JP4201852B2 - 2,2−ビス(2,4−ジ−t−ブトキシカルボニルメチロキシフェニル)プロパン及びその誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な化合物に関し、特に、ポジ型レジスト用に使用する溶解阻止剤として有効な新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レジストを用いて半導体等の微細加工を行うことは一般的に行われている。この場合、0.3μm以下の加工精度を得るために、高エネルギー紫外線、電子線、X線等の短波長の放射線が使用されており、波長が短くなる程解像度が上がるため、より短波長の放射線に対して好適なレジストを開発することが求められている。
【0003】
これらの放射線を使用し、高感度、高解像度のレジストを得るための1つの方法として、いわゆる化学増幅型レジストが提案され〔H.Itoら、Polym.Eng.Sci.,23巻、1023頁(1983)〕、注目されてきた。この化学増幅型レジストは、特にポジ型では、▲1▼放射線を吸収して酸を発生する化合物、及び、アルカリ水溶液には溶解しないが、酸によって分解し、アルカリ可溶性になる高分子化合物を必須構成成分とする2成分系レジスト(特開平2−209977号公報など)と、▲2▼放射線により酸を発生する化合物、アルカリ可溶性高分子化合物又は酸によって分解しアルカリ可溶性となる高分子化合物、及び該高分子化合物のアルカリ溶解を阻止し、かつ酸により分解してこの溶解阻止能を失う溶解阻止剤を必須構成成分とする3成分系レジスト(特開平2−245756号公報など)に大別される。
【0004】
3成分系レジストの作像メカニズムは、照射された放射線を吸収して発生する微少の酸を触媒とし、溶解阻止剤あるいは溶解阻止剤と高分子化合物の双方に化学反応が起こり、それにより放射線が照射された部位のみについて、高分子化合物のアルカリ現像液に対する溶解性が増加することにより、ポジ像を形成するというものである。
【0005】
このような化学増幅型レジストのメカニズムにより、従来のレジストに比較して、極めて高い実用的感度が実現されたが、アルカリ性不純物がレジスト表面及び基板から進入し、放射線を照射した後から現像までの間に拡散するために酸が失活し、失活した部分は放射線が照射されてもアルカリ性現像液に溶解しなくなり、正確な像を形成することができない場合を生ずるという欠点があった。
【0006】
かかる欠点に由来して、レジストの表層付近では、Tトップといわれるようなひさしがパターンに形成されたり、基板面付近では、裾引きといわれる裾野がパターンにできるという現象が観察される。このため、溶解阻止剤に要求される性能としては、放射線が照射されて発生した酸により化学反応が起き、放射線が照射された部分と照射されていない部分の溶解速度比を大きくする性能だけでなく、レジストとして成膜された場合に、アルカリ性不純物の膜中への進入速度を遅くする性能も要求される。
【0007】
上記の要求を満たすためには、溶解阻止剤が高分子化合物に対して高い相溶性を持ち、かつ比較的高めの脂溶性を持つことが望ましい。しかしながら、これまでに発表された多くの溶解阻止剤は、いずれもこれらの要求を完全に満たすことのできるものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は種々の化合物を合成し、レジストを調製してその性能を検討したところ、高分子化合物との相溶性に優れた一連の母核構造を見いだすと共に、t−ブトキシカルボニルメチルエーテルを側鎖とすることによって、照射部分と非照射部分の高いコントラストを得ることができること、及び、アルカリ性不純物の進入に対する抵抗性を持たせることができることを見いだし、本発明に到達した。
従って本発明の目的は、特にポジ型レジストのための溶解阻止剤として有効な新規な化合物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記式(1)で表される2,2−ビス(2,4−ジ−t−ブトキシカルボニルメチロキシフェニル)プロパン及びその誘導体によって達成された。
但し、式中のRはアルキル基、mは0〜3の整数を表す。
【0010】
本発明の化合物は、下記式(2)で表される2,2−ビス(2,4−ジ−ヒドロキシフェニル)プロパン又はその誘導体を適当な溶媒に溶解した後、クロロ酢酸−t−ブチル及び炭酸カリウムを加えて加熱、撹拌することにより容易に合成することができる。
【0011】
Rの具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができるが、これらの中でも特に、メチル基、エチル基等が好ましい。また、mは0、1又は2であることが好ましい。
合成時に用いる溶媒としては、DMF、DMSO、アセトン等を挙げることができるが、これらの中でも特に、DMFを使用することが好ましい。
【0012】
また、クロロ酢酸−t−ブチルと共に、或いはそれに替えて、ブロモ酢酸−t−ブチル、ヨード酢酸−t−ブチル等を使用することもできるが、入手容易性、取り扱い性、及び反応性等の観点から、クロロ酢酸−t−ブチルを使用することが好ましい。
同様に、炭酸カリウムと共に、或いは炭酸カリウムに替えて炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等を使用することもできるが、反応性等の観点から特に炭酸カリウム或いは炭酸ナトリウムを使用することが好ましい。
【0013】
これらの反応物の使用量は、クロロ酢酸−t−ブチル及び炭酸カリウム等が、目的物を得るに必要な理論量以上である限り特に制限されないが、上記の反応は定量的に進行するので、理論量の使用で足りる。
反応は40℃〜120℃の間で攪拌しながら行うが、特に60℃〜100℃で反応させることが反応時間及び収率の観点から好ましく、反応液の濃度は10重量%〜50重量%であることが好ましい。
これらの反応条件であれば、反応は4時間〜8時間で終了する。
反応終了後の反応液から目的物を分離精成することは、適宜公知の方法を組み合わせることによって容易に行うことができる。
【0014】
本発明の化合物は、高分子化合物との相溶性に優れた母核構造を有すると共に、酸の存在下で、容易にt−ブトキシカルボニルメチルエーテル基を脱離してアルカリ可溶性になるので、特に3成分系のポジ型レジスト材料の溶解阻止剤として有効である。
3成分系のポジ型レジスト材料は、周知の如く、(A)溶解阻止剤、(B)酸発生剤、(C)高分子化合物、及び、(D)溶剤によって構成される。この場合、A:B:C:Dの重量比は、5〜50:0.5〜30:70〜90:150〜700であり、好ましくは、10〜25:2〜8:75〜85:250〜500である。
【0015】
【発明の効果】
本発明の化合物は、高分子化合物に対して高い相溶性を有するので、3成分ポジレスト中に、溶解阻止剤として大量に使用することができる。また、脂溶性が高いので、レジスト表面や基板側から、アルカリ不純物がレジスト膜中に進入し難くする効果を有する。
【0016】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1.
2,2−ビス(2,4−ジ−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン2.9g(0.01モル)をDMF50gに溶解し、クロロ酢酸−t−ブチル6.0g(0.04モル)及び炭酸カリウム5.5g(0.04モル)を加えて、80℃で6時間加熱・攪拌した。
【0017】
反応液を放冷した後、トルエン50g及び水100gを加えて分液したトルエン相に更に水100gを添加して洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去すると油状の反応混合物が得られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)で精製したところ、2,2−ビス(2,4−ジ−t−ブトキシカルボニルメチロキシ−3−メチルフェニル)プロパン3.9g(収率53%)が無色の結晶として得られた。
【0018】
融点は130〜132℃であり、下記の 1H−NMRのδ値及び元素分析の結果から、上記の化合物であることが確認された。
1H−NMR
δ1.46(s18H、t−bu−CH 3 )、
δ1.48(s18H、t−bu−CH 3 )、
δ1.74(s6H、C−(CH 3 ) 2 )、
δ2.11(s6H、Ph−CH 3 )、
δ3.02(s4H、−OCH 2 CO)、
δ4.43(s4H、−OCH 2 CO)、
δ6.47(d2H、Ph−H)、
δ7.34(d2H、Ph−H)
元素分析
分析値(%)C:65.20、H:7.69
理論値(%)C:65.34、H:7.87
Claims (1)
- 下記式(1)で表される2,2−ビス(2,4−ジ−t−ブトキシカルボニルメチロキシフェニル)プロパン及びその誘導体;
但し、式中のRはアルキル基、mは0〜3の整数を表す。
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JPH08245515A JPH08245515A (ja) | 1996-09-24 |
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