JP4207067B2 - インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体 - Google Patents

インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体 Download PDF

Info

Publication number
JP4207067B2
JP4207067B2 JP2006229823A JP2006229823A JP4207067B2 JP 4207067 B2 JP4207067 B2 JP 4207067B2 JP 2006229823 A JP2006229823 A JP 2006229823A JP 2006229823 A JP2006229823 A JP 2006229823A JP 4207067 B2 JP4207067 B2 JP 4207067B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
compound
dissimilar material
material composite
composite molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006229823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008037078A (ja
Inventor
泰浩 森
Original Assignee
泰浩 森
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 泰浩 森 filed Critical 泰浩 森
Priority to JP2006229823A priority Critical patent/JP4207067B2/ja
Publication of JP2008037078A publication Critical patent/JP2008037078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4207067B2 publication Critical patent/JP4207067B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、熱転写技術及び真空三次元表面加飾技術、インサートモールド加 飾技術等の各種転写技術を用いて、前記各転写技術に基づく各種構成の転写箔等を、オフライン加工プロセスにて、紙、木質系成形材、金属成型物、金属合金成型物、プラスチック成型物、プラスチックフイルム及びシート等々から成る被着体に、フレーム(火炎)バーナーによるケイ素化合物等の改質剤化合物を含む酸化炎を介して被塗物界面を改質する技術を活用することによって、接着助剤となる各種構成のプライマーを施すことなく加飾層を施すことを特徴とする、転写箔等の技術に基づく各種被着体の加飾方法及び同技術による加飾構成体に関する。
現在、熱転写技術、及び真空三次元表面加飾技術、インサートモールド加飾技術等の転写技術が開発され前記各種構成の転写箔等を、被着体となる紙、木質系成形材、金属成型物、金属合金成型物、プラスチック成型物、プラスチックフイルム及びシート等々に、転写を施すことにより加飾する技法が広く行き渡り活用されている。
ところで、前記熱転写技術、及び真空三次元表面加飾技術、インサートモールド加飾技術等の加飾方法に於いては、前記各構成の被着体に各種構成の転写箔等を転写するに当たり、被着体となる紙、木質系成形材、金属成型物、金属合金成型物、プラスチック成型物、プラスチックフイルム及びシート等々と、各種構成よりなる転写箔等との接着特性或いは密着特性を確保する為に、前記各被着体の接着界面或いは密着界面に高接着・高密着助剤となる高分子系プライマーを塗布しておく必要があり、とりわけ、オフライン加工プロセスに於いては各種被着体の各素材の材質的特質(難接着性等)並びに形状的要因等に伴い各種構成転写箔との接着・密着確保には特に注力する必要があった。
一方、熱転写技術、及び真空三次元表面加飾技術、インサートモールド加飾技術等を活用し、各種構成よりなる転写箔を転写するに際し、各被着体と各種転写箔との転写工程に於ける密着・接着が比較的容易に取り得るインライン加飾プロセスにおいても、各種被着体の材質等の要因によっては転写箔との密着・接着を確保することが困難なケースがまま見受けられた。
何れにしても、各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、並びにガラス成型物、等々の各種成型物被着体にエンジニヤリング系樹脂コンパウンドをモールディングする場合に於いて接着・密着を確実に行うためには各種被着体側への事前のプライマー処理及びアルミニュウム合金系成型物にあっては、事前に前記した特殊処理を施す事が必須の要件であった。
そこで、本件発明者は、熱転写技術及び真空三次元表面加飾技術、インサートモールド加飾技術等の加飾方法、とりわけ、オフライン加工プロセスに於いては、各種構成の転写箔等を転写するに当たり、被着体となる紙、木質系成形材、金属成型物、金属合金成型物、プラスチック成型物、プラスチックフイルム及びシート等々の各被着体と、各種構成の転写箔等との接着或いは密着確保に関し、本件発明者が既に開発し実用化を図っている下記特許文献に開示されている「界面改質技術」の活用を試みたところ、当該「界面改質技術」が、各種被着体の界面改質及び各被着体と各種構成の転写箔との密着・接着特性の改善にとって極めて有効裡に働くことを発見・確認し、本発明を完成するに至った。
上記「特許文献1」には、固体物質の界面改質方法およびその装置の概略が開示されていて、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子を含む界面改質剤化合物であって、それぞれ沸点が10℃〜105℃である表面改質剤化合物を含む燃料ガスを貯蔵するための貯蔵タンクと、当該燃料ガスを噴射部に移送するための移送部と、当該燃料ガスの火炎を吹き付けるための噴射部(バーナー)とを含む界面改質装置を準備し、ケイ酸化炎等を固体物質の材料表面に対して、全面的或いは部分的に吹き付け処理し、当該処理部を活性化させる界面改質技術が開示されている。
しかしながら、前記特許文献1には、一般的な各固体物質の界面改質につき各種固体物質に共通する表面改質方法が述べられているに留まり、本発明が解決しようとする具体的な課題である、熱転写技術及び真空三次元表面加飾技術、インサートモールド加飾技術等の転写技術を活用し、各種構成よりなる転写箔を、被着体となる紙、木質系成形材、金属成型物、金属合金成型物、プラスチック成型物、プラスチックフイルム及びシート等々に転写・加飾する技法に於いて、各被着体界面における密着及び接着確保に関しする具体的方法論に関する技術開示は為されてはいない。
本発明は、前記特許文献4に開示されている各種固体物質表面の界面改質に関する基本的技術を活用することにより、インサートモールド成型加工技術に於いて、従来必須とされていた各種被着体への事前プライマー処理或いはアルミニウム合金系成型物にあっては、前記事前の特殊処理を一切施すことなく、各種被着体界面における密着・接着確保を確実なものとすることにある。以下本発明の詳細について説明する。
本発明は、前述した通り、インサートモールド成型加工技術に於いて、前記特許文献4に開示されている各種固体物質表面の界面改質に関する基本的技術を活用し、各種被着体の表面を本質的に界面改質し活性化させることで、従来必須とされていた各種被着体への事前プライマー処理或いはアルミニウム合金系成型物にあっては、事前の特殊処理を一切施こすことなく、各種被着体界面における各種エンジニヤリング樹脂の密着・接着確保を確実なものとすることにある。
まず、各種被着体の界面改質に関しその方法論を説明する。図1は本発明に係る界面改質装置の概要を説明するためのフローチャートであり、同フローチャートに基づき説明する。
図1にその全体像を示す界面改質装置は、ケイ素、チタン原子、アルミニウム原子を含む界面改質剤化合物であって、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択された界面改質剤化合物101を貯蔵するための貯蔵タンク部102と、加熱手段103にて気化させて噴射部(バーナー)104に移送するための移送路105と、プロパンガス・LPGガス等の燃料ガスの貯蔵タンク106、そして、当該燃料ガスの燃焼用空気並びに界面改質剤化合物を搬送する為の空気を供給する圧縮空気源107とで構成されている。また、前記移送路105には第1のサブミキサ108が、また、気化された界面改質剤化合物と空気との混合ガスと前記貯蔵タンク106より送出される燃料ガスとを均一に混合するための第2のメインミキサ109とにより構成されている。さらには、前記界面改質剤化合物101を貯蔵するための貯蔵タンク部102と、空気を供給する圧縮空気源107および燃料ガスの貯蔵タンク106のそれぞれの送出先出口には、それぞれの送出流量をコントロールするための流量計付き流量調節バルブ、110、111、112、がそれぞれ設けられ、界面改質装置を構成している。次に前記各主要構成部材(パーツ)の詳細を説明する。
「界面改質剤化合物用貯蔵タンク部」
図1に示すように、界面改質剤化合物用貯蔵タンク部102の下部には、加熱用ヒーター等の加熱手段103が備えられており、常温・常圧状態では液状の界面改質剤化合物101を気化するよう構成されている。そして、当該加熱手段103はCPU(図示せず)によりコントロールされている。すなわち、同CPUは界面改質剤化合物の液量センサー、・液温センサー等の各センサーに電気的に接続されていて、前記界面改質剤化合物の液量および液温が規定の範囲内に収まるように加熱手段をコントロールしている。
なお、本発明では液状の界面改質化合物を使用した例を挙げているが、気体または固体状の化合物も使用できる。気体状の界面改質剤化合物を使用する場合には、前記界面改質剤化合物用貯蔵タンク部にはあえてヒーターを備える必要はなく、代わりに圧力調整弁等の流量調節手段を設ければよい。また、固体状の界面改質剤化合物を使用する場合には、例えば、その固体状化合物を溶媒に溶解するか、熱で溶融させ、本例の貯蔵タンクからバーナーの火炎近傍迄配管した液輸送管中を通らせて、直接バーナー中に送り込むことで界面改質を行うこともできる。
「移送部」
移送部105には、通常「管」構造であって、図1に示すように、前記圧縮空気源107より供給され燃焼用空気と前記貯蔵タンク102より送出される気化された界面改質剤化合物とを混合するための第1のサブミキサ108と、当該第1のサブミキサ108により混合された混合ガスと、前記燃料ガスの貯蔵タンク106より送出される燃料ガスとを均一に混合するための第2のメインミキサ109が設けられている。
「噴射部(バーナー)」
噴射部(バーナー)104は、図1に示すように、移送部105を経て送られてきた燃焼ガスを燃焼し、得られた火炎113を、被改質処理面(図示せず)に吹き付け被改質処理面を界面改質するものであって、かかる火炎113の状態は、前記した気化された界面改質剤化合物101の流量および圧縮空気源107より送出される燃焼用空気量並びに燃料ガスの貯蔵タンク106より送出される燃料ガス量の各流量を、それぞれのガスの流路に設けられている流量計付き流量調節バルブ110、111、112の開度を調節することで最適に調整される。なお、バーナーの種類は特に制限されるものではないが、例えば、予混合型バーナー、拡散型バーナー、部分予混合型バーナー、噴霧バーナー、蒸発バーナー、等の何れであっても良い。また、バーナーの形態についても特に制限されるものではない。
前記界面改質剤化合物としては、ケイ素原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む化合物であり、且つ、一般的なガスバーナーの火炎中で燃焼し得るものであれば特に制限はない。そして、入手のし易さや取り扱いの容易さを考慮すると、例えば、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
アルキルシラン化合物の好適例としては、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジフェニルシラン、ジエチルジクロロシラン、ジエチルジフェニルシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジエチルシランなどの置換基を有していてもよいモノシラン化合物、ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシラン、クロロヘプタメチルジシランなどの置換基を有していても良いジシラン化合物、オクタメチルトリシランなどの置換基を有していても良いトリシラン化合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物の好適例としては、メトキシシラン、ジメトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、エトキシシラン、ジエトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
シロキサン化合物の好適例としては、テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。
シラザン化合物の好適例としては、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。また、アルキルチタン化合物の好適例としては、テトラメチルチタン、テトラエチルチタン、テトラプロピルチタンなどが挙げられる。アルコキシチタン化合物の好適例としては、チタニウムメトキシド、チタニウムエトキシドなどが挙げられる。アルキルアルミニウム化合物の好適例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウムなどが挙げられる。アルコキシアルミニウム化合物の好適例としては、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシドなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても混合して用いても良い。
以上の好適例の中でも、ケイ素化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、およびシラザン化合物は、取り扱いが容易であり、気化させやすく、また、入手もしやすいことからより好ましい。
次に、前述した図1に示す界面改質装置を用いアルミニウム合金成型体に高い融点と結晶化度を持ったポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を事例として、インサートモールド成型技術を用いた本発明に係るモールド成型技術の概略を図2、図3及び図4にて説明する。
図2、図3、図4は何れも本発明の工程を説明する為の断面図であって、同図2は事前にプレス成型され、且つ陽極酸化処理(アルマイト処理)されたアルミニウム合金の成型体の構成を事例的且つ目視的に示す概略断面図であり、同図中21は、箱形の筐体である。
本発明に於いては、インサートモールド成型する前段階の工程として、先ず始めに、図1に示す界面改質装置を用いシラン系改質剤化合物にて、前記図2に示すアルミニウム合金の成型体(箱形の筐体)21の内面全体22(改質面)に前記シラン系改質剤化合物を含む火炎にて処理を施したところ、図3に目視的に例示する通り数ナノ乃至数10ナノメートル膜厚の界面改質層(二酸化ケイ素膜層)31を形成することが出来た。因みに、当該アルミニウム合金の成型体(箱形の筐体)21の界面改質前の濡れ指数(JIS K6768)が42dyne/cmであったのに対し、当該図1に示す界面改質装置を用いて火炎処理した後の濡れ指数(JIS K6768)は73dyne/cm以上と界面改質前に比較して改質面が驚異的に活性化されることとなった。また、水接触角を測定すると限りなく0°となり超親水性現象が発現される状況を呈した。
そこで、本発明に於いては図1に示す界面改質装置100を用いケイ素系改 質剤化合物にて、前記図3に示すGAG−PETシート30の改質面に火炎処理を施したところ、図4に目視的に例示する通り数ナノ乃至数10ナノメートル膜厚の界面改質層(二酸化ケイ素膜層)41を形成することが出来た。因みに、当該3層構造のGAG−PETシートの界面改質前の濡れ指数(JIS K6768)が35dyne/cmであったのに対し、当該界面改質装置を用いて火炎処理した後の濡れ指数(JIS K6768)は73dyne/cm以上と界面改質前に比較して改質面が驚異的に活性化されることとなった。また、水接触角を測定すると限りなく0°となり超親水性現象が発現される状況を呈した。
なお、本発明に於いて特に留意すべき点は、インサートモールド成型に供する樹脂が一般的に極性基或いは官能基を有する樹脂の場合には接着・密着改質剤は特に必要ではないが、極性基或いは官能基を持たないポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等のエンジニヤリングプラスチックの場合には、樹脂コンパウンド製造時にシランカップリング剤等の接着・密着改質剤となるカップリング剤を極微量(0.1〜1W%程度)添加することが必須の要件となる。因みに、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)の場合には、例えば、β−アミノメチル・アミノプロピル・トリメトキシシラン等のシランカップリング剤が有効となる。
一般的に、インサートモールド成型機により、アルミニウム合金等の金属とポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等のエンジニヤリングプラスチックの異材種を同時成型する場合には、インサートモールド成型する前に、アルミニウム合金等の金属側にはエポキシ樹脂系のプライマー処理を施すか或いは前記した特許文献1、2、3に示すようなアルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる特殊工程を予め加えて上で、インサートモールド成型しなければ、アルミニウム合金系成型物とポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等のエンジニヤリングプラスチックとの間の強固な密着・接着は確保することは極めて困難であった。しかしながら、各種成型体被着体(基材)の改質界面に前記の様に本発明に係る第1図に示す界面改質装置を有効活用し界面改質を図ることにより、難接着・難密着と言われているあらゆる被着体表面(界面)を活性化させることが可能となり、従来必要とされていた接着・密着助剤としての高分子系プライマー処理並びにアルミニウム合金系成型物にあっては、同アルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる、所謂特殊工程を確実に省くことが可能となり、しかも確実に接着或いは密着界面に於ける接着或いは密着を確実に行うことが出来、加えて従来必須とされていた高分子系プラーマー若しくは前記特殊前処理を省くことが出来ることによる時間的及び経済的メリットを提供することが可能となる。
[実施例1]
■マグネシウム合金とナイロン樹脂とのインサートモールド成型事例
マグネシウム合金(Mg−AL−Zn系)をチキソキャスティング成型手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てマグネシウム合金−ナイロンの異材種インサートモールド成型体を得た。
(1)マグネシウム系合金筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すマグネシウム系合金筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したマグネシウム系合金筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、ナイロン6樹脂コンパウンドをインサートモールド成型し、目的とするマグネシウム合金−ナイロン6系の異材種複合成型体を得た。なお、マグネシウム合金−ナイロン6モールド界面に於ける接着密着強度は、引張強度試験器にて確認した結果、ナイロン6樹脂モールド面が材破しており接着界面強度は十分と判断した。
[実施例2]
■ステンレススチールとシリコン樹脂とのインサートモールド成型事例
ステンレススチール(SUS304)をプレス成形手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てステンレススチール−シリコン樹脂の異材種インサートモールド成型体を得た。
(1)SUS304筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すSUS304筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したSUS304筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、シリコン樹脂をインサートモールド成型し、目的とするSUS304−シリコン樹脂の異材種複合成型体を得た。なお、SUS304−シリコン樹脂モールド界面に於ける接着界面強度は、引張強度試験器にて確認した結果、シリコン樹脂モールド面が材破しており接着密着強度は十分と判断した。
[実施例3]
■アルミニウム合金とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂とのインサートモールド成型事例
アルミニウム合金をチキソキャスティング成型手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てアルミニウム合金−ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂の異材種インサートモールド成型を得た。
(1)アルミニウム合金筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すアルミニウム合金系筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したアルミニウム合金筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂コンパウンドをインサートモールド成型し、目的とするアルミニウム合金−ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂系の異材種複合成型体を得た。なお、アルミニウム合金−ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂界面に於ける接着界面強度は、引張強度試験器にて確認した結果、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂モールド面が材破しており接着密着強度は十分と判断した。なお、極性基或いは官能基を持たないポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等のエンジニヤリングプラスチックの場合には、樹脂コンパウンド製造時にシランカップリング剤等の接着・密着改質剤となるカップリング剤を極微量(0.1〜1W%程度)添加することが必須の要件となる。因みに、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)を使用する当実施例の場合に於いては、β−アミノメチル・アミノプロピル・トリメトキシシランを樹脂コンパウンド総量に対して1W%限度投入し良好な結果を得た。
界面改質装置の概略図 箱形の筐体断面図 界面改質処理後に於ける箱形の筐体断面図 インサートモールド成型後に於ける筐体断面図
符号の説明
101:界面改質剤化合物
102:貯蔵タンク部
103:加熱手段
104:噴射部(バーナー)
105:移送路
106:貯蔵タンク
107:圧縮空気源
108:サブミキサ
109:メインミキサ
110:流量計付き流量調節バルブ
111:流量計付き流量調節バルブ
112:流量計付き流量調節バルブ
113:火炎
21:箱形の筐体
22:箱形筐体内面
31:界面改質層
41:モールド樹脂

Claims (9)

  1. 金属成型物、金属合金成型物、プラスチック成型物、ガラス成型物、から選ばれる各種モールド被着体のそれぞれを、インサートモールド技術にてモールド成型する方法であって、接着助剤となる高分子系プライマーを施すこと無く、又、アルミニウム合金系成型物にあっては、同アルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる工程を経ること無く、前記各種モールド被着体に、ケイ素原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む改質剤化合物であって、それぞれ沸点が10℃〜105℃である改質剤化合物を含む燃料ガスの火炎を、全面または部分的に吹き付け、前記各種モールド被着体表面が濡れ指数で73dyn/cm以上となるよう界面活性化処理を施した後、当該界面活性化処理を施された前記各種モールド被着体をインサートモールド装置に界面活性化処理面がモールド面となるようにセッティングした上で、各種化学組成の熱可塑性樹脂コンパウンドを熱溶融の上、射出成型することを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法。
  2. 請求項1に記載のインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法に基づき成型された異材種複合成型体。
  3. 請求項1に記載の界面改質剤化合物が、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法。
  4. 請求項1記載の異材種複合成型方法に於ける金属成型物が、アルミニウム、ステンレススチールである異材種複合成型体。
  5. 請求項1記載の異材種複合成型方法に於ける金属合金成型物が、マグネシュウム合金、アルミニウム合金である異材種複合成型体。
  6. 請求項1記載の異材種複合成型方法に於ける成型物が、ガラス成型物である異材種複合成型体。
  7. 請求項1記載の異材種複合成型方法に於ける熱可塑性樹脂コンパウンドが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、等の汎用樹脂から成る異材種複合成型体。
  8. 請求項1記載の異材種複合成型方法に於ける熱可塑性樹脂コンパウンドが、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、超高分子量ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、等の汎用エンジニヤリング樹脂から成る異材種複合成型体。
  9. 請求項1記載の異材種複合成型方法に於ける熱可塑性樹脂コンパウンドが、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、等のスーパーエンジニヤリング樹脂から成る異材種複合成型体。
JP2006229823A 2006-08-01 2006-08-01 インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体 Expired - Fee Related JP4207067B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006229823A JP4207067B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006229823A JP4207067B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008037078A JP2008037078A (ja) 2008-02-21
JP4207067B2 true JP4207067B2 (ja) 2009-01-14

Family

ID=39172636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006229823A Expired - Fee Related JP4207067B2 (ja) 2006-08-01 2006-08-01 インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4207067B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9573843B2 (en) 2013-08-05 2017-02-21 Corning Incorporated Polymer edge-covered glass articles and methods for making and using same
WO2016038945A1 (ja) * 2014-09-11 2016-03-17 オリンパス株式会社 インサート成形品、該インサート成形品を用いた機器及びインサート成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008037078A (ja) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6031038B2 (ja) 基材の接合方法および複合構造体の製造方法
JP4207067B2 (ja) インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体
JP5206312B2 (ja) 水系塗料
JP6621694B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂接着用表面処理鋼板及びそれを用いた複合部材
TR200101413A2 (tr) Bir kese ve bir dağıtma ağzı olan bir bileşik takım ve bu takımın imalatı için bir işlem
JP2008050629A (ja) 固体物質の表面改質装置およびそれを用いた表面改質方法
JP4196304B2 (ja) 難密着性・難接着性基材に対する水性ポリウレタン樹脂塗材の塗装・塗工方法及び同方法により塗装・塗工された難密着性・難接着性基材
JP4271710B2 (ja) インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法
JP7141603B2 (ja) バリアフィルム
JP5259072B2 (ja) インクカ−トリッジ包装体
JP2006045595A (ja) 薄膜金属積層体の製造方法
JP2007307882A (ja) 転写箔等の技術に基づく各種被着体の加飾方法及び同技術に基づく加飾構成体
JP4058438B2 (ja) 立体的装飾体および立体的装飾体の製造方法
JP4050787B2 (ja) 表面改質方法
JP4111986B1 (ja) 電線の製造方法
KR20090055052A (ko) 인서트 몰딩 성형방법에 의한 이종 재료 복합 성형 방법 및상기 방법으로 성형된 이종 재료 복합 성형체
JP2016128261A (ja) 積層体及び蓋材
JP4876750B2 (ja) 真空断熱材
JP5436118B2 (ja) 表面改質装置及び表面改質方法
JP2007247051A (ja) 金属合金成型物への高密着塗装方法及び同方法により高密着塗装された金属合金型形物
JP2009108124A (ja) 水系塗料
JP6492499B2 (ja) 輸液用包装材料及びそれよりなる輸液バッグ、並びにその製造方法
JP2016094254A (ja) 包装袋
JP2017209960A (ja) 積層体の製造方法、積層体、包装材
JP2008189742A (ja) リサイクル材料の表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070903

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20070903

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20071101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4207067

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141031

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees