JP4202510B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルを設けた印字ヘッドにインクや異物の詰まりが発生することを防止するためのフィルタを設けたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被記録体にインクにより印字する際に、コンテニュアスタイプのインクジェット記録装置が用いられる場合がある。このようなコンテニュアスタイプのインクジェット記録装置は、印字ヘッドからのインクの飛距離が大きくインクの乾燥が早いので、金属等の被記録体に印字できることから産業用の記録装置として利用されている。
【0003】
図3は、コンテニュアスタイプのインクジェット記録装置の一例を示すブロック図である。このインクジェット記録装置は、コントロ−ラ10、印字ヘッド40と、コントロ−ラ10および印字ヘッド40の両者間に配置され、後述する各種の配管が挿通されているチュ−ブ50により構成されている。コントロ−ラ10と印字ヘッド40との距離が離れており、また、コントロ−ラ10と印字ヘッド40との設置位置を任意の位置に移動可能とするために、チュ−ブ50は可撓性のある数mの長さの合成樹脂で形成されている。
【0004】
サプライ溶剤タンク11には、インクを溶かす有機系の溶剤が収納されている。12はサプライ溶剤タンク11から溶剤を給送するポンプ、14はフィルタ、15は溶剤供給管、13は溶剤供給管15の圧力を検出する圧力計である。また、16はサプライインクタンクで補給用のインクを収納する。17はインク補給管、18、20は電磁弁、19はポンプである。電磁弁18、20の所定のポ−トを開くと、サプライインクタンク16に収納されているインクは、インク補給管17からポンプ19で給送され、インク導入管22を通してインクタンク23に供給される。
【0005】
21はインク排出管、24はインクタンク23に収納されているインクが古くなったとき、または、インクタンク23にインクが満杯になったときにインクタンク23のインクを抜出すインク抜出管である。電磁弁18、20の所定のポ−トを開き、インク抜出管24、ポンプ19、インク排出管21を通して前記のインクを外部に排出する。
【0006】
インクタンク23に収納されているインクは、ポンプ25、インク供給管28により印字ヘッド40に給送される。26はインク供給管28の圧力を検出する圧力計、27はフィルタ、29はノズル44からインクと溶剤を回収する回収管30の圧力を検出する圧力計、32はインクタンク23から排気する排気管である。チュ−ブ50の中には、インク供給管28、溶剤供給管15、ノズル44からインクと溶剤を回収する回収管30、ガタ−47からインクと溶剤を回収する回収管31が挿通されている。
【0007】
印字ヘッド40には、マニホ−ルド42が設けられている。マニホ−ルド42内のインクが流入する入口側には、インクまたは溶剤を切り替えてノズル44に供給する電磁弁43が設けられている。また、マニホ−ルド42内のインクが流出する出口側にはフィルタ41が配置されている。
【0008】
45は二枚の電極間でインクを帯電させる帯電電極で、接地線44aにより接地されているノズル44と正負の一対の電極を形成している。帯電電極45の二枚の電極は導線45aで接続して同電位となるようにしており、二枚の電極の一方の電極にはパルス発生装置45bが接続されている。パルス発生装置45bを動作させることにより、帯電電極45に正極性の所定のパルス電圧を印加する。
【0009】
46は一対の偏向電極で、一方の電極を接地線46aにより接地し、他方の電極には、直流電源46bを接続する。直流電源46bを動作せることにより、両電極間に例えば7000V程度の高電圧を印加する。ノズル44から噴射され、帯電電極45を通過したインクは、偏向電極46により矢視A方向に偏向されて被記録体に向けて放出される。47は印字に使用されなかったインクを捕捉するガタ−、48はガタ−センサである。ガタ−47で捕捉されたインクは、回収管31、インク導入管22を通りインクタンク23に回収される。
【0010】
ノズル44からインクを噴射し被記録体に対する印字を終了すると、インクジェット記録装置の停止時に、ノズル44やガタ−47に付着したインクが固着して次回の印字処理に支障が生じないようにするための処理が行われる。この処理の一例として、溶剤タンク11から溶剤供給管15を通して溶剤を印字ヘッド40に供給し、印字ヘッド内のインク供給管とノズル44およびガタ−47に付着したインクを洗浄することが行われる。
【0011】
ノズル44およびガタ−47が正常に洗浄されたかどうかは、ガタ−センサ48からの信号に基づき判断することができる。ガタ−センサ48は、例えば流量計を使用することにより、ノズル44にインクやほこりが固着していない場合と、インクやほこりが固着している場合とでは、回収される溶剤の量に差異が生じるので、ガタ−センサ48からの信号によりノズル44が正常かどうかが判断できる。
【0012】
前記のように、印字ヘッド40に設けたマニホ−ルド42のインクが流出する出口側には、フィルタ41が配置されており、ノズル44に供給されるインク中に含有されている異物を除去している。フィルタ41が配置されて位置は、溶剤が流通する経路でもあるので、溶剤中の異物もフィルタ41で除去して印字ヘッド40に異物が混入しないようにしている。このように、図2の構成ではフィルタ41は、インク中の異物除去の機能と溶剤中の異物除去の機能とを1個のフィルタで共有するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図3の構成では、インクジェット記録装置の停止時に実施される溶剤による洗浄に際して、溶剤は印字ヘッド40に設けられているフィルタ41を通してノズル44に供給される。しかしながら、フィルタ41の設置位置はインクの供給経路にも相当しているので、フィルタ41にはインクが付着しており、溶剤をノズル44に供給する際には、このフィルタに付着しているインクが溶剤に溶け込んでしまう。このため、溶剤にインクが混在して印字ヘッド内のインク供給管を通してノズル44に供給されることになる。
【0014】
したがって、溶剤によりノズル44を効果的に洗浄することができず、ノズル44にインクが詰まった状態のままで次回のインクジェット記録装置を立ちあげることになる。その結果、被記録体に対する印字不良の発生が避けられず、インクジェット記録装置を停止して原因を調査し、ノズル44のメンテナンスを実施している。このようにインクジェット記録装置の動作を停止させて調査、メンテナンスを行なうので、作業負担が増大し、インクジェット記録装置の稼働率が低下するという問題があった。
【0015】
また、印字ヘッド40のフィルタ41の出口側からノズル44の入口側までの経路では、電磁弁43のポ−トを切り替えることによりインクが流入する場合と溶剤が流入する場合がある。インクと溶剤が共通に流れる共通経路は、電磁弁43のポ−ト連結部の図示Xの位置からフィルタ41を介してノズル44までの経路となり、当該共通経路の延長距離は長くなっている。このため、溶剤による印字ヘッドの洗浄時間が長くなり、溶剤の使用量が増大するという問題があった。
【0016】
更に、フィルタ41はインクと溶剤に対して共通に使用されているので、フィルタ41の稼働時間が長くなるので損耗しやすく寿命に達するのが早くなる。このようにフィルタ41の寿命が尽きると、フィルタ41は交換する以外の方法がとれないので頻繁な交換が必要になり、コストが嵩むという問題があった。
【0017】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、印字ヘッドの洗浄効果を高めると共にフィルタの交換頻度を少なくしてコストを低減したインクジェット記録装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明においては、インクジェット記録装置を、印字用インクを収容するインクタンクと、前記印字用インクを噴射するノズルを設けた印字ヘッドと、前記印字ヘッドを洗浄する溶剤を収容する溶剤タンクと、前記インクタンクから前記ノズルにインクを供給する第1の供給経路と、前記溶剤タンクから前記印字ヘッドに溶剤を供給する第2の供給経路と、印字を行う際には前記第2の供給経路を閉塞し、前記第1の供給経路を開放して前記ノズルにインクを供給し、印字停止後に前記ノズルに溶剤を供給する際には前記第1の供給経路を閉塞し、前記第2の供給経路を開放して前記ノズルに溶剤を供給する前記第1の供給経路と前記第2の供給経路を切り替える切り替え手段と、前記第1の供給経路において前記切り替え手段よりも上流側に設けられ、前記印字ヘッドに供給されるインクの最終のフィルタ作用を行なう第1のフィルタと、前記第2の供給経路において前記切り替え手段よりも上流側に設けられ、前記印字ヘッドに供給される溶剤の最終のフィルタ作用を行なう第2のフィルタとを有し、前記第1のフィルタを洗浄する際には前記切り替え手段を操作して前記第1および第2の供給経路を開放し、前記第2の供給経路に供給された溶剤を前記第1のフィルタにインク供給方向とは逆方向に圧送し、前記第2のフィルタを洗浄する際には前記切り替え手段を操作して前記第1および第2の供給経路を開放し、前記第1の供給経路に供給されたインクを前記第2のフィルタに溶剤供給方向とは逆方向に圧送して前記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタを洗浄する構成としている。
【0019】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを、印字ヘッドの部分に形成されている前記第1の供給経路および第2の供給経路に設置したことを特徴としている。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを、相互に独立して交換可能に設置したことを特徴としている。
【0022】
また、請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記第1の供給経路に設けられた第1の三方弁、および前記第2の供給経路に設けられた第2の三方弁と、前記第1の三方弁に連結された第1の排出管、および前記第2の三方弁に連結された第2の排出管を備え、前記第1のフィルタを洗浄する際には前記第2の三方弁に連結された第2の排出管を閉鎖した状態で前記第1の三方弁を操作して第1の排出管を開放して洗浄に使った溶剤を前記第1の排出管を通して排出し、前記第2のフィルタを洗浄する際には前記第1の三方弁に連結された第1の排出管を閉鎖した状態で前記第2の三方弁を操作して第2の排出管を開放して洗浄に使ったインクを前記第2の排出管を通して排出することを特徴としている。
【0023】
請求項1に係る発明の上記特徴によれば、ノズルに供給されるインクの最終のフィルタ作用を行なう第1のフィルタおよび印字ヘッドに供給される溶剤の最終のフィルタ作用を行なう第2のフィルタとを、インクタンクからノズルにインクを供給する第1の供給経路と、溶剤タンクから印字ヘッドに溶剤を供給する第2の供給経路にそれぞれ別個に設置している。このため、溶剤の供給経路に設置されている前記フィルタにはインクが付着していないので、溶剤で印字ヘッドを洗浄する際の洗浄効果の低下が防止できる。また、各フィルタの損耗が緩やかで、フィルタの寿命が延長され、交換頻度が減少する。また、印字ヘッドに、インクの供給経路および溶剤の供給経路の切り替え手段を設け、インクおよび溶剤の供給方向でみて当該切り替え手段の上流側に、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを設置している。このため、印字ヘッドにおいてインクと溶剤が共通して流通する部分の距離を短縮できる。したがって、溶剤による印字ヘッドの洗浄時間が従来例よりも短時間で終了することになり、溶剤の使用量を減らすことができる。さらに、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタは、それぞれインクと溶剤の供給方向とは逆方向から独立した経路で洗浄される。このため、目詰まりの状態のために通常では寿命がきたものとされている各フィルタに対して効果的な洗浄が行われ、フィルタを再生して寿命を延長することができる。
【0024】
また、請求項2に係る発明の上記特徴によれば、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを印字ヘッドの部分に形成されているインク供給経路および溶剤供給経路に設置している。このため、インクジェット記録装置の組立て時、またはメンテナンス時にインク供給経路や溶剤供給経路が開放されることにより異物が混入したとしても、これらの異物を前記各フィルタで除去できる。
【0026】
また、請求項3に係る発明の上記特徴によれば、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを、相互に独立して交換可能に設置している。このため、第1のフィルタと第2のフィルタとはそれぞれ寿命が尽きたときには別個に独立して交換できるので、フィルタを無駄なく使用することが可能となり、メンテナンスが容易でコストを低減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1のブロック図により説明する。図1のブロック図において、図3の従来例と同一の部分、または対応する部分には同一の番号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0029】
図1において、印字ヘッド40に設けたマニホ−ルド42のインクおよび溶剤が流入する入口側にフィルタ41a、41bを設ける。フィルタ41aは、インクの異物除去用のフィルタであり、フィルタ41bは、溶剤の異物除去用のフィルタである。各フィルタ41a、41bの出口側は、それぞれ別個の配管で電磁弁43のポ−トに連結されている。
【0030】
電磁弁43のポ−トを切り替えることにより、被記録体に印字する際には、インク供給管28、フィルタ41aを通してノズル44にインクを供給する。また、インクジェット記録装置の停止時には、溶剤供給管15を通して印字ヘッド40に溶剤を供給する。このように、図1の構成では印字ヘッド40に対するインクと溶剤の供給経路を切り替える、電磁弁43の上流側にフィルタ41a、41bが設置されている。
【0031】
溶剤は、フィルタ41bを通してノズル44に供給される。この際に、供給された溶剤により、印字ヘッド40に設けられている電磁弁43の出口側からノズル44までのインク供給経路、およびノズル44に残留しているインクが洗浄される。
【0032】
図1の構成では印字ヘッド40に形成されているマニホ−ルド42に、インクの異物除去用のフィルタ41aと、溶剤の異物除去用のフィルタ41bとを別個に設けている。このため、マニホ−ルド42に単一のフィルタが設置されている従来例のように、溶剤でノズル44を洗浄する際に、フィルタに付着しているインクによりノズル44の洗浄効果が低下する事態が避けられる。
【0033】
また、インクの異物除去用のフィルタ41aと、溶剤の異物除去用のフィルタ41bとを別個に設けているので、単一のフィルタを設けた場合よりも各フィルタの稼働時間が減少して損耗が緩やかとなり、フィルタの寿命が延長され、交換頻度が減少する。インクの異物除去用のフィルタ41aと、溶剤の異物除去用のフィルタ41bとはそれぞれ寿命が尽きたときには別個に交換できるので、各フィルタを無駄なく使用することが可能となり、メンテナンスが容易でコストを低減することができる。
【0034】
更に、マニホ−ルド42からノズル44までの経路において、インクと溶剤が共通して流通する部分は、電磁弁43のポ−ト連結部の図示Xの位置からノズル44までの経路となり、フィルタ41a、41bを介していないのでその距離が従来例よりも短縮できる。このため、溶剤によるノズル44の洗浄時間が従来例よりも短時間で終了することになり、溶剤の使用量を減らすことができる。
【0035】
前記のようにコンテニュアスタイプのインクジェット記録装置においては、コントロ−ラ10と印字ヘッド40との距離が離れており、インク供給管28や溶剤供給管15等の各種の配管が挿通されているチュ−ブ50を介してコントロ−ラ10と印字ヘッド40とが連結されている。
【0036】
このため、インクジェット記録装置の組立て時には、コントロ−ラ10に、チュ−ブ50内に挿通されている各配管とコントロ−ラ10とを連結部により連結する。このような各配管とコントロ−ラ10との連結部は、コントロ−ラ10に固定されている差し込み口に、各配管の先端部を差し込む構成としている。図1において、インク供給管28はtの部分で、溶剤供給管15はqの部分で、ガタ−からのインクと溶剤の回収管31はrの部分で、ノズルからのインクと溶剤の回収管30はsの部分で、それぞれコントロ−ラ10に連結されている。
【0037】
また、チュ−ブ50内に挿通されている各配管は、前記のように印字ヘッド40と連結される。印字ヘッド40の部品点検や部品交換のメンテナンスを行なう際には、チュ−ブ50内の各種配管と印字ヘッド40との連結を外して、印字ヘッド40をコントロ−ラ10から分離する必要がある。
【0038】
このように、図1に記載したようなインクジェット記録装置においては、組立て時、またはメンテナンス時には、チュ−ブ50内の各配管は両端部の少なくともその一方端部では、コントロ−ラ10または印字ヘッド40と分離されて開放されるので、外部から埃等の異物が混入する可能性がある。このため、ノズル44に対してインクおよび溶剤の最終のフィルタ作用を行なうフィルタは、コントロ−ラ10側に設置するよりも、印字ヘッド40側に設置するとより効果的である。
【0039】
すなわち、ノズル44に対するインクおよび溶剤の最終のフィルタ作用を行なうフィルタをコントロ−ラ10側に設置すると、インクジェット記録装置の組立て時、またはメンテナンス時に、前記のようにインク供給管28や溶剤供給管15に外部から異物が混入して除去されないままに印字ヘッドに供給されてしまい、ノズル詰まりが発生することが考えられる。
【0040】
これに対して図1のように、ノズル44に対するインクの最終のフィルタ作用を行なうフィルタ41a、および印字ヘッド40に対する溶剤の最終のフィルタ作用を行なうフィルタ41bを印字ヘッド40側に設置する構成では、インクジェット記録装置の組立て時、またはメンテナンス時にインク供給管28や溶剤供給管15に異物が混入しても、各最終フィルタ41a、41bにより除去することができる。
【0041】
ところで、フィルタ41a、41bは使用期間が長くなると、同一方向から供給されるインクや溶剤が膜状に貼りついたり、異物が詰まったまま除去されない状態となることがあり、次第にフィルタの機能が劣化して遂には寿命に達してしまうことがある。本発明においては、フィルタ41a、41bに、通常のインクや溶剤の供給方向とは逆方向からインクや溶剤を供給する逆方向洗浄を行なうことにより、このような問題に対処することができる。次に前記逆方向洗浄について説明する。
【0042】
前記連結部t、q、r、sでコントロ−ラ10と各配管との連結を外し、電磁弁43を開放する。連結が外れて開放された溶剤供給管15の先端から溶剤を供給する。溶剤は溶剤供給管15、フィルタ41b、電磁弁43、フイルタ41a、インク供給管28を通り、フイルタ41aを前記逆方向から洗浄する。洗浄後の溶剤は、インク供給管28の開放端から容器に回収する。
【0043】
同様に、前記連結部t、q、r、sでコントロ−ラ10と各配管との連結を外し、電磁弁43を開放した状態で、開放されたインク供給管28の先端から溶剤を供給する。溶剤は、インク供給管28、フイルタ41a、電磁弁43、フィルタ41b、溶剤供給管15を通り、フィルタ41bに通常の溶剤の供給方向とは逆方向から圧送される。この際に、フィルタ41bに詰まっている異物を除去して洗浄する。
【0044】
図2は、前記逆洗浄を行なう他の例を示すインクジェット記録装置の概略のブロック図である。図2の例では、印字ヘッド40とチュ−ブ50との間のインク供給管28に三方弁xを設け、三方弁xに排出管uを連結する。また、印字ヘッド40とチュ−ブ50との間の溶剤供給管15に三方弁yを設け、三方弁yに排出管uを連結する。印字ヘッド40にインクと溶剤を供給する通常の使用時には、三方弁xと三方弁yを操作して排出管u、vを閉鎖する。
【0045】
フイルタ41aを逆方向から洗浄する際には、電磁弁43を開放し、排出管vは閉鎖した状態で、三方弁xを操作して排出管uを開放する。この場合には、コントロ−ラ10と各配管とは連結部t、q、r、sで連結した状態にしてある。溶剤供給管15から溶剤を供給し、フイルタ41b、電磁弁43、フイルタ41a、インク供給管28を通して、フイルタ41aをインクの供給方向とは逆方向から洗浄する。フイルタ41aを洗浄した溶剤は、排出管uから回収する。
【0046】
また、フイルタ41bを逆方向から洗浄する際には、電磁弁43を開放し、排出管uは閉鎖した状態で、三方弁yを操作して排出管vを開放する。前記連結部t、q、r、sは連結した状態で、インク供給管28からインクを供給する。インクは、フイルタ41a、電磁弁43、フイルタ41b、溶剤供給管15を通して圧送される。フイルタ41bは、溶剤の供給方向とは逆方向から洗浄される。
【0047】
図2の例では、コントロ−ラ10と各配管との連結部t、q、r、sは連結した状態で、フイルタ41aとフイルタ41bとの前記逆方向洗浄を行なうことができる。このため、連結部を外す必要がなくフイルタ41aとフイルタ41bの逆方向洗浄の作業負担を軽減することができる。
【0048】
なお、図2の例では印字ヘッド40とチュ−ブ50との間のインク供給管28に三方弁xを、溶剤供給管15に三方弁yをそれぞれ設け、三方弁xに排出管uを連結し、三方弁yに排出管uを連結する構成としている。このような構成に代えて、三方弁x、三方弁yの位置でインク供給管28と溶剤供給管15とを着脱自在に連結する構成とすることもできる。
【0049】
このように、フィルタ41a、41bは、それぞれインクと溶剤の供給方向とは逆方向から独立した経路で洗浄される。このため、目詰まりの状態で通常では寿命がきたものとされているフィルタ41a、41bに対して効果的な洗浄が行われ、フィルタ−を再生して寿命を延長することができる。
【0050】
本発明の好適な実施の形態においては、溶剤としてはメチルエチルケトン(MEK)を使用する。また、ノズル44にはピエゾ電極を設け、例えば68KHzの高周波で振動子を振動させて、ポンプ圧力で噴出されるインクを粒子化させている。
【0051】
以上説明したように請求項1に係る発明は、ノズルに供給されるインクの最終のフィルタ作用を行なう第1のフィルタおよび印字ヘッドに供給される溶剤の最終のフィルタ作用を行なう第2のフィルタとを、インクタンクからノズルにインクを供給する第1の供給経路と、溶剤タンクから印字ヘッドに溶剤を供給する第2の供給経路にそれぞれ別個に設置している。このため、溶剤の供給経路に設置されている前記フィルタにはインクが付着していないので、溶剤で印字ヘッドを洗浄する際の洗浄効果の低下が防止できる。また、各フィルタの損耗が緩やかで、フィルタの寿命が延長され、交換頻度が減少する。また、印字ヘッドに、インクの供給経路および溶剤の供給経路の切り替え手段を設け、インクおよび溶剤の供給方向でみて当該切り替え手段の上流側に、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを設置している。このため、印字ヘッドにおいてインクと溶剤が共通して流通する部分の距離を短縮できる。したがって、溶剤による印字ヘッドの洗浄時間が従来例よりも短時間で終了することになり、溶剤の使用量を減らすことができる。さらに、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタは、それぞれインクと溶剤の供給方向とは逆方向から独立した経路で洗浄される。このため、目詰まりの状態のために通常では寿命がきたものとされている各フィルタに対して効果的な洗浄が行われ、フィルタを再生して寿命を延長することができる。
【0052】
また、請求項2に係る発明は、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを印字ヘッドの部分に形成されているインク供給経路および溶剤供給経路に設置している。このため、インクジェット記録装置の組立て時、またはメンテナンス時にインク供給経路や溶剤供給経路が開放されることにより異物が混入したとしても、これらの異物を前記各フィルタで除去できる。
【0054】
また、請求項3に係る発明は、前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを、相互に独立して交換可能に設置している。このため、第1のフィルタと第2のフィルタとはそれぞれ寿命が尽きたときには別個に独立して交換できるので、フィルタを無駄なく使用することが可能となり、メンテナンスが容易でコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略のブロック図である。
【図2】本発明の別の実施の形態に係るインクジェット記録装置を示す概略のブロック図である。
【図3】従来例のインクジェット記録装置の概略のブロック図である。
【符号の説明】
10 コントロ−ラ
11 サプライ溶剤タンク
15 溶剤供給管
23 インクタンク
12、19、25 ポンプ
13、26、29 圧力計
28 インク供給管
30 ノズルからインクと溶剤を回収する回収管
40 印字ヘッド
41a インク用のフィルタ
41b 溶剤用のフィルタ
42 マニホ−ルド
43 電磁弁
44 ノズル
47 ガタ−
50 チュ−ブ
t、q、r,s 連結部
Claims (4)
- 印字用インクを収容するインクタンクと、前記印字用インクを噴射するノズルを設けた印字ヘッドと、前記印字ヘッドを洗浄する溶剤を収容する溶剤タンクと、前記インクタンクから前記ノズルにインクを供給する第1の供給経路と、前記溶剤タンクから前記印字ヘッドに溶剤を供給する第2の供給経路と、印字を行う際には前記第2の供給経路を閉塞し、前記第1の供給経路を開放して前記ノズルにインクを供給し、印字停止後に前記ノズルに溶剤を供給する際には前記第1の供給経路を閉塞し、前記第2の供給経路を開放して前記ノズルに溶剤を供給する前記第1の供給経路と前記第2の供給経路を切り替える切り替え手段と、前記第1の供給経路において前記切り替え手段よりも上流側に設けられ、前記印字ヘッドに供給されるインクの最終のフィルタ作用を行なう第1のフィルタと、前記第2の供給経路において前記切り替え手段よりも上流側に設けられ、前記印字ヘッドに供給される溶剤の最終のフィルタ作用を行なう第2のフィルタとを有し、前記第1のフィルタを洗浄する際には前記切り替え手段を操作して前記第1および第2の供給経路を開放し、前記第2の供給経路に供給された溶剤を前記第1のフィルタにインク供給方向とは逆方向に圧送し、前記第2のフィルタを洗浄する際には前記切り替え手段を操作して前記第1および第2の供給経路を開放し、前記第1の供給経路に供給されたインクを前記第2のフィルタに溶剤供給方向とは逆方向に圧送して前記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタを洗浄してなることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを、印字ヘッドの部分に形成されている前記第1の供給経路および第2の供給経路に設置したことを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1のフィルタおよび第2のフィルタを、相互に独立して交換可能に設置したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の供給経路に設けられた第1の三方弁、および前記第2の供給経路に設けられた第2の三方弁と、前記第1の三方弁に連結された第1の排出管、および前記第2の三方弁に連結された第2の排出管を備え、前記第1のフィルタを洗浄する際には前記第2の三方弁に連結された第2の排出管を閉鎖した状態で前記第1の三方弁を操作して第1の排出管を開放して洗浄に使った溶剤を前記第1の排出管を通して排出し、前記第2のフィルタを洗浄する際には前記第1の三方弁に連結された第1の排出管を閉鎖した状態で前記第2の三方弁を操作して第2の排出管を開放して洗浄に使ったインクを前記第2の排出管を通して排出することを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録装置。
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