JP4204449B2 - 排熱回収装置 - Google Patents

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本発明は、蒸気を発生させる貫流ボイラや循環ボイラ等の各種ボイラ、温水を発生させる温水ボイラや給湯器等に用いられるものであり、ボイラや給湯器から排出されてエコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給されるボイラや給湯器の補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行い、エコノマイザを通過した排ガスから熱を回収するようにした排熱回収装置に関するものである。
一般に、ボイラ業界に於いては、ボイラから排出された排ガスが通過する排ガス通路にエコノマイザを設け、当該エコノマイザ内で排ガスによりボイラへ供給される補給水を予熱することによって、ボイラ効率を向上させることが広く行われている。例えば、エコノマイザ付の小型貫流ボイラのボイラ効率は約95%である。又、高効率型の貫流ボイラとしては、排ガスの潜熱を回収する潜熱回収エコノマイザを搭載したものがあり、この潜熱回収エコノマイザ付の貫流ボイラはボイラ効率が100%若しくはそれ以上となっている(例えば、特許文献1参照)。
前記潜熱回収エコノマイザは、排ガスの顕熱だけでなく、排ガス中の水蒸気が水になる際に放出する凝縮熱(潜熱)も回収できる構成となっているため、排ガスから多くの熱を回収することができ、ボイラの効率を向上させることができる。
然し乍ら、潜熱回収エコノマイザは、温度の低い排ガスから熱を回収しようとするため、単位面積当りの熱交換率が低下することになる。その結果、潜熱回収エコノマイザに於いては、伝熱面積を増大させなければならず、潜熱回収エコノマイザ自体が大型化することになる。
又、潜熱回収エコノマイザは、排ガス中の水分が凝縮して伝熱管等の伝熱部を腐食させることがあるため、伝熱部の腐食対策のために伝熱管を耐食性の材料で作製しなければならず、非常に高価な排熱回収装置となってしまう。
更に、潜熱回収エコノマイザは、熱吸収量を増大させるのに一般的にフィン付の伝熱管を使用して伝熱面積を大きくしているが、排ガスからの凝縮水がフィンの表面に膜を形成し、排ガスとの接触面積が阻害されて排熱回収性能の低下を招くことがある。
このように、潜熱回収エコノマイザを用いた排熱回収では、機器の大型化やコストアップを招いてしまうと云う問題が発生している。
特開平11−248105号公報
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は伝熱管を増やすことなく、簡単な構造でもって排ガスから熱を回収することができるようにした排熱回収装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、ボイラや給湯器からの排ガスによってボイラや給湯器へ供給される補給水を予熱するエコノマイザの下流側に設けられ、エコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給される補給水との間で熱交換を行うスクラビング排熱回収装置と、スクラビング排熱回収装置へ補給水を供給する上流側給水管と、スクラビング排熱回収装置内で予熱された補給水をエコノマイザへ導く下流側給水管とを備えた排熱回収装置であって、前記スクラビング排熱回収装置内でエコノマイザを通過した排ガスと上流側給水管により供給された補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行うように構成し、前記排熱回収装置は、上流側給水管からエコノマイザへ補給水を供給する分岐給水管と、エコノマイザを通過した排ガスの温度を検出する排ガス温度センサーと、スクラビング排熱回収装置へ供給される補給水の温度を検出する給水温度センサーとを備えており、前記排ガス温度センサー及び給水温度センサーにより排ガスの温度と補給水の温度を夫々検出すると共に、ボイラや給湯器の運転条件から排ガスと補給水が熱交換した際の顕熱と潜熱の収支を算出し、補給水が排ガスから熱を回収できる場合には上流側給水管から補給水をスクラビング排熱回収装置内へ供給し、又、補給水が排ガスに熱を奪われる場合には分岐給水管から補給水をエコノマイザへ供給するように構成したことに特徴がある。
本発明の請求項2の発明は、下流側給水管にスクラビング排熱回収装置を通過した補給水中の溶存ガスを分離する脱気装置を介設し、脱気装置内で溶存ガスを分離した補給水をエコノマイザへ供給するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項3の発明は、スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、脱気装置内で分離した溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項4の発明は、ボイラや給湯器からの排ガスによってボイラや給湯器へ供給される補給水を予熱するエコノマイザの下流側に設けられ、エコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給される補給水との間で熱交換を行うスクラビング排熱回収装置と、スクラビング排熱回収装置へ補給水を供給する上流側給水管と、スクラビング排熱回収装置内で予熱された補給水をエコノマイザへ導く下流側給水管とを備えた排熱回収装置であって、前記スクラビング排熱回収装置内でエコノマイザを通過した排ガスと上流側給水管により供給された補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行うように構成し、下流側給水管にスクラビング排熱回収装置を通過した補給水中の溶存ガスを分離する脱気装置を介設し、脱気装置内で溶存ガスを分離した補給水をエコノマイザへ供給するように構成し、スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、脱気装置内で分離した溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項5の発明は、スクラビング排熱回収装置が、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に流入した排ガス中へ補給水を噴霧する噴霧ノズルとを備えており、噴霧ノズルにより排ガス中へ補給水を微粒噴霧し、排ガスと補給水とを直接接触させて熱交換させるようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項6の発明は、スクラビング排熱回収装置が、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に上下方向へ多段に配設され、補給水を貯留して流下させる複数のトレーとを備えており、補給水を最上段のトレーから最下段のトレーへ順次に流下させ、その間に排ガスと補給水とを直接接触させて熱交換させるようにしたことに特徴がある。
本発明の請求項7の発明は、スクラビング排熱回収装置が、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に配設され、ペレット状の固体を充填して成る充填層と、充填層へ補給水を噴霧する噴霧ノズルとを備えており、噴霧ノズルから充填層へ補給水を噴霧し、充填層内を流下する補給水と充填層内を底部から上部へ通過する排ガスとを充填層内で直接接触させて熱交換させるようにしたことに特徴がある。
本発明の排熱回収装置は、エコノマイザを通過した排ガスにボイラや給湯器へ供給される補給水を直接接触させて熱交換させる水噴霧式、トレー式若しくは充填層式のスクラビング排熱回収装置を備えている。即ち、本発明の排熱回収装置は、排ガスに補給水を直接噴霧して熱交換を行う水噴霧式のスクラビング排熱回収装置、トレーから流下する補給水に排ガスを直接接触させて熱交換を行うトレー式のスクラビング排熱回収装置若しくは充填層に補給水を噴霧して充填層内で排ガスと補給水を直接接触させて熱交換を行う充填層式のスクラビング排熱回収装置を備えているため、伝熱管を増やすことなく、比較的簡単な構造のスクラビング排熱回収装置でもって排ガスから熱を回収することができる。その結果、ボイラ効率の向上を図れると共に、エコノマイザ等の機器の大型化やコストアップを招くと云うこともない。
又、本発明の排熱回収装置は、エコノマイザを通過した排ガスの温度とスクラビング排熱回収装置へ供給される補給水の温度を夫々検出すると共に、ボイラや給湯器の運転条件から排ガスと補給水が熱交換した際の顕熱と潜熱の収支を算出し、補給水が排ガスから熱を回収できると判断した場合には補給水をスクラビング排熱回収装置内へ供給し、又、補給水が排ガスに熱を奪われると判断した場合には補給水を直接エコノマイザへ供給するようにしているため、スクラビング排熱回収装置で排ガスから熱を確実且つ有効的に回収することができる。
更に、本発明の排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置内で排ガスと補給水を直接接触させて熱交換を行う際に排ガス中の炭酸ガスや酸性成分が補給水に吸収されるため、炭酸ガスや酸性成分の大気中への放出量を緩和することができる。その後スクラビング排熱回収装置内の補給水を脱気装置を通してボイラや給湯器へ給水するようにしている。その結果、補給水は、排ガス中の酸素、炭酸ガス、酸性成分を吸収してpH値が低下するため、スケールの原因となる補給水中の炭酸塩の一部や補給水中に炭酸水素イオンとして溶存している炭酸ガス成分が炭酸ガス化し、脱気装置によりボイラ等の腐食の原因となる補給水中の炭酸ガス及び酸素を確実に分離することができる。
加えて、本発明の排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、膜脱気装置で分離された溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしているため、脱気装置での炭酸ガス及び酸素の分離を促進することができると共に、ボイラから排出されるアルカリ性のブロー水を中和することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る排熱回収装置の概略系統図を示すものであり、当該排熱回収装置は、多管式貫流ボイラ1から排出されてエコノマイザ2を通過した排ガスGが流れる排ガス通路3に設けたスクラビング排熱回収装置4と、スクラビング排熱回収装置4へ補給水Wを供給する上流側給水管5と、スクラビング排熱回収装置4内で予熱された補給水Wをエコノマイザ2へ導く下流側給水管6と、上流側給水管5から補給水Wをエコノマイザ2へ供給する分岐給水管7と、下流側給水管6に介設された脱気装置8と、下流側給水管6に介設されたブースターポンプ9と、下流側給水管6に介設された給水ポンプ10と、上流側給水管5に介設された給水管用開閉弁11と、分岐給水管7に介設された分岐給水管用開閉弁11と、エコノマイザ2の下流側の排ガス通路3に設けた排ガス温度センサー13と、上流側給水管5に設けた給水温度センサー14と、給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉弁12を開閉制御する制御装置15等から構成されている。
尚、多管式貫流ボイラ1及びエコノマイザ2は、従来公知のものと同様構造に構成されており、ここではその詳細な説明を省略する。
前記スクラビング排熱回収装置4は、エコノマイザ2の下流側の排ガス通路3に介設されており、エコノマイザ2を通過した排ガスGとエコノマイザ2から多管式貫流ボイラ1へ供給される補給水Wとを直接接触させて排ガスGと補給水Wとの間で熱交換を行い、排ガスGの顕熱及び潜熱により補給水Wを予熱するようにしたものである。
即ち、スクラビング排熱回収装置4は、排ガス通路3に接続される排ガスGの入口16a及び出口16bを有し、エコノマイザ2を通過した排ガスGが流入するケーシング16と、ケーシング16内に配設され、ケーシング16内に流入した排ガスG中へ補給水Wを噴霧する噴霧ノズル17とを備えており、噴霧ノズル17から排ガスG中へ補給水Wを微粒噴霧し、排ガスGと補給水Wとを直接接触させて排ガスGと補給水Wとの間で熱交換を行うように構成されている。
又、スクラビング排熱回収装置4の噴霧ノズル17には、スクラビング排熱回収装置4内へ補給水Wを供給する上流側給水管5が接続されている。この上流側給水管5には、上流側給水管5から補給水Wを直接エコノマイザ2へ導く分岐給水管7が接続されている。
更に、スクラビング排熱回収装置4のケーシング16には、排ガスGとの熱交換により予熱されてケーシング16の下部に貯留された補給水Wをエコノマイザ2へ導く下流側給水管6が接続されている。この下流側給水管6には、ブースターポンプ9、脱気装置8及び給水ポンプ10が夫々設けられている。
前記脱気装置8は、スクラビング排熱回収装置4内で排ガスGとの直接接触により予熱された補給水Wが、多管式貫流ボイラ1やエコノマイザ2等の機器を腐食させる溶存ガス(炭酸ガス及び酸素)や酸性成分(硫黄分、窒素分等の燃料に含まれる酸性成分や燃焼で発生する酸性成分)を含んでいるため、補給水Wを多管式貫流ボイラ1等へ供給する際にこれらを補給水W中から分離するものである。この例では、脱気装置8には小型で安価な膜脱気装置が使用されている。膜脱気装置は、液体を透過させないが気体を透過させるガス透過膜(脱気膜)で内部を液相室と気相室とに仕切り、気相室を真空ポンプ18で減圧することにより、液相室内に流入させた補給水W中の溶存ガス等を膜透過させて気相室中に移動させるものである。
そして、この排熱回収装置に於いては、排ガス通路3にエコノマイザ2を通過した排ガスGの温度を検出する排ガス温度センサー13を、又、上流側給水管5にスクラビング排熱回収装置4へ供給される補給水Wの温度を検出する給水温度センサー14を夫々設け、更に、上流側給水管5に補給水Wの流れを止める給水管用開閉弁11を、又、分岐給水管7に補給水Wの流れを止める分岐給水管用開閉弁12を夫々設けており、前記排ガス温度センサー13及び給水温度センサー14により排ガスGの温度と補給水Wの温度を夫々検出すると共に、ボイラや給湯器の運転条件から排ガスGと補給水Wが熱交換した際の顕熱と潜熱の収支を算出し、補給水Wが排ガスGから熱を回収できると判断した場合には制御装置15により給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉弁12を夫々開閉制御して上流側給水管5から補給水Wをスクラビング排熱回収装置4内へ供給し、又、補給水Wが排ガスGに熱を奪われると判断した場合には制御装置15により給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉弁12を夫々開閉制御して分岐給水管7から補給水Wを直接エコノマイザ2へ供給するように構成されている。
即ち、前記排熱回収装置に於いては、排ガス温度センサー13と給水温度センサー14が排ガス温度と給水温度を夫々検出し、多管式貫流ボイラ1の運転条件(燃焼量、空気過剰率及び給水量等)から排ガスGと補給水Wが熱交換した際の顕熱と潜熱の収支が算出される。例えば、ボイラ燃料として天然ガス13Aを空気過剰率1.2にて燃焼させたとき、排ガスG中には水分が15.3%vol(絶対湿度0.99kg/kgWG)含まれており、排ガスGの露点は約60℃となっている。多管式貫流ボイラ1からの排ガスGが補給水Wと直接熱交換した際に、これらの平衡温度が排ガスGの露点以下であれば、排ガスG中の水分が凝縮されるので、補給水Wは排ガスGから顕熱と潜熱を回収することができ、又、排ガスGの露点以上であれば、補給水Wが蒸発するので、補給水Wは排ガスGから顕熱を回収するが、潜熱を奪われることになる。
従って、排ガスGと補給水Wが熱交換した際の潜熱と顕熱の収支条件により、補給水Wが排ガスGから熱を回収できると判断した場合、制御装置15により給水管用開閉弁11が開放されると共に、分岐給水管用開閉弁12が閉鎖される。これによって、補給水Wは、噴霧ノズル17からケーシング16内に微粒噴霧され、排ガスGとの直接接触により熱交換されて排ガスGから顕熱と線熱を回収する。又、補給水Wが排ガスGに熱を奪われると判断した場合、制御装置15により給水管用開閉弁11が閉鎖されると共に、分岐給水管用開閉弁12が開放される。これによって、補給水Wは、分岐給水管7から直接エコノマイザ2へ供給され、ここで排ガスGと熱交換されて排ガスGから熱を回収する。
次に、上述した排熱回収装置を用いて多管式貫流ボイラ1から排出された排ガスGから熱回収を行う場合について説明する。
多管式貫流ボイラ1から排出された排ガスGは、エコノマイザ2を通過してスクラビング排熱回収装置4内へ導かれる。このとき、排ガス温度センサー13及び給水温度センサー14によりエコノマイザ2を通過した排ガスGの温度とスクラビング排熱回収装置4へ供給される補給水Wの温度とが検出されていると共に、多管式貫流ボイラ1の燃焼量、空気過剰率及び給水量等から排ガスGと補給水Wが熱交換した際の顕熱と潜熱の収支が算出されており、潜熱と顕熱の収支条件によって、給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉弁12が制御装置15により適宜に開閉制御されている。
例えば、補給水Wが排ガスGから熱を回収できると判断した場合、制御装置15により給水管用開閉弁11が開放されると共に、分岐給水管用開閉弁12が閉鎖される。これによって、補給水Wは、上流側給水管5を通ってスクラビング排熱回収装置4へ供給され、ここで噴霧ノズル17からケーシング16内に微粒噴霧され、排ガスGとの直接接触により熱交換されて排ガスGから顕熱と線熱を回収する。このとき、補給水Wは、排ガスGと直接接触するため、排ガスG中の酸素や炭酸ガス、酸性成分を吸収してpH値が低下し、スケールの原因となる補給水W中の炭酸塩の一部や補給水W中に炭酸水素イオンとして溶存している炭酸ガス成分が炭酸ガス化する。又、排ガスGは、排ガスG中の炭酸ガスや酸性成分が補給水Wに吸収されるため、炭酸ガスや酸性成分が少ない状態でスクラビング排熱回収装置4から排出される。
排ガスGとの直接接触により排ガスGから潜熱と顕熱を奪った補給水Wは、下流側給水管6からブースターポンプ9を介して脱気装置8内へ送られ、ここで補給水W中に含まれている溶存ガス(炭酸ガス及び酸素)や酸性成分(硫黄分、窒素分等の燃料に含まれる酸性成分や燃焼で発生する酸性成分)が分離された後、給水ポンプ10によりエコノマイザ2及び多管式貫流ボイラ1へ順次供給される。
尚、脱気装置8内では、補給水W中の炭酸塩の一部や補給水W中に炭酸水素イオンとして溶存している炭酸ガス成分が炭酸ガス化しているため、炭酸ガスや酸素等を確実に分離することができる。
一方、補給水Wが排ガスGに熱を奪われると判断した場合、制御装置15により給水管用開閉弁11が閉鎖されると共に、分岐給水管用開閉弁12が開放される。これによって、補給水Wは、分岐給水管7から給水ポンプ10により直接エコノマイザ2へ供給され、ここで排ガスGと熱交換されて排ガスGから熱を回収した後、多管式貫流ボイラ1へ供給される。
上述した排熱回収装置を蒸発量2ton/hourの小型貫流ボイラに取り付け、当該小型貫流ボイラをボイラ燃料として天然ガス13Aを燃焼負荷率50%にて運転したとき、排ガスG中の水分量は約100kg/hourとなる。このとき、排ガスG温度60℃、ボイラの補給水Wの温度20℃とした場合、凝縮量は約20kg/hourとなり、潜熱及び顕熱の熱回収によりボイラ効率を約2%向上できることが実験により確認された。
図2は本発明の第2の実施の形態に係る排熱回収装置の概略系統図を示すものであり、当該排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置4を通過した排ガスGの一部をパージガスGaとして脱気装置8内へ導くと共に、脱気装置8で分離された溶存ガスGb及びパージガスGaを多管式貫流ボイラ1のブロー水Wa中へ曝気するようにしたものである。
即ち、前記排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置4を通過した排ガスGの一部を脱気装置8内へ導き、補給水Wに排ガスG中の炭酸ガスや酸素を吸収させて補給水WのpH値を低下させ、補給水W中の炭酸塩や炭酸水素イオンを炭酸ガス化して脱気装置8による炭酸ガスや酸素の分離を促進させると共に、脱気装置8で分離された炭酸ガスや酸素、パージガスGaを多管式貫流ボイラ1から排出されるアルカリ性のブロー水Wa中に曝気してブロー水Waを中和処理するようにしたものである。
この排熱回収装置に於いては、排ガスGの一部をパージガスGaとして脱気装置8へ導くと共に、脱気装置8で分離された溶存ガスGb及びパージガスGaを多管式貫流ボイラ1のブロー水Wa中へ曝気するようにしたこと以外は、図1に示す排熱回収装置と同様構造に構成されており、図1の排熱回収装置と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3及び図4はスクラビング排熱回収装置4の他の例を示すものであり、図3はトレー19から流下する補給水Wに排ガスGを直接接触させて熱交換を行うトレー式のスクラビング排熱回収装置4、図4は充填層20に補給水Wを噴霧して充填層20内で排ガスGと補給水Wを直接接触させて熱交換を行う充填層式のスクラビング排熱回収装置4である。
即ち、トレー方式のスクラビング排熱回収装置4は、図3に示す如く、排ガス通路3に接続される排ガスGの入口16a及び出口16bを有し、エコノマイザ2を通過した排ガスGが流入するケーシング16と、ケーシング16内に上下方向へ多段に配設され、補給水Wを貯留して流下させる複数のトレー19とを備えており、補給水Wを最上段のトレー19から最下段のトレー19へ段階的に流下させ、その間に排ガスGと補給水Wとを直接接触させて熱交換させるようにしたものである。
又、充填層式のスクラビング排熱回収装置4は、図4に示す如く、排ガス通路3に接続される排ガスGの入口16a及び出口16bを有し、エコノマイザ2を通過した排ガスGが流入するケーシング16と、ケーシング16内にペレット状のセラミックス製の固体20aを充填して成る充填層20と、充填層20を支持する金網やパンチングメタル等のスクリーン21と、ケーシング16内に配設され、充填層20へ補給水Wを噴霧する噴霧ノズル17とを備えており、噴霧ノズル17から充填層20へ補給水Wを噴霧し、充填層20内を流下する補給水Wと充填層20内を底部から上部へ通過する排ガスGとを充填層20内で直接接触させて熱交換させるようにしたものである。
これらトレー式又は充填層式のスクラビング排熱回収装置4も、図1に示す水噴霧式のスクラビング排熱回収装置4と同様の作用効果を奏することができる。
尚、上記実施の形態に於いては、排熱回収装置を多管式貫流ボイラ1に設けるようにしたが、排熱回収装置は多管式貫流ボイラ1のみならず、循環式ボイラや温水ボイラ等の全てのボイラ、或いは温水を発生させる給湯器にも設けることができる。
又、上記実施の形態に於いては、脱気装置8に膜脱気装置を使用するようにしたが、他の実施の形態に於いては、脱気装置8に加熱脱気装置や真空脱気装置を使用するようにしても良い。
更に、上記実施の形態に於いては、上流側給水管5及び分岐給水管7に給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉12弁を夫々設け、給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉弁12を夫々開閉制御することにより補給水Wを流す方向を切り換え制御するようにしたが、他の実施の形態に於いては、上流側給水管5と分岐給水管7との接続部分に三方弁等の切換え弁(図示省略)を設け、一台の切換え弁で補給水Wを流す方向を切り換え制御するようにしても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る排熱回収装置の概略系統図である。 本発明の第2の実施の形態に係る排熱回収装置の概略系統図である。 スクラビング排熱回収装置の他の例を示すものであり、トレー式のスクラビング排熱回収装置の概略縦断面図である。 スクラビング排熱回収装置の更に他の例を示すものであり、充填層式のスクラビング排熱回収装置の概略縦断面図である。
符号の説明
1は多管式貫流ボイラ、2はエコノマイザ、4はスクラビング排熱回収装置、5は上流側給水管、6は下流側給水管、7は分岐給水管、8は脱気装置、13は排ガス温度センサー、14は給水温度センサー、16はケーシング、17は噴霧ノズル、19はトレー、20は充填層、20aはペレット状の固体、Gは排ガス、Gaはパージガス、Gbは溶存ガス、Wは補給水、Waはブロー水。

Claims (7)

  1. ボイラや給湯器からの排ガスによってボイラや給湯器へ供給される補給水を予熱するエコノマイザの下流側に設けられ、エコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給される補給水との間で熱交換を行うスクラビング排熱回収装置と、スクラビング排熱回収装置へ補給水を供給する上流側給水管と、スクラビング排熱回収装置内で予熱された補給水をエコノマイザへ導く下流側給水管とを備えた排熱回収装置であって、前記スクラビング排熱回収装置内でエコノマイザを通過した排ガスと上流側給水管により供給された補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行うように構成し、
    前記排熱回収装置は、上流側給水管からエコノマイザへ補給水を供給する分岐給水管と、エコノマイザを通過した排ガスの温度を検出する排ガス温度センサーと、スクラビング排熱回収装置へ供給される補給水の温度を検出する給水温度センサーとを備えており、前記排ガス温度センサー及び給水温度センサーにより排ガスの温度と補給水の温度を夫々検出すると共に、ボイラや給湯器の運転条件から排ガスと補給水が熱交換した際の顕熱と潜熱の収支を算出し、補給水が排ガスから熱を回収できる場合には上流側給水管から補給水をスクラビング排熱回収装置内へ供給し、又、補給水が排ガスに熱を奪われる場合には分岐給水管から補給水をエコノマイザへ供給するように構成したことを特徴とする排熱回収装置。
  2. 下流側給水管にスクラビング排熱回収装置を通過した補給水中の溶存ガスを分離する脱気装置を介設し、脱気装置内で溶存ガスを分離した補給水をエコノマイザへ供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
  3. スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、脱気装置内で分離した溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしたことを特徴とする請求項に記載の排熱回収装置。
  4. ボイラや給湯器からの排ガスによってボイラや給湯器へ供給される補給水を予熱するエコノマイザの下流側に設けられ、エコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給される補給水との間で熱交換を行うスクラビング排熱回収装置と、スクラビング排熱回収装置へ補給水を供給する上流側給水管と、スクラビング排熱回収装置内で予熱された補給水をエコノマイザへ導く下流側給水管とを備えた排熱回収装置であって、前記スクラビング排熱回収装置内でエコノマイザを通過した排ガスと上流側給水管により供給された補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行うように構成し、
    下流側給水管にスクラビング排熱回収装置を通過した補給水中の溶存ガスを分離する脱気装置を介設し、脱気装置内で溶存ガスを分離した補給水をエコノマイザへ供給するように構成し、
    スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、脱気装置内で分離した溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしたことを特徴とする排熱回収装置。
  5. スクラビング排熱回収装置は、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に流入した排ガス中へ補給水を噴霧する噴霧ノズルとを備えており、噴霧ノズルにより排ガス中へ補給水を微粒噴霧し、排ガスと補給水とを直接接触させて熱交換させるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の排熱回収装置。
  6. スクラビング排熱回収装置は、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に上下方向へ多段に配設され、補給水を貯留して流下させる複数のトレーとを備えており、補給水を最上段のトレーから最下段のトレーへ順次に流下させ、その間に排ガスと補給水とを直接接触させて熱交換させるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の排熱回収装置。
  7. スクラビング排熱回収装置は、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に配設され、ペレット状の固体を充填して成る充填層と、充填層へ補給水を噴霧する噴霧ノズルとを備えており、噴霧ノズルから充填層へ補給水を噴霧し、充填層内を流下する補給水と充填層内を底部から上部へ通過する排ガスとを充填層内で直接接触させて熱交換させるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の排熱回収装置。
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