JP4203136B2 - 動画像表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、単に「PDP」と記述する)等において画像が移動する場合に発生する偽輪郭の発生を抑止する動画像表示方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の表示装置の大型化要望に応えるものとして、PDP,EL表示素子、蛍光表示管、液晶表示素子等の薄型のマトリックスパネルが提供され始めた。かかる薄型の表示装置の中で、特にPDPは大画面で直視型の表示デバイスとしての期待が非常に大きい。
【0003】
ところで、PDPの中間調表示方法の一つとして、フィールド内時間分割法がある。この中間調表示方法は1フィールドを輝度の重みの異なるN枚の画面(これらを以下サブフィールドと呼ぶ)で構成する。輝度の重みの小さい側からSF0,SF1,SF2,…・・,SF(N−1)と呼ばれ、それらサブフィールドの輝度の重みの比はそれぞれ、20,21,22,…・・,2N-1である。1フィールド内の中間輝度は、これらのサブフィールドの発光の有無を選択する事により行われ、人間の視覚特性(残光特性)により、人間の目に感じる輝度は発光サブフィールドの各々の輝度の和で表せる。この中間調表示方法で表現出来る中間調数は1フィールド内のサブフィールド数、即ち2N通りである。
【0004】
図21に上記中間調表示方法を用いた1フィールド内の表示シーケンスを示す。1フィールドは8枚(N=8)の輝度の重みの異なるサブフィールドで構成され、輝度の重みの大きいほうからSF7,SF6,…・・,SF0と呼ばれている。ここで、SF7を最上位ビット(MSB)側、SF0を最下位ビット(LSB)側と呼んでいる。各々のサブフィールドは1フィールドの中に、SF0,SF1,…・・,SF7と輝度の重みの小さいものから順に並んで発光を制御する場合が多く用いられている。即ち、各サブフィールドの発光回数の比は、SF0を“1”とすると、SF1は“2”,SF2は“4”,…・・SF6は“64”,SF7は“128”である。このサブフィールド数が8個のときは256階調まで表現できる。
【0005】
ところで、上述したサブフィールド法による中間調表示方法は、1と0の2つの階調しか表現出来ないPDPのような2値表示デバイスでも多階調表現が可能な技術として優れた方法であり、このサブフィールドを用いた表示方法により、テレビ画像とほぼ同様な画質がPDPにおいても得られるようになった。
【0006】
しかしながら、例えば、濃淡が緩やかに変化している被写体で動きのある映像が表示された場合、テレビでは見られないPDP画像に特有のいわゆる偽輪郭が発生する問題がある。この偽輪郭発生現象は視覚の特性からくるもので、その映像信号レベルが256階調表示のとき、上記の128,64,32,16などといった2のN乗の境界付近に沿って、あたかも階調が失われたような状態で、更には本来表示すべき色と違った色が縞状となって見られる現象である。しかし、静止画像を表示した場合には偽輪郭は感じられない。動きのある部分でかつ上記信号レベルの周辺でのみ認知されるのが偽輪郭の特徴である。
【0007】
図22を用いてサブフィールド法による階調表示方法で偽輪郭が発生する原理について説明する。
図22(a)では1フィールド内のサブフィールド数が8個でその配列が輝度の重みの小さい方、即ちSF0,SF1,SF2,…,SF7の順に並ぶ場合を示している。ある画素位置の信号レベルが127から128に変化しているときに、この動画像が1フィールドで3画素移動している。図22(b)は、観測者が画面上でこの動画像を観測した結果を示す。
【0008】
このように、信号レベル127(SF0からSF6までの発光)と信号レベル128(SF7のみが発光)が隣り合っている場合、その階調差は1LSB(1/256)であるが、人間の網膜上で感じる発光値はこの発光時間の不均一性により画像の移動した画素分だけ各々の信号レベルの発光が重なり合う結果、空間的拡がりとなって網膜上には大きな値(積分値)として感じる。即ち、本来同じ画素で発光しているべき各々のサブフィールドの発光が動画像部では異なった画素位置で発光していることになり、画素の中間調輝度が単に各サブフィールドの和で表現出来なくなる。これが偽輪郭として感じられる理由である。
【0009】
図22に示した様に、動画像が表示画面の左側から右側へスクロールすると、上述の信号レベルの境界部は明るい線として感じられ、反対に動画像が表示画面の右側から左側へスクロールすると、上述の信号レベルの境界部はサブフィールドの空間的分離として感じられ、暗い線として感じられることになる。一方、サブフィールドの配列が輝度の重みの大きい方、即ちSF7、SF6,SF5,…,SF0と順に並んでいる表示方法においては、動画像が表示画面の左側から右側へスクロールすると、信号レベルの境界部は暗い線として感じられ、反対に動画像が表示画面の右側から左側へスクロールすると、信号レベルの境界部は明るい線として感じられることになる。つまり、表示画面の動画像の移動方向によって、偽輪郭の見え方が異なることになる。
【0010】
更に、この偽輪郭の発生は動画像の動き速度にも依存し、動き速度が速い程、偽輪郭の及ぶ範囲は大きい。例えば、1フィールド中に10画素移動する動画像では偽輪郭の及ぶ画素幅は10画素にも及ぶ。
【0011】
従来より、この偽輪郭に対する対策として各種の提案がされており、特開平7−271325号公報では、サブフィールドの表示順を、パルス数比率が1,2,4,8,16,32,64,128のような単純増加でなく、偽輪郭が目立たないような順序に並び替える技術を開示している。例えば、サブフィールド中で一番表示期間の長いサブフィールドをフィールドの中心に配置するような順番に表示したり、1フィールド毎に表示順番を変化させたりする方法などである。
【0012】
しかし、サブフィールドの並び替えやフィールド毎にサブフィールドの発光シーケンスを変えたのでは、動きの速い動画像に対する偽輪郭には対応出来ないなど効果が極めて限定される。
【0013】
また、特開平8−123355号公報には動き検出を利用した偽輪郭の抑止技術が開示されている。これは連続した2枚のフィールド画面の動画と背景画に対応した画面から動き量と方向を求め、この検出値と各サブフィールド画面の単位時間における分割時間割合に基づいて動き補正量を求め、この補正量だけ対応するサブフィールド画面の発光パターンを移動させるといった技術である。
【0014】
また、特開平8−211848号公報では、動きベクトルをフィールド間の表示データにより画素ブロック毎に検出し、フィールド内の先頭サブフィールドは入力データのそれに対応するデータを表示し、それに続く各サブフィールドは各々の先頭サブフィールドからの遅れ時間をフィールド周期で割った値を動きベクトルに掛け算した値を用いて表示データを移動させ画像を表示する技術内容が開示されている。
【0015】
上記したような動き量に応じてサブフィールドの発光パターンを移動させたり表示データを変えるだけでは、動画像のブロック境界で不自然な階調変化や髭が発生し、かえって副作用が目立つ場合がある。また、視覚光量とのマッチングも難しく、動き量により単にデータの移動だけでは対応出来ないことが視覚実験により判った。また、動き検出を利用した偽輪郭抑制では、偽輪郭を防止するための決め手は如何に精度良く動き量を検出するかにかかっているにも拘わらず、実用性のある動き検出の具体的構成が十分に開示されていない。
【0016】
また、特開平8−234694号公報に開示された偽輪郭補正方法では、同一画素に対応する単位画素データを少なくとも1フレーム期間だけ離れた前回値と今回値とを比較して、双方の発光論理値の最上位ビットの桁位置がお互いに異なる場合、今回値について補正データを加算あるいは減算している。
【0017】
しかし、この偽輪郭補正方法では動画像の動き方向が特定出来なければ効果が反対になる可能性がある。例えば、上位方向にビットの桁位置を検出した時補正データを減算するが、前述したように画像が左方向に動いているときに上記演算を行うとかえって偽輪郭が強調され効果が反対になる場合が生じてくる。同様に下位方向にビットを検出した時補正データを加算するが、画像が反対方向に移動している場合は効果が逆となる。また、速度の速い動画像にも対応できない欠点を有している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来からある偽輪郭の抑止に関する技術では、動きの速い動画像に発生する偽輪郭の防止には十分に対応することができなかった。
【0019】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、サブフィールド法で階調表示を行う表示装置において、動画を目で追従したときの偽輪郭の発生を大幅に抑制できる動画像表示方法及び動画像表示装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明は以下のような手段を講じた。
【0021】
請求項1記載の発明は、偽輪郭の発生する信号レベル近傍の画素の動きを捉え、画素の動きに応じて現画像データを補正する構成を採る。
この構成によれば、偽輪郭の発生する信号レベル近傍で画素の動きを捉えることで、画素値の分布の偏りに影響されることなく、画像の局所的な変化を高速に検出することができる。偽輪郭部の発生する画素の動きは極めて局所的な検出で十分であり、計算時間、回路構成等を簡単にできる。
【0022】
請求項2記載の発明は、偽輪郭の発生する信号レベル近傍の区間をしきい値により現フィールド画像及び前フィールド画像を2値化し、2値化画像を比較して動いた画素の移動画素数及び移動方向を検出し、現フィールド画像で偽輪郭の発生する信号レベルを持った動き画素をその移動画素数及び移動方向に応じて補正する構成を採る。
この構成によれば、偽輪郭の発生する信号レベル近傍のしきい値にて現フィールド画像及び前フィールド画像を2値化するので、少領域でも原画像の特徴を反映したものとなり、偽輪郭部の発生する画素の動きを検出できる。また、動きの検出された画素の移動画素数及び移動方向に応じて補正するので偽輪郭の発生を防止できる。
【0023】
請求項3記載の発明は、現フィールド2値化画像を複数の検出ブロックに分割し、検出ブロック毎に前フィールド2値化画像内に参照領域を設定し、参照領域内に複数設定した参照ブロックと検出ブロックとの一致度を評価し、評価値の最も高い参照ブロックと前記検出ブロックとの位置関係から動き画素の移動画素数及び移動方向を検出する構成を採る。
この構成によれば、偽輪郭が発生しない画像の動きベクトルは無視することができ、偽輪郭の発生する近傍の2値画像で動きを検出することから、例えば8ビットで表された画素値(多値画像)を用いる場合に比べて減算、比較等の演算時間を大幅に減らすことができ、動きの速い動画像に対しても十分に対応できる。
【0024】
請求項4記載の発明は、検出ブロックと参照ブロックとの比較で動きの検出されなかった検出ブロックを不定ブロックとして仮登録し、動きが検出された既知ブロックに囲まれた不定ブロックを既知ブロックと同じ移動画素数及び移動方向にする構成を採る。
この構成によれば、動きが検出された既知ブロックに囲まれた不定ブロックを既知ブロックと同じ動きがあったものとして扱うので、動画像のエッジ部を含む複数のブロックが1つ又は複数のブロックを囲む場合であっても、囲まれたブロックの動きを検出できる。
【0025】
請求項5記載の発明は、不定ブロックの処理は、それを囲む既知ブロックの移動画素数及び移動方向により線形補間により、当該検出ブロックの移動画素数及び移動方向を求める構成を採る。
この構成によれば、動きが検出された既知ブロックに囲まれた不定ブロックをその近傍既知ブロックから線形補間により求めるので、動画像のエッジ部を含む複数のブロックが1つ又は複数の不定ブロックを囲む場合であっても、囲まれたブロックの動きをさらに高精度に検出できる。
【0026】
請求項6記載の発明は、検出ブロック毎にR,G,Bの各色成分について移動画素数及び移動方向を検出し、多数決判定により当該検出ブロックの移動画素数及び移動方向を確定する構成を採る。
この構成によれば、多数決判定により当該検出ブロックの移動画素数及び移動方向を確定するので、そのブロックの動き判定が実現できる。
【0027】
請求項7記載の発明は、各色成分の当該検出ブロックとその近傍ブロックの移動画素数及び移動方向を取り出す際に、各色成分毎に数値の大きい順に並び替えを行い、その中央値を代表値として求める構成を採る。
この構成によれば、当該検出ブロックの移動画素数及び移動方向を、各色成分毎に求められた移動画素数及び移動方向とそれを囲む近傍ブロックの移動画素数及び移動方向の複数の値を使用して求めるため、さらに高精度の動き判定が実現できる。
【0028】
請求項8記載の発明は、現フィールド画像及び前フィールド画像を、2のN乗の信号レベル又はこれら信号レベルを組み合わせた信号レベルを中心とした多階層のしきい値で2値化し、多階層画像データ毎に動きを検出する構成を採る。
この構成によれば、2のN乗の信号レベル境界付近で偽輪郭が発生するので、偽輪郭が発生する各信号レベル近傍の2値画像を抽出することができ、多階層画像データ毎に動きを検出するので各信号レベルで発生する偽輪郭をそれぞれ抑止できる。
【0029】
請求項9記載の発明は、現フィールド画像及び前フィールド画像を2値化前に平滑化処理する構成を採る。
この構成によれば、現フィールド画像及び前フィールド画像のノイズを除去できるので、正確に動きを検出できる。
【0030】
請求項10記載の発明は、偽輪郭の発生する信号レベルに対応して移動画素数及び移動方向に応じた補正データを補正テーブルに登録しておき、検出した動き画素の移動画素数及び移動方向に基づいて前記補正テーブルから補正データを取り出す構成を採る。
この構成によれば、動き画素の移動画素数及び移動方向を検出でき、移動画素数及び移動方向に基づいて細かく補正データを設定した補正テーブルを使って補正することができる。
【0031】
請求項11記載の発明は、検出ブロック毎に検出した移動画素数及び移動方向を動きベクトルテーブルに登録する一方、現フィールド画像から偽輪郭の発生する信号レベルの座標データを検出して補正候補画素を抽出し、この補正候補画素が属する検出ブロックの移動画素数及び移動方向を前記動きベクトルテーブルから取りだし、取り出された移動画素数及び移動方向と前記偽輪郭発生信号レベルとに対応した補正データを前記補正テーブルから取り出す構成を採る。
この構成によれば、偽輪郭の発生する信号レベルを持ち、かつ動きの検出された画素について、信号レベル、動き画素数及び方向に応じた最適な補正データを取得することができる。
【0032】
請求項12記載の発明は、偽輪郭の発生する信号レベルの検出密度に基づいて補正候補画素を決定する構成を採る。
この構成によれば、視覚的に偽輪郭が確認される画素密度の領域にある画素だけ補正することができる。
【0033】
請求項13記載の発明は、偽輪郭の発生する信号レベル近傍のしきい値で現フィールド画像及び前フィールド画像を2値化する2値化処理手段と、フィールド間で2値化画像を比較して画素の動きを検出する動き検出手段と、偽輪郭の発生する信号レベル毎に移動画素数及び移動方向に対応した補正データが登録された補正テーブルと、現フィールド画像から偽輪郭の発生する信号レベルの画素を抽出する抽出手段と、この抽出画素の動き検出結果及び信号レベルに対応した補正データを前記補正テーブルから取り出して当該画素を補正する補正手段とを具備する構成を採る。
この構成によれば、PDP等において偽輪郭が見えない動画像表示を確実に得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の動画像表示方法を適用した階調画像表示装置の全体構成を示している。この階調画像表示装置は、ビデオ信号処理部1でビデオ信号をR,G,Bの各色成分に分離し、A/D変換部2でR,G,Bの画像データに変換してから動き検出処理部3に入力する。動き検出処理部3で、平滑化処理、多階層2値化処理、ブロックマッチング処理、多数決・統合判定処理を実施して入力画像の動き画素数及び移動方向を検出する。動き検出処理部3で検出した動き画素数、移動方向及び検出ブロック情報を、動き画素数及び移動方向に応じた補正量が設定された補正テーブルを備えたデータ補正処理部4へ入力して偽輪郭の発生する画素の階調データを補正して出力処理部5へ出力する。出力処理部5は、各画素の階調データを電圧印可時間幅に対応したパルス数に変換してXスキャンドライバ7及びYスキャンドライバ8に与えることでPDPで構成された画像表示部6に中間調表示を行っている。
【0035】
なお、同期分離処理部9においてビデオ信号から同期信号を分離して入力ビデオ信号に同期したタインミング信号をタイミング発生部10で生成して各部に与えている。
動き検出処理部3の具体的な構成を図2に示す。A/D変換部2から入力した原画像データを、現フィールドブロックB1に入力するとともに、遅延回路20で1フィールド分遅延させてから前フィールドブロックB2へ入力する。現フィールドブロックB1では、現フィールドの原画像データをR,G,Bの3つの平滑化フィルタからなる平滑化フィルタブロック21−1に入力し、各色毎に平滑化処理して原画像に含まれているノイズ成分を除去する。平滑化処理した原画像データをR,G,B毎に設けられた多階層2値化処理部からなる多階層2値化ブロック22−1に入力して各色毎に複数の2値化しきい値で2値化処理する。ここで、2値化しきい値は偽輪郭の発生する信号レベル近傍に設定する。例えば、8ビットで256階調の表示を行う場合であれば、31から32、63から64、127から128及びその逆の信号レベルを含んだ値に設定する。各しきい値毎に得られた2値化画像データ(多階層画像データ)はそれぞれ多階層メモリブロック23−1の各色の画像メモリに格納する。
【0036】
1フィールド前の原画像を処理する前フィールドブロックB2は上記現フィールドブロックB1と同様に構成されている。すなわち、平滑化フィルタブロック21−2で1フィールド前の原画像データを各色毎に平滑化処理し、R,G,B毎に設けられた多階層2値化処理部からなる多階層2値化ブロック22−2で各色毎に複数の2値化しきい値で2値化処理し、各しきい値毎に得られた多階層画像データを多階層メモリブロック23−2の各色の画像メモリに格納する。
【0037】
動き検出のためのブロックマッチング処理において、現フィールド画像から切り出す検出ブロックKBのアドレスマッピングをアドレスマッピング部24−1が行い、前フィールド画像から切り出す参照ブロックRBのブロックのアドレスマッピングをアドレスマッピング部24−2が行う。検出ブロックKB及び参照ブロックRBの各画像データは動きベクトル検出部25へ入力する。
【0038】
動きベクトル検出部25は、2値演算部が各色毎に設けられた2値演算ブロック26と、比較部が各色毎に設けられた比較検出ブロック27とで構成され、ブロックマッチングによってフィールド間の画像の動きを求める。
【0039】
多数決・統合判定部28は、各検出ブロックKBの動き画素数及び動き方向を判定して、判定結果を動きベクトルテーブル29に登録する。
【0040】
データ補正処理部4は、動きベクトルテーブル29及び予め視覚実験に基づいて作り込んだ補正テーブルにより偽輪郭部の画素データを補正する。
【0041】
以上のように構成された階調画像表示装置の動作の詳細について説明する。
図10は、図2に示す動き検出処理部3の各ブロックでの処理内容を概念的に抜き出した図である。以下、図10に示す動き検出処理部3の各ブロックでの処理内容について説明する。
【0042】
現フィールド画像及び前フィールド画像のそれぞれにつき、偽輪郭の発生する信号レベルに設定した2値化しきい値により2値化処理がなされる。
【0043】
ここで、多階層2値化画像の概念について図11を参照して説明する。
図11は横軸が画素位置、縦軸が画素値を示す。画素値の変域はn個のしきい値Th1からThn(同図ではn=5)により、(n+1)個の区間に分割されており、隣接区間では値が異なるよう2値化画素値が割り振られ、各画素は画素値がどの区間に属するかに応じて2値化される。
【0044】
この2値化方法は画素値の分布の偏りに影響されることなく、画像の局所的な変化を表すことができるので、2値化された画像は動きベクトル検出のブロックのような少量域内でも原画像の特徴を反映したものとなる。偽輪郭の発生する画素の動きは極めて局所的な検出で十分であり、計算時間、回路構成等を簡単にできる。
【0045】
次に動きベクトル検出部25でのブロックマッチング処理について説明する。フィールド間の画像の動きを求める方法としてブロックマッチング方法を用いている。この方法は、前述したように検出ブロックKBを水平16画素、垂直16画素に、参照ブロックRBも検出ブロックKBと同じサイズに設定したとき、参照ブロックRBを含む参照領域Rを水平48画素、垂直48画素とすれば、水平方向(x方向)の動き画素数は−16画素から+16画素まで検出でき、垂直方向(y方向)の動き画素数も同様に−16画素から+16画素まで検出できる。動画像が表示画面で動くとき、その偽輪郭が目立つのは、そのフィールド間の動きが6画素から15画素近傍であるので、動き画素数の検出能力は上記の程度必要である。図12に示すように、現フィールドと前フィールド間の画像の動きを矩形のブロック単位で求め、現フィールドを複数の参照領域Rに分割した各検出ブロックKBについて最もよく一致する部分を前フィールドの参照領域Rの中に含まれる参照ブロックRBの中から見つけ、この間の量を動きベクトルとして求める。
【0046】
この際、ブロックの一致の度合いは定められた評価関数値の大小により判定し動きベクトルの検出は参照領域Rに含まれる多数の参照ブロックRBの中から評価関数最小値を与えるものを探し出すことにより行う。
【0047】
上記方法に基づいた構成を濃淡画像で行う場合、評価関数値の計算に多値(例えば8ビット)で表された画素値を用いて減算、比較等の多量の演算を行うことにより実時間処理で評価出来る参照ブロックRBの数が限られているため、正しい動きベクトルを与える参照ブロックRBが評価されない場合が生じ、結果として動きベクトルの検出精度が低くなるという問題を有していた。
【0048】
PDPにおける偽輪郭部抑制のためには、偽輪郭の発生する信号レベルが判っているため、偽輪郭の発生する近傍の画像の動きを求めるためには、この近傍の画像を2値化し、その2値画像の動きベクトルを求めることにより、計算時間及び精度が向上する。また、偽輪郭が発生しない画像の動きベクトルは無視することができる。
【0049】
2値演算ブロック26において、一致度を示す評価関数を計算する。図3に、検出ブロックKBサイズが4*4画素の場合の2値演算部の構成を示す。なお、検出ブロックKBサイズは16*16、参照領域Rは48*48で説明するが、ここでは説明を簡単にするために4*4で説明する。
【0050】
2値演算部は、ブロック内の4ラインについてフィールド間のマッチングを検出する2値ラインマッチング部30−1、30−2、30−3、30−4を備えている。2値ラインマッチング部30−1は、現フィールドと前フィールドとの間で第1ラインのラインマッチングをみる。検出ブロックKBの第1ラインのラインデータをシフトレジスタ31−1に入力し、参照ブロックRBの第1ラインのラインデータをシフトレジスタ31−2に入力する。シフトレジスタ31−1、31−2は、4つの画素データを保持することができ、2つのシフトレジスタから同一画素位置の画素データが同一の排他的論理和回路32−1、32−2、32−3、32−4へ入力するようにしている。排他的論理和回路の出力をビット加算回路33で加算してマルチプレクサ34へ入力する。
【0051】
2値ラインマッチング部30−2、30−3、30−4も、上記2値ラインマッチング部30−1と同じ構成を有しており、それぞれ第2から第4ラインのラインマッチングを評価してライン評価値となるビット加算値をマルチプレクサ34へ入力する。マルチプレクサ34を介して2値ラインマッチング部30−1、30−2、30−3、30−4の出力を選択的に加算器35へ入力して4ラインのライン評価値を加算した加算値を1ブロック分のブロック評価値としてレジスタ36に保存する。レジスタ37は出力制御のためのものである。
【0052】
上記2値演算部において、多階層画像メモリから信号線を介して供給された検出ブロックKB、参照ブロックRBのデータは走査線単位で2値ラインマッチング部30に送られる。各ラインマッチング部30−1から30−4では、シフトレジスタ31−1、31−2を用いて画素毎の2値データが取り出され、ブロック内で同位置の画素同士で排他的論理輪回路32−1から32−4により一致、不一致が評価され、不一致のとき値1が、一致のとき値0がビット加算回路33に供給される。
【0053】
ビット加算回路33ではこれらの和が求められる。このビット加算値は走査線毎の不一致画素数を示す。この和が信号線を介して2値ラインマッチング部30より出力され、マルチプレクサ34に供給される。マルチプレクサ34では、選択制御線より送られた選択制御信号により各ラインのビット加算回路33の出力を順次選択していき、信号線を介して加算器35に供給する。加算器35及びレジスタ36によりこの入力値の和が求められ、ブロック間の不一致画素数が評価関数値として求められる。
【0054】
比較検出ブロック27の動作について説明する。
図4に比較検出ブロック27の比較部の構成を示している。比較部は、最小評価関数値を保持するレジスタ41、最小評価関数値を示した参照ブロックRBのシフト量を保持するレジスタ42、現在の最小評価関数値と今回比較対象の2値演算部出力(あるシフト量のブロック評価関数値)とを比較する比較器43、マルチプレクサ44、45で構成されている。
【0055】
比較部において、レジスタ41に各時点における評価関数値の最小値が保持され、レジスタ42にその最小値に対応する参照ブロックRBのシフト量が保持される。比較器43では信号線を介して供給される評価関数値とレジスタ41から供給される評価関数最小値とが比較され、その比較結果が信号線を介して2つのマルチプレクサ44、45へ選択制御信号として送出される。2値演算部からの入力が小のとき、マルチプレクサ44は2値演算部からの入力評価関数値で、レジスタ41の内容を更新し、かつマルチプレクサ45は2値演算部からの入力シフト量でレジスタ42の内容を更新する。最終的にレジスタ42に保持されているシフト量がこの検出ブロックKBの動きベクトルとして多数決・統合判定部28へ送出される。
【0056】
多数決・統合判定部28の動作について説明する。
ここでは各R,G,B成分の検出ブロックと参照ブロックとの比較で動きの検出されなかった検出ブロック、即ち、不定ブロックを周囲の既知ブロックの情報から演算する処理と各R,G,B成分の検出ブロックの動きベクトル情報から一つの動きベクトルに統合演算する処理を行う。
【0057】
多数決・統合判定部28に動きベクトル検出部25が現フィールドを複数分割した各検出ブロックKBについて検出した動きベクトル情報が入力する。多数決・統合判定部28は、不定ブロック処理及び多数決処理により各検出ブロックKBの動き画素数及び動き方向を判定して、判定結果を動きベクトルテーブル29に登録する。
【0058】
多数決・統合判定部28で実行される不定ブロック処理について図13から図15を参照して説明する。
【0059】
多階層2値画像をブロック毎に区切った場合、そのエッジ部がブロック内にある場合は動き画素数を求めることができるが、ブロック内の画像データが全て“1”の領域およびその領域が隣接している場合(図13のFの符号を付した領域)は、そのブロックの領域の動き画素数が見つけられない。
【0060】
このような場合は、動きベクトルの検出時にこのブロック域での動き画素数を不定(例えば、フラグを1)とし、他のブロックと区別して仮登録しておく。そして、既知ブロックKT領域で挟まれた不定ブロックFT領域の動き画素数及び方向を既知ブロックKTから求める。不定ブロックFT領域は既知ブロックKT領域と同じ動きをするから、これらを囲む既知ブロックKTの動き画素数と同一値を採用する。
【0061】
この方法として、イメージマップ法が考えられる。例えば、2値画像サイズが水平640画素、垂直480画素のいわゆるVGAタイプの場合、動きベクトルの検出ブロックKBが16*16画素であると、図14に示すようにブロック数は水平40、垂直30の計1200個のブロック域に分割できる。このため、40*30画素のイメージマップとして不定ブロックFTを囲む既知ブロックKTの形状からその不定ブロックFTを求めることができる。ここで、不定ブロックFTを2値画像でデータ“1”の領域とし、既知ブロックKTをデータ“0”の領域とする。
【0062】
この方法では、図15に示す3*3のエッジ検出ウィンドウオペレータを用いる。図15には3*3のエッジ検出パターンの組み合わせのうち9例を示している。このウィンドウで40*30のブロックイメージを走査し、注目点を基準にしてエッジパターンと一致したところがあれば、それは不定ブロックFT域と既知ブロックKT域の境界であるから、その不定ブロックFTを既知ブロックKTに置き換えていく。その不定ブロックFTの動き画素数は注目点を含む既知ブロックKTの動き画素数と等しくなる。
【0063】
次に、さらに、高精度な方法である線形補間法について説明する。
図16はこの方法による不定ブロックを含んだブロック関係を示す。この場合の線形補間の手順は次のように行われる。
【0064】
図16において、まず注目ブロック(図中の*印)を基準として右方向へフラグ’−1’の既知ブロックの探索を行い、このブロックが存在すればその動きベクトルを取り出し、参照ブロック1とする。この時、参照ブロック1の位置の動きベクトルを(x1,y1)で示し、注目ブロックからの距離をd1とする。なお、動きベクトルは、動き画素数と動き方向(+/−)で示すものとする。
【0065】
次に、注目ブロックを基準として左方向へフラグ’−1’の既知ブロックの探索を行い、このブロックが存在すればその動きベクトルを取り出し、参照ブロック2とする。この時、参照ブロック2の位置の動きベクトルを(x2,y2)で示し、注目ブロックからの距離をd2とする。
さらに、注目ブロックを基準として上方向へフラグ’−1’の既知ブロックの探索を行い、このブロックが存在すればその動きベクトルを取り出し、参照ブロック3とする。この時、参照ブロック3の位置の動きベクトルを(x3,y3)で示し、注目ブロックからの距離をd3とする。
最後に、注目ブロックを基準として下方向へフラグ’−1’の既知ブロックの探索を行い、このブロックが存在すればその動きベクトルを取り出し、参照ブロック4とする。この時、参照ブロック4の位置の動きベクトルを(x4,y4)で示し、注目ブロックからの距離をd4とする。
【0066】
このように、左右上下方向の探索により取り出した参照ブロックと注目ブロックとの距離から、各参照ブロックへの重みを算出し、その重みと参照ブロックの動きベクトルを用いて、以下に示す線形補間による演算式に従って注目ブロックの動きベクトルを求める。
【0067】
図16から、各参照ブロックへの重みwは、次式で与えられる。
【0068】
【数1】
そして、線形補間によって求める注目ブロックの動きベクトル(mx,my)は
【0069】
【数2】
となる。
【0070】
ここで、
【0071】
【数3】
である。これをブロック個数分繰り返し行い、不定ブロックの動きベクトルが線形補間によって求められる。
【0072】
図17は、線形補間の図形的位置関係を示す。
ここで、i,j,k,lは注目点Pからの距離で、Pi,Pj,Pk,PlはPからそれぞれi,j,k,lだけ離れた点の値とすると、注目ブロック位置Pの補間式は以下ようになる。
【0073】
各点への重みをIとすると、
【0074】
【数4】
で与えられるから、求める点の値(Px、Py)は
【0075】
【数5】
となる。ここで、
【0076】
【数6】
である。
【0077】
以上のように、R,G,B画像毎に不定ブロックFT領域の動きベクトルを周辺の既知ブロックKTの動き画素数から演算式により求める。そして、次にR,G,Bそれぞれの動きベクトルから多数決判定などの統合処理により各ブロックの動きベクトル値を求める。
【0078】
ここで、図18に示すフローチャートを参照して多数決処理による統合処理の具体的な内容を説明する。
【0079】
各ブロックはR,G,B画像について同じブロックであるため、当然動き方向及び動き画素数は同じはずである。しかしながら、対象画像のブロックにおける2値演算及び比較部の演算誤差などにより差違が発生する場合がある。
【0080】
そこで、ブロック毎のx、y方向の動き画素数を取り込み(S1)、R、G、B毎にx、y移動方向が一致しているかどうか判定する(S2)。この場合、移動方向の補正・選定では(S3)、R,G,B各ブロックの2値演算、比較検出ブロックから出力されたx、yの動き方向が第1象限から第4象限までの座標軸を基準としてその符号が付与されているため、これがR,G,Bで同じかどうか判断する。これは、R,G,Bの動き方向のx方向とy方向のそれぞれについて、該当のブロックとそれに隣接するブロックの動きの符号を含めて、多数決判定し動き方向として動きベクトルテーブル29に登録する(S6)。このような手段により動き方向の精度を向上させる。
【0081】
さらに、画素数の補正・選定(S5)も同様にR,G,B各ブロックの2値演算、比較検出ブロック26、27から出力されたx、yの動き画素数もR,G,Bで同じかどうか判定する(S4)。この場合、R,G,Bの動き画素数が全く違っていれば、お互いが近い画素数で、かつその値の中央値から順に重み付けした値の平均値を採用し、動き画素数として動きベクトルテーブル29に登録する(S6)。この平均値は通常四捨五入した値をとる。
【0082】
例えば、x方向の動き画素数が、R,G,Bそれぞれ6、5、2であるとし、その重みを2、3、1とする。x方向の動き画素数は、(2*6+3*5+1*2)を(2+3+1)で割った値、すなわち5画素とする。
【0083】
また、R,G,Bについて同じ動き画素数値が2つ存在した場合も同様である。例えば、x方向の動き画素数が、R,G,Bそれぞれ2、5、2であるとし、その重みは3、1、2であるから、x方向の動き画素数は(3*2+1*5+2*2)を(3+1+2)で割った値、すなわち3画素とする。y方向についても同様に行えばよい。
【0084】
さらに、動きベクトルの精度を向上させるための統合処理方法を以下に説明する。
【0085】
図19はR,G,Bの各動きベクトル値から、一つの動きベクトルを求めるための動作フローチャートである。
【0086】
前述の図18に示した統合処理では、R,G,B画像の各注目ブロックのみによる演算処理のため、得られた動きベクトルの値が精度の点で実際の値と一致しないブロックが発生する場合があり、この検証結果では、精度向上のために注目ブロックが不定ブロックなのか、更には既知ブロックなのかということと、注目ブロックの周辺ブロックの動きベクトルをも考慮に入れる必要があるとういうことが示唆された。
【0087】
そこで、図19の動作フローチャートで示すように、この統合処理では注目ブロックのフラグをまずチェックし(S10)、フラグが’1’(S11)と’0’(S12)の場合は注目ブロックの動きベクトルを取り出さず、フラグが’−1’(S13)の場合にのみ注目ブロックの動きベクトルを取り出す(S14)。しかる後に、注目ブロックを囲む周辺8近傍の動きベクトルを取り出し(S15)、取り出した複数の動きベクトルをx,y成分毎にそれぞれ並び替えを行い、その中央値を代表値とする(S16)。
【0088】
これを統合すべきR,G,B数まで行い(S17)、その後代表値の個数に応じて処理を分ける。代表値は各R,G,B成分毎に示されるものであり、この時、代表値が1個の場合には(S18)、統合結果として注目ブロックの動きベクトル値はフラグ=−1として、代表値そのままとする(S23)。又、対象ブロックが偶数の場合など代表値が2個の場合は(S19)、2つの代表値の平均値を求め(S21)る。統合結果として注目ブロックの動きベクトル値はフラグ=−1として、その平均値演算結果を採る(S24)。さらに、代表値が3個の場合は(S20)、3つの代表値の平均値を求め(S22)る。統合結果は注目ブロックの動きベクトル値をフラグ=−1として、その平均値演算結果を採る(S24)。この処理を全ブロック個数まで求め(S26)、注目ブロックの動きベクトル値とする。
【0089】
さらに、図20には、一例として注目ブロックとその8近傍のブロックの動きベクトルの値から一つの動きベクトルを求める統合処理の例を示す。
【0090】
図20(a)はR,G,Bそれぞれの動きベクトルについて、注目ブロックとその8近傍ブロック動きベクトル値を取り出した時の例を示す。この時、網線で記したブロックが注目ブロックである。又、図中(−、−)で記したブロックは動きベクトルが検出されない領域(フラグ=0)のブロックを示す。
図20(b)はR,G,Bベクトルから動きベクトルの有効なブロックを取り出した時を示す。
【0091】
図20(c)はR,G,Bそれぞれについて数値の大きい順に並び替える手順を示す。
図20(d)はR,G,Bそれぞれの代表値を算出する例を示す。その際、動きベクトルのデータ数が奇数個の場合は配列の中央値を選択し、偶数個の場合は中央2個の平均値を算出する手順を示す。このとき、動きベクトル値は小数点以下は切り捨てとする。このようにして、各R,G,Bの代表値が求められる。
【0092】
この結果を用いて、図19に示した様に統合処理を行う。つまり、代表値が1つの場合は、そのままの値を結果とし、代表値が2つの場合は、2つの値で平均値を採る。代表値が3つの場合は、その3つの値で平均値をとる。上記の平均値演算はいずれも小数点以下は四捨五入を行う。
【0093】
この場合の動きベクトル結果は次式で与えられる。
【0094】
【数7】
従って、X方向の動きベクトルは’7’、Y方向の動きベクトルは’1’と求まる。
【0095】
上記統合処理の結果では、640画素x480画素のVGAタイプでは、検出ブロックが16画素x16画素であるため、総検出ブロック数は1200個である。この統合処理によって得られた平均誤差は先述の方式に比べ約20%改善され、そのバラツキも極端な動きベクトルを示すことはなく、全体的な動きベクトルが正しく反映した結果が得られた。
【0096】
以上のようにR,G,B画像毎に求められた動き画素数を各ブロック毎に1つの値に統合処理し、動き画素数として動きベクトルテーブルに登録する。
【0097】
次に、補正処理ブロック4の処理内容について説明する。
【0098】
図5にデータ補正処理部4の構成を示している。動きベクトルテーブル29には現フィールドの各検出ブロックKBの動きベクトル情報が登録されている。
【0099】
図6に動きベクトルテーブル29の構成を示している。図6は、例えば水平640画素、垂直480画素の表示ができるVGAタイプの場合の動きテーブルの例を示している。この場合、検出ブロックが水平16画素、垂直16画素であれば、合計1200個のブロックに分割され、その各々のブロックについて動き画素数と方向がテーブル化されている。ここで、各ブロックの左上を座標の原点としている。現フィールド画像について動き検出の済んだ検出ブロック順に、検出ブロックKBのブロック番号と、その検出ブロックKBの原点からのオフセット値と、その検出ブロックKBの前フィールドからの動き画素数(動き方向を含む)とを登録している。
【0100】
図7に補正テーブル53の部分的な構成を示しており、図8及び図9に具体的なテーブル構成を示している。補正テーブル53は、検出ブロックKBの動き方向を第1象限から第4象限に分け補正データを登録している。第1象限には、水平方向となるx方向(+方向)の動き画素数に応じて各補正データが登録され、第2象限には、垂直方向となるy方向(+方向)の動き画素数に応じて各補正データが登録されている。また、第3象限には、水平方向となるx方向(−方向)の動き画素数に応じて各補正データが登録され、第4象限には、垂直方向となるy方向(−方向)の動き画素数に応じて各補正データが登録されている。
【0101】
図8はx方向への動きが+及び−方向、即ち、第1象限と第3象限への動きに対する補正データが、その信号レベルの変化とその位置に対応してマトリックス表になっている。
同様に図9はy方向への動きが+及び−方向、即ち、第2象限と第4象限への動きに対する補正データが、その信号レベルの変化とその位置に対応してマトリックス表になっている。本説明では、補正データは記入していない。
【0102】
補正処理ブロック4では、現フィールドの原画像データを偽輪郭発生レベル検出部51へ入力して、現フィールド画像の中から各画素の信号レベルにより偽輪郭が発生すると予測される偽輪郭発生予測点のx、y座標を検出する。上述したように、偽輪郭の発生する信号レベルは、2のN乗の信号レベル境界付近であるので、2のN乗の信号レベル境界付近の画素を抽出する。
【0103】
偽輪郭発生レベル検出部51で検出した全ての偽輪郭発生予測点を偽輪郭発生画素候補検出部52に供給し、視覚特性にあわせて実際の表示で偽輪郭として認識される画素位置を偽輪郭発生予測点の中から特定して偽輪郭発生画素候補とする。実際の表示で偽輪郭として認識される画素位置を選定するに当たり、偽輪郭発生予測点の発生密度を反映させる。
【0104】
この場合の処理として、偽輪郭発生予測点のx,y座標を中心に3*3又は5*5のウインドウオペレータによりその候補点の密度を検出することが可能である。この検出点の数により候補点が1点で孤立している場合に補正処理を行うかどうかを判定することができる。
【0105】
偽輪郭発生画素候補に現実に偽輪郭が発生するのは、当該偽輪郭発生画素候補の属する検出ブロックKBが実際に移動している場合である。
【0106】
偽輪郭発生画素候補の属する検出ブロックKBが移動ブロックの場合は、動きベクトルテーブル29から検出ブロック番号、x、yの動き画素数を取り出して補正テーブル53へ供給する。補正テーブル53には動き画素数に応じた補正量が登録されている。補正テーブル53は予めPDP装置を用いて視覚実験によりその補正量を決めて、前述した図8、9の構造に従ってテーブル化しておく。
【0107】
偽輪郭発生画素候補検出部52から出力される偽輪郭発生レベルと動きベクトルテーブル29から取り出されるx、yの動き画素数とから特定される補正データを補正テーブル53から取り出して補正演算部54へ与える。補正演算部54は、原画像データを補正するに当たり、偽輪郭発生レベルで且つ動きのあった画素は補正テーブル53から動き画素数及び動き方向に応じた補正データが与えられるので視覚光量に合わせた信号レベルの補正する。
【0108】
以上のように、本発明の構成では動き検出処理部とデータ補正処理部と分割されており、各処理部は従属関係を持っているので、柔軟な補正処理が可能である。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、サブフィールド法で階調表示を行う表示装置において、動画を目で追従したときの偽輪郭の発生を大幅に抑制できる動画像表示方法及び動画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施の形態に係る階調画像表示装置の全体構成図
【図2】上記一実施の形態に係る階調画像表示装置における動き検出処理部の機能ブロック図
【図3】動き検出処理部における2値演算部の回路構成図
【図4】動き検出処理部における比較部の構成図
【図5】データ補正処理部の構成図
【図6】動きベクトルテーブルの構成図
【図7】補正テーブルの構成図
【図8】補正テーブルにおける第1象限、第2象限のテーブル構成図
【図9】補正テーブルにおける第3象限、第4象限のテーブル構成図
【図10】上記一実施の形態に係る階調画像表示装置の全体的な処理の流れを示す図
【図11】サンプル画像での多階層画像としきい値との関係を示す図
【図12】ブロックマッチングの概念図
【図13】既知ブロックKT処理の概念図
【図14】不定ブロック処理の既知ブロックと不定ブロックの具体例を示す図
【図15】エッジ検出ウィンドウの具体例を示す図
【図16】不定ブロック処理のブロック関係を示す図
【図17】不定ブロック処理における線形補間の位置関係を示す図
【図18】多数決判定処理のフローチャート
【図19】統合処理の動作フローチャート
【図20】統合処理の演算を示す図
【図21】サブフィールドの輝度比を示す図
【図22】サブフィールド法での偽輪郭発生原理を示す図
【符号の説明】
1 ビデオ信号処理部
2 A/D変換部
3 動き検出処理部
4 データ補正処理部
5 出力処理部
6 画像表示部
7 Xスキャンドライバ
8 Yスキャンドライバ
20 遅延回路
21−1、21−2 平滑化フィルタブロック
22−1、22−2 多階層2値化ブロック
23−1、23−2 多階層メモリブロック
24−1、24−2 アドレスマッピング部
25 動き検出ブロック
26 2値演算ブロック
27 比較検出ブロック
28 多数決・統合判定部
29 動きベクトルテーブル
30−1、30−2 2値ラインマッチング部
30−3、30−4 2値ラインマッチング部
34 マルチプレクサ部
35 加算器
36、37 レジスタ
51 偽輪郭発生レベル検出部
52 偽輪郭発生画素候補検出部
53 補正テーブル
54 補正演算部
Claims (2)
- 現フィールド画像及び前フィールド画像を、偽輪郭の発生する信号レベル近傍の区間をしきい値により2値化することによってそれぞれ現フィールド2値化画像及び前フィールド2値化画像とし、前記現フィールド2値化画像を複数の検出ブロックに分割し、前記検出ブロック毎に前記前フィールド2値化画像内に参照領域を設定し、前記参照領域内に参照ブロックを複数設定し、前記検出ブロックと前記参照ブロックとの一致度を評価し、評価値の最も高い参照ブロックと前記検出ブロックとの位置関係から動き画素の移動画素数及び移動方向を検出し、前記現フィールド画像で偽輪郭の発生する信号レベルを持った動き画素をその移動画素数および移動方向に応じて補正する動画像表示方法であって、
前記検出ブロックと前記参照ブロックとの一致度の評価において動きが検出されなかった前記検出ブロックを不定ブロックとして仮登録し、動きが検出された前記検出ブロックを既知ブロックとし、前記既知ブロックに囲まれた前記不定ブロックを前記既知ブロックと同じ移動画素数及び移動方向にすることを特徴とする動画像表示方法。 - 前記不定ブロックの移動画素数及び移動方向は、前記不定ブロックを囲む前記既知ブロックの移動画素数及び移動方向により線形補間により求めることを特徴とする請求項1記載の動画像表示方法。
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