JP4202307B2 - アスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム - Google Patents

アスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム Download PDF

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本発明は、アスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムに関し、詳しくは短期間のうちに株を大きくすることができ、短期間での収穫を可能とし、生育作物の初期成長時の雑草を抑制しマルチ効果を高めるアスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムに関する。
アスパラガスは、土壌中に太いひも状の貯蔵根を持ち、地下茎先端の鱗芽から萌え出る若芽が食用となる。新芽は光にあたると緑紫色のグリーンアスパラガスに、光を遮ると淡黄色のホワイトアスパラガスになる。
現在、アスパラガスは、露地栽培が主流であり、定植後、最初の1〜2年間は、ひたすら株の養成に努め、大株に生育させた後に収穫するというようにゆっくりとした栽培法を採用している。このため、5〜6年後に盛園となり、最終的には10〜15年後まで収穫を続ける。
しかし、長期栽培になるほど病害による欠株が増え、その防止策も難しくなり、また多肥にもなるため経営的には早期に収穫可能な大株を栽培し、手間のかかる長期間の栽培を避ける方が有利な場合が多い。
またアスパラガスは、短日・低温休眠作物であり、冬は地上部が枯れて休眠して越冬する。露地栽培では、休眠が完全に覚醒し、平均気温が約5℃以上で萌芽をはじめ、その後更に約10℃を越える頃、即ち全国的に見れば、4月上旬から収穫開始となる。さらに、12月中旬以降、トンネルやハウス被覆をすれば収穫期開始を3月以降からと早めることもできる。そして収穫終わりは、生育適温が平均気温15〜20℃であることから、全国的にみて10月頃までとなる。
即ち、露地や単なるトンネルやハウス被覆での収穫期間は、3月〜10月までということになる。
これに対し、端境期(12〜3月)出荷を目的とした促成栽培がある。この栽培では、11月下旬〜12月上旬に十分生育した根株を掘り取り、ハウス内の温床に伏込み、加温しながら栽培する。地域によっては、休眠覚醒のため根株を冷蔵処理する、いわゆる伏込み栽培である。
この伏込み栽培では、十分生育した株、いわゆる大株を温床に密植し、短期間に一斉萌芽、生育させることが重要で、いかにして良質の大株を11月ごろまでに作り上げるかがポイントになる。なお、大株は1回使用が普通となっている。
農文協編「野菜の生態と作型」263頁−265頁
短期間で良質の大株を露地で栽培しようとするといくつかの問題がある。第1に、株を短期間のうちに収穫可能な大株にまで養成するためには、株に十分な栄養を与える必要があるが、露地栽培では、せっかく肥料を与えても降雨によって早期に流出してしまい、肥料効果を持続させることが難しく、追肥してもロスが多い。
第2に、根部を十分に生育させるには、土壌中に十分な酸素が必要であり、土壌空隙が多いことが大切であるが、これも降雨により土壌が絞まり減少し、十分な根の生育を妨げてしまう。
また第3には、根が地下を自由に伸長してしまうため、根株を掘り取る時、根を傷めることである。これは、温床へ伏せ込み後の活着、萌芽に大きく影響し、大きな問題である。
そこで、本発明者は、先に特願平2004−083458号において、肥料効果を持続でき、短期間で大株に生育させることができ、早期の収穫を可能とするアスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムを提供した。
更に、本発明者は上記先提案技術を実用化すべく鋭意検討した結果、フィルム展張時より追肥用穴を開けていると、生育作物の初期成長時に雑草が追肥用穴から生え出してしまい、生育作物の成長に害を及ぼすという新たな課題を見出した。即ち、雑草防除には除草剤処理で対処できるが、新たな費用と手間が生じることになり好ましくない。さらに雑草を人手で抜き取るのは農業生産者の高齢化と人手不足の点からほとんど不可能である。従って雑草が生長してしまい作物に害を及ぼすことになる。
そこで本発明は、肥料効果を持続でき、短期間で大株に生育させることができ、早期の収穫を可能とし、さらには生育作物の初期成長時に雑草の成長を防ぎマルチ効果を高めるアスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)圃場に畦を形成し、該畦にアスパラガス栽培用マルチフィルムを被覆し、各定植穴にアスパラガスの株を植え付けて大株を育成するアスパラガスのマルチ促成栽培方法であって、前記アスパラガス栽培用マルチフィルムは、フィルムの長さ方向に沿って一条に所定間隔で設けられた複数の定植穴を有し、該定植穴の近傍に追肥用穴となるミシン目加工部を有し、前記ミシン加工部目は、くの字型、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない円形状、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない方形状に施されており、前記追肥用穴となるミシン目加工部を追肥開始時にミシン目に沿って開口して追肥用穴を形成することを特徴とするアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
(請求項2)前記定植穴同士の間隔が30〜70cmであり、前記定植穴と前記追肥用穴となるミシン目加工部との間隔が5〜20cmであることを特徴とする請求項1記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
(請求項3)フィルム表面、裏面又は中間層の少なくとも何れかの層が、遮光性の層であることを特徴とする請求項1又は2記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
(請求項4)前記追肥用穴となるミシン目加工部は、レーザー加工により形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
(請求項5)前記定植穴の周囲にミシン目を形成し、植生株の成長に応じて穴径を拡大することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
(請求項6)フィルムの長さ方向に沿って一条に所定間隔で設けられた複数の定植穴を有し、該定植穴の近傍に、くの字型、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない円形状、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない方形状に施された追肥用穴となるミシン目加工部を有することを特徴とするアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム。
(請求項7)前記定植穴同士の間隔が30〜70cmであり、前記定植穴と前記追肥用穴となるミシン目加工部との間隔が5〜20cmであることを特徴とする請求項6記載のアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム。
(請求項8)フィルム表面、裏面又は中間層の少なくとも何れかの層が、遮光性の層であることを特徴とする請求項6又は7記載のアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム。
(請求項9)前記追肥用穴となるミシン目加工部は、レーザー加工により形成されることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培用マルチフィルム。
(請求項10)前記定植穴の周囲に、植生株の成長に応じて穴径を拡大可能なミシン目を形成してなることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培用マルチフィルム。
本発明によれば、肥料効果を持続でき、短期間で大株に生育させることができ、早期の収穫を可能とすることができ、さらには生育作物の初期成長時に雑草が追肥用穴から生え出すことを防ぎマルチ効果を高めることができるアスパラガスのマルチ促成栽培方法及びアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムを提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの好ましい実施形態を示す部分平面図、図2は同上の促成栽培用マルチフィルムの使用状態を示す斜視図であり、一部断面で示している。
図1に示すアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムは、フィルム1の長さ方向に沿って、アスパラガスの株P(図2参照)を定植するための定植穴2が一条に所定間隔で複数設けられており、各定植穴2と同一列上に、各定植穴近傍にそれぞれ追肥用穴となるミシン目加工部3が設けられ、該定植穴と該追肥用穴となるミシン目加工部が交互に設けられている。
追肥用穴となるミシン目加工部3は、追肥開始時にミシン目に沿って開口し追肥用穴にするためのものである。
定植穴2は、フィルム1の長さ方向に沿って一条に設けられている。かかる一条に配置することによりアスパラガスの株を大株に養成することが可能となる。2列以上の複数列に植え付ける場合には、根部が大きく伸び出すようになると、並列する株同士の根部の絡みつきが起こるので間隔を大きくあける必要がある。このため、各株はそれぞれ畦の両側に片寄るように配されるようになり、根部が畦の外にも張り出してしまい、養成後に株を掘り上げる際、機械で根部Paを切断してしまうおそれがある。
さらに、定植穴2と追肥用穴となるミシン目加工部3をフィルム1の長さ方向に沿って同一列上となるように設けられるようにすると、畦の左右均一に肥料を供給できるため好ましい。
また図2に示すように、各定植穴2はフィルム1の被覆時に畦10の頂部に配置されるため、各追肥用穴となるミシン目加工部3がこれと同一列上に設けられる場合は、各定植穴2と同様に畦10の頂部に配置されることになるため、追肥開始後における降雨等によって畦10中の肥料や土が追肥用穴から流出してしまうおそれを防ぐこともできる。
追肥用穴となるミシン目加工部3の形成方法としては、レーザー加工が好ましい。レーザー加工は、ピンポイントに絞られたレーザービームを望みの形状に沿わせて走査すればよく、刃型は不要であり連続的加工が可能となる。さらにレーザー加工では、フィルム走行中に追肥用穴となるミシン目加工部を自由な形状に加工することや、間隔を変更することも可能であるため、時間的、コスト的にも大変優れている加工方法である。
追肥用穴となるミシン目加工部3の形状は、課題を効果的に解決可能であれば任意の形状でよく、特に限定されない。
例えば図3(a)は円形状全体にミシン目加工が施されている例であり、同図(b)は方形状全体にミシン目加工が施されている例であり、同図(c)はミシン目がくの字型に施されている例であり、同図(d)は円形状一部分だけミシン目加工を施していない例であり、同図(e)は方形状一部分だけミシン目加工を施していない例であり、これらのいずれの形状を採用してもよい。
本発明において、同図(c)、(d)、(e)の態様は、追肥開始時にミシン目に沿って開口し追肥用穴にしたときに、フィルムくずが発生しないためより好ましい。
このように定植穴2の近傍に追肥用穴となるミシン目加工部3を設けることにより、追肥開始前は穴が開いていない状態にあり、初期雑草を抑制し、開口による地温低下を防ぎ生育促進できる効果が発揮される。
初期雑草を抑制することにより、株Pへの栄養分を初期雑草に吸収されることを防ぐことができ、株Pに対して十分な栄養を補給させることができる。さらに、始めから追肥用穴を開けていた場合の除草作業や除草剤処理に伴う手間や費用が不要となる。
なお、初期雑草を抑制することができれば、追肥を開始する時点で生えている雑草は、既に株Pが成長してきているため日陰となり、それ以上の発生が抑制され大きな問題とはならない。
追肥開始時においてはミシン目に沿って開口を形成することにより、株Pの生育に合わせて効果的に追肥を繰り返し行う際の作業性を改善することができる。
本発明において、ミシン目に沿って開口を形成するのは、追肥開始時であればよいが、追肥開始と同時である必要はなく、追肥開始の日の数日前から追肥開始の日(あるいは時)でよい。
一般に、マルチフィルムに定植穴以外の穴を開けることは、マルチ効果(保水、地温上昇、抑草、肥料保持、土壌病害減等)を低減させるものであると考えられ、追肥用穴を開けることは、株Pの生育にとってマイナスであると考えられる。
しかし、本発明者は、アスパラガスをマルチフィルムにより促成栽培する場合に、追肥用穴となるミシン目加工部3を設けることで、このマイナスを補うに十分な効果を得ることができることを見出した。すなわち、追肥用穴となるミシン目加工部3は、上述したように、追肥開始時までは密閉されており、土中水分、地温を保持しアスパラの活着、初期成育を促進安定化し、なおかつ初期雑草を抑制することにより、初期雑草による栄養分の吸収を抑制でき、また、除草の手間や費用も省ける。
さらに、追肥開始後においては株Pの生育に合わせて効果的に追肥を繰り返し行う際の作業性を改善するばかりでなく、この追肥用穴から空気中の酸素が畦10中に入り込み、根部Paに必要な酸素を十分に供給することもでき、結果的に地上部にも良い効果をもたらすものと考えられる。更に、追肥用穴から雨水が入り込むことにより、肥料や水が畦10の上部から下に移動し、根部Paにおける肥料の吸収効率も向上し、水分補給にも効果的であると考えられる。その結果、追肥効果及び本来のマルチ効果との相乗効果により株Pの早期の成長を促し、短期間のうちにアスパラガスの株Pを大きくする上で初期密閉式の追肥用穴はむしろ有効に機能するためであると考えられる。
定植穴2は、図示する円形状に限らず任意であるが、各穴径は円形の場合その直径、方形状の場合は円形換算面積から算出した直径である。
定植穴2の穴径は、3〜10cmとすることが好ましい。3cmよりも小さいと、栄養根や若茎を折損して植痛みを発生させる要因となる。また、10cmよりも大きくすると、マルチ効果(昇温)を減らし、雑草多発の原因となる。より好ましくは、5〜8cmとすることである。
各定植穴2同士の間隔Aは30〜70cmであることが好ましい。30cmよりも小さいと、大株に養成した際の株Pの根部Pa同士が絡みつくおそれがあり、また、70cmよりも大きくすると、必要以上に間隔があいてしまうことにより、定植数が少なくなるおそれがある。より好ましくは、40〜50cmとすることである。この間隔Aは、各定植穴2の中心間の距離である。
また、定植穴2と追肥用穴となるミシン目加工部3との間隔Bは5〜20cmであることが好ましい。5cmよりも小さいと、幼植物の根端に接触して肥料やけを起こすおそれがある。また、20cmよりも大きくすると、株Pの根部Paの近傍に効果的に追肥することが難しくなる。より好ましくは、10〜15cmとすることである。この間隔Bは、定植穴と隣接する追肥用穴となるミシン目加工部3の中心間の距離である。
追肥用穴となるミシン目加工部3の穴径は、1〜10cmとすることが好ましい。1cmよりも小さいと、追肥用機械の操作が困難となり、手作業でも追肥作業が困難となる。また、10cmよりも大きくすると、追肥作業は容易であるが、マルチ効果(昇温)を減らす原因となり、大雨による侵食被害が大きくなる。より好ましくは、3〜7cmとすることである。
フィルム1は、その表面、裏面又は中間層の何れか1又は2以上の層が黒色等の遮光性の層であることが好ましい。雑草や苔の繁茂を抑える効果を期待することができる。このようなフィルム1としては、フィルム1全体を黒色等の遮光性フィルムとする態様の他、フィルム1の表面、裏面又は中間層に黒色等の遮光性フィルムを積層する、或いは、黒色等遮光性の塗装を施す態様が考えられる。フィルム1の裏面(畦10と接する面)を黒色とする場合は、フィルム1の表面を白色或いはシルバー色とすることも好ましい。
このようなアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムを使用してアスパラガスの促成栽培を行うには、図2に示すように、露地面に畦10を形成し、その頂部に各定植穴2及び各追肥用穴となるミシン目加工部3が配置されるようにして畦10にフィルム1を被覆した後、各定植穴2にアスパラガスの株Pを植え付けていく。
このとき、株Pの根部Paの容量をできるだけ大きくするためにも、畦10の高さを高く形成することが好ましい。畦10の高さとしては圃場面から20cm以上50cm以下に形成することが好ましい。このように畦10を高くすることにより、大株の根部Paをマルチ下に集中させることができ、養成後に株Pを畦10から掘り上げる際に、根部Paを傷めるおそれを少なくし、掘り上げ易くすることができる利点がある。
株Pを各定植穴2に植え付けた後は追肥開始時に合わせ追肥用穴となるミシン目加工部3をミシン目に沿って開口して追肥を行う。追肥は、株Pの速い生育に合わせて複数回行うことで、株Pに十分な栄養を行き渡らせるようにする。最初に大量に給肥すると、いわゆる肥やけを起こし、根部Paを傷めるおそれがあるため、生育に合わせて複数回に分けて行うことが好ましい。
ここで追肥開始時とは、通常定植時から15日〜45日後くらいをいう。
追肥の回数は、定植後から掘り上げまでの間に4〜8回程度行うことが好ましい。このとき、各追肥用穴から各株Pの根部Paの近傍に効果的に追肥を行うことができる。肥料は、粉状、粒状、液状のいずれでもよい。
その他は、通常のマルチ栽培と同様に行うことで、追肥効果とマルチ効果とによって、短期間のうちにアスパラガスの株Pを大株にまで養成することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の態様を採用することも好ましい。
図1に示す態様は、複数の定植穴2が一条に所定間隔に設けられており、各定植穴2と同一列上に、各定植穴近傍にそれぞれ追肥用穴となるミシン目加工部3を有し、該定植穴と該追肥用穴となるミシン目加工部が交互に設けられている例であるが、図4に示すような態様も好ましい。
即ち、図4に示すように、フィルム1の長さ方向に沿って一条に複数の定植穴2と複数のミシン目加工部3が同一列上に設けられており、複数の定植穴2のうち隣接する定植穴2が定植穴対20、20・・・を順次形成し、該定植穴対20を構成する二つの定植穴2、2の間に追肥用穴となるミシン目加工部3を設け、該定植穴対20同士の間には該ミシン目加工部3を設けない態様を採用してもよい。これにより、1回の追肥作業により2箇所の株に対し肥料を施すことができ、作業効率上好ましい。
また図5に示すように、フィルム1の長さ方向に沿って一条に所定間隔で設けられた複数の定植穴2を有し、該各定植穴2と同一列上に配置されることなく、各定植穴2近傍にそれぞれ追肥用穴となるミシン目加工部3が設けられている態様を採用してもよい。これにより、追肥を二人で施す場合に、フィルム両端より同時に追肥を施すことが出来るため、作業時間の軽減につながるため好ましい。
更に図6に示すように、フィルム1の長さ方向に沿って、定植穴対20が一条に所定間隔で複数設けられており、各定植穴対20近傍にそれぞれ追肥用穴となるミシン目加工部3が設けられている態様を採用してもよい。これにより、1回の追肥作業により2箇所の株に対し肥料を施すことができ、さらには追肥を二人で施す場合には、フィルム両端より同時に追肥を施すことが出来るため、作業効率に優れ、また作業時間の軽減につながり好ましい。
更に図7(A)に示すように、定植穴2の周りに円形のミシン目4を形成したり、あるいは同図(B)に示すように定植穴2の周りに切れ目状(例えば、放射状)のミシン目4を形成することも好ましい。かかるミシン目4の存在により、植生された株の成長に応じて定植穴2を拡大できて好ましい。また、同図(A)では、定植穴2の周りの円形のミシン目4が、一つだけの態様を示しているが、これに限定されるものではなく、株の成長に応じ適宜定植穴2を拡大するためにミシン目4は複数形成されていても良い。
以下、実施例により本発明の効果を例証する。
(実施例1)
播種後79日目のアスパラガスの苗(品種:ウエルカム)を120株用意し、みかど化工(株)の実験農場(青森県六戸町)において、下記に示す条件で平成15年5月20日〜平成15年11月30日の間でマルチ栽培を行った。
マルチフィルムとして、幅110cm、厚み20μmの市販黒色マルチフィルムに下記内容の加工を施したフィルムを用いた。
定植穴径:6cm
定植穴間隔:40cm
ミシン目で形成された追肥用予定穴の径:6cm
ミシン目で形成された追肥用予定穴の間隔:40cm
定植穴と追肥用予定穴の間隔:13cm
なお、定植穴及びミシン目で形成された追肥用予定穴は、図1に示すように、フィルムの長さ方向に沿って同一列上に配置した。
ミシン目加工の形成方法は、CO2ガスレーザー装置を用い、出力30Wで行い、図3(d)のような形状のミシン目加工を行った。
上記のフィルムを用い、露地面に形成した畦面に被覆した。
畦列数は試験区X(実施例1)と対照区Y(比較例)、参考区Z(参考例1)の3列とし、フィルム被覆畦幅:70cm、畦間:50cm、畦高さ:25cmとした。
10a当たり定植時肥料:
・野菜専用N555号 240kg
・苦土重焼燐 60kg
10a当たり追肥用肥料として、燐硝安加里S646号 100kgを用いた。
追肥開始時(6月15日)に、ミシン目加工された追肥用穴の部分を上から押圧して開口を形成し、追肥用穴をあけた。
この追肥用穴から、20日おきに合計5回、それぞれ給肥した。
栽培後、株を畦から掘り上げ、各株の平均重量を調べた。
(実施例2)
実施例1で作成した定植穴の外周に、径9cmのミシン目を設け、定植後40日で剥ぎ取って定植穴径を9cmとした以外は、同様にして11月30日に株を掘り上げ、株の平均重量を調べた。
(参考例1)
実施例1において、マルチフィルムを以下のフィルムに代えた以外は同様にして、栽培試験を行い、栽培後、株を畦から掘り上げ、各株の平均重量を調べた。
マルチフィルムとして、幅110cm、厚み20μmの市販黒色マルチフィルムに下記内容の加工(予め、追肥用穴をあけた。)を施したフィルムを用いた。
定植穴径:6cm
定植穴間隔:40cm
追肥用穴の径:6cm
追肥用穴の間隔:40cm
定植穴と追肥用穴の間隔:13cm
なお、定植穴及び追肥用穴は、図1に示すように、フィルムの長さ方向に沿って同一列上に配置した。
(比較例)
マルチフィルムとしてミシン目で形成された追肥用予定穴を設けず、定植穴から追肥を行なった以外は上記実施例1と同様にして対照区でマルチ栽培を行い、同様に各株の平均重量を調べた。
(評価)
上記の結果、実施例1、2は、参考例1に比べ、追肥開始時まで雑草が生えなかった。
また追肥作業は、比較例では実施例1、2の2〜3倍の時間を要し、追肥用穴を有する実施例が圧倒的に省力化出来た。
また各株の平均重量は、
実施例1:1310g/株
実施例2:1450g/株
参考例1:1190g/株
比較例 :910g/株
比較例に比べ、実施例1は40%以上、実施例2は50%以上優れていることがわかる。これは株元への散布の均一性や降雨による地中への肥料浸透性の点で実施例の方が優れているためと思われる。
また、参考例1に対しても、実施例は初期雑草を抑えることで生育が優れている。
アスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの好ましい実施形態を示す部分平面図 図1に示すアスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの使用状態を示す一部断面斜視図 追肥用穴となるミシン目加工部の一例を示す図 アスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの他の態様を示す部分平面図 アスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの他の態様を示す部分平面図 アスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの他の態様を示す部分平面図 アスパラガスの促成栽培用マルチフィルムの他の態様を示す部分平面図
符号の説明
1:フィルム
2:定植穴
3:追肥用穴ミシン目加工部
4:拡大定植用穴ミシン目加工部
10:畦
20:定植穴対
P:アスパラガスの株
Pa:根部

Claims (10)

  1. 圃場に畦を形成し、該畦にアスパラガス栽培用マルチフィルムを被覆し、各定植穴にアスパラガスの株を植え付けて大株を育成するアスパラガスのマルチ促成栽培方法であって、
    前記アスパラガス栽培用マルチフィルムは、フィルムの長さ方向に沿って一条に所定間隔で設けられた複数の定植穴を有し、該定植穴の近傍に追肥用穴となるミシン目加工部を有し、
    前記ミシン加工部目は、くの字型、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない円形状、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない方形状に施されており、
    前記追肥用穴となるミシン目加工部を追肥開始時にミシン目に沿って開口して追肥用穴を形成することを特徴とするアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
  2. 前記定植穴同士の間隔が30〜70cmであり、前記定植穴と前記追肥用穴となるミシン目加工部との間隔が5〜20cmであることを特徴とする請求項1記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
  3. フィルム表面、裏面又は中間層の少なくとも何れかの層が、遮光性の層であることを特徴とする請求項1又は2記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
  4. 前記追肥用穴となるミシン目加工部は、レーザー加工により形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
  5. 前記定植穴の周囲にミシン目を形成し、植生株の成長に応じて穴径を拡大することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培方法。
  6. フィルムの長さ方向に沿って一条に所定間隔で設けられた複数の定植穴を有し、該定植穴の近傍に、くの字型、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない円形状、あるいは一部分だけミシン目加工を施していない方形状に施された追肥用穴となるミシン目加工部を有することを特徴とするアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム。
  7. 前記定植穴同士の間隔が30〜70cmであり、前記定植穴と前記追肥用穴となるミシン目加工部との間隔が5〜20cmであることを特徴とする請求項6記載のアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム。
  8. フィルム表面、裏面又は中間層の少なくとも何れかの層が、遮光性の層であることを特徴とする請求項6又は7記載のアスパラガスの促成栽培用マルチフィルム。
  9. 前記追肥用穴となるミシン目加工部は、レーザー加工により形成されることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培用マルチフィルム。
  10. 前記定植穴の周囲に、植生株の成長に応じて穴径を拡大可能なミシン目を形成してなることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のアスパラガスのマルチ促成栽培用マルチフィルム。
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