JP4203059B2 - 内面被覆筒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形機シリンダーやスラリー輸送用鋼管などの、金属製の筒体本体の内周面に、耐摩耗性、耐食性に優れた自溶合金被覆を施した内面被覆筒体の製造技術に関する。
従来より、鋼管等の金属製の筒体本体の内周面に自溶合金被覆を施した内面被覆筒体が知られている。この内面被覆筒体を製造する方法として、特許文献1(特開昭64−25989号公報)には、筒体本体(管)を、内周面における遠心力が3G以上になるように回転させた状態で自溶合金粉末を供給してその筒体本体内周面に一定厚さの粉末層を形成し、その後その筒体本体を、前記粉末層が焼結状態を呈する温度まで加熱して前記粉末層を筒体本体内周面に付着させてから回転を停止し、次いで、筒体本体をその内周面温度が前記粉末の溶融温度以上になるように加熱して筒体本体内周面に付着した粉末層を溶融させ、拡散を伴った形で母材に接合させることにより、内面被覆を形成する方法が記載されている。また、特許文献2(特開平1−96363号公報)には、被覆形成厚さに見合った量の自溶合金粉末を筒体本体内に装入した後、その筒体本体を、内周面の遠心力が2G以上、外周面の遠心力が7G以下となるように回転させながら、筒体本体を前記粉末の溶融温度以上になるように加熱して筒体本体内周面に付着した粉末層を溶融させ、拡散を伴った形で母材に接合させることにより、内面被覆を形成する方法が記載されている。いずれの方法においても、筒体本体内周面に配した自溶合金粉末層を、加熱溶融し、拡散を伴った形で母材に溶着させることにより、母材に良好に接合した緻密な且つ無気孔に近い自溶合金の内面被覆を形成でき、特に、特許文献2に記載の方法では、筒体本体を回転させた状態で粉末層の溶融・凝固を行うという一種の遠心鋳造を行っており、筒体本体内周面に形成される溶湯層に遠心力を作用させることで一層気孔を少なくでき、形成された自溶合金の内面被覆は硬度が大きく、耐摩耗性、耐食性に優れたものであった。
最近、筒体本体に形成する内面被覆の耐摩耗性を一層向上させるため、内面被覆の硬度を更に向上させることが望まれてきた。硬度を上げるには、タングステンカーバイドなどの硬質の微粒子を導入した自溶合金を用いれば良いと思われるが、必ずしも満足すべき結果が得られないことが判明した。すなわち、特許文献1に記載の方法では、タングステンカーバイドなどの硬質の微粒子を導入することで、或る程度の硬度の向上は確保できるものの、特許文献2に記載の方法に比べて残存する気孔量が多いという欠点を有しており、一方、特許文献2に記載の方法では、タングステンカーバイドなどの硬質の微粒子を導入しても、内面被覆表面の硬度の向上はほとんど見られなかった。これは、多用されてきたタングステンカーバイドの微粒子の比重(≒15)が目地金属相の比重(8〜9)より大幅に大であるために、内面被覆の表面(内周面)から離れる方向に移動し、表面にはあまり存在しなくなるためと考えられる。しかも、この硬質の微粒子が内面被覆の外径側に、即ち母材(筒体本体)との境界領域に集まり、母材に対する内面被覆の拡散を伴った接合を阻害し、接着力を低下させるという新たな問題も生じた。
特開昭64−25989号公報 特開平1−96363号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、遠心鋳造によって筒体本体内周面に形成する自溶合金の内面被覆の、少なくとも表面の硬度を大幅に向上させる技術の提供を課題としたものである。
上記課題を解決すべくなされた本願の請求項1に係る発明は、円筒状内周面を有する筒体本体の前記内周面に自溶合金を遠心鋳造して被覆する工程を含む内面被覆筒体の製造方法において、前記遠心鋳造を、溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させた状態で行うと共に、前記溶湯層の表面に前記気圧を作用させた状態においては、前記筒体本体の回転速度を、前記内周面位置に10G以上の遠心力が生じる回転速度としておき、更に、前記遠心鋳造における前記自溶合金溶湯の到達する温度を、当該自溶合金の溶融・凝固に係る固相線から液相線温度に至る固液共存温度内の、固相線側から70%に位置する温度以下とすることを特徴とするものである。
遠心鋳造を利用して自溶合金の内面被覆を形成すると、被覆内に残存する気孔はきわめて微量となるが、更に、その遠心鋳造過程において、前記したように溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させ、その状態で凝固させると、溶湯層の中に微量に残存する気孔が気圧により圧縮されて体積が減少し、得られた内面被覆内の残存気孔が体積割合において一層微量となる。このため、得られた内面被覆は気孔の占積による硬度の減殺が抑えられる結果、気圧を加えないで遠心鋳造した場合に比べて硬度が大きくなっており、耐摩耗性に優れた内面被覆筒体を製造できる。ところで、溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させた状態で凝固させる際、場合によっては加圧気体が溶湯層内の気孔に貫通することがあり、更には溶湯層と筒体本体の界面にまで貫通することもあり、この状態で凝固が行われると、内面被覆に残存気孔よりもかなり大きい、且つ表面に通じる孔即ちピンホールが生じてしまう。この現象を防止するため、本発明では、溶融層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させる際には前記筒体本体の回転速度を、前記内周面位置に10G以上の遠心力が生じる回転速度としておき、溶湯層に大きい遠心力を作用させておくことで、溶湯層内に厚さ方向を含む全領域に亘って均等に圧縮応力を生じさせ、加圧気体の圧入口となるような受圧挙動のばらつきが希釈された状態とし、その状態で気圧を作用させることで、加圧気体の貫通を防止する。これにより、ピンホールのほとんどない内面被覆を形成できる。更に、自溶合金の遠心鋳造を行うには、自溶合金の溶湯層を被鋳造面に形成することが必要であるが、この際の溶湯温度が高くなると、硬度向上に寄与する金属ホウ化物や金属ケイ化物などの微粒子が溶体化したり酸化による消耗を生じて硬さが減少し、更には酸化物が混入する恐れが生じる。そこで、溶湯温度を前記のように設定することで、硬質の微粒子の溶体化や酸化消耗による減少あるいは酸化物混入を防止し、硬度の高い被覆を形成できる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させて遠心鋳造する際に、前記筒体本体の回転速度を、前記内周面位置に20〜50Gの遠心力が生じる回転速度とすることにより、鋳造中の自溶合金溶湯中に存在する硬質セラミックス微粒子のうちの、溶湯の目地金属相より低比重の微粒子を遠心鋳造系の内径側に反遠心集積させ、この状態で溶湯を凝固させることで、前記低比重の微粒子が内径側に集積した内面被覆を得ることを特徴とするものである。このように低比重の微粒子が内径側に集積した内面被覆を形成したことで、その内面被覆の表面の硬度がきわめて大きくなっており、耐摩耗性に優れた内面被覆筒体を製造できる。また、硬質セラミックス微粒子を内面被覆の内径側に反遠心集積できる結果、外径側では硬質セラミックス微粒子の濃度が低くなり、靱性を高めることができると共に母材に対する拡散を伴った接合を阻害する因子が少なくなって母材に対する接合力を高めることができ、耐衝撃性、耐剥離性にも優れた内面被覆筒体を製造できる。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記内面被覆の内径側に集積する前記目地金属相より低比重の微粒子を、自溶合金溶湯から析出したクロム系のホウ化物,炭化物,ホウ炭化物のいずれかに属するセラミックスの微粒子としたものである。これにより、自溶合金として、ニッケル自溶合金、コバルト自溶合金などの、汎用されている自溶合金をそのまま使用しながら、内面被覆の表面硬度を高めることができる。
請求項4に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記内面被覆の内径側に集積する前記目地金属相より低比重の微粒子を、自溶合金溶湯から析出したクロム系のホウ化物,炭化物,ホウ炭化物のいずれかに属するセラミックスの微粒子と、前記自溶合金溶湯中に、当該自溶合金の基本組成外の成分として導入された、前記クロム系のセラミックスの比重を越えない比重の硬質セラミックスの微粒子としたものである。これにより、内径側に集積する硬質の微粒子量を多くすることができ、表面硬度を一層高めることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の発明において、前記遠心鋳造における、前記内周面上への自溶合金溶湯層の形成を、前記筒体本体内に自溶合金の粉末を導入し、この粉末を前記筒体本体回転下で加熱溶融させて行うようにしたものである。筒体本体の内周面上への自溶合金溶湯層の形成は、筒体本体の外部で溶湯を作成し、その溶湯を筒体本体内に供給する方法で行っても良いが、この発明のように、自溶合金を粉末形態で筒体本体内に供給し、その位置で加熱溶融させる構成とすると、自溶合金の取り扱いが容易となり且つ必要な設備も簡略化できる。
請求項6に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の発明において、前記遠心鋳造における、前記内周面上への自溶合金溶湯層の形成を、前記筒体本体内に自溶合金の粉末を導入し、この粉末を前記筒体本体回転下で加熱溶融させて行うようにすると共に、前記筒体本体内の粉末の溶融を減圧下で行う構成としたものである。この構成により、粉末の溶融により形成される溶湯層内からの気泡除去を効果的に行うことができると共に溶湯層の酸化を防止でき、残存気孔のきわめて少ない且つ硬度の向上に寄与する析出微粒子の酸化消耗減少及び酸化物の混入の少ない内面被覆を形成できる。
以上のように、本発明は、筒体本体内周面に自溶合金による内面被覆を遠心鋳造によって形成するに当たり、溶湯層表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させる構成としたことで、従来の方法で形成した内面被覆に比べ、同一の自溶合金を用いながら、内面被覆の表面硬度を高くすることができ、また、溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させる際には、筒体本体の内周面位置に10G以上の遠心力を作用させておくことで、加圧気体が溶湯層を貫通することを防止してピンホールのほとんどない内面被覆を形成でき、更に、遠心鋳造における自溶合金溶湯の到達する温度を、当該自溶合金の溶融・凝固に係る固相線から液相線温度に至る固液共存温度内の、固相線側から70%に位置する温度以下とすることで、硬質の微粒子の溶体化や酸化消耗による減少あるいは酸化物混入を防止し、硬度の高い被覆を形成でき、耐摩耗性に優れた内面被覆筒体を製造できるという効果を有している。また、本発明により製造された内面被覆筒体は、優れた耐摩耗性を備えており、これを樹脂成形機シリンダーやスラリー輸送用鋼管などに適用することで、耐摩耗性に優れ、使用寿命の長い樹脂成形機シリンダーやスラリー輸送用鋼管などの製品を得ることができる。
ここで、内面被覆を遠心鋳造によって形成する際に筒体本体の内周面位置に作用させる遠心力を20〜50Gとしておくと、鋳造中の自溶合金溶湯中に存在する硬質セラミックス微粒子のうちの、溶湯の目地金属相より低比重の微粒子を遠心鋳造系の内径側に反遠心集積させ、この状態で溶湯を凝固させることで、前記低比重の微粒子が内径側に集積した内面被覆を得ることができ、一層硬度が大きく、耐摩耗性に優れた内面被覆筒体を製造でき、また、硬質セラミックス微粒子を内面被覆の内径側に反遠心集積できる結果、外径側では硬質セラミックス微粒子の濃度が低くなり、靱性を高めることができると共に母材に対する拡散を伴った接合を阻害する因子が少なくなって母材に対する接合力を高めることができ、耐衝撃性、耐剥離性にも優れた内面被覆筒体を製造できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明するが、それに先立って、本発明の実施形態の理解を容易にするための参考例を説明する。図1(a),(b)は参考例に用いる内面被覆筒体の製造装置を、異なる作動状態で示す概略斜視図、図2(a),(b),(c),(d)は図1の製造装置によって筒体本体の内周面に自溶合金の内面被覆を形成する手順を示す概略断面図であり、1は円筒状内周面を備えた筒体本体である。筒体本体1は、金属製のものであれば任意であり、代表的な例としては、樹脂成形機シリンダーなどのシリンダーやスラリー輸送用鋼管等の各種鋼管を挙げることができる。2は筒体本体1の内周面に内面被覆を形成するための自溶合金の粉末である。被覆を形成する自溶合金としては、汎用のニッケル自溶合金(例えば、JIS,8303のSFNi4など)、汎用のコバルト自溶合金(例えば、JIS,8303のSFCo3など)等を例示できる。また、必要に応じ、これらの自溶合金に、自溶合金溶湯から析出したクロム系のホウ化物,炭化物,ホウ炭化物のいずれかに属するセラミックスの比重と同程度或いはそれ以下の比重の、具体的には、7以下の比重の硬質セラミックス(例えば、BN:比重2.34,B4 C:比重2.47,Si3 4 :比重3.2,SiC:比重3.21,V2 5 :比重3.36,VO2 :比重4.34,TiB2 :比重4.5,V2 3 :比重4.87,TiC:比重4.94,TiB:比重5.09,TiN:比重5.43,VO:比重5.76,VC:比重5.77,ZrB2 :比重6.08,ZrC:比重6.73,NbB2 :比重6.97,あるいは、これらの複合物など)の微粒子を導入したものを用いることもできる。
3は、筒体本体1を水平に支持し且つ回転させる筒体支持回転装置であり、この製造装置では、筒体本体1の下側を支持する2本の受けロール4と筒体本体1の上側を押さえる押えロール5(図1では図示を省略)と、前記2本の受けロール4を回転駆動する可変速モータ6と、その可変速モータ6による受けロール4の回転速度及び加速度を制御する制御装置7等を備えている。この可変速モータ6及びその制御装置7は、筒体本体1を、筒体本体1の内周面位置に20〜50Gの遠心力が作用する回転速度で回転させることができ、また、上記した実験式(A)で求められる時間τを超えない短時間内に3G以上の遠心力が生じる回転速度に到達させるように加速することの可能な構成としている。9は、筒体支持回転装置3で支持された筒体本体1内に被覆形成厚さに見合った量の自溶合金の粉末を供給する粉末供給装置であり、この製造装置では、先端から粉末を送り出す粉末供給管10と、その粉末供給管10を保持して管軸方向に移動可能なホッパー台車11等を備えている。13は、筒体支持回転装置3に支持された筒体本体1の全長を加熱する加熱装置であり、この実施形態では、筒体本体1の円周方向の小区間を筒体本体全長に亘って誘導加熱する面焼形コイルである誘導子が用いられている。
次に、上記構成の内面被覆筒体の製造装置を用いた内面被覆筒体の製造方法(参考例)を説明する。まず金属製の筒体本体1を用意し、その内周面を被覆に適した表面粗さに調える。ここで、筒体本体1内周面の表面粗さは、限定するものではないが、5〜20μmRa程度に選定しておくことが好ましい。この範囲の表面粗さは、内周面を清浄にする操作を兼ねた内面ブラストによって容易に形成できる。筒体本体内周面の表面粗さを5〜20μmRaに調えておくと、筒体本体1内に自溶合金粉末を供給し軸線方向に均等に配置した後、筒体本体1を高速回転させて周方向に均等に分布させる際の加速途中において、粉末が筒体軸線方向に移動して厚さ偏倚を生じるという現象を抑制できる利点が得られる。この理由は、筒体本体1の内周面に適度な凹凸が存在し、それに粉末が引っかかることによって粉末の筒体軸線方向の移動が抑制されるためと思われる。筒体本体内周面の表面粗さは、大きいほど粉末の筒体軸線方向移動を抑制する効果が増す傾向があり、その抑制効果を利用するため、上記したように表面粗さを5μmRa以上とするが、これが20μmRa以上となると粉末の移動抑制効果の増加がほとんど期待できなくなる。一方、粗面加工のコストはアップする。これらを考慮して表面粗さの上限を20μmRaとすることが好ましい。
次に、筒体本体1を筒体支持回転装置3にセットして横置き状態とし、その横置きした筒体本体1の内部に、被覆形成厚さに見合った量の自溶合金の粉末2を筒体軸線方向均等に配置する操作を行う。具体的には、粉末供給装置9の粉末供給管10を筒体本体1内に差し込み、所定量の自溶合金粉末2を筒体本体1内の軸線方向の適当な個所(1個所でも複数個所でもよい)に装入し[図2(a)参照]、粉末供給管10を引き抜き、筒体本体1の両端を適当なカバー15で閉じ、次いで、筒体本体1を、その筒体本体1内の粉末が筒体本体の周方向には行き亘らない程度の緩速で回転させる。この回転により、筒体本体1内に装入された粉末2を筒体本体の軸線方向に均等に行き亘らせて、軸線方向均等に配置することができる[図2(b)参照]。この方法は、粉末供給管10によって筒体本体1へ自溶合金粉末を装入するの際に粉末を筒体軸線方向に均等に装入しなくてもよいので、粉末装入作業を容易とできる利点が得られる。
なお、筒体本体1の内部に、被覆形成厚さに見合った量の自溶合金の粉末を筒体軸線方向均等に配置する操作は、上記した方法に限らず他の方法を採ることも可能である。例えば、粉末供給管10を筒体本体1内に挿入し、その先端から一定流量で粉末を吐出しながらホッパー台車11を筒体軸線方向に一定速度で移動させる方法を採ることによって、筒体本体1内に粉末を軸線方向均等に配置することができる。また、筒体本体1内に装入する粉末供給管10として、その側面に軸線方向に延びるスリット状の吐出口或いは軸線方向に並んだ多数の孔からなる吐出口を形成したものを用い、その吐出口を閉じるか上向きにした状態で粉末供給管10内に軸線方向に均等に自溶合金粉末を入れ、その粉末供給管10を筒体本体1内に挿入し、その後吐出口を開くか下向きにして粉末供給管10内の自溶合金粉末を筒体本体1内に供給する方法を採ることによっても、筒体軸線方向均等に配置することができる。
筒体本体1内に自溶合金粉末2を筒体軸線方向均等に配置した後は、筒体支持回転装置3によって、筒体本体1をその軸線を中心に回転させ、筒体本体1の内周面位置に20〜50Gの遠心力が生じる回転速度に到達させる。この回転により、筒体本体1内に装入されていた自溶合金粉末2が筒体本体周方向に均等に行き亘り、筒体本体内周面に張りつく[図2(c)参照]。このようにして筒体本体周方向に均等に行き亘り、筒体本体内周面に張りついた粉末2は、内周面位置に3G以上の遠心力が生じる回転速度以上では、筒体本体内内周面上でほとんど移動せず、その位置に保持され、従って、筒体本体内周面に均一な肉厚の粉末層が形成され、維持される。ところが、筒体本体1の加速中において、内周面位置に1G〜2G程度の遠心力が生じる回転速度においては、粉末は筒体本体内周面に一応張りつくが、遠心力に基づく拘束力が小さいため、筒体本体1内周面の肌目等の微視的な方向性によって粉末には右ねじ的または左ねじ的らせん変位が生じ、粉末が筒体軸線方向に移動して、筒体軸線方向の厚さ偏倚が生じる傾向がある。そこで、筒体本体1の回転を開始して所定の回転速度への加速に当たっては、このような筒体軸線方向の厚さ偏倚がほとんど生じないように(生じても、許容範囲内に納まるように)、短時間で筒体本体の内周面位置に3G以上の遠心力が生じる回転速度に到達するように加速する。具体的には、内周面の表面粗さを5〜20μmRaに調えた筒体本体1に対して、その筒体本体1の回転速度を次の実験式(A)
τ(秒)=3×105 /D3 ・・・(A)
で求められる時間τを超えない短時間内に前記3G以上の遠心力が生じる回転速度に到達させるように、筒体本体1の加速を行う。これにより、筒体本体1内周面に、筒体軸線方向に厚さ偏倚のきわめて小さい自溶合金粉末層を形成し張りつかせることができる。なお、この実験式(A)の根拠については、後述する。
筒体本体1を内周面位置に20〜50Gの遠心力が生じる所定の回転速度に到達させた後は、筒体本体1をその回転速度に保持し、回転を続けたままで、加熱装置13によって筒体本体1を加熱して筒体本体内の粉末2を溶融させたのち、溶融状態に保持する。これにより、筒体本体1の内周面上に自溶合金の溶湯層が形成される。ここで、溶湯層内における溶融状態とは、必ずしも粉末全体が完全に溶融した状態のみを意味するものではなく、粉末の少なくとも一部が溶融して粉末同志で及び筒体本体内周面に対して融着しうる状態を意味する。従って、加熱装置13による筒体本体1の加熱温度は、筒体本体内周面に張りついている自溶合金粉末が少なくとも部分的に溶融して粉末同志で及び筒体本体内周面に対して融着しうるように選定すればよく、具体的には、自溶合金に係る状態図における固相線の温度を超えた温度とすればよい。
一方、筒体本体1の加熱温度は高くするほど、粉末の溶融割合が多くなり、ついには完全に溶融した状態となる。そして、粉末層を完全に溶融した状態とすることで、より緻密な且つ気孔やピンホールのない融着被覆層を形成することができると考えられていたが、本発明者等が確認したところ、必ずしも粉末を完全に溶融させなくても、緻密な且つ気孔やピンホールのない融着被覆層を形成することができることが判明した。また、粉末層を完全に溶融した状態とすると、溶融層の流動性によって被覆厚さを筒体軸線方向に均等とすることができ、従って筒体本体内周面に張り付けた粉末層に厚さ偏倚があっても、それを修正することができるが、上記したように粉末層を形成した時点で厚さ偏倚がほとんど無い状態としておけば、完全溶融状態として厚さ偏倚を修正する必要はない。一方、粉末層を完全溶融しようとすると、筒体本体1の加熱温度を高くしなければならず、当然、熱エネルギー消費が大きくなり、且つ加熱時間も長くなってしまう。しかも、自溶合金の液相線の温度を超えた完全溶融状態とすると、自溶合金内の硬度向上に寄与する金属ホウ化物や金属ケイ化物などの粒子が溶体化したり酸化消耗によって減少し、硬さが低下するとか、酸化物が混入するという欠点も生じる。これらのことを考慮すると、筒体本体1の加熱温度の上限は、筒体本体内の自溶合金の温度が該自溶合金の溶融に係る液相線の温度を超えないように選定することが好ましく、更には、自溶合金溶湯の到達する温度を、当該自溶合金の溶融・凝固に係る固相線から液相線温度に至る固液共存温度内の、固相線側から70%に位置する温度以下とすることが好ましい。
自溶合金粉末層を加熱溶融する際の筒体本体1の回転速度は、前記したように20〜50Gの遠心力が作用する回転速度とする。従来より、筒体本体内面に形成した自溶合金粉末層を溶融して緻密化する際、筒体本体1を回転させて遠心力を作用させることにより、自溶合金の溶湯層からの気泡除去効果が増すことが知られており、上記した特許文献2に記載の方法でも、2G以上の遠心力が作用する状態で溶融処理している。しかしながら、遠心力による気泡除去効果は、遠心力が7〜8G程度に増加するまでは、遠心力の増加と共に向上するが、それ以上に遠心力が増加しても気泡除去効果はさほど向上せず、このため、従来は、せいぜい遠心力を10G程度以下としていた。これに対し、この参考例では、20〜50Gの遠心力を採用している。このような高Gの遠心力を用いたことにより、気泡除去効果のみならず、溶湯中に存在する目地金属相より低比重の硬質セラミックス微粒子の内径側への反遠心集積効果が得られ、これにより表面層の硬度を大幅に向上させることができる。すなわち、自溶合金の溶湯中における目地金属は、Ni(比重8.9),Cr(比重8.5),Co(比重8.85)などであるが、溶湯中には、自溶合金溶湯から析出したクロム系のホウ化物(CrB:比重6.2),炭化物(Cr3 2 :比重6.68,Cr7 3 :比重6.92など)、あるいは、これらが複合した組成のホウ炭化物(比重6〜7程度)などの比重が6〜7の範囲にある硬質セラミックス微粒子が存在している。これらの硬質セラミックス微粒子は、目地金属相に比べて低比重ではあるが、その差がさほど大きくないため、従来行っていた3〜8G程度の遠心力では、溶湯層の内径側に反遠心集積することがほとんどできなかったが、20〜50Gといった高G遠心力を用いることで、内径側に反遠心集積することができた。
筒体本体1内周面の自溶合金粉末を溶融状態に保持する時間は、10〜180秒の範囲内に設定することが好ましい。この時間が10秒未満では、溶湯の母材に対する拡散を伴った接合が不十分となるか或いは低比重の硬質セラミックス微粒子の内径側への集積が不十分となり、一方、180秒を超えると、溶湯中の硬質セラミックス微粒子の溶体化や酸化消耗による減少が生じて、硬度を上げることができなくなるとか酸化物が混入する恐れが生じる。これらのことにより、筒体本体1を加熱して筒体本体内の粉末2を溶融させ、溶融状態に保持するに当たっては、筒体本体1の加熱を、内部の自溶合金粉末の温度が該自溶合金の溶融に係る固相線の温度は超えるが、液相線の温度は超えないように行うとともに、前記溶融状態に保持する時間を10〜180秒に選定することが好ましい。
自溶合金粉末を所定時間、溶融状態に保持した後は、筒体本体1の回転を続けたままで冷却段階に移行させて筒体本体1内の溶融自溶合金を凝固させる。この冷却は、炉内冷却や保温冷却、あるいは放冷、空冷等、任意の冷却方法を採用しうるが、冷却が速すぎると凝固した自溶合金被覆が熱応力によって割れることとなる。よって、割れを生じない程度のなるべる短時間の冷却スケジュールを実験的に求めることが望ましい。
以上のようにして、自溶合金を筒体本体内周面全体に一度に融着させて自溶合金被覆を形成することができ、その後、筒体本体1を装置から取り外すことで、図2(d)に示すように、筒体本体1の内周面に自溶合金の内面被覆21を有する内面被覆筒体20を製造できる。得られた自溶合金の内面被覆21は、表面(内周面)の硬度がきわめて高くなっており、また、筒体軸線方向及び円周方向に厚さ偏倚がきわめて小さくなっている。
以上の工程によって得られた内面被覆筒体20の内面被覆21の断面を顕微鏡で観察したところ、図3に概略的に示すように、内面被覆21は、表面層21a,中間層21b,境界層21cからなる層構造となっていた。表面層21aは、白いタスキ状組織部分と黒いタスキ状組織部分が混在した組織となっており、各タスキ状組織部分は目地金属(マトリックス金属)内に微粒子状の析出物が多く、細かく分布した組織となっていた。この表面層21aは後述する参考例1〜4に示すようにきわめて高い硬度(例えば、818〜927Hv)を示していた。微粒子状の析出物は、板状のもの、塊状のもの、しみ状のもの等が見られるが、それらの化学成分を測定したところ、金属成分は大部分がクロムであった。従って、この表面層21aは、クロム系のホウ化物,炭化物,ホウ炭化物などのクロム化合物系硬質セラミックスの微粒子を高密度に分布させることで硬度を高めた硬質層となっており、これにより高い硬度を示していると思われる。中間層21bはマトリックス金属内に微粒子状の析出物が少量分散した組織となっており、表面層よりは硬度が低くなっていた。境界層21cはマトリックス金属内に層状に共晶析出物が極く少量分散した組織となっており、更に硬度が低くなっていた。これは、高Gでの遠心鋳造を行った結果、マトリックス金属内に含まれる硬質セラミックス微粒子などの非金属介在物が内径側に移動し、境界層21cはほとんどがマトリックス金属による清浄層となっていたためと思われる。この境界層21cは、非金属介在物がほとんどない清浄層であるので、靱性に優れており、中間層21bの介在によってもたらされる傾斜組成構造と相まって硬質の表面層21aを良好に支持すると共に、母材(筒体本体1)に対して良好に拡散を伴った接合をしている。このように、内面被覆21は表面(内周面)の硬度がきわめて高いにも係わらず、適度な靱性を備え且つ母材に対する良好な接着性を有するという特性を備えており、耐摩耗性、耐衝撃性、耐剥離性等に優れている。
前記した内面被覆21の表面層21aはクロム分濃度が高いほど硬度が高く、耐摩耗性に優れることとなるが、硬度をあまり高くすると製造が困難となる。そこで、表面層21aのクロム分濃度は20〜40mass%程度とすることが好ましい。境界層21aは、非金属介在物が少ないほど、靱性が増し、且つ母材に対する拡散を伴った接合特性が良好となるので好ましく、具体的には、非金属介在物の検鏡面積率を0.1%以下とすることが好ましい。
次に本発明の実施形態を説明する。図4は本発明方法の実施に用いる内面被覆筒体の製造装置の1例を示すものである。この製造装置は、上記した参考例に用いた図1に示す製造装置と基本的な構造は同様であるが、図1の製造装置とは異なり、筒体本体1の一端に取り付けるカバー15Aに連結管25を連結しており、その連結管25に回転継手26を介して、開閉弁28を備えた配管27を接続し、その配管27に圧力調整弁31、コンプレッサー32を有する加圧手段を接続している。この加圧手段は、筒体本体1内に、少なくとも0.3〜3MPaの気圧を作用させることができる構成のものである。なお、コンプレッサー32に代えて、加圧ボンベを用いても良い。この場合には、加圧ボンべを筒体本体1と一緒に回転する構造とすることで回転継手26の省略が可能となる。加圧ボンベを用いる場合には、窒素ガスなどの不活性ガスを封入した加圧ボンベを用いることが好ましい。その他の構造は、図1の製造装置と同様である。
次に、図4の製造装置を用いた内面被覆筒体の製造方法を説明する。この実施形態においても、筒体本体1内に自溶合金粉末2を供給し〔図2(a)参照〕、次いで、筒体本体1の両端をカバー15,15Aで閉じ、筒体本体1をゆっくりと回転させて、粉末2を軸線方向に均等に行き亘らせる。これまでの工程は、図1に示す製造装置を用いた参考例の場合と同様である。また、この実施形態で用いる筒体本体1や自溶合金粉末2の仕様も前記した参考例と同様である。
筒体本体1内に自溶合金粉末2を筒体軸線方向均等に配置した後は、筒体支持回転装置3によって、筒体本体1の内周面に10G以上の遠心力が生じる所定の回転速度にまで加速させ、その後はその回転速度に保持する。これにより、筒体本体1内に装入されていた自溶合金粉末2が筒体本体周方向に均等に行き亘り、筒体本体内周面に張りつく。この場合においても、筒体本体1の所定の回転速度への加速に当たっては、筒体本体1の内周面に形成される粉末層の筒体軸線方向の厚さ偏倚がほとんど生じないように(生じても、許容範囲内に納まるように)、内周面位置に短時間で3G以上の遠心力が生じる回転速度に到達するように加速し、具体的には、内周面の表面粗さを5〜20μmRaに調えた筒体本体1に対して、その筒体本体1の回転速度を次の実験式(A)
τ(秒)=3×105 /D3 ・・・(A)
で求められる時間τを超えない短時間内に前記3G以上の遠心力が生じる回転速度に到達させるように、筒体本体1の加速を行う。これにより、筒体本体1内周面に、筒体軸線方向に厚さ偏倚のきわめて小さい自溶合金粉末層を形成し張りつかせることができる。
10G以上の遠心力が生じる所定の回転速度に到達させた後は、筒体本体1をその回転速度に保持し、回転を続けたままで、加熱装置13によって筒体本体1を加熱して筒体本体内の粉末2を溶融させたのち、溶融状態に保持する。これにより、筒体本体1の内周面上に自溶合金の溶湯層が形成される。この場合にも、加熱装置13による筒体本体1の加熱温度の下限は、筒体本体内周面に張りついている自溶合金粉末が少なくとも部分的に溶融して粉末同志で及び筒体本体内周面に対して融着しうるように選定すればよく、具体的には、自溶合金に係る状態図における固相線の温度を超えた温度とすればよい。一方、筒体本体1の加熱温度の上限は、筒体本体内の自溶合金溶湯の到達する温度が、当該自溶合金の溶融・凝固に係る固相線から液相線温度に至る固液共存温度内の、固相線側から70%に位置する温度以下とする。これによって、前記した参考例で説明したように、自溶合金内の硬度向上に寄与する金属ホウ化物や金属ケイ化物などの粒子が溶体化したり酸化消耗によって減少し、硬さが低下するとか、酸化物が混入するということを防止できる。
筒体本体1内に溶湯層が形成された後、コンプレッサー32を作動させて筒体本体1内の溶湯表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させる。これにより、溶湯内に残存している気孔が気圧により圧縮されて体積が減少し、きわめて微細となる。ここで、溶湯表面に作用させる気圧を0.3〜3MPaと設定したのは、この範囲未満では気孔の体積減少効果が小さいためであり、またこの範囲を越えた気圧では、気圧が大きくなって設備コストが大幅に向上するにも係わらず気孔の体積減少効果の向上がさほど生じないためである。筒体本体1内周面の自溶合金粉末を溶融状態に保持し且つ0.3〜3MPaの気圧を作用させる時間は、10〜180秒の範囲内に設定することが好ましい。このように設定する理由は、この時間が10秒未満では、溶湯の母材に対する拡散を伴った接合が不十分となるか、或いは気孔の圧縮による体積減少効果が不十分となり、一方、180秒を超えると、溶湯中の硬質セラミックス微粒子の溶体化や酸化消耗による減少が生じて、硬度を上げることができなくなるとか、酸化物が混入する恐れが生じるためである。
自溶合金粉末を所定時間、溶融状態に保持し且つ0.3〜3MPaの気圧を作用させた後は、その状態を保持したままで冷却段階に移行させて筒体本体1内の溶融自溶合金を凝固させる。以上により、きわめて残存気孔が少なく、硬度の大きい内面被覆を形成できる。
上記した図4の製造装置を用いた内面被覆工程において、筒体本体1の内周面の粉末を加熱溶融し且つその内面に0.3〜3MPaの気圧を作用させる間に筒体本体1に加える回転速度は、前記したように内周面に10G以上の遠心力が作用する回転速度としている。これは、内周面に3G以上の遠心力が作用する回転速度とすることで、筒体本体1の内周面に周方向に均等に粉末を分配することができると共に分配後は粉末の周方向及び軸線方向の移動を阻止してその位置に保持でき且つ加熱溶融により生じた溶湯も周方向に一定の厚さに保持でき、更に、筒体本体1の内周面にある溶湯層に10G以上の遠心力を作用させておくと、その溶湯層内に厚さ方向を含む全領域に亘って均等に圧縮応力が生じ、加圧気体の圧入口となるような受圧挙動のばらつきが希釈された状態となり、その溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させている間に、加圧気体が溶湯層内の気孔に貫通するとか溶湯層と筒体本体の界面に貫通するという現象を防止できるためである。これによって、ピンホールの発生のほとんどない内面被覆を形成できる。なお、前記した実施形態では、筒体本体1の内周面上に自溶合金粉末層を形成し、加熱溶融を開始した時点で、筒体本体1の内周面位置に10G以上の遠心力を作用させているが、本発明はこの場合に限らず、自溶合金粉末層の形成時には、筒体本体1を内周面位置に3G以上の適当な遠心力が作用する回転速度とし、その状態で粉末層を加熱溶融して溶湯層を形成し、その後、筒体本体1の回転速度を増して10G以上の遠心力を作用させ、その状態で0.3〜3MPaの気圧を作用させ、その状態で溶湯層を凝固させるようにしてもよい。
更に、筒体本体内の溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させた状態で遠心鋳造を行う際に、前記参考例で示したように、筒体本体を、筒体本体内周面位置に20〜50Gの遠心力が生じる回転速度で回転させておくことも可能である。このように、筒体本体内の溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させた状態で遠心鋳造を行う際に、その溶湯層に20〜50Gの遠心力を作用させておくと、内面被覆内の残存気孔をきわめて微量として硬度を上げることができるのみならず、20〜50Gの遠心力付加によって、内面被覆の内径側に硬質の微粒子を反遠心集積して表面の硬度を上げることができ、一層硬度の高い内面被覆を備えた内面被覆筒体を製造することができる。
図4の製造装置を用いた上記の実施形態において、回転中の筒体本体1を加熱して内部の自溶合金粉末を溶融させる際には、筒体本体内に空気が入った状態となっているが、本発明はこの構成に限らず、筒体本体内を減圧した状態で行って被覆内気孔を極小化し又は無酸化雰囲気にした状態で行って自溶合金酸化の極小化を図ってもよい。図5は筒体本体内を減圧した状態で自溶合金粉末の加熱溶融操作を行うことの可能な製造装置の1例を示すものである。この製造装置では、回転継手26に対して、配管27を介して圧力調整弁31、コンプレッサー32を有する加圧手段を接続するのみならず、配管27Aを介して開閉弁28A及び真空ポンプ29Aに接続している。その他の構造は、図4に示す製造装置と同様である。図5の製造装置を用いる場合には、筒体本体1内に自溶合金の粉末を供給した後、筒体本体1の両端にカバー15,15Aを取り付けて筒体本体1の両端を閉じ、先ず真空ポンプ29Aを作動させて筒体本体1内を減圧した状態で、上記した実施形態と同様に筒体本体1を回転させ、筒体本体1内周面位置に10G以上の、好ましくは20〜50Gの遠心力を作用させ、その状態で自溶合金粉末の加熱溶融を行う。そして、溶融層を形成した後は、真空ポンプ29Aを止め、コンプレッサー32を作動させて筒体本体内の溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させ、所定時間その状態に保持した後、冷却・凝固を行う。これにより、一層残存気孔を少なくした内面被覆を形成できる。なお、真空ポンプ29Aに代えて、不活性ガスの供給装置を接続することで、筒体本体1内に不活性ガスを満たして無酸化雰囲気とすることができ、その状態で自溶合金粉末の加熱溶融を行うことで、自溶合金の酸化の極小化を図ることができる。
なお、上記した各実施形態では、筒体本体1を加熱する加熱装置13として、筒体本体1の円周方向の小区間を筒体本体全長に亘って同時に誘導加熱する直線状の誘導子(面焼形コイル)を用いている。この構造の誘導子を用いた加熱装置13は筒体本体1の全長を短時間で均一に加熱でき、筒体本体1が高速で回転しているので、結局、筒体本体1の全体を短時間で均一に加熱できるという利点を備えている。しかしながら、筒体本体1の全長を加熱する加熱装置13は、これに限らず、適宜変更可能であり、例えば、筒体本体をほぼ全長に亘って取り囲むように配置され、筒体本体全体を同時に誘導加熱するマルチターンコイル形態の誘導子を用いても良い。
次に、上記した実験式(A)を求めるために行った実験を説明する。
(1)実験1
筒体本体1として、次の仕様の筒体本体の試料A,B,Cを準備した。
試料A:外径125mm×内径44mm×長さ1250mm
材質:SCM410
内周面:ブラスト仕上げ(内周面粗さ20μmRa)
試料B:外径125mm×内径44mm×長さ1250mm
材質:SCM410
内周面:ブラスト仕上げ(内周面粗さ5μmRa)
試料C:外径125mm×内径44mm×長さ1250mm
材質:SCM410
内周面:ホーニング加工(内周面粗さ0.5μmRa)
これらの試料A,B,Cのそれぞれの内周面に、図1、図2に示す装置を用い、次の条件で自溶合金被覆を行った。
使用自溶合金粉末:ヘガネス#1355−20
固相線温度:970℃
液相線温度:1070℃
粉末装入:筒体本体1内の1個所に粉末2.5Kgを装入。その後、筒体本体1を70rpmで20秒回転。これによって粉末は筒体本体1内に軸線方向に均等に分散。
筒体本体の加速:筒体本体1を静止状態から350rpm(遠心力3Gが作用する回転速度)までを表1に示す時間で加速。その回転速度に到達後は、その回転速度に保持。
筒体本体の加熱:筒体本体1を1050℃に加熱。これにより、内部の粉末もほぼ同温度に昇温し、粉末が部分的に溶融した状態となる。その後、この温度に30秒間保持。
筒体本体の冷却:放冷
以上の操作によって各試料の筒体本体の内周面に内面被覆を形成した。これらの内面被覆の厚さ及び軸線方向の偏肉率を測定した。その結果を表1及び図6のグラフに示す。
Figure 0004203059
表1及び図6のグラフより明らかなように、加速時間を短くするほど、偏肉率が小さくなっており、且つ筒体本体の内周面粗さを大きくするほど、偏肉率が小さくなる。従って、内周面粗さを大きくすることが、被覆の軸線方向の偏肉防止に有効であることを確認できた。
(2)実験2
筒体本体1として、次の仕様の筒体本体の試料D,E,Fを準備した。
試料D:外径125mm×内径27mm×長さ1250mm
材質SCM410
内面ブラスト仕上げ,内周面粗さ5μmRa
試料E:外径125mm×内径35mm×長さ1250mm
材質SCM410
内面ブラスト仕上げ,内周面粗さ5μmRa
試料F:外径125mm×内径44mm×長さ1250mm
材質SCM410
内面ブラスト仕上げ,内周面粗さ5μmRa
これらの試料D,E,Fのそれぞれの内周面に、図1、図2に示す装置を用い、次の条件で自溶合金被覆を行った。
使用自溶合金粉末:ヘガネス#1355−20
固相線温度:970℃
液相線温度:1070℃
粉末装入:筒体本体1内の1個所に表2に示す量の粉末を装入。その後、筒体本体1を70rpmで20秒回転。これによって粉末は筒体本体1内に軸線方向に均等に分散。
筒体本体の加速:筒体本体1を静止状態から表2に示す回転速度(遠心力3Gが作用する回転速度)までを表2に示す時間で加速。その回転速度に到達後は、その回転速度に保持。
筒体本体の加熱:筒体本体1を1020℃に加熱。これにより、内部の粉末もほぼ同温度に昇温し、粉末が部分的に溶融した状態となる。その後、その温度に60秒間保持。
筒体本体の冷却:放冷
以上の操作によって各試料の筒体本体の内周面に内面被覆を形成した。これらの内面被覆の厚さ及び軸線方向の偏肉率を測定した。その結果を表2及び図7のグラフに示す。
Figure 0004203059
表2及び図7のグラフより明らかなように、加速時間を短くするほど、偏肉率が小さくなっており、且つ内径が大きくなるほど、偏肉率が大きくなり、偏肉率を小さく抑えるには加速時間を短縮する必要があることが判明した。また、図7のグラフ内に、偏肉がほとんど生じない領域を示す曲線35を書き込み、その曲線35から次の実験式(A)を得た。
τ(秒)=3×105 /D3 ・・・(A)
〔Dは筒体本体の内直径(mm)〕
従って、内周面粗さを5μmRa以上とした筒体本体に対して自溶合金被覆を行う際には、筒体本体内に粉末を軸線方向均等に配置した後、筒体本体を3G以上の遠心力が生じる回転速度に到達させる時間を、上記実験式(A)で求められる時間τを超えない値とすることで筒体軸線方向に厚さ偏倚のほとんどない被覆を形成できる。
次に、筒体本体の内面に被覆を実際に形成した結果を示す。
[参考例1〜4]
(1)次の仕様の筒体本体1及び自溶合金粉末を準備した。
筒体本体:外径125mm×内径44mm×長さ1250mm
材質:SCM410
内周面:ブラスト仕上げ(内周面粗さ20μmRa)
自溶合金粉末:ヘガネス#1560
固相線温度:980℃
液相線温度:1200℃
(2)粉末供給及び粉末層形成
筒体本体1を図1に示す製造装置にセットし、その筒体本体1内の1個所に粉末2.5Kgを装入。その後、筒体本体Gの両端をカバー15で閉じた後、その筒体本体1を70rpmで20秒回転。これによって粉末は筒体本体1内に軸線方向に均等に分散。
次いで、筒体本体1の回転を、内周面に26G(参考例1),34G(参考例2),42G(参考例3),50G(参考例4)のいずれかの遠心力が作用する回転速度にまで加速し、その回転速度に到達後は、その回転速度に保持。この時の加速度は、2秒で遠心力0から3Gに達する加速度とした。
(3)粉末の加熱溶融及び凝固
筒体本体1を1050℃に加熱。これにより、内部の粉末もほぼ同温度に昇温し、粉末が部分的に溶融した状態となる。筒体本体1を1050℃に加熱・昇温させた後、その温度に30秒間保持し、その後、加熱を止め、放冷する。これにより、筒体本体1の内面の溶湯層が凝固し、筒体本体の内周面に内面被覆が形成された。
(4)内面被覆の硬度測定
得られた内面被覆は厚さ2mmであった。この内面被覆の深さ0.5mm位置、1.0mm位置、1.5mm位置における硬度を測定した。その結果を表3に示す。
[比較例1〜3]
参考例1と同一仕様の筒体本体1及び自溶合金粉末を用い、粉末層の加熱溶融時に筒体本体1の内周面に加える遠心力を4G,10G,18Gとした以外は、実施例1と同一条件で内面被覆を形成した。得られた内面被覆について、参考例1〜4と同様にして硬度を測定した。その結果も表3に示す。
Figure 0004203059
表3の結果から明らかなように、遠心力を高くして遠心鋳造した参考例1〜4は、遠心力を低くした比較例に比べて内面被覆の表面の硬度が極めて高くなっていた。従って、同一の自溶合金を用いながら、遠心力を高くすることで内面被覆の表面硬度を大きくできることを確認できた。参考例2で形成した内面被覆の断面を切断して顕微鏡観察した結果、図3に示すように3層構造となっており、表面層21aは硬質セラミックスの微粒子がきわめて多くなった組織となっていた。これにより硬度が大幅に向上したものと考えられる。
[実施例1〜3]
(1)次の仕様の筒体本体1及び自溶合金粉末を準備した。
筒体本体:外径125mm×内径44mm×長さ1250mm
材質:SCM410
内周面:ブラスト仕上げ(内周面粗さ20μmRa)
自溶合金粉末:ヘガネス#1560
固相線温度:980℃
液相線温度:1200℃
(2)粉末供給及び粉末層形成
筒体本体1を図4に示す製造装置にセットし、その筒体本体1内の1個所に粉末2.5Kgを装入。その後、筒体本体Gの両端をカバー15,15Aで閉じた後、その筒体本体1を70rpmで20秒回転。これによって粉末は筒体本体1内に軸線方向に均等に分散。
次いで、筒体本体1の回転を、内周面に10Gの遠心力が作用する回転速度にまで加速し、その回転速度に到達後は、その回転速度に保持。この時の加速度は、2秒で遠心力0から3Gに達する加速度とした。
(3)粉末の加熱溶融及び凝固
筒体本体1を1050℃に加熱。これにより、内部の粉末もほぼ同温度に昇温し、粉末が部分的に溶融した状態となる。筒体本体1を1050℃に加熱・昇温させた後、コンプレッサー32を作動させて筒体本体1内に、0.3MPa(実施例1),0.6MPa(実施例2),1.0MPa(実施例3)のいずれかの気圧を作用させ、その温度及び気圧に15秒間保持し、その後、加熱のみを止め、放冷した。これにより、筒体本体1の内面の溶湯層が凝固し、筒体本体の内周面に内面被覆が形成された。
(4)内面被覆の硬度測定
得られた内面被覆は厚さ2mmであった。この内面被覆の深さ0.5mm位置、1.0mm位置、1.5mm位置における硬度を測定した。その結果を表4に示す。
[比較例4]
実施例1と同一仕様の筒体本体1及び自溶合金粉末を用い、粉末層の加熱溶融時に筒体本体1内に加える気圧を0とした以外は、実施例1と同一条件で内面被覆を形成した。得られた内面被覆について、実施例1〜3と同様にして硬度を測定した。その結果も表4に示す。
Figure 0004203059
表4の結果から明らかなように、筒体本体1内の溶湯層に0.3MPa以上の気圧を作用させて遠心鋳造した実施例1〜3は、気圧を作用させない比較例4に比べて表面の硬度が大きくなっていた。従って、同一の自溶合金を用いながら、本発明の適用により、内面被覆の表面硬度を大きくできることを確認できた。
[実施例4]
参考例2と同一仕様の筒体本体1及び自溶合金粉末を用い、この筒体本体1を図4に示す製造装置にセットし、粉末層の加熱溶融時に筒体本体1の内周面に1.0MPaの気圧を作用させた以外は参考例2と同一条件で(従って、加熱溶融時に、筒体本体1の内周面に34Gの遠心力が作用する条件で)内面被覆を形成した。得られた内面被覆について、参考例2と同様にして硬度を測定した。その結果並びに参考例2の結果を表5に示す。
Figure 0004203059
表5の結果から明らかなように、筒体本体1の内周面位置に34Gの遠心力を作用させ、同時に1.0MPaの気圧を作用させて遠心鋳造した実施例4は、気圧を作用させないで行った参考例2に比べて、内面被覆の硬度が更に大きくなっていた。これにより、溶湯層に高Gの遠心力を作用させ、同時に高い気圧を作用させることにより、内面被覆の硬度を一層大きくできることが確認できた。
実施例4で形成した内面被覆の断面を切断して顕微鏡観察した結果、この場合にも図3に示すように3層構造となっており、表面層21aは硬質セラミックスの微粒子がきわめて多くなった組織となっていた。この表面層21a及び境界層21cの化学成分を測定して表6に示す結果を得た。また、加熱処理する前の自溶合金粉末(ヘガネス#1560)の化学成分も表6に示す。なお、表6中の成分濃度はmass%である。
Figure 0004203059
表6から明らかなように、表面層21aにはクロム分の濃度が高くなり、一方境界層21cではクロム分濃度が低くなっている。これは、遠心鋳造時の高Gの遠心力付与により、溶湯中に析出したクロム化合物系硬質セラミックスの微粒子が表面層内に集積したためである。
(a),(b)は、参考例で用いた内面被覆筒体の製造装置を、異なる作動状態で示す概略斜視図 (a),(b),(c),(d)は図1の装置によって筒体本体内周面に樹脂被覆を形成する手順を示す概略断面図 内面被覆の断面構造を示す概略断面図 本発明方法の実施に用いる内面被覆筒体の製造装置の1例を示す概略斜視図 本発明方法の実施に用いる内面被覆筒体の製造装置の他の例を示す概略斜視図 実験1において得た被覆の軸線方向の偏肉率に対する、筒体本体内周面の表面粗さ及び加速時間の関係を示すグラフ 実験2において得た被覆の軸線方向の偏肉率に対する、筒体本体内径及び加速時間の関係を示すグラフ
符号の説明
1 筒体本体
2 自溶合金の粉末
3 筒体支持回転装置
4 受けロール
5 押えロール
6 可変速モータ
7 制御装置
9 粉末供給装置
10 粉末供給管
11 ホッパー台車
13 加熱装置
15,15A カバー
20 内面被覆筒体
21 内面被覆
25 連結管
26 回転継手
27,27A 配管
28,28A 開閉弁
29A 真空ポンプ
31 圧力調整弁
32 コンプレッサー

Claims (6)

  1. 円筒状内周面を有する筒体本体の前記内周面に自溶合金を遠心鋳造して被覆する工程を含む内面被覆筒体の製造方法において、前記遠心鋳造を、溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させた状態で行うと共に、前記溶湯層の表面に前記気圧を作用させた状態においては、前記筒体本体の回転速度を、前記内周面位置に10G以上の遠心力が生じる回転速度としておき、更に、前記遠心鋳造における前記自溶合金溶湯の到達する温度を、当該自溶合金の溶融・凝固に係る固相線から液相線温度に至る固液共存温度内の、固相線側から70%に位置する温度以下とすることを特徴とする内面被覆筒体の製造方法。
  2. 前記溶湯層の表面に0.3〜3MPaの気圧を作用させて遠心鋳造を行う際に、前記筒体本体の回転速度を、前記内周面位置に20〜50Gの遠心力が生じる回転速度とすることにより、鋳造中の自溶合金溶湯中に存在する硬質セラミックス微粒子のうちの、溶湯の目地金属相より低比重の微粒子を遠心鋳造系の内径側に反遠心集積させ、この状態で溶湯を凝固させることで、前記低比重の微粒子が内径側に集積した内面被覆を得ることを特徴とする請求項1記載の内面被覆筒体の製造方法。
  3. 前記目地金属相より低比重の微粒子は、自溶合金溶湯から析出したクロム系のホウ化物,炭化物,ホウ炭化物のいずれかに属するセラミックスの微粒子である、請求項2記載の内面被覆筒体の製造方法。
  4. 前記目地金属相より低比重の微粒子は、自溶合金溶湯から析出したクロム系のホウ化物,炭化物,ホウ炭化物のいずれかに属するセラミックスの微粒子と、前記自溶合金溶湯中に、当該自溶合金の基本組成外の成分として導入された、比重が7以下の硬質セラミックスの微粒子である、請求項2記載の内面被覆筒体の製造方法。
  5. 前記遠心鋳造における、前記内周面上への自溶合金溶湯層の形成を、前記筒体本体内に自溶合金の粉末を導入し、この粉末を前記筒体本体回転下で加熱溶融させて行う、請求項1から4のいずれか1項記載の内面被覆筒体の製造方法。
  6. 前記遠心鋳造における、前記内周面上への自溶合金溶湯層の形成を、前記筒体本体内に自溶合金の粉末を導入し、この粉末を前記筒体本体回転下で加熱溶融させて行うと共に、前記筒体本体内の粉末の溶融を減圧下で行う、請求項1から4のいずれか1項記載の内面被覆筒体の製造方法。
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