JP4207372B2 - 充電器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2次電池を充電するための充電器に関するもので、特にその満充電検知の精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の充電器の回路構成を、図3を用いて説明する。
【0003】
商用電源1に一次側が接続されるトランス2と、前記トランス2の二次側に接続されて整流動作を行うダイオードブリッジ3と電流の平滑を行うコンデンサ4とを有し、前記ダイオードブリッジ3と前記コンデンサ4の作用によって生じた直流電圧が定電流回路10及び放電防止のダイオード6を介して二次電池7に印加されるよう構成されている。この時、電圧検知手段8によって前記二次電池7の電圧を測定して前記二次電池7の満充電を検知し、満充電検知後は信号制御手段9からの信号を停止し充電電流の供給を停止するか又は微少電流により充電を継続するトリクル充電(補充電)を行う信号を送り、トリクル充電に移行するようにしている。
【0004】
電池の満充電検知の方法としては、一般的に−△V検知が用いられている。
【0005】
−△V検知方式とは、充電中の電池電圧のピークを検出し、そこからの電池電圧の降下量−△Vが設定値−△Vxに達したときに電池が満充電されたと判断する方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電池電圧のピーク及び−△Vは、一般的に充電電流が大きいほど顕著にあらわれるが、大電流を流せる定電流回路を作ろうとすると高価なものになってしまう。従来の充電器にあっては比較的小電流で充電を行うため、−△V検知の精度が悪く、又、充電時間も比較的長かった。安価な回路構成で大電流を得るために定電流回路を用いない様にすると、電池が放電して空の時には非常に大きな電流が流れるため、回路の素子に負担がかかり回路の寿命低下につながり、更に電池電圧が高くなると充電電流は小さくなるため−△V検知の精度が悪くなるという課題があった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の課題を解決しようとするものであって、精度の高い満充電検知を行える充電器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧に応じて充電電流を変更するようにしたもので、定電流回路を用いる必要がなくなり、安価な回路で大電流を得ることができるため充電時間の短縮が図れると共に、仮に電池自体の特性により−△Vの検知が困難である場合には、充電電流を更に大きくとることで確実に−△Vの検知が可能になる。又、従来の充電器のように充電開始直後に非常に大きな電流が流れることを防ぐことができ、回路の素子として従来のものより低い仕様特性のものを使用することができるため、安価な回路構成にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項記載の発明は、充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と、充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧の変化に応じて充電電流を変更する充電器において、充電電流を0.5C以上に設定してセットされた電池の充電を開始し、第1の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電されている電池
であると判断して充電を終了し、第1の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は、満充電されていない電池であると判断して、充電電流を0.3C以下に変更して通常充電に移行し、前記通常充電中に充電中の電池電圧のピーク値が検知されなかった場合、電池電圧の所定時間に対する変化量が所定値以下かどうかの判定を行ない、充電中の電池電圧の変化が小さいときは充電電流を0.3C以下の範囲で大きくするもので、電池電圧の変化に応じて充電電流を多段階に切替える事で−△Vが検知しやすくなり、精度の高い満充電検知が検知しやすくなると共に、回路素子にかける負担を小さくすることができる。また、電池自体の個体差により電池電圧のピークが出にくい電池であっても、充電電流を大きくすることにより確実にピーク及び−△Vを検知することができる。
【0010】
本発明の請求項記載の発明は、充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と、充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧の変化に応じて充電電流を変更する充電器において、充電電流を0.5C以上に設定してセットされた電池の充電を開始し、第1の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電されている電池であると判断して充電を終了し、第1の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は、満充電されていない電池であると判断して、充電電流を0.3C以下に変更して通常充電に移行し、前記通常充電中に充電中の電池電圧のピーク値を検知したら充電電流を0.5C以上にアップするもので、電池電圧の変化に応じて充電電流を多段階に切替える事で−△Vが検知しやすくなり、精度の高い満充電検知が検知しやすくなると共に、回 路素子にかける負担を小さくすることができる。また、電池電圧のピーク値を検知したら充電電流をアップさせることで、満充電検知において最も重要な−△Vをさらに出やすくし、確実な満充電検知を電池の満充電後早期に行うことができる。
【0011】
本発明の請求項記載の発明は、充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と、充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧の変化に応じて充電電流を変更する充電器において、充電電流を0.5C以上に設定してセットされた電池の充電を開始し、第1の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電されている電池であると判断して充電を終了し、第1の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は、満充電されていない電池であると判断して、充電電流を0.3C以下に変更して通常充電に移行し、前記通常充電中に充電中の電池電圧のピーク値検知されたら、充電電流を0.5C以上に変更し、前記0.5C以上に変更後第2の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電であると判断して充電を終了し、前記0.5C以上に変更後第2の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合には、充電電流を電池の特性に悪影響を与えない約0.3C以下にまで減少させて通常充電に戻り、充電を継続するもので、電池電圧の変化に応じて充電電流を多段階に切替える事で−△Vが検知しやすくなり、精度の高い満充電検知が検知しやすくなると共に、回路素子にかける負担を小さくすることができる。また、電池電圧のピーク値を検知したら充電電流をアップさせることで、満充電検知において最も重要な−△Vをさらに出やすくし、確実な満充電検知を電池の満充電後早期に行うことができる。さらに、電池電圧のピーク検出が誤判断であった場合に回路の素子への負担を減らし、回路素子の寿命低下を防止するものである。
【0012】
【実施例】
以下本発明の一実施例を示す充電器の回路構成を図1を用いて説明する。尚、従来例と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0013】
商用電源1に一次側が接続されるトランス2と、前記トランス2の二次側に接続されて整流動作を行うダイオードブリッジ3と電流の平滑を行うコンデンサ4とを有し、前記ダイオードブリッジ3と前記コンデンサ4の作用によって生じた直流電圧が充電電流制御回路5及び放電防止のダイオード6を介して容量3000(mA・h)の二次電池7に印加されるよう構成されている。この時、電圧検知手段8によって前記二次電池7の電圧を測
定し、検知電圧に応じて信号制御手段9から前記充電電流制御回路5に所定の信号を送り、充電電流の大きさを変更するようにしている。
【0014】
次にその動作を図2を用いて説明する。
【0015】
ステップ1では前記電池電圧検知手段8により前記二次電池7の電圧を検知することで、前記二次電池7がセットされているかどうかの判定を行っている。前記二次電池7がセットされたことを検知すると、まず最初に、セットされた電池が既に満充電されている電池かどうかの判定を早期に確実に行う必要があるが、充電電流が0.5Cよりも小さいと、仮にセットされた電池が既に満充電された電池であっても−△Vがあらわれるのが遅くなる上に、−△Vが顕著にあらわれない恐れがあるため、充電電流を0.5C以上である2Aに設定し−△Vが早く顕著にあらわれるようにする。(1C=終了電圧まで放電させた電池を約1時間で満充電にするための充電電流)セットされた電池が既に満充電されている電池であれば前記電池電圧検知手段8により−△Vが検知される。(「−△Vが検知された」とは、電池電圧が時間経過に伴い減少方向でかつその変化量が所定値以上であった」ということである。)2Aの充電電流で充電を開始してから5分以内に−△Vが検知されたら、前記二次電池7は既に満充電されている電池であると判断し、充電を終了する。しかし、0.3C以上の大電流で長時間充電を行うと前記二次電池7及び回路素子の寿命を縮めてしまったり、電池の充電特性の変化や回路素子の特性変化を招く恐れがあるため、5分経過しても−△Vが検知されなかった場合はセットされた電池は満充電されていないと判断し、充電電流を0.3C以下である0.5Aという小電流に変更して通常充電に移行する。(ステップ3)。通常充電中にステップ4で電池電圧のピークが検知されたら−△Vにより満充電検知を行う必要があるが、充電電流が0.5Cよりも小さいと、−△Vの検知が遅くなると共に−△Vが顕著にあらわれないため、誤判断をしてしまう恐れがある。そこで−△Vを早く確実に検知できるように、充電電流を0.5C以上である2Aに変更し−△Vが早く顕著にあらわれるようにする。ステップ6では充電電流を0.5C以上である2Aに変更してから所定時間の間に−△Vが検知されたら前記二次電池7が満充電されたと判断して充電を終了する。しかし、前に述べたように0.3C以上の大電流で長時間充電を行うと前記二次電池及び回路素子の特性変化を招く恐れがあるため、所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は満充電されていない(前記ステップ4で検知したピークは真の電池電圧ピークではなく、何らかの外乱によるものである)と判断してステップ7で充電電流を0.3C以下である0.5Aに戻して通常充電(ステップ4)へ戻る。又、通常充電中は、ステップ4でピークの検知を行う以外に、ステップ5で電池電圧の所定時間に対する変化量が所定値以下かどうかの判定を行っており、所定値以下であれば電池電圧のピークを検知しやすくするために充電電流をアップさせる。ただし、前に述べたように0.3Cよりも大きな充電電流で長時間充電を行うと、前記二次電池7及び回路素子の寿命を縮めてしまったり、電池の充電特性の変化や回路素子の特性変化を招く恐れがあるため、このときの充電電流は0.3C以下である1Aに設定する。
【0016】
上記構成による作用は以下の通りである。
【0017】
ステップ1では二次電池7がセットされた直後の充電電流を前記信号制御手段9からの信号により0.5C以上である2Aになるよう制御しているため、従来の様に放電して空の電池がセットされたときに非常に大きな電流が流れる恐れがなくなるため高い仕様特性の素子を用ずに安価な回路で大電流を得ることができると共に、既に満充電されている電池を再び充電しようとしたときに、−△Vを早期に検出できるため、電池の過充電を防止し、電池の寿命低下を防止することができる。ステップ4では電池電圧のピークを検知したら充電電流を0.5C以上である2Aにアップすることで、満充電検知において最も重要な−△Vが早く顕著にあらわれるようにし、確実な満充電検知を電池の満充電後早期に行うことができる。ステップ5では電池電圧の所定時間における変化量が所定値よりも小さいときは充電電流を前記二次電池7の特性に悪影響を与えないように0.3C以下である1Aまでアップすることで、電池の個体差により電池電圧のピークが出にくい場合であっても、前記二次電池7の特性に悪影響を与えずに確実に電池電圧ピークを検出することができる。更にステップ3及びステップ4では長時間の0.5C以上での充電を防止しているので、前記二次電池7及び回路素子への負担を減らすことができる。尚、本実施例では充電電流を2A、1A、0.5Aの3段階に切り替えるようにしたが、充電電流の切り替えが多段階であればあるほど、より最適な充電制御ができることは言うまでもない。又、複数の電池電圧を検知できるよう構成し、複数の充電電流制御回路を設ければ、それ以外は上記構成と同一の構成により複数の電池を充電できるようにすることが可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の請求項記載の発明によれば、電池電圧の変化に応じて充電電流を多段階に切替える事で−△Vが検知しやすくなり、精度の高い満充電検知が検知しやすくなると共に、回路素子にかける負担を小さくすることができる。また、個体差により電池電圧のピークが出にくい電池であっても、充電電流を大きくすることにより確実にピーク及び−△Vを検知することができる。
【0019】
本発明の請求項記載の発明によれば、電池電圧の変化に応じて充電電流を多段階に切替える事で−△Vが検知しやすくなり、精度の高い満充電検知が検知しやすくなると共に 、回路素子にかける負担を小さくすることができる。また、電池電圧のピーク値を検知したら充電電流をアップさせることで、満充電検知において最も重要な−△Vをさらに出やすくし、確実な満充電検知を電池の満充電後早期に行うことができる。
【0020】
本発明の請求項記載の発明によれば、電池電圧の変化に応じて充電電流を多段階に切替える事で−△Vが検知しやすくなり、精度の高い満充電検知が検知しやすくなると共に、回路素子にかける負担を小さくすることができる。また、電池電圧のピーク値を検知したら充電電流をアップさせることで、満充電検知において最も重要な−△Vをさらに出やすくし、確実な満充電検知を電池の満充電後早期に行うことができる。さらに、電池電圧のピーク検出が誤判断であった場合に回路の素子への負担を減らし、回路素子の寿命低下を防止するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す充電器のブロック回路図
【図2】 同充電器の要部フローチャート
【図3】 従来の充電器のブロック回路図
【符号の説明】
1 商用電源
2 トランス
3 ダイオードブリッジ
4 コンデンサ
5 充電電流制御回路
6 ダイオード
7 二次電池
8 電圧検知手段
9 信号制御手段
10 定電流回路

Claims (3)

  1. 充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と、充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧の変化に応じて充電電流を変更する充電器において、充電電流を0.5C以上に設定してセットされた電池の充電を開始し、第1の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電されている電池であると判断して充電を終了し、第1の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は、満充電されていない電池であると判断して、充電電流を0.3C以下に変更して通常充電に移行し、前記通常充電中に充電中の電池電圧のピーク値が検知されなかった場合、電池電圧の所定時間に対する変化量が所定値以下かどうかの判定を行ない、充電中の電池電圧の変化が小さいときは充電電流を0.3C以下の範囲で大きくする充電器。
  2. 充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と、充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧の変化に応じて充電電流を変更する充電器において、充電電流を0.5C以上に設定してセットされた電池の充電を開始し、第1の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電されている電池であると判断して充電を終了し、第1の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は、満充電されていない電池であると判断して、充電電流を0.3C以下に変更して通常充電に移行し、前記通常充電中に充電中の電池電圧のピーク値を検知したら充電電流を0.5C以上にアップする充電器。
  3. 充電電流を多段階に変更可能な充電電流制御回路と、充電電池の電圧を検出する電池電圧検知手段を有し、充電時の電池電圧の変化に応じて充電電流を変更する充電器において、充電電流を0.5C以上に設定してセットされた電池の充電を開始し、第1の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電されている電池であると判断して充電を終了し、第1の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合は、満充電されていない電池であると判断して、充電電流を0.3C以下に変更して通常充電に移行し、前記通常充電中に充電中の電池電圧のピーク値検知されたら、充電電流を0.5C以上に変更し、前記0.5C以上に変更後第2の所定時間内に−△Vが検知されたら、既に満充電であると判断して充電を終了し、前記0.5C以上に変更後第2の所定時間が経過しても−△Vが検知されなかった場合には、充電電流を電池の特性に悪影響を与えない約0.3C以下にまで減少させて通常充電に戻り、充電を継続する充電器。
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