JP4204573B2 - ローラーポンプ用チューブ - Google Patents

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Description

本発明はローラーポンプに用いられるチューブに関する。
特開平11−257249号公報 特開平4−203485号公報 特開昭52−28006号公報 特開2001−193659号公報
円弧状の壁体に沿わせて装着したチューブを、モーターで回転駆動する円板あるいはバーに取り付けた複数個のローラーでしごくように押しつぶしていくことにより、チューブ内の流体を一定方向に圧送するローラーポンプが知られている(特許文献1〜3)。
このようなローラーポンプに使用されるチューブには、柔軟性および機械的強度が要求され、さらにローラーポンプによる繰り返しのしごき動作に対する耐久性が求められる。従来このようなローラーポンプ用のチューブとして、その材料にはシリコーンに代表されるゴム製のチューブ、あるいは軟質塩化ビニルに代表される合成樹脂製のチューブが用いられている。そして、ゴム製あるいは合成樹脂製のチューブは押出成形により製造されるが、成形が容易であり、かつ、内部を流れる流体の抵抗が少ないため、断面形状を円形としている。
しかし、円形チューブをローラーポンプに使用する場合、上下方向に押しつぶしたときに折り目近辺に隙間が残り、漏れが生じやすく、チューブ内を真空状態にしにくいという問題があった。そして、そのような隙間を無くすためにはかなり大きな加圧力を必要とし、さらにそのような加圧力で円形のチューブを押しつぶしたり戻したりすることを繰り返す場合、そのチューブの弾力性が充分で無いと、チューブにへたりが生じ、元の断面円形に戻らないことがあった。
そのため、このようなローラーポンプ用のチューブとして、扁平に押圧されたチューブを強制的にもとの形状に復帰させるため、壁面の一部に弾力的に伸縮する薄膜ないし補強繊維などを設けた異形断面のチューブが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。さらに、扁平に押しつぶしたときに、両端に強制的に隙間を残すように形成した異形断面のチューブも提案されている(特許文献3)。
一方、このローラーポンプ用チューブは化学薬品または食品の送液、理化学機器、医療機器、食器・洗髪・床・洗車等の各種洗浄機、自動販売機、大型のものでは廃水処理、建築土木(生コンクリート、モルタル等の送液)用途でも広く用いられ、圧送する液体に侵されない耐薬品性も要求されている。
上述したゴム製あるいは軟質塩化ビニル製のチューブは耐薬品性を充分に応えるものではなく、ガスバリア性が低いため好ましくない。また耐薬品性が高い樹脂を用いることも考えられるが、耐薬品性の高い樹脂製のチューブは硬度が高くローラーポンプに適しておらず、また無理にしごくとチューブが破損する。
本出願人はポンプに用いるチューブとして、フッ素系のエラストマーを母材とし、その内周または外周を非粘着性で、かつ、耐薬品性が高い材料で形成した複層チューブを提案している(特許文献4)。
ローラーポンプを用いた流体の押出しは、ローラーによってチューブを順手側にしごいていくことによって、ローラーより供給側に負圧を生じさせて液タンクから液を吸引する。ここで高水位の液タンクから吸引する場合はローラーによってしごかれた部位が完全に閉塞せず、漏れが生じても液体の自重により液体を排出口に押し出すことはできる。しかし、低水位の液タンクから吸引する場合はローラーによってしごかれている部位が完全に閉塞しないと、漏れにより効率よく吸引が行えない。
また、ローラーによってチューブが完全に閉塞するような柔軟なチューブを用いるとしごき解除後もチューブが復元せずに閉じたままとなり、流体の移動を阻止するという問題が生じている。そのため、ローラーポンプ用としてはローラーによってしごかれている部位は隙間が生じないように完全に閉塞し、すなわち、ローラーポンプによってしごかれているチューブの部位と供給口との間が真空状態となり、かつ、しごいた後は大気圧に抗して速やかに復元することが求められている。
また、耐薬品性を満足させるために複層構造のチューブを用いる場合、ローラーによるしごきによって各層が剥離し、チューブの破損につながることが問題となっている。
本発明は、押しつぶしたときに隙間が残らず、負圧下でも速やかに復元する弾力性を備え、繰り返しのしごき動作に対してへたりが生じにくく、しかも流体に対する耐薬品性に優れたチューブを提供することを技術課題としている。
本発明のローラーポンプ用のチューブは、耐薬品性が高い高分子材料からなる内層と、その内層の外周に設けられ、弾性を有する高分子材料からなる外層とを備え、押出成形によって一体に成形された二層構造であり、肉厚が1〜2mmであり、肉厚を85〜90%に圧縮して使用されるローラーポンプ用チューブであって、チューブの断面形状が左右対称の2つの山型の曲線を、上下に凸部が形成するように裾部で合わせた唇型であり、その外形の高さは5〜10mm、幅は13〜24mmであり、チューブの内側空隙部の高さと幅の比が30:100〜55:100となるように成形されており、前記チューブの断面形状の山形の曲線の左右途中に変曲点を備えており、前記内層の肉厚が0.05〜0.5mmで均一であり、前記内層の裾部がY字状に形成されており、そのY字の脚部にローラーポンプのしごきが及ばないように構成されており、前記内層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85であるポリプロピレンまたはポリエチレンからなり、前記外層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDA40〜90であるポリオレフィン系のエラストマーとからなることを特徴としている。
本発明のローラーポンプ用のチューブの第2の態様は、耐薬品性が高い高分子材料からなる内層と、その内層の外周に設けられ、弾性を有する高分子材料からなる外層とを備え、押出成形によって一体に成形された二層構造であり、肉厚が1〜2mmであり、肉厚を85〜90%に圧縮して使用されるローラーポンプ用チューブであって、チューブの断面形状が左右対称の2つの山型の曲線を、上下に凸部が形成するように裾部で合わせた唇型であり、その外形の高さは5〜10mm、幅は13〜24mmであり、チューブの内側空隙部の高さと幅の比が30:100〜55:100となるように成形されており、前記チューブの断面形状の山形の曲線の左右途中に変曲点を備えており、前記内層の肉厚が0.05〜0.5mmで均一であり、前記内層の裾部がY字状に形成されており、そのY字の脚部にローラーポンプのしごきが及ばないように構成されており、前記内層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85であるフッ素樹脂またはフッ素樹脂とフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーを混合した複合体からなり、前記外層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDA40〜90であるフッ素ゴム、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、あるいは、フッ素樹脂とフッ素ゴムまたはフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーとを混合した複合体からなる、ことを特徴としている。
このようなチューブであって、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85の弾性を有する高分子材料からなる最外層を前記外層の外周の一部に、かつ、前記山型の曲線の頂点付近を覆うように設けたものが好ましい
本発明のローラーポンプ用チューブは、チューブの断面形状が左右対称の2つの山型曲線を上下に凸部が形成するように裾部で合わせた唇型であり、前記チューブの内側空隙部の断面形状の高さと幅の比が30:100〜55:100で成型され、耐薬品性が高い内層の材料としてJIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜85の高分子材料を用い、柔軟性を有する外層の材料としてJIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDA40〜90の高分子材料を用いているため、ローラーポンプでチューブの頂点をその上下方向にしごくとチューブはスムーズに押しつぶされ、ローラーポンプの圧力を開放すると、たとえチューブ内が外部に対して負圧であっても速やかに復元する。また、チューブを押しつぶしたとき、チューブに折れ目を形成することなく、内側の空間を隙間無く閉塞させることができる。ここでチューブを閉塞させるとは、内層の内側空間が無くなるだけでなく、さらに、流体が移動するときに流体より受ける抵抗により流体が漏れないことをいう。
また本発明のチューブは上述した構成を備えているため、ローラーポンプによってしごいても内外層の材質の伸びおよび弾性復元の物性の差異によって発生する内層の皺の形成を防止するものである。
このように成型したチューブの内側空隙部の形状の幅に対する高さの割合が0.55より大きいため、ローラーポンプを使用した経時変化によりチューブがへたるなどその初期特性が損なわれる。また、その割合が0.3より小さいため、曲線である内層形状の復元力が小さく、吸引によりチューブが閉塞し、真空の空間が得られ難く、高真空の状態に到達しにくくなる。
ここで外層の材料としてHDA硬度が90より大きいエラストマーを配置すると、ローラーポンプのしごきによりチューブがすぐに破損するか、へたるため、継続して安定なチューブ特性を維持することができない。また、HDA硬度が40より小さいとHDD硬度が45以上である内層との物性の差異により、チューブをしごいた後、チューブに皺が形成される。
さらにチューブの肉厚をその肉厚の80〜95%に圧縮するローラーポンプに用いているため、チューブのしごいた部位は閉塞し、開放したチューブ部位は好ましく復元する。チューブ肉厚を80%より小さく圧縮するローラーポンプでは、本発明のチューブを圧縮しすぎて塑性破壊を起こすことがあり、チューブ肉厚を95%より大きく圧縮するローラーポンプでは、本発明のチューブの内面を十分閉塞する程度に圧縮しないことがある。
また、前記内層の肉厚が0.05〜0.5mmであるため、内層のローラーポンプのしごきに対する耐久性が一層高くなる。内層の肉厚が0.5mmを超えるとローラーポンプのしごきにより、ずり変形が起こりマイクロクラックを発生しやすくなる。また、内層の肉厚が0.05mmより小さいと内層に皺が発生し、層間剥離または劣化の原因となる。これは、ローラーポンプによってチューブがしごかれたとき、チューブがチューブの長さ方向に延伸されるが、そのとき内層の肉厚が十分でないため、内層は塑性破壊を起こしながら延伸し、チューブのしごきが解かれたとき、外層だけ復元するためである。
前記チューブの断面形状の山型の曲線がその途中に変曲点を備えているため、変曲点による弾性作用によってチューブの復元性が一層高くなり、その復元時間が短縮される。
また、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85の弾性を有する高分子材料からなる最外層を、前記外層の外周の一部に、かつ、前記山型の曲線の頂点付近を覆うように設けた場合、最外層の復元力により、チューブ全体の復元力が強くなり、高真空状態においても復元することができ、チューブの長さ方向に対するポンプのしごき力にも充分耐え得る引張強度を保有することになる。
図1に示すローラーポンプ用チューブ10は、耐薬品性が高い内層11とその内層の外周に設けられた柔軟で弾性を有する外層12とからなり、そのチューブ全体の形状は左右対称で、変曲点13を有する山型の曲線14a、14bが裾部15で連続しているものである。
このチューブの内層11の硬度は、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜85、特に好ましくはHDD55〜75であり、外層12の硬度はJIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDA40〜90、特に好ましくはHDA60〜80である。
本発明のチューブ10は、このチューブ10の符号17a、17bで示す頂点をローラーポンプにより圧縮して用いる。これにより、その圧縮と共にチューブの裾部18が外向きに広がり、内層11の内面18a、18bが密に当接され、チューブが閉塞される。
このチューブ10は、特に限定されないが化学薬品または食品の送液や理化学機器または医療機器で使用される流量が10〜100cc/minの仕様であるポンプに用いられる場合、外形の高さが5〜10mm、幅が13〜24mmであるものが好ましい。そして、このチューブ10は、チューブの肉厚を80〜95%に圧縮するローラーポンプを使用するのが好ましい。これによりチューブ10の内側空隙部を一層強固に閉塞することができる。
また、チューブの肉厚(内層+外層)が1〜2mmであるものが好ましい。これは、チューブを押出成形等で成形し、チューブの肉厚はバラツキを±0.15mmと大きめに想定した場合、チューブの上下を重ねたとき、最大で±0.3mmのばらつきが考えられるためである。そして、チューブ肉厚を85〜90%に圧縮するローラーポンプを使用するとき、チューブを0.3mm以上(上下のチューブの肉厚×圧縮率)圧縮するように設定すると、チューブの肉厚のばらつきにも関わらずチューブをしっかり閉塞することができ好ましい。つまり、チューブの肉厚を1mmより小さくすると、チューブの肉厚の誤差とローラーポンプ組み立て時の設定との誤差を初期の段階から許容できなくなる傾向がある。また、チューブの肉厚を2mmより大きくすると、チューブの肉厚を85〜90%に圧縮するにはローラーポンプの圧力を大きくする必要があり、その場合チューブが塑性破壊を起こしやすくなる傾向がある。
また、チューブ内層の扁平度、つまりチューブの内側空隙部の形状の高さXと幅Yの比は30:100〜55:100である。特に高さXが1.5〜8mmであり、幅Yが5〜18mmであるものが好ましい。これは幅に対する高さの比率が0.55より大きい場合、内層11の内面が閉塞するためにより大きく変形する必要があり、ローラーポンプによってしごくと、経時変化によりチューブがへたり、その初期特性を約100時間で失ってしまう可能性がある。その比率が0.30より小さい場合、曲線によるチューブ形状の復元力が小さく、吸引によりチューブが閉塞し、真空の空間が得られ難く、高真空の状態に到達しない。また、チューブ形状の曲線が変曲点を備えているため、一層復元力が高くなる。高真空用チューブとして、チューブ内が−70kpa以上であっても、しごかれた後、チューブ形状に復元するものが好ましい。
また、内層の肉厚は0.05〜0.5mmであり、特に0.1〜0.45mmであるものが好ましい。これは耐薬品性の高い内層11はHDD硬度が45〜85と比較的高く、ローラーポンプでしごかれたときに破損しやすいためである。内層11の厚さが0.05mmより小さい場合、ローラーポンプでしごかれたときに内層が塑性破壊を起こしながらチューブ長手方向に延伸される。そのため、ローラーポンプのしごきが解除されても外層と同じように復元せず、内層に皺が形成される。内層11の厚さが0.5mmより大きい場合、適度に圧縮させて閉塞させるためには、ローラーポンプの圧力を大きくする必要があり、その押圧により内層がチューブ半径方向の塑性破壊を起こし、内層11にクラックが形成しやすくなるためである。
本発明において、チューブ内層の扁平度と内層の肉厚の関係は非常に重要であり、これらの範囲において組み合せることにより得られるローラーチューブの特性を調整することができる。最高真空度への到達時間を短くする場合、扁平度を低め、内層を薄くすることが考えられ、例えば、扁平度X:Yを45:100〜55:100、内層を0.05〜0.25mmとすることが考えられる。また、チューブの耐久時間をさらに長くする場合、扁平度を高め、内層を厚くすることが考えられ、例えば、扁平度X:Yを30:100〜45:100、内層の厚みを0.25〜0.5mmとすることが考えられる。本発明において、これらの数値の組み合わせは特に限定されるものではないが、チューブが求められる特性に応じて条件を適宜組み合わせてもよい。
また、内層の裾部19(唇型の根元部)はY字状になるように形成するのが好ましい。これは、Y字の脚部にローラーポンプのしごきが及ばないように設けることにより、内層の長手方向の延伸による長手方向の塑性破壊を防止することができ、チューブの長手方向の強度を向上させる。また、内層のY字裾部19の長さを長くすることにより、その強度を一層向上させることができる。
さらに、内層の肉厚は均一であるものが好ましい。これは内層は外層に比べて比較的硬いため、ローラーポンプによって押しつぶされるとき、偏肉部位があるとその部分から破壊を起こしやすいためである。
このような内層の材料として、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。また、フッ素樹脂とフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーを混合した複合体を用いてもよい。このようなフッ素樹脂としては、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマ(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレンコ
ポリマ(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。フッ素ゴム系熱可塑性エラストマーとしては、結晶相とゴム相とがブロック的に共重合した構造を有しており、結晶相とゴム相の割合により硬度が調整されたものが挙げられ、特に結晶相としてはビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体連鎖やエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体連鎖、ゴム相としてはビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体連鎖が好ましく用いられる。
外層13はゴム弾性体あるいはゴム弾性体に近い特性を有しているものであれば特に限定されるものではない。しかし、内層との接着度を考慮することが必要であり、内層としてフッ素樹脂を用いるときは、フッ素ゴムあるいは結晶相とゴム相とがブロック的に共重合したフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、さらにはフッ素樹脂、フッ素ゴムあるいはフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーの複合体などが考えられる。また、内層としてポリプロピレンまたはポリエチレンを用いる場合、外層としてポリオレフィン系のエラストマーが考えられる。
内外層の材料として透明な材料を用いてチューブを成形すると、流動体の流れを目視することができ好ましい。
このチューブ10は、金型を用いた押出成形によって行われる。金型の母材入口には外層材料を押し出す押出機が接続されており、溶融された外層材料が母材入口より注入され、母材流路を通る。また、金型の内層材料入口には内層材料を押し出す押出機が接続されており、溶融された内層材料が内層材料入口より注入され、内層材料流路を通る。母材流路および内層材料流路は途中で合流しており、その合流部において内層と外層の材料が合流し、混ざり合った一つの材料としてではなく二層構造のチューブが押し出される。
押し出されたチューブは、水冷、空冷により冷却されながら、引取機によって引き取られることによって成形される。
このチューブ10にモーターで回転駆動するバー30に取り付けたローラー31a、31bを備えた一般のローラーポンプを用いるとチューブは次のような弾性変形をする。始めに、ローラー31aの先端がチューブ10に当接し、チューブ10を閉塞させる(S1)。次にローラー31aがチューブ10に沿って移動し、チューブ内の流体A1を排出口側に押し出す(S2)。このとき、ローラーが潰したチューブの部位Zは、ローラー31aが通り過ぎると復元する。また、ローラー31aはチューブ10を完全に閉塞した状態でチューブに沿って移動するため、復元したチューブ部位Zは真空状態となる。これによりチューブのしごきによって分断された流体Aの供給側の流体A2を引き寄せる。さらに、ローラー31aを移動させるとローラー31aはチューブから離れる。それと同時にローラー31bがチューブ10を閉塞し、供給側から引き寄せた流体A2をローラー31aと同様に押し出す。そして、S1状態に戻る。このようにチューブ10のいずれかの一部がローラー31aまたはローラー31bによって閉塞されているため、排出口側から流体の逆流を防ぎ、チューブ10内の高真空状態を維持する。
つまり、本発明のチューブは、上下方向に圧力をかけることにより容易にチューブを完全閉塞する。そして、その閉塞状態でチューブがしごかれることにより、しごかれた部位が真空状態であるにも関わらず復元する。そのため、効率よく供給側から流体を引き寄せることができるのである。
図2に示すチューブ20は、外層12を構成する高分子材料より硬度が高く、弾性を有する高分子材料からなる最外層21を、チューブ外層12の外周の一部に、外層12のそれぞれの頂点17a、17bを覆うように設けたものである。このように最外層21を外層12の頂点を覆うようにして設けることにより、チューブの上下に対する復元力が強くなる。ここで最外層21の材料としてJIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85の弾性を有する高分子材料を用いることにより、ポンプによって長期間しごいても最外層21の塑性変形が起こりにくく、ポンプのしごきに対する耐久性が高い。しかし、本発明はこれより硬度が高く、弾性を有する高分子材料を除くものではない。
[実施例1]
硬度がHDD70であるETFEを内層とし、硬度がHDA70であるダイキン工業(株)製ダイエルサーモプラスチックT−530を外層として用い、チューブの肉厚が1.6mm、内層の肉厚が0.15mm、内側空隙部の高さが6.0mm、内側空隙部の幅が12.0mm(内側空隙部高さXと幅Yの比=50:100)であるチューブ10を作成した。これを実施例1とする
[実施例2]
硬度がHDD70であるETFEを内層とし、硬度がHDA70であるダイキン工業(株)製ダイエルサーモプラスチックT−530を外層として用い、チューブの内厚が1.6mm、内層の肉厚が0.3mm、内側空隙部の高さが2.8mm、内側空隙部の幅が8.0mm(内側空隙部高さと幅の比=35:100)であるチューブ10を作成した。これを実施例2とする。
チューブ10の一端に圧力計を接続し、ローラーポンプを用いてチューブをしごいた。このときのチューブ内の真空度を圧力計にて測った。その結果をそれぞれ表1および表2に示す。
また、実施例1、2のチューブの両端を試験流体に浸漬し、同様にローラーポンプを連続稼動させ、流体を長時間連続送液させた。そのときのチューブの状態を観測した。このときの試験流体として、実施例1のチューブでは水を用い、実施例2のチューブではシクロヘキサノンを用いた。
(※1):ローラーの回転45rpm
(※2):ローラーの回転30rpm
(※1):ローラーの回転45rpm
(※2):ローラーの回転30rpm
表1、2に示すように実施例1、2のチューブをローラーポンプでしごき始めることにより、チューブ内はすぐ真空となり、そして、双方ともわずか十秒で高真空の状態となった。そして、両チューブ共にチューブ内が最高真空度である−95kPa時にローラーで潰された後でも復元し、チューブ形状を維持した。
ここで実施例1のチューブの方がその最高真空度への到達時間が短かった。また、実施例2のチューブは、最高真空度への到達時間は実施例1のチューブより少し長くなるが、耐久性が著しく向上し、溶解能力が高い溶剤(シクロヘキサノン)を1500時間以上流しながら使用してもその特性を損なうことは無かった。
本発明のローラーポンプ用チューブの一実施形態を示す断面図である。 本発明のローラーポンプ用チューブの他の実施形態を示す断面図である。 本発明のローラーポンプ用チューブを一般のローラーポンプでしごいたときの概要図である。
符号の説明
10 ローラーポンプ用チューブ
11 内層
12 外層
13 変曲点
14a、14b 曲線
15 裾部
17a、17b 頂点
18a、18b 内層の内面
19 内層のY字裾部
20 ローラーポンプ用チューブ
21 最外層
30 バー
31a、31b ローラー
A1、A2 流体

Claims (3)

  1. 耐薬品性が高い高分子材料からなる内層と、その内層の外周に設けられ、弾性を有する高分子材料からなる外層とを備え、押出成形によって一体に成形された二層構造であり、肉厚が1〜2mmであり、肉厚を85〜90%に圧縮して使用されるローラーポンプ用チューブであって、
    (A)チューブの断面形状が左右対称の2つの山型の曲線を、上下に凸部が形成するように裾部で合わせた唇型であり、その外形の高さは5〜10mm、幅は13〜24mmであり、
    (B)チューブの内側空隙部の高さと幅の比が30:100〜55:100となるように成形されており、
    (C)前記チューブの断面形状の山形の曲線の左右途中に変曲点を備えており、
    (D)前記内層の肉厚が0.05〜0.5mmで均一であり、
    (E)前記内層の裾部がY字状に形成されており、
    (F)そのY字の脚部にローラーポンプのしごきが及ばないように構成されており、
    (G)前記内層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85であるポリプロピレンまたはポリエチレンからなり、
    (H)前記外層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDA40〜90であるポリオレフィン系のエラストマーとからなる、ローラーポンプ用チューブ。
  2. 耐薬品性が高い高分子材料からなる内層と、その内層の外周に設けられ、弾性を有する高分子材料からなる外層とを備え、押出成形によって一体に成形された二層構造であり、肉厚が1〜2mmであり、肉厚を85〜90%に圧縮して使用されるローラーポンプ用チューブであって、
    (A)チューブの断面形状が左右対称の2つの山型の曲線を、上下に凸部が形成するように裾部で合わせた唇型であり、その外形の高さは5〜10mm、幅は13〜24mmであり、
    (B)チューブの内側空隙部の高さと幅の比が30:100〜55:100となるように成形されており、
    (C)前記チューブの断面形状の山形の曲線の左右途中に変曲点を備えており、
    (D)前記内層の肉厚が0.05〜0.5mmで均一であり、
    (E)前記内層の裾部がY字状に形成されており、
    (F)そのY字の脚部にローラーポンプのしごきが及ばないように構成されており、
    (G)前記内層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85であるフッ素樹脂またはフッ素樹脂とフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーを混合した複合体からなり、
    (H)前記外層が、JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDA40〜90であるフッ素ゴム、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、あるいは、フッ素樹脂とフッ素ゴムまたはフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーとを混合した複合体からなる、ローラーポンプ用チューブ。
  3. JIS K 7215に基づいて測定された硬度がHDD45〜HDD85の弾性を有する高分子材料からなる最外層を、
    前記外層の外周の一部に、かつ、前記山型の曲線の頂点付近を覆うように設けた請求項1または2記載のローラーポンプ用チューブ。
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