JP2003010842A - 有害物質除去システム - Google Patents
有害物質除去システムInfo
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Abstract
物質を迅速・且つ的確に処理する有害物質除去システム
を提供する。 【解決手段】 排水11中の有害物質12を吸着処理す
る吸着剤13を充填してなる処理槽14と、該吸着剤1
3に吸着された有害物質12を脱離させる脱離溶媒15
を貯蔵する溶媒タンク16と、吸着剤13に吸着された
有害物質12を脱離する脱離溶媒15を処理槽14内に
供給する供給ポンプ17とからなる脱離溶媒供給手段1
8、上記脱離した有害物質12を含む脱離液19を回収
する脱離液回収タンク20とを備えてなる。
Description
に含まれる環境ホルモン等の有害物質を迅速・且つ的確
に処理する有害物質除去システムに関する。
殖障害には、環境中に放出された化学物質が関与してい
るのではないかという疑念が抱かれ、環境ホルモンに対
する関心が高まっている。環境ホルモンは、生物の体内
に入ると内分泌系を撹乱し、生殖障害など健康や生態系
に悪影響を与える内分泌撹乱化学物質であり、人類につ
いても、特に胎児や乳幼児に対する悪影響が懸念されて
いる。このために、米国では環境保護庁が中心となって
15,000種の化学物質を対象とする調査が計画され
ており、わが国の環境庁も1997年に外因性内分泌撹
乱化学物質問題に関する研究班中間報告書において67
種の化学物質(群)を挙げている。
lychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェ
ニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することか
ら、その製造および輸入が禁止されている。このPCB
は、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カ
ネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明ら
かになり、1972年に行政指導により製造中止、回収
の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によ
って理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販
のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認
されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や
生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCB
の化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状
である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひと
つであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃
縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能で
あるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広
く残留することが報告されている。この結果、PCBは
体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒
(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生
殖・発生毒性が認められている。
材、可塑剤、界面活性剤、染料及びその原料、農薬など
の広い領域で工業的に生産、使用されているもの、薬品
製造工程やゴミ焼却などの過程で非意図的に発生するも
の、自然界で生産されるものなどがあり、用水、排水、
河川、湖沼、海水、土壌、地下水、底泥などの中に広く
分布していることが指摘され、大きな社会問題となって
いる。
モン、甲状腺ホルモン様に作用し、水環境においては、
ppb〜pptレベルの極微量で作用を及ぼすことが報
告されている。従来、水中に存在する有害有機化合物の
除去技術として、生物分解や、オゾン、過酸化水素など
による酸化分解などが検討され、提案されている。特定
有害物質の分解除去を目的とした生物処理としては、特
定の真菌や細菌による分解処理や、活性汚泥などの混合
微生物を特定物質で馴養したものによる分解処理などが
行われている。これらの方法は、処理対象の物質が特定
されている場合には優れた方法であるが、水中に多種類
の化合物、特に環境ホルモン該当有機化合物が存在する
場合には、それらのすべてを効率よく除去することは困
難である。
む水溶液中で馴養、単離した混合微生物や単離株は、pp
bレベルの極低濃度で含まれる分解対象化合物の処理に
対して必ずしも適応性が強いとはいえない。
酸化水素などの強力な酸化剤を用いる方法が検討されて
いる。これらの酸化力の強い酸化剤は、多種類の化合物
を分解することができるという特徴を有している。
に対しては、対象化合物量あたりに必要とする酸化剤の
量が多くなり、経済的に好ましくない。
海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄
物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の各
種排水中で一部検出される場合があり、その処理に際し
て、迅速且つ的確な処理が望まれている。
水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄
物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処
理排水等の各種排水中に含まれる環境ホルモン等の有害
物質を迅速・且つ的確に処理する有害物質除去システム
を提供することを課題とする。
第1の発明は、被処理物中の有害物質を除去する有害物
質除去システムであって、上記被処理物中の有害物質を
吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、該吸着剤
に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する
脱離溶媒供給手段と、上記脱離した有害物質を含む脱離
液を回収する脱離液回収タンクとを備えてなることを特
徴とする有害物質除去システムにある。
槽出口側と入口側との差圧を測定する圧力計を備えてな
ることを特徴とする有害物質除去システムにある。
槽の入口側の被処理物供給ライン内に、トレーサ物質を
供給するトレーサ物質供給手段と、処理槽出口側の被処
理物排出ライン内のトレーサ物質を検出するトレーサ検
出手段とを備えてなることを特徴とする有害物質除去シ
ステムにある。
槽の入口側の被処理物供給ラインに、被処理物中の固形
物又は油分等を除去するプレフィルタを介装してなるこ
とを特徴とする有害物質除去システムにある。
処理槽の入口側の被処理物供給ラインに設けられ、処理
槽内に空気を送給する空気送給手段を備えてなることを
特徴とする有害物質除去システムにある。
処理槽が複数の吸着剤を充填したカラムを積層してなる
ことを特徴とする有害物質除去システムにある。
処理槽内を通気した空気を脱離液回収タンク内の脱離液
内にバブリングさせ、脱離液中の有害物質を濃縮するこ
とを特徴とする有害物質除去システムにある。
濃縮有害物質を分解処理処理する処理設備を備えたこと
を特徴とする有害物質除去システムにある。
処理設備が水熱分解処理装置,超臨界水酸化装置,紫外
照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置であることを特
徴とする有害物質除去システムにある。
記水熱分解処理装置が、加熱・加圧された反応塔内の発
明において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、
有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反
応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(C
O2)等に分解させる装置であることを特徴とする有害
物質除去システムにある。
上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設
した筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロ
ゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaO
H)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱
する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔
と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理
液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてな
ることを特徴とする有害物質除去システムにある。
1の発明において、上記有害物質を含む被処理物が用
水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、
産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排
水,下水処理排水等の各種排水であることを特徴とする
有害物質除去システムにある。
上記有害物質がダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル
(PCB)等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VO
Cs)有機酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステル
等であることを特徴とする有害物質除去システムにあ
る。
いて、上記トレーサ物質が、有害物質がPCB類の場合
にはビフェニルであり、又はダイオキシン類の場合はジ
ベンゾフランであり、又はフェノール類の場合はメチル
フェノールであり、又はフタル酸エステルの場合はフタ
ル酸ジメチルであることを特徴とする有害物質除去シス
テムにある。
記脱離溶媒が、ジクロロメタン,ヘキサン,アセトン,
メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニトリ
ル,ポリ塩化トリフロロエチレン等であることを特徴と
する有害物質除去システムにある。
記吸着剤が、活性炭,シリカゲル,アルミナ等の多孔性
材料であることを特徴とする有害物質除去システムにあ
る。
テムを用い、上記被処理物中の有害物質を処理槽内の吸
着剤で処理し、その後処理槽の入口側と出口側との差圧
が変動した場合又は入口側で投入したトレーサ物質を出
口側で検出した場合に、該吸着剤に吸着された有害物質
を脱離溶媒で脱離して再生することを特徴とする有害物
質除去方法にある。
テムを少なくとも2系統用い、一方の除去システムにお
いて、被処理物中の有害物質を吸着剤で吸着処理してい
る間に、他方の除去システムにおいて、吸着剤に吸着さ
れた有害物質を脱離溶媒で脱離して再生することを特徴
とする有害物質除去方法にある。
ムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの
実施の形態に限定されるものではない。
にかかる有害物質除去システムの概略図を示す。図1に
示すように、本実施の形態にかかる有害物質除去システ
ムは、被処理物中の有害物質を除去する有害物質除去シ
ステムであって、上記被処理物である例えば排水11中
の有害物質12を吸着処理する吸着剤13を充填してな
る処理槽14と、該吸着剤13に吸着された有害物質1
2を脱離させる脱離溶媒15を貯蔵する溶媒タンク16
と、吸着剤13に吸着された有害物質12を脱離する脱
離溶媒15を処理槽14内に供給する供給ポンプ17と
からなる脱離溶媒供給手段18、上記脱離した有害物質
12を含む脱離液19を回収する脱離液回収タンク20
とを備えてなるものである。また、上記処理槽14の入
口ライン14aには固形物等を予め除去するプレカラム
21が介装されている。また、上記プレカラム21と処
理槽14との間の入口ライン14aには、空気供給手段
22から処理槽14内に空気23を送給するようにして
いる。なお、図1中、符号25は処理排水24を貯溜す
る放出タンク、26a,26b,26c,26dはバル
ブを各々図示する。
4の出口側と入口側との差圧を測定する圧力計27を備
えており、常時その差圧を計測している。
は、例えば工場排水,下水処理排水等の各種排水の他、
例えば用水、河川水、湖沼水、海水、土壌水、地下水、
底泥水、産業廃棄物・一般廃棄物の埋立地浸出水等を挙
げることができるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、有害物質を含む液状の処理対象物質であれば
いずれのものでもよい。また、環境ホルモン類似物質又
はその中間体等を製造する化学プラントにおける排水処
理にも適用することができる。
例えばダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル(PCB)
等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VOCs)有機
酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステル等を挙げ
ることができるが、本発明はこれらに限定されるもので
はなく、その他の有害物質であっても人体等に有害とな
るもの全てを含むものである。
における具体例としては、例えばダイオキシン類(DX
N)、ポリ塩化ビフェニール類(PCB)、ポリ臭化ビ
フェニール類(PBB)、ヘキサクロロベンゼン(HC
B)、ペンタクロロフェノール(PCP)、2,4,5−
トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキ
シ酢酸、アミトロール、アトラジン、アラクロール、シ
マジン、ヘキサクロロシクロヘキサン、エチルパラチオ
ン、カルバリル、クロルデン、オキシクロルデン、tr
ans−ノナクロル、1,2−ジブロモ−3−クロロプ
ロパン、DDT、DDE、 DDD、ケルセン、アルド
リン、エンドリン、ティルドリン、エンドスルファン
(ベンゾエピン)、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキ
サイド、マラチオン、メソミル、メトキシクロル、マイ
レックス、ニトロフェン、トキサフェン、トリブチルス
ズ、トリフェニルスズ、トリフルラリン、アルキルフェ
ノール(C5)、ノニルフェノール、4−オクチルフェ
ノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−n−ブ
チル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジエチル、
ベンゾ(a)ピレン、2,4−ジクロロフェノール、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ベンゾフェノン、4
−ニトロトルエン、オクタクロロスチレン、アルディカ
ーブ、ベノミル、キーポン(クロルデコン)、マンゼブ
(マンコゼブ)、マンネブ、メチラム、メトリブジン、
ジペルメトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレ
ート、ペルメトリン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラ
ム、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル
酸ジプロピル、スチレンの2及び3量体、n−ブチルベ
ンゼンの物質又は物質群である。
填される吸着剤としは、例えば活性炭,C18シリカゲ
ル,C8 シリカゲル,シリカゲル,アルミナ等の多孔性
材料等を例示することができる。
なく、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、
ゼオライト、ケイソウ土、チタニア、多孔質ガラスなど
を挙げることができる。
るのが好適である。ここで、アルキル化処理したシリカ
としては、例えば、メチル化シリカ、ブチル化シリカ、
オクチル化シリカ、オクタデシル化シリカなどを挙げる
ことができる。特に疎水性の観点からオクタデシル化シ
リカを用いるのが特に好ましい。アルキル化シリカの形
状に特に制限はなく、ゲル型、多孔性型のいずれも使用
することができ、また、球状、破砕状のいずれをも使用
することができる。シリカのアルキル化処理は、シリカ
ゲルの表面をアルキル基で化学修飾することにより行う
ことができる。アルキル化シリカは、吸着、分配液体ク
ロマトグラフィー用分離材として用いられ、例えば、
「ワイエムシィ社」より、全多孔性化学結合型シリカゲ
ルとして、メチル化シリカ、ブチル化シリカ、オクチル
化シリカ、オクタデシル化シリカなどが提供されてい
る。
アルキル化処理した材料の粒径に特に制限はないが、粒
径が10mm以下であることが好ましく、アルキル化処理
した材料の粒径0.5〜10mmのものが好ましい。
は、炭素素材の場合と同様に、粒径に応じて、固定床
式、流動床式又は懸濁槽式反応装置として環境ホルモン
含有水と接触させる装置とすることができ、環境ホルモ
ン含有水をアルキル化シリカに接触させることにより、
環境ホルモン該当有機化合物を吸着除去することができ
る。
脱離する脱離溶媒としては、例えばジクロロメタン,ヘ
キサン,アセトン,メタノール,トルエン,クロロホル
ム,アセトニトリル,ポリ塩化トリフロロエチレン等を
例示することができるが、有害物質を脱離する作用を有
する溶媒であれば上記溶媒に限定されることはない。
めに、酸処理又はアルカリ処理のいずれか一方又は両方
を脱離と共に、併用するようにしてもよい。
を入口ライン14aに介装しているが、被処理物の種類
によって適宜その処理対象に適したフィルタ(メンブレ
ンフィルター, セラミックフィルター, ステンレスフ
ィルター,焼結フィルター,高分子材料フィルター等)
を用いるようにしてもよい。例えば有機物が多い場合や
無機物が多い場合には、それらに適したフィルタ構成と
すればよい。
除去システムシステムを用いた処理の一例を示す。
口ライン14bとに介装されているバルブ26a,26
bを開放し、被処理物である排水11を処理槽14内に
供給して排水11中に含まれる有害物質を吸着剤13で
吸着処理する。その後、処理槽の入口側と出口側との差
圧を測定する差圧計27が変動した場合や所定設定値と
なった場合に、排水11の供給を停止すると共に、バル
ブ26a,26bを閉じる。
る。 先ず、排水処理中は常に処理槽14の差圧を差圧計2
7で監視する(S−1)。 差圧が所定値か否かの判定をする(S−2)。 差圧が所定値以下であれば、処理を続行する(S−
3)。 差圧が所定値以上であれば、処理を停止し、処理槽内
の吸着剤13の洗浄処理を開始する(S−4)。
理の一例を処理フローを示す図3と共に以下に示す。 先ず、処理槽14内への排水11の停止を確認してバ
ルブ26cを開放し、ポンプ17により脱離溶媒15を
処理槽14の出口側から供給する(S−11)。 供給された脱離溶媒15により上記吸着剤13に吸着
された有害物質12が脱離され吸着剤13が再生される
(S−12)。 上記脱離された有害物質12を含む脱離液19は、溶
媒回収タンク20内に回収される(S−13)。 その後、空気供給手段22から空気を処理槽14の入
口側から供給して、処理槽14内を乾燥させる(S−1
4)。 乾燥に使用した空気は吸着剤に残存した有害物質を含
むものもあるので、汚染空気34となり、そのまま外部
への排出をせずに、溶媒回収タンク20内へ導入し、バ
ブリングにより汚染された脱離液19を濃縮する(S−
15)。なお、バブリングにより発生した脱離液中の脱
離溶媒は溶媒タンク16内に回収され、再度脱離溶媒と
して再利用している。 濃縮された濃縮物32を濃縮タンク33へ移す(S−
16)。 濃縮タンク33内の有害物質は各種分解処理設備によ
り無害化する(S−17)。
のではないが、例えば水熱分解処理装置,超臨界水酸化
装置,紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置等を
挙げることができる。
処理する有害物質がPCB、ダイオキシン類等の有機ハ
ロゲン化物の場合には、加熱・加圧された反応塔内にお
いて炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機ハ
ロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応によ
り塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)
等に分解させる装置を用いることが好ましい。
に示す。
0は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の
一次反応塔122と、油(又は有機溶剤)、有害物質濃
縮液、水(H2O)および水酸化ナトリウム(NaO
H)の各処理液123a〜123dを加圧する加圧ポン
プ124と、当該水を予熱する熱交換器125と、配管
を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔126と、冷却器1
27および減圧弁128とを備えてなるものである。ま
た、減圧弁127の下流には、気液分離器129、活性
炭槽130が配置されており、排ガス(CO2 )131
は煙突132から外部へ排出され、排水(H2 O,Na
Cl)133は放出タンク134に溜められて別途必要
に応じて排水処理される。
剤)123a、有害物質濃縮液123b、NaOH液1
23c及び水123dは処理液タンク135a〜135
dから配管136a〜136d及びエジェクタ137を
介してそれぞれ導入される。また、酸素(O2 )等の酸
化剤は高圧酸素供給設備138により供給され、供給配
管139は、一次反応塔122に対して直結されてい
る。なお、油(又は有機溶剤)を入れるのは、特に高濃
度PCBの分解反応促進のためと、分解装置120の起
動時において反応温度を最適温度まで昇温させるためで
ある。また、処理液として上記有害物質濃縮液、H2O
およびNaOHを混合させて一次反応塔122に投入す
るようにしてもよい。
る加圧により一次反応塔122内は、26MPaまで昇
圧される。また、熱交換器125は、H2Oを300℃
程度に予熱する。また、一次反応塔122内には酸素が
噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃
まで昇温する。サイクロンセパレータ121は、一次反
応塔122内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きな
ものを分離し、Na2CO3の微粒子を二次反応塔126
に送る。このサイクロンセパレータ121の作用によ
り、二次反応塔126の閉塞が防止される。この段階ま
でに、有害物質は、脱塩素反応および酸化分解反応を起
こし、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。
つぎに、冷却器127では、二次反応塔126からの流
体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128
により大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129
によりCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2
および水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排
出される。
から濃縮した有害物質濃縮物を処理することで、酸化剤
等の作用によりCO2 、H2 O等へと完全無害化がなさ
れている。
置129で分離された排水133の処理においても上記
有害物質除去システム140を用いてその処理を行い、
排水の無害化を図っている。
の形態では処理槽14内に充填される吸着剤13は、単
一の充填槽としてもよいが、図4に示すように、例えば
複数の吸着剤13を充填したカラム31A,31B,3
1Cを積層するようにしてもよい。なお、積層するカラ
ムの数は特に限定されるものではない。これにより、複
数回の使用した結果、処理槽14の入口側におけるカラ
ム31C内の劣化した吸着剤13を廃棄・処理した後、
順次カラム31B,31Aを繰下げ、新規吸着剤13を
充填したカラムを最上段に挿入することで、長期間に亙
っての吸着剤の使用効率を上げるようにしてもよい。
に示す水熱酸化分解処理装置120に供給して分解処理
することで、完全無害化を図ることができる。
の形態では処理槽14を一塔式としているが、本実施の
形態では2塔式として連続して排水等を処理するように
している。図5は本実施の形態にかかる有害物質除去シ
ステムの概略図を示す。図5に示すように、本実施の形
態にかかる有害物質除去システムは、被処理物中の有害
物質を除去する有害物質除去システムであって、上記被
処理物である例えば排水11中の有害物質12を吸着処
理する吸着剤13を充填してなる第1処理槽14−1及
び第2処理槽14−2と、該吸着剤13に吸着された有
害物質12を脱離させる脱離溶媒15を貯蔵する溶媒タ
ンク16と、吸着剤13に吸着された有害物質12を脱
離する脱離溶媒15を処理槽14内に供給する供給ポン
プ17とからなる脱離溶媒供給手段18、上記脱離した
有害物質12を含む脱離液19を回収する脱離液回収タ
ンク20とを備えてなるものである。また、上記処理槽
14の入口ライン14aには固形物等を予め除去するプ
レカラム21が介装されている。また、上記プレカラム
21と処理槽14との間の入口ライン14aには、空気
供給手段22から処理槽14内に空気23を送給するよ
うにしている。なお、図5中、符号25は処理排水24
を貯溜する放出タンク、26a〜26fはバルブを各々
図示する。
4の入口側ライン14a側には、トレーサ供給手段41
からトレーサ物質42を排水11中に供給している。
物質がPCB類の場合にはビフェニルであり、又はダイ
オキシン類の場合はジベンゾフランであり、又はフェノ
ール類の場合はメチルフェノールであり、又はフタル酸
エステルの場合はフタル酸ジメチルとすることが好まし
い。
の形態と同様であるので、その説明は省略する。
除去システムシステムを用いた処理の一例を示す。
4aと出口ライン14bとに介装されているバルブ26
a,26bを開放し、バルブ26c,26e,26fを
閉塞しておく。被処理物である排水11を処理槽14内
に流水させ、排水11中に含まれる有害物質を吸着剤1
3で吸着処理する。このとき、トレーサ供給手段よりト
レーサを供給する。その後、処理槽出口側に設けたトレ
ーサ検出装置43により、所定濃度のトレーサを検出し
た場合に、排水11の供給を停止すると共に、バルブ2
6a,26bを閉じる。
間に、第2処理槽14−2においては、それ以前に処理
して有害物質が吸着された吸着剤13の再生処理をおこ
なうようにしている。
る。 先ず、排水中にトレーサを注入する(S−21) トレーサ検出装置でトレーサの有無を確認する(S−
22)。 トレーサが確認されなければ、処理を続行する(S−
23)。 トレーサが確認されても、所定値以下であれば、処理
を続行する(S−24)。 トレーサが確認され、所定値以上であれば、処理を停
止し、処理槽内の洗浄処理を開始する(S−25)。
であるので、その説明は省略する。
統としているので、これらを交互に用いて一方では有害
物質の吸着処理をし、他方では吸着剤の再生処理並行し
て行なうことができるので、処理効率が向上する。
発明によれば、被処理物中の有害物質を除去する有害物
質除去システムであって、上記被処理物中の有害物質を
吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、該吸着剤
に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する
脱離溶媒供給手段と、上記脱離した有害物質を含む脱離
液を回収する脱離液回収タンクとを備えてなるので、排
水中の有害物質を効率的に除去することができる。
て、処理槽出口側と入口側との差圧を測定する圧力計を
備えてなるので、処理槽の吸着能力を検知でき、吸着能
力以上となった場合には、吸着剤を交換等することで再
度処理をおこなうようにしている。
て、処理槽の入口側の被処理物供給ライン内に、トレー
サ物質を供給するトレーサ物質供給手段と、処理槽出口
側の被処理物排出ライン内のトレーサ物質を検出するト
レーサ検出手段とを備えてなるので、トレーサの有無を
確認するこで、吸着剤の保持能力を判定でき、吸着剤を
交換等することで再度処理をおこなうようにしている。
て、処理槽の入口側の被処理物供給ラインに、被処理物
中の固形物又は油分等を除去するプレフィルタを介装し
てなるので、処理槽の吸着剤の劣化を防止することがで
きる。
て、上記処理槽の入口側の被処理物供給ラインに設けら
れ、処理槽内に空気を送給する空気送給手段を備えてな
るので、脱離溶媒の回収を行なうことができる。
て、上記処理槽が複数の吸着剤を充填したカラムを積層
してなるので、個々に劣化した吸着剤を充填したカラム
のみを交換することでよいので、吸着剤の交換頻度又は
交換量を少なくすることができる。
て、上記処理槽内を通気した空気を脱離液回収タンク内
の脱離液内にバブリングさせ、脱離液中の有害物質を濃
縮するので、有害物質含有空気を外部に排出させず、脱
離溶媒の濃縮に利用し、また濃縮した脱離溶媒は再利用
に供すことができる。
て、上記濃縮有害物質を分解処理処理する処理設備を備
えたので、濃縮物のみを分解処理することとなり、分解
処理量の減容化を図ることができる。
て、上記処理設備が水熱分解処理装置,超臨界水酸化装
置,紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置である
ので、有害物質を効率よく分解処理することができる。
て、上記水熱分解処理装置が、加熱・加圧された反応塔
内の発明において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存
在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化
分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭
素(CO2)等に分解させる装置であるので、酸化分解
反応により有害物質を効率よく分解処理することができ
る。
いて、上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータ
を併設した筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有
機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム
(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該
水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二
次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器
と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを
備えてなるので、有害物質として例えばPCBやダイオ
キシン類等の有機ハロゲン化物等を酸化分解反応により
有害物質を効率よく分解処理することができる。
沼水、海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一
般廃棄物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水
等の各種排水中の有害物質を効率的に処理することがで
きる。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の環境ホルモン類、揮
発性有機化合物(VOCs)有機酸、油分、フェノール類又
はフタル酸エステル等の有害物質を効率的に処理するこ
とができる。
明において、上記トレーサ物質を有害物質がPCB類の
場合にはビフェニルであり、又はダイオキシン類の場合
はジベンゾフランであり、又はフェノール類の場合はメ
チルフェノールであり、又はフタル酸エステルの場合は
フタル酸ジメチルとするので、判定が確実となる。
て、上記脱離溶媒が、ジクロロメタン,ヘキサン,アセ
トン,メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニ
トリル,ポリ塩化トリフロロエチレン等であるので、脱
離効率が向上する。
て、上記吸着剤が、活性炭,シリカゲル,アルミナ等の
多孔性材料であるので、排水中の有害物質を効率的に捕
集することができる。
去システムを用いて上記被処理物中の有害物質を処理槽
内の吸着剤で処理し、その後処理槽の入口側と出口側と
の差圧が変動した場合又は入口側で投入したトレーサ物
質を出口側で検出した場合に、該吸着剤に吸着された有
害物質を脱離溶媒で脱離して再生するので、排水中の有
害物質を効率的に除去することができる。
去システムを少なくとも2系統用い、一方の除去システ
ムにおいて、被処理物中の有害物質を吸着剤で吸着処理
している間に、他方の除去システムにおいて、吸着剤に
吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再生するの
で、処理を交互に行い連続して排水処理を行なうことが
できる。
ムの概略図である。
監視のフロー図である。
る。
る。
監視のフロー図である。る。
Claims (18)
- 【請求項1】 被処理物中の有害物質を除去する有害物
質除去システムであって、 上記被処理物中の有害物質を吸着処理する吸着剤を充填
してなる処理槽と、 該吸着剤に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を
供給する脱離溶媒供給手段と、 上記脱離した有害物質を含む脱離液を回収する脱離液回
収タンクとを備えてなることを特徴とする有害物質除去
システム。 - 【請求項2】 請求項1において、 処理槽出口側と入口側との差圧を測定する圧力計を備え
てなることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項3】 請求項1において、 処理槽の入口側の被処理物供給ライン内に、トレーサ物
質を供給するトレーサ物質供給手段と、 処理槽出口側の被処理物排出ライン内のトレーサ物質を
検出するトレーサ検出手段とを備えてなることを特徴と
する有害物質除去システム。 - 【請求項4】 請求項1において、 処理槽の入口側の被処理物供給ラインに、被処理物中の
固形物又は油分等を除去するプレフィルタを介装してな
ることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項5】 請求項1において、 上記処理槽の入口側の被処理物供給ラインに設けられ、
処理槽内に空気を送給する空気送給手段を備えてなるこ
とを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項6】 請求項1において、 上記処理槽が複数の吸着剤を充填したカラムを積層して
なることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項7】 請求項5において、 上記処理槽内を通気した空気を脱離液回収タンク内の脱
離液内にバブリングさせ、脱離液中の有害物質を濃縮す
ることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項8】 請求項7において、 上記濃縮有害物質を分解処理処理する処理設備を備えた
ことを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項9】 請求項7において、 上記処理設備が水熱分解処理装置,超臨界水酸化装置,
紫外照射装置,オゾン分解装置又は焼却装置であること
を特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項10】 請求項9において、 上記水熱分解処理装置が、加熱・加圧された反応塔内に
おいて炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機
ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応に
より塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(C
O2)等に分解させる装置であることを特徴とする有害
物質除去システム。 - 【請求項11】 請求項10において、 上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設
した筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロ
ゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaO
H)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱
する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔
と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理
液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてな
ることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1におい
て、 上記有害物質を含む被処理物が用水、河川水、湖沼水、
海水、土壌水、地下水、底泥水、産業廃棄物・一般廃棄
物の埋立地浸出水、又は工場排水,下水処理排水等の各
種排水であることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項13】 請求項12において、 上記有害物質がダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル
(PCB)等の環境ホルモン類、揮発性有機化合物(VO
Cs)有機酸、油分、フェノール類又はフタル酸エステル
等であることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項14】 請求項3又は13において、 上記トレーサ物質が、有害物質がPCB類の場合にはビ
フェニルであり、又はダイオキシン類の場合はジベンゾ
フランであり、又はフェノール類の場合はメチルフェノ
ールであり、又はフタル酸エステルの場合はフタル酸ジ
メチルであることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項15】 請求項1において、 上記脱離溶媒が、ジクロロメタン,ヘキサン,アセト
ン,メタノール,トルエン,クロロホルム,アセトニト
リル,ポリ塩化トリフロロエチレン等であることを特徴
とする有害物質除去システム。 - 【請求項16】 請求項1において、 上記吸着剤が、活性炭,シリカゲル,アルミナ等の多孔
性材料であることを特徴とする有害物質除去システム。 - 【請求項17】 請求項1の有害物質除去システムを用
い、 上記被処理物中の有害物質を処理槽内の吸着剤で処理
し、その後処理槽の入口側と出口側との差圧が変動した
場合又は入口側で投入したトレーサ物質を出口側で検出
した場合に、 該吸着剤に吸着された有害物質を脱離溶媒で脱離して再
生することを特徴とする有害物質除去方法。 - 【請求項18】 請求項1の有害物質除去システムを少
なくとも2系統用い、 一方の除去システムにおいて、被処理物中の有害物質を
吸着剤で吸着処理している間に、 他方の除去システムにおいて、吸着剤に吸着された有害
物質を脱離溶媒で脱離して再生することを特徴とする有
害物質除去方法。
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- 2001-06-28 JP JP2001196128A patent/JP4202004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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