JP4205915B2 - Vapor deposition apparatus and vapor deposition method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結ペレットとして形成された蒸着材料を収容するための蒸着装置および蒸着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームを熱源として蒸着材料を溶融、蒸発させ、基板、眼鏡用レンズ等の蒸着対象物に蒸着材料を蒸着する蒸着装置は、水冷銅ハース内に上部が開放した蒸着用るつぼを設置し、これに焼結ペレットとして形成された蒸着材料を装填し、真空雰囲気中で電子ビームを焼結ペレットの上方から照射して焼結ペレットを溶融、蒸発させることにより、蒸着対象物の蒸着を行うようにしている。
【0003】
蒸着が終了すると、蒸着材料は冷えて固まるが、焼結ペレットの溶融部分がるつぼ内壁に接触した状態で冷えて固まると、その部分はるつぼ内壁に固着する。この固着部分のるつぼに対する接合強度は強固であるため、るつぼを再利用するには適宜な工具で焼結ペレットの溶融固化した部分を叩いて破砕し、るつぼから焼結ペレットを離脱させ、さらに、るつぼの内壁面に残っている小片についても適宜な工具で叩いたり、掻き落とす等して取り除く必要がある。しかし、この作業は大変困難であり、しかも強引に破砕して離脱させようとすると、るつぼが変形したり破損するという問題がある。したがって、蒸着用るつぼは、蒸着後に焼結ペレットを離脱させ易い形状、構造であることが要求される。
【0004】
そこで、この種の蒸着用るつぼとしては従来から種々提案されている。例えば、実開平3−18162号公報に記載された蒸着用るつぼは、るつぼの上部および下部を開放し、焼結ペレットを収容する空洞を実質的に断面円形の空洞としてその内径を焼結ペレットの外径と略同一にしている。
【0005】
また、実公平6−9011号公報に記載された蒸着用るつぼは、るつぼの上部および下部を開放し、焼結ペレットを収容するるつぼの内部空間を、上部から下部に向かって先細になるようにその側壁を傾斜させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した実開平3−18162号公報に記載されている蒸着用るつぼは、るつぼの上部および下部が開放しているため、上下どちら側からでも工具を挿入でき、しかもストレートな孔なので開口側から内壁に対し平行な方向に力を加える場合はその方向にるつぼ内壁がないためるつぼが変形し難く、蒸着物質の取り除き作業がし易くなる。なお、この取り除き作業には適宜な径の金属製の棒(突出し棒)等適宜な工具が使用される。しかし、加熱溶融後、冷えて固化した部分はるつぼの内壁面に対する接触面積が広くて接合強度が大きく、突出し棒を使用しても冷却固化した部分を破砕することが難しい場合があり、強引に破砕して離脱させようとするとるつぼが変形してしまい、るつぼの寿命を短くするという問題があった。
【0007】
上記した実公平6−9011号公報に記載された蒸着用るつぼは、内壁が下方に向かって先細となるように傾斜しているため、柱状の焼結ペレットを挿入すると、焼結ペレット側面とるつぼ内壁面との間に隙間が生じる。溶融した蒸着材料がペレットの側面をつたって下方に流れ落ちない場合は容易に焼結ペレットを取り除けるが、下方に流れ落ちた場合には、ペレット側面とるつぼ内壁面との間の隙間に溜まるため、前記実開平3−18162号公報の場合と同様接触面積が広く接合強度が大きくなり、蒸着物質を破砕することが難しい。
【0008】
また、柱状焼結ペレットの下端縁のみが内壁面に接触する状態で支承されているに過ぎないために、焼結ペレット自体が傾き易く、加熱によって溶融した蒸着材料がるつぼの内壁面と焼結ペレット下端縁との隙間を通って下方に流れ落ちて損失が多くなる場合があった。この場合、蒸着材料が足りなくなったり、焼結ペレットの溶融面が下がり過ぎてしまい、これにより電子線の当たる位置も中央からずれてしまうことも加わり、蒸着膜が均一に成膜されないという問題がおきる。また、水冷銅ハース内に流れ落ちた蒸着物質を取り除く作業も必要になる。なお、このような内壁が傾斜しているるつぼから焼結ペレットを取り除く時に、るつぼ上部の開口部から突出し棒を押し込むと、焼結ペレットを内壁に押し付けることになり、無理に力を加えるとるつぼを変形させてしまうため、下部開放部から押し込む必要がある。
【0009】
上記したようなるつぼ内壁と蒸着物質との接合の程度は、蒸着物質の組成、るつぼの材質、加熱条件等により変わるが、一般に蒸着物質の熱伝導率が高いと電子線が当たった部分の周りに熱が伝わり易く、るつぼ内壁付近の溶融量が増え、接合面積が大きくなり、より一層結合強度が増す。このため、このような熱伝導率の高い蒸着物質を使う場合には従来のるつぼではさらに取り除くのが困難であった。なお、熱伝導率の高い蒸着物質の例としては酸化ニオブがある。
【0010】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、蒸着後の焼結ペレットの溶融固化した部分を容易に破砕することができ、焼結ペレットを容易にるつぼから取り除くことができるようにした蒸着装置および蒸着方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、真空装置と、前記真空装置内に設置された冷却ハースと、上方および下方に開放し、蒸着材料からなる柱状の焼結ペレットを下方に突出させて収容する空洞を有する、前記冷却ハース上に複数収納される蒸着用るつぼと、前記蒸着用るつぼに収容された焼結ペレットを、その上面中央に電子ビームを照射して加熱溶融して蒸発させる照射源とを有する蒸着装置において、前記水冷ハースは、前記複数の蒸着用るつぼを整列して摺動可能に収納する収納凹部を有しており、前記蒸着用るつぼは、前記空洞を前記焼結ペレットが嵌合する第1の空洞部と、この第1の空洞部の上側に設けられ前記焼結ペレットとの間に隙間を形成する第2の空洞部とで構成し、第1、第2の空洞部の接続部に段状部が設けられており、この蒸着用るつぼの互いに対向する2つの辺には、鍔部が一体に突設されており、るつぼの幅は前記収納凹部より小さく、前記鍔部の下面を前記収納凹部の縁に点接触または線接触で懸架され、摺動自在に前記冷却ハースに収容されているものである。
第2の発明は、蒸着材料からなる柱状の焼結ペレットを、上方および下方に開放する空洞を有する蒸着用るつぼに収容した状態で、蒸着用るつぼを冷却しながら焼結ペレットを加熱して溶融させて蒸発させ、蒸着対象物に蒸着する工程を有する蒸着方法において、前記蒸着用るつぼは、前記空洞を前記焼結ペレットが嵌合する第1の空洞部と、この第1の空洞部の上側に設けられ前記焼結ペレットとの間に隙間を形成する第2の空洞部とで構成し、第1、第2の空洞部の接続部に段状部が設けられており、前記焼結ペレットは、酸化ニオブを含有する蒸着材料からなり、その上端部が前記蒸着用るつぼの段状部より上方に位置して前記第2の空洞部との間に隙間を形成し、下端部が前記蒸着用るつぼの下方に突出した状態で前記第1の空洞部に嵌合して蒸着用るつぼに収容されており、前記加熱は、電子ビームを焼結ペレットの上面中央に照射することにより行ない、前記加熱後、前記焼結ペレットの溶融固化した部分が、前記段状部を挟んでその上方と下方に跨り、かつ上面に中央ほど深くなる凹みが形成された状態で固化するものである。
第3の発明は、上記第2の発明に係る蒸着方法において、前記蒸着工程後に、前記蒸着用るつぼに固着している焼結ペレットの前記第1の空洞部の上または下から蒸着用るつぼの内壁面に平行に力を加えることにより残存している焼 結ペレットを除去する工程を有するものである。
第4の発明は、上記第2または第3の発明に係る蒸着方法において、前記蒸着対象物が眼鏡レンズであることを特徴とするものである。
【0020】
第2の発明において、焼結ペレットの溶融固化した部分のうち段状部表面上または段状部より上方に位置する部分がるつぼ内壁面と接触しないか、接触していたとしてもその接合面積が小さい場合には、溶融固化部分のるつぼ内壁面に対する接合面積が小さくてすむため焼結ペレットを離脱させ易く、接合面積が大きい場合には、溶融した蒸着材料が環状隙間に流れ込んで半径方向外方に広がって厚さが薄くなっている上に、段状部の角部付近に対応する溶融固化した部分が応力の集中箇所となるため粉砕され易く、一部でも破砕した場合には接合強度が急激に低下するため焼結ペレットを取り除き易くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る蒸着用るつぼを冷却銅ハースに装着した状態を示す平面図、図2は本発明に係る蒸着用るつぼの第1の実施の形態を示す外観斜視図、図3は図1のIII −III 線で破断したるつぼの蒸着前の焼結ペレットを収容した状態を示す断面図、図4は蒸着後の焼結ペレットの状態を示す断面図である。これらの図において、全体を符号1で示すものは、蒸着用るつぼ(以下、単につるぼという)、2はるつぼ1に装着される焼結ペレット、3は水冷銅ハースである。
【0022】
前記るつぼ1は、焼結ペレット2を装填する空洞4を有する角筒状に形成されている。この空洞4をるつぼ1の上方および下方に開放する異径の貫通孔とすることにより、前記焼結ペレット2の下端部が嵌合し得る孔径を有する第1の空洞部4Aと、第1の空洞部4Aの上方に位置しこれより大きい孔径を有する第2の空洞部4Bとからなり、第1、第2の空洞部4A,4Bの接続部に段状部5が設けられている。段状部5は、断面形状が段状であって第1の空洞部4Aの内壁面と段状面5Aとの接続部に角部5aができるものをいう。段状面5Aは、るつぼ1の軸線に対して直交する面に限らず、若干傾斜した面であってもよい。また、るつぼ1の互いに対向する2つの辺には、水冷銅ハース3によって支持される鍔部6が一体に突設されている。鍔部6の下面と前記水冷銅ハース3との接触部は、摺動摩擦を小さくするために点接触または線接触とすることが望ましい。また、鍔部6は、るつぼ1と冷却銅ハース3の収納凹部9との間にできる隙間から収納凹部9の内部に蒸着材料が入り込むのを防止し、るつぼ1の摺動が阻害されるのを防ぐ機能をも有している。
【0023】
るつぼ1の材質としては、通常熱伝導率の高い材料、例えば銅、アルミニウム、黒鉛、タングステン等が用いられる。因みに、るつぼ1の大きさは、31(長さ)×31(幅)×12(高さ)mmのブロック状で、第1の空洞部4Aは横断面円形の空洞で孔径が22.6mm、第2の空洞部4Bも同じく横断面円形の空洞で孔径が25mmであり、上面から段状部5までの距離は5mmである。
【0024】
第1、第2の空洞部4A,4Bを横断面円形の空洞にした場合、各空洞部の内壁面が周方向において曲率一定の連続した曲面を形成して折れ曲がった面や隅角部がないため、細い棒状の工具であれば、これら空洞部の内壁面のどの部分にも確実に接触させることができ、蒸着物質の取り除きが容易である。
【0025】
前記焼結ペレット2は、蒸着材料の粉末を加圧プレスで成形し、常圧中で電気炉により1000〜1400℃に加熱して焼成処理したもので、前記第1の空洞部4Aより若干小さい外径を有する円柱状に形成されている。蒸着材料としては、眼鏡用レンズに反射防止膜を蒸着する場合、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム等が用いられる。例えば、酸化ニオブ(Nb2O5)と酸化ジルコニウム(ZrO2 )の粉末を、重量比95:5の割合で混合し、300kg/cm2 で加圧プレスした後、1300℃で24時間加熱して、直径21.8〜22.5mm、高さ15.5〜16.0mmの円柱状の焼結ペレットを製作する。
【0026】
焼結ペレット2は、るつぼ1に装填された状態において、上端部が段状部5より上方に位置して第2の空洞部4Bとの間に環状の隙間7を形成している。一方、下端部は第1の空洞部4Aに嵌合してその内壁に密接し、るつぼ1の下方に突出している。るつぼ1の下方側の開口8は、第1の空洞部4Aと同一の大きさで底部全体に開放し、上方側の開口16は第2の空洞部4Bと同一の大きさで上部全体に開放している。
【0027】
第1の空洞部4Aと焼結ペレット2との隙間は極力小さい方が溶融した蒸着材料がその隙間に流れ込まないという点で好ましいが、るつぼ1は通常熱伝導率の高い金属(例えば、銅)からなり、しかも水冷銅ハースと部分的に接触して冷却されているので、多少の隙間であればあまり流れ込まずに固まるので問題ない。
【0028】
前記水冷銅ハース3は、銅板によって円板状に形成され、その上面には前記るつぼ1を収納する8個の収納凹部9が周方向に等配されて放射状に形成されており、また肉厚内には冷却水通路10が設けられている。このような水冷銅ハース3は、真空装置内に回転自在に設置されており、電子ビーム11を焼結ペレット2の上面中央に照射し、同ペレットの表層部分を加熱溶融して蒸発させることにより、眼鏡用レンズ等の蒸着対象物に蒸着する。そして、水冷銅ハース3の外周には、使用済みのるつぼ1を収納する収納容器12が設置されている。水冷銅ハース3の構造としては、例えば実開平5−72964号公報、実公平7−45560号公報等に記載されたものが知られている。
【0029】
さらに、水冷銅ハース3について詳述すると図1では、前記るつぼ1を上記した実開平5−72964号公報に記載されている蒸着装置に適用した状態を示している。各収納凹部9には3個のるつぼ1が半径方向に整列して摺動可能にそれぞれ収納されており、外周縁に近い最も外側のるつぼ1による蒸着処理が終わると、その蒸着処理の終わったるつぼ1は、水冷銅ハース3の外周縁から前記収納容器12に摺動落下して収納されるとともに、次のるつぼ1が蒸着位置に移動され、次の蒸着処理が行われる。この収納凹部9は、るつぼ1の幅より若干大きい寸法となっており、これによって鍔部6による収納凹部9の縁に懸架された状態でるつぼ1が水冷銅ハース3の収納凹部9に沿って移動できるように構成されている。なお、この例では平面視形状が矩形で鍔部6が図1に示すように収納凹部9に整列配置されているため、摺動方向の隣接したるつぼ1間に隙間は存在せず、るつぼ1の摺動動作に支障を来すことがない。なお、符号110は電子ビーム11の照射源である。
【0030】
電子ビーム11の照射により焼結ペレット2からなる蒸着材料の表層部が加熱溶融して蒸発すると、焼結ペレット2の高さは当然のことながら徐々に減少し、上面に図3に示すように中央ほど深くなる凹部13が形成される。また、加熱溶融した蒸着材料は、環状隙間7に流れ出し、第2の空洞部4Bの内壁および段状部5の段状面5Aに接触すると冷やされて固化し固着する。
【0031】
図4は蒸着終了時の焼結ペレットの状態を示す図で、2Aは溶融した後、冷えて固化した部分、2Bは溶融されない部分である。
【0032】
蒸着が終了すると、るつぼ1を真空装置から取り出し、るつぼ1を再利用するため残った焼結ペレットをるつぼ1から離脱させる。この具体的な方法としては、例えばるつぼ1を上下反転させて焼結ペレット2をハンマーや金属製の棒(突出し棒)等の適宜な工具で叩き、溶融固化した部分2Aの外周部を破砕することで焼結ペレット2をるつぼ1から離脱させる。この場合、図4に示すように溶融固化した部分2Aの外周部が段状部5を挟んでその上方および下方に跨っていると、段状部5の角部5aに接触している部分15に加えられた力による応力が集中する。しかも、この応力の集中箇所15は、焼結ペレット2の上面の凹み13が中央に行くほど深くなることから厚さが比較的薄く、溶融固化した部分2Aのうちでは最も破砕され易い箇所のため、従来の蒸着用るつぼ(実開平3−18162号公報)に比べて焼結ペレット2の離脱作業が容易で、酸化ニオブなどのように熱伝導率が高く、るつぼ1の内壁面との接合強度が大きい蒸着材料を主成分とした焼結ペレット2を用いた場合であっても容易に離脱させることができ、るつぼ1が変形したりすることがない。なお、るつぼ1の下側から叩く例を説明したが、るつぼ1の上側から焼結ペレット2の表面を叩いても段状部5の角部5aが焼結ペレットの当該角部に対応する部分15に応力を集中させるので、同様に容易に離脱させることができる。
【0033】
溶融固化した部分2Aを破砕して焼結ペレット2をるつぼ1から離脱させたとき、溶融固化した部分2Aの一部は、るつぼ1の内壁面から離脱せず小片として残存する。この小片を取り除くには、例えば突出し棒をるつぼ1の上部または下部から挿入し、その小片を叩くなどして力を加え、破砕したり剥がしたりして取り除く。この残存する小片は、焼結ペレット2を離脱させた時に段状部5付近で破砕するため分断され、接合面積が小さくなっており、容易に取り除くことができる。なお、図3A部に示すように段状部5の段状面5Aと第2の空洞部4Bの内壁面との接合部である隅角部5cを曲面に形成してもよい。このようにすると突き出し棒などの工具を隅角部に接触させ易くなるため、隅角部に残存した小片を取り除き易くなる。
【0034】
図5(a)〜(c)は溶融固化した部分の形態を示す図である。
同図(a)は、上面側の溶けて固まった部分2Aが第2の空洞部4Bの壁面にまで到達しないで蒸着を終了したときの状態を示す。この場合は第2の空洞部4Bでは内壁に接していないため、接合部は第1の空洞部4Aの内壁だけなので、接合面積が小さく、溶融固化した部分2Aを破砕するだけで焼結ペレット2をるつぼ1から容易に離脱させることができる。
【0035】
同図(b)は溶融固化した部分2Aの一部が段状部5の上面および第2の空洞部4Bの壁面にまで到達した状態で蒸着を終了したときの状態を示す。この場合は、第2の空洞部4Bでは内壁に一部しか接していないため接合面積は小さい上に、この一部接合した部分は段状部5の角部5aにより応力の集中箇所ができ、溶融固化した部分2Aを容易に破砕することができる。内壁面に残存する小片は、段状部5の付近で分断され接合面積が小さいため、容易に除去することができる。
【0036】
同図(c)は溶融固化した部分2Aが段状部5の上面および第2の空洞部4Bの壁面の略全周にわたって到達した状態で蒸着を終了したときの状態を示す。この場合は、これら3つの形態の中で最も接合面積が大きいが、同図(b)と同様に段状部5の角部5aにより応力の集中箇所ができるため、溶融固化した部分2Aを容易に破砕することができる。また、内壁面に残存する小片は、(b)と同様の理由で接合面積が小さいため、容易に除去することができる。
【0037】
次に、本発明の段状部のるつぼ軸線方向の位置を検討する。
段状部を設けていないるつぼを使用し、それ以外は同じ条件で蒸着を行い、良好に蒸着ができたときの蒸着後のるつぼ1を多数観察したところ、るつぼ1の上面から約0〜3mm下がった位置から下側へ約5〜10mmの幅で溶融固化した部分2Aの外周部が固着しているものが多かった。このときの焼結ペレット2の上面の中心高さは、るつぼ1の上面から約8〜10mm下がった所であった。段状部5は、溶融固化した部分2Aの中間くらいの高さに設けた方がより効果的であるから、るつぼ1の上面から5mm程度下がった位置に段状部5を設けた。中間位の高さが効果的な理由は、中間からずれる程段状部5の上下のいずれか一方の固着面積が大きくなり、取り除き難くなるためである。勿論、この段状部5を設ける位置は、焼結ペレット2の蒸発量によって異なるので、条件としては、図3に示すようにるつぼ1の高さをY、蒸着終了時に溶融固化し内壁に固着した部分の厚さをXとすると、段状部5の形成位置を、るつぼ1の上面からX/2だけ下がった位置P1 から、下面よりもX/2だけ上がった位置P2 までの範囲内とすることが好ましい。この範囲外では段状部を溶融固化した部分の中間位にもってくることは難しくなる。つまり、P1 位置より上で中間位にしようとすると、溶融した蒸着物質が上からはみ出す可能性が高くなり、P2 位置より下で中間位にしようとすると溶融した蒸着物質がるつぼ1の下側から流れ出す可能性が高くなる。なお、Xの値は変動幅が大きいため、平均値を使用したり、安全を見て最大値を使ってもよい。また、蒸着終了時に溶融固化した部分2Aの外周部は、図4に示すように段状部5を挟んでその上方と下方に跨がっていることが望ましい。また、Xの値は蒸着材料や蒸着条件などにより変わるので、それらに合わせて段状部5の高さ(形成位置)を適宜設定することが望ましい。
【0038】
図6は本発明の第2の実施の形態を示す一部破断斜視図である。
この実施の形態は、焼結ペレット22を角柱状に形成し、るつぼ20に前記角柱状の焼結ペレット22を装填可能な横断面矩形の段付き空洞21を設けたものである。空洞21は、焼結ペレット22と略同形状の横断面角形からなる第1の空洞部21Aと、これより大きい横断面角形の第2の空洞部21Bとからなり、これら両空洞部の境部に段状部23を設けている。また、この実施の形態はるつぼ20の下側の開口を部分的に開放するようにしたものである。このため、るつぼ20は底板24を有し、この底板24の中央に焼結ペレット22を押し出すための突出し棒が差し込まれる孔25を設けている。
【0039】
このような構造においても、上記した実施の形態と同様に段状部23を備えているので、蒸着後の焼結ペレット22を容易に離脱させることができることは明らかであろう。しかし、この場合、焼結ペレット22を上から叩くと底板24を押し付けるため、るつぼ20が変形する可能性があるので、焼結ペレット22を離脱させるには下側の孔25から工具で叩く必要がある。
【0040】
図7および図8は本発明の第3の実施の形態を示す斜視図および断面図である。この実施の形態は、水冷銅ハース3に丸いテーパ状の凹部30を設け、るつぼ31を前記凹部30に嵌合し得るように外形状を下端側が上端側より小径となる逆截頭円錐形に形成したものである。その他の構造は図1に示した実施の形態と略同一であるため、同一構成部分については同一符号をもって示す。
【0041】
このような構造においても、上記した実施の形態と同様に段状部5を備えているので、蒸着後の焼結ペレット2を容易に離脱させることができる。
【0042】
ここで、上記した実施の形態においては、いずれも段状部5,23の角部(5a)が略直角の場合の例を示したが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。段状部5,23は角部5aの角度が小さいほど段状部5,23の角部5aにより発生する応力がより集中し易いので、るつぼ1,20の内壁面に固着している溶融固化した部分の破砕が容易になるという利点があり、段状部5の角部5aの角度が大きいほど第2の空洞部の内壁と段状面5Aよりなる隅角部5cの角度が大きくなるため、この隅角部5cに残存する小片を取り除き易いという利点がある。これらの両方の利点を併せ持つという点では、段状部の角部の角度は直角に近いとより好ましい。
【0043】
図9は本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。
この実施の形態は段状部5の角部5aの角度を90°より大きくした例を示す。すなわち、段状部5の段状面5Aをるつぼ1の中心に向かって傾斜するテーパ面に形成したものである。このような構造においても溶融固化した焼結ペレットに外力を加えたとき、角部5aに対応する部分に応力を集中させることができるため、上記した実施の形態と同様な効果が得られることは明らかであろう。
【0044】
図10は本発明の第5の実施の形態を示す断面図である。
るつぼ1は、上方および下方に開放した貫通孔からなる空洞4を有し、この空洞4を焼結ペレット2の下端部が嵌合し得る穴径を有する第1の空洞部4Aと、この第1の空洞部4Aの上方に位置しこれより大きな穴径を有する第2の空洞部4Bとで構成し、これらの空洞部の接続部に段状部5を2段に設けている。このため、段状部5は2つの段状面5A,5Aと、2つの角部5a,5aを有している。なお、段状部5は2段に限らず3段以上であってもよい。
【0045】
このように2段の段状部5を設けた場合は、焼結ペレット2の蒸着終了時に溶融固化した部分の外周部の高さは、少なくとも1つの段状部5を挟んでその上方と下方に跨っていることが望ましい。これにより少なくとも1つの段状部の角部5a付近に対応する溶融固化した部分に応力集中箇所ができるので、蒸着後の焼結ペレットを容易に離脱させることができる。また、2段の段状部5に跨って溶融固化部分が固着している場合はそれぞれの角部5aに応力集中箇所ができるので、内壁面に残存する小片はそれぞれの段状部5付近で分断され易くなり容易に除去することができるという利点がある。
また、段状部5を複数段にすることにより溶融固化した部分の高さ位置や高さ幅が変動した場合でも、溶融固化した部分に段状部5が位置している可能性が高くなるという利点もある。
【0046】
図11は本発明の第6の実施の形態を示す外観斜視図である。
るつぼ1は、上方および下方に開放した貫通孔からなる空洞4を有し、この空洞4を焼結ペレット2の下端部が嵌合し得る穴径を有する第1の空洞部4Aと、この第1の空洞部4Aの上方に位置しこれより大きな穴径を有する第2の空洞部4Bとで構成し、これらの空洞部の接続部に段状部5を設けている。また、第2の空洞部4Bを4つの突条部40によって周方向において4分割している。突条部40は、段状部5の段状面5A上に第2の空洞部4Bの内壁面に沿って周方向の等間隔をおいて一体に突設されている。突条部40のるつぼ径方向の寸法は、焼結ペレット2の第1の空洞部4Aへの嵌挿を阻害しないように段状面5Aの幅(るつぼ径方向の寸法)と同一で、上面内側角部40aが焼結ペレット2の嵌挿を容易にするため円弧状に面取りされている。したがって、突条部40の空洞部径方向中心側に向いた面40bは、第1の空洞部4Aの内壁面と同一面を形成している。突条部40の高さは、るつぼ1の上面にまで達する高さとしたが、これに限らず諸条件に応じて適宜な高さとすることができる。
【0047】
このような構造からなるるつぼ1においては、段状部5の角部5aに加えて突条部40の角部も焼結ペレット2に対して応力集中箇所となるので、第2の空洞部4Bの内壁面に溶融固化したペレットを内壁面の周方向において分断し易くなるという利点がある。なお、第1の空洞部4Aと第2の空洞部4Bとの間の段状部5が存在する領域は、突条部4の存在する領域よりも大きいほど蒸着後の焼結ペレット2を容易に離脱できる。また、このような突条体を設けることにより焼結ペレット2を第2の空洞部4B側から挿入するときに段状部5で引っ掛かることがないので、焼結ペレット2のるつぼ1への装着も容易になる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る蒸着用るつぼおよびその使用方法によれば、溶融固化した蒸着材料が第2の空洞部に接触していない場合には接触面積が小さく焼結ペレットの離脱作業が容易であり、また段状部に接合している場合にはその角部が溶融固化した蒸着材料に対して応力を集中させる箇所となり容易に破砕することができるため、この場合も焼結ペレットの離脱作業が容易である。したがって、離脱作業時にるつぼを変形させるおそれがなく、るつぼの長寿命化を図ることができ、また、るつぼの空洞部内に段状部を設けるだけでよいので構造も簡単で、容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蒸着用るつぼを冷却銅ハースに装着した状態を示す平面図である。
【図2】 本発明に係る蒸着用るつぼの第1の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図3】 図1のIII −III 線で破断したるつぼの蒸着前の焼結ペレットを収容した状態を示す断面図である。
【図4】 蒸着後の焼結ペレットの状態を示す断面図である。
【図5】 (a)〜(c)は段状部部付近に溶融固着した部分の形態を示す図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態を示す一部破断斜視図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】 断面図である。
【図9】 本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図10】 本発明の第5の実施の形態を示す断面図である。
【図11】 本発明の第6の実施の形態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1…蒸着用るつぼ、2…焼結ペレット、3…水冷銅ハース、4…空洞、4A…第1の空洞部、4B…第2の空洞部、5…段状部、5A…段状面、5a…角部、5c…隅角部、7…環状の隙間、8…下面側の開口、16…上面側の開口、20…るつぼ、21…空洞、21A…第1の空洞部、21B…第2の空洞部、23…段状部、31…るつぼ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is for accommodating a vapor deposition material formed as a sintered pellet. Vapor deposition apparatus and vapor deposition method About.
[0002]
[Prior art]
An evaporation apparatus that uses an electron beam as a heat source to melt and evaporate the evaporation material and deposit the evaporation material on an evaporation object such as a substrate or a lens for spectacles, installs an evaporation crucible with an open top in a water-cooled copper hearth. The vapor deposition material formed as a sintered pellet is loaded, and an electron beam is irradiated from above the sintered pellet in a vacuum atmosphere to melt and evaporate the sintered pellet, thereby depositing the deposition target. ing.
[0003]
When the vapor deposition is completed, the vapor deposition material is cooled and solidified, but when the molten portion of the sintered pellet is cooled and solidified in contact with the inner wall of the crucible, the portion is fixed to the inner wall of the crucible. Since the bonding strength of the fixed portion to the crucible is strong, to reuse the crucible, the molten pellet of the sintered pellet is crushed by an appropriate tool and crushed, and the sintered pellet is detached from the crucible. The small pieces remaining on the inner wall surface of the crucible also need to be removed by hitting or scraping with an appropriate tool. However, this operation is very difficult, and there is a problem that the crucible is deformed or broken when it is crushed forcefully. Therefore, the crucible for vapor deposition is required to have a shape and structure that facilitates removal of the sintered pellet after vapor deposition.
[0004]
Therefore, various types of crucibles for vapor deposition have been proposed. For example, an evaporation crucible described in Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-18162 has a crucible having a substantially circular cross section, with the upper and lower portions of the crucible being opened, and a cavity containing the sintered pellet being substantially circular in cross section. It is substantially the same as the outer diameter.
[0005]
In addition, the crucible for vapor deposition described in Japanese Utility Model Publication No. 6-9011 is such that the upper and lower portions of the crucible are opened, and the internal space of the crucible containing the sintered pellets is tapered from the upper portion toward the lower portion. The side wall is inclined.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The crucible for vapor deposition described in the above-mentioned Japanese Utility Model Publication No. 3-18162 has an open upper and lower part of the crucible, so that a tool can be inserted from either the upper or lower side, and since it is a straight hole, the inner wall from the opening side However, when a force is applied in a direction parallel to the crucible, the crucible is difficult to deform because there is no crucible inner wall in that direction, and the work of removing the vapor deposition material is facilitated. An appropriate tool such as a metal rod (protruding rod) having an appropriate diameter is used for the removing operation. However, after heating and melting, the cooled and solidified part has a large contact area with the inner wall surface of the crucible and has high bonding strength, and it may be difficult to crush the solidified part even if a protruding bar is used. There was a problem that the crucible to be crushed and detached would be deformed and shorten the life of the crucible.
[0007]
Since the evaporation crucible described in the above-mentioned Japanese Utility Model Publication No. 6-9011 is inclined so that the inner wall tapers downward, inserting a columnar sintered pellet into the crucible on the side of the sintered pellet. A gap is formed between the inner wall surface. If the molten deposition material does not flow down the side of the pellet, the sintered pellet can be easily removed, but if it flows down, it accumulates in the gap between the side wall of the pellet and the inner wall of the crucible. As in the case of Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-18162, the contact area is wide and the bonding strength is increased, so that it is difficult to crush the deposited material.
[0008]
In addition, since only the lower end edge of the columnar sintered pellet is supported in a state in contact with the inner wall surface, the sintered pellet itself tends to tilt, and the vapor deposition material melted by heating is sintered with the inner wall surface of the crucible. In some cases, the loss flowed down through the gap between the lower edge of the pellet and increased. In this case, there is a problem that the vapor deposition material is insufficient, or the melting surface of the sintered pellet is lowered too much, and the position where the electron beam hits is also shifted from the center, and the vapor deposition film is not uniformly formed. It happens. In addition, it is necessary to remove the deposited material that has flowed down into the water-cooled copper hearth. When removing the sintered pellet from the crucible whose inner wall is inclined, if the rod protrudes from the opening at the top of the crucible and pushes the rod, the sintered pellet will be pressed against the inner wall, and the crucible will be forced to apply force. Needs to be pushed in from the lower opening.
[0009]
The degree of bonding between the inner wall of the crucible and the vapor deposition material as described above varies depending on the composition of the vapor deposition material, the material of the crucible, the heating conditions, etc., but generally around the portion where the electron beam hits when the thermal conductivity of the vapor deposition material is high. Therefore, heat is easily transferred, the amount of melting in the vicinity of the inner wall of the crucible increases, the bonding area increases, and the bond strength further increases. For this reason, when using such a vapor deposition material having a high thermal conductivity, it has been difficult to remove with a conventional crucible. An example of a vapor deposition material having high thermal conductivity is niobium oxide.
[0010]
The present invention has been made in order to solve the above-described conventional problems, and the object of the present invention is to easily crush the melted and solidified portion of the sintered pellet after vapor deposition. It can be removed from the crucible Vapor deposition apparatus and vapor deposition method Is to provide.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the
First 2 In this invention, a columnar sintered pellet made of a vapor deposition material is accommodated in a vapor deposition crucible having a cavity open upward and downward, and the sintered pellet is heated and melted while cooling the vapor deposition crucible. In the vapor deposition method including the step of evaporating and vapor-depositing on an object to be vapor-deposited, the vapor deposition crucible is provided with a first cavity portion into which the sintered pellet is fitted and an upper side of the first cavity portion. And a second cavity that forms a gap with the sintered pellet, and a stepped portion is provided at the connecting portion of the first and second cavities, It consists of a vapor deposition material containing niobium oxide, its upper end is located above the stepped portion of the vapor deposition crucible and forms a gap with the second cavity, and its lower end is the vapor deposition crucible Fitted in the first cavity in a state protruding downward The heating is performed by irradiating the center of the upper surface of the sintered pellet with an electron beam. After the heating, the melted and solidified portion of the sintered pellet is the stepped portion. It is solidified in a state where a dent is formed so as to straddle the upper and lower sides of the film and deeper toward the center on the upper surface.
First 3 The invention of the above 2 In the vapor deposition method according to the invention, after the vapor deposition step, a force is applied in parallel to the inner wall surface of the vapor deposition crucible from above or below the first cavity of the sintered pellet fixed to the vapor deposition crucible. The step of removing the remaining sintered pellet is provided.
First 4 The invention of the above 2 Or second 3 In the vapor deposition method according to the invention, the vapor deposition object is a spectacle lens.
[0020]
First 2 In the present invention, the portion located on the surface of the stepped portion or above the stepped portion of the melted and solidified portion of the sintered pellet is not in contact with the inner wall surface of the crucible, or even if the contact area is small Therefore, the sintered pellet can be easily detached because the joining area of the melted and solidified portion with respect to the inner wall surface of the crucible is small, and when the joining area is large, the molten deposition material flows into the annular gap and spreads outward in the radial direction. In addition, the melted and solidified part corresponding to the vicinity of the corners of the stepped part becomes a concentrated point of stress, so that it is easy to be crushed. Since it falls, it becomes easy to remove a sintered pellet.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments shown in the drawings.
FIG. 1 is a plan view showing a state in which a vapor deposition crucible according to the present invention is mounted on a cooling copper hearth, FIG. 2 is an external perspective view showing a first embodiment of the vapor deposition crucible according to the present invention, and FIG. Sectional drawing which shows the state which accommodated the sintered pellet before vapor deposition of the crucible fractured | ruptured by the III-III line of FIG. 1, FIG. 4 is sectional drawing which shows the state of the sintered pellet after vapor deposition. In these drawings, what is generally indicated by
[0022]
The
[0023]
As the material of the
[0024]
When the first and
[0025]
The
[0026]
In the state in which the
[0027]
The gap between the
[0028]
The water-cooled
[0029]
Further, the water-cooled
[0030]
When the surface layer portion of the vapor deposition material made of the
[0031]
FIG. 4 is a diagram showing the state of the sintered pellet at the end of vapor deposition, where 2A is a portion that has been melted and then cooled and solidified, and 2B is a portion that is not melted.
[0032]
When vapor deposition is completed, the
[0033]
When the melted and solidified
[0034]
FIGS. 5A to 5C are views showing the form of the melted and solidified portion.
FIG. 4A shows a state when the deposition is completed without the melted and
[0035]
FIG. 5B shows a state when the vapor deposition is finished in a state where a part of the melted and solidified
[0036]
FIG. 5C shows a state when the vapor deposition is completed in a state where the melted and solidified
[0037]
Next, the position of the stepped portion of the present invention in the crucible axial direction will be examined.
Using a crucible that is not provided with a stepped portion, otherwise performing vapor deposition under the same conditions, and observing a number of
[0038]
FIG. 6 is a partially broken perspective view showing a second embodiment of the present invention.
In this embodiment, the
[0039]
Even in such a structure, since the stepped
[0040]
7 and 8 are a perspective view and a cross-sectional view showing a third embodiment of the present invention. In this embodiment, the water-cooled
[0041]
Even in such a structure, since the stepped
[0042]
Here, in each of the above-described embodiments, an example in which the corners (5a) of the stepped
[0043]
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a fourth embodiment of the present invention.
This embodiment shows an example in which the angle of the
[0044]
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a fifth embodiment of the present invention.
The
[0045]
When the two stepped
Moreover, even when the height position and the height width of the melted and solidified portion are changed by making the stepped
[0046]
FIG. 11 is an external perspective view showing a sixth embodiment of the present invention.
The
[0047]
In the
[0048]
【The invention's effect】
As described above, according to the crucible for vapor deposition and the method of using the same according to the present invention, when the melted and solidified vapor deposition material is not in contact with the second cavity, the contact area is small and the detachment operation of the sintered pellet is performed. It is easy, and when it is joined to the stepped part, the corner part becomes a spot where the stress is concentrated on the melted and solidified vapor deposition material and can be easily crushed. Detachment work is easy. Therefore, there is no possibility of deforming the crucible during the detachment work, the life of the crucible can be extended, and the structure is simple because it is only necessary to provide a stepped portion in the crucible cavity. Can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a state in which a vapor deposition crucible according to the present invention is attached to a cooled copper hearth.
FIG. 2 is an external perspective view showing a first embodiment of a vapor deposition crucible according to the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a state in which a sintered pellet before deposition of a crucible broken along line III-III in FIG. 1 is accommodated.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a state of sintered pellets after vapor deposition.
FIGS. 5A to 5C are views showing a form of a portion melted and fixed in the vicinity of a stepped portion.
FIG. 6 is a partially broken perspective view showing a second embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view showing a third embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 11 is an external perspective view showing a sixth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記水冷ハースは、前記複数の蒸着用るつぼを整列して摺動可能に収納する収納凹部を有しており、The water-cooled hearth has an accommodating recess that slidably accommodates the plurality of vapor deposition crucibles,
前記蒸着用るつぼは、前記空洞を前記焼結ペレットが嵌合する第1の空洞部と、この第1の空洞部の上側に設けられ前記焼結ペレットとの間に隙間を形成する第2の空洞部とで構成し、第1、第2の空洞部の接続部に段状部が設けられており、The crucible for vapor deposition is a second cavity that is provided on the upper side of the first cavity and the sintered pellet that forms a gap between the first cavity where the sintered pellet fits into the cavity. A step portion is provided at the connection portion between the first and second cavities,
この蒸着用るつぼの互いに対向する2つの辺には、鍔部が一体に突設されており、On the two opposite sides of this vapor deposition crucible, a flange is integrally projected.
るつぼの幅は前記収納凹部より小さく、前記鍔部の下面を前記収納凹部の縁に点接触または線接触で懸架され、摺動自在に前記冷却ハースに収容されているThe width of the crucible is smaller than that of the storage recess, the lower surface of the flange is suspended from the edge of the storage recess by point contact or line contact, and is slidably received in the cooling hearth.
ことを特徴とする蒸着装置。The vapor deposition apparatus characterized by the above-mentioned.
前記蒸着用るつぼは、前記空洞を前記焼結ペレットが嵌合する第1の空洞部と、この第1の空洞部の上側に設けられ前記焼結ペレットとの間に隙間を形成する第2の空洞部とで構成し、第1、第2の空洞部の接続部に段状部が設けられており、The crucible for vapor deposition is a second cavity that is provided on the upper side of the first cavity and the sintered pellet that forms a gap between the first cavity where the sintered pellet fits into the cavity. A step portion is provided at the connection portion between the first and second cavities,
前記焼結ペレットは、酸化ニオブを含有する蒸着材料からなり、その上端部が前記蒸着用るつぼの段状部より上方に位置して前記第2の空洞部との間に隙間を形成し、下端部が前記蒸着用るつぼの下方に突出した状態で前記第1の空洞部に嵌合して蒸着用るつぼに収容されており、The sintered pellet is made of a vapor deposition material containing niobium oxide, and an upper end portion of the sintered pellet is positioned above the stepped portion of the vapor deposition crucible to form a gap between the second cavity portion and a lower end. The portion is fitted in the first cavity with the portion protruding below the vapor deposition crucible, and is accommodated in the vapor deposition crucible,
前記加熱は、電子ビームを焼結ペレットの上面中央に照射することにより行ない、The heating is performed by irradiating the center of the upper surface of the sintered pellet with an electron beam,
前記加熱後、前記焼結ペレットの溶融固化した部分が、前記段状部を挟んでその上方と下方に跨り、かつ上面に中央ほど深くなる凹みが形成された状態で固化するAfter the heating, the melted and solidified portion of the sintered pellet is solidified in a state where a dent is formed so as to straddle the upper and lower sides of the stepped portion and deeper toward the center on the upper surface.
ことを特徴とする蒸着方法。The vapor deposition method characterized by the above-mentioned.
前記蒸着工程後に、前記蒸着用るつぼに固着している焼結ペレットの前記第1の空洞部の上または下から蒸着用るつぼの内壁面に平行に力を加えることにより残存している焼結ペレットを除去する工程を有することを特徴とする蒸着方法。After the vapor deposition step, the sintered pellet remaining by applying a force in parallel to the inner wall surface of the vapor deposition crucible from above or below the first cavity of the sintered pellet fixed to the vapor deposition crucible. A vapor deposition method characterized by comprising a step of removing.
前記蒸着対象物が眼鏡レンズであることを特徴とする蒸着方法。 The vapor deposition method, wherein the vapor deposition object is a spectacle lens.
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