JP4202444B2 - プロポリス組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロポリス組成物に関する。さらに詳しくは高濃度で安定なプロポリス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロポリスは蜜蜂の巣等から採取される樹脂状物質で、その主成分は、フラボノイド類、各種有機酸やそのエステル類、ミネラル類、ビタミン類等である。プロポリスは抗菌作用、抗酸化作用、制癌作用等があることが知られており、健康食品として有用である。プロポリスはそのまま食することはまれであり、ごみ等の異物も多く含まれることもあるので、食用とするにはまず溶液あるいは分散液等の液状とする必要がある。
【0003】
プロポリスの主成分はフラボノイド等大部分が、水不溶性の物質であるため、通常は食品に使用できる溶剤、主としてエタノ−ルの抽出液として用いられる。また、最近においてはプロポリスの水溶性物質も有用物質として評価されており、今日では溶剤として50%程度のエタノ−ルを用いることもある。
ところがこのプロポリスのエタノ−ル抽出液は、通常水や果汁等で希釈して飲用されるが、プロポリス特有のにおいがあり、またエタノ−ルの揮発臭が苦手な人も多いため、このような状態で飲用するにはなお問題がある。
【0004】
この問題を解決するためにこのプロポリス抽出液を濃縮し、カプセルにして飲用する方法がある。そのためにはプロポリス抽出液中の水や、エタノ−ル等の溶媒を殆ど除去しなければならない。すなわち、プロポリス抽出液の濃縮工程が必要不可欠である。
【0005】
この濃縮工程で問題となるのが、濃縮物の粘度の増大で、これが回収等の作業性を著しく低下させる。この解決法として乳化剤およびデキストリン等の添加物を大量に添加して乾燥させる方法があるが、この乾燥物はプロポリス本来の成分よりも添加物の構成割合が多く、健康食品としては必ずしも適さない。
また、プロポリス抽出液に小麦胚芽油等の油脂をあらかじめ添加して後、濃縮することで上記溶媒等を除去して且つ濃縮物をスム−ズに回収する方法が知られている。しかしこの方法を用いると出来た濃縮液はその物性が不安定で油脂等の分離が発生する。そのため、濃縮後にミツロウ等のガムベ−ス剤の添加が必要になるが、これは健康食品用の添加物としては必ずしも適さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はプロポリス抽出液を濃縮後にエタノ−ルや水分が少なく、さらに油脂等の分離が起こらない安定した組成の高濃度のプロポリス組成物を提供することである。本発明の他の目的は健康食品として適したプロポリス組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題に関して鋭意検討の結果、油脂および特定の組成のリゾレシチンをプロポリス抽出液に添加混合した組成物に酵素を反応させ、濃縮することによってカプセル充填に適した良好な組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はプロポリス抽出物、油脂、リゾリン脂質含量が90重量%以上のリゾレシチンの組成物に酵素を反応させてなるプロポリス組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のプロポリス抽出物は、原料となる粗プロポリスの塊、粒、粉末等から溶媒で抽出した成分である。溶媒としてはプロポリスを溶解するものであれば全て用いることができる。通常は有機溶媒であり、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル等の一価アルコ−ル類、エチルエ−テル、メチルエ−テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ−テル類、ギ酸エチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、グリセリン、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル等の多価アルコ−ル類、これら多価アルコ−ルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの溶媒を最終製品から除かないで用いる場合は食品添加物として許容されているものであることが必要であり、この点でエチルアルコ−ルが好ましい。食品添加物として認められないものであるときは、最終製品を得るまでの工程で蒸留等の手段によりこれらの溶媒を除去する必要がある。
【0009】
本発明で用いるリゾレシチンとはリン脂質であるレシチン脂肪酸の1個を加水分解したものの総称である。通常は酵素により加水分解を行う。酵素としてはホスフォリパ−ゼA1が用いられる。このときのレシチンからリゾレシチンへの反応率がリゾ化率であり、リゾリン脂質の含有率として表され、種々の含有率のものが製品として販売されている。本発明においてはリゾリン脂質の含有率が90重量%以上のものを用いることが必要である。リゾリン脂質の含有率が90重量%未満では水に対する溶解性が劣り、製品中に不溶成分が発生する。
【0010】
レシチンは卵黄、大豆、酵母等各種のものに含まれる。本発明においてリゾレシチンの原料として用いられるものはいずれでもよいが、原料としての入手のしやすさや食したときの風味等の点から通常は大豆レシチンが用いられる。
【0011】
リゾレシチン中のリン脂質にはリゾホスファジルコリン、リゾホスファジルエタノ−ルアミン、リゾホスファジルイノシト−ル、リゾホスファジル酸等が含まれる。この中で、リゾホスファジルコリンの含量が少ないときはリゾレシチンがエタノ−ルに溶けにくくなり、その結果プロポリス抽出物の溶媒が50%以上ののエタノ−ルの場合、不溶成分が発生する。従って、溶媒にエタノ−ルが含まれるときはリゾホスファジルコリンの含量の多いリゾレシチンを用いるのが良い。このとき好ましいリゾホスファジルコリン含量は55重量%以上であり、さらに好ましくは65重量%以上である。
【0012】
リゾレシチンの量は本発明の目的を達成できる範囲であれば特に制限はないが、通常はプロポリス抽出物の乾燥重量100部当たり20〜80重量部である。20部未満では濃縮液にしたとき油脂の分離が起こり酵素との反応が鈍くなり、80部を越えると効果に頭打ちが見られる。
【0013】
本発明で用いる油脂とは高級脂肪酸のグリセリンエステルの総称である。広く動植物界に存在し常温で固体または液状を呈する。油脂は食品添加物として許容されているものであれば何でも良いが、プロポリス濃縮物の粘度低減が目的なので、常温において液体で粘性の低いものが好ましい。例えば小麦胚芽油、大豆油、サフラワ−油、オリ−ブ油等が挙げられる。
油脂の量についても本発明の目的を達成できる範囲であれば特に制限はないが、通常はプロポリス抽出物の乾燥重量100部あたり20〜150重量部である。20部未満では濃縮液にしたときその粘性が高く、150部を越えると効果に頭打ちが見られる。
【0014】
本発明で用いる酵素とは生体内のほとんどすべての化学反応に、触媒として働く蛋白質のことをいい、主に蛋白質分解を促進するプロテア−ゼ、脂質を分解するリパ−ゼ、デンプンを分解するアミラ−ゼ等が知られていて、広く動植物界に存在する。本発明では主にリパ−ゼを用いるが、補助的にプロテア−ゼを併用しても良い。このリパ−ゼの存在は古くから知られており、現在では、微生物により大量生産されるようになり、比較的安価に入手でき、食品加工分野にも利用されている。リパ−ゼは水と油脂の界面でその作用が最も強く発揮する性質があり、通常、基質である脂質を乳化状態にしないとうまく作用しない。製品形態は粉末状のものが一般的であるが、液状のものもあり、本発明ではいずれも使用できる。
【0015】
酵素の添加量については、本発明を達成できる範囲であれば特に制限はないが、その酵素の持つ活性を参考に添加する。活性の測定は一定条件下で、オリ−ブ油にリパ−ゼを作用させ、1分間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離する酵素量を10単位として計算する。通常はプロポリス抽出物の乾燥重量100gあたり酵素活性3,000〜1,500,000単位である。3,000単位未満では濃縮液にしたときその反応が低く、1,500,000単位を越えると効果に頭打ちが見られる。
【0016】
本発明のプロポリス組成物を製造する方法は代表的には以下のとおりである。まず、原料である粗プロポリスの塊、粒、粉末等から溶媒で可溶成分を抽出する。抽出の効率をあげるために粗プロポリスはできるだけ細かく粉砕したもののほうがよい。抽出温度に特に制限はないが、通常は室温から約100℃である。抽出は溶媒の沸点以上で行ってもよく、この場合は加圧抽出となる。抽出液はろ過等により不溶物と分離する。
プロポリス抽出液中のプロポリス成分の濃度に特に制限はないが、粘性等の点から通常は1〜40重量%であり、好ましくは10〜20重量%である。
【0017】
このようにして得たプロポリス抽出液に所定量のリゾレシチンおよび油脂を添加し混合する。リゾレシチンは製品形態としてペ−スト状のもの、粉末状のもの等があるが、いずれの形態でも用いることができる。さらに必要に応じてDHAやEPA等の魚油を添加してもよい。その後、酵素を添加し充分に反応を行った後、酵素を失活させる。反応条件は使用する酵素の至適温度、pH、時間に応じて適宜設定すれば良い。また、この酵素反応の前にその反応を阻害させると思われる物質はあらかじめ取り除く。たとえば、プロポリスの抽出溶媒としてエタノ−ルを使用した場合、あらかじめエタノ−ルを蒸留等で除去し、代わりに精製水を添加する。反応後の酵素の失活についてもその酵素に合せて温度、 pH、時間等の条件を定めればよい。
【0018】
プロポリス抽出液の濃縮方法については現在工業的に用いられている濃縮装置を使用して行うことができる。例えば、プレ−ト式濃縮機、薄膜降下式濃縮機、遠心分離型濃縮機、凍結濃縮機、減圧濃縮機等がある。さらに、実験用エバポレ−タ等を使用して濃縮してもよい。
この濃縮過程を経てできたプロポリス組成物のプロポリス抽出物含量は通常30〜80重量%で流動性が良く、さらに油脂分が分離することもなく安定した組成を保っている。
【0019】
本発明のプロポリス組成物は上記のように濃縮されているので、そのままカプセル化して健康食品として飲用することができる。もちろん、そのまま、あるいは水や果汁等で希釈して飲用しても差し支えない。さらに目的に応じて本発明の目的を損なわない限り他の添加物を含有して差し支えない。これらの物として例えばベ−タカロチン、ビタミンC、カルシウム等の各種栄養素が挙げられる。
【0020】
本発明においてはプロポリス抽出液にリゾリン脂質含量が90重量%のリゾレシチンおよび油脂を添加・混合の後、酵素反応を行い、さらに濃縮を行うことにより流動性が良く、さらに油脂分が分離することもなく安定した組成物を得ることができる。この組成物は、エタノ−ル等の溶媒含有量が低いか、または含有しないものとなる。
【0021】
この過程でリゾレシチンの界面活性剤としての作用、油脂の安定化作用、またはそれらの相互作用が発現される。すなわち、プロポリスの有効成分を変質させることなく乳化が行われるため、酵素が水と油の界面で充分に作用してプロポリスのヤニ成分を低粘度化させる。そのため、濃縮中も分離をおこさず濃縮が円滑に行われる。このリゾレシチンは他の界面活性剤的作用を有するものに比較してもプロポリス組成物の安定性は大きく、必ずしも上記のように一義的に説明がつくものではないが、いずれにしろそのプロポリス組成物の安定性は驚くべきものである。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0023】
実施例1
ブラジル産プロポリス原塊1kgを粉砕し、これに食品用エタノ−ル(95%)2lおよび精製水1lを添加し、室温で時々撹拌をおこないながら3ヶ月間放置した後、No.5濾紙で濾過してプロポリス抽出液2.7lを得た。
このプロポリス抽出液に大豆リゾレシチンSLP−LPC70(リゾホスファジルコリン70%、リゾ化率90%、ツル−レシチン工業株式会社製)を200g添加し、更に、小麦胚芽油(サミット精油株式会社製)200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しプロポリス混合液を得た。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物2.9lを得た。
【0024】
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼAY(起源:Candida Regosa、活性:30,000単位/g以上、天野製薬(株)製)5gを加え、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、45℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物900gを得た。この濃縮物中の濃縮物中のプロポリス成分は500gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は流動性も良好で、油脂の分離も認められず、安定した物性を有する。
【0025】
実施例2
中国産プロポリス原塊1kgを粉砕し、これに食品用エタノ−ル(95%)2lおよび精製水1lを添加し、室温で時々撹拌をおこないながら3ヶ月間放置した後、No.5濾紙で濾過してプロポリス抽出液3.0lを得た。
このプロポリス抽出液に大豆リゾレシチンSLP−LPC70を200g添加し、更に、小麦胚芽油200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しプロポリス混合液を得た。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物2.9lを得た。
【0026】
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼAY5gをくわえ、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、45℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物900gを得た。
このプロポリス混合液をロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物1.0Kgを得た。この濃縮物中のプロポリス成分は600gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は流動性も良好で、油脂の分離も認められず、安定した物性を有する。
【0027】
実施例3
ブラジル産プロポリス原塊1kgを粉砕し、これに食品用エタノ−ル(95%)2lおよび精製水1lを添加し、室温で時々撹拌をおこないながら3ヶ月間放置した後、No.5濾紙で濾過してプロポリス抽出液2.7lを得た。
このプロポリス抽出液に大豆リゾレシチンSLP−LPC70を200g添加し、更に、小麦胚芽油200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しプロポリス混合液を得た。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物2.9lを得た。
【0028】
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼF(起源:Rhizopus sp.、活性:150,000単位/g以上、天野製薬(株)製)1gを加え、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、40℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物900gを得た。この濃縮物中の濃縮物中のプロポリス成分は500gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は流動性も良好で、油脂の分離も認められず、安定した物性を有する。
【0029】
実施例4
中国産プロポリス原塊1kgを粉砕し、これに食品用エタノ−ル(95%)2lおよび精製水1lを添加し、室温で時々撹拌をおこないながら3ヶ月間放置した後、No.5濾紙で濾過してプロポリス抽出液3.0lを得た。
このプロポリス抽出液に大豆リゾレシチンSLP−LPC70を200g添加し、更に、小麦胚芽油200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しプロポリス混合液を得た。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物3.0lを得た。
【0030】
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼF1gを加え、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、40℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物1.0Kgを得た。この濃縮物中の濃縮物中のプロポリス成分は600gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は流動性も良好で、油脂の分離も認められず、安定した物性を有する。
【0031】
比較例1
実施例1と同様にしてプロポリス抽出液を得た。このプロポリス抽出液2.7lに大豆レシチンSLP−PC70(ホスファジルコリン70%−リゾ化率0%、ツル−レシチン工業株式会社製)200g添加し、更に、小麦胚芽油(サミット精油株式会社製)200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌したところ、不溶成分が液中に認められた。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物2.9lを得た。
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼAY5gをくわえ、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、45℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物850gを得た。この濃縮物中のプロポリス成分は450gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は油脂の分離が認められた。
【0032】
参考例1
実施例1と同様にしてプロポリス抽出液を得た。このプロポリス抽出液2.7lに大豆レシチンSLP−ホワイトリゾ(リゾホスファジルコリン20%、ツル−レシチン工業株式会社製)200g添加し、更に、小麦胚芽油200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌したところ、不溶成分が液中に認められた。
これをNo.5濾紙で濾過してプロポリス混合液を得た。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物2.9lを得た。
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼAY5gをくわえ、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、45℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物800gを得た。この濃縮物中のプロポリス成分は400gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は油脂の分離がやや認められた。
【0033】
比較例2
実施例1と同様にしてプロポリス抽出液を得た。このプロポリス抽出液2.7lにキラヤサポニン キラヤニンC−100(キラヤ抽出物25%、丸善化成株式会社製)200ml添加し、更に、小麦胚芽油200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌したところ、液が白濁した。
これをNo.5濾紙で濾過してプロポリス混合液を得た。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去し、プロポリス組成物2.9lを得た。
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼAY5gをくわえ、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、45℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物800gを得た。この濃縮物中のプロポリス成分は400gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は油脂の分離が認められた。
【0034】
比較例3
実施例1と同様にしてプロポリス抽出液を得た。このプロポリス抽出液2.7lに小麦胚芽油200g添加し、マグネチックスタ−ラ−で撹拌したところ、液中に油滴が分散した。
このプロポリス混合液に精製水2lを添加混合した後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮しエタノ−ル分を除去したところ、油脂(ヤニ)成分が液中に分離したプロポリス組成物2.9lを得た。
この組成物に脂肪分解酵素リパ−ゼAY5gを加え、マグネチックスタ−ラ−で撹拌しながら、45℃・48時間反応させた後、85℃・10分の条件で酵素を失活させた。これをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物700gを得た。この濃縮物中のプロポリス成分は500gで、水分およびエタノ−ル分は1.0%以下であった。このプロポリス濃縮物は油脂(ヤニ)の分離が甚だしく認められた。
【0035】
比較例4
実施例1と同様にしてプロポリス抽出液を得た。このプロポリス抽出液2.7lをロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧濃縮し、プロポリス濃縮物500gを得た。このプロポリス濃縮物は油脂の分離は認められないが、粘性が極めて高く、エバポレ−タ−からの回収が不可能だった。
以上の結果を表1にまとめて示した。
【0036】
【表1】
Figure 0004202444
【0037】
【発明の効果】
以上の実施例、比較例、参考例より本発明の効果は明らかである。
即ち、リゾ化していないレシチンを用いた比較例1、キラヤサポニンを用いた比較例2では濃縮後に油脂の分離が認められる。
油脂のみ添加した比較例3は最初から油滴の分散し不均一で酵素が殆ど作用せず、そのため油脂の分離が認められ、油脂、レシチンともに添加しない比較例4は濃縮物の粘度が著しく高かった。また、リゾホスファジルコリン含量の少ないリゾレシチンを用いた参考例1は酵素作用が弱く、その結果、油脂の分離がやや認められる。
これに対して、リゾ化率が90%以上(即ちリゾリン脂質が90%以上)でそのうちリゾホスファジルコリン含量が55%以上の実施例1、2、3、4においては流動性も良好な、油脂の分離も認められない、安定した物性を有する。

Claims (3)

  1. プロポリス抽出物、油脂およびリゾリン脂質含量が90重量%以上のリゾレシチンの組成物にリパーゼを反応させてなるプロポリス組成物を含有する食品
  2. リゾレシチンが、そのリゾリン脂質のうちリゾフォスファジルコリン含量が55重量%以上であることを特徴とする請求項1記載のプロポリス組成物を含有する食品
  3. プロポリス抽出物に油脂およびリゾリン脂質含量が90%以上のリゾレシチンを添加混合した組成物に、リパーゼを反応させ、これを濃縮することを特徴とするプロポリス組成物を含有する食品の製造方法。
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