JP4207741B2 - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、中空糸膜を用いて液体を処理するための中空糸膜モジュールに関するものである。詳しくは、本発明は、血液の透析に用いたり、あるいは下排水等の水の浄化に用いたりすることができる中空糸膜モジュールに関するものである。
よく知られているように、たとえば、血液の透析に、中空糸膜(半透膜)を用いた中空糸膜モジュールが用いられる。そのような中空糸膜モジュールは、一端部に処理液の入口ポートを備え、他端部に処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束を各端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁とを有し、透析液を入口ポートから出口ポートに向かってケーシング筒内に流通させるとともに、血液を出口ポート側から入口ポート側に向かって中空糸膜内に流通させ、血液の透析を行うようにしている(特許文献1号公報参照)。
ところで、上述したような中空糸膜モジュールは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、あるいはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)等のプラスチックからなるケーシング筒内に、そのケーシング筒の長さよりもやや長い中空糸膜束を挿通し、挿通した中空糸膜束の両端部をポリウレタンまたはシリコーン等の高分子材料でポッティングし固定した後、そのポッティング端部を鋭利な刃物で切断し、ポッティング端面に中空糸膜を開口させ、開口部全体を包囲するヘッダーが被着されることによって得ている。この中空糸膜モジュールにおいては、ポッティング部が隔壁となるのであるが、ポッティング端部を切断する際、隔壁にそれをケーシング筒から引き剥がそうとする力が加わり、ケーシング筒が上記のようなプラスチックのうち、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリ四フッ化エチレン等の難接着性のプラスチックからなっている場合には、隔壁がケーシング筒から剥離したり抜けたりすることがある。
中空糸膜束の両端部にケーシング筒とは別の筒体からなる中空糸膜束保持具を設け、その中空糸膜束保持具をケーシング筒の内壁に接合することも提案されているが、該保持具は中空糸膜束を乱さないように支持するためのものであるので、隔壁の剥離や抜けに対しては十分でない。そして、隔壁がケーシング筒から抜けないまでも剥離すると、たとえば血液の透析用の場合、透析液と血液とが混ざり合い、正常な透析操作が行えなくなってしまうので、不良品として廃棄するほかはない。また、ケーシング筒とは別に中空糸膜束保持具を製作し、予めケーシング内に配設しておく必要があるので、部品点数の増加や組立工数の増加により、中空糸膜モジュールの製造コストの高騰を招いていた。
実公平7−37700号公報
そこで本発明の目的は、特にポッティング端部の切断の際に、隔壁がケーシング筒から剥離したり抜けたりすることを防止することができる安価な中空糸膜モジュールを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成せんとするものであり、本発明の中空糸膜モジュールは、ケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁とを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュールである。
より具体的に、本発明の中空糸膜モジュールの好ましい一つの態様は、一端部に処理液の入口ポートを備え、他端部に処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁と、上記ケーシング筒の一端部に設けた、被処理液の出口ポートを備えたヘッダと、上記ケーシング筒の他端部に設けた、被処理液の入口ポートを備えたヘッダとを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュールである。この場合、ケーシング筒の一端部のヘッダに設けた被処理液の出口ポートを被処理液の入口ポートとし、他端部のヘッダに設けた被処理液の入口ポートを被処理液の出口ポートとすることもできる。
また、本発明の中空糸膜モジュールの好ましい他の一つの態様は、一端部に被処理液の入口ポートを備え、他端部に被処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁と、上記ケーシング筒の一端部に設けた、処理液の出口ポートを備えたヘッダと、上記ケーシング筒の他端部に設けた、処理液の入口ポートを備えたヘッダとを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュールである。この場合、ケーシング筒の一端部のヘッダに設けた処理液の出口ポートを処理液の入口ポートとし、他端部のヘッダに設けた処理液の入口ポートを処理液の出口ポートとすることもできる。
上記の中空糸膜モジュールにおいて、バッフル筒のスリットがケーシング筒の筒軸を螺旋軸とする螺旋の一部を形成するように延在しているようにすることができる。また、スリットをバッフル筒の周方向において複数個設けたり、その複数個のスリットをバッフル筒の周方向に等配しておくこともできる。
本発明の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめているので、例えば、ケーシング筒内にそのケーシング筒の長さよりもやや長い中空糸膜束を挿通し、挿通した中空糸膜束の両端部を高分子材料でポッティングして隔壁とした後、ポッティング端部を鋭利な刃物で切断し、ポッティング端面に中空糸膜を開口させるようなときに、隔壁にそれをケーシング筒から引き剥がそうとする力が加わってもその力を周方向に分散させることができ、隔壁がケーシング筒から剥離したり抜けたりするのを防止することができるようになる。
まず、図面に基づいて、本発明の中空糸膜モジュールを説明する。
図1は、本発明の中空糸膜モジュールを血液の透析用に用いる場合の一例について示すものである。図1において、中空糸膜モジュールは、一端部に処理液の入口ポート1を備え、他端部に処理液の出口ポート2を備えた、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリ四フッ化エチレン等のプラスチックからなるケーシング筒3と、このケーシング筒3に内装された、多数の中空糸膜(半透膜)を一方向(ケーシング筒3の筒軸方向)に引き揃えてなる中空糸膜束4、およびこの中空糸膜束4を各端部においてケーシング筒3の内壁に固定している、ポリウレタン、シリコーン、またはエポキシ等の高分子材料(換言すれば、2液混合硬化型の高分子接着剤)をポッティングしてなる隔壁5、6とを有する。また、図1においては、ケーシング筒3の他端部には、被処理液である血液の入口ポート7を備えたヘッダ8が嵌着され、その反対側の一端部には血液の出口ポート9を備えたヘッダ10が嵌着されている。これらヘッダ8、10もまた、ケーシング筒3と同様の材料で構成されることができる。
図2は、図1に示した中空糸膜モジュールにおいて、処理液の出口ポート2側のある端部について示すものである。図2において、隔壁6には、ケーシング筒3の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリット11を備えたバッフル筒12が内在せしめられている。この場合、バッフル筒12をケーシング筒3の一部とて一体成形し内在せしめることもできる。
このバッフル筒12は、ポリウレタン、シリコーンまたはエポキシ等の高分子材料をポッティングするときに隔壁6に内在せしめられるが、この例では、バッフル筒12のヘッダ8側の一部が隔壁6に内在せしめられ、その内在せしめられた部分においてスリット11内にポッティング材が入り込んでいる。
図3は、このバッフル筒12の構成の理解のために、図2に示したケーシング筒3の出口ポート2側の端部を、隔壁6および中空糸膜束4を除いて図示したものである。これら図2と図3においては、ケーシング筒3の端部を処理液の出口ポート2側について示したが、ケーシング筒3の入口ポート1側の端部も全く同様に構成されている。
このような中空糸膜モジュールにおいて、血液の透析は次のようにして行われる。すなわち、処理液である透析液を入口ポート1から出口ポート2に向かってケーシング筒3内に流通せしめるとともに、被処理液である血液をヘッダ8の入口ポート7からヘッダ10の出口ポート9に向かって中空糸膜内を流通させることで血液の透析を行うことができる。
上記において、バッフル筒はそのすべての部分を隔壁に内在せしめることもできる。ただ、上述の例のように、ヘッダ側の一部が隔壁に内在せしめられ、残りの部分がケーシング筒内に露出するようにしておくと、スリットの形状や配置等を工夫することによってケーシング筒内を流通せしめられる処理液の整流作用が得られる。また、バッフル筒は、製造コストを下げるという意味で、ケーシング筒と一体成形することが最も好ましい。ただし、ケーシング筒とは別に成形したバッフル筒を溶着等によってケーシング筒にしっかり固着できれば、製造コストアップとはなるが、同じ効果を得ることもできる。
バッフル筒に設けるスリットの形状は、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するものであれば任意である。図2と図3に示したように、隔壁に内在せしめられる部分を他の部分よりも幅広に形成し、入り込むポッティング材の量を増やすようにしておけば剥離強度を向上させるので最もよいが、一様な幅のものとして形成することもできる。また、ケーシング筒の筒軸を螺旋軸とする螺旋の一部を形成するように延在させることもできる。
また、スリットの数は特に限定されるものではないが、6個から12個程度とすることがケーシング筒の成形性や機械的強度、および処理液の整流作用等から考えて最も好ましい。上述の例においては、複数個のスリットをバッフル筒の周方向に分散配置しているが、ケーシング筒の筒軸を軸としてねじのように延びる1個のスリットを設けることであってもよい。複数個のスリットを設ける場合、それらはバッフル筒の周方向に等配されていてもよいし、任意の間隔で非等配されていてもよい。要するに、スリットはケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在していればよい。ただし、入口ポート1の直下にはスリットが存在しない方が好ましい。これは、入口ポート1から流入した処理液が直接、中空糸膜に衝突しないように配慮したものであり、中空糸膜型透析器では周知の構成である。
なお、ケーシング筒の筒軸に対して直交するスリットは、射出成形金型の構造上、ケーシング筒と一体成形することが非常に困難であり、バッフル筒を別部品として製作する必要が生じることから製造コストの高騰を招くことになるため、本発明の意図する斜交する方向に延在するスリットではない。
図4は、図3に示したバッフル筒12を展開したイメージを示すものである。図4において、スリッット11の斜交角度θは、ケーシング筒3筒軸方向に引き揃えられている中空糸膜と中空糸膜との間に、処理液である透析液がケーシング筒3の周方向で万遍なくケーシング筒3内部に浸入していけるように、θ=15〜60゜程度とすることが好ましく、さらにθ=30〜45゜とすることがケーシング筒の成形性や機械的強度、および処理液の整流作用等から考えてさらに好ましい。なお、筒軸に斜交させる方向としては、左ねじりでも右ねじりでも特に大きな有意差はない。また、バッフル筒12の陰になる部分の中空糸膜の本数、すなわちスリット11に面していない中空糸膜の本数を少なくすることによって、処理液がケーシング筒3の内部に浸入することを助長させることができる。
また、入口ポート7から流入してくる処理液を整流し、中空糸膜束に略均等に分配できるように、コンピュータによる流体解析等によって、それぞれのスリットの幅寸法Wを0.5mm〜3mmの範囲で個別に設定することが好ましい。
上述したようなスリットを備えたバッフル筒を隔壁に内在せしめると、隔壁にそれをケーシング筒から引き剥がそうとする力が加わったとき、その力が周方向に分散され、ケーシング筒から隔壁が剥離したり抜けたりすることを防止することができるようになることに加え、処理液の整流効果を得ることができる。
上述の例においては、処理液の流れと被処理液の流れが向流となっているが、同一方向としてもよい。具体的には、図1の中空糸膜モジュールにおいて、ケーシング筒3の一端部のヘッダ10に設けた被処理液の出口ポート9を被処理液の入口ポートとし、逆に、他端部のヘッダ8に設けた被処理液の入口ポート7を被処理液の出口ポートとすることもできる。
また、中空糸膜の外側に被処理液を流通せしめ、中空糸膜内に処理液を流通せしめるようにしてもよい。具体的には、図1の中空糸膜モジュールにおいて、被処理液を入口ポート1から出口ポート2に向かってケーシング筒3内に流通せしめるとともに、処理液をヘッダ8の入口ポート7からヘッダ10の出口ポート9に向かって中空糸膜内を流通させることもできる。
本発明の中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜は特に限定されるものではないが、アクリル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、セルロース、トリアセテート、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の素材からなる中空糸膜が好適に用いられる。
本発明の中空糸膜モジュールを製造するには、例えば、日本特公昭63−17464号公報等に開示されているように、ケーシング筒の内部に中空糸膜束をケーシング筒の筒軸方向に従って装填し、中空糸膜束の両端部をケーシング筒の両開口部においてポッティング材で接着封止して隔壁を形成する。なお、ケーシング筒に内在せしめているバッフル筒の斜交スリットは、ケーシング筒の筒軸に平行でないので、中空糸膜束を装填する際、中空糸膜がスリットから飛び出したりすることがなく、中空糸膜束をスムーズに装填することができる。さらに、装填後も中空糸膜束を中空糸膜束を乱れなく支持することができる。
上記のごとく形成された隔壁は、その硬化後に、その外端部を鋭利な刃物で切断し、ポッティング材からなる隔壁の端面に、中空糸膜を開口させ、それを表面に露出させる。その後、ケーシング筒の両端部にマニホールドを形成するためのヘッダーをそれぞれ超音波接着等で接合して、本発明の中空糸膜モジュールを得ることができる。
本発明の中空糸膜モジュールは、上述したように血液の透析用として用いるほか、下排水の浄化や、飲料水の製造、および燃料電池の加湿装置等に用いることができる。
上述してきたように、本発明の中空糸膜モジュールを血液の透析用として用いる場合は、被処理液が血液であり、そして処理液が透析液である。また、本発明の中空糸膜モジュールを下排水の浄化や飲料水の製造、あるいは燃料電池の加湿装置等に用いる場合は、処理液が元々の汚れた水や空気であり、被処理液が浄化されたきれいな水や空気に相当する。
実施例
本発明者らは、図1に示す血液の透析用の中空糸膜モジュールを製作するにあたり、ケーシング筒の材質をチッソ(株)のランダムコポリマー系ポリプロピレン(品名:チッソポリプロXK4644)とし、中空糸膜束には、日本特開2001−170172号公報の実施例に開示されているようなポリサルホンを用いた。中空糸膜の糸本数は9400本で、ポッティング材には日本ポリウレタン(株)のウレタン樹脂(品名:KC399/N4223)を用いて、約80Gの遠心力下で隔壁を形成し、中空糸膜束の両端部をケーシング筒の内壁に固定した。このとき、バッフル筒に設けた斜交スリットの仕様は、(株)シーディー・アダプコ・ジャパン(CD−adapco JAPAN Co.,LTD.)製の流体解析ソフト(品名:STAR−CD)を用いて解析した結果を盛り込み、図4に示すように、スリット数n=6、θ=30°、スリット幅W1=1.3mm、W2=1.6mm、W3=0.9mmの螺旋形状とした。各のスリットは、バッフル筒の周方向に等配し、斜交方向は、右ねじりとした。なお、バッフル筒は、ケーシング筒の一部として一体成形されているものを用いた。すなわち、バッフル筒とケーシング筒の材質を同一のものとした。このようにして形成された隔壁を鋭利な刃物で切断し、ポッティング材端面に中空糸膜を開口させ、それを表面に露出させた。このとき、隔壁が抜けたりするようなことはなく、平滑できれいな端面を得ることができた。その後、ケーシング筒の両端部にマニホールドを形成するためのヘッダーをそれぞれ超音波接着で接合して、本発明の中空糸膜モジュールを得た。
比較例1
上記の実施例の中空糸膜モジュールと同様に、ケーシング筒の材質をポリプロピレンとし、同様の内容で中空糸膜モジュールを製作した。ただし、バッフル筒に設けたスリットの仕様は、θ=0°としケーシング筒の筒軸と平行なものとした。その他、スリット数n=6、スリット幅W1=1.3mm、W2=1.6mm、W3=0.9mmとし、各々のスリットをバッフル筒の周方向に等配するなど、実施例にできるだけ近いものとした。このモジュールを実施例と同様の方法でポッティングして隔壁を形成し、形成された隔壁を鋭利な刃物で切断したところ、隔壁はケーシング筒から引き出され、中空糸膜束に損傷を与える結果となった。
比較例2
上記の実施例とほぼ同じ形状で、ケーシング筒の材質をポリスチレンとしたものを実施例と同様の内容で製作した。ただし、バッフル筒の形状は、例えば、日本特開昭57−22762号公報に開示されているような、古くから知られている、ポート直下のみにバッフル板が備えられている中空糸膜モジュールとした。これを実施例の中空糸膜モジュールと性能を比較評価した結果、下表1の結果を得、実施例の中空糸膜モジュールの方が優れた性能を発揮していることを確認した。
Figure 0004207741
なお、上記溶質のクリアランス測定の方法は、昭和57年9月発行日本人工臓器学会編ダイアライザー性能評価基準に基づいて行った。この中で測定方法が2種類あるが、本実験はTMP0mmHgを基準とした。クリアランスは以下の式を用いて計算した。
クリアランス
Figure 0004207741
ここでCBi:モジュール入口側濃度、 CBo:モジュール出口側濃度、
QB:モジュール供給液量(ml/min)
本発明の中空糸膜モジュールは、上述したように血液の透析用として用いるほか、下排水の浄化や、飲料水の製造、燃料電池の加湿装置等の広い用途に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る中空糸膜モジュールを示すもので、血液の透析用として用いる場合の中空糸膜モジュールを示す概略縦断面図である。 図2は、図1に示した中空糸膜モジュールにおいて、処理液出口ポート側のある端部を示す概略部分縦断面図である。 図3は、図2に示した中空糸膜モジュールの処理液出口ポート側のある端部において、隔壁および中空糸膜束を除いた状態の端部を示す概略部分縦断面図である。 図4は、図3に示したバッフル筒の展開図である。
符号の説明
1 入口ポート
2 出口ポート
3 ケーシング筒
4 中空糸膜束
5 隔壁
6 隔壁
7 入口ポート
8 ヘッダ
9 出口ポート9
10 ヘッダ
11 スリット
12 バッフル筒
θ スリッットの斜交角度
W1 スリットの幅寸法
W2 スリットの幅寸法
W3 スリットの幅寸法

Claims (10)

  1. ケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁とを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュール。
  2. 一端部に処理液の入口ポートを備え、他端部に処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁と、上記ケーシング筒の一端部に設けた、被処理液の出口ポートを備えたヘッダと、上記ケーシング筒の他端部に設けた、被処理液の入口ポートを備えたヘッダとを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュール。
  3. 一端部に処理液の入口ポートを備え、他端部に処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁と、上記ケーシング筒の一端部に設けた、被処理液の入口ポートを備えたヘッダと、上記ケーシング筒の他端部に設けた、被処理液の出口ポートを備えたヘッダとを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュール。
  4. 一端部に被処理液の入口ポートを備え、他端部に被処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁と、上記ケーシング筒の一端部に設けた、処理液の出口ポートを備えたヘッダと、上記ケーシング筒の他端部に設けた、処理液の入口ポートを備えたヘッダとを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュール。
  5. 一端部に被処理液の入口ポートを備え、他端部に被処理液の出口ポートを備えたケーシング筒と、このケーシング筒に内装された中空糸膜束と、この中空糸膜束をその中空糸膜束の両端部においてケーシング筒の内壁に固定している隔壁と、上記ケーシング筒の一端部に設けた、処理液の入口ポートを備えたヘッダと、上記ケーシング筒の他端部に設けた、処理液の出口ポートを備えたヘッダとを有し、かつ、上記隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在せしめてなる中空糸膜モジュール。
  6. スリットがケーシング筒の筒軸を螺旋軸とする螺旋の一部を形成するように延在している請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
  7. スリットがバッフル筒の周方向において複数個設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
  8. 複数個のスリットがバッフル筒の周方向に等配されている請求項7記載の中空糸膜モジュール。
  9. 血液の透析用である請求項1〜8のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
  10. スリットの斜交角度θが15〜60°であり、スリットの数が6〜12個であって、それぞれのスリットの幅寸法Wが0.5mm〜3mmの範囲で個別に設定されていることを特徴とする請求項9記載の中空糸膜モジュール。
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