)、カリウム tert−ブトキシド0.45g(4.0ミリモル)及び3−臭化プロペニル0.5g(4.1ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を200mlの水にあけ、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色結晶(融点89〜90℃)の2−(2−プロペニルチオ)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル0.5g(収率43.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
3.73 (2H、d)
5.16 (1H、d)
5.20 (1H、d)
5.90 (1H、m)
7.48 (1H、d)
7.50〜7.76 (6H、m)
【0196】
(2)2−シクロブチルメチルチオ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号V−33)の製造
2―メルカプト−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル0.9g(3.3ミリモル)、シクロブチルメチルブロミド0.5g(3.3ミリモル)、炭酸カリウム0.55g(4.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに加え、室温にて一晩撹拌した。反応混合物を50mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル20mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色粉末(融点102〜103℃)の2−シクロブチルメチルチオ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル0.24g(収率21.2%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.84〜2.00 (4H、m)
2.10〜2.24 (2H、m)
2.57〜2.67 (1H、m)
3.18 (2H、d)
6.79 (1H、d)
7.53 (1H、dd)
7.71 (1H、d)
7.79 (1H、d)
8.02 (1H、dd)
【0197】
<実施例2>
(1)[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルフェニル]イソプロピルスルフィド(本発明化合物番号I−55)の製造
1,1’−チオジ−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼン]3.3g(4.9ミリモル)、ロンガリット3.0g(19.5ミリモル)及びヨウ化イソプロピル3.0g(17.6ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を300mlの水にあけ、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色アメ状物質(nD 201.5462)の[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルフェニル]イソプロピルスルフィド1.4g(収率38.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.33 (6H、d)
2.46 (3H、s)
3.35〜3.44 (1H、m)
6.98〜7.02 (1H、dd)
7.20 (1H、d)
7.31 (1H、d)
7.67 (2H、s)
【0198】
(2)[2−エトキシメトキシ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号I−213)の製造
1,1’−チオジ−[2−エトキシメトキシ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゼン]3.3g(5.0ミリモル)、ロンガリット3.0g(19.5ミリモル)、炭酸カリウム3.0g(21.7ミリモル)及びヨウ化2,2,2−トリフルオロエチル3.2g(17.6ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を300mlの水にあけ、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色粘稠液体(nD 201.5213)の[2−エトキシメトキシ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド3.1g(収率75.6%)を得た。
【0199】
(3)2−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号V−27)の製造
1,1’−チオジ−[2−シアノ−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゼン]2.7g(5.0ミリモル)、ロンガリット3.0g(19.5ミリモル)、炭酸カリウム3.0g(21.7ミリモル)及びヨウ化2,2,2−トリフルオロエチル6.1g(29.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を300mlの水にあけ、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、褐色固体(融点65〜67℃)の2−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル2.5g(収率71.4%)を得た。
【0200】
(4)[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号VI−291)の製造
1,1’−チオジ−[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)ベンゼン]1.8g(3.0ミリモル)、ロンガリット2.0g(13.0ミリモル)、炭酸カリウム2.0g(14.5ミリモル)及びヨウ化2,2,2−トリフルオロエチル3.2g(17.6ミリモル)を実施例2の(3)と同様に反応させて、白色結晶(融点56〜58℃)の[2−クロロ−4−フルオロ−5(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド1.1g(収率47.8%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
3.30 (2H、q)
7.76 (1Hdd)
7.50 (1H、d)
8.18 (1H、d)
8.72 (1H、s)
【0201】
<実施例3>
[3−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]イソプロピルスルフィド(本発明化合物番号I−73)の製造
3−ヨードフェニルイソプロピルスルフィド1.0g(3.6ミリモル)を乾燥ベンゼン10mlに加え、窒素気流下、室温にて撹拌しながら、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.56mol/l)2.8mlを滴下した。室温にてさらに2時間撹拌した後、10℃に冷却し、3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド1.0g(4.3ミリモル)のジエチルエーテル50ml溶液を滴下した。室温にてさらに12時間撹拌した後、反応混合物を100mlの水にあけ分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(nD 201.5675)の[3−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]イソプロピルスルフィド0.5g(収率38.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.32 (6H、d)
3.34〜3.48 (1H、m)
7.11〜7.12 (1H、m)
7.26〜7.27 (1H、d)
7.40〜7.49 (2H、m)
7.67 (2H、s)
【0202】
<実施例4>
[3−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]シクロペンチルスルフィド(本発明化合物番号I−67)の製造
4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸1.0g(5.2ミリモル)、3−ブロモフェニルシクロペンチルスルフィド1.4g(5.4ミリモル)、炭酸ナトリウム1.6g(15.0ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.8g(0.7ミリモル)をトルエン50ml、エタノール25ml及び水25mlの混合溶媒に加え、加熱還流下2時間撹拌した。反応混合物を氷水にあけ、トルエンで抽出した。トルエン層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(nD 201.5732)の[3−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]シクロペンチルスルフィド1.3g(収率78.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.54〜1.75 (4H、m)
1.76〜1.85 (2H、m)
2.03〜2.14 (2H、m)
3.61〜3.87 (1H、m)
7.38〜7.96 (8H、m)
【0203】
<実施例5>
[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−エトキシメトキシフェニル]プロピルスルフィド(本発明化合物番号I−212)の製造
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニルエトキシメチルエーテル3.0g(10.1ミリモル)をジエチルエーテル30mlに溶解し、−20℃にて攪拌しながら、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.56mol/l)7.8mlを滴下した。室温にてさらに2時間撹拌した後、0℃に冷却し、ジプロピルジスルフィド1.8g(12.0ミリモル)を滴下した。室温にてさらに2時間撹拌した後、反応混合物を氷水にあけ、エーテル層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色粘稠液体(nD 201.5491)の[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−エトキシメトキシフェニル]プロピルスルフィド2.6g(収率69.5%)を得た。
【0204】
<実施例6>
2−プロピルチオ−4−(3−トリフルオロメチル−1H−トリアゾリル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号VI−1)の製造
3−トリフルオロメチル−1H−トリアゾール1.06g(7.7ミリモル)、4−クロロ−2−n−プロピルチオベンゾニトリル1.38g(6.5ミリモル)、炭酸カリウム1.07g(7.7ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド10mlに加え、150℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を100mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、乳白色粉末(融点143〜144℃)の2−プロピルチオ−4−(3−トリフルオロメチル−1H−トリアゾリル)ベンゾニトリル0.78g(収率38.2%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.84〜2.00 (4H、m)
1.12 (3H、t)
1.80 (2H、h)
3.11 (2H、t)
7.53 (1Hdd)
7.75 (1H、d)
7.77 (1H、d)
8.69 (1H、s)
【0205】
<実施例7>
[4−フルオロ−2メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号V−613)の製造
1H−3−トリフルオロメチルピラゾール0.34g(2.49ミリモル)、2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2トリフルオロエチルチオ)ベンゼンボロン酸1.34g(5.0ミリモル)、ピリジン0.39g(4.98ミリモル)、酢酸銅(II)0.68g(3.74ミリモル)、4Åモルキュラーシーブス0.1gを塩化メチレン20mlに加え室温で2日間撹拌した。減圧下溶媒を除去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色液体(nD 201.4998)の[4−フルオロ−2メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2トリフルオロエチルスルフィド0.09g(収率10.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
2.52 (3H,s)
3.43 (2H、q)
6.74 (1H、d)
7.15 (1H、d)
7.99 (1H、bs)
8.05 (1H、d)
【0206】
<実施例8>
(1)4−(2,4−ジクロロフェニル)―2−エチルチオベンゾニトリル(本発明化合物番号I−62)の製造
60%水素化ナトリウム0.12g(3.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに加え、室温にて撹拌しながら、エタンチオール0.2g(3.2ミリモル)を滴下した。水素の発生が終了した後、2−フルオロ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ベンゾニトリル0.7g(2.6ミリモル)を加え、60℃にて6時間撹拌した。反応混合物を約100mlの氷水にあけ、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色結晶(融点89〜92℃)の4−(2,4−ジクロロフェニル)―2−エチルチオベンゾニトリル0.7g(収率88.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.38 (3H、t)
3.07 (2H、q)
7.25〜7.42 (3H、m)
7.49 (1H、dd)
7.52 (1H、dd)
7.76 (1H、d)
【0207】
(2)[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ニトロフェニル]イソプロピルスルフィド(本発明化合物番号I−56)の製造
60%水素化ナトリウム0.33g(8.3ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに加え、室温にて撹拌しながら、イソプロピルメルカプタン0.7g(9.2ミリモル)を滴下した。水素の発生が終了した後、1−クロロ−5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ニトロベンゼン3.0g(8.1ミリモル)を加え、室温にて12時間撹拌した。反応混合物を約200mlの氷水にあけ、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチルを100mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色アメ状物質(nD 201.5881)の[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ニトロフェニル]イソプロピルスルフィド3.0g(収率90.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.40 (6H、d)
3.50〜3.59 (1H、m)
7.12〜7.13 (1H、dd)
7.31 (1H、d)
7.67 (2H、s)
8.25 (1H、d)
【0208】
(3)[4−フルオロ−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]プロピルスルフィド(本発明化合物番号I−221)の製造
カリウム tert−ブトキシド1.4g(12.5ミリモル)をテトラヒドロフラン100mlに加え、室温にてn−プロパンチオール0.9g(11.8ミリモル)を滴下し、同温度にて10分間撹拌した。4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジフルオロニトロベンゼン3.5g(11.6ミリモル)を加え、室温にてさらに2時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下留去し200mlの氷水を加え、有機物を酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、100mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色結晶(融点57〜59℃)の[4−フルオロ−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]プロピルスルフィド3.8g(収率90%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.11 (3H、t)
1.81 (2H、m)
2.97 (2H、t)
7.42 (1H、d)
7.56 (2H、d)
7.81 (2H、d)
8.08 (1H、d)
【0209】
(4)2−シクロプロピルメチルチオ−4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号II−5)の製造
4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2−フルオロベンゾニトリル1.8g(6.8ミリモル)、S−シクロプロピルメチルイソチオ尿素臭化水素塩1.6g(7.6ミリモル)及びN,N-ジメチルホルムアミド50mlを丸底フラスコに取り、20%水酸化ナトリウム水1.6g(8ミリモル)を加え一晩攪拌した。減圧下溶媒を留去し、水50ml及び酢酸エチル50mlを加え、分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して淡黄色羽毛状結晶(融点135〜136℃)の2−シクロプロピルメチルチオ−4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ベンゾニトリル2.2g(収率96%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
0.29〜0.35 (2H、m)
0.61〜0.68 (2H、m)
1.07〜1.20 (1H、m)
3.07 (2H、d)
7.75 (1H、d)
7.85〜7.90 (2H、m)
8.05 (1H、dd)
8.19 (1H、d)
8.99 (1H、dd)
【0210】
(5)4−(6−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−2−プロピルチオベンゾニトリル(本発明化合物番号III−9)の製造
4−(6−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−2−フルオロベンゾニトリル1.1g(3.9ミリモル)をジメチルスルホキシド50mlに溶解し、炭酸カリウム1.0g(7.2ミリモル)及びプロパンチオール0.3g(3.9ミリモル)を加え、100℃にて2時間反応させた。減圧下溶媒を留去し、水50ml及び酢酸エチル50mlを加え、分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色粉末(融点157〜158℃)の4−(6−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−2−プロピルチオベンゾニトリル0.7g(収率54%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.09 (3H、t)
1.77 (2H、m)
3.03 (2H、t)
6.96 (1H,s)
7.22 (1H、dd)
7.35 (1H、d)
7.79 (1H、d)
8.25 (1H、s)
【0211】
(6)4−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−シクロプロピルメチルチオベンゾニトリル(本発明化合物番号IV−5)の製造
上記実施例8の(4)と同様に、4−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−フルオロベンゾニトリル0.9g(4.0ミリモル)とS−シクロプロピルメチルイソチオ尿素臭化水素塩0.9g(4.3ミリモル)を反応させ、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色羽毛状結晶(融点123〜124℃)の4−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−シクロプロピルメチルチオベンゾニトリル1.1g(収率91%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
0.28〜0.33 (2H、m)
0.61〜0.67 (2H、m)
1.07〜1.15 (1H、m)
3.00 (2H、d)
6.95 (1H、d)
7.19 (1H、d)
7.36 (1H、dd)
7.54 (1H、d)
7.60 (1H、dd)
【0212】
(7)[2−ニトロ−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]プロピルスルフィド(本発明化合物番号V−166)の製造
1−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−3−トリフルオロメチルピラゾール0.8g(2.7ミリモル)、1−プロパンチオール0.25g(3.3ミリモル)、炭酸カリウム0.57g(4.1ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を50mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル20mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、琥珀色粘性液体(nD 201.5741)の[2−ニトロ−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]プロピルスルフィド0.31g(収率34.4%)得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.08 (3H、t)
1.75 (2H、h)
3.02 (2H、t)
6.74 (1H、d)
7.37〜7.40 (2H、m)
7.72 (1Hdd)
7.97 (1H、d)
【0213】
(8)2−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)−4−(4−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号V−639)の製造
2−クロロ−4−(4−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル0.65g(2.4ミリモル)、2,2,2−トリフルオロエタンチオール0.33g(2.9ミリモル)、炭酸カリウム0.40g(2.9ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに加え、室温で一夜撹拌した。反応混合物を50mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル20mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、乳白色粉末(融点90〜91℃)の2−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)−4−(4−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル0.48g(収率57.1%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
3.67 (2H、q)
7.76 (1Hdd)
7.83 (1H、d)
7.79 (1H、s)
8.08 (1H、d)
8.28 (1H、s)
【0214】
(9)4−(4−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾリル)―2−プロピルチオベンズアルデヒド(本発明化合物番号V−381)の製造
2−クロロ−4−(4−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンズアルデヒド5.77g(20.0ミリモル)、1−プロパンチオール1.83g(23.9ミリモル)、炭酸カリウム3.31g(24.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに加え、室温で一夜撹拌した。反応混合物を200mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、100mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色液体(nD 201.5726)の4−(4−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾリル)―2−プロピルチオベンズアルデヒド3.07g(収率46.8%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.11 (3H、t)
1.79 (2H、h)
2.26 (3H、s)
3.03 (2H、t)
7.51 (1H、dd)
7.79 (1H、d)
7.83 (1H、s)
7.92 (1H、d)
10.35 (1H、s)
【0215】
(10)2−プロピルチオ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)安息香酸メチル(本発明化合物番号V−175)の製造
2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)安息香酸メチル1.52g(5.0ミリモル)、1−プロパンチオール0.66g(8.6ミリモル)、炭酸カリウム0.83g(6.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに加え、60℃で24時間撹拌した。反応混合物を50mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル20mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査を薄層クロマトグラフィーで精製し、白色粉末(融点114〜116℃)の2−プロピルチオ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)安息香酸メチル0.31g(収率18.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.14 (3H、t)
1.83 (2H、h)
3.00 (2H、t)
3.94 (3H、s)
6.77 (1H、d)
7.40 (1H、dd)
7.73 (1H、d)
8.01 (1H、bs)
8.10 (1H、d)
【0216】
<実施例9>
[3−(2,4−ジクロロフェニル)フェニル]イソプロピルスルフィド(本発明化合物番号I−71)の製造
3−(2,4−ジクロロフェニル)アニリン0.9g(3.8ミリモル)及びジイソプロピルジスルフィド0.6g(4.0ミリモル)をアセトニトリル20mlに加え、60℃にて亜硝酸 tert−ブチル0.4g(4.0ミリモル)を滴下した。同温度にて1時間撹拌した後、低沸点物を減圧下留去し、水及び酢酸エチルを加えて分液した。酢酸エチル層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(nD 201.6143)の[3−(2,4−ジクロロフェニル)フェニル]イソプロピルスルフィド0.25g(収率31.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.35 (6H、d)
3.35〜3.49 (1H、m)
7.19〜7.52 (7H、m)
【0217】
<実施例10>
[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]プロピルスルフィド(本発明化合物番号V−176)の製造
N’−(4−メチル−3−n−プロピルチオフェニル)トリフルオロアセトヒドラジドイルクロリド1.0g(3.2ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに加え、0℃で撹拌した。次に、トリエチルアミン0.72g(7.1ミリモル)及びビニルブロミド1.7g(15.9ミリモル)を加え、0℃から室温にて24時間撹拌した。反応混合物を50mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル20mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(nD 20測定不可)の[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]プロピルスルフィド0.22g(収率22.7%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.08 (3H、t)
1.75 (2H、h)
2.38 (3H、s)
2.97 (2H、t)
6.71 (1H、d)
7.23 (1H、d)
7.32 (1H、dd)
7.57 (1H、d)
7.89 (1H、bs)
【0218】
<実施例11>
2−プロピルチオ−4−(5−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(本発明化合物番号V−153)の製造
4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン1.7g(10.1ミリモル)及び4−ヒドラジノ−2−プロピルチオベンゾニトリル2.1g(10.1ミリモル)をエタノール50mlに加え、加熱還流下2時間撹拌した。減圧下エタノールを留去後、酢酸60mlを加え、更に加熱還流下6時間撹拌した。減圧下酢酸を留去後、酢酸エチル及び水を加えて分液し、有機層を水で2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄褐色粘稠液体(nD 201.5562)の2−プロピルチオ−4−(5−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル1.2g(収率38.7%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.08 (3H、t)
1.70〜1.82 (2H、m)
3.03 (2H、t)
6.90 (1H、d)
7.39 (1H、dd)
7.52 (1H、d)
7.72 (1H、d)
7.78 (1H、d)
【0219】
<実施例12>
(1)[3−(2,4−ジクロロフェニル)フェニル]イソプロピルスルホキシド(本発明化合物番号I−72)の製造
[3−(2,4−ジクロロフェニル)フェニル]イソプロピルスルフィド1.0g(3.4ミリモル)をクロロホルム50mlに溶解し、0℃にて撹拌しながら、m−クロロ過安息香酸0.7g(4.1ミリモル)を添加し、2時間撹拌した。室温にてさらに12時間撹拌後、5%重曹水を加え分液した。クロロホルム層を5%亜硫酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色アメ状物質(nD 201.6169)の[3−(2,4−ジクロロフェニル)フェニル]イソプロピルスルホキシド0.9g(収率85.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.22 (6H、dd)
2.79〜2.96 (1H、m)
7.26〜7.65 (7H、m)
【0220】
(2)[2−ジフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(本発明化合物番号V−324)の製造
[2−ジフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号V−295)0.37g(1.0ミリモル)をクロロホルム5mlに加え、0℃にて撹拌しながら、m−クロロ過安息香酸0.25g(1.5ミリモル)を添加し、0℃で1時間撹拌した。反応溶液に10%亜硫酸ナトリウム水溶液10mlを加え、室温で10分間撹拌した後、さらにクロロホルム20mlを加えた。クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを減圧下留去し、黄色アメ状物質(nD 201.4909)の[2−ジフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.38g(収率97.4%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
3.48〜3.67 (2H、m)
6.82 (1H、d)
6.96 (1H、t)
7.81 (1H、dd)
8.15 (1H、d)
8.16 (1H、d)
8.51 (1H、d)
【0221】
(3)[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド(本発明化合物番号V−321)の製造
[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号V−292)1.68g(4.9ミリモル)をクロロホルム10mlに加え、0℃にて撹拌しながら、m−クロロ過安息香酸1.02g(5.1ミリモル)を添加し、0℃で1時間撹拌した。反応溶液に10%亜硫酸ナトリウム水溶液10mlを加え、室温で10分間撹拌した後、さらにクロロホルム20mlを加えた。クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルムを減圧下留去し、淡黄色固体(融点109〜110℃)の[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルホキシド0.65g(収率37.1%)を得た。1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
2.44 (3H、s)
3.46〜3.50 (2H、m)
6.76 (1H、d)
7.41 (1H、d)
7.94 (1H、dd)
8.07 (1H、d)
8.25 (1H、d)
【0222】
<実施例13>
4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−イソプロピルチオアニリン(本発明化合物番号I−57)の製造
鉄粉3.5g(63.6ミリモル)、水10ml及び酢酸1mlをトルエン20mlに加え、60℃にて30分間撹拌した後、[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ニトロフェニル]イソプロピルスルフィド(実施例8の(2)で製造した化合物)3.0g(7.3ミリモル)のトルエン10ml溶液を滴下した。加熱還流下さらに3時間反応させた後、反応混合物を室温まで冷却した。不溶物を濾別し、濾液に水及びトルエンを加え分液した。トルエン層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色アメ状物質(nD 201.5782)の4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−イソプロピルチオアニリン1.0g(収率36.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.27 (6H、d)
3.20〜3.34 (1H、m)
6.82 (1H、d)
7.00〜7.04 (1H、dd)
7.27 (1H、d)
7.67 (2H、s)
【0223】
<実施例14>
[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ブロモフェニル]イソプロピルスルフィド(本発明化合物番号I−58)の製造
5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−イソプロピルチオアニリン(実施例9で製造した化合物)0.7g(1.8ミリモル)及び臭化銅0.5g(3.5ミリモル)をアセトニトリル20mlに加え、60℃にて亜硝酸 tert−ブチル0.2g(2.0ミリモル)を滴下した。同温度にて1時間撹拌した後、低沸点物を減圧下留去し、水及び酢酸エチルを加えて分液した。酢酸エチル層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(nD 201.5642)の[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ブロモフェニル]イソプロピルスルフィド0.25g(収率31.0%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.37 (6H、d)
3.49 (1H、q)
6.93 (1H、dd)
7.18 (1H、d)
7.68 (2H、s)
7.69 (1H、d)
【0224】
<実施例15>
[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]プロピルスルフィド(本発明化合物番号V−176)の製造
実施例8の(9)と同様にして得られた2−プロピルチオ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンズアルデヒド(本発明化合物番号V−159)0.98g(3.1ミリモル)を塩化メチレン10mlに溶解し、トリエチルシラン1.44g(12.4ミリモル)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.63ml(6.8ミリモル)を加え、室温で22時間撹拌した。反応混合物を50mlの氷水にあけ、塩化メチレン20ml加えた。塩化メチレン層を分液し、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(nD 20測定不可)の[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]プロピルスルフィド0.18g(収率19.3%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
1.08 (3H、t)
1.75 (2H、h)
2.38 (3H、s)
2.97 (2H、t)
6.71 (1H、d)
7.23 (1H、d)
7.32 (1H、dd)
7.57 (1H、d)
7.89 (1H、bs)
【0225】
<実施例16>
[2−ジフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号V−295)の製造
実施例8の(9)と同様にして得られた2−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンズアルデヒド(本発明化合物番号V−275)1.0g(2.8ミリモル)を塩化メチレン5mlに溶解し、窒素気流下、DAST(ジエチルアミノサルファートリフルオリド)0.55g(3.4ミリモル)を加え、室温で4時間撹拌した。さらに、DAST(ジエチルアミノサルファートリフルオリド)0.14g(0.8ミリモル)を加え、室温で一夜撹拌した。反応混合物を20mlの氷水にあけ、塩化メチレン20ml加えた。塩化メチレン層を分液し、20mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを減圧下留去し、黄色粘性液体(nD 201.4951)の[2−ジフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド0.75g(収率70.8%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
3.50 (2H、q)
6.78 (1H、d)
7.16 (1H、t)
7.82 (2H、s)
8.02 (1H、d)
8.07 (1H、s)
【0226】
<実施例17>
[2−エテニル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド(本発明化合物番号V−278)の製造実施例8の(9)と同様にして得られた2−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンズアルデヒド(本発明化合物番号V−275)2.83g(8.0ミリモル)、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド2.85g(8.0ミリモル)及び炭酸カリウム1.38g(10.0ミリモル)をジオキサン20ml及び水0.3mlの混合溶媒に加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過により除去し、ジオキサンを減圧下留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色液体(nD 201.5328)の[2−エテニル−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)フェニル]2,2,2−トリフルオロエチルスルフィド1.23g(収率43.8%)を得た。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
3.41 (2H、q)
5.47 (1H、dd)
5.79 (1H、dd)
6.74 (1H、d)
7.29 (1H、dd)
7.67 (2H、s)
7.91 (1H、s)
8.95 (1H、d)
【0227】
(中間体の製造例)
<参考例1>
2−メルカプト−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル(化合物II)の製造
(a)2−メチルチオ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル(化合物XVII)の製造
2−フルオロ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル3.0g(11.3ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに加え、室温にてメチルメルカプタンナトリウム15%水溶液7.0g(15.0ミリモル)を滴下した。60℃にて6時間撹拌した後、反応混合物を約200mlの氷水にあけ、酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢酸エチル層を100mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色結晶(融点128〜129℃)の2−メチルチオ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル2.5g(収率75.0%)を得た。
【0228】
(b)2−メチルスルフィニル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリルの製造
(a)で得られたメチルチオ体2.5g(8.5ミリモル)をクロロホルム50mlに溶解し、0℃にて撹拌しながら、m−クロロ過安息香酸1.7g(9.9ミリモル)のクロロホルム溶液を滴下し1時間撹拌した。5%重曹水を加え分液し、クロロホルム層を5%亜硫酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄褐色結晶(融点127〜128℃)の2−メチルスルフィニル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル2.2g(収率84.0%)を得た。
【0229】
(c)2−メルカプト−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル(化合物II)の製造
(b)で得られた2−メチルスルフィニル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル2.2g(7.1ミリモル)を無水トリフルオロ酢酸15mlに加え、室温にて12時間撹拌した後、低沸点物を減圧下留去し、残査にメタノール50ml及び20%水酸化カリウム水溶液3gを加え、1時間反応させた。溶媒を減圧下留去し5%硫酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、2−メルカプト−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾニトリル1.0g(収率51.0%)を得た。これを実施例1の(1)の原料として使用した。
【0230】
<参考例2>
1,1’−チオジ−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼン](化合物IV)の製造
(a)4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)トルエン(化合物X)の製造
4−ヨードトルエン5.7g(26.1ミリモル)を乾燥ベンゼン30mlに加え、窒素気流下、室温にて撹拌しながら、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.60mol/l)17.0mlを滴下した。室温にて2時間撹拌後、10℃にて3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド6.0g(25.8ミリモル)のジエチルエーテル10ml溶液を滴下した。室温にてさらに12時間撹拌した後、反応混合物を100mlの水にあけ分液した。有機層を、50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、無色液体の4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)トルエン6.7g(収率85.0%)を得た。
【0231】
(b)5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼンスルホニルクロリドの製造
(a)で得られた4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)トルエン6.7g(22.0ミリモル)をクロロホルム50mlに溶解し、0℃にて撹拌しながら、クロロスルホン酸3.8g(32.6ミリモル)を滴下した。室温にて更に3時間撹拌後、反応混合物を約200mlの氷水にあけ分液した。有機層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼンスルホニルクロリド7.2g(収率81.0%)を得た。
【0232】
(c)1,1’−チオジ−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼン](化合物IV)の製造
水素化リチウムアルミニウム0.7g(18.4ミリモル)をジエチルエーテル30mlに加え、−10℃にて5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼンスルホニルクロリド7.2g(17.8ミリモル)のジエチルエーテル30ml溶液を滴下した。室温にて12時間撹拌後、反応混合物を1規定塩酸水100mlにあけ分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色アメ状物質(nD 201.6066)の1,1’−チオジ−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−メチルベンゼン]4.3g(収率75.0%)を得た。これを実施例2の(1)の原料として使用した。
【0233】
<参考例3>
2―メルカプト−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(化合物II−1)の製造
2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル5.0g(18.4mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、硫化ナトリウム1.86g(23.9mmol)を加え、120℃で30分間撹拌した。室温まで冷却後、水100mlを加え、酢酸エチル30mlで洗浄し、水相をクエン酸でpH5〜6に調製した後、酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、淡黄色粉末の2―メルカプト−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(収率97.6%)を得た。これを実施例1の(2)の原料として使用した。
1H−NMRデータ(300MHz、CDCl3溶媒、δ値)
4.28 (1H、bs)
6.79 (1H、d)
7.56 (1H、dd)
7.71 (1H、d)
7.87 (1H、d)
8.01 (1H、d)
【0234】
<参考例4>
1,1’−チオジ−[2−エトキシメトキシ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゼン](化合物IV)の製造
[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル]エトキシメチルエーテル3.0g(10.1ミリモル)をジエチルエーテル30mlに溶解し、−20℃において攪拌下、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.56mol/l)7.8mlを滴下した。室温にてさらに2時間撹拌した後、0℃に冷却し、粉末状の硫黄0.6g(18.8ミリモル)を加えた。室温にてさらに2時間撹拌した後、反応混合物を希塩酸にあけ、エーテル層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査にジメチルスルホキシド20mlを加え80℃にて12時間反応させた後、反応混合物を約200mlの氷水にあけ、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、黄色固体(融点61〜62℃)の1,1’−チオジ−[2−エトキシメトキシ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゼン]1.6g(収率48.5%)を得た。これを実施例2の(2)の原料として使用した。
【0235】
<参考例5>
(1)1,1’−チオジ−[2−シアノ−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゼン](化合物IV)の製造
2−メルカプト−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル3.0g(11.1mmol)を、ジメチルスルホキシド5mlに加え、50℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を50mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル20mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、30mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色固体の1,1’−チオジ−[2−シアノ−5−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゼン]1.3g(収率42.4%)を得た。これを実施例2の(3)の原料として使用した。
【0236】
(2)1,1’−チオジ−[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)ベンゼン](化合物IV)の製造
[2−クロロ−4−フルオロ−5(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)フェニル]メチルスルフィド2.2g(7.1ミリモル)を参考例1と同様にして、2−クロロ−4−フルオロ−5(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)チオフェノールとし、次いで参考例5の(1)と同様にして、1,1’−チオジ−[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)ベンゼン]1.8g(収率85.7%)を得た。これを実施例2の(4)の原料として使用した。
【0237】
<参考例6>
4−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール(化合物XIII)の製造
4−エトキシ−3−メチル−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン1.7g(10.1ミリモル)及び抱水ヒドラジン0.6g(12.0ミリモル)をエタノール50mlに加え、室温で2時間攪拌した。減圧下エタノールを留去後、酢酸エチル及び水を加えて分液し、有機層を水で2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、4−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール1.3g(収率86.7%)を得た。
【0238】
<参考例7>
4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−6−オキシド(化合物XIII)の製造
トリフルオロ酢酸エチル6.9g(48.6ミリモル)、酢酸ホルムアミジン5g(48.1ミリモル)及び炭酸ナトリウム5.1g(48.1ミリモル)をメタノール50ml中で6時間還流した。減圧下メタノールを留去後、水及び希塩酸を加え、析出した結晶を濾別し、乾燥して4−トリフルオロメチルー1,6−ジヒドロピリミジンー6−オキシド5.3g(収率89.9%)を得た。
【0239】
<参考例8>
N’−(4−メチル−3−n−プロピルチオフェニル)トリフルオロアセトヒドラジドイルクロリド(化合物XXI)の製造
4−メチル−3−n−プロピルチオフェニルヒドラジン2.0g(10ミリモル)をピリジン15mlに加え、0℃で撹拌した。無水トリフルオロ酢酸2.1g(10ミリモル)を滴下し、室温で一夜撹拌した。反応混合物からピリジンを減圧下留去して50mlの水にあけ、酢酸エチル30mlで抽出した。酢酸エチル層を20mlの水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、N’−(4−メチル−3−n−プロピルチオフェニル)トリフルオロアセトヒドラジド2.3gを得た。次に、このヒドラジド2.0g(6.8ミリモル)をアセトニトリル15mlに溶解し、トリフェニルホスフィン2.0g(7.6ミリモル)及び四塩化炭素5mlを加えて2時間加熱還流した。室温まで冷却後、アセトニトリルを減圧下留去し、得られた残査にトルエン30mlを加え不溶物をデカンテーションにより除去した(2回)。トルエン層を併せ、40mlの水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。トルエンを減圧下留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N’−(4−メチル−3−n−プロピルチオフェニル)トリフルオロアセトヒドラジドイルクロリド1.0g(3.2ミリモル)を得た。これを実施例10の原料として使用した。
【0240】
<参考例9>
1−クロロ−5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ニトロベンゼン(化合物XVI)の製造
1−クロロ−3−ヨードベンゼン10.0g(41.9ミリモル)を乾燥ベンゼン50mlに加え、窒素気流下、室温にて撹拌しながら、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.56mol/l)32.0mlを滴下した。室温にて2時間撹拌後、10℃にて3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド9.9g(42.5ミリモル)のジエチルエーテル200ml溶液を滴下した。室温にてさらに12時間撹拌後、反応混合物を500mlの水にあけ分液した。有機層を、200mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゼン5.0g(収率35.0%)を得た。
【0241】
発煙硝酸50mlに、−30℃にて1−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゼン5.0g(15.4ミリモル)を滴下した。同温度にて15分間撹拌した後、5℃まで昇温し約200mlの氷水にあけ、ジエチルエーテル100mlで2回抽出した。ジエチルエーテル層を200mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジエチルエーテルを減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色液体(nD 201.5744)の1−クロロ−5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ニトロベンゼン3.0g(収率52.6%)を得た。これを実施例8の(2)の原料として用いた。
【0242】
<参考例10>
2−フルオロ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ベンゾニトリル(化合物XVI)の製造
2,4−ジクロロフェニルボロン酸1.0g(5.2ミリモル)、4−ブロモ−2−フルオロベンゾニトリル1.1g(5.5ミリモル)、炭酸ナトリウム1.6g(15.0ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.8g(0.7ミリモル)をトルエン50ml、エタノール25ml及び水25mlの混合溶媒に加え、加熱還流下2時間反応させた。反応混合物を氷水にあけ、トルエンで抽出した。トルエン層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、2−フルオロ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ベンゾニトリル1.3g(収率93.0%)を得た。これを実施例8の(1)の原料として使用した。
【0243】
<参考例11>
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジフルオロニトロベンゼン(化合物XVI)の製造
2,5−ジフルオロ−4−ブロモニトロベンゼン16.3g(68.5ミリモル)、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸13.0g(68.4ミリモル)、炭酸ナトリウム15.0g(141.5ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.0g(1.8ミリモル)をジメトキシエタン200ml及び水50mlの混合溶媒に加え、加熱還流下8時間反応させた。ジメトキシエタンを減圧下留去し300mlの氷水を加え、有機物を酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、200ml水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色結晶(融点113〜114℃)の4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジフルオロニトロベンゼン13.5g(収率65.0%)を得た。これを実施例8の(3)の原料として使用した。
【0244】
<参考例12>
2−フルオロ−4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(化合物XVI)の製造
2−フルオロ−4−ブロモベンズアルデヒド4.0g(19.7ミリモル)、エチレングリコール2.0g(32.3ミリモル)、p−トルエンスルホン酸0.2g(1.1ミリモル)及びトルエン100mlを丸底フラスコに取り、4時間共沸脱水した。反応終了後重曹水及び水にて有機相を洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、トルエンを減圧下留去して、2−(2−フルオロ−4−ブロモフェニル)ジオキソラン4.7g(収率97%)を得た。これをエーテル50mlに溶解し、窒素気流下、−60℃にて撹拌しながら、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.56mol/l)15.0mlを滴下した。−60℃にてさらに2時間撹拌した後、ホウ酸トリメチル3.0g(28.9ミリモル)のジエチルエーテル10ml溶液を滴下し、室温にてさらに12時間撹拌した。0℃にまで再度冷却し、希硫酸5mlを加え1時間攪拌後、反応混合物を100mlの水にあけ分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して4−(ジオキソボロラン−2−イル)−2−フルオロベンズアルデヒド2.4g(収率69%)を得た。これと2−ブロモ5−トリフルオロメチルピリジン3.5g(14.2ミリモル)、炭酸ナトリウム3.2g(30.0ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.5g(1.4ミリモル)をトルエン100ml、エタノール40ml及び水40mlの混合溶媒に加え、加熱還流下2時間撹拌した。反応混合物を氷水にあけ、トルエンで抽出し、トルエン層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2−フルオロベンズアルデヒド2.3g(収率81%)を得た。これを100mlのエタノールに溶解し、塩酸ヒドロキシルアミン1.0g(14.5ミリモル)及びトリエチルアミン1.0g(10ミリモル)を加え室温下、12時間攪拌した。減圧下エタノールを留去し、残査に水50ml及び酢酸エチル50mlを加え、分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られた残査をピリジンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸2.1g(10ミリモル)を加え一晩放置した。減圧下ピリジンを留去し、重曹水50ml及び酢酸エチル50mlを加え、分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して2−フルオロ−4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ベンゾニトリル1.8g(収率81%)を得た。これを実施例8の(4)の原料として使用した。
【0245】
<参考例13>
2−フルオロ−4−(6−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)ベンゾニトリル(化合物XVI)の製造
60%水素化ナトリウム0.8g(20ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド100ml中に分散させ、攪拌下、参考例7で合成した4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−6−オキシド3.3g(20ミリモル)を加えた。水素ガスの発生が止んだ後、2,4−ジフルオロベンゾニトリル2.8g(20ミリモル)を加え110℃にて12時間反応させた。減圧下溶媒を留去し、水50ml及び酢酸エチル50mlを加え、分液した。有機層を50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧下留去して2−フルオロ−4−(6−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)ベンゾニトリル1.1g(収率19%)を得た。これを実施例8の(5)の原料として使用した。
【0246】
<参考例14>
4−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−フルオロベンゾニトリル(化合物XVI)の製造
参考例11と同様に、4−(ジオキソボロラン−2−イル)−2−フルオロベンズアルデヒド2.0g(10.4ミリモル)と2−ブロモ−5−クロロチオフェン2.2g(11.1ミリモル)をカップリングさせ、次いで塩酸ヒドロキシルアミン反応させることで4−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−フルオロベンゾニトリル0.9g(収率38%)が得られた。これを実施例8の(6)の原料として使用した。
【0247】
<参考例15>
2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンズアルデヒド(化合物XVI)の製造
3−トリフルオロメチルピラゾール4.08g(30.0mmol)、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド4.75g(30.0mmol)、炭酸カリウム4.14g(30.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに加え、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を100mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残査をn−ヘキサンで洗浄し、淡黄色粉末の2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンズアルデヒド7.18g(収率87.2%)を得た。
【0248】
<参考例16>
2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル(化合物XVI)の製造
3−トリフルオロメチルピラゾール2.5g(18.4mmol)、2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル2.9g(18.4mmol)、炭酸カリウム2.8g(20.2mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに加え、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を100mlの水にあけ、有機物を酢酸エチル50mlで2回抽出した。酢酸エチル層を併せ、50mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残査をn−ヘキサンで洗浄し、白色粉末の2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルピラゾリル)ベンゾニトリル4.6g(収率92.0%)を得た。これを参考例3の原料に使用した。
【0249】
<参考例17>
3−(2,4−ジクロロフェニル)アニリン(化合物XVIII)の製造
2,4−ジクロロフェニルボロン酸2.0g(10.4ミリモル)、3−ヨ−ドアニリン2.4g(11.0ミリモル)、炭酸ナトリウム3.2g(30.0ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.6g(1.4ミリモル)をトルエン70ml、エタノール30ml及び水30mlの混合溶媒に加え、加熱還流下2時間反応させた。反応混合物を氷水にあけ、トルエンで抽出した。トルエン層を水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、3−(2,4−ジクロロフェニル)アニリン0.9g(収率36.0%)を得た。これを実施例9の原料として使用した。
【0250】
<参考例18>
[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)フェニル]メチルスルフィドの製造
4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルチオフェニルヒドラジン4.1g(19.8ミリモル)、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール2.9g(20.1ミリモル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.3g(1.5ミリモル)及びエタノール50mlを丸底フラスコに取り、還流下1時間反応させた後、エタノールを減圧下留去してN’−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルチオフェニル)トリフルオロアセトアルデヒドヒドラゾンを得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、室温下N−ブロモこはく酸イミド3.8g(21.3ミリモル)を加えた。室温にて更に1時間攪拌後、溶媒を減圧下留去して50mlの水にあけ、酢酸エチル30mlで抽出した。酢酸エチル層を20mlの水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、N’−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルチオフェニル)トリフルオロアセトヒドラジドイルブロミド6.5g(90.3%)を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、28%アンモニア水2mlを加えた。室温にて更に1時間攪拌後、溶媒を減圧下留去して50mlの水にあけ、酢酸エチル30mlで抽出した。酢酸エチル層を20mlの水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、N’−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルチオフェニル)トリフルオロアセトアミジン4.5g(83.8%)を得た。得られたN’−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルチオフェニル)トリフルオロアセトアミジン及びp−トルエンスルホン酸1水和物0.3g(1.5ミリモル)を30mlのオルソぎ酸トリメチル中で6時間還流後、オルソぎ酸トリメチルを減圧下留去して50mlの水にあけ、酢酸エチル30mlで抽出した。酢酸エチル層を20mlの水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下留去し、[2−クロロ−4−フルオロ−5−(3−トリフルオロメチルトリアゾリル)フェニル]メチルスルフィド2.2g(47.2%)を得た。これを参考例5の(2)の原料として使用した。
【0251】
本発明の殺虫、殺ダニ剤は、一般式[I]で示される3−アリールフェニルスルフィド誘導体を有効成分としてなる。
【0252】
本発明化合物を有害生物防除剤の有効成分として使用するに際しては、本発明化合物それ自体で用いてもよいが、農薬補助剤として製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤、及びその他補助剤を配合して、乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、錠剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、油剤、乳濁剤等の種々の形態に製剤することができる。これらの配合割合は通常、有効成分0.1〜90重量部で農薬補助剤10〜99.9重量部である。
【0253】
ここにいう製剤化に際して用いられる担体としては、固体担体と液体担体に分けられる。固体担体としては、例えば澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、粉乳等の動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ等の鉱物性粉末が挙げられる。液体担体としては、例えば水;イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ケロシン、軽油等の脂肪族炭化水素類;キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタリン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルアセトアミド等の酸アミド類;脂肪酸のグリセリンエステル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等の含硫化合物類等が挙げられる。
【0254】
界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等が挙げられる。
【0255】
その他の補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、トラガントガム、ポリビニルアルコール等の固着剤あるいは増粘剤、金属石鹸等の消泡剤、脂肪酸、アルキルリン酸塩、シリコーン、パラフィン等の物性向上剤、着色剤等を用いることができる。
【0256】
これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。本発明化合物を含有する種々の製剤、又はその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、即ち、散布(例えば噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粉、散粒、水面施用、箱施用等)、土壌施用(例えば混入、潅注等)、表面施用(例えば塗布、粉衣、被覆等)、浸漬、毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生、成育を防除することも可能である。また、いわゆる超高濃度少量散布法により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。
【0257】
本発明の有害生物防除剤の施用は、一般に0.1〜50000ppm、望ましくは1〜10000ppmの有効成分濃度で行なう。
【0258】
有効成分濃度は、製剤の形態及び施用する方法、目的、時期、場所及び有害生物の発生状況等によって適当に変更できる。例えば水生有害生物の場合、上記濃度範囲の薬液を発生場所に散布しても防除できることから、水中での有効成分濃度範囲は上記以下である。単位面積あたりの施用量は1ha当り、有効成分化合物として0.1〜5000g、好ましくは1〜1000gが使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0259】
尚、本発明化合物は単独でも十分有効であることはいうまでもないが、必要に応じて他の肥料、農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物生長調整剤などと混用、併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。
【0260】
本発明化合物と混合して使用できる殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤等の代表例を以下に示す。
【0261】
例えば有機リン及びカーバメート系殺虫剤:フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、オキシデプロホス、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラチオン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、ジオキサベンゾホス、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、ジスルホトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルジカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、フェノブカルブ、メトルカルブ、イソプロカルブ、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、ジクロフェンチオン、ピリミホスメチル、キナルホス、クロルピリホスメチル、プロチオホス、ナレッド、EPN、XMC、ベンダイオカルブ、オキサミル、アラニカルブ、クロルエトキシホス等。
【0262】
ピレスロイド系殺虫剤:ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロックス、シクロプロトリン、トラロメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、ビフェントリン、アクリナトリン等。
【0263】
アシルウレア系、その他の殺虫剤:ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、ルフェヌロン、シロマジン、メトプレン、エンドスルファン、ジアフェンチウロン、イミダクロプリド、フィプロニル、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、マシン油、BTや昆虫病原ウイルス等の微生物農薬、フェノキシカルブ、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、テブフェノジド、クロルフェナピル、エマメクチンベンゾエート、アセタプリド、ニテンピラム、オレイン酸ナトリウム、なたね油等。
【0264】
殺線虫剤:フェナミホス、ホスチアゼート、エトプロホス、メチルイソチオシアネート、1,3ジクロロプロペン、DCIP等。
【0265】
殺ダニ剤:クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、プロパルギット、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、フェンブタチンオキシド、ポリナクチン、キノメチオネート、クロルフェンソン、テトラジホン、アバメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル、エトキサゾール、ハルフェンプロックス、ビフェナゼート等。
【0266】
殺菌剤:チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダゾール、チアベンダゾール、フォルペット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、ポリカーバメート、イプロベンホス、エジフェンホス、フサライド、プロベナゾール、イソプロチオラン、クロロタロニル、キャプタン、ポリオキシン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ストレプトマイシン、バリダマイシン、トリシクラゾール、ピロキロン、フェナジンオキシド、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、イプロジオン、ヒメキサゾール、メタラキシル、トリフルミゾール、トリホリン、トリアジメホン、ビテルタノール、フェナリモル、プロピコナゾール、シモキサニル、プロクロラズ、ペフラゾエート、ヘキサコナゾール、ミクロブタニル、ジクロメジン、テクロフタラム、プロピネブ、ジチアノン、ホセチル、ビンクロゾリン、プロシミドン、オキサジキシル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、フルアジナム、オキソリニック酸、ヒドロキシイソキサゾール、メパニピリム等。
【0267】
本発明の化合物は、半翅目害虫、鱗翅目害虫、鞘翅目害虫、双翅目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、シロアリ目害虫、アザミウマ目害虫、ハダニ類、植物寄生性線虫類等の害虫に対して、優れた防除効果を示す。そのような害虫の例としては、以下の如き害虫類を例示することができる。
【0268】
半翅目害虫、例えばホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、メクラカメムシ類(Lygus sp.)、アメリカコバネナガカメムシ(Blissus leucopterus)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)等のカメムシ類(異翅類;HETEROPTERA)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ヒメヨコバイ類(Empoasca sp., Erythroneura sp.,Circulifer sp.)等のヨコバイ類、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)等のウンカ類、Psylla sp.等のキジラミ類、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)等のコナジラミ類、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、Aphis fabae、ニセダイコンアブラムシ(Rhopalosiphum psedobrassicas)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)等のアブラムシ類、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等のカイガラムシ類、サシガメ(Rhodnius sp.)等。
【0269】
鱗翅目害虫、例えばチャハマキ(Homona magnanima)、コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、コドリンガ(Laspeyresia pomonella)、Eucosma sp.、Lobesia botrana等のハマキガ類、ブドウホソハマキ(Eupoecillia ambiguella)等のホソハマキガ類、Bambalina sp.等のミノガ類、コクガ(Nemapogon granellus)、イガ(Tinea translucens)等のヒロズコガ類、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella)等のハモグリガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter rigoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)、Prays citri等のスガ類、ブドウスカシバ(Paranthrene regalis)、Synanthedon sp.等のスカシバガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)、Stomopteryx sp.等のキバガ類、モモシンクイ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、イラガ(Monema flavescens)等のイラガ類、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、Ostrinia nubilalis、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis) 、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、ハチミツガ(Galleria mellonella)、Elasmopalpus lignosellus、Loxostege sticticalis等のメイガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)等のシャクガ類、オビカレハ(Malacosoma neustria)等のカレハガ類、Manduca sexta等のスズメガ類、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、マイマイガ(Lymantria dispar)等のドクガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、タバコバッドワーム(Heliothis virescens)、ボールワーム(Helicoverpa zea)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsiron)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni)等のヤガ類等。
【0270】
鞘翅目害虫、例えばドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、Eutheola rugiceps等のコガネムシ類、ワイヤーワーム(Agriotes sp.)、Conodeus sp.等のコメツキムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、インゲンテントウムシ(Epilachna varivestis)等のテントウムシ類、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)等のカミキリムシ類、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)等のマメゾウムシ類、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コーンルートワーム(Diabrotica sp.)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、Phaedon cochlearias、Oulema melanopus、Dicladispa armigera等のハムシ類、Apion godmani等のホソクチゾウムシ類、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)等のゾウムシ類、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)等のオサゾウムシ類、キクイムシ類、カツオブシムシ類、シバンムシ類等。
【0271】
双翅目害虫、例えばキリウジガガンボ(Tipra ano)、イネユスリカ(Tanytarsus oryzae)、イネシントメタマバエ(Orseolia oryzae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、イネミギワバエ(Hydrellia griseola)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、フリッツフライ(Oscinella frit)、イネカラバエ(Chlorops oryzae)、インゲンモグリバエ(Ophiomyia phaseoli)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、アカザモグリハナバエ(Pegomya hyoscyami)、タネバエ(Hylemiaplatura)、ソルガムフライ(Atherigona soccata)、イエバエ(Musca domestica)、ウマバエ(Gastrophilus sp.)、サシバエ(Stomoxys sp.)、ネツタイシマカ(Aedes aegypti)、アカイエカ(Culex pipiens)、シナハマダラカ(Anopheles slnensis)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)等。
【0272】
膜翅目害虫、例えばクキバチ類(Cephus sp.)、カタビロコバチ類(Harmolita sp.)、カブラハバチ類(Athalia sp.)、スズメバチ類(Vespa sp.)、ファイアーアント類等。
【0273】
直翅目害虫、例えばチャバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana )、ケラ(Gryllotalpa africana)、バッタ(Locusta migratoria migratoriodes)、Melanoplussanguinipes等。
【0274】
シロアリ目害虫、例えば、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等。
【0275】
アザミウマ目害虫、例えば、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等。
【0276】
ハダニ類、例えばナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychusulmi)、イエローマイト(Eotetranychus carpini)、テキサスシトラスマイト(Eotetranychus banksi)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、ヒメハダニ(Brevipalpus sp.)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)等。
【0277】
植物寄生性線虫類、例えばサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchussp.)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)等。
【0278】
その他有害動物、不快動物、衛生害虫、寄生虫、例えばスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)、ナメクジ(Incilaria sp.)、アフリカマイマイ(Achatina fulica)等の腹足綱類(Gastropoda)、ダンゴムシ(Armadillidium sp.)、ワラジムシ、ムカデ等の等脚目類(Isopoda)、Liposcelis sp.等のチャタテムシ類、Ctenolepisma sp.等のシミ類、Pulex sp.、Ctenocephalides sp.等のノミ類、Trichodectes sp.等のハジラミ類、Cimex sp.等のトコジラミ類、オウシマダニ(Boophilus microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)等の動物寄生性ダニ類、ヒョウヒダニ類等を挙げることができる。
【0279】
更に、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、合成ピレスロイド系化合物、アシルウレア系化合物あるいは既存の殺虫剤に抵抗性を示す害虫に対しても有効である。
【0280】
【発明の効果】
本発明の化合物は、半翅目害虫、鱗翅目害虫、鞘翅目害虫、双翅目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、シロアリ目害虫、アザミウマ目害虫、ハダニ類、植物寄生性線虫類等の広範囲の有害生物に対して優れた防除効果を示し、また、抵抗性を帯びた有害生物をも防除できる。
【0281】
次に、代表的な製剤例をあげて製剤方法を具体的に説明する。化合物、補助剤の種類及び配合比率は、これのみに限定されることなく広い範囲で変更可能である。以下の説明において、%は重量百分率を示す。
【0282】
製剤例1 乳剤
化合物(I−28)30%、シクロヘキサノン20%、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11%、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナフタリン35%を均一に溶解して乳剤とした。
製剤例2 水和剤
化合物(I−28)10%、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩0.5%、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル0.5%、珪藻土24%、クレー65%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
製剤例3 粉剤
化合物(I−28)2%、珪藻土5%及びクレー93%を均一に混合粉砕して粉剤とした。
製剤例4 粒剤
化合物(I−28)5%、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウム5%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー86%を均一に混合粉砕した。この混合物100重量部に水20重量部を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。
【0283】
次に本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤の奏する効果について試験例をもって説明する。
試験例1 ナミハダニ防除試験
製剤例2に準じて調製した水和剤を有効成分として500ppmの濃度に水で希釈した。その薬液に、予めナミハダニ成虫を接種しておいたダイズ苗を浸漬し、風乾した。処理後のダイズ苗は25℃の恒温室に置き、13日後に生存虫数を調査し、数1の計算式により防除価を求めた。この試験において防除価90以上の殺ダニ効果が得られる化合物の代表として、I−2、I−3、I−10、I−12、I−17、I−18、I−19、I−21、I−24、I−26、I−27、I−28、I−29、I−32、I−35、I−37、I−38、I−40、I−42、I−44、I−45、I−46、I−48、I−49、I−50、I−51、I−52、I−53、I−54、I−59、I−60、I−61、I−76、I−77、I−78、I−79、I−81、I−82、I−82、I−85、I−92、I−93、I−96、I−98、I−99、I−100、I−103、I−107、I−111、I−113、I−114、I−118、I−119、I−120、I−122、I−123、I−124、I−127、I−128、I−129、I−130、I−131、I−132、I−133、I−134、I−137、I−151、I−152、I−153、I−163、I−167、I−170、I−173、I−175、I−176、I−178、I−179、I−180、I−181、I−183、I−184、I−185、I−186、I−187、I−188、I−189、I−190、I−191、I−192、I−193、I−194、I−196、I−198、I−199、I−204、I−205、I−206、I−207、I−208、I−209、I−210、I−211、I−213、I−215、I−216、I−219、I−220、I−221、I−222、I−223、I−224、I−227、I−228、I−229、I−230、I−232、I−233、I−234、I−235、I−236、I−238、I−239、I−244、I−245、I−248、I−249、I−250、I−251、I−252、I−253、I−254、I−255、I−256、I−257、I−258、I−259、I−260、I−261、I−262、I−263、I−264、I−265、I−266、I−267、I−276、I−277、I−278、I−279、I−282、I−283、I−286、I−287、I−288、I−290、I−291、I−292、I−293、I−294、I−295、I−296、I−297、I−298、I−299、I−300、I−301、I−302、I−303、I−304、I−305、I−306、I−307、I−308、I−309、I−310、I−311、I−312、I−313、I−314、I−315、I−317、I−318、I−320、I−322、I−324、I−325、I−328、I−329、I−330、I−336、I−337、I−339、I−340、I−341、I−342、I−343、I−344、I−345、I−346、I−347、I−348、I−349、I−350、I−351、I−352、I−353、I−354、I−355、I−356、I−357、I−358、I−359、I−360、I−361、I−362、I−364、I−366、I−367、I−368、I−369、I−370、I−372、I−374、I−383、I−385、I−386、I−387、I−388、I−403、I−405、I−406、I−407、I−408、I−411、I−414、I−417、I−418、I−419、I−421、I−422、I−425、I−426、I−427、I−428、I−429、I−430、I−445、I−446、I−451、I−452、I−477、I−478、I−513、I−514、I−517、I−518、I−535、I−571、I−572、I−573、I−575、I−576、I−577、I−581、I−587、I−588、I−589、I−591、I−593、I−595、I−599、I−600、II−1、II−3、II−4、II−5、II−6、II−9、II−11、II−15、II−16、II−19、II−20、II−27、II−28、II−39、II−40、II−43、II−44、II−55、II−57、II−58、II−61、II−62、II−77、II−78、II−81、II−82、II−85、II−86、II−89、II−94、II−95、III−10、III−14、III−15、IV−5、IV−6、V−13、V−14、V−19、V−20、V−21、V−27、V−32、V−33、V−36、V−37、V−38、V−44、V−53、V−54、V−82、V−83、V−92、V−93、V−95、V−102、V−103、V−105、V−113、V−114、V−116、V−120、V−121、V−124、V−154、V−155、V−156、V−159、V−167、V−176、V−179、V−188、V−208、V−237、V−266、V−276、V−278、V−283、V−284、V−285、V−286、V−292、V−294、V−295、V−297、V−301、V−302、V−305、V−307、V−312、V−321、V−323、V−324、V−326、V−330、V−331、V−333、V−365、V−366、V−373、V−493、V−613、V−614、V−635、V−636、V−639、V−640、V−645、V−646、V−651、V−652、V−653、V−657、V−658、V−659、V−660、V−685、V−686、V−687、V−688、V−692、V−693、V−694、V−695、V−698、V−699、V−700、V−701、V−708、V−710、V−717、V−718などが挙げられる。
【0284】
一方、東ドイツ特許142541号公報明細書中の実施例1の化合物である比較化合物1(2-アミノ-6-メチルチオ-4-フェニル-ベンゼン-1,3-ジカーボニトリル)および、東ドイツ特許142542号公報明細書中の例示化合物である比較化合物2(2-アミノ-6-フェニル-4-メチルチオ-3-ニトロベンゾニトリル)のこの試験における防除価は、いずれもゼロであった。
【0285】
【数1】
Figure 0004209995
【0286】

Claims (10)

  1. 一般式[I]
    Figure 0004209995
    {式中、RはC〜Cのアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C〜Cのアルケニル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、 〜C のアルキニル基、C 〜C のシクロアルキル基又はC 〜C のシクロアルキルアルキル基を示し、
    nは0〜2の整数を示し、
    Ar基は一般式、
    Figure 0004209995
    で表される基を示し、上記式中、
    は窒素原子又はC−Aを示し、
    C−A を示し、
    は窒素原子又はC−Aを示し、
    は窒素原子又はC−Aを示し、
    は窒素原子又はC−Aを示し、
    硫黄原子を示し
    C−A を示し
    は窒素原子又はC−Aを示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C 〜C のアルキル基又はC 〜C のハロアルキル基を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、C 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC 〜C のアルコキシ基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよいを示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜Cのアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C 〜C のアルコキシ基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C 〜C のアルキルチオ基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC 〜C のアシル基を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、C 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC 〜C のアルコキシ基を示し、
    水素原子、ハロゲン原子を示し、
    水素原子を示し、
    水素原子を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、C 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はNR (式中、R 及びR は水素原子を示す。)を示し
    水素原子又はハロゲン原子を示し、
    10水素原子又はC 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)を示し、
    11水素原子又はC 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基、C〜Cのアルキルチオ基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はC〜Cのアルコキシ基を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子又はC 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、C 〜C のアルキル基(該基はハロゲン原子又はC 〜C のアルコキシカルボニル基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C 〜C のアルケニル基、C 〜C のアルキニル基、C 〜C のアルコキシ基(該基はハロゲン原子又はC 〜C のアルコキシ基によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C 〜C のアルキルチオ基、C 〜C のアシル基、カルボキシル基又はNR (式中、R 及びR は互いに独立して、水素原子、C 〜C のアルキル基C 〜C のアシル基又はC 〜C のアルコキシカルボニル基を示す。)を示し、
    は水素原子、ハロゲン原子又はC 〜C のアルキル基を示し、
    ただし、
    Ar基が一般式[Ar−1]及び[Ar−2]中のQ〜Qは最大2個までが窒素原子になり得、
    さらにAr基が一般式[Ar−1]でかつQのみが窒素原子である場合にはAは水素原子であり、又、
    Ar基が一般式[Ar−1]でかつQ〜Q全てが窒素原子でない時においては、A、A、A及びBが同時に水素原子であることはなく、
    からA全てが水素原子の場合には、Bがメチル基でRがイソプロピル基である化合物を除き、
    Ar基が一般式[Ar−4]でかつQがC−Aの時においては、RはC〜Cのアルキル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、C〜Cのシクロアルキル基又はC〜Cのシクロアルキルアルキル基(を示す。}にて表される3−アリールフェニルスルフィド誘導体。
  2. 、A、A及びA11が水素原子であり、Rがエチル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)、n−プロピル基(該基はハロゲン原子によりモノ置換又はポリ置換されてもよい)又はシクロプロピルメチル基である請求項1記載の化合物。
  3. Ar基が一般式[Ar−1]又は一般式[Ar−4]である請求項1記載の化合物。
  4. Ar基が一般式[Ar−1]であり、Q、Q、Q、Q及びQが、それぞれ、C−A、C−A、C−A、C−A及びC−Aを示す請求項1記載の化合物。
  5. Ar基が一般式[Ar−4]である請求項1記載の化合物。
  6. 請求項1記載の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤。
  7. 請求項2記載の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤。
  8. 請求項3記載の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤。
  9. 請求項4記載の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を有効成分として含有する殺虫・殺ダニ剤。
  10. 請求項5記載の3−アリールフェニルスルフィド誘導体を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤。
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