JP4205781B2 - トルク制限式回転締付け装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明はトルク制限式回転締付け装置、さらに詳しく言えば締付けの際はその締付けトルクがほぼ所望の大きさに制限され、逆回転して締付け状態を緩めるときはトルクが制限されることのないトルク制限式回転締付け装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
表記の目的ないし趣旨に似た内容のトルク制限式回転締付け装置は従来全くなかつたわけではないが、形状が概して中空円柱状をなして長軸形のナットと全く同様の使い勝手を持つものはこれまでになかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このため本発明では形状が概して中空円柱状をなして長軸形のナットと全く同様の使い勝手を持ち、締付けトルクは所望の大きさに制限できるが、緩めるときは制限なく大きいトルクをかけることのできる装置の開発を指向している。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この発明は上述の課題を解決するためになされたものであって、請求項１の発明によるその解決手段は、一端がトルク付加部である概して中空円柱状をなしその中空部に同軸的にばね収納部および凹部の穿設された本体と、前記ばね収納部の段部に形成される摩擦係合面と、概して中空円柱状をなし前記本体の内側に同軸的に取り付けられ、内周部におねじ軸に螺合するめねじ部が形成され、外周の段丘部の端面に前記摩擦係合面に対面係合する別の摩擦係合面が形成されるねじ筒と、前記ねじ筒の外周の前記凹部に対応する位置に形成されるラチェットと、前記本体に回動自在に取付けられ、前記凹部内において前記ラチェットに係合する係止爪と、前記ばね収納部内において前記段丘部を前記摩擦係合面に押しつける押圧ばねとを有するトルク制限式回転締付け装置である。
【０００５】
【発明の実施の形態】
図１ないし図３について本発明の一実施例を説明する。符号１に示すものは概して中空円柱状の本体であって、その一端はたとえば六角頭状のトルク付加部１Ａとなっている。またその内周部にはトルク付加部１Ａと反対の他端に近くばね収納部１１が同軸的に半径方向外方に穿設され、またこれと壁面で軸方向に離隔された位置には凹部１２が同様に同軸的に穿設される。
【０００６】
ばね収納部１１の軸方向のトルク付加部１Ａ寄りの円輪状の端面１３は、図２について後述する摩擦係合面２１と全く同様に壁面から摩擦係合用の突条が隆起している摩擦係合面となっている。
【０００７】
本体１の中空部には概して中空円柱状のねじ筒２が同軸的に回転自在に配置される。このねじ筒２の中程には半径方向外方に段丘部２４が延び、また内周部にはこの装置を取り付けるべきねじ軸５に螺合するめねじ部２２が形成される。
【０００８】
段丘部２４の摩擦係合面１３に相対する端面はこれと全く同様に突条２１Ａが隆起形成された摩擦係合面２１となっている。また本体１の凹部１２に対応する外周部には図２に明示されるようにラチェット２３が形成される。
【０００９】
本体１のばね収納部１１にはコイル状の押圧ばね３が、ねじ筒２の段丘部２４を本体の摩擦係合面１３に押しつけるように嵌挿配設される。この結果本体１の摩擦係合面１３とねじ筒２の摩擦係合面２１とが互いに押し合う形となり、当然のことながらその押しつけ力の大きさに比例して両者の相対回転に対する摩擦抵抗力が増減するわけである。
【００１０】
凹部１２内においては、本体１側にたとえば円周等分２個所程度に係止爪４が回動自在に取り付けられ、線ばね４１によってラチェット２３に係合する方向に常時回動力を与えられている。このため図２から自明なように、トルク付加部１Ａを矢印方向に回転するときだけ係止爪４がラチェット２３に係合してねじ筒２を同方向に回転させるようになっている。
【００１１】
つぎにこの発明装置の使用法を説明しよう。ねじ軸５に嵌挿したものの脱出を抑えるためのストッパとして使用するときなど、あまりに締付けトルクを掛け過ぎるとそのものが壊れるような場合に応用できる。
【００１２】
普通のナットを締める要領でトルク付加部１Ａをその側から見て右に回せばよい。こうすれば係止爪４はラチェット２３から外れてラチェットに対しては空回りし、ただ摩擦係合面１３と同２１との間の摩擦力によってだけねじ筒２を回転させ、したがってねじ軸５に沿って（図１について右方に）前進させる。
【００１３】
ねじ筒２が対象物に当たって押し、この押し力が所望の設定値より大きくなり過ぎるときは摩擦係合面１３と同２１との間は滑りはじめ、その対象物を押圧し過ぎて壊すおそれはない。このためには両摩擦面１３と２１の間の摩擦力を所定の大きさにあらかじめ調節しておけばよい。このためには押圧ばね３のばね力を調節すればよいわけであるが、もちろんばね力を増せば摩擦係合力が増し、これは正比例の関係にある。
【００１４】
しかしながら緩める目的をもって本装置のトルク付加部１Ａを逆方向（図２の矢印方向）に回転させるときは、係止爪４が常にラチェット２３に係合し、どんなに大きい力をかけても滑ることなく確実にねじ筒２を緩めることができる。
【００１５】
【発明の効果】
この発明によれば、形状が長軸形をなしているからナットと同様の簡便な使い方ができ、また締めるときはその締付けトルクを所望の値に制限できるから締付け取付け物を破壊させるおそれがなく、また緩める場合はどんなに大きい力を掛けても滑ることがないから締付け部が古くなって錆びついた場合などでも外れなくなる心配はないなどの利点があり、ドラムの取付けなどに広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例装置を示す簡略側断面図である。
【図２】図１のＡＡ線に沿う横断面図である。
【図３】摩擦係合面２１の端面図である。
【符号の説明】
１ 本体
１Ａ トルク付加部
１１ ばね収納部
１２ 凹部
１３ 摩擦係合面
２ ねじ筒
２１ 摩擦係合面
２１Ａ 突条
２２ めねじ部
２３ ラチェット
２４ 段丘部
３ 押圧ばね
４ 係止爪
４１ 線ばね
５ おねじ軸
【発明の属する技術分野】
この発明はトルク制限式回転締付け装置、さらに詳しく言えば締付けの際はその締付けトルクがほぼ所望の大きさに制限され、逆回転して締付け状態を緩めるときはトルクが制限されることのないトルク制限式回転締付け装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
表記の目的ないし趣旨に似た内容のトルク制限式回転締付け装置は従来全くなかつたわけではないが、形状が概して中空円柱状をなして長軸形のナットと全く同様の使い勝手を持つものはこれまでになかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このため本発明では形状が概して中空円柱状をなして長軸形のナットと全く同様の使い勝手を持ち、締付けトルクは所望の大きさに制限できるが、緩めるときは制限なく大きいトルクをかけることのできる装置の開発を指向している。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この発明は上述の課題を解決するためになされたものであって、請求項１の発明によるその解決手段は、一端がトルク付加部である概して中空円柱状をなしその中空部に同軸的にばね収納部および凹部の穿設された本体と、前記ばね収納部の段部に形成される摩擦係合面と、概して中空円柱状をなし前記本体の内側に同軸的に取り付けられ、内周部におねじ軸に螺合するめねじ部が形成され、外周の段丘部の端面に前記摩擦係合面に対面係合する別の摩擦係合面が形成されるねじ筒と、前記ねじ筒の外周の前記凹部に対応する位置に形成されるラチェットと、前記本体に回動自在に取付けられ、前記凹部内において前記ラチェットに係合する係止爪と、前記ばね収納部内において前記段丘部を前記摩擦係合面に押しつける押圧ばねとを有するトルク制限式回転締付け装置である。
【０００５】
【発明の実施の形態】
図１ないし図３について本発明の一実施例を説明する。符号１に示すものは概して中空円柱状の本体であって、その一端はたとえば六角頭状のトルク付加部１Ａとなっている。またその内周部にはトルク付加部１Ａと反対の他端に近くばね収納部１１が同軸的に半径方向外方に穿設され、またこれと壁面で軸方向に離隔された位置には凹部１２が同様に同軸的に穿設される。
【０００６】
ばね収納部１１の軸方向のトルク付加部１Ａ寄りの円輪状の端面１３は、図２について後述する摩擦係合面２１と全く同様に壁面から摩擦係合用の突条が隆起している摩擦係合面となっている。
【０００７】
本体１の中空部には概して中空円柱状のねじ筒２が同軸的に回転自在に配置される。このねじ筒２の中程には半径方向外方に段丘部２４が延び、また内周部にはこの装置を取り付けるべきねじ軸５に螺合するめねじ部２２が形成される。
【０００８】
段丘部２４の摩擦係合面１３に相対する端面はこれと全く同様に突条２１Ａが隆起形成された摩擦係合面２１となっている。また本体１の凹部１２に対応する外周部には図２に明示されるようにラチェット２３が形成される。
【０００９】
本体１のばね収納部１１にはコイル状の押圧ばね３が、ねじ筒２の段丘部２４を本体の摩擦係合面１３に押しつけるように嵌挿配設される。この結果本体１の摩擦係合面１３とねじ筒２の摩擦係合面２１とが互いに押し合う形となり、当然のことながらその押しつけ力の大きさに比例して両者の相対回転に対する摩擦抵抗力が増減するわけである。
【００１０】
凹部１２内においては、本体１側にたとえば円周等分２個所程度に係止爪４が回動自在に取り付けられ、線ばね４１によってラチェット２３に係合する方向に常時回動力を与えられている。このため図２から自明なように、トルク付加部１Ａを矢印方向に回転するときだけ係止爪４がラチェット２３に係合してねじ筒２を同方向に回転させるようになっている。
【００１１】
つぎにこの発明装置の使用法を説明しよう。ねじ軸５に嵌挿したものの脱出を抑えるためのストッパとして使用するときなど、あまりに締付けトルクを掛け過ぎるとそのものが壊れるような場合に応用できる。
【００１２】
普通のナットを締める要領でトルク付加部１Ａをその側から見て右に回せばよい。こうすれば係止爪４はラチェット２３から外れてラチェットに対しては空回りし、ただ摩擦係合面１３と同２１との間の摩擦力によってだけねじ筒２を回転させ、したがってねじ軸５に沿って（図１について右方に）前進させる。
【００１３】
ねじ筒２が対象物に当たって押し、この押し力が所望の設定値より大きくなり過ぎるときは摩擦係合面１３と同２１との間は滑りはじめ、その対象物を押圧し過ぎて壊すおそれはない。このためには両摩擦面１３と２１の間の摩擦力を所定の大きさにあらかじめ調節しておけばよい。このためには押圧ばね３のばね力を調節すればよいわけであるが、もちろんばね力を増せば摩擦係合力が増し、これは正比例の関係にある。
【００１４】
しかしながら緩める目的をもって本装置のトルク付加部１Ａを逆方向（図２の矢印方向）に回転させるときは、係止爪４が常にラチェット２３に係合し、どんなに大きい力をかけても滑ることなく確実にねじ筒２を緩めることができる。
【００１５】
【発明の効果】
この発明によれば、形状が長軸形をなしているからナットと同様の簡便な使い方ができ、また締めるときはその締付けトルクを所望の値に制限できるから締付け取付け物を破壊させるおそれがなく、また緩める場合はどんなに大きい力を掛けても滑ることがないから締付け部が古くなって錆びついた場合などでも外れなくなる心配はないなどの利点があり、ドラムの取付けなどに広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例装置を示す簡略側断面図である。
【図２】図１のＡＡ線に沿う横断面図である。
【図３】摩擦係合面２１の端面図である。
【符号の説明】
１ 本体
１Ａ トルク付加部
１１ ばね収納部
１２ 凹部
１３ 摩擦係合面
２ ねじ筒
２１ 摩擦係合面
２１Ａ 突条
２２ めねじ部
２３ ラチェット
２４ 段丘部
３ 押圧ばね
４ 係止爪
４１ 線ばね
５ おねじ軸
Claims (1)
- 一端がトルク付加部（１Ａ）である中空円柱状をなしその中空部に同軸的にばね収納部（１１）および凹部（１２）の穿設された本体（１）と、
中空円柱状をなし前記本体（１）の内側に同軸的に取り付けられ、内周部におねじ軸（５）に螺合するめねじ部（２２）が形成され、外周の段丘部（２４）の端面に摩擦係合面（１３）が形成されているねじ筒（２）と、
前記ねじ筒（２）の外周面の前記凹部（１２）に対応する位置に設けられたラチェット（２３）と、
前記ばね収納部（１１）内に介装され、前記摩擦係合面（１３）を前記ばね収納部（１１）の段部に形成される摩擦係合面（１３）に押しつける押圧ばね（３）と、
を有し、
前記ラチェット（２３）は円盤状であって、その径方向外側にはラックが形成されており、
前記凹部（１２）には、前記ラックと係合する係止爪（４）が収納されていることを特徴とするトルク制限式回転締付け装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19898898A JP4205781B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | トルク制限式回転締付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19898898A JP4205781B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | トルク制限式回転締付け装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000027886A JP2000027886A (ja) | 2000-01-25 |
| JP4205781B2 true JP4205781B2 (ja) | 2009-01-07 |
Family
ID=16400251
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19898898A Expired - Fee Related JP4205781B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | トルク制限式回転締付け装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4205781B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102005050594B4 (de) | 2005-10-21 | 2015-05-13 | Airbus Operations Gmbh | Schraubenmutter zur Drehmomentbegrenzung und Verwendung solch einer Schraubenmutter in einem Haltermodul zur Klemmkraftbegrenzung |
| CH705139A1 (de) * | 2011-06-29 | 2012-12-31 | Adnan Fidan | Schraubenmutter, insbesondere Tellermutter. |
| JP6243750B2 (ja) | 2014-02-24 | 2017-12-06 | 三木プーリ株式会社 | ねじ締結具 |
| CN105157863B (zh) * | 2015-07-22 | 2024-06-18 | 国网河北省电力有限公司沧州供电分公司 | 手控扣夹式温度探头安装装置 |
| CN107420404A (zh) * | 2017-09-27 | 2017-12-01 | 苏州工业园区新凯精密五金有限公司 | 一种扭矩锁紧组合螺钉 |
-
1998
- 1998-07-14 JP JP19898898A patent/JP4205781B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000027886A (ja) | 2000-01-25 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050530 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080109 |
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| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080310 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080729 |
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| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080901 |
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| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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