JP4204177B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルプリンター等で使用されるインクリボンの耐熱保護層(背面層)が紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンを含む組成物で形成された感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルプリンター等で使用されるインクリボンは、薄いポリエステルフィルムを基材とし、該基材上面に溶融型熱転写インク層を設け、該基材下面のサーマルヘッドと接する面(背面層(耐熱滑性層あるいは耐熱保護層とも称される))は、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等の耐熱性樹脂或いはアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を有機ポリイソシアネート系硬化剤等で硬化させた被膜で形成されている。これらの被膜には滑性を付与させるために、従来から、シリコーン、各種ワックス等の滑性剤が添加されている。
【0003】
これらの樹脂は種々の架橋剤で硬化させる熱硬化性樹脂として使用されることから種々の問題が生じている。例えば、ポリイソシアネートを架橋剤として背面層を形成する場合には、可使時間(ポットライフ)の制限或いは水分等の混入や熟成不十分による硬化不良等の不具合が発生することがあり、その結果、耐熱性、基材との密着性、被膜強度などの諸性能が不充分となり、印字不良を引き起こす原因となっている。
【0004】
又、サーマルプリンター等で使用されるインクリボンは、インキ層と背面層を連続或いは別工程で塗工して生産されている。インキ層と背面層を連続して塗工する方法では、熟成させる前にロール状に巻き取られるため、背面層は未架橋状態である。従って、未反応のポリイソシアネートが存在していることから、重ねられたインク層と背面層とがブロッキングし、背面層へのインキ移行が発生して、プリンターあるいはその周辺の汚染や印字障害を引き起こすといった問題も発生する。又、滑性付与のために添加される滑剤は、長期にわたる場合には、背面層の表面にブリードしたり、インキ層へ移行したりして印字に支障を来す問題もある。
【0005】
又、紫外線硬化型シリコーン含有モノマーと反応性稀釈剤からなる材料を塗工後乾燥し、紫外線硬化させることで背面層を形成せしめることも可能である。しかしながら、紫外線硬化型シリコーン化合物として低分子の反応性のシリコーン含有モノマーを使用することから、未反応性の該シリコーン含有モノマーが残存し、これは低分子量であり、ブリードアウトし易いため、リボン巻取り後に未反応のシリコーン含有モノマーがインキ層に移行し、インキ転写性を低下させるという致命的な性能劣化を引き起こす問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来の感熱記録材における、硬化剤を使用して背面層を形成する際の熟成不十分による硬化不良に起因するプリント時の印字不良やインキ移行の問題がなく、又、低シリコーン移行性や耐熱性、密着性に優れ、更には生産性の向上、省エネルギー、省スペース等も達成される熟成工程(硬化(架橋)剤を用いた硬化を充分に行わしめるための)を必要としない感熱記録材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達せられる。即ち、本発明は、基材シートと、その一方の面に設けた感熱記録層と他の面に設けた背面層とからなる感熱記録材料において、背面層がポリイソシアネートと、ポリオール又はポリアミンと、分子内に少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサンと、グリセリンモノアリルエーテルを反応させて得られるシロキサン変性ポリウレタンを含む層からなることを特徴とする感熱記録材料である。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の感熱記録材料は、基材シートの一方の面に感熱記録層と他方の面に背面層とが形成された構成は従来の感熱記録材と同じであるが、背面層が熱や紫外線照射によって硬化する不飽和結合を有する紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンで形成されていることが特徴である。
本発明の紫外線硬化型シリコーン変性ポリウレタンは、通常のポリウレタンの製造原料であるポリイソシアネート、ポリオール又はポリアミンと、本発明の特徴をなす少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサングリセリンモノアリルエーテルとを、必要に応じて鎖伸長剤と反応させることによって得られるポリウレタンである。この反応は、通常のポリウレタン生成反応と同じである。尚、本発明では、ポリウレタンは、ポリウレタン、ポリウレア及びポリウレタン−ポリウレアの総称である。
【0009】
以下に本発明の紫外線硬化型シリコーン変性ポリウレタンの製造に使用する原料成分について説明する。
グリセリンモノアリルエーテルは下記式で示される
Figure 0004204177
【0010】
本発明で使用する紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンの分子鎖中にポリシロキサンセグメントを導入するために使用するポリシロキサンは、分子中に少なくとも1個の活性水素含有基、例えば、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する反応性ポリシロキサンである。反応性ポリシロキサンは、更に不飽和基を有していてもかまわない。
活性水素含有基を有するポリシロキサンの好ましい例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
【0011】
(1)アミノ変性ポリシロキサン
Figure 0004204177
【0012】
Figure 0004204177
【0013】
(2)エポキシ変性ポリシロキサン
Figure 0004204177
【0014】
Figure 0004204177
【0015】
Figure 0004204177
【0016】
(3)水酸基変性ポリシロキサン化合物
Figure 0004204177
【0017】
Figure 0004204177
【0018】
Figure 0004204177
【0019】
Figure 0004204177
Figure 0004204177
【0020】
Figure 0004204177
【0021】
Figure 0004204177
【0022】
(4)メルカプト変性ポリシロキサン
Figure 0004204177
Figure 0004204177
【0023】
(5)カルボキシル変性ポリシロキサン
Figure 0004204177
Figure 0004204177
【0024】
Figure 0004204177
【0025】
以上列記した活性水素含有基を有するポリシロキサンは、本発明において使用される好ましい化合物の例示であって、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものでない。
従って、上述の例示化合物のみならず、その他現在市販されていて、市場から容易に入手できる化合物は、いずれも本発明において使用することができる。
【0026】
通常のポリウレタン製造の原料であるポリオール及びポリアミンとしては、従来公知の短鎖ジオール、短鎖ジアミン、高分子ポリオール等を使用することができ、特に限定されない。
短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族系グリコール類及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満) ;1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環式系グリコール類及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満) ;キシリレングリコール等の芳香族系グリコール類物及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満) ;C1〜C18のアルキルジエタノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン類等の化合物が挙げられる。又、多価アルコール系化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリス−(2ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を組合せて使用することができる。
【0027】
短鎖ジアミンとしては、脂肪族系ポリアミン類、例えば、エチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等;脂環式系ポリアミン、例えば、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロ類ヘキサン、イソホロンジアミン等;ヒドラジン類、例えば、ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等;不飽和基を含むポリアミン類、例えば、ジアリルアミン化合物等が挙げられる。これらは単独で或いは2種類以上を組合せて使用することができる
【0028】
高分子ポリオールとしては、例えば、
(1)ポリエーテルポリオール、例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等) 及び/又は複素環式エーテル(テトラヒドロフラン等)を重合または共重合して得られるもの、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレン(ブロック又はランダム)グリコール、ポリエチレン−ポリテトラメチレングリコール(ブロック又はランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等、
【0029】
(2)ポリエステルポリオール、例えば、脂肪族系ジカルボン酸類(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸等)及び/又は芳香族系ジカルボン酸類(例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等)と低分子グリコール類(たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等)とを縮重合させたもの、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール等、
【0030】
(3)ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオール又はトリオール、ポリ−3−メチルバレロラクトンジオール等、
(4)ポリカーボネートポリオール、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等、
(5)ポリオレフィンポリオール、例えば、ポリブタジエングリコール、ポリイソプレングリコール又はその水素化物等、
(6)ポリメタクリレートジオール、例えば、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオール、α,ω−ポリブチルメタクリレートジオール等が挙げられる。
これらのポリオールの分子量は特に限定されないが、通常、数平均分子量は500〜2,000程度である。又、これらのポリオールは単独或いは2種以上を組合せて使用することができる。
【0031】
ポリイソシアネートとしては、従来の公知のいずれのものも使用できるが、例えば、好ましいものとして、芳香族系ジイソシアネート類、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート等;炭素数が2〜12の脂肪族系ジイソシアネート類、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、リジンジイソシアネート等;炭素数が4〜18の脂環式系ジイソシアネート類、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン(水添XDI)等;芳香環を有する脂肪族系ジイソシアネート類等が挙げられる。これらは単独或いは2種類以上の混合物として使用することができる。更には、これらのポリイソシアネートは、低分子量のポリオール成分やポリアミンと末端がイソシアネート基となるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマー等としても使用することができる。
【0032】
本発明においては上記の原料を用いた紫外線硬化型ポリシロキサン変性ウレタンの製造方法は特に限定されず、従来公知のポリウレタンの製造方法を用いることができる。例えば、分子内に活性水素を含まない有機溶剤の存在下、又は不存在下に、上記のジイソシアネート、高分子ポリオール、活性水素含有基を有するポリシロキサンと、グリセリンモノアリルエーテルとを、必要により低分子ジオールもしくは低分子ジアミンと、イソシアネート基と活性水素含有官能基との当量比が、通常、1.0となる配合比で、ワンショット法又は多段法により、通常、20〜150℃、好ましくは60℃〜110℃で、イソシアネート基がほとんどなくなるまで反応させてポリウレタンを得る。得られた反応生成物のポリウレタンの赤外吸収スペクトルには、2,270cm-1の遊離イソシアネート基による吸収は認められず、1,090cm-1に−SiO−に基づく吸収帯、1,640cm-1,990cm-1,905cm-1に>C=C<に基づく吸収帯が認められた。
【0033】
本発明で使用する紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタン中のポリシロキサンセグメントは、主鎖及び/又は側鎖中に含有され、該ポリウレタン中のポリシロキサンセグメントの含有量(JIS K0117の赤外分光分析法に従って測定)は、1〜75重量%が好ましく、更に好ましくは、1〜60重量%である。ポリシロキサンセグメントの含有量が1重量%未満では、基材との密着性、耐熱性、耐薬品性、防汚染性、滑性、撥水性、撥油性等の特性が不十分となり、75重量%を越えるとポリシロキサンセグメントの性質が強くなり、基材との密着性、機械的強度、耐磨耗性等が低下するので好ましくない。
【0034】
又、本発明の紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタン中の不飽和結合の含有量(JIS K0070のよう素価法に従って測定)は、0.001〜10meq/g(ポリマー)の範囲が好ましく、更に好ましくは0.001〜5meq/g(ポリマー)、最も好ましくは0.005〜0.5meq/g(ポリマー)である。0.001meq/g(ポリマー)未満では紫外線硬化後の被膜の強度が不十分であるとともに、基材との密着性が劣ることがある。一方、10meq/g(ポリマー)を超えると紫外線硬化した被膜がかたくて脆く、基材の変形が起きる。又、高架橋密度による立体障害等によって被膜物性の低下も起こり得る。又、紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンの重量平均分子量(GPCで測定。標準ポリスチレン換算。)は、5,000〜200,000の範囲が好ましい。
【0035】
以上の如き本発明における紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンは、各種素材に対する接着性に優れるとともに、耐溶剤性、耐薬品性、防汚染性、撥水性、撥油性に優れ、特に、耐熱性、滑性、非粘着性、移行性、高硬度、機械的強度、耐摩耗性、可撓性に優れるため、感熱転写方式或いは昇華型転写方式の感熱記録材料の背面層形成材料として特に有用である。
【0036】
本発明の感熱記録材料は、従来公知の方法で製造することができ、製造方法自体は特に限定されない。又、基材シート、感熱記録層(インキ層)形成材料等の背面層形成材料以外の材料は、いずれも従来公知の材料が使用でき、特に限定されない。
本発明の感熱記録材料の背面層を形成するに際しては、本発明の不飽和基を含有する紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンを含む背面層形成用塗料を、従来公知の塗布方法によって基材シートの裏面(表面は感熱記録層)に、乾燥厚さが0.01〜1μm程度となるように塗布して被膜を形成させ、紫外線照射又は加熱して硬化(架橋)させる。
【0037】
背面層形成用塗料は、紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタンのみを含む一液としても使用可能であるが、より物性を向上させるために架橋剤及び/又は反応性希釈剤を併用することが好ましい。
架橋剤としては、従来から紫外線硬化型ポリマー等やポリウレタンの架橋剤として用いられているものがいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、多官能性(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、或いはそれらの誘導体が挙げられる。
【0038】
反応性希釈剤としては、光重合性の単官能性モノマー及び多官能性モノマー、多官能性オリゴマー、カチオン重合性モノマー等の紫外線硬化型ポリマー等の反応性希釈剤として従来公知のものがいずれも使用でき、特に限定されない。光重合性の単官能性モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等が挙げられるが、反応速度の点からアクリレートが好ましい。又、N−ビニルピロリドン等のビニルモノマーも使用可能である。
【0039】
多官能性モノマーは、該ポリウレタンの硬化前は反応性希釈剤として機能し、硬化に際しては架橋剤として機能する。多官能性モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート等の2官能性以上の(メタ)アクリレートが挙げられるが、多官能性アクリレートが好ましい。多官能性オリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等が挙げられる。又、カチオン重合性希釈剤としてエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらの架橋剤や反応性希釈剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
架橋剤及び反応性希釈剤の使用量は、特に限定されず、使用する物質の種類や反応性希釈剤を架橋剤としても使用する場合等によって異なり一概に規定することはできない。通常、紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタン100重量部当り、架橋剤は10〜60重量部程度の割合、反応性希釈剤は50〜600重量部程度の割合である。
【0040】
又、本発明においては光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては、光によりラジカルを発生し、上記の単官能性及び多官能性モノマーのラジカル重合を開始させるものが好ましく、従来公知のラジカル反応型光重合開始剤がいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2,4−ジメチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、エチルアントラキノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。又、カチオン重合性希釈剤を使用する場合には光カチオン重合開始剤が使用されるが、例えば、アリールジアゾニウム塩型化合物(Ar−N2 +-:X- はPF6 -、SbF6 -、BF4 -等)、トリアリールスルホニウム塩型化合物(Ar3+-:X- は同上)、ジアリールヨードニウム塩型化合物(Ar2+- :X- は同上)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、使用する架橋剤や希釈剤のタイプに合わせて、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。光重合開始剤の使用量は特に限定されず、通常、紫外線硬化型シロキサン変性ポリウレタン100重量部あたり、1〜5重量部程度の割合で使用される。
【0041】
本発明で使用する背面層形成用塗料中には、貯蔵中の架橋剤や反応性希釈剤の熱重合を制御するために、オルトニトロトルエン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、塩化銅等を重合禁止剤として配合することが好ましい。又、その他の添加剤として、酸化防止剤、光安定剤、塗料添加剤、機能性付与剤等を適宜配合することもできる。
【0042】
【実施例】
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。又、以下の文中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0043】
製造例1〜、比較製造例1〜4
表1及び表2に記載のポリシロキサン、ポリオール、鎖伸長剤、グリセリンモノアリルエーテルを同表記載の部数とヘキサメチレンジイソシアネート11部、MEK/トルエン(105/105部)を反応容器に仕込み、攪拌しながら加熱し、60℃になったら、ジブチルチンジラウリレート0.2部を添加して85℃まで昇温し、4時間反応させて残存NCO基のないことをIRにて確認して、不飽和結合を有する又は有しないシロキサン変ポリウレタンを合成した。比較製造例4はメタクリル変性シリコン化合物をトルエンに溶解したものである。各原料組成、得られた各ポリウレタンの性状及び強度特性(未架橋)(JIS K6301に従って測定)を表1及び表2に示す。
尚、各ポリウレタン中のポリシロキサンセグメントの含有量は、JIS K0117の赤外分光分析法により、不飽和結合の含有量は、JIS K0070のよう素価法により測定した。
【0044】
Figure 0004204177
【0045】
Figure 0004204177
【0046】
表1及び表2中のA−1、A−2及びメタクリル変性シリコーン化合物は下記の化合物である。
Figure 0004204177
Figure 0004204177
メタクリル変性シリコーン化合物:信越化学工業社製X−22−164B
Figure 0004204177
【0047】
実施例1〜、比較例1〜4
各製造例及び比較製造例で得たポリウレタン溶液(固形分30%)のそれぞれ100部に、各実施例及び比較例4では反応性希釈剤としてペンタエリトリトールを30部/ポリウレタン100部を、比較例1〜3では硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート3量体(ビューレット結合)、NCO%=24%)30部/ポリウレタン100部を加えて感熱記録材料の背面層形成用塗料を作成した。
これらの塗料をそれぞれ、厚み6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製)の表面にグラビア印刷により乾燥後の厚みが0.3μmとなるように塗布し、乾燥機中で溶剤を除去して未架橋の背面層を形成した。次いで、各実施例及び比較例4については、塗布面上からメタルハライドランプをピーク照度382mW/cm2、照射強度415mj/cm2で照射して架橋させ、比較試験用の背面層を形成させた。比較例1〜3については、40℃、湿度46%の雰囲気で1日熟成させて架橋背面層を形成させた。
【0048】
これらの背面層が形成されたPETフィルムの反対の面に、表3に示す配合処方に従って作製した転写インキ組成物を100℃に加熱し、ホットメルトによるロールコート法にて塗布厚みが5μmとなるように塗布して転写インキ層(感熱記録層)を形成し、本発明の感熱記録材料を得た。
Figure 0004204177
【0049】
上記で得られた各実施例及び比較例の感熱記録材料のそれぞれを用い、薄膜型サーマルヘッドで、1mj/ドット(4×10-4cm2)の印字エネルギー条件で印字を行い、スティッキング性、ヘッド汚染性及び移行性を観察した。又、背面層と基材との接着性及び背面層の静止摩擦係数を測定した。これらの結果を表4に示す。尚、結果の表示及び測定方法は以下の通りである。
〔スティッキング性〕
感熱記録材料を実装試験に供した際のサーマルヘッドと感熱記録材料との押圧操作時における感熱記録材料のサーマルヘッドからの離脱性を目視で観察し、最も離脱性の良い場合を5、最も離脱性が悪い場合を1とする5段階評価を行った。
【0050】
〔サーマルヘッドの汚れ〕
感熱記録材料を実装試験に供した際のサーマルヘッドの汚れ状態を観察し、最もよごれの少ない場合を5、最も汚れがひどい場合を1とする5段階評価を行った。
〔接着性〕
背面層の碁盤目セロハンテープ剥離試験により評価した。
〔静止摩擦係数〕
表面性試験機(新東科学社製)を用いて測定した。
〔移行性〕
ロール状に巻いた感熱転写材料を40℃のオーブン中に3日間放置した後の未反応のポリシロキサンのインキ層への移行の度合いを指触及び目視観察により評価し、移行が認められない場合を5、移行がはっきりと認められる場合を1とする5段階評価を行った。
【0051】
Figure 0004204177
【0052】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、スティッキング現象やブロッキング現象が発生しない、耐熱性と滑性に優れた感熱記録材料が提供される。特に背面層は、紫外線で硬化させて形成することができ、生産性を改善することができる。又、シリコン成分の感熱記録層への移行やブリードが少ないために、サーマルヘッドの汚染や印字特性が損なわれない等の優れた性能を有する感熱記録材料が提供される。

Claims (7)

  1. 基材シートと、その一方の面に設けた感熱記録層と他の面に設けた背面層とからなる感熱記録材料において、背面層が、ポリイソシアネートと、ポリオール又はポリアミンと、分子内に少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサンと、グリセリンモノアリルエーテルを反応させて得られるシロキサン変性ポリウレタンを含む層からなることを特徴とする感熱記録材料。
  2. シロキサン変性ポリウレタン中のポリシロキサンセグメントの含有量が1〜75重量%である請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. シロキサン変性ポリウレタン中の不飽和結合の含有量が0.001〜10meq/g(ポリマー)である請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. シロキサン変性ポリウレタンの重量平均分子量が5,000〜200,000である請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  5. 背面層が、更に架橋剤及び/又は反応性希釈剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  6. 背面層が、他のバインダー樹脂を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  7. 背面層が紫外線又は熱で硬化した膜である請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
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