JP2000189945A - 内分泌撹乱性物質含有水の処理方法および装置 - Google Patents

内分泌撹乱性物質含有水の処理方法および装置

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JP2000189945A
JP2000189945A JP10374702A JP37470298A JP2000189945A JP 2000189945 A JP2000189945 A JP 2000189945A JP 10374702 A JP10374702 A JP 10374702A JP 37470298 A JP37470298 A JP 37470298A JP 2000189945 A JP2000189945 A JP 2000189945A
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Japan
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water
endocrine disrupting
reactor
treated
oxidizing agent
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Koji Mori
幸治 森
Toshiji Nakahara
敏次 中原
Nobuhiro Oda
信博 織田
Yuichi Muramatsu
勇一 村松
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な装置と操作により、短時間で内分泌撹
乱性物質を低濃度にまで除去することができる内分泌撹
乱性物質の処理方法および装置を得る。 【解決手段】 内分泌撹乱性物質を含む被処理液4を酸
化剤5とともに反応器1に供給し、加熱器2で加熱して
内分泌撹乱性物質を酸化分解し無害化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内分泌撹乱性物質含
有水を処理して無害化する方法および装置、特に酸化分
解による内分泌撹乱性物質含有水の処理方法および装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】野生生物から人類に至る生物の生殖障害
を招くものとして、一般に環境ホルモンと称される外因
性内分泌撹乱化学物質の害が注目されている。この外因
性内分泌撹乱化学物質は環境中に放出されて生物の体内
に取り込まれると、あたかも本物のホルモンのように作
用して内分泌系を撹乱し、正常なホルモン作用に影響を
与える。これらの物質は女性ホルモン、男性ホルモン、
甲状腺ホルモン様に作用し、水環境においては、ng/
l〜μg/lレベルの極微量で作用を及ぼすとされてい
る。
【0003】このような、外因性内分泌撹乱化学物質、
その疑いのある物質などの内分泌撹乱性物質は、樹脂素
材、可塑剤、界面活性剤、染料およびその原料、農薬な
どの広い領域で工業的に生産、使用されているもの、薬
品製造工程やゴミ焼却などの過程で非意図的に発生する
もの、自然界で生産されるものなどがあり、用水、排
水、河川、湖沼、海水、土壌、地下水、底泥などの中に
広く分布し、生物に害を及ぼしているとされている。こ
のほか生体から代謝される生体ホルモンや合成ホルモン
なども内分泌撹乱性物質として、生物体に対する影響が
あるとされている。
【0004】従来、水中に存在する一般的な有害有機物
質の除去技術として、生物分解や、オゾン、過酸化水素
などによる酸化分解などが検討され、提案されている。
また特定有害物質の分解除去を目的として、特定の真菌
や細菌による分解処理や、活性汚泥などの混合微生物を
特定物質で馴養した菌による分解処理、あるいはオゾン
共存下で紫外線(UV)処理を行う方法などが提案され
ている。
【0005】これらの生物処理法は、処理対象の物質が
特定されている場合には優れた方法であるが、水中に様
々な分解特性を持つ内分泌撹乱性物質が多種類共存する
場合には、内分泌撹乱性物質のすべてを効率よく除去す
ることは困難である。またUV処理には被処理水中に濁
質成分等の内分泌撹乱性物質以外の共存物が存在する場
合、それら共存物によりUV透過が阻害され、処理に支
障をきたすという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、多様
な内分泌撹乱性物質を含む水に対し簡単な装置と操作に
より、短時間で内分泌撹乱性物質を低濃度にまで除去す
ることができる内分泌撹乱性物質の処理方法を提案する
ことである。本発明の他の課題は上記のような処理を行
うことができる内分泌撹乱性物質の処理装置を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の内分泌撹乱
性物質の処理方法および装置である。 (1) 内分泌撹乱性物質含有水を酸化剤の存在下に加
熱分解する内分泌撹乱性物質含有水の処理方法。 (2) 酸化触媒の存在下に加熱分解する上記(1)記
載の方法。 (3) 内分泌撹乱性物質含有水を濃縮し、濃縮液を酸
化剤の存在下に加熱分解する上記(1)または(2)記
載の方法。 (4) 膜分離または吸着により濃縮する上記(3)記
載の方法。 (5) 内分泌撹乱性物質含有水を加熱分解する反応器
と、反応器に被処理水を供給する被処理水供給路と、反
応器に酸化剤を供給する酸化剤供給路と、反応器内の反
応液を加熱する加熱装置と、処理水を排出する処理水排
出路とを有する内分泌撹乱性物質含有水の処理装置。 (6) 反応器内に触媒充填層を有する上記(5)記載
の装置。
【0008】本発明において内分泌撹乱性物質とは、一
般に環境ホルモンと呼ばれる外因性内分泌撹乱化学物質
の疑いのある物質または類似物質、分解物のほか、生体
ホルモン、合成ホルモンなどの内分泌系を撹乱するおそ
れのある物質である。本発明において処理対象となる内
分泌撹乱性物質含有水はこれらの内分泌撹乱性物質を含
有する水であり、他の有機および無機物質を含んでいて
もよく、内分泌撹乱性物質を0.1μg/l〜10mg
/l含有する水が処理対象として適している。これより
内分泌撹乱性物質濃度が低い場合は濃縮して濃縮液を酸
化分解するのが好ましい。
【0009】外因性内分泌撹乱化学物質としては、環境
庁が1997年3月に設置した「外因性内分泌撹乱化学
物質問題に関する研究班」が1997年7月にまとめた
「外因性内分泌撹乱化学物質問題に関する研究班中間報
告」の中で環境ホルモンとしての疑いがある物質とし
て、70の物質(群)を挙げているが、この70の物質
(群)は大きく重金属(3種)と有機化合物(67種)
に分けられ、特に有機化合物が本発明の処理に適してい
る。
【0010】上記の外因性内分泌撹乱化学物質として挙
げられた有機化合物としては、ダイオキシン類、ポリ塩
化ビフェニール類(PCB)、ポリ臭化ビフェニール類
(PBB)、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ペンタ
クロロフェノール(PCP)、2,4,5−トリクロロ
フェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、ア
ミトロール、アトラジン、アラクロール、シマジン、ヘ
キサクロロシクロヘキサン、エチルパラチオン、カルバ
リル、クロルデン、オキシクロルデン、trans−ノ
ナクロル、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、D
DT、DDE、DDD、ケルセン、アルドリン、エンド
リン、ディルドリン、エンドスルファン(ベンゾエピ
ン)、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキサイド、マラ
チオン、メソミル、メトキシクロル、マイレックス、ニ
トロフェン、トキサフェン、トリブチルスズ、トリフェ
ニルスズ、トリフルラリン、アルキルフェノール(C5
〜C9)(例えばノニルフェノール、4−オクチルフェ
ノール)、ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−n−
ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジエチ
ル、ベンゾ(a)ピレン、2,4−ジクロロフェノー
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ベンゾフェノ
ン、4−ニトロトルエン、オクタクロロスチレン、アル
ディカープ、ベノミル、キーポン(クロルデコン)、マ
ンゼブ(マンコゼブ)、マンネブ、メチラム、メトリプ
ジン、ジペルメトリン、エスフェンバレレート、フェン
バレレート、ペルメトリン、ビンクロゾリン、ジネブ、
ジラム、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フ
タル酸ジプロピル、スチレンの2および3量体、n−ブ
チルベンゼンなどがあげられる。
【0011】本発明の内分泌撹乱性物質はこのように外
因性内分泌撹乱化学物質としての疑いを持たれているも
の、将来外因性内分泌撹乱化学物質として指定されるも
ののほか、類似物、分解物ならびに生体ホルモン、合成
ホルモンなど、内分泌系を撹乱するおそれがあるすべて
の物質が含まれ、生産系、生活系等から排出されるもの
のほか、生物体から代謝されるものも含む。このような
内分泌撹乱性物質を含有する水としては、用水、排水、
河川水、湖沼水、海水、地下水など、内分泌撹乱性物質
を含有するすべての水があげられる。
【0012】本発明の処理方法は、このような内分泌撹
乱性物質含有水を酸化剤の存在下に加熱分解する。加熱
分解は酸化触媒の存在下に行うのが好ましい。また加熱
分解は被処理水全体について行ってもよいが、被処理水
を分離、濃縮し、濃縮部分について行うと酸化分解効率
が高くなるとともに、加熱分解のための装置が小型化
し、使用エネルギーも少なくなるため好ましい。
【0013】酸化剤としては、内分泌撹乱性物質を酸化
できるものであればよいが、塩素を含まないもの、およ
び高温で安定なものが好ましく、例えば過硫酸塩、過酸
化水素、過炭酸塩等の過酸化物が使用できる。酸化剤の
使用量は被処理水中の内分泌撹乱性物質を含む全有機物
を酸化分解するのに必要な理論値の0.5〜10当量
倍、好ましくは1〜5当量倍とすることができる。酸化
剤の使用量の決定に際しては被処理水のTOC濃度を測
定し、そのTOCの全量を酸化分解する有機物量とする
ことができる。
【0014】加熱分解は反応器に被処理水と酸化剤とを
供給し、加熱装置で加熱して行う。加熱温度は50〜3
00℃、好ましくは60〜180℃、圧力は常圧〜9M
Pa、好ましくは常圧〜1MPa(ゲージ圧)が適当で
ある。温度が180℃以上になると反応容器に高い耐圧
性が必要となり、また180℃以上では高圧ガス取扱法
が適用され、高圧ガス取扱者の設置も必要となる。加熱
時間は温度により異なるが、5〜30分間、好ましくは
10〜20分間とすることができる。
【0015】酸化触媒を用いる場合は反応器内に触媒の
充填層を形成し、被処理液を通過させながら加熱分解を
行うのが好ましい。酸化触媒としては白金、パラジウ
ム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、金等の貴金属
が用いられるが、特に白金族金属が好ましい。このよう
な触媒は酸化チタン、シリカ、アルミナ、シリカ−アル
ミナ等の担体に担持させた固体触媒として充填層を形成
するのが好ましい。
【0016】被処理水をそのまま反応器に供給して酸化
分解を行ってもよいが、海水のように酸化剤を消費する
塩分が含まれている場合は、前処理によりこれらの塩分
を除去して酸化分解を行うことにより、酸化剤の使用効
率を高くすることが好ましい。このような塩分除去の方
法としては膜式脱塩法などがあげられる。
【0017】低濃度の内分泌撹乱性物質を含む被処理水
の場合は濃縮することにより、また他の共存物質を含む
場合は内分泌撹乱性物質を共存物質と分離して濃縮する
ことにより酸化分解効率を高めるのが好ましく、このた
めの分離、濃縮の方法としては制限はないが、膜分離ま
たは吸着による分離、濃縮が好ましい。この分離、濃縮
は濃縮側に内分泌撹乱性物質を移行させる操作であり、
分離液はそのまま、またはさらに処理を行って放流する
ことができる。
【0018】膜分離は親水性の透過膜を用い、内分泌撹
乱性物質を透過液側に透過させ、水を透過させる。分離
膜としては精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸
透膜などが分離対象の内分泌撹乱性物質の分子量に応じ
て用いることができる。分離膜の材質としては酢酸セル
ロース膜、ニトロセルロース膜、再生セルロース膜、ス
ルホン化ポリスルホン膜、ポリビニルアルコール膜のよ
うな本来親水性の材質のほか、疎水性の材質を親水化処
理したものが使用できる。疎水性の材質を親水化処理し
たものとしてはポリテトラフルオロエチレン膜、ポリサ
ルホン膜などがあげられる。
【0019】このような親水性の分離膜を用いることに
より、疎水性の高い内分泌撹乱性物質は分離膜に吸着さ
れることなく透過して透過液側に濃縮され、分子量の大
きい親水性の共存有機物は非透過液側に残留して分離さ
れる。このような分離膜は膜モジュールを形成して膜分
離に用いられる。膜モジュールとしてはスパイラル、中
空系、平膜型など任意の形式のものが使用できる。
【0020】吸着は吸着剤により内分泌撹乱性物質を吸
着させ、これを脱着することにより内分泌撹乱性物質の
濃縮液を得る。吸着剤としては疎水性の吸着剤が好まし
く、これにより疎水性の内分泌撹乱性物質が吸着しやす
くなる。このような吸着剤としては疎水性で吸着力が大
きいものであれば制限はないが、主細孔径が0.8nm
以上、好ましくは1.2〜50nm、さらに好ましくは
5〜30nm、比表面積200〜3000m2/g、好
ましくは500〜1000m2/gの活性炭、または多
孔性材料をアルキル化処理したものが好ましい。
【0021】活性炭の主細孔径は、ピーク細孔径とも呼
ばれるものであり、活性炭の細孔径分布曲線の極大値に
相当する細孔径である。活性炭の細孔径分布曲線は、窒
素ガス吸着法、水銀圧入法などにより求めることができ
る。活性炭の主細孔径が0.8nm未満であると、内分
泌撹乱性物質に対する吸着容量が小さく、環境ホルモン
含有水の処理が不十分となるおそれがある。
【0022】活性炭としては粉末活性炭、粒状活性炭、
繊維状活性炭など任意の形態のものが使用できる。アル
キル化処理した多孔性材料としては、アルキル化したシ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ケイ
ソウ土、チタニア、多孔質ガラスなどがあげられるが、
アルキル化シリカが特に好ましい。アルキル化処理とし
てメチル化、ブチル化、オクチル化、オクタデシル化な
どがあげられるが、オクタデシル化したものが好まし
い。これらの活性炭またはアルキル化処理多孔性材料は
粒径10mm以下のものを固定床、流動床、懸濁層式、
吸着槽として用いることができる。
【0023】これらの吸着剤に被処理水を接触させる
と、疎水性の内分泌撹乱性物質は吸着剤に吸着されるの
で、これを加熱、脱着液等により脱着させると、内分泌
撹乱性物質が分離、濃縮された濃縮液が得られる。
【0024】本発明の内分泌撹乱性物質の処理装置は、
加熱装置を有する反応器に被処理水供給路、酸化剤供給
路、処理水排出路が連絡した装置である。加熱装置は熱
交換器、電熱器など、外部または内部から反応器内の被
処理液を加熱できるものを使用する。被処理水導入路、
酸化剤供給路は別に設けられていてもよく、また共用の
ものでもよい。酸化触媒を用いる場合は反応層内に触媒
充填層を形成し、被処理液を加熱下に通過できるように
構成する。また濃縮を行う場合は、反応器の前に濃縮装
置を設ける。
【0025】上記のような装置による処理法は、反応器
に被処理液導入路から被処理液を供給し、酸化剤供給路
から酸化剤を供給し、加熱装置により加熱して、内分泌
撹乱性物質を加熱分解する。この場合酸化剤による酸化
と加熱を組合せることにより、難分解性の内分泌撹乱性
物質を効率よく酸化分解することができ、低濃度の被処
理水の場合でも無害化することができる。
【0026】上記の反応において酸化触媒を用いること
により、酸化分解を促進することができる。特に担体に
触媒を担持させた固形触媒を反応器に充填することによ
り、被処理水との接触および分離を容易にし、反応を効
率化することができる。
【0027】また被処理液中の内分泌撹乱性物質を濃縮
し、濃縮液を酸化分解することにより、加熱処理のため
の装置を小型化し、加熱のエネルギー量を少なくできる
とともに、反応効率の低い低濃度の被処理水の処理を高
効率化することができる。この場合内分泌撹乱性物質が
疎水性であることを利用し、親水性の透過膜を用いて膜
分離し、または疎水性の吸着剤に吸着させて濃縮するこ
とにより濃縮効率を高めることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、内分泌撹乱性物質含有
水を酸化剤の存在下に加熱処理するようにしたので、簡
単な装置と操作により、短時間で内分泌撹乱性物質を低
濃度にまで除去することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1ないし図3は別の実施形態を示す
フロー図である。図1において、1は反応器であって、
耐圧容器で構成され、周囲に加熱器2を有し、内部に攪
拌器3を有しているが攪拌器3はなくてもよい。反応器
1の上部に被処理水供給路4および酸化剤供給路5が合
流して連絡し、下部に処理水排出路6が連絡している。
【0030】上記の装置による処理方法は、被処理水供
給路4から反応器1に被処理水を導入する際、酸化剤供
給路5より酸化剤を供給して混合し、混合物を反応器1
に導入する。反応器1では加熱器2により加熱し、攪拌
器3で攪拌して内分泌撹乱性物質の酸化分解を行う。そ
して処理水排出路6から処理液を排出する。
【0031】図2は膜分離装置により濃縮を行う例を示
し、反応器1の周囲に加熱器2を有し、内部に触媒充填
層7が形成されている。被処理水供給路4は膜分離装置
8に連絡して分離膜8aで膜分離するようにされ、透過
液室8bから濃縮液供給路9が酸化剤供給路5と合流し
て反応器1の上部に連絡している。反応器1の下部に処
理水排出路6が連絡し、膜分離装置8の非透過液室8c
は分離液排出路10が連絡している。
【0032】図2の装置による処理方法は、被処理液供
給路4から膜分離装置8に被処理液を供給し、ここで分
離膜8aにより膜分離を行い、疎水性の内分泌撹乱性物
質を透過させ、透過液側に濃縮する。分離膜8aを透過
しなかった非透過液は他の有機物を濃縮した状態で非透
過液室8cから分離液排出路10を通して排出する。膜
分離装置8の透過液室8bから濃縮液供給路9を通して
内分泌撹乱性物質を濃縮した濃縮液は取り出し、酸化剤
供給路5から供給する酸化剤と混合して反応器1に供給
する。膜分離装置8では被処理液を一過式に通過させて
膜分離してもよく、また貯槽を設けて分離液を循環させ
て膜分離してもよい。
【0033】反応器1では濃縮液と酸化剤の混合物が触
媒充填層7を通過する際、加熱器2により加熱されて酸
化分解を起こし、内分泌撹乱性物質が分解する。触媒充
填層7は一過式でもよく、循環式にしてもよい。この処
理では膜分離装置8で濃縮が行われるため、低濃度の被
処理水についても効率よく内分泌撹乱性物質の酸化分解
を行うことができる。
【0034】図3は吸着装置により濃縮を行う例を示
し、図2の膜分離装置の代りに吸着装置11が設けられ
ているほかは図2と同様に構成されている。吸着装置1
1は活性炭やアルキル化多孔質材料等が充填された吸着
剤層11aを有し、上部に分離液排出路10および脱着
液供給路12が連絡し、下部に被処理水供給路4および
濃縮液供給路9が連絡している。
【0035】図3の装置では被処理水供給路4から吸着
装置11に被処理液を供給して内分泌撹乱性物質を吸着
剤層11aに吸着させ、分離液を分離液排出路10から
排出する。このような吸着工程終了後脱着工程において
脱着液供給路12から脱着液を供給して吸着剤層11a
を加熱して内分泌撹乱性物質を脱着させ、脱着液を濃縮
液として濃縮液供給路9から反応塔1に供給する。他の
操作および効果は図2と同様である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。各
例中、%は重量%である。
【0037】実施例1 外因性内分泌撹乱化学物質であるノニルフェノール、お
よびビスフェノールA、ならびに生体ホルモンであるエ
ストラジオール17βをそれぞれ100μg/l(合計
300μg/l)含む水溶液1 literに10%の過硫酸
塩(K228)水溶液を100μl/l添加し、14
0℃、3.95MPa(4kg/cm2G)で5分間、
加熱処理を行った。処理水のノニルフェノール、ビスフ
ェノールA、エストラジオール17β濃度はいずれも
0.1μg/l未満であった。各濃度の測定はノニルフ
ェノール、ビスフェノールAについては固相抽出−GC
−MS法、エストラジオール17βについてはELIS
A法で行った。測定法は以下の例も同じである。)
【0038】実施例2 加熱の条件を65℃、常圧で20分間とした以外は実施
例1と同じ操作を行った。処理水中のノニルフェノー
ル、ビスフェノールA、エストラジオール17β濃度は
いずれも0.1μg/l未満であった。
【0039】実施例3 加熱の条件を50℃、常圧で20分間とした以外は実施
例1と同じ操作を行った。処理水中のノニルフェノー
ル、ビスフェノールA、エストラジオール17β濃度は
いずれもそれぞれ0.2μg/l、0.1μg/l、
0.1μg/lであった。
【0040】実施例4 加熱反応器に白金担持チタニア触媒を充填し、ノニルフ
ェノール、ビスフェノールA、エストラジオール17β
をそれぞれ100μg/l(合計300μg/l)含む
水溶液1 literに30%の過酸化水素水を8μl/l添
加し、60℃、常圧で10分間、加熱処理を行った。処
理水のノニルフェノール、ビスフェノールA、エストラ
ジオール17β濃度はいずれも0.1μg/l未満であ
った。
【0041】実施例5 河川水に、ノニルフェノール濃度が100μg/lにな
るように添加した被処理水を調整し、粒径範囲0.1〜
0.5mm、平均粒径0.3mmで主細孔径が2.0n
mの活性炭1gを充填した内径10mmのガラスカラム
に、被処理水50 literをSV=150h-1で通液し
た。通液後、ノニルフェノールを吸着させた活性炭充填
カラムを1 literの純水で加熱により脱着した。この脱
着液中のノニルフェノール濃度は4.8mg/lであり
再生による回収率は96%であった。また吸着による分
離液のノニルフェノール濃度は0.1μg/l未満であ
った。脱着液にK228を4ml/lで添加し、14
0℃ SV=10h-1で加熱分解処理を行った。処理水
のノニルフェノール濃度は0.1μg/l未満であっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の内分泌撹乱性物質含有水処理装置の
フロー図である。
【図2】別の実施形態の内分泌撹乱性物質含有水処理装
置のフロー図である。
【図3】さらに別の実施形態の内分泌撹乱性物質含有水
処理装置のフロー図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 加熱器 3 攪拌器 4 被処理水供給路 5 酸化剤供給路 6 処理水排出路 7 触媒充填層 8 膜分離装置 9 濃縮液供給路 10 分離液排出路 11 吸着装置 12 脱着液供給路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 織田 信博 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 村松 勇一 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 GA13 KA72 KB30 MA01 MA03 MA04 MB09 MC11 MC12 MC30 MC33 MC62 MC85 PA02 PB02 PB08 PB70 4D024 AA01 AA04 AA05 AA09 AA10 AB04 AB11 AB16 BA02 BA05 BA06 BA07 BA13 BB01 BC01 CA01 DA10 DB06 DB23 4D034 AA01 AA11 CA04 4D038 AA01 AA08 AA10 AB07 AB11 AB12 AB14 AB17 AB63 BA02 BA04 BB01 BB06 BB09 BB16 4D050 AA01 AA02 AA03 AA06 AA12 AA20 AB11 AB15 AB17 AB19 AB23 AB52 BB09 BB13 BB14 BC01 BC02 BC06 BD02 BD03 BD06 CA06 CA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内分泌撹乱性物質含有水を酸化剤の存在
    下に加熱分解する内分泌撹乱性物質含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】 酸化触媒の存在下に加熱分解する請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 内分泌撹乱性物質含有水を濃縮し、濃縮
    液を酸化剤の存在下に加熱分解する請求項1または2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 膜分離または吸着により濃縮する請求項
    3記載の方法。
  5. 【請求項5】 内分泌撹乱性物質含有水を加熱分解する
    反応器と、 反応器に被処理水を供給する被処理水供給路と、 反応器に酸化剤を供給する酸化剤供給路と、 反応器内の反応液を加熱する加熱装置と、 処理水を排出する処理水排出路とを有する内分泌撹乱性
    物質含有水の処理装置。
  6. 【請求項6】 反応器内に触媒充填層を有する請求項5
    記載の装置。
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