以下に、本発明をいわゆる第1種パチンコ遊技機に適用した実施形態例を説明する。
図1は、遊技島設備(図示省略)に固定される長方形状の外枠2と、この外枠2の前面開口部分を覆う遊技機本体3とからなるパチンコ遊技機1を示すものである。
遊技機本体3は、ほぼ正方形状の開口部が中央上部に形成されている板状の前面枠5を備え、この前面枠5が前記外枠2にヒンジ部材4を介して開閉可能に枢着されている。また、遊技機本体3には、遊技盤7が前面枠5の開口部に嵌合された状態で取付けられており、さらに、前面枠5の開口部には、遊技盤7を覆う遊技扉6が、遊技盤7の前方に位置させて開閉可能に取り付けられている。また、この遊技扉6には、透明板8が装着されている。
遊技盤7の下方には、前面枠5に対して開閉可能に取付けられる上皿部材9と、この上皿部材9の下方に位置する下皿部材10とが配設されている。さらに下皿部材10の右側位置には、遊技球を打ち出すための発射ハンドル11が突設されている。そして、この発射ハンドル11を遊技者が回動操作することにより、遊技機本体3に設けられた発射装置(図示省略)が駆動し、遊技球が予め定められた発射間隔で後述の遊技領域14に連続発射される。
図2に示されるように、遊技盤7には、ほぼ円形を呈する誘導レール13が配設されている。そしてこの誘導レール13により遊技領域14が区画形成され、この遊技領域14で遊技盤面12に打ち出された遊技球が転動流下する。さらに、遊技領域14のほぼ中央にはセンターケース15が配設されている。このセンターケース15には、液晶表示器、CRT表示器等からなる図柄表示装置16が組付けられており、さらにこの図柄表示装置16には図柄表示領域17が形成されている。
図柄表示領域17の中央位置には特別図柄A、特別図柄B、及び特別図柄Cがそれぞれ表示される特別図柄表示部17aが形成される。この特別図柄A,B,Cは、それぞれ「0」〜「9」の数字からなり、これらの数字が順に上下方向へ配列されて、三列の特別図柄列が構成される。そして、遊技球が後述する普通電動役物18内の特別図柄始動領域20を通過すると、これを契機として各特別図柄列が上下方向に循環変動を開始することにより特別図柄A,B,Cが変動開始し、その後確定停止される。そして、この停止表示された特別図柄A,B,Cの図柄態様が当り態様(A=B=C)である場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り作動が実行される。
一方、図柄表示領域17内の左上位置には普通図柄表示部x,yが形成され、この普通図柄表示部x,yに、「○」又は「×」を示す普通図柄X,Yが表示される。そして、遊技球が後述する普通図柄作動ゲート22を通過すると、これを契機として普通図柄X,Yを変動する表示が開始される。その後、確定停止されたときにX=Y=「○」となる当り図柄であると、後述の普通電動役物18が開閉作動することとなる。
また、図柄表示装置16の直上左位置には、4個の発光ダイオードLEDからなる普通図柄変動保留数表示部21が配設されている。この普通図柄変動保留数表示部21は、普通図柄X,Yの変動中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過する等して、普通図柄X,Yの図柄変動が保留された場合に、4個を限度として変動保留数を表示するものである。
さらに、図柄表示装置16の直上右位置には、4個のパイロットランプからなる特別図柄変動保留数表示部19が配設されている。この特別図柄変動保留数表示部19は、特別図柄A,B,Cの変動中に遊技球が普通電動役物18内の特別図柄始動領域20を通過し、特別図柄A,B,Cの図柄変動が保留された場合に、次に変動開始できるまで4個を限度として変動保留数を表示するものである。
一方、遊技盤面12のうち、センターケース15の両側位置には、内部を普通図柄始動領域22aとする、遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート22が設けられている。この普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄作動ゲート22に内蔵された普通図柄始動スイッチS2がこの遊技球通過を検知し、球検出信号を出力する。そして、かかる球検出信号に基づいて、前記普通図柄X,Yの変動表示が開始される。
また、遊技盤面12のうち、センターケース15の直下位置には、頂部に開閉翼片26,26を備えた普通電動役物18が配設されている。上述のように、この普通電動役物18内には、特別図柄始動領域20が形成されている。また、開閉翼片26,26は、その間を遊技球が通過し得るように互いに離間してそれぞれ配設されており、この間隙が入賞口18aとなっている。そして、入賞口18aから遊技球が入ると、前記特別図柄始動領域20を遊技球が通過することとなる。なお、開閉翼片26,26は遊技盤面12に対して所定角度範囲で傾動可能に枢設されている。そして、普通図柄X,YがX=Y=「○」となる当り態様となると、その後開閉翼片26,26が普通電動役物ソレノイド(図3参照)により傾動されて、入賞口18aの開口度を拡大し、その後元に戻るという開閉作動が実行される。
また、この普通電動役物18内の特別図柄始動領域20には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が備えられ、遊技球が特別図柄始動領域20を通過すると、特別図柄始動スイッチS1がこの通過を検知し、球検出信号を出力する。そして、かかる球検出信号に基づいて、図柄表示領域17の特別図柄表示部17aで、特別図柄A,B,Cの変動表示が開始される。
普通電動役物18の直下位置には、内部に特定領域(図示省略)と一般領域(図示省略)とを有する大入賞口23を具備する可変入賞装置25が配設されている。この可変入賞装置25は横長矩形状の開閉片24を具備し、この開閉片24が大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御されて、大入賞口23が開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換される。そして、停止表示された特別図柄A,B,Cが当り態様(A=B=C)であると、閉じた状態の開閉片24が開き、さらに、その開放状態にある開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球が案内される。そして、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドが実行される条件が満たされ、所定の開閉ラウンド数だけ開閉片24の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利益が付与される。さらに、大入賞口23内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。なお、前記開閉片24の開閉作動により、本発明にかかる大当り作動が構成される。
図3は、本発明にかかるパチンコ遊技機1の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路(図示省略)が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。
記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。この乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ選択乱数テーブル、リーチ図柄選択乱数テーブル、変動パターン選択乱数テーブル、普通図柄乱数テーブル、及びハズレ普通図柄パターン乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUが各乱数テーブルから乱数値を取得する。
次に、前記した各乱数テーブルについて説明する。
大当り特別乱数テーブルは、0〜952の953コマからなる。ここで、特別図柄表示部17aで停止表示された特別図柄A,B,Cが奇数図柄からなる当り態様(例えば、「3,3,3」)であると、これを契機として、大当り作動後に遊技者にとって有利な利益が付与される有利遊技状態となる。この有利遊技状態の一形態としては、「大当り」となる確率(以下、大当り確率という)が向上し、かつ特別図柄A,B,Cの変動時間が短縮される時間短縮機能が作動する確変遊技状態がある。この確変遊技状態では、大当り特別乱数テーブルから取得した大当り特別乱数値KがK=7,53,89,137,173,197,257,277,293,307,337,359,409,457,487,523の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は16/953である。なお、取得した大当り特別乱数値Kが、前記値以外であるとハズレとなる。
また、有利遊技状態としては、確変遊技状態のほかに、時間短縮機能のみ作動する時短遊技状態がある。この時短遊技状態は、確変遊技状態の終了直後に発生し、取得した大当り特別乱数値KがK=7,277,293の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は3/953(通常確率)である。さらに、確変遊技状態と時短遊技状態とからなる有利遊技状態が終了した後に発生する通常遊技状態にあっても、初期状態と同様、大当り確率は3/953である。
そのほか、有利遊技状態と通常遊技状態とでは、普通電動役物18の開放時間の長さが異なってくる。有利遊技状態で普通図柄X,Yが当りとなると、総計約3.0秒間開放される。一方、通常遊技状態では、総計約1.0秒間開放される。
また、大当り図柄乱数テーブルは、0〜9の10コマからなり、取得した大当り特別乱数値Kの内容が「大当り」である場合に、特別図柄A,B,Cの当り態様を決定するものである。例えば、この大当り図柄乱数テーブルから取得した大当り図柄乱数値LがL=3の場合に、停止表示される当り態様は「3,3,3」となる。
一方、ハズレ図柄乱数テーブルは、取得した当り特別乱数値Kの内容がハズレである場合に、特別図柄A,B,Cのハズレ態様を決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcを取得する。
また、0〜99の100コマからなるリーチ選択乱数テーブルからは、リーチ選択乱数値Nを取得する。このリーチ選択乱数値Nは、大当り特別乱数値Kの内容がハズレである場合に、リーチ変動作動を実行するか否かを決定するものである。なお、大当り特別乱数値Kの内容が当りである場合は、必ずリーチ変動作動を実行する。ここで、リーチ選択乱数値NがN=7,17,23,37,43,53,61,71,89,91であると、リーチ変動作動が実行され、リーチ態様の特別図柄A,B,Cが表示される。なお、リーチ変動作動の作動態様は、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止等により多様に構成されている。
また、0〜9の10コマからなるリーチ図柄選択乱数テーブルからは、リーチ図柄選択乱数値Qを取得する。このリーチ図柄選択乱数値Qは、リーチ変動作動を実行する際のリーチ態様を決定するものである。例えば、このリーチ図柄選択乱数値QがQ=3の場合には、特別図柄A,B,Cのうち、一番目と二番目に停止する二つの図柄が「3」となるリーチ態様が表示される。
また、変動パターン選択乱数テーブルは、0〜126の127コマからなり、かかるテーブルから変動パターン選択乱数値Gを取得する。この変動パターン選択乱数値Gは、特別図柄A,B,Cの図柄変動や、これ以外の演出図柄の変動パターンを決定するものであり、特別図柄A,B,Cの停止表示時間、確定表示されるまでの変動時間、演出図柄の演出時間等をそれぞれ定めている。そして、変動パターン選択乱数値Gの値に応じて、図柄表示制御基板62の記憶装置ROMに複数備えられている変動パターンテーブルの特別図柄変動パターンが振り分けられており、このパターンに従って図柄変動が表示実行される。
また、普通図柄X,Yが変動を停止したときに表示する図柄態様は、0〜4までの5コマからなる普通図柄乱数テーブルから取得する普通図柄乱数値Vにより決定する。ここでは、普通図柄乱数値VがV=0,1,2,3であればX=「○」,Y=「○」で確定表示し、当りとなる。一方、普通図柄乱数値VがV=4でハズレである場合は、普通図柄乱数値Vと同時期に、ハズレ普通図柄パターン乱数テーブルから取得したハズレ普通図柄パターン乱数値Wに従って普通図柄X,Yをハズレ態様で確定表示する。このハズレ普通図柄パターン乱数テーブルは、0〜2の3コマからなり、ハズレ普通図柄パターン乱数値WがW=「0」であるとX=「○」,Y=「×」で確定表示し、W=「1」であるとX=「×」,Y=「○」で確定表示し、W=「2」であるとX=「×」,Y=「×」で確定表示する。
一方、主制御基板60の記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動に基づく始動記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
ここで、始動記憶について詳述する。
特別図柄A,B,Cは、遊技球が特別図柄始動領域20を通過すると通常は所定タイミングで変動開始し、また普通図柄X,Yは、遊技球が普通図柄作動ゲート22(普通図柄始動領域22a)を通過すると所定タイミングで変動開始する。しかし、特別図柄A,B,Cが変動している期間等に遊技球が特別図柄始動領域20を通過しても、図柄変動中では当該遊技球通過に基づく図柄変動は開始できない。また、普通図柄X,Yも、普通図柄X,Yが変動している期間、又は普通電動役物18の開閉作動中に普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過しても、当該遊技球通過に基づく図柄変動は直ぐには開始できない。したがって、このように図柄が変動開始できない期間(以下、変動開始不能期間という)に特別図柄始動スイッチS1、又は普通図柄始動スイッチS2による球検出信号が入力された場合は、原則保留数が上限値でない場合に限り、記憶装置RAMに当該遊技球通過の記憶が保持され、始動記憶として特別図柄A,B,Cの図柄変動、或いは普通図柄X,Yの図柄変動が保留されることとなる。そして、特別図柄A,B,Cが変動保留されている状態で図柄変動等が終了し、変動開始不能期間が解除されて変動開始可能期間となると、記憶装置RAMに記憶保持された始動記憶が記憶消化されて、保留されていた図柄変動が変動開始される。
また、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられている。この主制御基板60の出力ポートには、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートが接続され、主制御基板60からの制御指令が、各制御基板62,63,64,65へ一方向に出力される。一方、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1が接続された、本発明にかかる特別中継基板66が電気的に接続されていると共に、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、及びカウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに各スイッチS1〜S4から出力される球検出信号を調べ、球通過あったと判断すると(主制御用中央制御装置CPUに球検出信号が入力されると)、その情報を記憶装置RAMに記憶する。なお、前記特別中継基板66は、本発明の要部であるため、後で詳述する。
また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物18の開閉翼片26を傾動する普通電動役物ソレノイドや、可変入賞装置25の開閉片24を開閉する大入賞口ソレノイドが接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。なお、特別図柄A,B,Cが大当り図柄である場合に、可変入賞装置25に大当り作動させる制御内容を具備した主制御基板60により、本発明にかかる可変入賞装置制御手段が構成される。
なお、主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。ここで、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62,63,64,65にそれぞれ出力し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置16を駆動し、図柄表示装置16の図柄表示領域17上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、特別図柄変動パターン、普通図柄変動パターン等に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
ここで、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記図柄データに従って図柄表示装置16の図柄表示領域17に所定の図柄を所定態様で表出させる。
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機1に備えられた発光ダイオードLED、装飾ランプ等で構成される電飾装置、特別図柄変動保留数表示部19、普通図柄変動保留数表示部21等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
ところで、上述したように、遊技球が特別図柄始動領域20を連続的に通過することにより、特別図柄A,B,Cの変動中に特別図柄始動スイッチS1の球検出信号が主制御基板60に入力された場合は、主制御基板60は、この遊技球通過を変動開始不能期間の遊技球通過と認識し、当該図柄変動を変動開始可能期間となるまで保留する。すなわち、始動記憶として主制御基板60の記憶装置RAMに記憶保持する。そしてこの記憶に基づいて特別図柄変動保留数表示部19の発光ダイオードLEDを順次点灯させ、その時点での図柄変動の保留数を表示する。一方、変動開始可能期間となると、記憶装置RAMの図柄変動の保留を消化し、これに対応して特別図柄変動保留数表示部19で、消化分が減算された保留数を表示する。なお、普通図柄変動保留数表示部21でも、同様な態様で普通図柄X,Yの図柄変動について変動保留数を表示する。ところで、上述したように、特別図柄変動保留数表示部19及び普通図柄変動保留数表示部21が表示可能な変動保留数は最高4個までであるが、変動保留数がこの上限数に達していても、本発明にあっては、そのときの遊技球通過が救済される場合があることを特徴としている。詳細は後述する。
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
次に、本発明の制御処理を説明する。
図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御処理は、メインルーチンと複数のサブルーチンとで構成されている。
メインルーチンがスタートすると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、電源投入時であるか否かをまず判定する。ここで、電源投入時である場合は、初期化処理を実行し、初期値乱数更新処理に移行して無限ループ処理を実行する。
一方、電源投入時でない場合は、次に出力処理、入力処理、乱数作成処理、初期値乱数更新処理、遊技枠処理、スイッチ処理、始動口処理、大入賞口処理、特別図柄処理、普通図柄処理、普通電動役物処理、データ作成処理、エラー制御処理、大当り遊技処理を実行し、次に初期値乱数更新処理に移行して無限ループ処理を実行する。なお、この一連の処理は、上述したタイマーTMによりカウントされる所定単位時間(2ms)ごとに繰り返し実行される。
次に、上述のサブルーチンのうち、始動口処理を図5に従って説明する。
遊技者が発射ハンドル11を回動操作すると、遊技球が発射装置(図示省略)により遊技領域14に打ち出される。そして、遊技球が転動流下して、その後特別図柄始動領域20を通過(入賞)すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動して、球検出信号を出力する。そして、かかるON作動を契機として、以下に述べる制御処理を実行開始する。
まず、特別図柄始動スイッチS1が出力する球検出信号の入力の有無を判定し(ステップS10)、入力があった場合は、記憶装置RAMに累積して記憶保持される特別図柄A,B,Cについての図柄変動の保留数(特別図柄変動保留数U)がU≧4であるか否かを判定する(ステップS11)。そして、特別図柄変動保留数UがU≧4である場合は、始動口処理を終了する。
一方、特別図柄変動保留数UがU<4であると、特別図柄変動保留数Uを1加算し、加算したものを新たに特別図柄変動保留数Uとする処理を実行する(U←U+1)(ステップS12)。そして、記憶装置ROMに格納されている大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ選択乱数テーブル、リーチ図柄選択乱数テーブルから、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ選択乱数値N、及びリーチ図柄選択乱数値Qをそれぞれ取得し、取得した各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する(ステップS13〜S17)。そして、始動口処理を終了する。
次に、特別図柄処理を図6に従って説明する。
まず、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄A,B,Cが変動中であるか判定する(ステップS20)。
ここで、特別図柄A,B,Cが変動中でない場合は、記憶装置RAMに特別図柄A,B,Cの図柄変動が保留されているか否かを判定し(ステップS23)、保留されていない場合は(U=0)、そのまま特別図柄処理を終了する。一方、図柄変動が保留されている場合は(特別図柄変動保留数U≧1)は、特別図柄変動保留数Uを1減算する(U←U−1)(ステップS24)。
そして、ステップS24の処理後、現在、確変遊技状態であるか否かを判定する(ステップS25)。ここで、確変遊技状態である場合は、取得した大当り特別乱数値Kを判定するための高確率用判定データをセットする(ステップS26)。この高確率用判定データは、取得した大当り特別乱数値KがK=7,53,89,137,173,197,257,277,293,307,337,359,409,457,487,523のいずれかの場合に値が一致し、一致した場合に当り態様が停止表示されて大当り作動が実行される。一方、確変遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態、或いは通常遊技状態である)と判定した場合は、低確率用判定データをセットする(ステップS27)。この低確率用判定データは、取得した大当り特別乱数値KがK=7,277,293の場合に値が一致する。
次に、取得した大当り特別乱数値Kが、セットした判定データと一致するか否かを判定する(ステップS28)。ここで、大当り特別乱数値Kが判定データを一致していると、「大当り」となり、大当りフラグをONとする(ステップS29)。
さらに、取得した大当り図柄乱数値Lに従って、特別図柄A,B,Cの図柄態様を設定する(ステップS30)。
一方、大当り特別乱数値Kの内容が「大当り」でない場合は、取得したリーチ選択乱数値Nを判定し、リーチ変動作動を実行するか否かを決める(ステップS31)。ここで、リーチ選択乱数値NがN=7,17,23,37,43,53,61,71,89,91であると、リーチ変動作動を実行する。それ以外であると、リーチ変動作動を実行しない。
判定の結果、リーチ変動作動を実行する場合は、リーチ図柄選択乱数値Qに従ってハズレリーチ図柄を設定する(ステップS32)。一方、リーチ変動作動を実行しない場合は、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcに従ってハズレ図柄を設定する(ステップS33)。
大当り図柄、ハズレリーチ図柄、又はハズレ図柄を設定すると、変動パターン選択乱数値Gを取得し(ステップS34)、取得した変動パターン選択乱数値Gに基づく変動パターンを設定する(ステップS35)。そして、変動時間をセットした後(ステップS36)、変動開始コマンドを出力(ステップS37)する。
ステップS20で特別図柄A,B,Cが変動中であると判定した場合、又はステップS37を実行した場合は、次にステップS21に移行する。ステップS21では、所定の変動時間が経過したか否かを判定し(ステップS21)、経過していなければ特別図柄処理を終了し、経過していれば変動停止コマンドを出力する(ステップS22)。そして、特別図柄処理を終了する。
なお、主制御用中央制御装置CPUが、特別図柄処理のなかで、特別図柄A,B,Cを変動開始する変動開始コマンドを図柄表示制御基板62に出力すると、図柄表示制御基板62は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて図柄制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行う。そして、その結果に従って表示用ドライバを介して図柄表示装置16の図柄表示領域17で特別図柄A,B,Cの変動表示を開始して、取得した乱数値に従って特別図柄A,B,Cを確定表示する。
また主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄始動スイッチS1の球検出信号入力に基づき、演算処理して賞球指令コマンドを払出制御基板65に出力すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令コマンドを音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令コマンドを光源制御基板64にそれぞれ出力する。
賞球指令コマンドが入力された払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
これと同期して、賞球音の発生指令コマンドが入力された音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
同時に光源制御基板64でも、入力された賞球ランプの発生指令コマンドに従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
次に、特別図柄A,B,Cを当り態様で確定表示した場合に実行する大当り作動について説明する。
特別図柄A,B,Cを当り態様で確定表示すると、主制御基板60は、以下の賞球形態を発生させる大当り作動を実行する。すなわち、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23を遊技球が通過し、この大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動すると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令コマンドを出力する。そして、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドを駆動し、開閉片24を前方に傾動して大入賞口23を開放する開閉ラウンドを実行する。さらに、大入賞口23に形成された特定領域を遊技球が通過し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24を閉鎖駆動して、第一開閉ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23を開放して、次の第二開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4による遊技球の入賞検知が10個となると、大入賞口23を閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大15回繰り返す賞球形態を発生させて、遊技者に利益を供与する。そして、この一連の可変入賞装置25の開閉作動が終了すると、大当り作動が終了する。
次に、本発明の要部について説明する。
本発明にあっては、特別図柄始動スイッチS1が、図3,7に示されるように、特別中継基板66を介して主制御基板60に電気的に接続されている。さらに詳述すると、主制御基板60の入力ポートに特別中継基板66が接続されており、主制御基板60からの制御指令が特別中継基板66に出力されると共に、特別図柄始動スイッチS1からの球検出信号が特別中継基板66を介して主制御基板60に出力される。
この特別中継基板66は、図7に示されるように、リレー回路72、遅延電気回路70を備えた第一回路73、及び遅延電気回路70を備えない第二回路74を有している。
前記リレー回路72は、一つの入力端子72aと二つの出力端子(第一出力端子72b及び第二出力端子72c)とを具備し、各出力端子72b,72cに接続された回路のいずれかを選択して有効とし、入力端子72aから入力された信号をその有効とした回路に導くものである。なお、リレー回路としては、公知技術が好適に採用される。
また、第一回路73の遅延電気回路70は、一側にD0からD7までの端子を備え、他側にQ0からQ7までの端子を備えたシフトレジスタ75と、シフトレジスタ75にクロックを発振するクロック発生器71とを具備している。そして、D側端子に入力された信号をQ側端子から出力することにより、入力信号を一旦保持し、保持した当該信号を所定遅延時間経過後に出力するように機能している。なお、遅延電気回路としては、公知技術が好適に採用される。
なお、第二回路74は、結線路76のみにより構成されている。
そして、特別図柄始動スイッチS1と、リレー回路72の入力端子72aとが接続され、リレー回路72の第一出力端子72bと、遅延電気回路70のシフトレジスタ75(D0端子)とが接続され、第二出力端子72cと、第二回路74にかかる結線路76の一端とが接続されている。
一方、第一回路73にかかるシフトレジスタ75(Q5端子)と、第二回路74にかかる結線路76の他端が、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUにそれぞれ接続されている。
すなわち、特別図柄始動スイッチS1と主制御基板60との結線路に、第一回路73と第二回路74とが、相互に電気的並列となるように介装されている。また、リレー回路72は、主制御基板60とも直接接続されており、主制御基板60の制御内容により、リレー回路72を駆動制御して所定時にいずれかの回路73,74を有効とできるようになっている。なお、本実施形態例にかかるリレー回路72により、本発明にかかる回路選択手段が構成される。
かかる構成にあって、主制御基板60は、現在保留している特別図柄変動保留数Uが所定数以上の場合に、第一回路73が有効となるようにリレー回路72を駆動制御し、所定数未満の場合に、第二回路が有効となるように駆動制御する。以下、有利遊技状態における主制御基板60の制御、及び特別中継基板66の作動について説明する。
遊技状態が有利遊技(確変・時短)状態であるときは、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、現在保留している特別図柄変動保留数Uが2個以上となると、リレー回路72を駆動制御して特別図柄始動スイッチS1と第一回路73とを結線する。
かかる状態にあって、特別図柄始動領域20を遊技球通が通過すると、まず特別図柄始動スイッチS1が球検出信号を出力する。そして、この出力された球検出信号は、リレー回路72の入力端子72a、第一出力端子72bを介して、シフトレジスタのD0端子に入力される。なお、かかる時点においては、主制御基板60に球検出信号はまだ入力されていないため、当然主制御基板60は当該遊技球通過を認識していない。
次に、D0端子に入力された当該球検出信号は、クロック発生器71から発振されるクロックと同期して、D0端子からD1端子へ、D1端子からD2端子へ順に移動(シフト)する(D0→D1→D2…)。そして、球検出信号が、D5端子まで移動すると、他側のQ5端子に移動し、このQ5端子から主制御基板60に出力される。そして、球検出信号が主制御基板60に入力された時点で初めて主制御基板60は球通過を認識し(図8イ参照)、当該球通過を始動記憶として記憶保持するなどの処理をすることとなる。
ここで、クロック発生器71は、パルス周期が0.8秒のクロックを発振する。したがって、シフトレジスタ75のD0端子に球検出信号が入力されると、0.8秒ごとに次端子へ移動していくこととなる。よって、球検出信号がD0端子に入力され、その後Q5端子から出力されるまでには4.8秒かかることとなる。つまり、遊技球が特別図柄始動領域20を通過したときから、4.8秒後に、球検出信号が主制御基板60に入力され、主制御基板60がその遊技球通過を認識することとなる。
一方、特別図柄変動保留数Uが0個や1個になると、リレー回路72を駆動制御して特別図柄始動スイッチS1と第二回路74とを結線する。
かかる状態で、特別図柄始動領域20を遊技球通が通過すると、特別図柄始動スイッチS1が出力した球検出信号は、リレー回路72の入力端子72a、第二出力端子72cを介して、直接主制御基板60に入力される。したがって、遊技球が特別図柄始動領域20を通過するのとほぼ同時に、球検出信号が主制御基板60に入力され、主制御基板60がその遊技球通過を認識することとなる(図8ロ参照)。
ところで、有利遊技状態で特別図柄変動保留数Uが2個以上である遊技状況は、保留数Uが0個や1個の場合に比べて保留可能な残数が少ないため、そのまま遊技が進行すると保留数Uが上限に達し易いといえる。換言すれば、かかる状況はオーバーフローし易い遊技状態といえる。したがって、特別図柄変動保留数Uが2個以上であって、オーバーフローし易い遊技状態であるときに限り、前記第一回路73を有効として特別図柄始動領域20への遊技球通過を認識する時期を遅らせる構成とすることにより、この遅延された時間中に変動保留数Uが減少する可能性が高められ、当該遊技球通過がオーバーフローとして処理され難い構成となる。
なお、遊技状態が通常遊技状態である場合は、特別図柄変動保留数Uが3個以上である場合に、第一回路73を選択し、3個未満である場合に、第二回路74を選択する構成が提案される。
ここで、図10イに示されるように、普通電動役物18bの前面部にランプ30を設け、遅延電気回路70内に球検出信号が存在するときに、前記ランプ30を点灯させる構成が提案される。すなわち、ランプ30の点灯により、図柄変動が保留される前段階にある遊技球通過が存在していることを遊技者に確実に報知することが可能となる。これにより、遅延電気回路70内に入賞情報が記憶されている(保持されている)ことを遊技者に認識させることができる。
また、別構成が提案される。
かかる構成は、特別図柄変動保留数Uが所定数以上の場合には、第一回路73を有効とし、特別図柄始動スイッチS1が出力した球検出信号を、少なくとも特別図柄変動保留数Uが1個減少するまで遅延電気回路70が当該球検出信号を保持する構成である。すなわち、少なくとも特別図柄変動保留数Uが1個減少してから、初めて球検出信号が主制御基板60に入力され、主制御基板60が特別図柄始動領域20への遊技球通過を認識する構成である。
かかる構成とすることにより、特別図柄始動記憶として図柄変動を必ず保留できる状態で、特別図柄始動領域20への遊技球通過が認識されることとなるため、確実にオーバーフローを回避することとが可能となる。
具体的には、図9に示されるように、特別中継基板66’の第一回路73にあって、遅延電気回路70と主制御基板60との結線路に公知の回数カウンタ77を介装する。そして、回数カウンタ77と主制御基板60との間に、回数カウンタ77に特別図柄始動記憶が減少したことを示すリセット信号を出力するための信号ラインを設けている。この回数カウンタ77は、遅延電気回路70から球検出信号が入力されると、そのカウンタに「1」を加算し、またリセット信号が入力されると、カウンタを「1」減算すると共に、球検出信号を主制御基板60に出力する構成である。
かかる構成にあって、遊技球が特別図柄始動領域20を通過すると、上記条件の下、特別図柄始動スイッチS1が出力した球検出信号が第一回路73を経由する。そして、遅延電気回路70から出力された球検出信号が回数カウンタ77に入力される。さらに、回数カウンタ77はカウンタを「1」加算する。その後、主制御基板60から前記内容のリセット信号があった場合は、カウンタを「1」減算し、球検出信号が主制御基板60に出力される。そして、主制御基板60が遊技球通過を認識し、所定処理を実行する。
かかる構成とすることにより、特別図柄変動保留数Uが1個減少してから、主制御基板60が特別図柄始動領域20への遊技球通過を認識する構成とすることができる。
ところで、図9に示す遅延電気回路70は、シフトレジスタ75を二個用い、それぞれのシフトレジスタ75にクロック発生器71がクロックを発振する構成としている。
なお、本発明にかかる遅延電気回路70は、構成要素であるシフトレジスタ75を単数としても良いし、複数としてもよい。また、その他、上述の回路構成は、適宜設計変更可能である。また、図柄変動が保留される前段階にある遊技球通過が存在していることを遊技者に報知する構成としては、上述の構成(図10イ参照)のほか、図10ロに示されるように、ランプ30を7セグ31により構成し、その点灯態様により、図柄変動が保留される前段階にある遊技球通過が存在していることを遊技者に報知するようにした普通電動役物18cとしても良い。