JP4208594B2 - 硬化性水系組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性水系組成物に関する。より詳しくは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により硬化する硬化性水系組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線や電子線等の活性エネルギー線により硬化する硬化性水系組成物は、水系であることにより、近年の環境問題に対応することができることから、各種の塗料の他、接着剤、レジスト、印刷インク等の幅広い分野で用いられている。例えば、活性エネルギー線により反応して硬化することができる水性単量体を必須とし、染料や顔料等の着色剤等を配合した塗料等が用いられているが、例えば、塗料として用いる場合において、着色剤の溶解性や分散安定性の悪い組成物の使用は、色ムラや塗膜の耐久性能の悪化を引き起こす原因となる。
【0003】
着色剤の水に対する溶解/分散安定性は、組成物の組成やその配合割合によって異なり、ある種類の着色剤に対しては好適な組成や配合割合が、その他の着色剤に適用できない場合もある。また、それぞれの着色剤に好適な組成や配合割合を決定する作業は、煩雑なものとなる。そこで、分散安定剤を使用することも検討されているが、分散安定剤の使用は、塗膜の耐久性能の悪化を引き起こす原因となる。また、活性エネルギー線硬化性を有するプレポリマーが加水分解しやすいと、硬化特性が低下し、良好な塗膜形成ができない場合が生じる。
【0004】
このような硬化性組成物に関し、インクジェットの分野において米国特許第5623001号明細書には、20〜75質量%の水と、水溶性の紫外線重合性物質と、光重合開始剤と着色剤とを含有し、紫外線により硬化可能なインクジエット用インク組成物が開示されている。また、特許第3204407号明細書には、水と水溶性の光硬化型樹脂プレポリマーと光重合開始剤と水溶性染料とを少なくとも含んでなるインクジェットプリンタ用インクが開示されている。更に、特開2000−186242号公報には、色材、重合性オリゴマー、水に対する溶解度が3質量%以上の光重合開始剤及び水を含むインクジェット記録に用いるインクが開示されている。
【0005】
特開平10−67905号公報には、エチレン性不飽和基を側鎖に特定量有する親水性樹脂と、分子末端に2〜4個のエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量が400〜3000の親水性オリゴマーとを含む硬化性組成物が開示されている。また、特開2000−198870号公報には、金属の硫酸若しくは亜硫酸塩(a)と無機系発泡剤(b)とエチレン性不飽和単量体の重合物(c)とからなる無機有機複合発泡体が開示されている。更に、特開平11−160868号公報には、溶剤系の感光性材料として、(A)バインダーポリマー、(B)特定のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含んでなる感光性樹脂組成物が開示されている。
【0006】
特開平6−287486号公報には、(a)アクリル酸及び/又はメタクリル酸を共重合した酸価20〜300のポリマーを塩基性の有機化合物で中和したポリマー、(b)光重合性不飽和化合物及び(c)非水溶性光開始剤を含有してなるネガ型感光性電着塗料樹脂組成物が開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの硬化性組成物では、水系において着色剤の溶解/分散安定性を向上し、色ムラや塗膜の耐久性能の悪化を抑制するための検討がなされていない。したがって、この点において、着色剤を含む場合に着色剤の溶解/分散安定性に優れたものとするための工夫の余地があった。また、水系において耐加水分解性を向上させることにより、長期保存しても硬化特性の低下が少ない硬化性水系組成物とするための工夫の余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、各種の用途に適用することができる基本性能を有し、着色剤の溶解/分散安定性に優れた特性を発揮することができ、また耐加水分解性に優れる硬化性水系組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、硬化性水系組成物を種々検討するうち、活性エネルギー線により硬化するものであると、各種の塗料の他、接着剤、レジスト、印刷インク等の幅広い分野に適用できるうえに、水性単量体、水、着色剤及び水溶性光重合開始剤を含有してなると、これらの用途において充分な基本性能を発揮することに着目した。このような硬化性水系組成物においては、着色剤の溶解/分散安定性が不充分となると考えられるが、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステルがオキシエチレン基により水性となることから水性単量体として用いることが可能であり、一方、炭素数3〜6のオキシアルキレン基により、優れた溶解/分散安定性を発現することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、(メタ)アクリロイル基の隣が炭素数3〜6のオキシアルキレン基であると、耐加水分解性にも優れるものとできることを見いだし、本発明に到達したものである。例えば、着色剤として有機系のものを用いる場合には、着色剤の有機基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基との相互作用により優れた溶解/分散安定性を発現することとなる。
【0010】
すなわち本発明は、活性エネルギー線により硬化する硬化性水系組成物であって、上記硬化性水系組成物は、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステル(A)、水(B)、着色剤(C)及び水溶性光重合開始剤(D)を含有してなる硬化性水系組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の硬化性水系組成物は、活性エネルギー線により硬化することとなる。活性エネルギー線としては、硬化性水系組成物に含有される単量体を反応させて硬化させることができるエネルギー線であればよく、通常では紫外線、電子線等が好適であり、中でも塗料等の分野において用いる場合には、紫外線が好適である。
上記紫外線を照射する装置としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光ケミカルランプ、蛍光青色ランプ等を用いることができる。
【0012】
本発明の硬化性水系組成物は、各種の塗料の他、接着剤、レジスト、印刷インク等の各種用途に用いることができるものであり、中でも、塗料として好適に用いられるものである。塗料として用いる場合における塗布方法としては、刷毛、バーコーター、スプレーコーター、スピンナー、ロールコーター等を用いた塗布方法が挙げられる。
【0013】
本発明の硬化性水系組成物は、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステル(A)、水(B)、着色剤(C)及び水溶性光重合開始剤(D)を含有してなるものであり、以下に各構成要素について説明する。なお、これらはそれぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
本発明における硬化性水系組成物を構成する(メタ)アクリル酸エステル(A)は、「水性(水溶性でも水分散性でも可)」のものである。このような(メタ)アクリル酸エステル(A)としては、同一の分子内にオキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステルであればよい。
上記炭素数3〜6のオキシアルキレン基としては、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましく、オキシブチレン基がより好ましい。
【0014】
上記オキシアルキレン鎖としては、エチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加重合してなる共重合体により形成されるものであることが好ましい。この場合におけるオキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基との付加形態は、ランダム、ブロック等のいずれの形態であってもよい。また、(メタ)アクリル酸エステル(A)において、このような共重合体がグラフトされていてもよい。
上記アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等が好適であり、より好ましくは、1,2−ブチレンオキシドである。
【0015】
上記エチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドとを付加重合してなる共重合体中のエチレンオキシドにより形成される繰り返し単位の割合としては、30質量%以上が好ましく、また、98質量%以下が好ましい。30質量%未満であると、(メタ)アクリル酸エステル(A)の水溶性や水分散性といった性質が充分には得られなくなるおそれがあり、98質量%を超えると、着色剤の溶解/分散安定性の効果が低くなるおそれがある。より好ましくは、50質量%以上であり、また、95質量%以下である。更に好ましくは、55質量%以上であり、また、90質量%以下である。特に好ましくは、60質量%以上であり、また、85質量%以下である。
【0016】
上記エチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドとを付加重合してなる共重合体の数平均分子量としては、200以上であることが好ましく、また、10000以下であることが好ましい。200未満であると、(メタ)アクリロイル基を導入したときに(メタ)アクリル酸エステル(A)の水溶性や水分散性といった性質が充分には得られなくなるおそれがあり、10000を超えると、活性エネルギー線による硬化性が低くなったり、架橋密度の低下により硬化物がもろくなるおそれがある。より好ましくは、350以上であり、また、5000以下である。更に好ましくは、500以上であり、また、2500以下である。
【0017】
上記エチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドとを付加重合してなる共重合体の好ましい形態としては、エチレンオキシドと炭素数3〜6のアルキレンオキシドのランダム共重合体、ブロック共重合体、ポリエチレングリコール鎖の各末端に、炭素数3〜6のアルキレンオキシドの付加されたもの等があり、例えば、ポリエチレングリコールに1,2−ブチレンオキシドを付加したもの、ポリエチレングリコールにプロピレンオキシドを付加したもの、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ランダム共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロック共重合体等である。
【0018】
上記オキシアルキレン鎖としては、また、多価アルコールやフェノール類の水酸基にエチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加することにより得られる重合体であってもよい。
上記多価アルコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能アルコール及びその多量体等が好適である。フェノール類としては、ビスフェノールA、クレゾールノボラック類等が好適である。
【0019】
上記(メタ)アクリル酸エステル(A)としては、モノ(メタ)アクリル酸エステル、及び、ジ(メタ)アクリル酸エステル、トリ(メタ)アクリル酸エステル等のポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられるが、中でも、モノ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
上記モノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、一方の末端がエステルであって他方の末端が水酸基であるものや、一方の末端がエステルであって他方の末端がアルキルエーテル基であるもの等が好適である。
【0020】
本発明においては、上記オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステル(A)の中でも、下記一般式(1);
【0021】
【化3】
Figure 0004208594
【0022】
で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(1)において、−(O−R)n−は、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを必須とするポリオキシアルキレン基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。nは、2〜3000の整数である。Xは、水素原子、水酸基又は下記一般式(2)で表される基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。なお、(メタ)アクリロイル基は、オキシエチレン基に結合していても、炭素数3〜6のオキシアルキレン基に結合していてもよい。また、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基との付加形態は、ブロックでもランダムのいずれの形態であってもよい。
【0023】
【化4】
Figure 0004208594
【0024】
本発明における好ましい形態である(メタ)アクリロイル基の隣が炭素数3〜6のオキシアルキレン基である(メタ)アクリル酸エステル(A)は、「オキシアルキレン鎖」の末端が炭素数3〜6のオキシアルキレン基であればよい。末端が炭素数3〜6のオキシアルキレン基である共重合体は、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加重合してなる共重合体、又は、多価アルコールやフェノール類の水酸基にエチレンオキシドやアルキレンオキシドを付加することにより得られる重合体に炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加することにより得られる。これにより耐加水分解性を向上させることが可能となり、長期保存しても硬化特性の低下が少ない硬化性水系組成物を得ることができる。
上記ポリエチレングリコールに炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加することにより得られる共重合体の好ましい形態としては、ポリエチレングリコールに1,2−ブチレンオキシドを付加したもの、ポリエチレングリコールにプロピレンオキシドを付加したもの等である。
【0025】
本発明の硬化性水系組成物としては、(メタ)アクリル酸エステル(A)以外の水溶性重合性単量体を含有していてもよく、また水溶性重合体を含有していてもよい。
上記水溶性重合性単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価水酸基含有化合物の水酸基の一部に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物;ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂への(メタ)アクリル酸付加によって得られるエポキシアクリレート;イソシアネート基含有化合物へのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート付加によって得られるウレタンアクリレート;四級アンモニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩含有(メタ)アクリレート;カルボン酸又はカルボン酸塩含有(メタ)アクリレート;リン酸エステル含有(メタ)アクリレート;ピロリドンやオキサゾリン等の親水性ヘテロ環含有(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシル基含有ビニルエーテル;テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサエチレングリコールジビニルエーテル等のポリオキシアルキレン鎖を有するジビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;ポリエチレングリコールと無水マレイン酸等の不飽和酸の縮合によって得られる不飽和ポリエステル等の1種又は2種以上を用いることが好適である。
【0026】
上記水溶性重合体としては、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールの共重合体、ビニルピロリドンと(メタ)アクリレート類との共重合体、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物、ヒドロキシアルキルセルロース及びその誘導体、ポリアクリルアミド、水溶性ポリアミド誘導体等の1種又は2種以上を用いることが好適である。
上記水溶性重合体の分子量としては、好ましくは、重量平均分子量で3000〜1000000、より好ましくは、10000〜200000、特に好ましくは、30000〜100000である。重量平均分子量が3000未満の場合、硬化性や硬化物物性の向上効果が得られないことがあり、1000000を越えると高粘度となり作業性が低下するおそれがある。
【0027】
本発明における着色剤(C)としては、染料及び/又は顔料を用いることができる。
上記染料としては、以下に例示するものが好適である。
Aizen Cationic Black SBH、Aizen Cationic Black BXH、Aizen CationicAizen Cationic Black SBH、Aizen Cationic Black BXH、Aizen Cationic Black SH、Aizen Cationic Black ACH、Aizen Cationic Black MH、Aizen Cationic Black TH(保土谷化学社製);Sumiacryl Black B、Sumiacryl Black R、Sumiacryl Black AP、Sumiacryl Black BP、Sumiacryl Black CP、Sumiacryl Black PPP(住友化学社製);Diacryl Supra BlackGSL、Diacryl Supra Black RSL、DiacrylSupra Black ESL(三菱化学社製)等の黒色カチオン染料。
【0028】
C.I. Direct Black 17、C.I. Direct Black 19、C.I. Direct Black 51、C.I. Direct Black 154、C.I. Direct Black 174、C.I. Direct Black 195等のCr、Cu、Mn、Al、Zn、Fe等の多価金属が配位したモノアゾ錯体、ジスアゾ錯体や、非錯体系アゾブラック染料;アシッドイエロー11、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー29、アシッドイエロー42、アシッドイエロー49、アシッドイエロー61、アシッドイエロー71、ダイレクトイエロー12、ダイレクトイエロー24、ダイレクトイエロー26、 ダイレクトイエロー44、ダイレクトイエロー86、ダイレクトイエロー87、ダイレクトイエロー98、ダイレクトイエロー100、ダイレクトイエロー130、ダイレクトイエロー132、ダイレクトイエロー142等のイエロー染料。
【0029】
アシッドレッド1、アシッドレッド6、アシッドレッド8、アシッドレッド32、アシッドレッド35、アシッドレッド37、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド80、アシッドレッド85、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド115、アシッドレッド180、アシッドレッド254、アシッドレッド256、アシッドレッド289、アシッドレッド315、アシッドレッド317、ダイレクトレッド1、ダイレクトレッド2、ダイレクトレッド4、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、ダイレクトレッド23、ダイレクトレッド28、ダイレクトレッド31、ダイレクトレッド62、ダイレクトレッド79、ダイレクトレッド81、ダイレクトレッド83、ダイレクトレッド89、ダイレクトレッド227、ダイレクトレッド240、ダイレクトレッド242、ダイレクトレッド243等のマゼンタ・レッド染料。
【0030】
アシッドブルー9、アシッドブルー22、アシッドブルー40、アシッドブルー59、アシッドブルー93、アシッドブルー102、アシッドブルー104、アシッドブルー113、アシッドブルー117、アシッドブルー120、アシッドブルー167、アシッドブルー229、アシッドブルー234、アシッドブルー254、ダイレクトブルー6、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー25、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー78、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー90、ダイレクトブルー106、ダイレクトブルー199等のシアン染料。
【0031】
C.I.ベーシックイエロー(Basic Yellow)1、C.I. Basic Yellow 11、C.I. Basic Yellow 13、C.I. Basic Yellow 19、C.I. Basic Yellow 21、C.I. Basic Yellow 25、C.I.ベーシックイエロー Basic Yellow 33、C.I. Basic Yellow 36、C.I. Basic Red 1、C.I. Basic Red2、C.I. Basic Red 9、C.I. Basic Red 12、C.I. Basic Red 13、C.I. Basic Red 38、C.I. Basic Red 39、C.I. Basic Red 92、C.I. Basic Blue 1、C.I. Basic Blue 3、C.I. Basic Blue 5、C.I. Basic Blue 9、C.I. Basic Blue 19、C.I. Basic Blue24、C.I. Basic Blue 25、C.I. BasicBlue 26、C.I. Basic Blue 28、C.I. Basic Blue 45、C.I. Basic Blue 54及びC.I. Basic Blue 65、等のカチオン性カラー染料;ダイレクトファストブラウンBX、ダイレクトバイオレット1、アリザリングリーン、ブリリアントオレンジH、ビスマルクブラウン、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン等の各種直接染料、酸性染料、塩基性染料等。
【0032】
上記顔料としては、以下に例示するものが好適である。
カーボンブラック;ピグメントイエロー1、2、3、12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー55、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー180等のイエロー顔料。
【0033】
ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド57(Sr)、ピグメントレッド57:2、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202等のマゼンタ顔料;ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントプルー60、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、バットブルー4、バットブルー60等のシアン顔料。
【0034】
本発明における水溶性光重合開始剤(D)としては、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー2959)又はそれの水酸基へ(ポリ)エチレングリコール鎖を導入したもの、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー184)の水酸基及び/又はフェニル基へ(ポリ)エチレングリコール鎖を導入したもの、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンのフェニル基へ−OCHCOONaを導入したもの、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、ダロキュアー1173)の水酸基及び/又はフェニル基へ(ポリ)エチレングリコール鎖を導入したもの、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンのフェニル基へ−OCHCOONaを導入したもの等のα−ヒドロキシアルキルアセトフェノン類;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー369)等のα−アミノアルキルフェノン類のアミノ基を四級アンモニウム塩化したもの、下記式(3)で表されるQuantacure QTX(シェル化学社製)、下記式(4)で表されるQuantacure ABQ(シェル化学社製)等の1種又は2種以上を用いることが好適である。なお、本発明の硬化性水系組成物の中にアニオン性の化合物が含まれる場合においては、保存安定性の面からカチオン系のものよりもノニオン系のものの方が好ましい。また、水に対する溶解度が0.1質量%以上の水溶性光重合開始剤がより好ましい。
【0035】
【化5】
Figure 0004208594
【0036】
上記水溶性光重合開始剤(D)には、硬化性をより上げるため、水溶性三級アミン化合物を併用することができる。
上記水溶性三級アミン化合物としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、メチルジブタノールアミン、エチルジエタノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、エチルジブタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、プロピルジイソプロパノールアミン、プロピルジブタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルブタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、ジエチルブタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジプロピルイソプロパノールアミン、ジプロピルブタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジブチルイソプロパノールアミン、ジブチルブタノールアミン、メチルエチルエタノールアミン、メチルエチルイソプロパノールアミン、メチルエチルブタノールアミン、ベンジルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、テトラエタノールエチレンジアミン、テトラプロパノールエチレンジアミン等が好適である。また、これら水酸基含有三級アミン化合物にエチレンオキシドを付加させてポリエチレングリコール鎖を導入したもの、水酸基含有三級アミン化合物に水酸基と反応性を有する官能基を含有するモノマーを付加させて重合性二重結合を導入したもの、ポリマー又はオリゴマーに三級アミノ基を導入したもの等の1種又は2種以上を用いることが好適である。
【0037】
本発明の硬化性水系組成物における上述した各構成要素の含有量については、硬化性水系組成物に要求される性能や各構成要素の種類等によって適宜設定すればよいが、(メタ)アクリル酸エステル(A)の含有量としては、硬化性水系組成物を100質量%とすると、1質量%以上が好ましく、49質量%以下が好ましい。1質量%未満であると、硬化性や硬化物物性の向上効果が得られないおそれがあり、49質量%を超えると、高粘度となり作業性が低下するおそれがある。より好ましくは、5質量%以上であり、また、30質量%以下である。更に好ましくは、15質量%以上であり、また、25質量%以下である。
【0038】
本発明における水(B)の含有量としては、硬化性水系組成物を100質量%とすると、50質量%以上が好ましく、また、98質量%以下が好ましい。50質量%未満であると、高粘度となって作業性が低下するおそれがあり、98質量%を超えると、水を除去するために必要なエネルギーが大きくなり、経済性の点から不利となるおそれがある。より好ましくは、60質量%以上であり、また、95質量%以下である。更に好ましくは、70質量%以上であり、また、90質量%以下である。
【0039】
本発明における着色剤(C)の含有量としては、硬化性水系組成物を100質量%とすると、0.1質量%以上が好ましく、30質量%以下が好ましい。0.1質量%未満であると、充分な着色効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、経済性の点から不利となるおそれがある。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、20質量%以下である。更に好ましくは、1質量%以上であり、また、10質量%以下である。
【0040】
本発明における水溶性光重合開始剤(D)の含有量としては、(メタ)アクリル酸エステル(A)を100質量%とすると、0.01質量%以上が好ましく、20質量%以下が好ましい。0.01質量%未満であると、充分な硬化性が得られないおそれがあり、20質量%を超えると、経済性の点から不利となるおそれがある。より好ましくは、0.05質量%以上であり、また、10質量%以下である。更に好ましくは、0.1質量%以上であり、また、5質量%以下である。
【0041】
本発明の硬化性水系組成物の調製方法としては、含有量が上記範囲内となるように、上述した各構成成分を混合して得る方法が好適であり、更に各構成要素以外に顔料分散安定剤、消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、重合禁止剤等の添加剤や溶媒を適宜混合することもできる。
【0042】
また本発明における硬化性水系組成物においては、更に塩基性化合物を含んでいてもよい。塩基性化合物を含むことにより、硬化性水系組成物の耐加水分解性や、硬化性を更に向上させることができる。
本発明で用いることができる塩基性化合物としては、特に限定されるものではないが、周期律表Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩等が挙げられ、例えば、酢酸塩、炭酸塩又はこれらの水和物、錯塩、アンモニウム塩等があり、また、アミン化合物等も用いることができる。
【0043】
上記塩基性化合物において、その具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化物;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等の安息香酸塩;リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等のリン酸塩;トリエチルアミン;上記水溶性三級アミン化合物;アニリン及びピリジン等が好適である。これらの塩基性化合物は、1種のみの使用でもよく、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、強塩基と弱酸との反応により生じる塩基性化合物、及び/又は、アミン化合物が好ましく、更に水溶性三級アミン化合物、炭酸塩及びリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を特に好ましく使用することができる。
【0044】
上記強塩基と弱酸との反応により生じる塩基性化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムが好適である。またアミン化合物としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが好適である。
【0045】
本発明の硬化性水系組成物においては、上記硬化性水系組成物中に含まれる(メタ)アクリル酸エステル基と塩基性化合物とのモル比(硬化性水系組成物中に含まれる(メタ)アクリル酸エステル基のモル数/塩基性化合物のモル数)が100/0.01〜100/10であることが好ましい。より好ましくは、100/0.05以上であり、また、100/5以下である。更に好ましくは、100/0.1以上であり、また、100/3以下である。
【0046】
以下に、本発明における(メタ)アクリル酸エステル(A)の好ましい製造方法について説明する。なお、例示する各原料等は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
上記製造方法としては、(メタ)アクリル酸とオキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する水酸基含有化合物(以下、水酸基含有化合物という)とのエステル化反応、又は、(メタ)アクリル酸アルキルと水酸基含有化合物とのエステル交換反応によって生成した(メタ)アクリル酸エステルを含有する反応液を得た後、反応液を精製することで(メタ)アクリル酸エステル(A)を得る方法等が好適である。
【0047】
上記エステル化反応の方法としては、酸触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸と水酸基含有化合物とを加熱及び攪拌する方法等が好適である。
上記酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、強酸性イオン交換樹脂等が好適である。また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは70℃〜140℃である。70℃未満であると、反応が遅くなるおそれがあり、140℃を超えると、反応系が不安定になって、不純物が生成したり、ゲル化したりするおそれがある。
上記エステル化反応における水酸基含有化合物としては、エチレンオキシドと炭素数3〜6のアルキレンオキシドのランダム共重合体あるいは、ブロック共重合体、ポリエチレングリコールの炭素数3〜6のアルキレンオキシド付加物、多価アルコールやフェノール類の水酸基にエチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加することにより得られる重合体等が好適である。炭素数3〜6のアルキレンオキシドとしては、上述したアルキレンオキシドと同様のものを用いることができる。
【0048】
上記エステル交換反応の方法としては、触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキル及び水酸基含有化合物を加熱及び攪拌する方法等が好適である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等が好適であり、水酸基含有化合物としては、上述したエステル化反応におけるものと同様のものを用いることができる。
上記エステル交換反応で用いられる触媒としては、エステル交換反応において通常使用されるものであればよく、テトラブチルチタネート、硫酸等が好適である。
上記エステル交換反応における反応温度は、使用する原料及び目的に応じて適宜設定すればよい。
【0049】
上記エステル化反応、及び、エステル交換反応においては、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止するために、重合防止剤を用いてもよい。
上記重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、フェノチアジン等が好適である。
【0050】
上記製造方法における反応液の精製の手法としては、(1)生成した(メタ)アクリル酸エステルを含有する反応液を水との溶解度が低い有機溶媒で希釈し、水又はアルカリ水溶液等を用いて水洗し、有機溶媒を除去することにより反応液中の酸分を除去する手法、(2)生成した(メタ)アクリル酸エステルを含有する反応液を固体状酸中和剤に接触させて反応液中の酸分を除去する手法等が好適である。反応液中の酸分を除去するとは、反応液中の酸分を完全に除くだけでなく、反応液中の酸分の量を接触前よりも減少させることも意味する。
【0051】
上記反応液を固体状酸中和剤に接触させる方法としては、(1)固体状酸中和剤を反応液中に添加する方法、(2)カラム等に固体状酸中和剤を充填し、このカラムに反応液を通過させることにより連続接触させる方法、(3)予め固体状酸中和剤を入れた容器に反応液を添加する方法等が好適であり、中でも、(1)の方法が好ましい。(1)の方法の場合、反応液に添加する固体状酸中和剤の量としては、反応液の酸分に対して、モル比で1倍以上が好ましい。1倍未満であると、酸の中和が不充分となるおそれがある。より好ましくは、1〜3倍である。
【0052】
上記固体状酸中和剤としては、未反応の(メタ)アクリル酸や酸性触媒等の酸分を中和することができ、固形状のものであればよく、固体塩基、両性物質、イオン交換樹脂等が好適である。
上記固体塩基としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;合成ハイドロタルサイト〔MgAl(OH)16CO・4HO〕等が好適であり、両性物質としては、六ケイ酸マグネシウム〔2MgO・6SiO・xHO〕等が好適である。これらの中でも、酸化マグネシウム、合成ハイドロタルサイト、六ケイ酸マグネシウム等が好ましい。
【0053】
上記固体状酸中和剤の形状としては、酸分の種類等により適宜設定すればよく、所定の大きさを有する顆粒状や塊状、粉末状等が好適であるが、固体状酸中和剤が反応液全体に分散し、また、反応液との接触面積が大きくなって中和が効率よく進むことから粉末状であることが好ましい。上記固体状酸中和剤が粉末状である場合の平均粒径としては、10〜100μmが好ましい。
【0054】
上記エステル化反応による製造方法においては、エステル化反応が脱水反応であるため、固体状酸中和剤、特に酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属酸化物を接触させると水分と反応しヘドロ状物を生成して、ろ過による除去が困難になる場合がある。従って、固体状酸中和剤に接触させて過剰な酸分を除去する前や除去すると共に、反応液中の水分を除去するのが好ましい。反応液中の水分を除去するとは、反応液中の水分を完全に除くだけでなく、反応液中の水分の量を除去前よりも減少させることも意味する。
【0055】
上記水分を除去する方法としては、反応液を加熱する方法、反応液と水吸着剤とを接触させる方法等が好適であり、中でも、反応液を加熱する方法が好ましい。上記反応液を加熱する方法としては、そのまま加熱することで水を除去してもよいが、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒と共沸することが好ましい。
上記有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン等が好適である。また、反応液に残留した有機溶媒は、反応後に減圧で留去してもよいが、本発明の硬化性水系組成物の粘度調整のために留去することなくそのまま使用してもよい。
【0056】
上記加熱温度としては、反応液中の水分を除去できる温度であればよく、70〜140℃が好ましい。有機溶媒を用いる場合においては、共沸温度以上で、有機溶媒の沸点前後10〜40℃程度の温度が好ましい。また、有機溶媒として高沸点のものを使用する場合には、反応系を減圧にすることが好適であり、減圧度としては、使用する有機溶媒に応じて適宜設定すればよいが、40〜80kPaが好ましい。
上記反応液と水吸着剤とを接触させる方法における水吸着剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等が好適であり、接触方法としては、上記固体状酸中和剤の接触方法と同様である。
【0057】
上記反応液から固体状酸中和剤を除去する方法としては、ろ紙、ろ布、糸巻きカートリッジ等のろ過材を用いたろ過処理方法等が好適である。また、固体状酸中和剤を除去した後の反応液から、通常用いられる方法で溶媒を除去することにより、(メタ)アクリル酸エステル(A)を得ることができ、必要に応じて、この(メタ)アクリル酸エステル(A)を精留により精製してもよい。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0059】
〔合成例1〕
攪拌機、ガス導入管、Dean−Stark型油水分離器及び温度計を備えたフラスコに、PEG600(数平均分子量600のポリエチレングリコール)1モルに1,2−ブチレンオキシド2モル付加したもの50部、アクリル酸19.7部、パラトルエンスルホン酸・1水和物1.56部、フェノチアジン0.017部、トルエン13.9部を仕込み、空気を吹き込みながら120℃に加熱した。還流温度が120℃になるように適宜トルエンを追加しながらエステル化を進行させた。反応終了後、イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIRA96SBAG)を37.5部加え残存酸成分を吸着させた後、イオン交換樹脂をろ別した。トルエンを70℃、13.3〜40.0kPaで除去し、アクリル酸エステル(PEG600−2BO−2A)を得た。
【0060】
〔合成例2〕
PEG600 1モルに1,2−ブチレンオキシド2モル付加したもののかわりに、PEG600 1モルにプロピレンオキシド4モル付加したもの50部を原料に用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、アクリル酸エステル(PEG600−4PO−2A)を得た。
【0061】
〔合成例3〕
PEG600 1モルに1,2−ブチレンオキシド2モル付加したもののかわりに、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ランダム共重合体50部(数平均分子量約2500、エチレングリコール75質量%)を原料に用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、アクリル酸エステル(PEG−PPG−2A)を得た。
【0062】
〔合成例4〕
PEG600 1モルに1,2−ブチレンオキシド2モル付加したもののかわりに、グリセリン1モルにエチレンオキシド40モル付加し、さらにプロピレンオキシド10モル付加した共重合体50部を原料に用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、アクリル酸エステル(Gly−PEG−PPG−2A)を得た。
【0063】
〔合成例5〕
PEG600 1モルに1,2−ブチレンオキシド2モル付加したもののかわりに、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロック共重合体50部(数平均分子量約2000、エチレングリコール10質量%)を原料に用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、アクリル酸エステル(PEG−PPG−PEG−2A)を得た。
【0064】
〔実施例1〜6、比較例1〜4〕
上記の合成例に従って合成されたアクリル酸エステル及びPEGDA(平均重合度9のポリエチレングリコールジアクリレート)、塩基性化合物、水、着色剤としてのベンゾパープリン4B(ダイレクトレッド2の別名、和光純薬工業社製)、水溶性光重合開始剤としてのイルガキュアー2959(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)を表1に示す割合にて混合し、下記に示す各種評価試験を行った。
【0065】
〔実施例7〜12、比較例5〜8〕
上記の合成例に従って合成されたアクリル酸エステル及びPEGDA(平均重合度9のポリエチレングリコールジアクリレート)、塩基性化合物、水、着色剤としてのダイレクトファストブラウンBX(東京化成工業社製)、水溶性光重合開始剤としてのイルガキュアー2959(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)を表2に示す割合にて混合し、下記に示す各種評価試験を行った。
〔実施例13〜15〕
上記の合成例に従って、合成されたアクリル酸エステル、水溶性重合性単量体、塩基性化合物、水、着色剤としてのベンゾパープリン4B、水溶性光重合開始剤としてのイルガキュアー2959を表3に示す割合にて混合し、下記に示す各種評価試験を行った。
【0066】
<粘度測定方法>
表1、表2及び表3に示す成分を室温にて混合し、25℃雰囲気下、E型粘度計にて測定した。
<水溶性評価方法>
表1、表2及び表3に示す成分を室温にて混合したときの状態を目視により評価した。
◎:透明溶液 ○:多少白濁しているが、均一に分散 ×:油層が分離している
<溶解/分散安定性評価方法>
表1、表2及び表3に示す成分を室温にて混合したもの20gを、直径4cm、高さ8cmの蓋付き筒型ガラス製容器に入れて蓋をして、振り幅20cmで1秒間に4回、30秒間上下に振り混ぜ静置した後、1日後に容器内の様子を目視にて観察した。
○:着色剤が均一に溶解あるいは分散している ×:着色剤が沈殿している
【0067】
<活性エネルギー線硬化性評価方法>
表1、表2及び表3に示す成分を室温にて混合したものをよく脱脂したガラス板上に塗布して、80℃の熱風乾燥機中で20分乾燥した後、バーコーターにて厚みを14μmに調整した。続いて、これを紫外線照射機(ウシオ電機社製、PM25C−100、250W超高圧水銀灯使用、主波長365nm)に入れて紫外線を照射し、0.2J/cmごとに薄膜の硬化性を指触にて評価した。
○:タックフリー △:指紋がつく ×:べたつく
<50℃30日間保存後の活性エネルギー線硬化性評価方法>
表1、表2及び表3に示す成分を室温にて配合したものを密封容器に入れて、50℃の恒温器に30日間保存した後、上記と同様の方法で活性エネルギー線硬化性評価を行った。
【0068】
【表1】
Figure 0004208594
【0069】
【表2】
Figure 0004208594
【0070】
【表3】
Figure 0004208594
【0071】
表1、表2及び表3について以下に説明する。
「PEG600−2BO−2A」は、合成例1において得られた、PEG6001モルに1,2−ブチレンオキシド2モル付加したもののジアクリレートであり、「PEG600−4PO−2A」は、合成例2で得られた、PEG600 1モルにプロピレンオキシド4モル付加したもののジアクリレートであり、「PEG−PPG−2A」は、合成例3で得られた、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ランダム共重合体のジアクリレートであり、「Gly−PEG−PPG−2A」は、合成例4において得られた、グリセリン1モルにエチレンオキシド40モル付加し、さらにプロピレンオキシド10モル付加した共重合体のトリアクリレートであり、「PEGDA」とは、平均重合度9のポリエチレングリコールジアクリレートであり、「PEG−PPG−PEG−2A」は、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロック共重合体のジアクリレートであり、「ベンゾパープリン4B」は、ダイレクトレッド2ともいう和光純薬工業社製の着色剤であり、「ダイレクトファストブラウンBX」は、東京化成工業社製の着色剤であり、「イルガキュアー2959」は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製の水溶性光重合開始剤である。
【0072】
【発明の効果】
本発明の硬化性水系組成物は、上述したような構成であるので、各種の塗料の他、接着剤、レジスト、印刷インク等の幅広い分野において適用することができる基本性能を有し、着色剤の溶解/分散安定性に優れた特性を発揮することができ、また耐加水分解性に優れるものである。

Claims (6)

  1. 活性エネルギー線により硬化する硬化性水系組成物であって、
    該硬化性水系組成物は、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステル(A)、水(B)、着色剤(C)及び水溶性光重合開始剤(D)を含有してなり、
    該オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを有する(メタ)アクリル酸エステル(A)は、下記一般式(1);
    Figure 0004208594
    (式中、−(O−R )n−は、オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基とを必須とするポリオキシアルキレン基を表す。R は、水素原子又はメチル基を表す。nは、2〜3000の整数である。Xは、水素原子、水酸基又は下記一般式(2);
    Figure 0004208594
    で表される基を表す。R は、水素原子又はメチル基を表す。)で表され、かつ(メタ)アクリロイル基の隣が炭素数3〜6のオキシアルキレン基である構造を有するものである
    ことを特徴とする硬化性水系組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステル(A)が有するポリオキシアルキレン基は、エチレンオキシド及び炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加重合してなる共重合体により形成されるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬化性水系組成物。
  3. 前記共重合体中のエチレンオキシドにより形成される繰り返し単位の割合は、30質量%以上、98質量%以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の硬化性水系組成物。
  4. 前記共重合体の数平均分子量は、200以上、10000以下である
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の硬化性水系組成物。
  5. 前記共重合体は、ポリエチレングリコールに炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加することにより得られる共重合体である
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の硬化性水系組成物。
  6. 前記着色剤(C)は、有機系の染料及び/又は顔料である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性水系組成物。
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