JP4209091B2 - 金属ナトリウム中のセシウム除去方法及び同装置 - Google Patents

金属ナトリウム中のセシウム除去方法及び同装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は不純物を含有する金属ナトリウムの精製方法及び同装置に関し、特にセシウムを不純物として含有する金属ナトリウムの精製方法及び同装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉の冷却剤として使用される、金属ナトリウムは使用中に冷却剤として不適な不純物に変化したり、含有不純物が放射性核種に変化したりするので、適時的確に精製が必要となる。しかも、精製残滓は廃棄物として処分しなければならないが、放射性廃棄物としての観点から、可能な限り減容して、処理費の削減を図らなければならない。さらに大量のナトリウムの精製コスト面でも、可能な限りの低コスト方法を見出さなければならない。それには不純物種に応じて適切な方法を、案出、採用することが重要である。
【0003】
不純物の内、酸素や水素不純物の除去には有効なジルコニアを用いる所謂コールドトラップ法では、酸素や水素の除去には有効であるが、ナトリウム酸化物、水酸化ナトリウム以外の金属あるいはその金属酸化物の除去には不適である。
【0004】
この点、従来では、アルカリ金属熱電発電の技術を用いた、高純度ナトリウム精製装置が提案されている(特開平6−172883)。しかし、このような装置では623℃という高温条件が必要であることや、そのため用いるナトリウムイオン伝導固体電解質の劣化が激しいことや、蒸気圧差の保持、温度差の保持などの条件現出に装置及び運転費用が嵩むなどの問題点を抱えていた。
【0005】
本発明者らは、上記問題点を解決せんとして、特願2000−192514で、簡易な構成で、固体電解質の劣化がないナトリウム精製装置及び精製システムを提案した。この、未公開先願技術は陽極側の不純ナトリウムのナトリウムを選択的にナトリウムイオン伝導固体電解質を通して陰極側へ移動せしめ、ナトリウムを純化するものである。
【0006】
ところが、近年、某国の高速増殖炉・廃炉の冷却材ナトリウム中には放射化セシウムが多く、この処理が問題であって、この処理にはセシウムの効果的な分離が必要となっている。
【0007】
前記未公開先願技術ではナトリウムを移動させて、不純物を残留物中に残留させる方法であるため、全量のナトリウムをイオン移動させる必要ががあり、効率が悪く、時間と電力の消費が大でコストがかかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は従来のこのような問題点に鑑みてなされたもので、金属ナトリウム中のセシウムを選択的に抽出して精製する方法及び装置であって、短時間、小電力で高濃度・少量の不純物含有残滓と被処理ナトリウム量対比で、高収量の純化金属ナトリウムとに分離し得る方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属ナトリウム中のセシウム除去方法は、セシウムイオン伝導性の固体電解質を隔膜として、液状ナトリウム陽極液と液状ナトリウム陰極液間に直流電圧を印加して電流を流し、該隔膜を通して、液状ナトリウム陽極液中のセシウムイオンを陽極側から陰極側へ移動させることによって、陽極側のナトリウム中のセシウムを陰極側のナトリウム中に濃縮して、陽極側のセシウムを除去することを第1の要旨とする。
【0010】
陽極槽中には、精製すべき原料金属ナトリウムを満たし、陰極槽にはこのイオン移動に必要な初期の負荷をかけることのできるのに必要十分な量のナトリウムを満たし、少なくともナトリウムの融点(98℃)を超える温度に保ちながら、両極間に直流電圧を印加して陽極から陰極へと電流を流せば、セシウムイオン伝導性の固体電解質隔膜において、陽極槽中のセシウムは電子を放出してセシウム陽イオンとなって該角膜を通過し、陰極槽側に移動し、陰極側で電子を得てセシウムとなって陰極槽に留まる。かくして、セシウムが選択的に陰極槽に濃縮される。
【0011】
前記精製の温度は両極槽液が液相を維持するのが最低条件であるが、適度な電流密度の負荷がかけられる温度が好ましい。しかしあまり高温に過ぎると加熱装置の問題や装置材質の問題も生じてきるので、適宜例えば200〜500℃の範囲で進行させることが好ましい。
【0012】
負荷に関わる、電流密度は被処理原料ナトリウムの性状や、陰極液量にもより、変化させる必要があるが、例えば200mmA/cm前後で可能である。
【0013】
更に前記セシウムイオン伝導性の固体電解質が、ナトリウムイオン伝導性のベータアルミナ中のナトリウムを、セシウムによってイオン交換して製造された固体電解質であることを第2の要旨とする。
【0014】
ここにいうベータアルミナとは、ナトリウムとアルミニュウムの複酸化物であって、NaO・xAlの組成式で表され、xが大よそ11〜5の間の組成の化合物が知られているが、一般にナトリウムイオン伝導性の良好な該複酸化物では、xが5付近の組成の結晶相を多く含んだβ”アルミナと呼ばれる複酸化物が好ましいとされている。
【0015】
本発明のセシウムイオン伝導性の固体電解質の製造に用いる原料においても、このβ”アルミナが好ましい。
【0016】
例えば、セシウムイオン伝導性の固体電解質の製造は、硝酸セシウムの溶融塩浴中に、粉末のβ”アルミナを投入し、高温処理することによって得ることができる。硝酸セシウムは融点が414℃であるが、更に高温側では分解する傾向があるため450℃以下でイオン交換する事が望ましい。沸点は持たず高温で分解する化合物であるから、温度範囲は適宜選ぶ必要がある。また、交換後の複酸化物粉末中未反応で過剰に残留した硝酸セシウムは水洗などによって除去し、すみやかに乾燥すればよい。しかる後、適宜成型・焼成して望みの隔膜構造に仕上げることができる。強度的物件が最も良好な有底円筒型に成型し、焼結する事でセシウムイオン伝導性の電解質管を作製することができる。
【0017】
さらに、本発明の金属ナトリウム中のセシウム除去方法は、前記方法でセシウムを除去した液状ナトリウムを陽極液に用い、ナトリウムイオン伝導性のベータアルミナを隔膜として、該陽極液と液状ナトリウム陰極液間に直流電圧を印加して電流を流し、該隔膜を通して、ナトリウムイオンを陽極側から陰極側へ移動させることによって、陽極側のセシウムを陽極側に残留させて、陰極側のナトリウム純度を更に高めることを特徴とする。
【0018】
セシウムを不純物として含有するナトリウムには、セシウム以外の不純物も含まれる可能性は充分にあること、また、不純物としての大部分のセシウムを効率的に濃縮して、廃棄物として減容化した後、更にセシウム濃度を減少させるには本方法を取ることができる。本方法は、一端セシウムを分離したナトリウムを前記未発表先願技術に記載した装置及びシステムで実施可能である。若しくは、設備的に連続させて、行うこともできる。
【0019】
また本発明の金属ナトリウム中のセシウム除去装置は、陽極を有する陽極槽と陰極を有する陰極槽がセシウムイオン伝導性の固体電解質の隔膜を隔てて隣接し、陽陰両極間に直流電圧を印加可能な電源を備え、該電源によって電流を通過せしめて、該隔膜を通して、液状ナトリウム陽極液中のセシウムイオンを陽極側から陰極側へ移動させることによって、陽極側のナトリウム中のセシウムを陰極側のナトリウム中に濃縮して、陽極側のセシウムを除去可能としたことを第1の要旨とする。
【0020】
陽極槽、陰極槽にはナトリウム及びセシウムを液状に保持する温度を維持するための加熱手段を備えることが好ましい。また、酸化や吸湿加水分解など複反応を起こさぬよう、大気から遮断する手段も必要である。更に、電極にはナトリウム、セシウムに侵されない材質である必要がある。例えば、モリブデン、タングステン、ステンレス鋼などから選ぶことができる。
【0021】
隔膜の形態は特に限定されず、円形でも方形でもまた平面である必要性もないが、陰極液が片側で接し、同時に陽極液が他の側で接しており、なるべく、陰極液、陽極液に接触する面積が広い方が当然単位時間当たりのイオン移動量は大きい。
【0022】
更に本発明の、金属ナトリウム中のセシウム除去装置は、陽極若しくは陰極の一方の槽をセシウムイオン伝導性の固体電解質で構成された有底円筒とすることにより、該有底円筒自体を隔膜及び一方の槽とし、他方の槽を該有底円筒を内設している外筒容器として、一方の槽に陽極若しくは陰極の一方の電極を備え、他方の槽に他方の電極を備えたことを特徴とする。
【0023】
即ち、有底円筒自体を隔膜の機能と槽の機能を持たせ、且つ隔膜の面積を大きくとることを特徴としている。そして、該内筒を外筒容器に内設することによって、ナトリウム若しくはセシウム耐性で処理温度に耐えうる器壁材質の必要とする他の槽が一槽ですむことになる。
【0024】
更に本発明の金属ナトリウム中のセシウム除去装置は、セシウムイオン伝導性の固体電解質が、ナトリウムイオン伝導性のベータアルミナ中のナトリウムを、セシウムによってイオン交換して製造された固体電解質であることを第2の要旨とする。
【0025】
即ち、ほとんどの形態の隔膜は、また前記内筒も前記イオン交換で得たセシウムイオン伝導性固体電解質の粉末を成型・焼成することによって製作することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、発明の実施形態について例示的に説明する。但し本実施の形態に記載される構成部品の寸法、形状、材質、その相対配置等は特に特定的な記載がない限りは本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0027】
(実施例1)図1は本発明の、セシウムイオン伝導性の固体電解質の隔膜を有する金属ナトリウム中のセシウム除去装置の一例を示す概念図である。
【0028】
図1において、101はセシウムイオン伝導性固体電解質で構成された隔膜である。この隔膜101は以下のようにして作成した。
【0029】
粉末のβ”アルミナを(450℃)に加熱保持した硝酸セシウムの溶融塩浴中に投入し、攪拌しながら(10時間)高温処理した。その後、該溶融塩混合物を冷却固化し、粉砕して微粒状とし、該粉体を水洗して、残留した未反応硝酸セシウムを除去し、乾燥して、Csに置換されたセシウムイオン伝導性固体電解質粉体を得た。この粉体にバインダーを微量混入し、方形板状に圧縮成型し、焼成炉にて焼成して隔膜101を作成した。
【0030】
直方体の容器の中央を前記隔膜101で仕切り隔壁とし、一方を陰極槽102として、陰極104を設け、他方を陽極槽103として、陽極105を設けて金属ナトリウム中のセシウム除去装置を構成した。
【0031】
陰極槽102に陰極104が浸かる程度に不純物としてセシウムを含有した液状のナトリウムを充填し、陽極槽103に同じ不純物としてセシウムを含有した液状のナトリウムを略満杯に充填し、図示していない加熱装置で加熱しつつ(300℃)に保温し、直流電源106を接続して、電流密度として(200mmA/cm)の電流を通じ、隔膜101を通してセシウムを陽極槽103から陰極槽102に移動させ、陽極槽103のナトリウムからセシウムを抽出し、純度を高めた。
【0032】
なお、セシウムが隔膜101を通して移動するメカニズムの模式図を図1の円形拡大図で示した。即ち、陽極105側のセシウムは隔膜101上で電子を放出して、セシウムイオンとなり、セシウムイオンは隔膜101中を移動して陰極104側に達し、同じく隔膜101上で電子を獲得してセシウムとなり、陰極104側に滞留する。
【0033】
(実施例2)図2は本発明の、陽極204若しくは陰極205の一方の槽をセシウムイオン伝導性の固体電解質で構成された有底円筒201とした金属ナトリウム中のセシウム除去装置一例を示す概念図である。
【0034】
実施例1と同様にして、セシウムイオン伝導性固体電解質粉体を調製した。この粉体にバインダーを微量混入し、有底円筒状に圧縮成型し、焼成炉にて焼成して自体がセシウムイオン伝導性固体電解質の隔膜としての機能を有する有底円筒201を作製した。この有底円筒201を外筒容器中に配置し、有底円筒中に陰極205を設け、外筒容器と有底円筒201の間の空間に陽極204を配置して、金属ナトリウム中のセシウム除去装置を構成した。
【0035】
有底円筒201中を陰極槽202とし、外筒容器と有底円筒201の間の空間を陽極槽203とし、陰極槽202に陰極205が浸かる程度に不純物としてセシウムを含有した液状のナトリウムを充填し、陽極204が浸かる陽極槽203に同じ不純物としてセシウムを含有した液状のナトリウムを略満杯に充填し、図示していない加熱装置で加熱しつつ(300℃)に保温し、直流電源206を接続して、電流密度として(200mmA/cm)の電流を通じ、隔膜(有底円筒201)を通してセシウムを陽極槽から陰極槽に移動させ、陽極槽のナトリウムからセシウムを抽出し、純度を高めた。
【0036】
(実施例3)図3は本発明の方法を連続的に行った一例のプロセスフロー図である。
図3において、原子炉302の冷却ジャケットから、電磁ポンプ303のデリベリ側圧力の作用で定量的に取り出したセシウム汚染ナトリウムNaを、本発明の金属ナトリウム中のセシウム除去装置301に平均滞留時間を経て純化させ、純度を高め再び、電磁ポンプ303サクション側に吸引させ、原子炉302の冷却材として供給した。なお、ナトリウムの流れる経路は、図示はしていないが、保温手段を備えて、流体をナトリウムの融点以上に保ち流動性を維持した。
【0037】
(実施例4)図4は本発明の一段目でセシウムを抽出し、次いで該精製されたナトリウムを、二段目で更にナトリウムを抽出して、純度を高める方法の一例のプロセスフロー図である。
【0038】
図4において、本実施例のプロセスは、原料供給手段401と、セシウム除去装置405と、廃ナトリウム分解手段413と、ナトリウム精製装置427とにより構成する。
【0039】
原料供給手段401は原料タンク402と該タンクの出口からバルブ404を介してセシウム除去装置405の有底円筒陽極槽406に接続する供給配管を含む。
【0040】
セシウム除去装置405は有底円筒陽極槽406を内設している外筒容器陰極槽407と、有底円筒陽極槽406に配置された陽極409と、前記有底円筒陽極槽406と外筒容器陰極槽407の間の空間に配置された陰極408と、前記供給配管に接続して、原料を有底円筒陽極槽406に導入する原料供給口と、セシウムを除去し終わった陽極液を移送配管に接続する取り出し口と、外筒容器陰極槽407の底部に設けた排出口と、これに接続する排出バルブ419と、直流電源410を含む。
【0041】
ナトリウム精製装置427は有底円筒陰極槽428を内設している外筒容器陽極槽429と、有底円筒陰極槽428に配置された陰極430と、有底円筒陰極槽428と外筒容器陽極槽429の間の空間に配置された陽極431と、移送ポンプ435と、移送配管により該移送ポンプ435デリベリ側に接続して、前記セシウム除去装置のセシウムを除去し終わった陽極液を有底円筒陽極槽428と外筒容器陰極槽429の間の空間に導入する供給口と、精製したナトリウムを取り出し配管によって、取り出しポンプ436のサクション側に接続する取り出し口と、取り出しポンプ436のデリベリ側に接続された精製ナトリウムタンク437と、外筒容器陰極槽429の底部に設けた排出口と、これに接続する排出バルブ440と、直流電源432を含む。
【0042】
廃ナトリウム分解手段413は水冷ジャケット418によって冷却可能な廃ナトリウム分解槽417とバルブ421及び配管によってナトリウム分解槽417にアルコール424を供給可能なアルコール供給タンク416と、入り口をセシウム除去装置の排出バルブ419に配管で接続し、出口をバルブ420を介して廃ナトリウム分解槽417に配管で接続したバッフアタンク415と、入り口をナトリウム精製装置の排出バルブに配管で接続し、出口をバルブ422を介して廃ナトリウム分解槽417に配管で接続したバッフアタンク414とを含む。
【0043】
前記構成のプロセスフローにおいて、原料供給手段401の原料タンク402にセシウム含有ナトリウム403を満たし、バルブ404及び438を操作して、有底円筒陽極槽406に所定量の前記原料をチャージし陽極液412とする。また陰極液411は同じくセシウム含有ナトリウム403をバルブ404及び439を操作して、電極が浸る程度にチャージする。しかる後、図示していない加熱装置で温度を(300℃)に保ちながら、直流電源410の電圧をおよそ(0.5V)陽極409と陰極408間に印加して電流を流した。この時、初期の電流は(200mmA/cm)であったが、処理が進行すると電流が変化していくので印加電圧を調節して、電流を一定に保つようにするが、セシウムの陰極側への移行が終了に近づくと、最早負荷がかからなくなるので終了とする。
【0044】
かくして、セシウム除去が終了したら、陰極液411を外筒容器陰極槽407の下部の排出バルブ419を操作してバッファタンク415中に排出して425の廃ナトリウム1とする。
【0045】
セシウム除去の終了したセシウム除去装置401の陽極液412は、ナトリウム精製装置427の移送ポンプ435を起動して、ナトリウム精製装置427の外筒容器陽極槽429に移送する。有底円筒428には予め純度の高いナトリウムをチャージしておく。
【0046】
しかる後、図示していない加熱装置で温度を(300℃)に保ちながら、直流電源432の電圧をおよそ(0.5V)陽極431と陰極430間に印加して電流を流した。この時、初期の電流は(200mmA/cm)であったが、処理が進行すると電流が変化していくので印加電圧を調節して、電流を一定に保つようにする。
【0047】
かくして、ほとんどの陽極液434が陰極液433に移行した時点でナトリウム精製を終了とし、取り出しポンプ436を起動して、陰極液433を精製ナトリウムタンク437に移送、貯蔵する。
【0048】
陽極液434は外筒容器陽極槽429の排出バルブ440より抜き出し、バファタンク414に移送し、423の廃ナトリウム2とする。
【0049】
廃ナトリウム1若しくは2はバファタンク414若しくは415よりバルブ422若しくは420を操作して、廃ナトリウム分解槽へ移送し、アルコールタンク416中のアルコール424をバルブ421を操作して加え、冷却しながら分解し、廃ナトリウムアルコラート426とする。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、金属ナトリウム中のセシウムを選択的に抽出して精製する方法及び装置であって、短時間、小電力で高濃度・少量の不純物含有残滓と被処理ナトリウム量対比で、高収量の純化金属ナトリウムとに分離し得る方法及び装置の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の、セシウムイオン伝導性の固体電解質の隔膜を有する金属ナトリウム中のセシウム除去装置の一例を示す概念図。
【図2】 本発明の、陽極若しくは陰極の一方の槽をセシウムイオン伝導性の固体電解質で構成された有底円筒とした金属ナトリウム中のセシウム除去装置一例を示す概念図。
【図3】 本発明の方法を連続的に行った一例のプロセスフロー図。
【図4】 本発明の一段目でセシウムを抽出し、次いで該精製されたナトリウムを二段めで更にナトリウムを抽出して純度を高める方法の一例のプロセスフロー図。
【符号の説明】
101 セシウムイオン伝導性固体電解質で構成された隔膜
102 陰極槽
103 陽極槽
104 陰極
105 陽極
106 直流電源
201 セシウムイオン伝導性固体電解質で構成された有底円筒
202 陰極槽
203 陽極槽
204 陰極
205 陽極
206 直流電源
301 金属ナトリウム中のセシウム除去装置
302 原子炉
303 電磁ポンプ
401 原料供給手段
402 原料タンク
403 セシウム含有ナトリウム
404 バルブ
405 セシウム除去装置
406 有底円筒陽極槽
407 外筒容器陰極槽
408 陰極
409 陽極
410 直流電源
411 陰極液
412 陽極液
413 廃ナトリウム分解手段
414 バッファタンク
415 バッファタンク
416 アルコール供給タンク
417 廃ナトリウム分解槽
418 水冷ジャケット
419 排出バルブ
420 出口バルブ
421 バルブ
422 バルブ
423 廃ナトリウム2
424 アルコール
425 廃ナトリウム1
426 廃ナトリウムアルコラート
427 ナトリウム精製装置
428 有底円筒陰極槽
429 外筒容器陽極槽
430 陰極
431 陽極
432 直流電源
433 陰極液
434 陽極液
435 移送ポンプ
436 取り出しポンプ
437 精製ナトリウムタンク
438 バルブ
439 バルブ
440 バルブ

Claims (4)

  1. セシウムイオン伝導性の固体電解質を隔膜として、液状ナトリウム陽極液と液状ナトリウム陰極液間に直流電圧を印加して電流を流し、該隔膜を通して、液状ナトリウム陽極液中のセシウムイオンを陽極側から陰極側へ移動させることによって、陽極側のナトリウム中のセシウムを陰極側のナトリウム中に濃縮して、陽極側のセシウムを除去し、
    更に前記セシウムイオン伝導性の固体電解質が、ナトリウムイオン伝導性のベータアルミナ中のナトリウムを、セシウムによってイオン交換して製造された固体電解質であることを特徴とする金属ナトリウム中のセシウム除去方法。
  2. 請求項1の方法でセシウムを除去した液状ナトリウムを陽極液に用い、ナトリウムイオン伝導性のベータアルミナを隔膜として、該陽極液と液状ナトリウム陰極液間に直流電圧を印加して電流を流し、該隔膜を通して、ナトリウムイオンを陽極側から陰極側へ移動させることによって、陽極側のセシウムを陽極側に残留させて、陰極側のナトリウム純度を更に高めることを特徴とする請求項 1 記載の金属ナトリウム中のセシウム除去方法。
  3. 陽極を有する陽極槽と陰極を有する陰極槽がセシウムイオン伝導性の固体電解質の隔膜を隔て隣接し、陽陰両極間に直流電圧を印加可能な電源を備え、該電源によって電流を通過せしめて、該隔膜を通して、液状ナトリウム陽極液中のセシウムイオンを陽極側から陰極側へ移動させることによって、陽極側のナトリウム中のセシウムを陰極側のナトリウム中に濃縮して、陽極側のセシウムを除去可能とし、
    更に前記固体電解質がセシウムイオン伝導性の固体電解質であって、ナトリウムイオン伝導性のベータアルミナ中のナトリウムを、セシウムによってイオン交換して製造された固体電解質であることを特徴とする金属ナトリウム中のセシウム除去方法としたことを特徴とする金属ナトリウム中のセシウム除去装置。
  4. 陽極若しくは陰極の一方の槽をセシウムイオン伝導性の固体電解質で構成された有底円筒とすることにより、該有底円筒自体を隔膜及び一方の槽とし、他方の槽を該有底円筒を内設している外筒容器として、一方の槽に陽極若しくは陰極の一方の電極を備え、他方の槽に他方の電極を備えたことを特徴とする請求項3載の金属ナトリウム中のセシウム除去装置。
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