JP4202004B2 - 有害物質除去システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種排水中に含まれる環境ホルモン等の有害物質を迅速・且つ的確に処理する有害物質除去システムに関する。
【0002】
【背景技術】
近年、多くの地域で見られる野生生物の生殖障害には、環境中に放出された化学物質が関与しているのではないかという疑念が抱かれ、環境ホルモンに対する関心が高まっている。
環境ホルモンは、生物の体内に入ると内分泌系を撹乱し、生殖障害など健康や生態系に悪影響を与える内分泌撹乱化学物質であり、人類についても、特に胎児や乳幼児に対する悪影響が懸念されている。
このために、米国では環境保護庁が中心となって15,000種の化学物質を対象とする調査が計画されており、わが国の環境庁も1997年に外因性内分泌撹乱化学物質問題に関する研究班中間報告書において67種の化学物質(群)を挙げている。
【0003】
また、上記環境ホルモンの中でPCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0004】
上記PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
この結果、PCBは体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
【0005】
環境ホルモン該当有機化合物は、樹脂素材、可塑剤、界面活性剤、染料及びその原料、農薬などの広い領域で工業的に生産、使用されているもの、薬品製造工程やゴミ焼却などの過程で非意図的に発生するもの、自然界で生産されるものなどがあり、用水、排水、河川、湖沼、海水、土壌、地下水、底泥などの中に広く分布していることが指摘され、大きな社会問題となっている。
【0006】
これらの物質は、女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモン様に作用し、水環境においては、ppb〜pptレベルの極微量で作用を及ぼすことが報告されている。従来、水中に存在する有害有機化合物の除去技術として、生物分解や、オゾン、過酸化水素などによる酸化分解などが検討され、提案されている。特定有害物質の分解除去を目的とした生物処理としては、特定の真菌や細菌による分解処理や、活性汚泥などの混合微生物を特定物質で馴養したものによる分解処理などが行われている。
これらの方法は、処理対象の物質が特定されている場合には優れた方法であるが、水中に多種類の化合物、特に環境ホルモン該当有機化合物が存在する場合には、それらのすべてを効率よく除去することは困難である。
【0007】
また、ppmレベルの分解対象化合物を含む水溶液中で馴養、単離した混合微生物や単離株は、ppbレベルの極低濃度で含まれる分解対象化合物の処理に対して必ずしも適応性が強いとはいえない。
【0008】
酸化剤による処理法としては、オゾンや過酸化水素などの強力な酸化剤を用いる方法が検討されている。これらの酸化力の強い酸化剤は、多種類の化合物を分解することができるという特徴を有している。
【0009】
しかし、ppbレベルの極低濃度の化合物に対しては、対象化合物量あたりに必要とする酸化剤の量が多くなり、経済的に好ましくない。
【0010】
近年、有害物質は用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の各種排水中で一部検出される場合があり、その処理に際して、迅速且つ的確な処理が望まれている。
【0011】
本発明は上述した問題に鑑み、用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の各種排水中に含まれる環境ホルモン等の有害物質を迅速・且つ的確に処理する有害物質除去システムを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、被処理物中の有害物質を除去する有害物質除去システムであって、上記被処理物中の有害物質を吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する脱離溶媒供給手段と、上記脱離した有害物質を含む脱離液を回収する脱離液回収タンクと、上記処理槽内の上記吸着剤への吸着の有無の確認により当該吸着剤の保持能力を判定可能なトレーサ物質を当該処理槽の入口側の被処理物供給ライン内に供給するトレーサ物質供給手段と、上記処理槽の出口側の被処理物排出ライン内のトレーサ物質を検出するトレーサ検出手段とを備えてなることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、処理槽の入口側の被処理物供給ラインに、被処理物中の固形物又は油分等を除去するプレフィルタを介装してなることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0016】
第3の発明は、第1の発明において、上記処理槽が複数の吸着剤を充填したカラムを積層してなることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0017】
第4の発明は、第1の発明において、上記処理槽の入口側の被処理物供給ラインに設けられ、処理槽内に空気を送給する空気送給手段を備えてなることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0018】
第5の発明は、第4の発明において、上記空気送給手段から上記処理槽内を通気した空気を上記脱離液回収タンク内の脱離液内にバブリングさせて上記脱離溶媒供給手段の溶媒タンクに回収することにより、当該脱離液回収タンク内の脱離液中の有害物質を濃縮することを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0019】
第6の発明は、第5の発明において、上記濃縮有害物質を分解処理する処理設備を備えたことを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0020】
第7の発明は、第6の発明において、上記処理設備が、水熱分解処理装置,超臨界水酸化装置,紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置であることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0021】
第8の発明は、第7の発明において、上記水熱分解処理装置が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2CO3)の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる装置であることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0022】
第9の発明は、第8の発明において、上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設した筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0023】
第10の発明は、第1の発明において、上記有害物質を含む被処理物が、用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の排水であることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0024】
第11の発明は、第1の発明において、上記有害物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VOCs)有機酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステルであることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0025】
第12の発明は、第1の発明において、上記トレーサ物質が、有害物質がPCB類の場合にはビフェニルであり、又はダイオキシン類の場合はジベンゾフランであり、又はフェノール類の場合はメチルフェノールであり、又はフタル酸エステルの場合はフタル酸ジメチルであることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0026】
第13の発明は、第1の発明において、上記脱離溶媒が、ジクロロメタン,ヘキサン,アセトン,メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニトリル,ポリ塩化トリフロロエチレンのいずれかであることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0027】
第14の発明は、第1の発明において、上記吸着剤が、活性炭,シリカゲル,アルミナ等の多孔性材料であることを特徴とする有害物質除去システムにある。
【0028】
第15の発明は、第1の発明の有害物質除去システムを用い、上記被処理物中の有害物質を処理槽内の吸着剤で処理し、その後処理槽の入口側で投入したトレーサ物質を出口側で検出した場合に、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生することを特徴とする有害物質除去方法にある。
【0029】
第16の発明は、第1の発明の有害物質除去システムを少なくとも2系統用い、一方の除去システムにおいて、被処理物中の有害物質を吸着剤で吸着処理している間に、他方の除去システムにおいて、吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生することを特徴とする有害物質除去方法にある。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明による有害物質除去システムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0031】
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態にかかる有害物質除去システムの概略図を示す。図1に示すように、本実施の形態にかかる有害物質除去システムは、被処理物中の有害物質を除去する有害物質除去システムであって、上記被処理物である例えば排水11中の有害物質12を吸着処理する吸着剤13を充填してなる処理槽14と、該吸着剤13に吸着された有害物質12を脱離させる脱離溶媒15を貯蔵する溶媒タンク16と、吸着剤13に吸着された有害物質12を脱離する脱離溶媒15を処理槽14内に供給する供給ポンプ17とからなる脱離溶媒供給手段18、上記脱離した有害物質12を含む脱離液19を回収する脱離液回収タンク20とを備えてなるものである。また、上記処理槽14の入口ライン14aには固形物等を予め除去するプレフィルタ21が介装されている。また、上記プレフィルタ21と処理槽14との間の入口ライン14aには、空気供給手段22から処理槽14内に空気23を送給するようにしている。なお、図1中、符号25は処理排水24を貯溜する放出タンク、26a,26b,26c,26dはバルブを各々図示する。
【0032】
また、本実施の形態においては、処理槽14の出口側と入口側との差圧を測定する圧力計27を備えており、常時その差圧を計測している。
【0033】
ここで、本発明で処理する被処理物としては、例えば工場排水,下水処理排水等の各種排水の他、例えば用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、有害物質を含む液状の処理対象物質であればいずれのものでもよい。また、環境ホルモン類似物質又はその中間体等を製造する化学プラントにおける排水処理にも適用することができる。
【0034】
また、被処理物に含まれる有害物質とは、例えばダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VOCs)有機酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステル等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その他の有害物質であっても人体等に有害となるもの全てを含むものである。
【0035】
上記環境ホルモン類等の平成13年度時点における具体例としては、例えばダイオキシン類(DXN)、ポリ塩化ビフェニール類(PCB)、ポリ臭化ビフェニール類(PBB)、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ペンタクロロフェノール(PCP)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、アミトロール、アトラジン、アラクロール、シマジン、ヘキサクロロシクロヘキサン、エチルパラチオン、カルバリル、クロルデン、オキシクロルデン、trans−ノナクロル、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、DDT、DDE、 DDD、ケルセン、アルドリン、エンドリン、ティルドリン、エンドスルファン(ベンゾエピン)、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキサイド、マラチオン、メソミル、メトキシクロル、マイレックス、ニトロフェン、トキサフェン、トリブチルスズ、トリフェニルスズ、トリフルラリン、アルキルフェノール(C5)、ノニルフェノール、4−オクチルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジエチル、ベンゾ(a)ピレン、2,4−ジクロロフェノール、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ベンゾフェノン、4−ニトロトルエン、オクタクロロスチレン、アルディカーブ、ベノミル、キーポン(クロルデコン)、マンゼブ(マンコゼブ)、マンネブ、メチラム、メトリブジン、ジペルメトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレート、ペルメトリン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジプロピル、スチレンの2及び3量体、n−ブチルベンゼンの物質又は物質群である。
【0036】
上記有害物質を吸着する処理槽14内に充填される吸着剤としは、例えば活性炭,C18シリカゲル,C8 シリカゲル,シリカゲル,アルミナ等の多孔性材料等を例示することができる。
【0037】
本発明で使用する多孔性材料に特に制限はなく、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土、チタニア、多孔質ガラスなどを挙げることができる。
【0038】
これらの中で、シリカ系多孔質材料を用いるのが好適である。
ここで、アルキル化処理したシリカとしては、例えば、メチル化シリカ、ブチル化シリカ、オクチル化シリカ、オクタデシル化シリカなどを挙げることができる。特に疎水性の観点からオクタデシル化シリカを用いるのが特に好ましい。
アルキル化シリカの形状に特に制限はなく、ゲル型、多孔性型のいずれも使用することができ、また、球状、破砕状のいずれをも使用することができる。
シリカのアルキル化処理は、シリカゲルの表面をアルキル基で化学修飾することにより行うことができる。
アルキル化シリカは、吸着、分配液体クロマトグラフィー用分離材として用いられ、例えば、「ワイエムシィ社」より、全多孔性化学結合型シリカゲルとして、メチル化シリカ、ブチル化シリカ、オクチル化シリカ、オクタデシル化シリカなどが提供されている。
【0039】
本発明において使用する多孔性材料表面をアルキル化処理した材料の粒径に特に制限はないが、粒径が10mm以下であることが好ましく、アルキル化処理した材料の粒径0.5〜10mmのものが好ましい。
【0040】
多孔性材料表面をアルキル化処理した材料は、炭素素材の場合と同様に、粒径に応じて、固定床式、流動床式又は懸濁槽式反応装置として環境ホルモン含有水と接触させる装置とすることができ、環境ホルモン含有水をアルキル化シリカに接触させることにより、環境ホルモン該当有機化合物を吸着除去することができる。
【0041】
また、処理槽14内で吸着した有害物質を脱離する脱離溶媒としては、例えばジクロロメタン,ヘキサン,アセトン,メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニトリル,ポリ塩化トリフロロエチレン等を例示することができるが、有害物質を脱離する作用を有する溶媒であれば上記溶媒に限定されることはない。
【0042】
また、塩基物質等の無機物質を除去するために、酸処理又はアルカリ処理のいずれか一方又は両方を脱離と共に、併用するようにしてもよい。
【0043】
また、本実施の形態ではプレフィルタ21を入口ライン14aに介装しているが、被処理物の種類によって適宜その処理対象に適したフィルタ(メンブレンフィルター, セラミックフィルター, ステンレスフィルター,焼結フィルター, 高分子材料フィルター等)を用いるようにしてもよい。例えば有機物が多い場合や無機物が多い場合には、それらに適したフィルタ構成とすればよい。
【0044】
以下、本実施の形態にかかる上記有害物質除去システムシステムを用いた処理の一例を示す。
【0045】
先ず、処理槽14の入口ライン14aと出口ライン14bとに介装されているバルブ26a,26bを開放し、被処理物である排水11を処理槽14内に供給して排水11中に含まれる有害物質を吸着剤13で吸着処理する。
その後、処理槽の入口側と出口側との差圧を測定する差圧計27が変動した場合や所定設定値となった場合に、排水11の供給を停止すると共に、バルブ26a,26bを閉じる。
【0046】
図2はその監視システムのフロー図である。
▲1▼先ず、排水処理中は常に処理槽14の差圧を差圧計27で監視する(S−1)。
▲2▼差圧が所定値か否かの判定をする(S−2)。
▲3▼差圧が所定値以下であれば、処理を続行する(S−3)。
▲4▼差圧が所定値以上であれば、処理を停止し、処理槽内の吸着剤13の洗浄処理を開始する(S−4)。
【0047】
次に、処理槽14内の吸着剤13の再生処理の一例を処理フローを示す図3と共に以下に示す。
▲1▼先ず、処理槽14内への排水11の停止を確認してバルブ26cを開放し、ポンプ17により脱離溶媒15を処理槽14の出口側から供給する(S−11)。
▲2▼供給された脱離溶媒15により上記吸着剤13に吸着された有害物質12が脱離され吸着剤13が再生される(S−12)。
▲3▼上記脱離された有害物質12を含む脱離液19は、溶媒回収タンク20内に回収される(S−13)。
▲4▼その後、空気供給手段22から空気を処理槽14の入口側から供給して、処理槽14内を乾燥させる(S−14)。
▲5▼乾燥に使用した空気は吸着剤に残存した有害物質を含むものもあるので、汚染空気34となり、そのまま外部への排出をせずに、溶媒回収タンク20内へ導入し、バブリングにより汚染された脱離液19を濃縮する(S−15)。なお、バブリングにより発生した脱離液中の脱離溶媒は溶媒タンク16内に回収され、再度脱離溶媒として再利用している。
▲6▼濃縮された濃縮物32を濃縮タンク33へ移す(S−16)。
▲7▼濃縮タンク33内の有害物質は各種分解処理設備により無害化する(S−17)。
【0048】
上記処理設備としては、特に限定されるものではないが、例えば水熱分解処理装置,超臨界水酸化装置,紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置等を挙げることができる。
【0049】
ここで、上記水熱分解処理装置としては、処理する有害物質がPCB、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化物の場合には、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる装置を用いることが好ましい。
【0050】
この水熱酸化分解装置の概要の一例を図7に示す。
【0051】
図7に示すように、水熱酸化分解装置120は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一次反応塔122と、油(又は有機溶剤)、有害物質濃縮液、水(H2O)および水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液123a〜123dを加圧する加圧ポンプ124と、当該水を予熱する熱交換器125と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔126と、冷却器127および減圧弁128とを備えてなるものである。また、減圧弁127の下流には、気液分離器129、活性炭槽130が配置されており、排ガス(CO2 )131は煙突132から外部へ排出され、排水(H2 O,NaCl)133は放出タンク134に溜められて別途必要に応じて排水処理される。
【0052】
なお、処理液123となる油(又は有機溶剤)123a、有害物質濃縮液123b、NaOH液123c及び水123dは処理液タンク135a〜135dから配管136a〜136d及びエジェクタ137を介してそれぞれ導入される。また、酸素(O2 )等の酸化剤は高圧酸素供給設備138により供給され、供給配管139は、一次反応塔122に対して直結されている。なお、油(又は有機溶剤)を入れるのは、特に高濃度PCBの分解反応促進のためと、分解装置120の起動時において反応温度を最適温度まで昇温させるためである。また、処理液として上記有害物質濃縮液、H2OおよびNaOHを混合させて一次反応塔122に投入するようにしてもよい。
【0053】
上記装置において、加圧ポンプ124による加圧により一次反応塔122内は、26MPaまで昇圧される。また、熱交換器125は、H2Oを300℃程度に予熱する。また、一次反応塔122内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温する。サイクロンセパレータ121は、一次反応塔122内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きなものを分離し、Na2CO3の微粒子を二次反応塔126に送る。このサイクロンセパレータ121の作用により、二次反応塔126の閉塞が防止される。この段階までに、有害物質は、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却器127では、二次反応塔126からの流体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128により大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129によりCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2および水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
【0054】
このような処理装置120を用いて排水中から濃縮した有害物質濃縮物を処理することで、酸化剤等の作用によりCO2 、H2 O等へと完全無害化がなされている。
【0055】
本実施の形態においては、上記気液分離装置129で分離された排水133の処理においても上記有害物質除去システム140を用いてその処理を行い、排水の無害化を図っている。
【0056】
[第2の実施の形態]
上述した第1の実施の形態では処理槽14内に充填される吸着剤13は、単一の充填槽としてもよいが、図4に示すように、例えば複数の吸着剤13を充填したカラム31A,31B,31Cを積層するようにしてもよい。なお、積層するカラムの数は特に限定されるものではない。
これにより、複数回の使用した結果、処理槽14の入口側におけるカラム31C内の劣化した吸着剤13を廃棄・処理した後、順次カラム31B,31Aを繰下げ、新規吸着剤13を充填したカラムを最上段に挿入することで、長期間に亙っての吸着剤の使用効率を上げるようにしてもよい。
【0057】
なお、吸着剤13は粉砕して上述した図7に示す水熱酸化分解処理装置120に供給して分解処理することで、完全無害化を図ることができる。
【0058】
[第3の実施の形態]
上述した第1の実施の形態では処理槽14を一塔式としているが、本実施の形態では2塔式として連続して排水等を処理するようにしている。図5は本実施の形態にかかる有害物質除去システムの概略図を示す。図5に示すように、本実施の形態にかかる有害物質除去システムは、被処理物中の有害物質を除去する有害物質除去システムであって、上記被処理物である例えば排水11中の有害物質12を吸着処理する吸着剤13を充填してなる第1処理槽14−1及び第2処理槽14−2と、該吸着剤13に吸着された有害物質12を脱離させる脱離溶媒15を貯蔵する溶媒タンク16と、吸着剤13に吸着された有害物質12を脱離する脱離溶媒15を処理槽14内に供給する供給ポンプ17とからなる脱離溶媒供給手段18、上記脱離した有害物質12を含む脱離液19を回収する脱離液回収タンク20とを備えてなるものである。また、上記処理槽14の入口ライン14aには固形物等を予め除去するプレフィルタ21が介装されている。また、上記プレフィルタ21と処理槽14との間の入口ライン14aには、空気供給手段22から処理槽14内に空気23を送給するようにしている。なお、図5中、符号25は処理排水24を貯溜する放出タンク、26a〜26fはバルブを各々図示する。
【0059】
また、本実施の形態においては、処理槽14の入口側ライン14a側には、トレーサ供給手段41からトレーサ物質42を排水11中に供給している。
【0060】
ここで、上記トレーサ物質としては、有害物質がPCB類の場合にはビフェニルであり、又はダイオキシン類の場合はジベンゾフランであり、又はフェノール類の場合はメチルフェノールであり、又はフタル酸エステルの場合はフタル酸ジメチルとすることが好ましい。
【0061】
なお、排水処理の方法の基本は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0062】
以下、本実施の形態にかかる上記有害物質除去システムシステムを用いた処理の一例を示す。
【0063】
先ず、第1処理槽14−1の入口ライン14aと出口ライン14bとに介装されているバルブ26a,26bを開放し、バルブ26c,26e,26fを閉塞しておく。被処理物である排水11を処理槽14内に流水させ、排水11中に含まれる有害物質を吸着剤13で吸着処理する。このとき、トレーサ供給手段よりトレーサを供給する。
その後、処理槽出口側に設けたトレーサ検出装置43により、所定濃度のトレーサを検出した場合に、排水11の供給を停止すると共に、バルブ26a,26bを閉じる。
【0064】
一方、第1処理槽14−1で処理している間に、第2処理槽14−2においては、それ以前に処理して有害物質が吸着された吸着剤13の再生処理をおこなうようにしている。
【0065】
図6はその監視システムのフロー図である。
▲1▼先ず、排水中にトレーサを注入する(S−21)
▲2▼トレーサ検出装置でトレーサの有無を確認する(S−22)。
▲3▼トレーサが確認されなければ、処理を続行する(S−23)。
▲4▼トレーサが確認されても、所定値以下であれば、処理を続行する(S−24)。
▲5▼トレーサが確認され、所定値以上であれば、処理を停止し、処理槽内の洗浄処理を開始する(S−25)。
【0066】
再生処理の手順は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0067】
本実施の形態によれば、処理槽14を2系統としているので、これらを交互に用いて一方では有害物質の吸着処理をし、他方では吸着剤の再生処理並行して行なうことができるので、処理効率が向上する。
【0068】
【発明の効果】
第1の発明によれば、被処理物中の有害物質を除去する有害物質除去システムであって、上記被処理物中の有害物質を吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する脱離溶媒供給手段と、上記脱離した有害物質を含む脱離液を回収する脱離液回収タンクと、上記処理槽内の上記吸着剤への吸着の有無の確認により当該吸着剤の保持能力を判定可能なトレーサ物質を当該処理槽の入口側の被処理物供給ライン内に供給するトレーサ物質供給手段と、上記処理槽の出口側の被処理物排出ライン内のトレーサ物質を検出するトレーサ検出手段とを備えてなるので、排水中の有害物質を効率的に除去することができると共に、トレーサの有無を確認することで、吸着剤の保持能力を判定でき、吸着剤を交換等することで再度処理を行うことができる。
【0071】
第2の発明によれば、第1の発明において、処理槽の入口側の被処理物供給ラインに、被処理物中の固形物又は油分等を除去するプレフィルタを介装してなるので、処理槽の吸着剤の劣化を防止することができる。
【0072】
第3の発明によれば、第1の発明において、上記処理槽が複数の吸着剤を充填したカラムを積層してなるので、個々に劣化した吸着剤を充填したカラムのみを交換することでよく、吸着剤の交換頻度又は交換量を少なくすることができる。
【0073】
第4の発明によれば、第1の発明において、上記処理槽の入口側の被処理物供給ラインに設けられ、処理槽内に空気を送給する空気送給手段を備えてなるので、脱離溶媒の回収を行なうことができる。
【0074】
第5の発明によれば、第4の発明において、上記空気送給手段から上記処理槽内を通気した空気を上記脱離液回収タンク内の脱離液内にバブリングさせて上記脱離溶媒供給手段の溶媒タンクに回収することにより、当該脱離液回収タンク内の脱離液中の有害物質を濃縮するので、有害物質含有空気を外部に排出させず、脱離溶媒の濃縮に利用し、また濃縮した脱離溶媒は再利用に供すことができる。
【0075】
第6の発明によれば、第5の発明において、上記濃縮有害物質を分解処理する処理設備を備えたので、濃縮物のみを分解処理することとなり、分解処理量の減容化を図ることができる。
【0076】
第7の発明によれば、第6の発明において、上記処理設備が、水熱分解処理装置,超臨界水酸化装置,紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置であるので、有害物質を効率よく分解処理することができる。
【0077】
第8の発明によれば、第7の発明において、上記水熱分解処理装置が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2CO3)の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる装置であるので、酸化分解反応により有害物質を効率よく分解処理することができる。
【0078】
第9の発明によれば、第8の発明において、上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設した筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなるので、有害物質として例えばPCBやダイオキシン類等の有機ハロゲン化物等を酸化分解反応により有害物質を効率よく分解処理することができる。
【0079】
第10の発明によれば、用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の各種排水中の有害物質を効率的に処理することができる。
【0080】
第11の発明によれば、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VOCs)有機酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステル等の有害物質を効率的に処理することができる。
【0081】
第12の発明によれば、第1の発明において、上記トレーサ物質が、有害物質がPCB類の場合にはビフェニルであり、又はダイオキシン類の場合はジベンゾフランであり、又はフェノール類の場合はメチルフェノールであり、又はフタル酸エステルの場合はフタル酸ジメチルであるので、判定が確実となる。
【0082】
第13の発明によれば、第1の発明において、上記脱離溶媒が、ジクロロメタン,ヘキサン,アセトン,メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニトリル,ポリ塩化トリフロロエチレンのいずれかであるので、脱離効率が向上する。
【0083】
第14の発明によれば、第1の発明において、上記吸着剤が、活性炭,シリカゲル,アルミナ等の多孔性材料であるので、被処理物中の有害物質を効率的に捕集することができる。
【0084】
第15の発明によれば、第1の発明の有害物質除去システムを用い、上記被処理物中の有害物質を処理槽内の吸着剤で処理し、その後処理槽の入口側で投入したトレーサ物質を出口側で検出した場合に、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生するので、被処理物中の有害物質を効率的に除去することができる。
【0085】
第16の発明によれば、第1の発明の有害物質除去システムを少なくとも2系統用い、一方の除去システムにおいて、被処理物中の有害物質を吸着剤で吸着処理している間に、他方の除去システムにおいて、吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生するので、処理を交互に行い連続して被処理物の処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる有害物質除去システムの概略図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる有害物質除去処理の監視のフロー図である。
【図3】洗浄処理のフロー図である。
【図4】第2の実施の形態にかかる処理槽の概略図である。
【図5】第3の実施の形態にかかる処理槽の概略図である。
【図6】第3の実施の形態にかかる有害物質除去処理の監視のフロー図である。る。
【図7】水熱酸化分解装置の概要図である。
【符号の説明】
11 排水
12 有害物質
13 吸着剤
14 処理槽
15 脱離溶媒
16 溶媒タンク
17 供給ポンプ
18 脱離溶媒供給手段
19 脱離液
20 脱離液回収タンク
21 プレフィルタ
22 空気供給手段
23 空気
Claims (16)
- 被処理物中の有害物質を除去する有害物質除去システムであって、
上記被処理物中の有害物質を吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、
該吸着剤に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する脱離溶媒供給手段と、
上記脱離した有害物質を含む脱離液を回収する脱離液回収タンクと、
上記処理槽内の上記吸着剤への吸着の有無の確認により当該吸着剤の保持能力を判定可能なトレーサ物質を当該処理槽の入口側の被処理物供給ライン内に供給するトレーサ物質供給手段と、
上記処理槽の出口側の被処理物排出ライン内のトレーサ物質を検出するトレーサ検出手段と
を備えてなることを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
処理槽の入口側の被処理物供給ラインに、被処理物中の固形物又は油分等を除去するプレフィルタを介装してなる
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記処理槽が複数の吸着剤を充填したカラムを積層してなる
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記処理槽の入口側の被処理物供給ラインに設けられ、処理槽内に空気を送給する空気送給手段を備えてなる
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項4において、
上記空気送給手段から上記処理槽内を通気した空気を上記脱離液回収タンク内の脱離液内にバブリングさせて上記脱離溶媒供給手段の溶媒タンクに回収することにより、当該脱離液回収タンク内の脱離液中の有害物質を濃縮する
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項5において、
上記濃縮有害物質を分解処理する処理設備を備えた
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項6において、
上記処理設備が、水熱分解処理装置,超臨界水酸化装置,紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置である
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項7において、
上記水熱分解処理装置が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2CO3)の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる装置である
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項8において、
上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設した筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなる
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記有害物質を含む被処理物が、用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の排水である
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記有害物質が、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VOCs)有機酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステルである
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記トレーサ物質が、有害物質がPCB類の場合にはビフェニルであり、又はダイオキシン類の場合はジベンゾフランであり、又はフェノール類の場合はメチルフェノールであり、又はフタル酸エステルの場合はフタル酸ジメチルである
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記脱離溶媒が、ジクロロメタン,ヘキサン,アセトン,メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニトリル,ポリ塩化トリフロロエチレンのいずれかである
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1において、
上記吸着剤が、活性炭,シリカゲル,アルミナ等の多孔性材料である
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 請求項1の有害物質除去システムを用い、上記被処理物中の有害物質を処理槽内の吸着剤で処理し、その後処理槽の入口側で投入したトレーサ物質を出口側で検出した場合に、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生する
ことを特徴とする有害物質除去方法。 - 請求項1の有害物質除去システムを少なくとも2系統用い、一方の除去システムにおいて、被処理物中の有害物質を吸着剤で吸着処理している間に、他方の除去システムにおいて、吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生する
ことを特徴とする有害物質除去方法。
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