JP4206094B2 - 電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形方法 - Google Patents

電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形方法 Download PDF

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本発明は、電動モータによって射出スクリュを進退駆動するとともに、該電動モータを速度制御と圧力制御との2つの制御モードにより制御する、電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形方法に関するものである。
射出成形機では、図8(a)〜(c),図9(a)〜(c)に示すように、2つの金型1,2を重合させて金型1,2間に形成された空間内に原料樹脂3を射出供給して所望形状の樹脂製品を成形する。このため、射出成形機には、2つの金型1,2を重合させる型締め装置10と、金型1,2間に形成された空間内に原料樹脂3を射出供給する射出装置20とが備えられている。なお、ここでは、金型1は凹状に、金型2は凸状に形成されている。
型締め装置10は、一方の金型1が取り付けられベース31上に固定された固定ダイプレート11と、他方の金型2が取り付けられ固定ダイプレート11に対して接離する方向に移動ダイプレート12と、一端は固定ダイプレート11に他端は連結プレート13にそれぞれ連結されて移動ダイプレート12の移動を案内するタイバー14と、移動ダイプレート12を駆動するブーストシリンダ15とをそなえている。
これにより、ブーストシリンダ15を作動させると、タイバー14に案内されながら移動ダイプレート12と共に金型2が金型1に対して接離するように移動し、金型1,2の重合時には、ブーストシリンダ15が金型2を金型1に押圧して金型1,2内の空間への樹脂圧に対抗する。
なお、移動ダイプレート12には、成形後、凸状の金型2側に嵌着した樹脂製品4を取り出すために押出シリンダ16がそなえられる。
一方、射出装置20は、先端にノズル21をそなえた射出シリンダ22と、射出シリンダ22の内部に進退可能及び回転可能に内挿された射出スクリュ23と、射出シリンダ22内の原料樹脂3を加熱するヒータ24と、ベース32上に固定された台(駆動装置台)25と、台25上に固定され射出シリンダ22を支持する固定フレーム26と、台25上に移動可能に装備され射出スクリュ23が結合された移動フレーム27と、移動フレーム27に設けられ射出スクリュ23を回転駆動するスクリュ回転モータ28と、固定フレーム26と移動フレーム27との間に設けられ、移動フレーム27と共に射出スクリュ23を軸線方向に移動させる射出スクリュ移動機構29と、射出シリンダ22内に原料樹脂3を供給するためのホッパ30とをそなえている。
なお、台25と固定ダイプレート11との間には、台25を射出シリンダ22の軸方向に移動させてノズル21の位置を前後に進退調整するノズル前後シリンダ33が設けられている。
これにより、スクリュ回転モータ28により射出スクリュ23を回転させることで、ホッパ29からのペレット状の原料樹脂3を射出シリンダ22内に導入しこの原料樹脂3を前方へ送ることができ、この際、ヒータ24により原料樹脂3加熱することで原料樹脂3を溶融することができる。そして、ノズル21部分に溜まった溶融樹脂は、射出スクリュ移動機構29を作動させて射出スクリュ23を前進させ、金型1,2内に溶融樹脂を射出することができる。
このような射出成形機では、図8(a)〜(c),図9(a)〜(c)及び図10に示すように、射出成形が行なわれる。
つまり、まず、移動ダイプレート12を図8(a)に示すような原位置に設定して(原位置設定工程、図10のステップS1)、移動ダイプレート12を図8(b)に示すように移動させて金型1,2を重合する型閉じを行なう(型閉じ工程、図10のステップS2)。
次いで、金型1,2を圧着させた状態で、スクリュ回転モータ28及びヒータ24を作動させ、ホッパ29に投入されたペレット状の原料樹脂3を溶融しながら送給しノズル21部分に1ショット分の溶融樹脂を溜めた上で、図8(c)に示すように、射出スクリュ移動機構29を作動させて射出スクリュ23を前進させ、溶融樹脂を昇圧しながら金型1,2内に溶融樹脂を射出する(昇圧,射出工程、図10のステップS3)。
このように、金型1,2内に溶融樹脂を注入したら、タイマ等を用いて所定の時間だけ昇圧した圧力状態を保って(保圧工程、図10のステップS4)、金型1,2を冷やし樹脂を固める。この樹脂が固まる際に樹脂が収縮して堆積が減るので、図9(a)に示すように、射出スクリュ23を回転させて一定圧力で樹脂を再射出することで、樹脂収縮分を補填する(冷却,計量工程、図10のステップS5)。
冷却,計量工程が完了したら(図10のステップS6)、図9(b)に示すように、移動ダイプレート12を移動させて金型1,2を離隔させる型開きを行なって(型開き工程、図10のステップS7)、図9(c)に示すように、押出シリンダ16を作動させて、凸状の金型2側に嵌着した樹脂製品4を押し出して取り出す(製品押し出し工程、図10のステップS8)。その後は、成形終了判定(図10のステップS9)がされるまで、再び、上記の型閉じ工程(図10のステップS2)〜製品押し出し工程(図10のステップS8)を実施する。
なお、このようにして、射出成形が行なわれるが、射出成形機には、射出スクリュ移動機構29に油圧シリンダ等の流体圧シリンダを用い用いた油圧射出成形機の他に、射出スクリュ移動機構29に電動モータを用いた電動射出成形機がある。電動射出成形機は油圧射出成形機に比べて、樹脂スクリュの進退をより精度良くまた様々な形態で制御できる。
そこで、電動射出成形機によって上述のように射出成形を行なう際には、樹脂を金型に充填する昇圧,射出工程(図10のステップS3)では、充填の最中に樹脂の温度が下がると樹脂が固化してしまうため、この樹脂充填時には樹脂スクリュを速度制御してこれを防いでいる。また、樹脂充填後の保圧工程及び冷却,計量工程(図10のステップS4,S5)では、樹脂の冷却による収縮を補正するため、保圧できるように樹脂スクリュを圧力制御する。
つまり、樹脂の充填工程(昇圧,射出工程)では、樹脂スクリュの進退方向への移動速度が目標とする速度になるように、樹脂スクリュを進退駆動する電動モータを制御する。また、樹脂充填後の保圧工程等では、樹脂スクリュによる樹脂の圧力が目標とする圧力になるように、樹脂スクリュを進退駆動する電動モータを制御する。
このため、成形工程中に、樹脂スクリュの駆動を速度制御と圧力制御との2つの制御モードを切り替えることが必要になる。従来は、この速度制御と圧力制御との切り替え(これをV/P切り替えという)を樹脂スクリュの位置に応じて行なっていた。そして、この場合の切り替え基準となる樹脂スクリュ位置は、熟練作業者によって手動により射出成形を数回実施して、良質の成形を実施できた時の作業工程に基づいて設定していた。
しかしながら、従来のV/P切り替え方法では、上記のように、予め設定された樹脂スクリュ位置によってV/P切り替えを行なっていたため、成形品の品質にばらつきが生じてしまうという不具合があった。
つまり、射出成形による樹脂製品の品質(形状や寸法等)は、温度や湿度等の作業環境の影響を受けやすいため、一定の樹脂スクリュ位置によってV/P切り替えを行なうと、作業環境の変化に応じて樹脂製品の品質が変化し、製品のばらつきが大きくなってしまい、大きな課題となっている。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、電動射出成形機による射出成形において、作業環境が変化しても品質にばらつきのない安定した樹脂製品を成形することができるようにした、電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形方法を提供することを目的とする。
このため、本発明の電動射出成形機(請求項1)は、射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機において、該金型内に該樹脂材料を充填する際には該電動モータを速度制御し、該充填後の樹脂収縮分を補填する際には該電動モータを圧力制御する制御手段と、該金型内の圧力を検出又は推定する型内圧力検出手段とをそなえ、該制御手段は、該型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が予め設定された所定圧力に達したら、上記の速度制御から圧力制御への切り替えを行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させることを特徴としている。
また、本発明の電動射出成形機(請求項2)は、射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機において、該金型内に該樹脂材料を充填する際には該電動モータを速度制御し、該充填後の樹脂収縮分を補填する際には該電動モータを圧力制御する制御手段と、該金型内の圧力を検出又は推定する型内圧力検出手段と、該射出スクリュの進退方向位置を検出又は推定する位置検出手段とをそなえ、該制御手段は、該位置検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向位置が予め設定された設定位置に達するか、又は、該型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が予め設定された所定圧力に達したら、上記の速度制御から圧力制御への切り替えを行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させることを特徴としている。
該射出スクリュの進退方向位置を検出又は推定する位置検出手段と、該射出スクリュの進退方向への速度を検出又は推定する速度検出手段とをさらに設け、該射出スクリュの進退方向位置と該射出スクリュの進退方向への目標速度との位置速度関係を予め設定して、該制御手段が、該速度制御では、該位置検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向位置と該位置速度関係とに基づいて該進退方向位置に応じた該射出スクリュの目標速度を設定し、該速度検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向速度が該目標速度となるようにフィードバック制御を行なうことが好ましい(請求項3)。
また、起動指令に応じて経過時間をカウントするタイマをさらに設け、該射出スクリュの進退方向位置と該射出スクリュの進退方向への目標速度との関係との位置速度関係と、該圧力制御の開始からの経過時間と該金型内の目標圧力との時間圧力関係を予め設定し、該制御手段が、該圧力制御では、該圧力制御の開始時に該タイマを起動させて、該タイマでカウントされた経過時間と該時間圧力関係とに基づいて該経過時間に応じた該金型内の目標圧力を設定し、該圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が該目標圧力となるようにフィードバック制御を行なうことが好ましい(請求項3)。
この場合、圧力制御に用いる実際の圧力値として、該圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力を特性改善フィルタで処理したものを用いるようにすれば、圧力制御をより安定化させることができる(請求項4)。
また、該フィルタは、該圧力制御に減衰特性を与えるローパスフィルタとしての機能と即応性を与えるハイパスフィルタとしての機能とを併せ持つことが好ましい(請求項5)。
また、該制御手段において、圧力制御の指令出力値を該射出スクリュの進退方向速度に応じて減算補正すれば、圧力制御時における過大な速度変動の発生を防止することが可能になり、射出成形を安定して行なうことができる(請求項6)。
また、該電動射出成形機が、樹脂材料を該射出シリンダの先端に備えられたノズルから金型内に射出し充填し、該型内圧力検出手段が、ノズル外表面から該金型側と該射出スクリュ側とからの押付力による応力を検知して、該金型内の圧力を検出又は推定することが好ましい(請求項7)。
また、本発明の電動射出成形機による射出成形方法(請求項8)は、射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機による射出成形方法において、該電動モータを速度制御して該金型内に該樹脂材料を充填する第1のステップと、第1のステップの後、該電動モータを圧力制御して該充填後の樹脂収縮分を補填する第2のステップとをそなえ、該電動モータを速度制御する第1のステップから電動モータを圧力制御する第2のステップへの切り替えは、該金型内の圧力の検出値が予め設定された所定圧力に達した時点で行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させることを特徴としている。
また、射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機による射出成形方法において、該電動モータを速度制御して該金型内に該樹脂材料を充填する第1のステップと、第1のステップの後、該電動モータを圧力制御して該充填後の樹脂収縮分を補填する第2のステップとをそなえ、該電動モータを速度制御する第1のステップから電動モータを圧力制御する第2のステップへの切り替えは、該射出スクリュの進退方向位置の検出値が予め設定された所定位置に達するか、又は、該金型内の圧力の検出値が予め設定された所定圧力に達した時点で行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させることが好ましい(請求項9)。
さらに、該射出スクリュの進退方向位置と該射出スクリュの進退方向への目標速度との位置速度関係を予め設定し、該速度制御では、検出又は推定された該射出スクリュの進退方向位置と、検出又は推定された該射出スクリュの進退方向速度と、該位置速度関係とに基づいて、該射出スクリュの進退方向速度が該進退方向位置に応じた目標速度となるようにフィードバック制御を行なうことが好ましい(請求項10)。
また、該圧力制御の開始からの経過時間と該金型内の目標圧力との時間圧力関係を予め設定し、該圧力制御では、該圧力制御の開始時にタイマを起動させて、該タイマでカウントされた経過時間と、型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力と、該時間圧力関係とに基づいて、該金型内の圧力が該経過時間に応じた目標圧力となるようにフィードバック制御を行なうことが好ましい(請求項10)。
この場合も、該圧力制御に用いる実際の圧力値として、型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力を特性改善フィルタで処理したものを用いるようにすれば、圧力制御をより安定化させることができる(請求項11)。
また、該フィルタは、該圧力制御に減衰特性を与えるローパスフィルタとしての機能と即応性を与えるハイパスフィルタとしての機能とを併せ持つことが好ましい(請求項12)。
また、該圧力制御の指令出力値を該射出スクリュの進退方向速度に応じて減算補正すれば、圧力制御時における過大な速度変動の発生を防止することが可能になり、射出成形を安定して行なうことができる(請求項13)。
また、該電動射出成形機は、樹脂材料を該射出シリンダの先端に備えられたノズルから金型内に射出し充填し、ノズル外表面から該金型側と該射出スクリュ側とからの押付力による応力を検知することにより、該金型内の圧力が検出又は推定されることが好ましい(請求項14)。
本発明の車両の電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形方法(請求項1,2,8及び9)によれば、作業環境が変化しても樹脂製品の品質が変化しにくくなり、製品のばらつきが小さくなって、安定した樹脂製品を成形することができるようになる効果がある。
また、樹脂を金型に充填する工程では、予め設定された位置速度対応によって樹脂スクリュを速度制御するため、充填の最中に樹脂の温度が下がって樹脂が固化してしまうのを防止しながら適切に樹脂の充填を行なえ、樹脂充填後の冷却による収縮を補正する工程では、予め設定された時間圧力特性で樹脂スクリュを圧力制御するため、所定の圧力特性で型内圧力を制御することができ、樹脂充填後の冷却による収縮を適切に補正できる。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態にかかる電動射出成形機について説明すると、図1はその射出スクリュの進退駆動系の制御ブロック図である。なお、この電動射出成形機は、射出スクリュの進退駆動系を除くと図8,図9に示す従来技術と同様に構成されるので、これらの説明は簡略化する。
[構成]
まず、この電動射出成形機の概略構成を説明すると、図8(a)〜(c),図9(a)〜(c)に示すように、この射出成形機には、2つの金型1,2を重合させる型締め装置10と、金型1,2間に形成された空間内に原料樹脂3を射出供給する射出装置20とが備えられている。
型締め装置10は、金型1が取り付けられベース31上に固定された固定ダイプレート11と、金型2が取り付けられ固定ダイプレート11に対して接離する方向に移動ダイプレート12と、固定ダイプレート11と連結プレート13に各端部を連結され移動ダイプレート12の移動を案内するタイバー14と、移動ダイプレート12を駆動するブーストシリンダ15とをそなえている。また、移動ダイプレート12には、成形後、金型2から樹脂製品4を取り出す押出シリンダ16がそなえられる。
射出装置20は、ノズル21をそなえた射出シリンダ22と、射出シリンダ22に進退可能及び回転可能に内挿された射出スクリュ23と、射出シリンダ22内の原料樹脂3を加熱するヒータ24と、ベース32上に固定された台(駆動装置台)25と、台25上に固定され射出シリンダ22を支持する固定フレーム26と、台25上に移動可能に装備され射出スクリュ23が結合された移動フレーム27と、移動フレーム27に設けられ射出スクリュ23を回転駆動するスクリュ回転モータ28と、固定フレーム26,移動フレーム27間に設けられ、移動フレーム27と共に射出スクリュ23を軸線方向に移動させる射出スクリュ移動機構(駆動装置ともいう)29と、射出シリンダ22内に原料樹脂3を供給するためのホッパ30とをそなえている。
台25と固定ダイプレート11との間には、台25を射出シリンダ22の軸方向に移動させてノズル21の位置を前後に進退調整するノズル前後シリンダ33が設けられている。
ところで、射出スクリュ移動機構29では、図2に示すように、電動モータ(単にモータともいう)29Aによって射出スクリュ23を前後方向に進退駆動するようになっている。モータ29Aと射出スクリュ23との間には、モータ29Aの回転を減速しさらに直進運動に変換して射出スクリュ23に伝達する動力伝達機構29Bが装備されている。
回転運動を直進運動に変換する機構としては、例えばボールねじ軸とボールねじナットとからなるボールねじ機構を用いることができる。つまり、固定フレーム26側に、モータ29Aとボールねじ軸とをいずれも回転自在で軸方向に移動しないように支持し、モータ29Aとボールねじ軸との間にはモータ29Aの回転を減速してボールねじ軸に伝達する機構を設け、ボールねじナットを射出スクリュ23に形成する。ボールねじ軸及びボールねじナットの軸心は、射出スクリュ23の進退方向に向け、ボールねじ軸とボールねじナットとを螺合させる。これにより、モータ29Aでボールねじ軸を回転させると、ボールねじ軸に螺合するボールねじナットを通じて射出スクリュ23をその進退方向に移動させることができる。
そして、このような電動モータ29Aは、図1に示すように、制御装置(制御手段)50Aを通じて制御されるようになっている。制御装置50Aでは、射出成形の際、樹脂の充填工程(第1のステップとしての昇圧,射出工程,図10のステップS3)では、樹脂スクリュの進退方向への移動速度が目標とする速度になるように、電動モータ29Aを速度制御し、樹脂充填後の保圧工程等(保圧工程及び冷却,計量工程,図10のステップS4,S5)では、樹脂スクリュによる樹脂の圧力が目標とする圧力になるように、電動モータ29Aを圧力制御する。
つまり、樹脂を金型に充填する昇圧,射出工程(図10のステップS3)では、充填の最中に樹脂の温度が下がると樹脂が固化してしまうため、この樹脂充填時には樹脂スクリュを速度制御してこれを防ぎ、樹脂充填後の保圧工程及び冷却,計量工程(第2のステップとしての図10のステップS4,S5)では、樹脂の冷却による収縮を補正するため、保圧できるように樹脂スクリュを圧力制御する。
このため、成形工程中に、樹脂スクリュの駆動を速度制御と圧力制御との2つの制御モードを切り替えることが必要になるが、本装置では、速度制御の途中でも型内圧(金型1,2内の圧力)が予め設定された所定圧力P0に達したら、上記の速度制御から圧力制御への切り替えを行なうようになっている。
つまり、速度制御では後述するように、射出スクリュ23の進退方向位置(以下、単に位置という)が予め設定された設定位置に達するまで、射出スクリュ23の位置に応じて射出スクリュ23の速度を制御しうるが、射出スクリュ23の位置が設定位置に達する前であっても、金型内の圧力が予め設定された所定圧力P0に達したら、速度制御から圧力制御への切り替えを行なうのである。もちろん、射出スクリュ23の位置が設定位置に達したら、金型内の圧力が予め設定された所定圧力P0に達しなくても、速度制御から圧力制御への切り替えを行なう。
このように型内圧に応じて、速度制御から圧力制御への切り替えを行なうのは、型内圧が樹脂の状態に対応したものになるためである。つまり、速度制御から圧力制御への切り替えは、樹脂の充填が完了した段階で行なうようにしたいが、樹脂の充填完了は、温度や湿度等の作業環境が一定であれば射出スクリュ23の位置と略対応するが、温度や湿度等の作業環境が変化するとは射出スクリュ23の位置とは対応しなくなる。この点、型内圧は温度や湿度等の作業環境の影響を受けにくく、こうした作業環境が変化しても、樹脂の充填完了と型内圧とが対応するためである。
このため、制御装置50Aには、速度制御のための制御目標値(速度制御力,目標速度)を設定する第1設定系統51と、圧力制御のための制御目標値(圧力制御力)uを設定する第2設定系統52と、速度制御から圧力制御への切り替えを行なうための切り替え部53と、制御目標値と実速度値との差からモータ29Aへのフィードバック制御指令値(例えば、電流指令値)を設定し出力するフィードバック制御指令値設定部54とがそなえられている。
なお、第2設定系統52には、加算器56とゲイン処理部57とがそなえられ、圧力制御力uは、次式のように、加算器56において型内(金型1,2内)の圧力目標値Prから型内の実圧力Pを減算して、これにゲイン処理部57においてゲインKppを乗算して速度対応の指令値に変換したものであり、圧力制御時には、この圧力制御力uが速度指令入力となる。
u=Kpp(Pr−P)
以下、さらに、速度制御と圧力制御について説明する。
速度制御については、例えば図3(a)に実線VI1〜VI6で示すように、予め射出スクリュ23の位置に対応した射出スクリュ23の目標速度(射出速度)をマップ等の形態で記憶し、射出スクリュ23の位置を検出しながら、このマップ等に基づいて射出スクリュ23の位置に応じて射出スクリュ23の目標速度(上記の速度制御力)を設定して、一方で、射出スクリュ23の実際の速度(実速度)を検出しながら、射出スクリュ23の実速度がこの目標速度となるようにフィードバック制御により行なうようになっている。
なお、射出スクリュ23の目標速度は、図3(a)に示すように、制御初期(VI1,VI2)には目標速度を比較的ゆっくりとした速度にし、射出スクリュ23が移動すると目標速度を急激に上げて(VI3)、その後は射出スクリュ23に応じて目標速度を徐々に下げていく(VI4〜VI6)ように設定している。
このように、制御初期に目標速度を低くするのは金型1の樹脂注入口付近の品質向上のためであり、その後目標速度を急激に上げるのは成形サイクルの短縮および金型1内の樹脂粘度の変化を小さくするためであり、その後目標速度を徐々に下げていくのは、樹脂が殆ど充填された状態のため、それ以上の樹脂充填が必要とされないからである。
また、ここでは、制御にかかる位置として、射出スクリュ23の位置を直接対象とするのでなく、射出スクリュ23の位置に対応するモータ29Aの位置(回転角度)を対象としている。また、制御にかかる速度として、射出スクリュ23の速度ではなく、射出スクリュ23の速度に対応するモータ29Aの速度(回転速度)を対象としている。このため、図1に示すように、エンコーダ(位置検出手段)61によりモータ29Aの位置を検出するようにしている。実速度については、直接検出するのではなく、図1に示すように、微分処理部55によって検出した位置を時間微分して算出(換言すると推定)して求めている。
したがって、予めモータ29Aの位置に対応したモータ29Aの目標速度(目標回転速度)をマップ等によって設定し、モータ29Aの位置を検出しながら、モータ29Aの位置に応じてモータ29Aの目標速度を設定して、一方で、モータ29Aの実際の速度(実速度)を算出しながら、モータ29Aの実速度がこの目標速度となるようにフィードバック制御により行なうようになっている。
もちろん、モータ29Aの回転速度を回転数センサで直接検出して用いても良く、また、制御にかかる位置,速度として、射出スクリュ23の位置,速度を直接対象としてもよい。この場合、射出スクリュ23の位置をポジションセンサ62(図1の2点鎖線を参照)で検出し、射出スクリュ23の速度はポジションセンサ(位置検出手段)62で検出された位置を時間微分して算出したり、回転数センサで直接検出したりして用いても良い。
つまり、制御にかかる位置,速度として、射出スクリュ23の位置,速度あるいはこれ似対応した何らかのパラメータを用いればよく、これらの位置,速度の実際値としては、直接検出するほか演算等によって推定して求めても良い。
また、制御装置50Aでは、圧力制御については、例えば図3(b)に実線の曲線SPで示すように、予め圧力制御開始からの経過時間に対応した型内の目標圧力(型内圧力)Prをマップ等の形態で記憶し、一方で、実際の型内圧力Pを検出しながら、型内圧力の実際値がこの目標圧力となるようにフィードバック制御により行なうようになっている。前述のように、ここでは、ゲイン処理部57においてフィードバック値Pr−PにゲインKppを乗算し速度対応の指令値に変換した圧力制御力uを求め、この圧力制御力uを速度指令入力とする。
なお、型内の目標圧力(型内圧力)Prは、図3(b)に曲線SPで示すように、まず、速度制御から圧力制御への切り替え判定基準の圧力値(所定圧力)P0からスタートして速度制御と滑らかに連続させて切り替えの過渡時の制御を安定させるようにしている。そして、その後の圧力制御初期(期間ST)には目標圧力Prを緩やかに漸増させて、その後(期間HT)この上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後は、漸減させている。
このように、制御初期に目標圧力を緩やかに漸増させるのはばり等の成形不良を抑制するためであり、その後目標圧力を中圧にするのは樹脂の冷却に従い過大応力を残さないためで、その後目標圧力を徐々に下げていくのは成形完了に伴い成形品を取り出すためである。
また、実際の型内圧力Pは、図1,図2に示すように、金型1又は2内の成形空間5内の圧力を直接検出する型内圧センサ(型内圧力検出手段)63aを設置してこれに検出するのが最も精度が高く好ましい。しかしが、このような型内圧センサ63aは、各金型毎に設置しなくてはならず、センサの設置にかかる作業やコストの負担が増大するので、実際の型内圧力(成形空間5内の圧力)Pに相関する圧力を検出してこの相関に基づいて検出した圧力から実際の型内圧力Pを推定するようにしても良い。
このように、実際の型内圧力Pに相関する圧力としては、図1,図2に示すように、射出シリンダ22先端のノズル21内の圧力(ノズル圧)や、ノズル21の外部の圧力(ノズル部射出圧)や、スクリュ推進力(スクリュ23の進退方向駆動力(射出圧)等が考えられる。これらの場合、型内圧力検出手段として、それぞれ、ノズル圧センサ63b,ノズル部射出圧センサ63c,射出圧センサ63dを設ければよい。
ノズル圧センサ63bの場合には、検出個所が金型内に近くしかも樹脂材料の充填される内圧を直接検出するので、機器の特性の影響を受けにくく比較的検出精度が高い。もちろん、各金型毎に設置する必要はなく、各金型に対して兼用でき、センサの設置にかかる作業やコストの負担が軽減する。
ノズル部射出圧センサ63cの場合、ノズル21部分は、金型1,2側とスクリュ23側とからの押付力による応力を受けるので、ノズル21の外表面からこの応力を検知することで実際の型内圧力Pを導出(推定)することができる。しかも、各金型毎に設置する必要はない上に、設置が容易であり、センサの設置にかかる作業やコストの負担がより軽減する。このようなノズル部射出圧センサ63cにはロードセルを用いることができる。
射出圧センサ63dの場合、モータ29Aの回転を直進運動に変換して射出スクリュ23に伝達する動力伝達機構29Bの所要の個所(例えばボールねじ軸後方)において、例えば駆動反力として射出圧(スクリュ推進力)を検出する。射出圧(スクリュ推進力)は、実際の型内圧力Pに対応する。しかも、各金型毎に設置する必要はないので、センサの設置にかかる作業やコストの負担がより軽減する。
そして、切り替え部53では、速度制御を行なって樹脂材料3を金型1,2内の空間に充填していく最中に、型内圧(金型1,2内の圧力)が上昇して予め設定された所定圧に達したら、図3(b)に示すように、速度制御の途中であっても即座に圧力制御に切り替えるようにする。ここで用いる型内圧Pも、上述のように、型内圧センサ63aのほかノズル圧センサ63b,ノズル部射出圧センサ63c,射出圧センサ63d等によって検出しうる。また、速度制御が完了(射出スクリュ23が速度制御に最終目標位置に達する)しても、型内圧が予め設定された所定圧に達しない場合には、速度制御の完了時点で速度制御から圧力制御に切り替えるようにする。
[作用・効果]
本発明の第1実施形態にかかる電動射出成形機は、上述のように構成されているので、射出成形にあたっては、以下のような手順(本実施形態にかかる電動射出成形機による射出成形方法)で、電動モータ29Aを通じた射出スクリュ23の前後方向制御(進退制御)を行なう。
つまり、まず、樹脂を金型に充填する工程(第1のステップ、図10のステップS3の昇圧,射出工程)では、図3(a)に示すように予め設定された特性で、充填の最中に樹脂の温度が下がると樹脂が固化してしまうため、電動モータ29Aを通じて、樹脂スクリュ23を予め設定された位置速度対応[図3(a)参照]によって速度制御してこれを防ぐ。これにより、樹脂スクリュ23の速度は図3(a)に破線で示すように目標速度に沿って変化する。
そして、速度制御が完了する(射出スクリュ23が速度制御に最終目標位置に達する)か或いは速度制御の途中であっても型内圧(金型1,2内の圧力)が上昇して予め設定された所定圧に達したら、図3(b)に示すように即座に圧力制御に切り替える。
このように、型内圧が所定圧に達する段階では、樹脂充填は完了し、樹脂充填後の冷却による収縮を補正する工程(第2のステップ、図10のステップS4の保圧工程及びステップS5の冷却,計量工程)となり、図3(b)に示すように予め設定された時間圧力特性で、樹脂スクリュ23を圧力制御するため、所定の圧力特性で型内圧力を制御することができ、樹脂充填後の冷却による収縮を適切に補正できる。これにより、樹脂スクリュ23による樹脂圧は図3(b)に破線で示すように目標圧力に沿って変化する。
このようにして、速度制御を行なっていて樹脂材料3を金型1,2内の空間に充填していく最中に、型内圧が上昇して予め設定された所定圧に達したら、図3に示すように、速度制御の途中であっても即座に圧力制御に切り替えるようにするので、温度や湿度等の作業環境の影響を受けることなく、型内圧に基づいて樹脂の充填完了のタイミングを精度良く推定し、適切なタイミングで速度制御から圧力制御への切り替えを行なうことができる。
この結果、作業環境が変化しても樹脂製品の品質が変化しにくくなり、製品のばらつきが小さくなって、安定した樹脂製品を成形することができるようになる効果がある。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態としての電動射出成形機について説明すると、図4はその射出スクリュの進退駆動系の制御ブロック図、図5はその制御に用いられるフィルタを説明する図である。なお、この電動射出成形機は、制御装置の一部を除くと第1実施形態と同様に構成されるので、これらの説明は省略又は簡略化する。
本実施形態の制御装置50Bでは、型内圧の検出値Pの圧力フィードバックへの適用(加算器56参照)時に、型内圧Pを予め特性改善フィルタ58によって処理して信号PLとして用いるようにしている。したがって、圧力制御力uは次式のようになる。
u=Kpp(Pr−PL
なお、特性改善フィルタ58とは、図5(a)に示すようなローパスフィルタの機能(制御に減衰特性を与える)と、図5(b)に示すようなハイパスフィルタの機能(制御に即応性を与える)とを併せ持ったもので、図5(b)に示すような特性を備えている。
このような特性改善フィルタ58によって型内圧Pを処理するのは、圧力制御をより安定させて行なうようにするためである。つまり、圧力制御時には、射出スクリュ23は固化しかけた樹脂に接触しており、固化しかけた樹脂は剛性が高くなっているため、高剛性物体に接触して圧力制御することとなり振動的な挙動を発してスクリュ23の制御系の不安定化を招くおそれがある。そこで、型内圧Pを特性改善フィルタ58で処理して、制御に減衰特性を与えて安定化させるとともに、制御即応性も確保できるようにして、スクリュ23の動特性をチューニングしているのである。
本発明の第2実施形態としての電動射出成形機は、上述のように構成されているので、第1実施形態としての電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形と同様に作用効果を得られる上に、特に、型内圧Pを特性改善フィルタ58で処理することにより、射出スクリュ23は固化しかけた樹脂に接触していて制御系の不安定化を招きやすい圧力制御を、安定化させることができる効果が得られる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態としての電動射出成形機について説明すると、図6はその射出スクリュの進退駆動系の制御ブロック図である。なお、この電動射出成形機は、制御装置の一部を除くと第1実施形態と同様に構成されるので、これらの説明は省略又は簡略化する。
本実施形態の制御装置50Cでは、図6に示すように、ゲイン処理部57においてフィードバック値Pr−PにゲインKppを乗算し速度対応の指令値に変換した値から、ゲイン処理部59において射出スクリュ23の速度Vに所定のゲインKpvを乗算した値を減算して(加算器60参照)、圧力制御力u(次式参照)を求め、この圧力制御力uを速度指令入力とする。
u=Kpp(Pr−P)−KpvV
このような処理を行なうのは、保圧時に過大な速度変動を抑えて安定成形を促進するためである。つまり、保圧時における過大な速度変動は樹脂製品の安定成形の障害となる。そこで、本来の目標圧力に対して、実速度Vに応じたオフセットをかけて射出スクリュ23の押し過ぎや引き過ぎを回避することにより、過大な速度変動の発生を防止するようにしているのである。
本発明の第3実施形態としての電動射出成形機は、上述のように構成されているので、第1実施形態としての電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形と同様に作用効果を得られる上に、特に、本来の目標圧力に対して、実速度Vに応じたオフセットをかけて制御に用いているので、保圧時に過大な速度変動が抑えられて安定成形を促進させることができる効果が得られる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態としての電動射出成形機について説明すると、図7はその射出スクリュの進退駆動系の制御ブロック図である。なお、この電動射出成形機は、制御装置の一部を除くと第3実施形態と同様に構成されるので、これらの説明は省略又は簡略化する。
本実施形態は、第2実施形態と第3実施形態とを併せたものであり、本実施形態の制御装置50Dでは、型内圧の検出値Pの圧力フィードバックへの適用(加算器56参照)時に、型内圧Pを予め特性改善フィルタ58によって処理して信号PLにとして用いるようにしている。さらに、ゲイン処理部57においてフィードバック値Pr−PLにゲインKppを乗算し速速度対応の指令値に変換した値から、射出スクリュ23の速度Vに所定のゲインKpvを乗算した値を減算して圧力制御力u(次式参照)を求め、この圧力制御力uを速度指令入力とする。
u=Kpp(Pr−PL)−KpvV
本発明の第4実施形態としての電動射出成形機は、上述のように構成されているので、第2,3実施形態としての電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形と同様に作用効果を得られる。
つまり、第1実施形態としての電動射出成形機及び電動射出成形機による射出成形と同様に作用効果を得られる上に、型内圧Pを特性改善フィルタ58で処理することにより、射出スクリュ23は固化しかけた樹脂に接触していて制御系の不安定化を招きやすい圧力制御を、安定化させることができる効果が得られる。また、本来の目標圧力に対して、実速度Vに応じたオフセットをかけて制御に用いているので、保圧時に過大な速度変動が抑えられて安定成形を促進させることができる効果が得られる。
[その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上記の実施形態では、速度制御の完了前に型内圧が所定圧力P0に達したらその時点で速度制御から圧力制御に切り替え、速度制御の完了前に型内圧が所定圧力P0に達しなければ速度制御の完了時点で速度制御から圧力制御に切り替える用にしているが、速度制御の目標値の設定や切り替えにかかる基準圧力(所定圧力P0)の設定によっては、型内圧が所定圧力P0に達した速度制御から圧力制御に切り替えると単純に条件を設定することもできる。
本発明の第1実施形態にかかる電動射出成形機の射出スクリュ進退駆動系の制御ブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかる電動射出成形機の射出スクリュのノズルを示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる電動射出成形機の射出成形を説明するタイムチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる電動射出成形機の射出スクリュ進退駆動系の制御ブロック図である。 本発明の第2実施形態にかかる電動射出成形機の射出スクリュ進退駆動系の制御を説明する模式図である。 本発明の第3実施形態にかかる電動射出成形機の射出スクリュ進退駆動系の制御ブロック図である。 本発明の第4実施形態にかかる電動射出成形機の射出スクリュ進退駆動系の制御ブロック図である。 一般的な射出成形機の構成と動作を示す模式的側面図であり、図9とともに(a)〜(c)の順にその動作を示す。 一般的な射出成形機の構成と動作を示す模式的側面図であり、図8とともに(a)〜(c)の順にその動作を示す。 一般的な射出成形機の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1,2 金型
3 原料樹脂
10 型締め装置
11 固定ダイプレート
12 移動ダイプレート
13 連結プレート
14 タイバー
15 ブーストシリンダ
16 押出シリンダ
20 射出装置
21 ノズル
22 射出シリンダ
23 射出スクリュ
24 ヒータ
25 台
26 固定フレーム
27 移動フレーム
28 スクリュ回転モータ
29 射出スクリュ移動機構(電動式アクチュエータ)
29A モータ
29B 動力伝達機構
30 ホッパ
31,32 ベース
33 ノズル前後シリンダ
50A〜50D 制御装置(制御手段)
51 第1設定系統
52 第2設定系統
53 切り替え部
54 フィードバック制御指令値設定部
55 微分処理部
56,60 加算器
57,59 ゲイン処理部
58 特性改善フィルタ
61 エンコーダ(位置検出手段)
62 ポジションセンサ(位置検出手段)
63a 型内圧センサ(型内圧力検出手段)
63b ノズル圧センサ(型内圧力検出手段)
63c ノズル部射出圧センサ(型内圧力検出手段)
63d 射出圧センサ(型内圧力検出手段)

Claims (14)

  1. 射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機において、
    該金型内に該樹脂材料を充填する際には該電動モータを速度制御し、該充填後の樹脂収縮分を補填する際には該電動モータを圧力制御する制御手段と、
    該金型内の圧力を検出又は推定する型内圧力検出手段とをそなえ、
    該制御手段は、該型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が予め設定された所定圧力に達したら、上記の速度制御から圧力制御への切り替えを行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させる
    ことを特徴とする、電動射出成形機。
  2. 射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機において、
    該金型内に該樹脂材料を充填する際には該電動モータを速度制御し、該充填後の樹脂収縮分を補填する際には該電動モータを圧力制御する制御手段と、
    該金型内の圧力を検出又は推定する型内圧力検出手段と、
    該射出スクリュの進退方向位置を検出又は推定する位置検出手段とをそなえ、
    該制御手段は、該位置検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向位置が予め設定された設定位置に達するか、又は、該型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が予め設定された所定圧力に達したら、上記の速度制御から圧力制御への切り替えを行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させる
    ことを特徴とする、電動射出成形機。
  3. 該射出スクリュの進退方向位置を検出又は推定する位置検出手段と、
    該射出スクリュの進退方向への速度を検出又は推定する速度検出手段と、
    起動指令に応じて経過時間をカウントするタイマとをそなえるとともに、
    該射出スクリュの進退方向位置と該射出スクリュの進退方向への目標速度との位置速度関係と、該圧力制御の開始からの経過時間と該金型内の目標圧力との時間圧力関係とが、予め設定され、
    該制御手段は、
    該速度制御では、該位置検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向位置と該位置速度関係とに基づいて該進退方向位置に応じた該射出スクリュの目標速度を設定し、該速度検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向速度が該目標速度となるようにフィードバック制御を行ない、
    該圧力制御では、該圧力制御の開始時に該タイマを起動させて、該タイマでカウントされた経過時間と該時間圧力関係とに基づいて該経過時間に応じた該金型内の目標圧力を設定し、該圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が該目標圧力となるようにフィードバック制御を行なう
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電動射出成形機。
  4. 該制御手段は、該圧力制御に用いる圧力値として、該型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力をフィルタで処理したものを用いる
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動射出成形機。
  5. 該フィルタは、該圧力制御に減衰特性を与えるローパスフィルタとしての機能と即応性を与えるハイパスフィルタとしての機能とを併せ持つ
    ことを特徴とする、請求項4記載の電動射出成形機。
  6. 該制御手段は、該圧力制御の指令出力値を該射出スクリュの進退方向速度に応じて減算補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動射出成形機。
  7. 該電動射出成形機は、樹脂材料を該射出シリンダの先端に備えられたノズルから金型内に射出し充填し、
    該型内圧力検出手段は、ノズル外表面から該金型側と該射出スクリュ側とからの押付力による応力を検知して、該金型内の圧力を検出又は推定する
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動射出成形機。
  8. 射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機による射出成形方法において、
    該電動モータを速度制御して該金型内に該樹脂材料を充填する第1のステップと、
    第1のステップの後、該電動モータを圧力制御して該充填後の樹脂収縮分を補填する第2のステップとをそなえ、
    該電動モータを速度制御する第1のステップから電動モータを圧力制御する第2のステップへの切り替えは、該金型内の圧力の検出値が予め設定された所定圧力に達した時点で行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させる
    ことを特徴とする、電動射出成形機による射出成形方法。
  9. 射出シリンダ内に装備された射出スクリュを電動モータで進退方向へ駆動して該射出シリンダ内に供給された樹脂材料を金型内に射出し充填する電動射出成形機による射出成形方法において、
    該電動モータを速度制御して該金型内に該樹脂材料を充填する第1のステップと、
    第1のステップの後、該電動モータを圧力制御して該充填後の樹脂収縮分を補填する第2のステップとをそなえ、
    該電動モータを速度制御する第1のステップから電動モータを圧力制御する第2のステップへの切り替えは、該射出スクリュの進退方向位置の検出値が予め設定された所定位置に達するか、又は、該金型内の圧力の検出値が予め設定された所定圧力に達した時点で行なって、該金型内の圧力を滑らかに連続させ、その後該圧力を漸増させた状態を保ち、その後該圧力を上昇させた中圧状態を保ち、さらにその後漸減させる
    ことを特徴とする、電動射出成形機による射出成形方法。
  10. 該射出スクリュの進退方向位置と該射出スクリュの進退方向への目標速度との位置速度関係と、該圧力制御の開始からの経過時間と該金型内の目標圧力との時間圧力関係とが、予め設定され、
    該速度制御では、位置検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向位置と該位置速度関係とに基づいて該進退方向位置に応じた該射出スクリュの目標速度を設定し、速度検出手段で検出又は推定された該射出スクリュの進退方向速度が該目標速度となるようにフィードバック制御を行ない、
    該圧力制御では、該圧力制御の開始時にタイマを起動させて、該タイマでカウントされた経過時間と該時間圧力関係とに基づいて該経過時間に応じた該金型内の目標圧力を設定し、型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力が該目標圧力となるようにフィードバック制御を行なう
    ことを特徴とする、請求項8又は9記載の電動射出成形機による射出成形方法。
  11. 該圧力制御では、圧力値として、型内圧力検出手段で検出又は推定された該金型内の圧力をフィルタで処理したものを用いる
    ことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の電動射出成形機による電動射出成形方法。
  12. 該フィルタは、該圧力制御に減衰特性を与えるローパスフィルタとしての機能と即応性を与えるハイパスフィルタとしての機能とを併せ持つ
    ことを特徴とする、請求項11記載の電動射出成形機による電動射出成形方法。
  13. 該圧力制御では、指令出力値を該射出スクリュの進退方向速度に応じて減算補正する
    ことを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載の電動射出成形機による電動射出成形方法。
  14. 該電動射出成形機は、樹脂材料を該射出シリンダの先端に備えられたノズルから金型内に射出し充填し、
    ノズル外表面から該金型側と該射出スクリュ側とからの押付力による応力を検知することにより、該金型内の圧力が検出又は推定される
    ことを特徴とする、請求項8〜13のいずれか1項に記載の電動射出成形機による電動射出成形方法。
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