JP4205225B2 - 板材加工装置および板材加工方法 - Google Patents
板材加工装置および板材加工方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板材に、穿孔加工或いは穴開け用の切り込みを入れる板材加工装置に関し、特に、住宅のパネル工法に用いられるパネルを基礎等に固定する際のアンカーボルト等を締結するための穴開け加工、或いは穴開け用の切り込み加工を行う板材加工装置および板材加工方法に関する。
【0002】
【背景の技術】
近年、住宅の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル工法が一部に採用されている。
このようなパネル工法に用いられるパネルとして、例えば、壁パネルとしては、図5に示すような、縦芯材101と横芯材102とを矩形状に組み立てるとともに、この矩形枠の内部に縦補強芯材103と横補強芯材104とを縦横に組み込んで枠体105とし、さらにこの枠体105内にグラスウール等の断熱材(図示省略)を充填した後、枠体の表裏面に合板等の面材106を貼着したものが知られている。
【0003】
前記壁パネルを基礎上に立設する場合、基礎から突出しているアンカーボルト110を壁パネル100内に挿通し、該壁パネル100内でアンカーボルト110にナット111を螺合して締め付ける必要があり(図6参照)、このため、壁パネルの表裏面の面材の少なくとも一方には、ナットを締め付けるための穴を開けておかなければならないが、この穴は工場等で予め、面材に穿孔加工により開けておくか、或いは面材に切り込みを入れておき、現場で該切り込みの内側をハンマー等で叩くことにより形成している。そして、前記面材への切り込みは、基礎との接合のみならず2階部の胴差しとの接合時にも必要なため、図6に示すように、面材の4隅に設けられることが一般的である。
このような面材に切り込みを入れるカッタ装置(板材加工装置)として、例えば、特開平10−264093号公報に開示されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の板材加工装置においては、面材の4隅に切り込みを入れる場合、面材の切り込み部の位置合わせは手動で行っていたので、そのための要員を確保しなければならないこととなって、十分な省力化が図られていないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、板材の穿孔加工、或いは切り込み加工の際の位置決めを自動化して省力化が可能な板材加工装置および板材加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図4に示すように、板材(例えば、面材)に穿孔加工、若しくは穴開け用の切り込み加工を行う加工手段2(例えば、加工装置)を備えた板材加工装置1(例えば、面材加工装置)において、前記板材の板面に対して平行な軸方向に前記加工手段2を移動させる移動手段3(例えば、移動装置)と、前記移動手段2の移動方向における板材の端部位置を検知する端部位置検知手段26(例えば、端部位置検出センサ)と、前記端部位置検出手段26により前記板材の端部位置が検知されたことに基づいて、前記加工手段2による加工位置を決定する加工位置決定手段81(例えば、制御装置8のCPU)と、
前記加工手段2を挟んで対向配置されて設けられ、前記板材を載置して前記加工手段2に前記板材を搬送するとともに、相互間で該板材を搬送可能な2つの搬送部4(例えば、左搬送部4a、右搬送部4b)と、
前記2つの搬送部の前記加工手段側端部にそれぞれ出没自在に設けられ、一方の前記搬送部によって前記板材が前記加工手段方向に移動した際に、他方の前記搬送部の搬送面4cより上に突出することにより、前記板材の先端部を当接させて前記板材の停止位置決めを行う出没手段(例えば、先端部ガイド装置5)と、を備え、
前記板材は、縦芯材と横芯材とによって形成された矩形枠体の表裏面に貼設される面材であり、
前記移動手段の移動方向と前記搬送部の搬送方向とが直交することを特徴としている。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、移動手段3によって、加工手段2が板材の板面に対して平行な軸方向に移動され、端部位置検出手段26によって、移動手段3の移動方向における板材の端部位置が検知され、端部位置検出手段26による検知に基づいて、加工位置決定手段81により加工位置が決定されるので、板材の加工位置決めを自動で行うことが出来ることとなって、省力化を図ることが出来る。
即ち、幅の長さの異なる板材の穿孔、或いは切り込みの位置合わせをいちいち手動で行なう必要がないので、そのための要員を必要としなくなることとなって、省力化を図ることが出来る。
また、加工手段2を挟んで対向配置されて設けられ、板材を載置して加工手段2に搬送するとともに、相互間で搬送可能な2つの搬送部4のうち、一方の搬送部4によって板材が加工手段2側に移動した際に、出没自在な出没手段5が搬送面より上に突出することによって板材の先端部の停止位置決めがなされる。従って、板材の先端部の位置決めも自動で行うことが出来ることとなって、より一層省力化を図ることが出来る。
また、板材は、縦芯材と横芯材とによって形成された矩形枠体の表裏面に貼設される面材であるので、いわゆるパネル工法における面材のボルト締結用穴を形成させるための切り込み加工が、従来の装置に比べて自動化されより低コストでパネルの製造を行うことが出来る。
【0008】
ここで、板材の材質は、木材に限らず、プラスチックや金属でもよく、板状の形状を有するものであればよい。
端部位置検出手段は、例えば、レーザーセンサ、或いは光センサなどを用いるが、これに限らず、接触式のものであってもよい。
また、搬送部は、ベルトコンベア、搬送チェーン、或いは搬送ローラ等を備え、駆動モータの回転によりベルト、チェーン、或いはローラが回転して板材を搬送出来るものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の板材加工装置1において、
前記搬送部4に設けられ、前記板材の有無を検知する板材検知手段7…と、前記板材検知手段7…の検知結果に基づいて前記板材を移動させる搬送制御手段81と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、板材検知手段7によって、搬送部4に板材あるかないかが検知され、板材検知手段7の検知結果に基づいて搬送制御手段81により板材が移動されるので、板材の搬送も自動化されることとなって、更なる省力化を図ることが出来る。
【0014】
ここで、板材検知手段は、接触式(タッチ式)センサであってもよいし、或いは、非接触式(レーザー式)センサであってもよい。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の板材加工装置1において、
前記端部位置検出手段26は、移動式のものからなり、前記加工手段2に取り付けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、移動式の端部位置検出手段26は、加工手段2に取り付けられているので、移動手段3によって加工手段2が移動することに伴って端部位置検出手段26も移動することとなって、端部位置検出手段26を移動させる移動手段3を別個に設ける必要がなく、設備を簡略化させることが出来る。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の板材加工装置1を用いた板材の穿孔加工、或いは穴開け用の切り込み加工を行う板材加工方法において、
前記移動手段3により前記板材の板面に対して平行な軸方向に前記加工手段2を移動させ、次いで、前記移動手段3の移動方向における板材の端部位置を検知する端部位置検知手段26により前記板材の端部位置が検知されたことに基づいて、前記加工手段2による加工位置を決定して加工を行うことを特徴としている。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、移動手段3により板材の板面に対して平行な軸方向に加工手段2が移動され、次いで、移動手段3の移動方向における板材の端部位置を検知する端部位置検知手段26により板材の端部位置が検知されたことに基づいて、加工手段2による加工位置を決定して加工が行われるので、板材の穿孔加工、或いは切り込み加工の位置決めが自動で行われることとなって、省力化を図ることが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明に係る板材加工装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る面材加工装置の構成を示した側面図であり、図2は同平面図、図3は同正面図である。
図1に示す板材加工装置としての面材加工装置1は、いわゆる住宅のパネル工法で使用されるパネルの面材(板材)に、アンカーボルト、或いは胴差しボルト締結用の穴を形成するための切り込み加工を行う装置(アンカー穴加工機と称される場合もある)である。
前記パネル100は、図6に示すように、縦芯材101と横芯材102とを矩形状に組み立てるとともに、この矩形枠の内部に縦補強芯材103と横補強芯材104とを縦横に組み込んで枠体105とし、さらにこの枠体105内にグラスウール等の断熱材(図示省略)を充填した後、枠体の表裏面に合板等の面材106を貼着したものである。
【0022】
前記面材加工装置1は、中央に位置し面材に所定の切り込み加工を行う加工手段としての加工装置2と、この加工装置2を直線往復動させる移動手段とての移動装置3と、平面視で前記加工装置2の左右に各々設けられ、前記面材を載置し前記移動装置3の移動方向に水平面上の直角な方向に前記面材を搬送させる2つの搬送部4(左搬送部4a、右搬送部4b)と、2つの前記搬送部4の加工装置2側の先端部に各々設けられ、前記搬送面より上下に出没自在な出没手段としての先端部ガイド装置5(左先端部ガイド装置5a、右先端部ガイド装置5b)と、2つの前記搬送部4にそれぞれ設けられ、前記搬送部4に載置された面材の幅に合わせて間隔を調整可能なサイドガイド装置6と、前記搬送部4に搬入された面材の有無を検出する板材検知手段としての面材検知センサ7と、該面材加工装置1の各動作の制御を行う制御装置8などにより概略構成されている。
【0023】
前記加工装置2は、図4に示すように、長方形板状の刃物部21と、該刃物部21を上下方向に往復動させるシリンダ装置22と、該シリンダ装置22を覆い下部が開口したカバー23とからなり、刃物部21の4つの側面には、帯状をなし下端縁部に切刃(図示省略)が形成された刃物24が装着されている。
前記刃物部21の上面には、前記シリンダ装置22のピストンロッド22aが固定されているとともに、ピストンロッド22aの左右に位置して、ピストンロッド22aの上下動に伴い伸縮自在で、前記シリンダ装置22による押圧力を前記刃物部21に均等に与えるためのガイド軸25が設けられている。
【0024】
そして、前記シリンダ装置22にエアが供給されるとピストンロッド22aとガイド軸25が伸びることによって前記刃物部21が下降して、下部基台9に載置された面材に所定の切り込みを形成させることが出来るようになっている。
また、前記カバー23の前記移動装置3の移動方向となる2つの内側面部には、図2に示すように、端部位置検出手段としての端部位置検出センサ26、26が各々取り付けられている。
前記端部位置検出センサ26、26は、例えば、光センサであって、上方から下方に光が照射され、前記面材が通過して光を遮ることにより面材の有無を検知することが出来るようになっている。
【0025】
前記移動装置3は、図4に示すように、本体部31と、該本体部31の2つの長手方向側面部に移動方向に沿って設けられたレール32、32と、該レール32に摺動自在に嵌合する嵌合部33a、33aを備えた移動子33と、該移動子33に取り付けられ、正転或いは逆転可能なモータ34と、該モータ34の回転軸34aと螺合するピニオン35と、前記本体部31の左搬送部4a側の長手方向側面部に移動方向に沿って設けられ、前記ピニオン35と螺合するラック36などによって構成されている。
そして、前記モータ34が駆動すると、その回転駆動力は、前記ピニオン35と前記ラック36により直線運動力に変換されることとなって、前記移動子33がレール32に沿って直線移動するようになっている。
前記移動子32の下面には前記加工装置2が取付られており、移動子32の移動に従って前記加工装置2が直線移動するようになっている。
【0026】
前記搬送部4は、脚41…と、この脚41…に支持されたベルトコンベア42と、該ベルトコンベア42を正転、或いは逆転させる駆動モータ(図示省略)等により構成されている。
そして、前記駆動モータ(図示省略)の回転によってベルトコンベア42上に載置された面材を前記加工装置2側に搬送したり、或いは逆方向に搬出することが出来るようになっている。
また、このとき、前記端部位置検出センサ26も前記加工装置2とともに移動し、面材の端部位置を検出するようになっている。
【0027】
前記先端部ガイド装置5は、加工装置2と左搬送部4aとの間に設けられた左先端部ガイド装置5aと、加工装置2と右搬送部4bとの間に設けられた右先端部ガイド装置5bからなり、各先端部ガイド装置5は、シリンダ装置51、51と、該シリンダ装置51のピストンロッド51aの先端側面部に取り付けられ、本面材加工装置1の幅方向に沿って長尺な矩形フレーム52と、前記矩形フレーム52を支持する2本の支持軸53、53と、前記下部基台9に固定され前記支持軸53、53が摺動自在に挿入されるリング54、54と、を備えている。
そして、常時は前記矩形フレーム52の上端部52aは、前記搬送部4の搬送面4cよりも下側に位置するようになっているが、前記シリンダ装置51に外部からエアが供給されると、ピストンロッド51aが上昇することに伴い、前記矩形フレーム52が上昇して該矩形フレーム52の上端部52aが前記搬送部4の搬送面4aより突出するようになっている。
【0028】
前記サイドガイド装置6は、前記搬送部4の縁部に沿って設けられた長尺な固定ガイド61と、前記固定ガイド61に対向して設けられた長尺な移動ガイド62と、前記固定ガイド61と前記移動ガイド62の長手方向の両端部に平行して橋設された支持ラック63、63と、前記支持ラック63、63間に前記固定ガイド61と前記移動ガイド62に橋設され、シリンダ装置64を内蔵した幅寄せ部65などを備えている。
そして、前記シリンダ装置64によって、前記移動ガイド62を前記固定ガイド61側に引き寄せることにより、搬送部4に載置された面材の搬送方向側の端部が前記固定ガイド61と前記移動ガイド62に狭持されて面材が搬送されるようになっている。
【0029】
前記面材検知センサ7…は、例えば、光センサであって、上方から下方に光が照射され、前記面材が通過して光を遮ることにより面材の有無を検知することが出来るようになっている。前記面材検知センサ7…は、図2に示すように、搬送部4の前記加工装置2側の端部と反対方向の端部とにそれぞれ設けられている。そして、前記面材検知センサ7…の真下に面材が位置すると、面材検知センサ7…が検知し、この検知信号を前記制御装置8に出力するようになっていて、この検知信号に基づいて搬送部4のベルトコンベア42が駆動して面材を自動的に搬送するようになっている。
【0030】
制御装置8は、CPU81(Central ProcessingUnit)、ROM82(Read Only Memory)、RAM83(Randum Access Memory)等を備え、前記面材の搬送制御、加工制御を行っている。
前記CPU81は、加工位置決定手段として、前記端部位置検出センサ26、26によって端部位置が検出された時の該端部位置検出信号を入力し、これに基づいて前記移動装置3に停止命令信号を出力するとともに、前記移動装置3のモータ34を逆回転させて所定の距離(例えば、50mm)だけ戻る切り込み位置決め信号を移動装置に出力し、更にその位置で前記加工装置2による切り込み加工を行う切り込み加工信号を加工装置2に出力する。
また、前記CPU81は、搬送制御手段として、例えば、右搬送部4aの前記面材検知センサ7…によって面材が有ることが検知された時の面材検知信号を入力し、この入力に基づいて前記右搬送部4aのベルトコンベア42を駆動させる駆動信号を右搬送部4aに出力するようになっている。
前記ROM82には、本面材加工装置1の動作制御プログラムが記憶されていて、前前記CPU81の命令によりRAM83がROM82から動作制御プログラムを読み込んで動作制御作業を行っている。
【0031】
次に、上記説明した面材加工装置1の動作説明を行う。
まず、左搬送部4aに面材が供給され、前記面材検知センサ7に面材の先端部が触れることにより、該面材検知信号が前記制御装置8に入力され、制御装置8から左搬送部4bに正転駆動信号(加工装置2側に面材を搬送する信号)が出力される。これにより、面材が加工装置2側に搬送される。
このとき、前記サイドガイド装置6のシリンダ装置64により、移動ガイド62が固定ガイド61側に引き寄せられて面材が固定ガイド61と移動ガイド62に狭持される。
【0032】
また、右搬送部4bと加工装置2との間に設けられた前記右先端部ガイド装置5bへ制御装置8から矩形フレーム上昇信号が出力され、この信号に基づいて前記シリンダ装置51のピストンロッド51aが上昇することにより矩形フレーム52の上端面52aが搬送面4cより上に上昇する。
従って、左搬送部4aにより搬送された面材は、この矩形フレーム52に当接して面材の先端部の位置決めがなされる。
この状態で、原点位置にある加工装置に、前記制御装置8から加工命令信号が入力され、シリンダ装置22のピストンロッド22aが降下して面材に長方形状の切り込み加工がなされる。
【0033】
続いて、制御装置8から前記移動装置3に移動命令信号が入力されることに基づいて、モータ34が駆動して移動子33とこの移動子33に取り付けられた加工装置2が移動する。
この移動の際、加工装置2に取り付けられた端部位置検出センサ26により面材の端部が検出されると、この端部位置検出信号が制御装置8に出力され、制御装置8は、移動停止命令信号とともに、所定の距離だけ戻る戻り信号を移動装置3に出力する。これにより、移動装置3が一旦停止し、その後所定の距離だけ戻って再び停止する。
【0034】
次いで、制御装置8から加工装置2に加工命令信号が出力されたことに基づいて、加工装置2のシリンダ装置22にエアが供給されることによりピストンロッド22aが下降することに伴い、刃物部21が下降して切り込み加工がなされる。
切り込み加工終了後、再び、刃物部21が上昇するとともに、移動装置3が原点位置に戻る。
【0035】
次いで、制御装置8から右先端部ガイド装置5bへ矩形フレーム下降信号が出力され、この信号に基づいて前記シリンダ装置51のピストンロッド51aが下降することにより矩形フレーム52が搬送面4cより下に下降する。
そして、制御装置8から左搬送部4a、及び右搬送部4bに正転駆動信号(面材を左側から右側に搬送する信号)が出力される。これにより、面材が右搬送部4b側に搬送される。
このとき、右搬送部4bのサイドガイド装置6のシリンダ装置64により、移動ガイド62が固定ガイド61側に引き寄せられて面材が固定ガイド61と移動ガイド62に狭持される。
【0036】
面材が右搬送部4bの加工装置2側に先端部に設けられた面材検知センサ7を通過すると該通過信号が制御装置8に出力され、該通過信号に基づいて制御装置8から右搬送部4bに搬送停止命令信号とともに、逆搬送命令信号が出力される。これにより面材が再び加工装置2側に搬送される。
同時に、左搬送部4aと加工装置2との間に設けられた左先端部ガイド装置5aへ制御装置8から矩形フレーム上昇信号が出力され、この信号に基づいて前記シリンダ装置51のピストンロッド51aが上昇することにより矩形フレーム52の上端部52aが搬送面より上に突出する。これによって、左搬送部4aにより搬送された面材は、この矩形フレーム52に当接して面材の先端部の位置決めがなされる。
【0037】
この状態で、原点位置にある加工装置2に、制御装置8から加工命令信号が入力され、シリンダ装置22のピストンロッド22aが降下して下部基台9の面材に長方形状の切り込み加工が施される。
続いて、制御装置8から移動装置3に移動命令信号が入力されることに基づいて、モータ34が駆動して移動子33とこの移動子33に取り付けられた加工装置2が移動する。
この移動の際、加工装置2に取り付けられた端部位置検出センサ26により面材の端部が検出されると、この端部位置検出信号が制御装置8に出力され、制御装置8は、移動停止命令信号とともに、所定の距離だけ戻る戻り信号を移動装置3に出力する。これにより、移動装置3が一旦停止し、その後所定の距離だけ戻って再び停止する。
【0038】
次いで、制御装置8から加工装置2に加工命令信号が出力されたことに基づいて、加工装置2のシリンダ装置22にエアが供給されることによりピストンロッド22aが下降することに伴い、刃物部21が下降して切り込み加工がなされる。
切り込み加工終了後、再び、刃物部21が上昇するとともに、移動装置3が原点位置に戻る。
以上の動作により、図5に示すような面材の4隅の切り込み加工が自動的になされる。
【0039】
以上説明した本発明に係る面材加工装置1によれば、移動子33に取り付けられた加工装置2の移動が、端部位置検出センサ26による面材の端部位置検知に基づいて、制御装置8で行われて加工位置が決定されるので、面材の加工位置決めを自動で行うことが出来ることとなって、省力化を図ることが出来る。
また、2つの搬送部のうち、一方の搬送部によって面材が加工装置側に移動した際に、出没自在な先端部ガイド装置によって面材の先端部の停止位置決めがなされる。
更に、面材検知センサによって、搬送部の面材の有無が検知され、この検知結果に基づいて制御装置により面材の搬送制御がなされるので、面材の搬送も自動化される。
以上により、従来の面材加工装置に比べて自動化が進むこととなって省力化が図れる。
即ち、幅の長さの異なる面材の切り込み位置合わせ等の作業を手動で行なう必要がないので、そのための要員を必要としなくなる。
特に、パネル工法で用いられるパネル製造において、従来の面材加工装置に比べて格段の自動化が図られ、パネル製造コストの削減を図ることが出来るようになる。
【0040】
また、端部位置検出センサは、加工装置に取り付けられているので、移動装置によって加工装置が移動することに伴って端部位置検出センサも移動することとなって、端部位置検出センサを移動させる移動装置を別個に設ける必要がなく、設備を簡略化させることが出来る。
【0041】
なお、本発明は、上記面材加工装置に限るものではなく、板材の切り込み加工に全て適用可能であるとともに、切り込み加工のみならず、穴開け加工、切削加工等の位置決めして加工する装置に全て適用可能である。
また、端部位置検出センサは、必ずしも移動方向に2つ設ける必要はなく、一方にのみ設けてもよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、移動手段によって、加工手段が板材の板面に対して平行な軸方向に移動され、端部位置検出手段によって、移動手段の移動方向における板材の端部位置が検知され、端部位置検出手段による検知に基づいて、加工位置決定手段により加工位置が決定されるので、板材の加工位置決めを自動で行うことが出来ることとなって、省力化を図ることが出来る。即ち、幅の長さの異なる板材の穿孔、或いは切り込みの位置合わせを手動で行なう必要がないので、そのための要員を必要としなくなることとなって、省力化を図ることが出来る。
また、加工手段を挟んで対向配置されて設けられ、板材を載置して加工手段に搬送するとともに、相互間で搬送可能な2つの搬送部のうち、一方の搬送部によって板材が加工手段側に移動した際に、出没自在な出没手段が搬送面より上に突出することによって板材の先端部の停止位置決めがなされる。従って、板材の先端部の位置決めも自動で行うことが出来ることとなって、より一層省力化を図ることが出来る。
また、板材は、縦芯材と横芯材とによって形成された矩形枠体の表裏面に貼設される面材であるので、いわゆるパネル工法における面材のボルト締結用穴を形成させるための切り込み加工が、従来の装置に比べて自動化されより低コストで行うことが出来る。
【0044】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、板材検知手段によって、搬送部に板材の有無が検知され、板材検知手段の検知結果に基づいて搬送制御手段により板材が移動されるので、板材の搬送も自動化されることとなって、更なる省力化を図ることが出来る。
【0045】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、移動式の端部位置検出手段は、加工手段に取り付けられているので、移動手段によって加工手段が移動することに伴って端部位置検出も移動することとなって、端部位置検出手段を移動させる移動手段を別個に設ける必要がなく、設備を簡略化させることが出来る。
【0047】
請求項4記載の発明によれば、移動手段により板材の板面に対して平行な軸方向に加工手段が移動され、次いで、移動手段の移動方向における板材の端部位置を検知する端部位置検知手段により板材の端部位置が検知されたことに基づいて、加工手段による加工位置を決定して加工が行われるので、板材の穿孔加工、或いは切り込み加工の位置決めが自動で行われることとなって、省力化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面材加工装置の構成を示した側面図である。
【図2】本発明に係る面材加工装置の構成を示した平面図である。
【図3】本発明に係る面材加工装置の構成を示した正面図である。
【図4】本発明に係る面材加工装置の要部の構成を示した側面図である。
【図5】パネル工法に用いられるパネルの斜視図である。
【図6】アンカーボルト締め工程を説明するための図である。
【符号の説明】
1 面材加工装置(板材加工装置)
2 加工装置(加工手段)
3 移動装置(移動手段)
4 搬送部(左搬送部4a、右搬送部4b)
5 先端部ガイド装置(右先端部ガイド装置5a、左先端部ガイド装置5b:出没手段)
6 サイドガイド装置
7 面材検知センサ(板材検知手段)
8 制御装置
21 刃物部
26 端部位置検出センサ(端部位置検出手段)
33 移動子
35 ピニオン
36 ラック
52 矩形フレーム
81 CPU
Claims (4)
- 板材に穿孔加工、若しくは穴開け用の切り込み加工を行う加工手段を備えた板材加工装置において、
前記板材の板面に対して平行な軸方向に前記加工手段を移動させる移動手段と、
前記移動手段の移動方向における板材の端部位置を検知する端部位置検知手段と、
前記端部位置検出手段により前記板材の端部位置が検知されたことに基づいて、前記加工手段による加工位置を決定する加工位置決定手段と、
前記加工手段を挟んで対向配置されて設けられ、前記板材を載置して前記加工手段に前記板材を搬送するとともに、相互間で該板材を搬送可能な2つの搬送部と、
前記2つの搬送部の前記加工手段側端部にそれぞれ出没自在に設けられ、一方の前記搬送部によって前記板材が前記加工手段方向に移動した際に、他方の前記搬送部の搬送面より上に突出することにより、前記板材の先端部を当接させて前記板材の停止位置決めを行う出没手段と、を備え、
前記板材は、縦芯材と横芯材とによって形成された矩形枠体の表裏面に貼設される面材であり、
前記移動手段の移動方向と前記搬送部の搬送方向とが直交することを特徴とする板材加工装置。 - 請求項1記載の板材加工装置において、
前記搬送部に設けられ前記板材の有無を検知する板材検知手段と、
前記板材検知手段の検知結果に基づいて前記板材の搬送を制御する搬送制御手段と、
を備えたことを特徴とする板材加工装置。 - 請求項1又は2に記載の板材加工装置において、
前記端部位置検出手段は、移動式のものからなり、前記加工手段に取り付けられていることを特徴とする板材加工装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載の板材加工装置を用いた板材の穿孔加工、或いは穴開け用の切り込み加工を行う板材加工方法において、
前記移動手段により前記板材の板面に対して平行な軸方向に前記加工手段を移動させ、次いで、前記移動手段の移動方向における板材の端部位置を検知する端部位置検知手段により前記板材の端部位置が検知されたことに基づいて、前記加工手段による加工位置を決定して加工を行うことを特徴とする板材加工方法。
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