JP4207059B2 - 無線端末装置および無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、無線端末装置、およびこれを含む無線通信システム、特に伝送媒体に無線を利用して無線端末装置に接続される無線基地局がLAN(Local Area Network)回線またはWAN(Wide Area Network)回線に接続された無線通信システムに関する。
従来の伝送媒体に無線を利用した無線LANシステムにおいて、無線端末装置の省電力動作は無線基地局からのビーコンを間欠受信することにより利用され、また同報パケット(マルチキャストおよびブロードキャスト)を受信するために少なくともDTIM付きビーコンを受信する必要があった。
すなわち、無線端末装置はパワーセーブモードを設定すると、無線基地局から送信されるビーコンを取得して各情報要素を展開し、ビーコンに含まれるビーコン間隔および配送トラフィック表示マップ(Delivery Traffic Indication Map、以下「DTIM」と記す)付きビーコン間隔を基準に間欠受信を行う。
パワーセーブモードで動作する無線端末装置は、その動作を無線基地局へフレーム制御フィールドを用いて通知し、無線基地局はパワーセーブモードで動作する無線端末装置宛のパケットは無線基地局内のメモリにバッファし、ビーコン内のトラフィック表示マップ(Traffic Indication Map、以下「TIM」と記す)にてパケットがバッファされている旨を無線端末装置へ通知する。
このように、パワーセーブモードで動作する無線端末装置は、無線基地局からのビーコンを間欠受信しており、受信したビーコンを受信後、情報要素を展開し、TIMにて自宛のパケットがバッファされていることを認識すると、無線基地局に対して、無線基地局に対して配送を促す制御パケット(以下「PS−Poll」と記す)を送信し、無線基地局にバッファされている自宛のパケットを受信する。
また、無線端末装置への同報パケット(マルチキャストおよびブロードキャスト)は、DTIM付きビーコンの後に続けて送信され、無線端末装置は同報パケットを受信するために少なくともDTIMを含むビーコンを受信する。
しかし、無線端末装置の省電力はトラフィックが無い場合、無線基地局からのビーコンを受信する間隔を長くすることにより達成されるが、受信間隔を長くすると、自宛のパケットが発生した場合にTIMの取得が遅くなり、自宛のパケットの受信に遅延が発生する問題がある。
また、無線基地局はパワーセーブモードで動作する無線端末装置宛のパケットをメモリにバッファするため、パワーセーブモードで動作する無線端末装置の受信間隔を長くすると、無線端末装置宛のパケットの配送が遅れ、長い時間、無線基地局のメモリに保持させておく必要があった。
さらに、音声や動画などのリアルタイム通信においてパワーセーブモードの無線端末装置が送受信を繰り返す場合に、長い受信間隔で動作すると、無線端末装置宛のパケットは一度無線基地局にバッファされ、次の受信周期で配送されるため、パケットに遅延が発生する問題がある。特に、音声や動画なのでリアルタイムの配送を行う通信において、受信するパケットに遅延が発生し、データの再現性に問題が生じることがあった。
パワーセーブモードで動作する無線端末装置は、無線基地局が送信するDTIM付きビーコンの送信タイミングに合わせて間欠受信するため、無線端末装置側で間欠受信タイミングを決定できないという問題がある。
また、一つの無線基地局に対して複数の無線端末装置が接続し、各無線端末装置がパワーセーブモードで動作する場合、各無線端末装置はそれぞれ同じ間欠受信タイミングすなわちDTIM付きビーコンの送信タイミングでしか間欠受信動作できないという問題もある。
さらに、同報パケットはDTIM付きビーコンの後に送信されるため、DTIM付きビーコンを無視した長い受信間隔のパワーセーブモードで動作する無線端末装置では、同報パケットを受信できないことで起こる、例えば、パワーセーブモードで動作中の無線端末装置の物理アドレスを問い合わせるための物理アドレス解決プロトコルメッセージ(ARP)がネットワーク内に生起した場合、パワーセーブモードで動作する無線端末装置への配信に遅延が発生し、再送による帯域圧迫の問題があった。
また、無線LANによる通信において、データの送信時に衝突を回避するためにCSMA/CA(carrier sense multiple access protocol with collision avoidance)手順が実行されるが、通信しているアプリケーションによらず、パワーセーブモードで動作中に無線基地局にバッファされているパケットを受信するために、無線基地局に対してパケットの送信要求を出すPS−Pollはすべて同じDIFS(Distributed Interframe space)が用いられているため、例えば、音声通信などのリアルタイム性が要求される通信において、遅延をできるだけ抑え、優先的に送信権を与えるといったことは出来ないという問題もある。
さらには、送信時に、送信権が与えられた後に実際に送信できるまでにあるランダム時間だけ待ってから送信するバックオフアルゴリズムが用いられているため、送信データの内容によらずランダム時間だけ待つことになり、音声通信などのリアルタイム性が要求される通信において、遅延をなるべく抑えようと思っても出来ないという問題もある。
これらの問題を解決するために、本発明者らは、次のような無線端末装置及びそれを用いた無線通信システムを先に提案し、特許出願(特願2002−291063)をしている。この無線通信システムは、無線端末装置と、LAN回線またはWAN回線に接続された無線基地局と、同じくLAN回線またはWAN回線に接続された端末装置とから構成されており、その動作の概略を図14のタイムチャートにて説明する。
同図において、無線端末装置610、620、630は無線基地局600に帰属しており、無線基地局600は間欠受信動作を行っている無線端末装置に対してのパケットを一旦バッファし、無線端末装置からのPS−Poll(無線基地局に対して配送を促す制御パケット)を受け取ると、その無線端末装置に対するパケットを送信する動作を行う。
無線端末装置610、620、630のそれぞれは、無線基地局600が一定間隔で定期的に送信しているビーコンの倍数に同期してそれぞれ異なる間隔で間欠受信動作を行う。無線端末装置610、620、630の間欠受信間隔は、各無線端末装置上で動作している通信アプリケーションの動作モードにより間欠受信間隔が設定される。動作している通信アプリケーションは、例えば無線端末装置610がWEBプラウザ、無線端末装置620がチャット、無線端末装置630がVoIP(Voice over Internet Protocol)とする。間欠受信間隔は、ビーコン間隔からDTIM(Delivery Traffic Indication Map)付きビーコン間隔の間でDTIM付きビーコン間隔の公約数の中から選択される。つまり、最も短くてビーコン間隔となり、最も長くてDTIM付きビーコン間隔となる。これにより、通信アプリケーションの動作モードと連携して無線端末装置の間欠受信間隔を変更できるため、無線端末装置の省電力制御を細かく行うことができる。
また、無線端末装置610、620、630は、無線基地局600に対して送信するPS−Pollの優先度を保持することができる。この優先度は、無線端末装置上で動作している通信アプリケーションの動作モードにより設定される。これにより、音声などのリアルタイム通信のパケットを優先して送信することができるため、遅延を削減することで音声品質の向上を図ることができる。
特開平9−162798号公報(図14、図20)
しかし、この先行技術では、ビーコンの受信をキーとしてPS−Pollを無線基地局に対して送信し、自無線端末装置宛のパケットを受信するため、一つの無線基地局に複数の無線端末装置が接続されており、かつ、リアルタイム性の要求されるVoIP(Voice over Internet Protocol)などの通信アプリケーションが複数の無線端末装置で動作している場合、ビーコン毎に複数の無線端末装置からPS−Pollが送信されることになり、送信権が得られ実際に送信するまでに待つ時間が増加する可能性が高くなってしまう。その結果、遅延が大きくなってしまい、音声品質に影響を及ぼすという問題は避けられない。
本発明は、特に伝送媒体に無線を利用して無線端末装置に接続される無線基地局がLAN(Local Area Network)回線またはWAN(Wide Area Network)回線に接続された無線通信システムにおいて、無線端末装置の省電力化や、音声通信などのリアルタイム性が要求される通信アプリケーションの通信品質の向上、および複数の無線端末装置が存在する場合に起こりやすい送信待機時間の低減をともに図ることができるようにした、無線端末装置および無線通信システムを提供することである。
本発明は、パワーセーブモードで動作して、無線基地局に対して配送を促す制御パケットを送信することにより、該無線基地局にバッファされているパケットを受信する無線端末装置において、当該無線端末装置において動作する通信アプリケーションの動作モードを決定する通信アプリケーション動作モード決定手段と、その決定された動作モードに応じて制御パケットの送信タイミングをビーコン間隔とは関係なく可変することができる制御パケット可変手段と、通信アプリケーションからのデータ送信後に制御パケット可変手段による送信タイミングにて制御パケットを送信する通信制御部とを備えたことを特徴とする。
好ましくは次のような形態とする。
通信制御部は、通信アプリケーション動作モード決定手段で決定された動作モードに応じて制御パケットを送信するか否かを選択できる
通信制御部は、制御パケットを送信する場合、電源制御部に電源投入要求を行う。
通信制御部は、制御パケットによるデータ受信後に電源制御部に電源切断要求を行う。
本発明による無線ネットワークシステムは、上記のような無線端末装置と無線基地局にて構成する。
第一の効果は、通信アプリケーションが通信中であっても最大限、消費電力を抑えることができることにある。このため、無線端末装置の利用時間を延ばすことが可能となる。
その理由は、制御パケットの送信タイミングを、ビーコン間隔とは関係なく、無線端末装置側で通信アプリケーション動作モードに応じて可変できるためである。
第二の効果は、一つの無線基地局にリアルタイム性の要求されるVoIPのような通信アプリケーションが動作している無線端末装置が複数ある場合に起こりやすいビーコン直後に送信データが集中することを低減することができることにある。このため、リアルタイム性が必要な音声通話などでの音声品質の悪化を防ぐことができる。
その理由は、無線基地局に自宛のパケットがバッファしたことを知らせるためにビーコンをキーとした方法では、無線基地局に複数の無線端末装置が接続されている場合に、ビーコン直後に集中してPS−Pollを出そうとすることによって、衝突が起こりやすくなってしまうが、本発明では、無線端末装置での送信データの発生タイミングによるため衝突の起きる可能性を低減することができるので、データ送信時の待ち時間を減らすことができるからである。
第三の効果は、一つの無線基地局に接続している無線端末装置が複数ある場合、各無線端末装置はそれぞれ異なる間欠動作を行うことができる。このため、同じ無線基地局に接続している他の無線端末装置の影響を受けずに、間欠動作間隔を変更することができる。
その理由は、本発明の間欠動作で動作中の間欠動作間隔を無線端末装置側の設定のみで無線基地局によらず自由に変更できるためである。
第四の効果は、特別の無線基地局が不要であるということである。このため、現在多く普及している無線基地局をそのまま使用することができる。
その理由は、本発明の間欠動作で動作中の間欠動作間隔を無線端末装置側の設定のみで無線基地局によらず自由に変更できるためである。
第五の効果は、通常のDTIM付きビーコンに同期した間欠受信モードで動作するよりも、本発明の間欠動作で動作することで、通信中のパケット遅延を抑えることができることにある。このため、リアルタイム性が必要な音声通話などでの音声品質の悪化を防ぐことができる。
その理由は、ビーコンをキーにして無線基地局に対してPS−Pollを送信する前に、多くの場合、無線端末装置側からPS−Pollを送信するために、早く自宛のパケットを受信することができるためである。
図1を参照して本発明を概説すると、無線基地局100は、該無線基地局100に帰属していて間欠受信動作を行っている無線端末装置110、120に対してのパケットを一旦バッファし、無線端末装置110、120からの送信要求を受け取ると、その無線端末装置に対するパケットを送信する動作を行う。
無線端末装置110、120は、各無線端末装置上で動作している通信アプリケーションの動作モードに応じて、制御パケットをビーコン間隔とは関係なく送信するか否か判断し、送信する場合は、その送信データのタイミングに同期して送受信可能状態となり、各無線端末装置で発生した送信データを送信後、無線基地局100にバッファされているパケットを要求するための制御パケット(以下、「PS−Poll」と記す)を続けて送信する動作を行う。この時、無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされている場合は、バッファされているデータを受信する。データを受信後、電源切断する。ここで、各無線端末装置上で動作している通信アプリケーションにおいて発生する送信データのタイミングは、VoIPのようにリアルタイム性の要求される通信を行う場合、ビーコン間隔とは関係ないタイマ値にしたがった間隔でパケットが生成されるため、例えば20m秒間隔でパケットが生成されると、20m秒間隔でPS−Pollを送信することになる。
よって、無線基地局100が定期的に送信するビーコンに同期した間欠受信による方法では、ビーコン間隔を20m秒などのように細かく設定する必要があったり、ビーコン間隔200m秒のように間隔が大きくなることで受信における遅延が発生する可能性が高くなるが、本発明によればそれらの影響を最大限なくすことが可能となる。また、ビーコン受信に同期してPS−Pollを送信する方法では、ビーコン直後受信に複数の無線端末装置から配送を促すPS−Pollが同時に発生するために、送信待ちの可能性が高くなるが、自無線端末装置における送信データと同時にPS−Pollを送信することで、送信待ちの可能性は低減される。これにより、遅延を削減することで音声などのリアルタイム通信における音声品質の向上を図ることができる。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1の送受信のタイミングチャート、図2はネットワークシステム構成図、図3は無線端末装置の機能から見た構成図、図4は動作のフローチャートである。
図2は、無線端末装置とLAN回線またはWAN回線に接続された無線基地局を配置し、音声や動画などの通信を提供するネットワークシステムを示す。このネットワークシステムは、無線基地局100と、本発明による無線端末装置110、120と、LAN回線またはWAN回線に接続された端末装置130とを含む。
無線基地局100は、無線端末装置110および120がパワーセーブモードへ遷移したことを制御パケットの受信をもって認識し、以後、無線端末装置110および120宛のパケットは無線基地局100内のメモリへバッファし、ビーコンのTIMにて通知する動作を行う。
無線端末装置110、120は、無線基地局100を介してLAN回線またはWAN回線に接続された端末装置130とインターネットプロトコル(IP)を用いて通信が可能である。無線端末装置110および120は、無線基地局100と無線物理層を用いて接続ネゴシエーションを行い、本ネットワークの一端末として動作する。そして、ネゴシエーション完了後、無線基地局100からのビーコンを受信し、さらに各情報要素を展開しビーコン間隔を取得後、DTIM付きビーコン間隔にて間欠受信の動作モードで動作する。
図3に、本発明による無線端末装置110、120の構成例を示す。各無線端末装置は、通信アプリケーション部300と、動作モード決定部310と、PS−Poll送信タイミング記憶部320と、タイマ制御部330と、電源制御部340と、通信制御部350と、無線通信インタフェース部360とを含む。
通信アプリケーション部300は、当該無線端末装置上で動作中の通信アプリケーションを示している。すなわち、通信アプリケーション部300は、通信アプリケーション301から30nまでのn個(nは2以上の整数)のアプリケーションが起動していることを表しており、または、一つも動作中のアプリケーションがない場合もある。通信アプリケーション部300は、起動されると動作モード決定部310に当該通信アプリケーションについて必要なパラメータを設定する。通信アプリケーション部300は、動作モード決定部310に通信の開始・切断およびアプリケーションの終了を伝える。通信アプリケーション部300が送信するデータは、通信制御部350へ渡され、受信データは通信制御部350より受け取る。
動作モード決定部310は、起動した通信アプリケーションおよびそれに対するパラメータを記憶しており、それらの値は通信アプリケーション部300より設定される。動作モード決定部310は、設定される値から通信中のアプリケーションをキーとして適切な値をPS−Poll送信タイミング記憶部320およびタイマ制御部330へ設定する。
PS−Poll送信タイミング記憶部320は、現在動作中の通信アプリケーションに対応するPS−Pollの送信タイミングを記憶しており、通信制御部350により用いられる。PS−Poll送信タイミング記憶部320の値は、動作モード決定部310により決められ設定される。
タイマ制御部330は、通信アプリケーションからのリアルタイム要求がない場合に動作し、動作モード決定部310より与えられる間欠受信間隔を取得し、与えられた間隔で電源制御部340にタイマ値を与え続ける。また、通信制御部350からのビーコン受信タイミングにより、タイマ値を補正する機能を持つ。通信アプリケーションからのリアルタイム要求の有り/無しの変更、つまり、タイマとして動作するタイミングの変更は通信制御部350より行われる。
電源制御部340は、通信制御部350からの投入・切断要求にしたがって、無線通信インタフェース部360の電源を投入・切断することを繰り返す。また、電源制御部340は、タイマ制御部330からのタイマ値にしたがって、無線通信インタフェース部360の電源を投入し、通信制御部350からの切断要求にしたがって、無線通信インタフェース部360の電源を切断することを繰り返す。
通信制御部350は、通信アプリケーション部300からのデータを無線通信インタフェース部360より送信するための制御を、また、無線通信インタフェース部360で受信したデータを通信アプリケーション部300に渡す制御を行う。また、無線基地局100とのネゴシエーション処理も行う。さらに、通信制御部350は、通信アプリケーション部300から送信データを受け取ると、無線通信インタフェース部360の電源投入要求を電源制御部340へ通知する。また、通信制御部350は、通信アプリケーション部300から受け取ったデータを全て送信後、PS−Poll送信タイミング記憶部320の情報を元にPS−Pollを送信するかどうかを判断し、送信しない場合は無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知する。送信する場合は、無線通信インターフェース部360よりPS−Pollを送信し、PS−Pollに対応するパケットを全て受信後、無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知する。さらに、通信制御部350は、PS−Poll送信タイミング記憶部320からリアルタイム要求の有り/無しを判断し、有りから無しへ変更になった時点でタイマ制御部330に対してタイマの開始を要求し、無しから有りへ変更になった時点でタイマの停止を要求する。
無線通信インタフェース部360は、通信制御部350より受け取ったデータを無線で送信する処理を行う。また、受信したデータを通信制御部350へ渡す処理を行う。無線通信インタフェース部360は、電源制御部340により電源の投入・切断が行われる。
次に、図1、図2、図3及び図4を参照して実施例1の動作について詳細に説明する。
無線端末装置110、120は、起動後、無線基地局100とネゴシエーションを行い、ネゴシエーション完了後は何も通信アプリケーションが動作していない状態となる。このとき、PS−Poll送信タイミング記憶部320はデフォルト値として“リアルタイム要求無し”が設定されているので、通常のパワーセーブ動作、すなわち、DTIM間隔にて間欠受信動作を行う。
通信アプリケーション部300は、ある通信アプリケーションが動作すると、当該通信アプリケーションに付与された固有の番号であるAP−IDおよびリアルタイム要求の有り/無しをパラメータとして動作モード決定部310に通知する。ここでAP−IDは各通信アプリケーションに対して一意に付与される。
次に、通信アプリケーション部300において、実際に通信が開始されると、動作モード決定部310に対して、当該通信アプリケーションの通信が開始したことを通知する。動作モード決定部310は、通信アプリケーション部300から通信の変化の旨通知を受けると、現在動作中の通信アプリケーションに対する全てのリアルタイム要求の有り/無しを検索し取得する。
次に、動作モード決定部310は、取得したリアルタイム要求から一つでもリアルタイム要求有りがある場合は、無線端末装置110、120はリアルタイム要求有りと決定し、PS−Poll送信タイミング記憶部320へ記憶する。逆に、一つもリアルタイム要求がない場合は、無線端末装置110、120はリアルタイム要求無しと決定し、PS−Poll送信タイミング記憶部320へ記憶する。
タイマ制御部330は、通信制御部350よりリアルタイム要求無しに切り替わった時点でタイマの開始を指示され、リアルタイム要求有りに切り替わるとタイマの停止を指示される。リアルタイム要求無しとなりタイマ制御開始を指示されると、動作モード決定部310から指示される値を基準として電源制御部340にタイマ値を与える。このため、通信アプリケーションの通信の開始によりリアルタイム要求有りから無しに変更となると、無線端末装置110、120のリアルタイム要求無しの時の間欠受信間隔がそれに連携して変更されることになる。
また、これまで接続していた通信アプリケーションの通信が切断されると、動作モード決定部310に対して、当該通信アプリケーションの通信が切断したことを通知する。動作モード決定部310は、通信アプリケーション部300から通信が切断した旨通知を受けると、通信が切断したことを判断し、渡されたAP−IDを通信中アプリケーションから削除する。動作モード決定部310は、その削除をした後、現在通信中のアプリケーションに対する全てのリアルタイム要求の有り/無しを再び検索し取得する。
この後の処理は前記と同様であり、動作モード決定部310は、取得したリアルタイム要求から一つでもリアルタイム要求有りがある場合は、無線端末装置110、120はリアルタイム要求有りと決定し、PS−Poll送信タイミング記憶部320へ記憶する。逆に、一つもリアルタイム要求がない場合は、無線端末装置110、120はリアルタイム要求無しと決定し、PS−Poll送信タイミング記憶部320へ記憶する。
動作モード決定部310は、通信アプリケーション部300から通信が切断した旨通知を受けた時点において、通信アプリケーション記憶部310に通信中のアプリケーションが全て削除された場合、初期値として与えられているAP−IDが“0”の値のみ残ることになるため、リアルタイム要求無しとなり、前記ネゴシエーション完了後の動作と同様に、無線端末装置110、120は通常のパワーセーブモードでの動作、すなわち、DTIM間隔で間欠受信動作を行う。
図4は、本発明による無線端末装置110、120から、LAN回線またはWAN回線に接続された他端末装置130宛のデータを送信するときの流れを示すフローチャートである。
通信制御部350は、通信アプリケーション部300から他端末装置130宛の送信データを受け取ると、無線通信インタフェース部360の電源投入要求を電源制御部340に通知する(ステップB1)。電源制御部340は、通信制御部350から無線通信インタフェース部360の電源投入要求を通知されると、無線通信インターフェース部360の電源を投入する(ステップB2)。無線通信インタフェース部360は、電源制御部340より電源投入されるとデータの送受信が可能な状態となる。通信制御部350は、データの送受信可能状態となるとデータを送信し、データの到着確認パケットである応答信号(ACK)を無線基地局100より受信することでデータの送信を完了する(ステップB3)。
次に、通信制御部350は、PS−Poll送信タイミング記憶部320から記憶されているリアルタイム要求の有り/無しの情報を取得する(ステップB4)。ここで、リアルタイム要求無しの場合は、ステップB8へ進み、通信制御部350は無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知し、無線通信インタフェース部360の電源を切断する(ステップB8)。
ステップB4において、リアルタイム要求有りの場合、通信制御部350は、PS−Pollを送信する(ステップB5)。送信したPS−Pollに対して無線基地局100からの応答信号(ACK)を受信し、無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされている場合は、バッファされているデータを引き続き受信する(ステップB6)。無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされていない場合は、NULLデータを引き続き受信する(ステップB6)。自無線端末装置宛のパケットを受信した場合、受信したデータには、まだ無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされているかどうかの情報が記述されているため、その値からバッファされているかどうかを判断し、バッファされている場合はさらにPS−Pollを送信する(再びステップB7からB5へ)。無線基地局100にバッファされているデータがなくなった時点およびNULLデータを受信した時点で、通信制御部350は、無線通信インターフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知し、無線通信インタフェース部360の電源を切断する(ステップB8)。
さらに、無線端末装置110、120の具体的な動作例について、図1のシーケンス図を参照して詳細に説明する。
図1は、無線基地局100と、“VoIP”アプリケーションが動作中の無線端末装置110と、同じく“VoIP”アプリケーションが動作中の無線端末装置120とのタイムチャートである。各無線端末装置110、120は、無線基地局100とネゴシエーションが完了しており、無線基地局100に対しては、パワーセーブモードで動作している旨通知済みである。
無線基地局100は、一定間隔でビーコンを発信し、またあるビーコン間隔でDTIM付きのビーコンを発信している。ネゴシエーション完了後のパワーセーブにて動作している無線端末装置110、120のパケットは、一旦無線基地局100のメモリにバッファして、無線端末装置110、120からの配送を促す送信要求(PS−Poll)を受け取ると、一旦バッファしたパケットを送信する。
無線端末装置110、120は、それぞれリアルタイム要求有りの通信アプリケーションが動作している様子を表している。
無線端末装置110は、リアルタイム要求有りの“VoIP”が動作しており、通信中であるとする。この無線端末装置110において、通信アプリケーション部300からPS−Poll送信タイミング記憶部320に対して、AP−IDが“1”、リアルタイム要求有りと設定されたとすると、動作モード決定部310により、リアルタイム要求有りと設定される。
この無線端末装置110において、送信データが発生すると無線通信インタフェース部360の電源が投入され、データ送受信可能な状態となり、送信データS1を送信する。送信後、この無線端末装置110は前記よりリアルタイム要求有りの状態であるため、送信データS1に引き続きPS−Poll(PS1)を送信する。このとき、無線基地局100には、当該無線端末装置110宛のパケットが到着しており、バッファしている状態であるので、無線端末装置110からのPS−Poll(PS1)を受信すると、バッファしているパケットP1を送信し、無線端末装置110はパケットP1を受信する。無線基地局100にバッファされているパケットがなくなると、無線通信インタフェース部360の電源を切断し、データ送受信不可能な状態となる。
引き続き、無線端末装置110において送信データが発生すると、前記と同様、無線通信インタフェース部360の電源を投入してそのデータS3を送信する。ここで、リアルタイム要求有りの状態であるため、データS3を送信後PS−Poll(PS3)を送信し、無線基地局100にバッファされているパケットP3を受信する。無線基地局100にバッファされているパケットをすべて受信した後は、前記と同様、無線通信インタフェース部360の電源を切断する。
無線端末装置110で発生する送信データの発生間隔は、例えば、動作している通信アプリケーションがVoIPで、パケット化するサンプリング間隔が20m秒だとすると、20m秒毎に送信データが発生し、20m秒毎に間欠的に起き上がる動作(PS−Pollを送信してパケットを受信)を行う。このようにして、ビーコンの周期に依存しない間欠動作が可能となり、かつデータ受信時の遅延の影響を少なくすることが可能となる。
無線端末装置110において、リアルタイム要求無しと設定されている場合は、データ送信後にPS−Pollを送信することなく、データ送信後はそのまま無線通信インタフェース部360の電源を切断し、DTIM付きビーコンに同期した間欠受信動作を行う。
他の無線端末装置120においても、無線端末装置110と同様の動作を行っている様子を表している。無線端末装置110と120における送信データの発生間隔が同じとすると、それぞれの送信データ(S1とS2)の発生のタイミングに依存関係はないため、図に示すように重ならない可能性が高くなる。
よって、従来の方法のようにビーコン受信に同期した方法では、ビーコン受信直後にPS−Pollの送信が集中することで発生していた送信時の衝突の割合を低減することが可能となり、それだけ遅延が減少することになる。また、送信データの発生間隔が異なる場合においても、同様に送信時の衝突の割合を低減することが可能となり、遅延の影響を少なくすることができる。
本実施例1では、無線端末装置110、120上で1つの通信アプリケーションが通信しているが、このような動作は、無線端末装置110、120上で複数の通信アプリケーションが動作している場合でも、動作モード決定部310により当該無線端末装置での動作モードが決定され、通信アプリケーションの動作モードに連携した動作(パケット配送要求)を行う。さらに、複数の無線通信端末装置が同じ無線基地局100に接続されている場合でも、各無線端末装置上で動作している通信アプリケーションの通信にしたがって、それぞれ異なった間欠動作を行うことが可能である。
次に、本発明の実施例2について図面を参照して詳細に説明する。
図3を参照すると、本実施例2は、図3に示された実施例1における通信アプリケーション部300と、通信制御部340の動作が実施例1とは一部異なる。
通信アプリケーション部300は、実施例1での動作と異なり、通信アプリケーションの動作後、送信データが発生した時点で通信制御部350にデータを渡すが、同時にリアルタイム要求の有り/無しを送信データに対する付加情報として渡す。このとき、リアルタイム要求の有り/無しは通信アプリケーション部300により決定される。例えば、VoIPなどのようにリアルタイム性の必要となる通信アプリケーションの場合は、リアルタイム要求有りが発生した送信データと一緒に通信制御部350に渡され、WEBプラウザなどのようにリアルタイム性の必要とならない通信アプリケーションの場合は、リアルタイム要求無しが送信データと一緒に通信制御部350に渡される。
通信制御部350は、実施例1とは一部動作が異なる。すなわち、実施例1では、通信アプリケーション部300から受け取った送信データを送信後、PS−Poll送信タイミング記憶部320の情報を見てPS−Pollを送信するかしないかを決定していたが、実施例2では、通信アプリケーション部300から受け取った送信データと同時にPS−Pollを送信するかどうかの情報を受け取り、受け取った情報を元にして受け取ったデータを送信後にPS−Pollを送信するかどうかを決定する。
本実施例2の動作を図面を参照して詳細に説明する。
図5は、本実施例2における通信制御部350の動作の一部を示したフローチャートである。
通信アプリケーション部300は、送信データが発生すると通信制御部350に対してリアルタイム要求の有り/無しの情報を加えて送信データと共に渡す(ステップF1)。通信制御部350は、通信アプリケーション部300から他端末装置宛の送信データを受け取ると、無線通信インタフェース部360の電源投入要求を電源制御部340に通知する。電源制御部340は、通信制御部350から無線通信インタフェース部360の電源投入を要求されると、無線通信インタフェース部360の電源を投入する(ステップF2)。無線通信インタフェース部360は、電源制御部340より電源投入されるとデータの送受信が可能な状態となる。通信制御部350は、データの送受信可能状態となるとデータを送信し、データの到着確認パケットである応答信号(ACK)を無線基地局100より受信することでデータの送信を完了する(ステップF3)。
次に、通信制御部350は、送信データと共に通信アプリケーション部300より受け取ったリアルタイム要求の有り/無しの情報からリアルタイム要求の有り/無しを判断し、次の処理を行う(ステップF4)。
リアルタイム要求無しの場合、通信制御部350は無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知し、無線通信インタフェース部360の電源を切断する(ステップF8)。
リアルタイム要求有りの場合、通信制御部350は、PS−Pollを無線基地局に対して送信する(ステップF5)。送信したPS−Pollに対して無線基地局100から応答信号(ACK)を受信し、無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされている場合はバッファされているデータを引き続き受信する(ステップF6)。無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされていない場合は無線基地局100からのNULLデータを引き続き受信する。自無線端末装置宛のパケットを受信した場合、受信したデータには、まだ無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされているかどうかの情報が記述されているため、その値からバッファされているかどうかを判断し(ステップF7)、バッファされている場合はさらにPS−Pollを送信する(ステップF5へ戻る)。無線基地局100にバッファされているデータがなくなった時点およびNULLデータを受信した時点で、通信制御部350は無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知し、無線通信インタフェース部360の電源を切断する(ステップF8)。
本実施例2では、通信アプリケーション部300において送信データを通信制御部350に渡すと同時にデータに対応するリアルタイム要求の有り/無しの情報も渡す点で、実施例1とは異なる。このため、無線端末装置110、120においてリアルタイム性の要求されないWEBブラウザと、リアルタイム性の要求されるVoIPなどのようにリアルタイム要求の異なる通信アプリケーションが同時に動作している場合、実施例1では、どちらの通信アプリケーションからのデータなのかを判断せずにリアルタイム要求有りのときはデータ送信後にPS−Pollを送信していたが、本実施例2では、リアルタイム要求有りの通信アプリケーションからの送信データの後にのみPS−Pollを送信するため、無駄にPS−Pollを送信することがないため動作時間を一層減らすことができ、その結果、少しでも長く使用することが可能となる。
次に、本発明の実施例3について説明する。
図3を参照すると、本実施例3は、図3に示された実施例1における動作モード決定部310と、通信制御部340の動作が実施例1とは一部異なる。
動作モード決定部310は、実施例1での機能に加えて、通信アプリケーション部300より通信中のアプリケーションの切替を通知されると、通信制御部350に対して通信中のアプリケーションの切替があったことを通知する点で異なる。また、動作モード決定部310は、リアルタイム要求時の間欠動作間隔を保持している。この間欠動作間隔はタイマ制御部330により用いられる。
通信制御部350は、通信アプリケーション部300からのデータを無線通信インタフェース部360より送信するための制御を、また、無線通信インタフェース部360で受信したデータを通信アプリケーション部300に渡す制御を行う。通信制御部350は、通信アプリケーション部300から送信データを受け取ると、無線通信インタフェース部360の電源投入要求を電源制御部340へ要求する。通信制御部350は、通信アプリケーション部300から受け取ったデータを全て送信する。ここまでの動作は、実施例1と同様である。
本実施例3では、データを全て送信後、無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部360へ要求する。通信制御部350は、動作モード決定部310より、通信中のアプリケーションの切替があったことを通知されると、PS−Poll送信タイミング決定部320よりリアルタイム要求の有り/無しを取得し、取得した値によって次のような動作を行う。
リアルタイム要求有りから再び有り、または、リアルタイム要求無しから再び無しと、変化がない場合は何も行わない。リアルタイム要求無しから有りへ切り替わった場合、タイマ制御部330に対して、動作モード決定部310からの値をもとにビーコン間隔とは関係なく通信制御部350に対してタイマ値を与えるように要求する。リアルタイム要求有りから無しへ切り替わった場合、タイマ制御部330に対して、動作モード決定部310からの値をもとにビーコン間隔に同期したタイマ値を電源制御部340に対して与えるように要求する点で実施例1とは異なる。
本実施例3の動作を図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施例3における通信制御部350の動作の一部を示したフローチャートである。
動作モード決定部310は、通信アプリケーション部300より通信の開始、切断を通知されると、通信制御部350に対して通信中のアプリケーションの切替があったことを通知する(ステップD1)。
通信制御部350は、動作モード決定部310より通信中のアプリケーションの切替があったことを通知されると、PS−Poll送信タイミング記憶部320よりリアルタイム要求の有り/無しを取得し、取得した値により異なる動作を行う(ステップD2)。
ステップD3において、リアルタイム要求有りから再び有り、または、リアルタイム要求無しから再び無しと、変化がない場合は現状の動作を継続する(ステップD9)。
ステップD4において、リアルタイム要求無しから有りへ切り替わった場合、動作モード決定部310からの値をもとにビーコン間隔とは関係なく通信制御部350に対してタイマ値を与えるように要求し(ステップD5)、以後、通信制御部350は、タイマ制御部330からのタイマ値に同期して電源制御部340に対して無線通信インタフェース部360の電源投入要求を行うことで電源投入を行いデータ送受信可能状態とし、PS−Pollを送信する動作を繰り返す。このときの動作の詳細は下記に示す。
ステップD4において、リアルタイム要求有りから無しへ切り替わった場合、動作モード決定部310よりDTIM付きのビーコン間隔に同期したタイマ値を通信制御部350に対して与えるように要求し(ステップD7)、以後、通信制御部350は、タイマ制御部330からのタイマ値に同期して電源制御部340へ無線通信インタフェース部360の電源投入要求を行うことで電源投入してデータ送受信可能状態とし、DTIM付きビーコンを受信することによって間欠受信を行う動作を繰り返す(ステップD8)。
図7は、前記リアルタイム要求有り時の通信制御部350の動作の詳細を示すフローチャートである。
通信制御部350は、リアルタイム要求有り時、タイマ制御部330からのタイマ値に従い無線通信インタフェース部360の電源の投入を電源制御部340に要求し、データの送受信可能状態とする(ステップC1)。次に、通信制御部350は、PS−Pollを送信する(ステップC2)。送信したPS−Pollに対して無線基地局100から応答信号(ACK)を受信し、無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされている場合はバッファされているデータを引き続き受信する(ステップC3)。無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされていない場合でも、NULLデータを引き続き受信する(ステップC3)。
自無線端末装置宛のパケットを受信した場合、受信したデータには、まだ無線基地局100に自無線端末装置宛のパケットがバッファされているかどうかの情報が記述されているため、その値からバッファされているかどうかを判断し、バッファされている場合はさらにPS−Pollを送信する(再びステップC4からC2へ)。無線基地局100にバッファされているデータがなくなった時点およびNULLデータを受信した時点で、通信制御部350は無線通信インターフェース部360の電源切断要求を電源制御部340へ通知し、無線通信インタフェース部360の電源を切断する(ステップC5)。
通信制御部350は、リアルタイム要求無し時の動作は、実施例1と同様に、DTIM付きビーコンに同期した間欠受信動作を行う。
本実施例3では、通信制御部350において、リアルタイム要求時のPS−Pollを送信するタイミングを実施例1とは異なり、送信データともビーコンとも同期せずに、通信アプリケーションに連携した間隔で自発的にPS−Pollを送信する動作を行う。このため、上下対称の通信ではない場合のリアルタイム性の必要な通信においても、ビーコンに同期した場合に起こる可能性が高いビーコン後のPS−Pollの集中により引き起こる衝突の可能性の減少による、受信パケットの遅延の減少、また、通信品質の向上効果が得られる。本実施例3では、リアルタイム要求時の間欠動作間隔をあらかじめ動作モード決定部310が保持しているが、通信アプリケーション部300から動作モード決定部310に渡すようにしてもよい。。また、本実施例3は実施例1および実施例2と組み合わせて利用することが可能である。
次に、本発明の実施例4について説明する。
図8を参照すると、本実施例4は、図3に示された実施例1における動作モード決定部310の構成例が、通信中アプリケーション記憶部311と、パラメータ記憶部312と、タイマ値記憶部313と、アプリケーション通信管理制御部317と、パラメータ決定部318とで構成されている点が実施例1とは異なる。本実施例4は、実施例1における動作モード決定部310の構成を詳細な機能構成にした場合である。
通信アプリケーション部300は、起動されるとパラメータ記憶部312に必要なパラメータを設定する。また、終了時には、起動時に設定したパラメータをパラメータ記憶部312から削除する。通信アプリケーション部300は、アプリケーション通信管理制御部317に通信の開始・切断を伝える点で、実施例1とは異なる。
通信中アプリケーション記憶部311は、現在通信中のアプリケーションを記憶しており、アプリケーション通信管理制御部317より設定される。例えば、通信中アプリケーション記憶部311は、図9を参照すると、AP−IDが“0”の場合を、通信アプリケーションが一つも実行されていない状態での値、つまり初期値としてあらかじめ記憶している(410)。通信中アプリケーション記憶部311は、実行中の通信アプリケーションに対応する一意に定められる値として保持している。すなわち、AP−IDが“1”、およびAP−IDが“3”にあたる通信アプリケーションが現在通信していることを記憶している。
パラメータ記憶部312は、現在動作中の通信アプリケーションに対応するリアルタイム要求の有り/無しの情報を記憶しており、通信アプリケーション部300により設定される。例えば、パラメータ記憶部312は、図9を参照すると、AP−IDが“0”の場合は、“リアルタイム要求無し”としてあらかじめ記憶している(411)。
また、パラメータ記憶部312は、現在動作中の通信アプリケーションに対応する省電力の割合を記憶しており、通信アプリケーション部300により設定される。例えば、パラメータ記憶部312は、図9を参照すると、AP−IDが“0”の場合は省電力の割合が100%とあらかじめ記憶しており(411)、すなわち、通信アプリケーションが一つも起動していない場合、無線端末装置110、120はDTIM付きビーコン間隔で間欠受信動作を行っている。
さらに、パラメータ記憶部312は、現在動作中の通信アプリケーションに対応する優先度も記憶しており、通信アプリケーション部300により設定される。例えば、パラメータ記憶部312は、図9を参照すると、AP−IDが“0”の場合は優先度が“低”としてあらかじめ記憶しており(411)、すなわち、通信アプリケーションが一つも起動していない場合、無線端末装置110、120は優先度が“低”で動作を行っている。
タイマ値記憶部313の記憶内容は、Wake−Upタイマ値314、IFS(Interframe space:無通信監視期間)タイマ値315およびランダムバックオフタイム範囲316で構成される。Wake−Upタイマ値314、IFSタイマ値315およびランダムバックオフタイム範囲316はパラメータ決定部318によって決められ、パラメータ決定部318により値が設定される。Wake−Upタイマ値314は無線基地局100とのネゴシエーション完了後、ビーコンを取得することで得られるDTIM間隔がパラメータ決定部318によりあらかじめ設定される。また、タイマ値記憶部313は、無線端末装置110、120が無線基地局100にPS−Pollを送信する時に用いる、もしくはデータを送信する時に用いるDIFS(Distributed Interframe space)値およびランダムバックオフタイムの範囲を記憶している。
アプリケーション通信管理制御部317は、通信アプリケーション部300より与えられたAP−IDと通信の開始・切断を通知され、通信アプリケーション記憶部311に通信の開始により通信中のアプリケーションのAP−IDの追加をまたは通信の切断によりAP−IDの削除を行う。また、パラメータ決定部318に通信中のアプリケーションの切り替えを通知する。
パラメータ決定部318は、アプリケーション通信管理制御部317より通信中のアプリケーションの切替を通知されると、通信中のアプリケーション記憶部311より現在通信中のアプリケーションのAP−IDを取得し、通信中のアプリケーションを認識する。パラメータ決定部318は、パラメータ記憶部312より、通信中のアプリケーションについてリアルタイム要求が有るか無いかを取得し、一つでもリアルタイム要求がある場合は“リアルタイム要求有り”を、リアルタイム要求がない場合は“リアルタイム要求無し”を、PS−Poll送信タイミング記憶部320に設定する。
また、パラメータ決定部318は、パラメータ記憶部312より通信中のアプリケーションの省電力の割合を取得し、その中から最小の省電力の割合を求める。求めた割合から、通信制御部350より与えられるDTIM間隔およびTIM間隔を用いて実際に無線端末装置110、120の間欠受信間隔を求め、タイマ値記憶部313のWake−Upタイマ値314を設定する。同時に、パラメータ決定部318は、パラメータ記憶部312より、通信中のアプリケーションの優先度を取得し、その中から最も優先度の高いものを求める。求めた優先度から、実際に無線端末装置110、120がデータを送信する時もしくはPS−Pollを送信する時のDIFSのタイマ値およびランダムバックオフタイムの範囲を求め、タイマ値記憶部313にIFSタイマ値315およびランダムバックオフタイム範囲316を設定する。
PS−Poll送信タイミング記憶部320は、現在動作中の通信アプリケーションに対応するPS−Pollの送信タイミングを記憶しており、通信制御部350により用いられる。PS−Poll送信タイミング記憶部320の値は、パラメータ決定部318により決められ設定される。
タイマ制御部330は、通信アプリケーション部300からのリアルタイム要求がない場合に動作し、Wake−Upタイマ値314から間欠受信間隔を取得し、Wake−Upタイマ値314の個数分のTIM間隔で電源制御部340にタイマ値を与え続ける。また、タイマ制御部330は、DTIM付きビーコンの受信を基準としてタイマ値を与え始める。さらに、通信制御部350からのビーコン受信タイミングにより、タイマ値の補正を行う。通信アプリケーション部300からのリアルタイム要求の有り/無しの変更は通信制御部350より行われる。
次に、図8、図9及び図10を参照して本実施例4の動作について詳細に説明する。
無線端末装置110、120は、起動後、無線基地局100とネゴシエーションを行い、ネゴシエーション完了後は何も通信アプリケーションが動作していない状態となる。このとき、PS−Poll送信タイミング記憶部320は“リアルタイム要求無し”が設定されているので、通常のパワーセーブ動作、すなわち、DTIM間隔にて間欠受信動作を行う。
図10は、無線端末装置110、120上で動作する通信アプリケーションから、リアルタイム要求の有り/無しを決定するまでの流れを示すフローチャートである。
通信アプリケーション部300は動作すると、当該通信アプリケーションに対応するAP−IDおよびリアルタイム要求の有り/無し情報をパラメータ記憶部312に記憶する。ここでAP−IDは通信アプリケーションに対して一意に付与される。例えば、動作した通信アプリケーションにAP−ID“1”が付与され、リアルタイム要求有りと記憶される(411)。同時に、省電力の割合および通信の優先度をパラメータ記憶部312に記憶する。例えば、省電力の割合が“10%”と、優先度が“低”と記憶される(411)。次に、通信アプリケーション部300において、実際に通信が開始されると、アプリケーション通信管理制御部317に対して、通信アプリケーションの通信が開始したことを通知する。例えば、AP−ID“1”の通信が開始されたことを通知する。
アプリケーション通信管理制御部317は、通信アプリケーション部300から通信が開始された旨通知を受けると、通信が開始されたことを判断し(ステップA1)、渡されたAP−IDを通信中アプリケーション記憶部311に追加する(ステップA2)(402)。アプリケーション通信管理制御部317は、AP−IDを追加した後、パラメータ決定部318に対して、通信の切替があった旨を通知する。
パラメータ決定部318は、アプリケーション通信管理制御部317から通信の変化の旨通知を受けると、通信中アプリケーション記憶部311から現在通信中のアプリケーションを検索し取得する(ステップA3)。次に、取得した通信中アプリケーションのAP−IDに対する全てのリアルタイム要求の有り/無しを検索し取得する(ステップA4)。例えば、図9に示す例では、通信中アプリケーションのAP−IDが“0”、“1”、“3”を取得したとすると、それぞれのリアルタイム要求は“無し”、“有り”、“無し”となる。
次に、パラメータ決定部318は、取得したリアルタイム要求から一つでもリアルタイム要求有りがある場合は、無線端末装置110、120はリアルタイム要求有りと決定し、PS−Poll送信タイミング記憶部320へ記憶する(ステップA5、6)。例えば前記の例の場合、それぞれのリアルタイム要求は“無し”、“有り”、“無し”となっているため、“有り”と決定され設定されることになる。
パラメータ決定部318は同時に、アプリケーション通信管理制御部317から通信の変化の旨通知を受けると、通信中アプリケーション記憶部311から現在通信中のアプリケーションを検索し取得した後、取得した通信中アプリケーションのAP−IDに対する全ての省電力の割合を検索し取得する。例えば、図9に示すように、通信中アプリケーションのAP−IDが“0”、“1”、“3”を取得したとすると、それぞれの省電力の割合はAP−ID“0”が“100%”、AP−ID“1”が“10%”、AP−ID“3”が“100%”
次に、パラメータ決定部318は、取得した省電力の割合から最小値の割合を決定し、その割合から間欠受信間隔を求める。この間欠受信間隔を求める例として、次のような方法を用いる。パラメータ決定部318は、DTIM間隔から公約数を求め、公約数の個数で割合を等間隔で分割し、省電力の割合と一致する区間の間欠受信間隔を用いる。例えば、DTIM間隔が“8”だとすると、公約数は、“1”、“2”、“4”、“8”の4つとなり、その個数で割合を等間隔で分割すると、0%から25%までが“1”、26%から50%までが“2”、51%から75%までが“4”、76%から100%までが“8”となる。前記の省電力の割合が10%とすると、間欠受信間隔は“1”と決定される。このようにして決定した間欠受信間隔をWake−Upタイマ値として記憶する。
タイマ制御部330は、通信制御部350よりリアルタイム要求無しに切り替わった時点でタイマの開始を指示され、リアルタイム要求有りに切り替わるとタイマの停止を指示される。リアルタイム要求無しとなり、タイマ制御開始を指示されると、常にタイマ値記憶部313のWake−Upタイマ値314の値を基準としてTIMの間隔と乗算し、乗算した値を基準として電源制御部340にタイマ値を与えるため、アプリケーションの通信の開始によりWake−Upタイマ値314が変更すると、無線端末装置110、120のリアルタイム要求無しの時の間欠受信間隔がそれに連携して変更されることになる。
また、パラメータ決定部318は、アプリケーション通信管理制御部317から通信の変化の旨通知を受けると、通信中アプリケーション記憶部311から現在通信中のアプリケーションを検索し取得取得した後、取得した通信中アプリケーションのAP−IDに対する全ての優先度を検索し取得する。例えば、図9に示すように、通信中アプリケーションのAP−IDが“0”、“1”、“3”を取得したとすると、それぞれの優先度はAP−IDが“0”の場合が“低”、AP−ID“1”の場合が“高”、AP−IDが“3”の場合が“中”となる。次に、パラメータ決定部318は、取得した優先度から最も高い優先度を決定し、その優先度からDIFS値、及びランダムバックオフ時間の範囲を求める。このDIFS値およびランダムバックオフ時間の範囲を求める例として、次のような方法を用いる。
パラメータ決定部318は、DIFSを用いてIFSタイマ値を、優先度が“高”のときはDIFS−2t、“中”のときはDIFS−t、“低”のときはDIFSとする。ここでtの値は任意であるものとする。また、ランダムバックオフ時間の範囲を通常のランダムバックオフ時間の最大値をRとすると、優先度が“高”のときは0〜0.5R、“中”のときは0〜0.75R、“低”のときは0〜Rとする。前記の優先度が“高”とすると、IFSタイマ値はDIFS−2tとなり、ランダムバックオフ時間の範囲は最も狭い0〜0.5Rと決定される。このようにして決定したIFSタイマ値およびランダムバックオフ時間をタイマ値記憶部330に記憶する。
タイマ制御部330は、通信制御部350よりDIFSのタイマ値およびランダムバックオフ範囲を要求されると、常にタイマ値記憶部313のIFSタイマ値332及びランダムバックオフ範囲333の値を基準として電源制御部380にタイマ値を与えているため、通信アプリケーションの通信の開始によりIFSタイマ値315およびランダムバックオフ範囲316が変更すると、無線端末装置110、120においてデータを送信するときのDIFSのタイマ値およびPS−Poll時のDIFSのタイマ値およびランダムバックオフの範囲がそれに連携して変更されることになる。
また、ステップA1において、これまで接続していた通信アプリケーションの通信が切断されると、アプリケーション通信管理制御部317に対して、通信アプリケーションの通信が切断したことを通知する。アプリケーション通信管理制御部317は、通信アプリケーション部300から通信が切断した旨通知を受けると、通信が切断したことを判断し(ステップA1)、渡されたAP−IDを通信中アプリケーション記憶部311から対応するAP−IDの記憶を削除する(ステップA7)。アプリケーション通信管理制御部317は、削除した後、パラメータ決定部318に対して、通信の切り替えがあった旨を通知する。この後の処理は、前記と同様であり、ステップA3の処理へ進む。
ステップA7において、通信アプリケーション記憶部311に通信中のアプリケーションが全て削除された場合、初期値として与えられているAP−IDが“0”の値のみ残ることになるため、リアルタイム要求無しとなり、通信中のアプリケーションが存在しない場合は、無線端末装置110、120は通常のパワーセーブモードでの動作であるDTIM間隔で間欠受信動作を行い、通常のDIFS値およびランダムバックオフ範囲で通信制御部360は送信処理を行う。
本実施例4での無線端末装置110、120から他端末装置130宛のデータを送信するときの流れは実施例1と同様である。
本実施例4では、タイマ値記憶部313にデータ送信時に用いるまたはPS−Poll時に用いるIFSタイマ値315およびランダムバックオフ範囲316を持たせた。このため、通信中のアプリケーションにより優先度を設定することが出来、音声通話などのリアルタイム性が要求される通信において、遅延の影響を削減することができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施例5について図面を参照して詳細に説明する。
図8を参照すると、本実施例5は、図8に示された実施例4における機能構成と同様であるが、実施例1と実施例3の動作の違いと同様の違いが、実施例4との動作の異なる点である。すなわち、図8を参照すると、本実施例5は、図8に示された実施例4におけるパラメータ決定部318、タイマ制御部330および通信制御部350の動作が実施例4とは一部異なる。
パラメータ決定部318は、実施例4での機能に加えて、アプリケーション通信管理制御部317より通信中のアプリケーションの切替を通知されると、通信制御部350に対して通信中のアプリケーションの切替があったことを通知する点で異なる。
タイマ制御部330は、Wake−Upタイマ値314をもとにビーコン間隔に同期したタイマ値を電源制御部350に与えるか、Wake−Upタイマ値をもとにビーコン間隔とは関係なく通信制御部350に対してタイマ値を与えるかを、通信制御部350からの要求により変更する点で実施例4とは異なる。
通信制御部350は、通信アプリケーション部300からのデータを無線通信インタフェース部360より送信するための制御を、また、無線通信インタフェース部360で受信したデータを通信アプリケーション部300に渡す制御を行う。さらに、無線基地局100とのネゴシエーション処理も行う。通信制御部350は、通信アプリケーション部300から送信データを受け取ると、無線通信インタフェース部360の電源投入要求を電源制御部340へ要求する。通信制御部350は、通信アプリケーション300から受け取ったデータを全て送信する。
ここまでの動作は、実施例4と同様である。本実施例5では、データを全て送信後、無線通信インタフェース部360の電源切断要求を電源制御部350へ要求する。通信制御部350は、パラーメータ決定部318より、通信中のアプリケーションの切替があったことを通知されると、PS−Poll送信タイミング記憶部320よりリアルタイム要求の有り/無しを取得し、無しから有りへ切り替わったときは、タイマ制御部330に対して、Wake−Upタイマ値をもとにビーコン間隔とは関係なく通信制御部350に対してタイマ値を与えるように要求し、有りから無しへ切り替わったときは、タイマ制御部330に対して、Wake−Upタイマ値をもとにビーコン間隔に同期したタイマ値を電源制御部340に対して与えるように要求する点で実施例4とは異なる。すなわち、通信制御部350は実施例3での動作と同様である。
本実施例5の動作を説明する。
図8、図9および図10を参照すると、実施例4と異なるのは、パラメータ決定部318、タイマ制御部330および通信制御部350での処理のみが異なる。
通信アプリケーション300に対する、PS−Poll送信タイミング記憶部320およびタイマ値記憶部313の決定手段は実施例4と同様である。また、本実施例5における通信制御部350の動作は、実施例3と同様である。
本実施例5では、実施例4と同様、タイマ値記憶部313にデータ送信時に用いるまたはPS−Poll時に用いるIFSタイマ値315およびランダムバックオフ範囲316を持たせた。このため、通信中のアプリケーション部300により優先度を設定することが出来、音声通話などのリアルタイム性が要求される通信において、遅延の影響を削減することができるという効果が得られる。
本実施例5では、通信制御部350において、リアルタイム要求時のPS−Pollを送信するタイミングを実施例4とは異なり、送信データともビーコンとも同期せずに、通信アプリケーションに連携した間隔で自発的にPS−Pollを送信する動作を行う。このため、上下対称の通信ではない場合のリアルタイム性の必要な通信においても、ビーコンに同期した場合に起こる可能性が高いビーコン後のPS−Pollの集中により引き起こる衝突の可能性の減少による、受信パケットの遅延の減少、また、通信品質の向上効果が得られる。また、本実施例は実施例1または実施例2および実施例4と組み合わせて利用することが可能である。
次に、本発明の実施例6について説明する。
図11を参照すると、本実施例6は、さらにバッテリ残量検出部500およびパラメータ制限値記憶部510を有する点で、図8に示した実施例4とは異なる。また、本実施例6では、図3に示された実施例1、実施例2および実施例3の動作モード決定部310の決定手段および図8に示された実施例4および実施例5のパラメータ決定部318の決定手段と図11に示されたパラメータ決定部318の決定手段が異なる。
バッテリ残量検出部500は、パラメータ決定部318よりバッテリ残量の検出要求を受けるとバッテリ残量を測定し、パラメータ決定部318に通
パラメータ制限値記憶部510には、図12に詳細を示すように、バッテリ残量の割合520および530により、省電力の割合の制限値521および531、および通信時の優先度の割合522および532が定められている。なお、これらの値はあらかじめ記憶されている。パラメータ制限値記憶部510の値は、パラメータ決定部318より読み出される。
パラメータ決定部318は、タイマ値記憶部313の各値を決定する際に、バッテリ残量によって各値の制限値を設けるところが、実施例1〜5の動作モード決定部もしくはパラメータ決定部と異なる。
本実施例6の動作を図面を参照して詳細に説明する。
図12および13を参照すると、前述の実施例と異なるのは、パラメータ決定部318での処理のみが異なるので、パラメータ決定部318の処理部分についてのみ説明する。
図13のフローチャートにおいて、ステップE54、E55、E56、E57、E58およびE61のステップが追加されている。実施例4および実施例5で決定するタイマ値記憶部313の各値を決める段階までがステップE53となる。本実施例6では、次に、バッテリ残量検出部500よりバッテリ残量の割合を取得し(ステップE54)、パラメータ制限値記憶部510より、取得したバッテリ残量の割合より現在のタイマ値記憶部313に設定する各値の制限値を取得する(ステップE55)。ステップE53で決定した各値とステップE55で取得した制限値の比較を行う(ステップE56)。
次に、比較した結果により、ステップE53で決定した値を用いるか、ステップE55で取得した値を用いるかを決定する。比較結果による分岐はタイマ値記憶部313の各値により異なる。例えば、省電力の割合を決定する場合、ステップE53で決定した割合が制限値よりも大きいかまた同じ場合はステップE53で決定した割合を使用し(ステップE58)、小さい場合は制限値を用いる(ステップE61)。一方、優先度の割合を決定する場合、ステップE53で決定した優先度が制限値よりも同じか高い場合はステップE53で決定した優先度を使用し(ステップE58)、低い場合は制限値を用いる(ステップE61)。
これにより、パラメータ制限値記憶部510に設定されているようにバッテリ残量がある値より少なくなると、制限値で定めた間欠受信間隔より短い間隔での間欠受信動作は行わないように制限することが可能となり、また、優先度を上げることである通信アプリケーションの終了処理などを正常に行わせたりすることが可能となる。
本実施例6では、バッテリ残量検出部500およびパラメータ制限値記憶部510を設けた。これにより、バッテリ残量が少なくなってきた場合に、少しでも長く使えるように調整することが可能となる効果が得られ、また、アプリケーションの通信中に不意に切断されてしまう前に正常に通信が終了することを促進する効果が得られる。
また、バッテリ残量検出部510は、パラメータ制限値記憶部500からバッテリ残量の割合の範囲が変わった時点でパラメータ決定部318に通知する機能を持っていてもよい。その場合、パラメータ決定部318は通知された時点で新たにタイマ値記憶部313に記憶されている各値を更新することで、通信中にバッテリ残量に変化が起きたときに対応することができる。
また、本実施例6は実施例3、実施例4または実施例5と組み合わせて利用することが可能である。
なお、上述した例では、LAN回線またはWAN回線に接続された端末装置130との通信の場合について説明したが、同じ無線基地局100に接続している他の無線端末装置とも同様に動作する。
リアルタイム要求有りの時の動作として、本発明による間欠動作に加えて、DTIM付きビーコンを受信する動作を行っても良い。このような方法により、ブロードキャストパケットの取りこぼしを防ぐことができる。
また、上述した例では、本発明による無線端末装置上で“VoIP”アプリケーションが動作している様子について説明したが、これ以外にもテレビ電話やチャット、WEBブラウザおよびインスタントメッセージなどの他のすべての通信アプリケーションでも同様に動作する。
さらに、上述した例では、通信アプリケーションから動作モード決定部にパラメータを設定したが、動作モード決定部で予めパラメータを保持するようにしても良いし、また、データの通信内容を判別して、自動的に変更するようにしても良い。
本発明の実施例1の送受信のタイミングチャートである。 実施例1の無線ネットワークシステム構成図である。 実施例1の無線端末装置の機能から見た構成図である。 その動作のフローチャートである。 本発明の実施例2における通信制御部の動作の一部を示したフローチャートである。 本発明の本実施例3における通信制御部の動作の一部を示したフローチャートである。 実施例3において、リアルタイム要求有り時の通信制御部の動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施例4の無線端末装置の機能から見た構成図である。 図8中の通信中アプリケーション記憶部およびパラメータ記憶部の記憶形態を示す図である。 実施例4において、通信アプリケーションから、リアルタイム要求の有り/無しを決定するまでの流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例6の無線端末装置の機能から見た構成図である。 図11中のパラメータ制限値記憶部の記憶形態を示す図である。 実施例6の動作の一部を示したフローチャートである。 先行技術における送受信のタイミングチャートである。
符号の説明
100 無線基地局
110、120 無線端末装置
130 端末装置
300 通信アプリケーション部
310 動作モード決定部
320 PS−Poll送信タイミング記憶部
330 タイマ制御部
340 電源制御部
350 通信制御部
360 無線通信インタフェース部
311 通信中アプリケーション記憶部
312 パラメータ記憶部
313 タイマ値記憶部
314 Wake−Upタイマ値
315 IFSタイマ値
316 ランダムバックオフ範囲
317 アプリケーション通信管理制御部
318 パラメータ決定部
500 バッテリ残量検出部
510 パラメータ制限値記憶部
520・530 バッテリ残量の割合
521・531 省電力の割合の制限値

Claims (5)

  1. パワーセーブモードで動作して、無線基地局に対して配送を促す制御パケットを送信することにより、該無線基地局にバッファされているパケットを受信する無線端末装置において、当該無線端末装置において動作する通信アプリケーションの動作モードを決定する通信アプリケーション動作モード決定手段と、その決定された動作モードに応じて前記制御パケットの送信タイミングをビーコン間隔とは関係なく可変することができる制御パケット可変手段と、通信アプリケーションからのデータ送信後に前記制御パケット可変手段による送信タイミングにて制御パケットを送信する通信制御部とを備えたことを特徴とする無線端末装置。
  2. 通信制御部は、通信アプリケーション動作モード決定手段で決定された動作モードに応じて制御パケットを送信するか否かを選択できることを特徴とする請求項1記載の無線端末装置。
  3. 通信制御部は、制御パケットを送信する場合、電源制御部に電源投入要求を行うことを特徴とする請求項2記載の無線端末装置。
  4. 通信制御部は、制御パケットによるデータ受信後に電源制御部に電源切断要求を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の無線端末装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の無線端末装置と無線基地局にて構成された無線ネットワークシステム。
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