JP4209532B2 - クレーン位置検出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場などに設置される天上クレーン設備などで使用されるクレーン位置検出システムに係わり、特にカメラを使用してクレーン設備を構成するトロリ装置の位置などを計測し、位置決め精度を飛躍的に向上させるクレーン位置検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場などに設置される天上クレーン設備などでは、ガーダ装置、トロリ装置などの各限界位置に設けられるリミットスイッチ、各運転用電動機、車輪などに取り付けられる複数のエンコーダ、これら各リミットスイッチ、各エンコーダの検出結果に基づき、トロリ装置の位置などを判定してオペレータに提示する処理装置などで構成されるクレーン位置検出システムを備えている。そして、このクレーン位置検出システムによって、前記ガーダ装置、トロリ装置の現在位置などを検知し、ガーダ装置、トロリ装置などが限界位置に来たとき、それ以上、ガーダ装置、トロリ装置などが移動しないようにして、作業の安全を確保しながら、オペレータに、ガーダ装置、トロリ装置などの現在位置などを提示して、ガーダ速度、ガーダ位置、トロリ速度、トロリ位置などを調整させ、荷物の積み降ろしなどを行わせている。
【0003】
また、このようなクレーン位置検出システム以外では、超音波センサ、レーザセンサなどを使用して、2つのクレーンの接近距離を測定し、この測定結果に基づき、オペレータにクレーン間距離を知らせ、安全性をさらに高めたものも開発されている。
【0004】
また、海運用コンテナなどの積み降ろしを行う荷役用クレーン設備やゴミ処理場などで使用されるゴミ処理クレーン設備など、高い作業効率が求められるクレーン設備では、クレーン位置検出システムを構成するエンコーダとして、高速で、かつ精密な検知を行うことができるエンコーダを使用し、走行位置、横行位置、巻き上げ位置などをリアルタイムで検知して、これをオペレータに提示するのみならず、検知結果を使用して、振れ止め制御、自動制御などを加味した最適な運転制御方式で、海運用コンテナ、ゴミなどの積み降ろしを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、保管倉庫、ストックヤードなどで使用されるクレーン設備などでも、自動運転、あるいは半自動運転、さらに移動作業対象となる荷物の管理や省力化を行うことが強く求められている。
【0006】
しかしながら、このような保管倉庫、ストックヤードなどで使用されている既存のクレーン設備では、要求される設備コスト、要求される運転精度などの関係上、海運用コンテナなどの積み降ろしを行う荷役用クレーン設備やゴミ処理場などで使用されるゴミ処理クレーン設備などで使用されているエンコーダ、すなわち高い応答速度、高い検知精度などを持つエンコーダを使用していないことが多いことから、処理装置内にインストールされているプログラムを改修しただけでは、自動運転、半自動運転、移動作業対象となる荷物の管理や省力化を実現することが難しいという問題があった。
【0007】
そこで、このような問題を解決する方法として、このような保管倉庫、ストックヤードなどで使用される各クレーン設備に、高速で、かつ精密な検知を行うことができるエンコーダを追加して、巻き上げ位置、横行位置などを瞬時に、かつ精密に検知し得るようにし、自動運転、半自動運転、移動作業対象となる荷物の管理や省力化を実現する方法が提案されている。
【0008】
しかしながら、このようなクレーン設備、特に天上クレーン設備では、設備全体の軽量化、設備全体の省スペース化を目的にした設計思想の下で設計され、エンコーダを追加する余裕を持っていないことが多い。このため、モータ、ギア、あるいはその周りなどの設計を変更するなどの大がかりな改造工事を行わなければならず、設備全体を容易に自動化、半自動化させることが難しいという問題があった。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑み、請求項1では、既存のクレーン設備についても、エンコーダなどを追加するときなどのように、モータやギア部分の設計変更を行うことなく、高い応答速度、高い検知精度で、ガーダ装置、トロリ装置などの位置を連続的に検知することができ、これによって運転の自動化、半自動化を達成することができるクレーン位置検出システムを提供することを目的としている。
【0010】
請求項2では、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して、トロリ装置などの走行位置、横行位置などを求めるときの処理手順を簡素化して、リアルタイムで、トロリ装置の走行位置、横行位置などを求めることができ、これによって運転の自動化、半自動化を達成することができるクレーン位置検出システムを提供することを目的としている。
【0011】
請求項3では、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して得られたトロリ装置などの走行位置、横行位置などに基づき、移動作業対象となる荷物の管理を簡素化して、保管業務などの省力化を達成することができるクレーン位置検出システムを提供することを目的としている。
【0012】
請求項4では、撮像装置から出力される映像信号を画像処理してトロリ装置などの走行位置、横行位置を検知することができるのみならず、フックの上下位置などを検知することができ、これによって荷物の三次元管理を可能にして、移動作業対象となる荷物の管理や省力化を飛躍的に高めることができるクレーン位置検出システムを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、壁などに固定された一対のガイドレール上にガーダ装置を走行可能に載置し、前記ガーダ装置上部にガーダ装置の走行方向と直交する方向に設けられた一対のガイドレール上にトロリ装置を走行可能に載置して構成されたクレーン設備における前記トロリ装置の位置を示すX軸座標値、Y軸座標値を測定するクレーン位置検出システムであって、前記ガーダ装置の走行方向に沿って配置され、形状や色がそれぞれ異なる複数の走行目印と、前記クレーン設備を構成するガーダ装置に取り付けられ、前記走行目印、前記トロリ装置を撮影する撮像装置と、前記撮像装置で撮像された各走行目印映像とそれに対応する走行位置情報を予め登録した記憶装置と、前記撮像装置から出力される映像信号を画像解析して、前記トロリ装置のX軸座標値、Y軸座標値を求める画像解析装置とを備え、前記画像解析装置は、前記記憶装置に登録された走行目印映像である走行目印登録映像と、前記撮像装置から出力される走行目印映像とを比較して走行位置を判定することを特徴としている。
【0014】
請求項2では、請求項1に記載のクレーン位置検出システムにおいて、前記画像解析装置は、前記撮像装置から出力される映像信号中に含まれる走行目印の映像と前記撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、前記トロリ装置のX軸座標値を求めるとともに、前記撮像装置から出力される映像信号中に含まれるトロリ装置の映像と前記撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、前記トロリ装置のY軸座標値を求めることを特徴としている。
【0015】
請求項3では、請求項1、2のいずれかに記載のクレーン位置検出システムにおいて、前記画像解析装置は、前記撮像装置から出力される映像信号を画像解析して得られたトロリ装置のX座標値、Y座標値を荷役作業に関連する荷物の保管位置情報として出力することを特徴としている。
【0016】
請求項4では、請求項1、2、3のいずれかに記載のクレーン位置検出システムにおいて、前記撮像装置は、前記トロリ装置に設けられた巻き上げ装置のフック部分を撮影し、前記画像解析装置は、前記トロリ装置のY座標値を参照しながら、前記撮像装置から出力される映像信号中に含まれる前記フックの映像と前記撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、前記フックの上下座標値を求め、これを荷役作業に関連する荷物の保管位置情報として出力することを特徴としている。
【0017】
上記の構成により、請求項1では、クレーン設備を構成するガーダ装置に取り付けられた撮像装置によって、クレーン設備の固定部側に取り付けられる1つ以上の走行目印、トロリ装置を撮影するとともに、画像解析装置によって、撮像装置から出力される映像信号を画像解析して、トロリ装置のX軸座標値、Y軸座標値を求めることにより、既存のクレーン設備についても、エンコーダなどを追加するときなどのように、モータやギア部分の設計変更を行うことなく、高い応答速度、高い検知精度で、ガーダ装置、トロリ装置などの位置を連続的に検知し、これによって運転の自動化、半自動化を達成する。
【0018】
請求項2では、画像解析装置によって、撮像装置から出力される映像信号中に含まれる走行目印の映像と、撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、トロリ装置のX軸座標値を求めるとともに、撮像装置から出力される映像信号中に含まれるトロリ装置の映像と、撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、トロリ装置のY軸座標値を求めることにより、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して、トロリ装置などの走行位置、横行位置などを求めるときの処理手順を簡素化して、リアルタイムで、トロリ装置の走行位置、横行位置などを求め、これによって運転の自動化、半自動化を達成する。
【0019】
請求項3では、画像解析装置によって、撮像装置から出力される映像信号を画像解析して得られたトロリ装置のX座標値、Y座標値を荷役作業に関連する荷物の保管位置情報として出力することにより、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して得られたトロリ装置などの走行位置、横行位置などに基づき、移動作業対象となる荷物の管理を簡素化して、保管業務などの省力化を達成する。
【0020】
請求項4では、画像解析装置によって、トロリ装置のY座標値を参照しながら、撮像装置から出力される映像信号中に含まれるフックの映像と、撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、フックの上下座標値を求め、必要に応じて、これを荷役作業に関連する荷物の保管位置情報として出力することにより、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して、トロリ装置などの走行位置、横行位置を検知するのみならず、フックの上下位置などを検知し、これによって荷物の三次元管理を可能にして、移動作業対象となる荷物の管理や省力化を飛躍的に高める。
【0021】
【発明の実施の形態】
《実施の形態の構成》
図1は本発明によるクレーン位置検出システムの一実施の形態を使用した天上クレーン設備の一例を示す斜視図である。
【0022】
この図に示す天上クレーン設備1は、保管倉庫などの壁2などに固定される1対のガイドレール3と、各ガイドレール3上に載置され、オペレータからの指示に基づき、X軸方向に走行するガーダ装置4と、このガーダ装置4の上部に設けられた1対のガイドレール5上に載置され、オペレータからの指示に基づき、Y軸方向に走行するトロリ装置6と、このトロリ装置6の上部に設けられ、ワイヤ7の巻き取り、繰り出しなどを行って、ワイヤ7の先端に取り付けられたフック8を上下させる巻き上げ装置9と、ガーダ装置4の下面側に取り付けられ、一方の壁2に描かれた複数の走行目印10、トロリ装置6、フック8などを撮影するカメラ11と、ガーダ装置4の下面に設けられる操縦室12と、図2に示すように、操縦室12内に配置され、カメラ11で得られた映像信号を解析して、トロリ装置6の位置、フック8の位置などをオペレータに提示するパーソナルコンピュータ13、ガーダ装置4の走行制御、トロリ装置6の走行制御、巻き上げ装置9の巻き上げ制御などを行うとき、オペレータによって操作されるコントローラ14と、このコントローラ14から出力される制御信号に基づき、パーソナルコンピュータ13を動作させながら、ガーダ装置4、トロリ装置6、巻き上げ装置9などの動作を制御するシーケンサ15とを備えている。
【0023】
そして、操縦室12内のオペレータによって、コントローラ14、パーソナルコンピュータ13、シーケンサ15などの電源が投入されて、コントローラ14が操作されたとき、カメラ11によって得られた映像信号の解析処理を開始して、各走行目印10の映像と、ガーダ装置4の映像と、カメラ11の視野中心との位置関係、トロリ装置6の映像と、フック8の映像と、カメラ11の視野中心との位置関係などに基づき、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などを計算して、オペレータに提示するとともに、オペレータの操作内容に応じて、ガーダ装置4、トロリ装置6、巻き上げ装置9などを制御して、荷物16の積み降ろし、移動などを行うとともに、荷役・保管管理部(図示は省略する)からの要求に応じて、荷物16に対する積み降ろし、移動などを行ったときの座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などを荷役・保管管理部に供給し、保管倉庫内にある荷物16の管理などを行わせる。
【0024】
各ガイドレール3は、保管倉庫などを構成する各壁のうち、X軸方向に配置された壁2などの上部、あるいは天上を構成する梁のうち、X軸方向に配置された梁などの上部などに各々、配置されており、ガーダ装置4の各端部をX軸方向に走行自在に支持する。
【0025】
ガーダ装置4は、枠状に形成されるガーダ本体部17と、このガーダ本体部17の一端側下面に回転自在に設けられ、その外周面が一方のガイドレール3上に接して、ガーダ本体部17の一端側を支持する複数の走行輪18と、ガーダ本体部17の他端側下面に回転自在に設けられ、その外周面が他方のガイドレール3上に接して、ガーダ本体部17の他端側を支持する複数の走行輪19と、シーケンサ15からの指示に基づき、各走行輪18、19を回転駆動して、ガーダ本体部17をX軸方向に走行させる複数のモータ20と、ガーダ本体部17の上部に、Y軸方向に沿うように配置される1対のガイドレール5とを備えており、シーケンサ15からの指示に基づき、各モータ20を動作させて、一方のガイドレール3上に載せられている一方の走行輪18と、他方のガイドレール3に載せられている他方の走行輪19とを回転駆動させ、ガーダ本体部17をX軸方向に走行させる。
【0026】
トロリ装置6は、箱状に形成されるトロリ本体21と、このトロリ本体21に描かれる横行目印22と、トロリ本体21の一側部下面に回転自在に設けられ、その外周面が一方のガイドレール5上に接して、トロリ本体21の一側部を支持する複数の走行輪23と、トロリ本体21の他側部下面に回転自在に設けられ、その外周面が他方のガイドレール5上に接して、トロリ本体21の他側部を支持する複数の走行輪24と、シーケンサ15からの指示に基づき、各走行輪23、24を回転駆動して、トロリ本体21をY軸方向に走行させるモータ49とを備えており、シーケンサ15からの指示に基づき、モータ49を動作させて、一方のガイドレール5に載せられている一方の各走行輪23と、他方のガイドレール5に載せられている他方の各走行輪24を回転駆動させ、トロリ本体21をY軸方向に走行させる。
【0027】
巻き上げ装置9は、トロリ本体21の上部に配置される巻き上げ枠25と、この巻き上げ枠25内に回転自在に取り付けられる巻取部26と、巻き上げ枠25に固定され、シーケンサ15からの指示に基づき、巻取部26を正転方向または逆転方向に回転駆動して、巻取部26に巻付けられているワイヤ7を上下方向に走行させる巻き上げモータ27と、ワイヤ7の先端部分に設けられ、荷物16を釣上げるフック8とを備えており、シーケンサ15からの指示に基づき、巻き上げモータ27を回転駆動させて、巻取部26を正転方向または逆転方向に回転させ、ワイヤ7に先端に取り付けられているフック8を上下させる。
【0028】
カメラ11は、ガーダ本体部17の下面部分のうち、壁2に描かれた各走行目印10、トロリ装置6に描かれた横行目印22、およびワイヤ7の先端に取り付けられたフック8などを撮影し得る部分に垂設される支持部28と、この支持部28の下端に固定され、水平方向を中心にして、壁2に描かれた各走行目印10、トロリ装置6に描かれた横行目印22、およびワイヤ7の先端に取り付けられたフック8などを撮影するテレビカメラ本体29とを備えており、パーソナルコンピュータ13からの指示に基づき、図3に示すように、壁2に描かれた各走行目印10、トロリ装置6に描かれた横行目印22、およびワイヤ7の先端に取り付けられたフック8などを撮影し、これによって得られた映像信号をパーソナルコンピュータ13に供給する。
【0029】
操縦室12は、ガーダ本体部17の下面に固定され、このガーダ本体部17とともにX軸方向に移動する箱状の操縦室本体30と、この操縦室本体30の前面、側面に形成される複数の窓31とを備えており、出入り口から操縦室本体30内に乗り込んだオペレータに操縦空間を提供し、天上クレーン設備1の運転を行わせる。
【0030】
コントローラ14は、操縦室12内に配置されるコントローラ筐体の上部などに配置され、オペレータによって操作される複数の操縦レバー33と、コントローラ筐体内に配置され、各操縦レバー33の操作内容に応じてガーダ装置4の各モータ20、トロリ装置6のモータ49、および巻き上げ装置9の巻き上げモータ27をそれぞれ動作させるのに必要な制御信号を生成する処理部34とを備えており、操縦室12内のオペレータによって各操縦レバー33が操作されたとき、ガーダ装置4の各モータ20、トロリ装置6のモータ49、巻き上げ装置9の巻き上げモータ27を動作させるのに必要な制御信号を生成し、これをシーケンサ15に供給する。
【0031】
シーケンサ15は、操縦室12内に配置されるシーケンサ筐体内に配置され、アナログ信号を処理する複数のアナログボード36と、シーケンサ筐体の裏面などに設けられ、各アナログボード36に対してアナログ信号の入出力を行う複数のアナログ入出力端子37と、シーケンサ筐体内に配置され、デジタル信号を処理する複数のデジタルボード38と、シーケンサ筐体の裏面などに設けられ、各デジタルボード38に対してデジタル信号の入出力を行う複数のデジタル入出力端子39と、シーケンサ筐体内に配置され、各アナログボード36と各デジタルボード38とを連携させる処理ボード40とを備えており、コントローラ14から制御信号が出力されたとき、トリガー信号を生成して、これをパーソナルコンピュータ13に供給するとともに、各制御信号に応じて、駆動電流を出力し、ガーダ装置4の走行制御、トロリ装置6の走行制御、巻き上げ装置9の巻き上げ制御などを行う。
【0032】
パーソナルコンピュータ13は、操縦室12内に配置され、電源が投入されたときカメラ11の動作を開始させ、このカメラ11から出力される映像信号の取り込み処理を開始した後、シーケンサ15からトリガー信号が出力される毎に、画像を解析して、各走行目印10と視野中心との位置関係、トロリ装置6と視野中心との位置関係、およびフック8と視野中心との位置関係などを求めるとともに、これらの各位置関係に基づき、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック7の上下座標値などの位置データを求めるパソコン本体41と、このパソコン本体41で得られた位置データを予め設定されている表示形式で、画面表示する表示器42と、複数の文字キー、テンキーなどを有し、オペレータによって各文字キー、テンキーなどが操作されたとき、操作されたキーに応じた各種指令、各種データを生成してパソコン本体41に供給するキーボード43とを備えている。
【0033】
このパーソナルコンピュータ13では、電源が投入されたときカメラ11を動作させ、このカメラ11から出力される映像信号の取り込み処理を開始し、シーケンサ15からトリガー信号が出力されたとき、カメラ11から出力される映像信号を画像処理して各走行目印10と視野中心との位置関係、トロリ装置6と視野中心との位置関係、およびフック8と視野中心との位置関係などを求め、さらにこれらの各位置関係に基づき、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などの位置データを求めて、これを記憶するとともに、予め設定されている表示形式で、表示器42上に表示し、また荷役・保管管理部からデータ要求が出力される毎に、記憶している位置データのうち、要求された位置データを読み出し、これを荷役・保管管理部に転送する。
【0034】
この場合、パソコン本体41は、図4に示すように、パソコン本体41の動作を規定するプログラム、画像解析処理で得られた各位置データなどを記憶するハードディスク機構45と、キーボード43から出力される各種指令、各種データの取込み処理、シーケンサ15から出力されるトリガー信号などの取込み処理、荷役・保管管理部から出力されるデータ要求の取込み処理、荷物16を保管した場所などを示す位置データ、各種信号の出力処理などを行う入出力ボード46と、カメラ11から出力される映像信号の取込み処理、表示データの出力処理などを行うビデオボード47と、入出力ボード46によって取り込まれた各種指令、各種データ、トリガー信号、データ要求などの処理、入出力ボード46を介して、カメラ11の動作を制御する処理、ビデオボード47によって取り込まれた映像信号を解析してトロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などの位置データを求める処理、この処理で得られた位置データに基づき、表示データを生成する処理、この処理で得られた表示データをビデオボード47を介し、表示器42に供給する処理、位置データをハードディスク機構45に記憶させる処理、このハードディスク機構45に記憶されている位置データを入出力ボード46に転送して、荷役・保管部(図示は省略する)などに供給する処理などを行うマザーボード48とを備えている。
【0035】
そして、オペレータによって、電源が投入されたとき、ハードディスク機構45に記憶されているプログラムに基づき、入出力ボード46、ビデオボード47、マザーボード48を起動させて、カメラ11を動作させ、シーケンサ15からトリガー信号が出力されたとき、このカメラ11から出力される映像信号を画像処理して、各走行目印10と視野中心との位置関係、トロリ装置6と視野中心との位置関係、フック8と視野中心との位置関係などを求めるとともに、これら各位置関係に基づき、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などの位置データを求め、これを表示器42上に表示して、オペレータに提示しながら、ハードディスク機構45に記憶する。また、この動作と並行し、荷役・保管管理部からデータ要求が出力される毎に、ハードディスク機構45に記憶されている各位置データのうち、指定された位置データを読み出して、荷役・保管管理部に転送し、荷物16の管理などを行わせる。
【0036】
《実施の形態の動作》
次に、図1に示す斜視図、図2に示す正面図、図3に示す斜視図、図4に示すブロック図を参照しながら、この実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0037】
まず、操縦室12内のオペレータによって、コントローラ14、シーケンサ15、パーソナルコンピュータ13の電源が投入されると、パーソナルコンピュータ13内のバードディスク機構45に記憶されたプログラムに基づき、マザーボード48内のメモリ上に、図5に示すように、画像処理目印判別部49、走行目印選別部50、走行位置演算部51、走行位置メモリ部52、横行位置演算部53、横行位置メモリ部54、巻き上げ位置演算部55、巻き上げ位置メモリ部56が形成されるとともに、カメラ11が動作して、壁2に形成された複数の走行目印10の映像と、トロリ装置6の映像と、フック8の映像とを含む映像信号の出力が開始される。
【0038】
そして、オペレータによって、コントローラ14の操作が開始されて、このコントローラ14から制御信号の出力が開始され、シーケンサ15からトリガー信号が出力されると、パーソナルコンピュータ13内に形成された画像処理目印判別部49によって、カメラ11から出力される映像信号が取り込まれるとともに、この映像信号中に含まれている各走行目印10の映像(走行目印映像)、横行目印22の映像(横行目印映像)、フック8の映像(フック映像)が判別されて、抽出される。
【0039】
この後、走行目印選別部50によって、画像処理目印判別部49で抽出された各走行目印映像のうち、カメラ11の視野中心に近い走行目印映像が選択されるとともに、走行位置演算部51によって、走行目印選別部50で選択された走行目印映像と、予め登録されている各走行目印登録映像とが比較されて、走行目印映像と形状や色が一致する走行目印登録映像が選択された後、この走行目印登録映像の番号に基づき、ガーダ装置4の大まかな走行位置(X座標値)が判定され、さらに走行目印映像がカメラ11の視野中心から左方向、右方向のどちらに、どの程度ずれているかが判定され、この判定結果に基づき、ガーダ装置4の細かな走行位置(X座標値)が求められる。
【0040】
この際、カメラ11を取り付けた後、行われる調整時点で、何点か実測して得られた値に基づき、カメラ11に設けられているレンズ57の特性に応じた、画像上の相対距離と、実際の距離とが解析されて、演算上の倍率(定数)、標準レンズの視野、広角レンズの視野、その曲率関数f(x)などを示す各関数が一義的に決めらていることから、カメラ11に取り付けられているレンズ57が図6に示すような標準レンズであるとき、次式に示す演算が行われて、ガーダ装置4の細かな走行位置(X座標値)が求められるとともに、これがガーダ装置4の大まかな走行位置(X座標値)に加算されて、ガーダ装置4の正確な走行位置(X座標値)が求められ、これが走行位置メモリ部52と、ハードディスク機構45とに記憶される。
【0041】
L=L’・S/S’ …(1)
但し、L:走行目印10と、ガーダ装置4の中心との距離
S:カメラ11のレンズ57と、壁2との距離
L’:カメラ11のレンズ57による投影面の中心と、投影面上に
ある走行目印10との距離
S’:カメラ11のレンズ57と、このレンズ57による投影面と
の距離
また、カメラ11に取り付けられているレンズ57が図7に示すような広角レンズであるときには、カメラ11に取り付けられているレンズ57のレンズ面曲率を示す曲率関数f(x)に基づき、レンズ57による投影面の中心と、投影面上の走行目印10との距離L’が補正された後、補正済みの距離L’が(1)式に代入されて、ガーダ装置4の細かな走行位置(X座標値)が求められるとともに、これがガーダ装置4の大まかな走行位置(X座標値)に加算されて、ガーダ装置4の正確な走行位置(X座標値)が求められ、これが走行位置メモリ部52と、ハードディスク機構45とに記憶される。
【0042】
また、上述した動作と並行し、横行位置演算部53によって、画像処理目印判別部49で抽出された横行目印映像が視野中心から、どの程度、上方にずれているかが判定され、この判定結果に基づき、トロリ装置6の細かな横行位置(Y座標値)が求められる。
【0043】
この際、カメラ11を取り付けた後、行われる調整時点で、何点か実測して得られた値に基づき、カメラ11に取り付けられているレンズ57の特性に応じた、画像上の相対距離と、実際の距離とが解析されて、演算上の倍率(定数)、標準レンズの視野、広角レンズの視野、その曲率関数f(x)などを示す各関数が一義的に決めらていることから、カメラ11に取り付けられているレンズ57が図8に示すような標準レンズであるとき、次式に示す演算が行われて、トロリ装置6の正確な横行位置(Y座標値)が求められ、これが横行位置メモリ部54と、ハードディスク機構45とに記憶される。
【0044】
t=a×b/t’ …(2)
但し、t:カメラ11のレンズ57と、トロリ装置6との水平距離
a:トロリ装置6の下面から、カメラ11のレンズ57までの垂直
距離
b:カメラ11のレンズ57と、このレンズ57による投影面との
水平距離
t’:カメラ11のレンズ57による投影面の中心と、投影面上に
ある横行目印22との垂直距離
また、カメラ11に取り付けられているレンズ57が広角レンズであるときには、カメラ11に取り付けられているレンズ57のレンズ面曲率を示す曲率関数f(x)に基づき、レンズ57による投影面の中心と、投影面上の横行目印22との垂直距離t’が補正された後、補正済みの垂直距離t’が(2)式に代入されて、トロリ装置6の正確な横行位置(Y座標値)が求められ、これが横行位置メモリ部54と、ハードディスク機構45とに記憶される。
【0045】
また、上述した動作と並行し、巻き上げ位置演算部55によって、横行位置メモリ部54に記憶されているトロリ装置6の正確な横行位置(Y座標値)が参照されて、画像処理目印判別部49で抽出されたフック映像が視野中心から、どの程度、下方または上方にずれているかが判定され、この判定結果に基づき、フック8の細かな上下位置(上下座標値)が求められる。
【0046】
この際、カメラ11を取り付けた後、行われる調整時点で、何点か実測して得られた値に基づき、カメラ11に取り付けられているレンズ57の特性に応じた、画像上の相対距離と、実際の距離とが解析されて、演算上の倍率(定数)、標準レンズの視野、広角レンズの視野、その曲率関数f(x)などを示す各関数が一義的に決めらていることから、カメラ11に取り付けられているレンズ57が図8に示すような標準レンズであるとき、次式に示す演算が行われて、フック8の正確な上下位置(上下座標値)が求められ、これが巻き上げ位置メモリ部56と、ハードディスク機構45とに記憶される。
【0047】
d=d’×t/b …(3)
但し、d:フック8の正確な上下位置(上下座標値)
t:カメラ11のレンズ57と、トロリ装置6との水平距離
b:カメラ11のレンズ57と、このレンズ57による投影面との
水平距離
d’:カメラ11のレンズ57による投影面の中心と、投影面上に
あるフック映像との垂直距離
また、カメラ11に取り付けられているレンズ57が広角レンズであるときには、カメラ11に取り付けられているレンズ57のレンズ面曲率を示す曲率関数f(x)に基づき、レンズ57による投影面の中心と、投影面上のフック映像との垂直距離d’が補正された後、補正済みの垂直距離d’が(3)式に代入されて、フック8の正確な上下位置(上下座標値)が求められ、これが巻き上げ位置メモリ部56と、ハードディスク機構45とに記憶される。
【0048】
そして、マザーボード48のCPUによって、走行位置メモリ部52に記憶されているX座標値、横行位置メモリ部54に記憶されているY座標値、巻き上げ位置メモリ部56に記憶されている上下座標値に基づき、表示データが作成されて、表示器42上に、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値が表示され、オペレータに提示される。
【0049】
以下、所定の周期で、上述した動作が繰り返されて、ガーダ装置4の移動、トロリ装置6の移動、フック8の移動に伴い、表示器42上に表示されているトロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値がリアルタイムで更新される。
【0050】
また、上述した動作と並行し、操縦室12内のオペレータによって、コントローラ14の操縦レバー33が操作されて、このコントローラ14から操縦レバー33の操作内容に応じた制御信号が出力される毎に、シーケンサ15から制御信号に応じた駆動電流が出力されて、ガーダ装置4に設けられた各モータ20、トロリ装置6に設けられたモータ49、巻き上げ装置9に設けられた巻き上げモータ27が駆動される。
【0051】
これにより、ガーダ装置4、トロリ装置6がX軸方向、Y軸方向に各々、走行して、トロリ装置6のX座標、Y座標が調整されるとともに、ワイヤ7の繰り出し、巻き戻しが行われて、フック8の上下座標が調整され、荷物16の積み降ろしが行われる。
【0052】
この際、作業対象となる荷物16のX座標値、Y座標値、上下座標値を予め設定し、自動モード、半自動モードを設定しておけば、シーケンサ15によって、パーソナルコンピュータ13によって得られたトロリ装置6のX座標値、Y座標値と、作業対象となる荷物16のX座標値、Y座標値とが比較され、これらが一致した時点で、ガーダ装置4、トロリ装置6が停止状態にされた後、フックの上下座標値と、作業対象となる荷物16の上下座標値とが比較され、これらが一致した時点で、巻き上げ装置9が停止状態にされて、荷物16の積み降ろしが行われる。
【0053】
また、この動作と並行し、荷役・保管管理部(図示は省略する)からデータ要求が出されたとき、マザーボード48によって、ハードディスク機構45に記憶されている各積み降ろし時の位置データのうち、要求された位置データが読み出されて、これが荷役・保管管理部に供給されて、保管倉庫内にある荷物16の管理などが行われる。
【0054】
このようにこの実施の形態においては、操縦室12内のオペレータによって、コントローラ14、パーソナルコンピュータ13、シーケンサ15などの電源が投入されて、コントローラ14が操作されたとき、カメラ11によって得られた映像信号の解析処理を開始して、各走行目印10の映像と、ガーダ装置4の映像と、カメラ11の視野中心との位置関係、トロリ装置6の映像と、フック8の映像と、カメラ11の視野中心との位置関係などに基づき、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などを計算して、オペレータに提示するとともに、オペレータの操作内容に応じて、ガーダ装置4、トロリ装置6、巻き上げ装置9などを制御して、荷物16の積み降ろし、移動などを行うようにしているので、ガーダ装置4の下面側に1台のカメラ11を取付け、簡単な配線作業を行うだけで、機械的な改造を一切、行うことなく、トロリ装置6のX座標値、Y座標値を正確に、かつリアルタイムで検知することができ、これによってクレーン設備を新設するとき、少なくとも3つのエンコーダを省略して、その分だけ設備コストを低減させることができるとともに、横行方向に移動するトロリ装置6と、操縦室12との間の配線を省略して、スマートな機械設計を行わせることができる。
【0055】
また、この実施の形態では、高速応答性を持ち、かつ精密な検知を行う高価なエンコーダを使用することなく、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値を正確に、かつリアルタイムで検知することができることから、これまで、エンコーダを取り付けることができなかった既存のクレーン設備に1台のカメラ11を取付け、簡単な配線作業を行うだけで、エンコーダなどを追加するときなどのように、モータやギア部分の設計変更を行うことなく、高い応答速度、高い検知精度で、ガーダ装置4、トロリ装置6などの位置を連続的に検知することができ、これによって運転の自動化、半自動化を達成することができる(請求項1の効果)。
【0056】
また、カメラ11から出力される映像信号を処理して、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などを計算するとき、各走行目印10と視野中心との位置関係、トロリ装置6と視野中心との位置関係、フック8と視野中心との位置関係などを求めるとともに、これら各位置関係に基づき、トロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などの位置データを求めるようにしているので、カメラ11から出力される映像信号を画像処理する際の手順を簡素化して、リアルタイムで、トロリ装置6の走行位置、横行位置などを求めることができ、これによって運転の自動化、半自動化を達成することができる(請求項2の効果)。
【0057】
また、この実施の形態では、カメラ11から出力される映像信号を画像処理して得られたトロリ装置6の座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などの位置データをハードディスク機構45に記憶しておき、荷役・保管管理部(図示は省略する)から要求があったとき、ハードディスク機構45をアクセスして、荷物16に対する積み降ろし、移動などを行ったときの座標値(X,Y)、フック8の上下座標値などを荷役・保管管理部に供給し、保管倉庫内にある荷物16の管理などを行わせるようにしているので、移動作業対象となる荷物16の管理を簡素化して、保管業務などの省力化を達成することができる(請求項3の効果)。
【0058】
また、この実施の形態では、カメラ11から出力される映像信号を画像処理してフック8の上下座標値を求め、この上下座標値を保管管理業務に使用するようにしているので、荷物16の三次元管理を可能にして、移動作業対象となる荷物16の管理や省力化を飛躍的に高めることができる(請求項4の効果)。
【0059】
《他の実施の形態》
また、上述した実施の形態では、壁2に複数の走行目印10を設けるとともに、トロリ装置6に横行目印22を設け、これら各走行目印10の映像、横行目印22の映像を抽出して、トロリ装置6のX座標値、Y座標値を求めるようにしているが、実際のクレーン設備、または保管倉庫内などの各部位に、画像処理技術を使用して、判別可能な部位などがあれば、これら部位の映像を抽出して、トロリ装置6のX座標値、Y座標値を求めるようにしても良い。
【0060】
このようにすることにより、壁2に複数の走行目印10を描くことなく、かつトロリ装置6に横行目印22を描くことなく、トロリ装置6のX座標値、Y座標値を求めることができ、その分だけ、初期コストを低減させることができる。
【0061】
また、上述した実施の形態では、フック8の映像を処理して、フック8の上下座標を求めるようにしているが、荷物16の上下座標を必要としないときには、このようなフック8の映像処理を省略するようにしても良い。
【0062】
このようにすることにより、パーソナルコンピュータ13の処理負担を軽くし、その分だけCPUの処理速度を下げるとともに、メモリ使用量を低減させ、パーソナルコンピュータ13のコストを下げることができる。
【0063】
また、上述した実施の形態では、1台のカメラ11によって、壁2に描かれた各走行目印10、トロリ装置6に描かれた横行目印22、ワイヤ7の先端に設けられたフック8などを撮影して、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値を求めるようにしているが、1台のカメラ11によって、各走行目印10、横行目印22、フック8などを撮影することが難しいとき、複数のカメラによって、これら各走行目印10、横行目印22、フック8などを分担して撮影し、これによって得られた各映像信号を画像処理して、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値を求めたり、複数のカメラによって、複数の方向を撮影し、これによって得られた各映像信号のうち、各走行目印10、横行目印22、フック8などを含む1つの映像信号を選択して、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値を求めるようにしても良い。
【0064】
このようにすることにより、各カメラの視野角を小さくして、画像処理の精度を高くし、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値を求めるときの精度をさらに向上させることができる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、1台のカメラ11によって、壁2に描かれた各走行目印10、トロリ装置6に描かれた横行目印22、ワイヤ7の先端に設けられたフック8などを撮影して、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値を求めるようにしているが、ガーダ装置4、トロリ装置6、巻き上げ装置9などに、1つ以上のエンコーダを設け、これらのエンコーダによって、トロリ装置6のX座標値、Y座標値、フック8の上下座標値のいずれか1つ以上を検知しているときには、この検知結果と、カメラ11から出力される映像信号を画像処理して得られた検知結果とを組み合わせて、総合的な位置データを求めるようにしても良い。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1のクレーン位置検出システムでは、既存のクレーン設備についても、エンコーダなどを追加するときなどのように、モータやギア部分の設計変更を行うことなく、高い応答速度、高い検知精度で、ガーダ装置、トロリ装置などの位置を連続的に検知することができ、これによって運転の自動化、半自動化を達成することができる。また、実際のクレーン設備、または保管倉庫内などの各部位に、画像処理技術を使用して、判別可能な部位などがあれば、これら部位の映像を抽出して、トロリ装置のX座標値、Y座標値を求めるようにすることで、壁に複数の走行目印を描く必要がなく、かつトロリ装置に横行目印を描く必要もなく、その分だけ、初期コストを低減させることができる。
【0067】
請求項2のクレーン位置検出システムでは、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して、トロリ装置などの走行位置、横行位置などを求めるときの処理手順を簡素化して、リアルタイムで、トロリ装置の走行位置、横行位置などを求めることができ、これによって運転の自動化、半自動化を達成することができる。
【0068】
請求項3のクレーン位置検出システムでは、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して得られたトロリ装置などの走行位置、横行位置などに基づき、移動作業対象となる荷物の管理を簡素化して、保管業務などの省力化を達成することができる。
【0069】
請求項4のクレーン位置検出システムでは、撮像装置から出力される映像信号を画像処理して、トロリ装置などの走行位置、横行位置を検知することができるのみならず、フックの上下位置などを検知することができ、これによって荷物の三次元管理を可能にして、移動作業対象となる荷物の管理や省力化を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクレーン位置検出システムの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す操縦室内に設けられるコントローラ、シーケンサ、パーソナルコンピュータの詳細な構成例を示す正面図である。
【図3】図1に示すカメラから見える像の一例を示す斜視図である。
【図4】図2に示すパソコン本体の詳細な回路構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に示すマザーボードのメモリ上に形成される各処理部の一例を示す説明図である。
【図6】図1に示すカメラ11に標準レンズを取り付けた状態で、トロリ装置のX軸座標値を求めるときの動作を示す説明図である。
【図7】図1に示すカメラ11に広角レンズを取り付けた状態で、トロリ装置のX軸座標値を求めるときの動作を示す説明図である。
【図8】図1に示すカメラ11に標準レンズを取り付けた状態で、トロリ装置のY軸座標値、フックの上下座標値を求めるときの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1…天上クレーン設備、2…壁、3…ガイドレール、4…ガーダ装置、5…ガイドレール、6…トロリ装置、7…ワイヤ、8…フック、9…巻き上げ装置、10…走行目印、11…カメラ(撮像装置)、12…操縦室、13…パーソナルコンピュータ(画像解析装置)、14…コントローラ、15…シーケンサ、16…荷物、17…ガーダ本体部、18…走行輪、19…走行輪、20…モータ、21…トロリ本体、22…横行目印、23…走行輪、24…走行輪、25…巻き上げ枠、26…巻取部、27…巻き上げモータ、28…支持部、29…テレビカメラ本体、30…操縦室本体、31…窓、33…操縦レバー、34…処理部、36…アナログボード、37…アナログ入出力端子、38…デジタルボード、39…デジタル入出力端子、40…処理ボード、41…パソコン本体、42…表示器、43…キーボード、45…ハードディスク機構、46…入出力ボード、47…ビデオボード、48…マザーボード、49…モータ
Claims (4)
- 壁などに固定された一対のガイドレール上にガーダ装置を走行可能に載置し、前記ガーダ装置上部にガーダ装置の走行方向と直交する方向に設けられた一対のガイドレール上にトロリ装置を走行可能に載置して構成されたクレーン設備における前記トロリ装置の位置を示すX軸座標値、Y軸座標値を測定するクレーン位置検出システムであって、
前記ガーダ装置の走行方向に沿って配置され、形状や色がそれぞれ異なる複数の走行目印と、
前記クレーン設備を構成するガーダ装置に取り付けられ、前記走行目印、前記トロリ装置を撮影する撮像装置と、
前記撮像装置で撮像された各走行目印映像とそれに対応する走行位置情報を予め登録した記憶装置と、
前記撮像装置から出力される映像信号を画像解析して、前記トロリ装置のX軸座標値、Y軸座標値を求める画像解析装置とを備え、
前記画像解析装置は、前記記憶装置に登録された走行目印映像である走行目印登録映像と、前記撮像装置から出力される走行目印映像とを比較して走行位置を判定する、
ことを特徴とするクレーン位置検出システム。 - 請求項1に記載のクレーン位置検出システムにおいて、
前記画像解析装置は、前記撮像装置から出力される映像信号中に含まれる走行目印の映像と前記撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、前記トロリ装置のX軸座標値を求めるとともに、前記撮像装置から出力される映像信号中に含まれるトロリ装置の映像と前記撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、前記トロリ装置のY軸座標値を求める、
ことを特徴とするクレーン位置検出システム。 - 請求項1または2に記載のクレーン位置検出システムにおいて、
前記画像解析装置は、前記撮像装置から出力される映像信号を画像解析して得られたトロリ装置のX座標値、Y座標値を荷役作業に関連する荷物の保管位置情報として出力する、
ことを特徴とするクレーン位置検出システム。 - 請求項1、2、3のいずれか1項に記載のクレーン位置検出システムにおいて、
前記撮像装置は、前記トロリ装置に設けられた巻き上げ装置のフック部分を撮影し、
前記画像解析装置は、前記トロリ装置のY座標値を参照しながら、前記撮像装置から出力される映像信号中に含まれる前記フックの映像と前記撮像装置の視野中心との相対位置関係に基づき、前記フックの上下座標値を求め、これを荷役作業に関連する荷物の保管位置情報として出力する、
ことを特徴とするクレーン位置検出システム。
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