JP4204449B2 - 排熱回収装置 - Google Patents
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又、潜熱回収エコノマイザは、排ガス中の水分が凝縮して伝熱管等の伝熱部を腐食させることがあるため、伝熱部の腐食対策のために伝熱管を耐食性の材料で作製しなければならず、非常に高価な排熱回収装置となってしまう。
更に、潜熱回収エコノマイザは、熱吸収量を増大させるのに一般的にフィン付の伝熱管を使用して伝熱面積を大きくしているが、排ガスからの凝縮水がフィンの表面に膜を形成し、排ガスとの接触面積が阻害されて排熱回収性能の低下を招くことがある。
このように、潜熱回収エコノマイザを用いた排熱回収では、機器の大型化やコストアップを招いてしまうと云う問題が発生している。
又、本発明の排熱回収装置は、エコノマイザを通過した排ガスの温度とスクラビング排熱回収装置へ供給される補給水の温度を夫々検出すると共に、ボイラや給湯器の運転条件から排ガスと補給水が熱交換した際の顕熱と潜熱の収支を算出し、補給水が排ガスから熱を回収できると判断した場合には補給水をスクラビング排熱回収装置内へ供給し、又、補給水が排ガスに熱を奪われると判断した場合には補給水を直接エコノマイザへ供給するようにしているため、スクラビング排熱回収装置で排ガスから熱を確実且つ有効的に回収することができる。
更に、本発明の排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置内で排ガスと補給水を直接接触させて熱交換を行う際に排ガス中の炭酸ガスや酸性成分が補給水に吸収されるため、炭酸ガスや酸性成分の大気中への放出量を緩和することができる。その後スクラビング排熱回収装置内の補給水を脱気装置を通してボイラや給湯器へ給水するようにしている。その結果、補給水は、排ガス中の酸素、炭酸ガス、酸性成分を吸収してpH値が低下するため、スケールの原因となる補給水中の炭酸塩の一部や補給水中に炭酸水素イオンとして溶存している炭酸ガス成分が炭酸ガス化し、脱気装置によりボイラ等の腐食の原因となる補給水中の炭酸ガス及び酸素を確実に分離することができる。
加えて、本発明の排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、膜脱気装置で分離された溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしているため、脱気装置での炭酸ガス及び酸素の分離を促進することができると共に、ボイラから排出されるアルカリ性のブロー水を中和することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る排熱回収装置の概略系統図を示すものであり、当該排熱回収装置は、多管式貫流ボイラ1から排出されてエコノマイザ2を通過した排ガスGが流れる排ガス通路3に設けたスクラビング排熱回収装置4と、スクラビング排熱回収装置4へ補給水Wを供給する上流側給水管5と、スクラビング排熱回収装置4内で予熱された補給水Wをエコノマイザ2へ導く下流側給水管6と、上流側給水管5から補給水Wをエコノマイザ2へ供給する分岐給水管7と、下流側給水管6に介設された脱気装置8と、下流側給水管6に介設されたブースターポンプ9と、下流側給水管6に介設された給水ポンプ10と、上流側給水管5に介設された給水管用開閉弁11と、分岐給水管7に介設された分岐給水管用開閉弁11と、エコノマイザ2の下流側の排ガス通路3に設けた排ガス温度センサー13と、上流側給水管5に設けた給水温度センサー14と、給水管用開閉弁11及び分岐給水管用開閉弁12を開閉制御する制御装置15等から構成されている。
尚、多管式貫流ボイラ1及びエコノマイザ2は、従来公知のものと同様構造に構成されており、ここではその詳細な説明を省略する。
又、スクラビング排熱回収装置4の噴霧ノズル17には、スクラビング排熱回収装置4内へ補給水Wを供給する上流側給水管5が接続されている。この上流側給水管5には、上流側給水管5から補給水Wを直接エコノマイザ2へ導く分岐給水管7が接続されている。
更に、スクラビング排熱回収装置4のケーシング16には、排ガスGとの熱交換により予熱されてケーシング16の下部に貯留された補給水Wをエコノマイザ2へ導く下流側給水管6が接続されている。この下流側給水管6には、ブースターポンプ9、脱気装置8及び給水ポンプ10が夫々設けられている。
従って、排ガスGと補給水Wが熱交換した際の潜熱と顕熱の収支条件により、補給水Wが排ガスGから熱を回収できると判断した場合、制御装置15により給水管用開閉弁11が開放されると共に、分岐給水管用開閉弁12が閉鎖される。これによって、補給水Wは、噴霧ノズル17からケーシング16内に微粒噴霧され、排ガスGとの直接接触により熱交換されて排ガスGから顕熱と線熱を回収する。又、補給水Wが排ガスGに熱を奪われると判断した場合、制御装置15により給水管用開閉弁11が閉鎖されると共に、分岐給水管用開閉弁12が開放される。これによって、補給水Wは、分岐給水管7から直接エコノマイザ2へ供給され、ここで排ガスGと熱交換されて排ガスGから熱を回収する。
尚、脱気装置8内では、補給水W中の炭酸塩の一部や補給水W中に炭酸水素イオンとして溶存している炭酸ガス成分が炭酸ガス化しているため、炭酸ガスや酸素等を確実に分離することができる。
即ち、前記排熱回収装置は、スクラビング排熱回収装置4を通過した排ガスGの一部を脱気装置8内へ導き、補給水Wに排ガスG中の炭酸ガスや酸素を吸収させて補給水WのpH値を低下させ、補給水W中の炭酸塩や炭酸水素イオンを炭酸ガス化して脱気装置8による炭酸ガスや酸素の分離を促進させると共に、脱気装置8で分離された炭酸ガスや酸素、パージガスGaを多管式貫流ボイラ1から排出されるアルカリ性のブロー水Wa中に曝気してブロー水Waを中和処理するようにしたものである。
この排熱回収装置に於いては、排ガスGの一部をパージガスGaとして脱気装置8へ導くと共に、脱気装置8で分離された溶存ガスGb及びパージガスGaを多管式貫流ボイラ1のブロー水Wa中へ曝気するようにしたこと以外は、図1に示す排熱回収装置と同様構造に構成されており、図1の排熱回収装置と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
又、充填層式のスクラビング排熱回収装置4は、図4に示す如く、排ガス通路3に接続される排ガスGの入口16a及び出口16bを有し、エコノマイザ2を通過した排ガスGが流入するケーシング16と、ケーシング16内にペレット状のセラミックス製の固体20aを充填して成る充填層20と、充填層20を支持する金網やパンチングメタル等のスクリーン21と、ケーシング16内に配設され、充填層20へ補給水Wを噴霧する噴霧ノズル17とを備えており、噴霧ノズル17から充填層20へ補給水Wを噴霧し、充填層20内を流下する補給水Wと充填層20内を底部から上部へ通過する排ガスGとを充填層20内で直接接触させて熱交換させるようにしたものである。
これらトレー式又は充填層式のスクラビング排熱回収装置4も、図1に示す水噴霧式のスクラビング排熱回収装置4と同様の作用効果を奏することができる。
Claims (7)
- ボイラや給湯器からの排ガスによってボイラや給湯器へ供給される補給水を予熱するエコノマイザの下流側に設けられ、エコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給される補給水との間で熱交換を行うスクラビング排熱回収装置と、スクラビング排熱回収装置へ補給水を供給する上流側給水管と、スクラビング排熱回収装置内で予熱された補給水をエコノマイザへ導く下流側給水管とを備えた排熱回収装置であって、前記スクラビング排熱回収装置内でエコノマイザを通過した排ガスと上流側給水管により供給された補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行うように構成し、
前記排熱回収装置は、上流側給水管からエコノマイザへ補給水を供給する分岐給水管と、エコノマイザを通過した排ガスの温度を検出する排ガス温度センサーと、スクラビング排熱回収装置へ供給される補給水の温度を検出する給水温度センサーとを備えており、前記排ガス温度センサー及び給水温度センサーにより排ガスの温度と補給水の温度を夫々検出すると共に、ボイラや給湯器の運転条件から排ガスと補給水が熱交換した際の顕熱と潜熱の収支を算出し、補給水が排ガスから熱を回収できる場合には上流側給水管から補給水をスクラビング排熱回収装置内へ供給し、又、補給水が排ガスに熱を奪われる場合には分岐給水管から補給水をエコノマイザへ供給するように構成したことを特徴とする排熱回収装置。 - 下流側給水管にスクラビング排熱回収装置を通過した補給水中の溶存ガスを分離する脱気装置を介設し、脱気装置内で溶存ガスを分離した補給水をエコノマイザへ供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
- スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、脱気装置内で分離した溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の排熱回収装置。
- ボイラや給湯器からの排ガスによってボイラや給湯器へ供給される補給水を予熱するエコノマイザの下流側に設けられ、エコノマイザを通過した排ガスとエコノマイザへ供給される補給水との間で熱交換を行うスクラビング排熱回収装置と、スクラビング排熱回収装置へ補給水を供給する上流側給水管と、スクラビング排熱回収装置内で予熱された補給水をエコノマイザへ導く下流側給水管とを備えた排熱回収装置であって、前記スクラビング排熱回収装置内でエコノマイザを通過した排ガスと上流側給水管により供給された補給水とを直接接触させて排ガスと補給水との間で熱交換を行うように構成し、
下流側給水管にスクラビング排熱回収装置を通過した補給水中の溶存ガスを分離する脱気装置を介設し、脱気装置内で溶存ガスを分離した補給水をエコノマイザへ供給するように構成し、
スクラビング排熱回収装置を通過した排ガスの一部をパージガスとして脱気装置内へ導くと共に、脱気装置内で分離した溶存ガス及びパージガスをボイラのブロー水中へ曝気するようにしたことを特徴とする排熱回収装置。 - スクラビング排熱回収装置は、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に流入した排ガス中へ補給水を噴霧する噴霧ノズルとを備えており、噴霧ノズルにより排ガス中へ補給水を微粒噴霧し、排ガスと補給水とを直接接触させて熱交換させるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の排熱回収装置。
- スクラビング排熱回収装置は、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に上下方向へ多段に配設され、補給水を貯留して流下させる複数のトレーとを備えており、補給水を最上段のトレーから最下段のトレーへ順次に流下させ、その間に排ガスと補給水とを直接接触させて熱交換させるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の排熱回収装置。
- スクラビング排熱回収装置は、排ガスが流入するケーシングと、ケーシング内に配設され、ペレット状の固体を充填して成る充填層と、充填層へ補給水を噴霧する噴霧ノズルとを備えており、噴霧ノズルから充填層へ補給水を噴霧し、充填層内を流下する補給水と充填層内を底部から上部へ通過する排ガスとを充填層内で直接接触させて熱交換させるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の排熱回収装置。
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