JP4200874B2 - 感性情報推定方法および文字アニメーション作成方法、これらの方法を用いたプログラム、記憶媒体、感性情報推定装置、文字アニメーション作成装置 - Google Patents

感性情報推定方法および文字アニメーション作成方法、これらの方法を用いたプログラム、記憶媒体、感性情報推定装置、文字アニメーション作成装置 Download PDF

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Description

この発明は、コンピュータに所定のテキストを入力することにより、その入力テキストに適合する感性情報を推定する処理を前記コンピュータに実行させる技術、および前記感性情報の推定結果に基づき、入力テキストから文字アニメーションを作成する技術に関する。
コンピュータにおいて、入力されたテキストを解析して、その入力テキストに表現される感情を認識することが、従来より提案されている。
たとえば、下記の特許文献1に開示された発明では、副詞、形容詞、形容動詞などの感情を直接的に表している語について、単語単位の感情要素を分類して登録した単語辞書を作成している。そして、入力テキストに対し、単語の抽出と構文解析処理を行った後、前記単語辞書を用いて抽出された単語の感情要素に、構文解析結果に基づく変換規則を適用して、1つの文が表す感情を決定するようにしている。
特公平6−823277号 公報
また、下記の特許文献2に開示された発明では、各種の感情を表す表現について、表記、読み、品詞、意味カテゴリなどを対応づけた感情表現テーブルを設定する。そして、入力テキスト中の各単語または単語列をこの感情表現テーブルと照合し、いずれかのパターンに適合するものが見つかると、その単語または単語列に前記パターンに対応する感情を設定するようにしている。
特許3372532号 公報
つぎに、近年では、コンピュータネットワークの普及に伴い、電子メールによりコミュニケーションを行う機会が多くなっている。特に携帯電話による電子メールは、場所や時間を選ばず、手軽に送受信をとれることから、多数のユーザーに利用されており、今後も利用数の増加が予想される。また、単に文字だけのメールを送るにとどまらず、顔文字や絵文字などによりメールの表現を豊かにする工夫が種々試みられている。また、メールとともに画像や音声などを送信できるような機種や、文字フォントや文字の装飾を変更したり、メールのレイアウトを編集できるようなソフトウエアも開発されている。
一方、テレビコマーシャルやディジタルアートなどの分野では、テキストを効果的に表示するために文字アニメーションを使用するようにしている。文字アニメーションは、文字の大きさ、位置、色などを連続的に変化させたり、ブラー効果を発生させることによって実現するもので、視覚効果を格段に高めることができる。
このような文字アニメーションを電子メールに組み込むようにすれば、より表現力の豊かなメールを作成できることが予想される。しかしながら、文字アニメーションの文字の態様や動きを設定する作業は簡単なものではなく、この作業を一般ユーザーに行わせるのは困難である。このような問題を解決するために、アニメーションの基本の動作を規定するプログラムテンプレート(以下、単に「テンプレート」という。)をいくつか用意し、ユーザーに入力テキストに適したテンプレートを選択させる方法が考えられる。しかし、テンプレートを選択するには、各テンプレートによる基本の動作を確認のために表示させる必要があり、作業に時間がかかる可能性がある。特に、携帯電話のような操作性の悪い機器では、各テンプレートによる動きを確認しながら選択を行う作業は煩雑なものになり、使い勝手が非常に悪くなることが予想される。
このような問題を解決するための一手法として、下記の特許文献3に開示された技術が存在する。この特許文献3は、入力された文字列を解析してその文字列に含まれる概念を決定した後、その概念に対応する複数の動画構成要素(テンプレートを意味するものと思われる。)を選択し、これら動画構成要素によって構成された動画を文字列に対応づけて表示するようにしたものである。
特開2002−366964号 公報
上記した特許文献1には、文単位での感情を推定するための方法が開示されているが、複数の文から成るテキスト全体の感情を推定するための方法については、なにも示されていない。また、この特許文献1では、感情を直接的に表している語に基づく推論処理を行うだけであるので、たとえば、複数の語の組み合わせにより表現される感情まで推定できない、という問題がある。
さらに、この特許文献1では、推定のために文の構文解析を行っているため、処理に時間がかかる可能性がある。特に、一文であっても、前半に示される感情と後半に示される感情とが異なるようなテキスト(例:明日、遊園地に行きたいけど、行くのは無理でしょう。)を処理する場合、かなりの処理時間を要すると考えられる。また、このような構文が複雑な文に適合する感情情報を精度良く判別するには、複雑な推定規則が必要となるが、その点について、特許文献1には何も示されていない。
特許文献2の方法では、単語や単語列の単位での感情情報を推定することが可能である。しかしながら、このような方法では、一文中に複数種の感情表現があるような場合に、その文に最も適した感情情報を設定するまでの処理を行うのは困難である。
また、特許文献2には、「いい加減にし(て)なさい(ろ)」など、所定の感情表現を表す単語列のパターンを変化も含めて登録しておき、入力テキスト中の単語列を登録パターンとマッチングすることにより、感情表現を抽出することが記載されている。しかしながら、この方法では、感情表現を示す単語列を抽出できるにすぎず、しかも、単語列のうちの付属語が変化した場合にしか対応できない。一般には、単独で感情を表すことのない語の組み合わせにより所定の感情が表現される場合が数多く存在する。しかも、感情表現に使用される語は人によって異なるので、特許文献2のように、単に決まった言い回しに基づく表現パターンを登録しても、各種の感情表現を抽出するのは困難である。
つぎに、入力テキストからアニメーションを作成する特許文献3では、文字列の解析結果により抽出した概念の中から主要な概念のみを抽出して、その主要な概念に基づき動画を作成するようにしている(同文献の段落[0022][0023]などを参照されたい。)。このような処理では、メールを構成する文字列全体に含まれる概念を忠実に表すことは困難である。
一例として、「明日、遊園地に行きましょう。」というテキストと、「明日、遊園地に行けないかもしれない。」というテキストとについて考えてみる。特許文献3の手法によれば、これらのテキストから導き出せる主要概念は、いずれも「遊園地」となり、同様のアニメーション(たとえば、ジェットコースターの絵)が表示される可能性がある。これは、前者のテキストには適当であるが、後者のテキストには不適である。後者のテキストでは、天候や急用のために約束していた遊園地に行けない可能性があることを示しており、残念な気持ち、相手に対する謝罪の気持ちなどを表す動画が表示されるのが望ましいからである。このように、特許文献3に開示された発明では、テキストの入力者の感情を適切に表現したアニメーションを作成できない可能性がある。
この発明は、上記した諸問題に着目してなされたもので、入力テキストに表現される感情やそのテキストを読む人がテキストに対して感じるイメージを、簡単かつ高い確度で推定できるようにすることを第1の目的とする。
また、この発明は、上記の推定結果を用いることにより、入力テキストの一部または全体について、そのテキストに表現される感情やそのテキストに対するイメージに適合したアニメーションを作成することを第2の目的とする。
この発明でいうことろの感性情報とは、主として、人の感情を表現する情報を指す。テキストに適合する感性情報とは、テキストの入力者がそのテキストにより言い表そうとしている感情を示す情報であると考えることができる。この情報は、テキスト内の感情を具体的に表す単語(うれしい、楽しい、悲しい、腹立たしい、など)により表される場合もあるが、テキスト内の単語の意味だけでは導き出せない場合もある。ただし、後者の場合も含め、感性情報は、感情を具体的に表す語に基づいて分類することができる。
また、この発明にかかる感性情報には、テキストを読んだ人がそのテキストに対して持つ印象(イメージ)を示す情報も含まれる。これは、同じ意味を示すテキストでも、その表現によって、読み手が受け取る印象が異なる点に着目したことによる。
たとえば、「明日、遊園地に行きませんか?」と「明日、遊園地にいくか?」とは、いずれも同じ意味を表すテキストであるが、前者からは『丁寧』『やさしい』『穏やか』などのイメージが生じるのに対し、後者からは『荒っぽい』『親近感』などのイメージが生じる、と考えられる。このようなテキストに対するイメージを表す感性情報は、テキストの読み手側に生じる感覚を示す語により分類することができる。
この発明にかかる感性情報推定方法は、所定のテキストの入力を受け付けて、上記したような感情を表す情報または読み手に与えるイメージを表す情報を入力テキストから推定するものである。この発明では、一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースとを、前記コンピュータのメモリに保存する第1のステップ;前記テキストが入力されたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める第2のステップ;前記形態素解析データを文節単位で切り分け、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第3のステップ;前記第3のステップが終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第4のステップ;の各ステップを実行するようにしている。
上記において、形態素解析用辞書には、形態素毎に、その表記を「見出し」として概念情報を設定した辞書データを保存することができる。ここでいう概念情報とは、形態素の一般的な意味を表すものではなく、形態素を含むテキストの感性情報を推定する上での「手掛かり」となる概念を表す情報、と考えることができる。たとえば、感情を直接表す語(例:「うれしい」「悲しい」など)に対しては、その語自身またはその関連語(例:『喜び』『悲しみ』など)を概念情報として設定することができる。また各種の表現を間接的に表す語に対しては、対応する感情を示す語を概念情報とすることができる。イメージを表す情報についても、同様である。
また、複数の概念の組み合わせによりある感情やイメージが表現される場合には、これらの概念に関連する語にその概念を設定することができる。たとえば、『賃金』という概念と『減少』という概念との組み合わせは、『悲しい』『残念』などの感情を表すと考えられる。このような場合には、「給料」「時間給」「ボーナス」などの語に概念情報として『賃金』を設定し、「カット」「下がる」「ダウン」などの語の概念情報に『減少』を設定することができる。
なお、語の組み合わせによって、表現される感性情報が変動することもあるから、1つの語に対し、複数の概念情報を設定することができる。また、普通名詞については、上記の例のように、複数の語を組み合わせることにより感性情報が表現される可能性があるから、上位概念に相当する語を概念情報として設定するのが望ましい。
さらに、種々の言い回しにかかる形態素についても、イメージや表現形式を示す情報を概念情報として設定することができる。たとえば、「(い)らっしゃる」に『丁寧語』という概念情報を、「(し)やがる」には『侮蔑表現』という概念情報を、それぞれ設定することができる。
なお、特に概念情報を持たない形態素(助詞、地名、人名など)については、概念情報を空白にした辞書データを設定することができる。また、辞書データには、表記や概念情報のほか、品詞情報、活用形の種類などのデータを含ませることもできる。
第1の推定規則は、前記概念情報が設定された文節を少なくとも1つ含む文節に、所定の感性情報を設定するためのものである。
感嘆詞などの独立語や接続語を除く一般的な文節は、自立語と付属語との組み合わせにより構成される。したがって、概念情報が設定された自立語と付属語との組み合わせ毎に感性情報を対応づけたものを推定規則とすることができる。この場合、同じ自立語であっても、付属語の種類(肯定を示す語、打ち消しを示す語、疑問を示す語、または、「です」「だ」のような言い回しを表す語)により異なる感性情報が導き出されるような推定規則を設定することができる。
また、文節中における自立語の位置(たとえば自立語が文節の最初にあるか、末尾にあるかなど)に感性を示す語を対応づけたデータを推定規則とすることもできる。また、複数の概念情報が設定された自立語については、これらの概念情報毎に推定規則を設定することができる。また、前記した独立語についても、その語に適合する感情を概念情報として対応づけた推定規則を設定することができる。
上記したいずれの設定例についても、1つのデータに対して複数とおりの推定規則を設定することができる。この場合、各推定規則には、推定の確度を示す数値を対応づけることができる。
さらにこの発明では、第2の推定規則に、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とを、含めるようにしている。
第1のステップでは、上記した形態素解析辞書、第1の推定規則および第2の推定規則が登録されたデータベースとを、コンピュータのメモリに保存する。第2のステップ以後は、これらメモリに保存されたデータを用いて、入力テキストを処理することができる。
第2のステップでは、入力テキストが形態素に分解され、形態素毎にその表記を含む形態素解析データが作成される。さらに、感性情報の推定の手掛かりとなる形態素にはその手掛かりを表す概念情報を含む形態素解析データが作成される。たとえば、形態素解析データとして、切り分けられた形態素にそれぞれ専用のタグを付け、そのタグの属性データとして概念情報を格納したタグ付きテキストデータを作成することができる。
第3のステップでは、第1推定規則に基づき、文節毎に1または複数の感性情報を設定することができる。なお、この段階では、文節に含まれる形態素の概念情報や形態素と付属語との関係などに適合する複数の推定規則を抽出し、これら規則により導き出される感性情報のすべて、または文節に適合する可能性の高い感性情報を選択することができる。この場合、推定規則に確度が設定されている場合には、導き出した感性情報に確度を対応づけて保存するのが望ましい。また、概念情報の設定された形態素を含まない文節には、感性情報を設定しなくてもよい。
第4のステップでは、句点、スペースなどに基づき、各文節を文の単位にグループ分けし、感性情報が設定された文節を含む文毎に、第2の推定規則に基づき当該文内の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択する。
上記の感性情報推定方法によれば、入力テキストを形態素に分解した後、文節単位の感性情報を設定し、ついで連続する複数の文節により構成される文について感性情報を設定することになる。殆どの文節は、1つの自立語と1〜複数の付属語とにより構成されるので、簡単な推定規則により感性情報を設定することができる。また文に対する処理では、当該文内の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するので、同様に簡単な推定規則で対応することができる。また、逆説の接続語が含まれる文については、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択し、所定数以上の文節が含まれる文については、その文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択するから、これらの文に対し、構文解析などの複雑な処理を行うことなく、適合する感性情報を高い確度で推定することができる。
この発明の感性情報推定方法の第1の態様では、前記第1のステップにおいて、前記形態素解析用辞書および第1、第2の推定規則が登録されたデータベースとともに、形態素の表記または概念情報もしくはこれら双方による配列パターンを特定の概念情報に対応づけた辞書データが複数登録された概念表現辞書を、前記メモリに格納する。前記第2のステップでは、前記入力テキストから形態素解析データを作成した後に、作成された形態素解析データの配列により前記概念表現辞書を照合し、辞書内のいずれかの配列パターンに対応する配列が見つかったとき、その配列に対応する複数の形態素解析データを1つに統合して、統合後の形態素解析データに前記辞書内の対応する配列パターンの概念情報を設定する。
前記概念表現辞書は、所定数の形態素の配列において、個々の形態素には設定されていない概念であるが、各形態素を組み合わせることによって生じる概念を表すものと考えることができる。たとえば、「棚からぼたもち」のような成句に相当する形態素の配列(「棚」「から」「ぼたもち」)と、その配列に適合する感性を表す語(『嬉しい』『思いがけない』など)とを対応づけた辞書データを設定することができる。また、成句ではないが、異なる概念の組み合わせによってその他の概念が喚起されるような形態素の配列にも、前記喚起される概念に対応づけた辞書データを設定することができる。たとえば、「病気」−「なおる」という形態素の配列パターンに『嬉しい』という語を対応づけた辞書データを設定することができる。
さらに、前記概念表現辞書では、形態素の配列に沿ってこれらの形態素の概念情報を配列したものに、他の概念情報を対応づけた辞書データを設定することもできる。これにより、配列の一部の形態素が同じ概念を持つ他の形態素に置き換えられても、いずれの配列も同じ辞書データに対応づけることができる。
たとえば、「給料」、「時給」、「ボーナス」などの語に『賃金』という概念情報が設定され、「上がる」、「アップ」、「上昇」などの語に『増加』という概念情報が設定されている場合に、『賃金』−『増加』という概念情報の配列パターンに『嬉しい』という語を対応づけた辞書データを設定することができる。この辞書データは、「給料が上がる」「時給アップ」など、『賃金』に対応する語と『増加』に対応する語とによる組み合わせのすべてに対応するものとなる。
このほか、概念表現辞書には、形態素の表記と概念情報との組み合わせに所定の概念情報を対応づけた辞書データを設定することもできる。
上記の態様によれば、形態素解析データの作成を終了した後、さらに所定の形態素の配列に対し、形態素の単位では設定できない概念情報を設定することができるので、第3ステップにおける推定をより確かなものとすることができる。
なお、前記概念表現辞書の辞書データの配列パターンは、該当する語や概念情報を一連に配列したものに限らず、所定数の任意の語を挟んで配列されるものとしてもよい。たとえば、前記した「病気」−「なおる」の配列パターンについては、「病気」と「なおる」との間に、任意の付属語(「が」「も」など)が含まれる旨を設定するのが望ましい。また、形態素が動詞や形容詞の場合には、活用形を含むようにしてもよい。
この発明の感性情報推定方法の第2の態様では、前記第4のステップが終了したことに応じて、連続する関係にある複数の文より成るテキストに前記複数の第2の推定規則を適用して、当該テキスト内の各文に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択する第5のステップを、少なくとも1サイクル実行するようにしている。
上記の態様によれば、文単位での感性情報を設定した後に、連続する関係にある複数の文を統合し、これらの文より成るテキストに、各文の感性情報の中の1または複数を選択して設定することができる。したがって、複数の文を含む長いテキストについても、そのテキストから推測される入力者の感情や、テキストに対するイメージを推定することが可能となる。
つぎに、この発明にかかる文字アニメーション作成方法では、前記した形態素解析用辞書、第1の推定規則および第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベース、および文字アニメーションの基本動作を示す複数種のテンプレートをそれぞれ特定の感性情報に対応づけたテンプレートファイルを、前記コンピュータのメモリに保存する第1のステップを実行した後、前記感性情報推定方法と同様の第2〜4のステップを実行する。さらに、感性情報が設定された所定のを選択して、選択した文に設定された感性情報に対応するテンプレートを前記テンプレートファイルから読み出し、そのテンプレートに基づき前記選択した文全体または当該文中の一部に相当する文字列から文字アニメーションの画像データを作成する第5のステップと、前記第5のステップで作成された画像データを出力する第6のステップとを、実行するようにしている。また、第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが含まれている。
上記において、前記テンプレートは、文字アニメーションのプログラムテンプレートであって、ひな形の文字列の動きとして表すことができる。この発明にかかるテンプレートファイルには、前記第1、第2の推定規則により導き出し得る感性情報毎に、少なくとも1つ(好ましくは複数)のテンプレートを設定することができる。勿論、観念が類似する複数の感性情報に対し共通のテンプレートを設定することもできる。
第5のステップでは、第4のステップにおいて感性情報が設定された所定のを選択した後、その感性情報に対応するテンプレートを読み出し、ひな形の文字列を文全体または文の一部の文字列に置き換えることにより、文字アニメーションの画像データを作成することができる。また、別途、複数の文字フォントを用意しておき、選択されたグループの感性情報に応じた所定のフォントを選択して前記テンプレートに適用するようにしてもよい。
なお、この第5のステップでは、感性情報が設定されたすべてのを選択することができるが、これに限らず、たとえば、文字数が所定数以内となるを選択するようにしてもよい。また、テキストの入力者自身の選択操作を受け付けて、その操作により指定されたを選択してもよい。
第6のステップでは、作成された画像データを所定の表示装置に出力することができる。または、電気通信回線を介して所定の通信端末に出力することもできる。なお、この明細書でいうところの電気通信回線は、インターネットのようなコンピュータネットワークを構成するものとすることができる。また、有線または無線のいずれの通信回線も含めることができる。
上記の文字アニメーション作成方法によれば、ユーザーは、アニメーション作成のための複雑な設定や操作を行うことなく、テキストを入力するだけで、自身の入力テキストに適合した文字アニメーションを作成することができる。
上記文字アニメーション作成方法の好ましい一態様では、第5のステップにおいて、前記選択された文の中から当該文に設定された感性情報と同一または類似の感性情報が設定された文節を抽出し、この文節の文字列にテンプレートを適用して文字アニメーションの画像データを作成する。このような処理によれば、文の感性情報に適合する概念の文字列による文字アニメーションを自動的に作成することが可能になる。
つぎに、この発明にかかる感性情報推定のためのプログラムは、前記感性情報推定方法にかかる第1のステップをコンピュータに実行させるための第1プログラムと、前記第1プログラムの実行によりメモリに保存されたデータを用いて前記感性情報を推定する機能を前記コンピュータに与えるための第2プログラムとを含む。前記第2プログラムは、前記テキストが入力されたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める形態素解析手段;前記形態素解析手段により作成された形態素解析データを文節単位で切り分け、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第1の感性情報設定手段;前記第1の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第2の感性情報設定手段;の各手段として前記コンピュータを機能させる。またこのプログラムによる第2の推定規則にも、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている。
上記第2プログラムによる各手段の機能が設定されたコンピュータによれば、前記感性情報推定方法の第2〜第4のステップを、実行することができる。よって、第1のプログラムにより格納された形態素解析用辞書および第1,第2の推定規則と、第2のプログラムによりコンピュータに設定された機能とを用いて、前記感性情報推定方法を実行することができる。
また、上記の第1プログラムには、前記形態素解析用辞書および第1、第2の推定規則が登録されたデータベースとともに、前記した概念表現辞書をメモリに格納する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含ませることができる。また、第2プログラムには、前記入力テキストから形態素解析データを作成した後に、作成された形態素解析データの配列により前記概念表現辞書を照合する機能と、この照合により辞書内のいずれかの配列パターンに対応する配列が見つかったとき、その配列に対応する複数の形態素解析データを1つに統合して、統合後の形態素解析データに前記辞書内の対応する配列パターンの概念辞書を設定する機能とを、前記形態素解析手段に設定するためのプログラムを含ませることができる。これらのプログラムが導入されることにより、前記感性情報推定方法にかかる第1の態様を実行することができる。
また、前記第2のプログラムには、前記第2の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、連続する関係にある複数の文より成るテキストに前記複数の第2の推定規則を適用して、当該テキスト内の各文に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するステップを、少なくとも1サイクル実行する第3の感性情報設定手段として、前記コンピュータを機能させるためのプログラムを含めることができる。このような設定により、前記感性情報推定方法にかかる第2の態様を実行することができる。
つぎに、この発明にかかる文字アニメーション作成用のプログラムは、前記文字アニメーション作成方法にかかる第1のステップをコンピュータに実行させるための第1プログラムと、前記第1プログラムの実行によりメモリに保存されたデータを用いて前記文字アニメーションを作成する機能を前記コンピュータに与えるための第2プログラムとを含む。前記第2プログラムは、前記した形態素解析手段、第1の感性情報設定手段、第2の感性情報設定手段のほか、第2の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、感性情報が設定された所定の文を選択して、選択した文に設定された感性情報に対応するテンプレートを前記テンプレートファイルから読み出し、そのテンプレートに基づき前記選択した文全体または当該文中の一部に相当する文字列から文字アニメーションの画像データを作成するアニメーション作成手段;前記アニメーション作成手段により作成された画像データをコンピュータの外部に出力する出力手段;の各手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを含む。また、このプログラムによる第2の推定規則にも、前出の2種類の規則が含まれる。
上記第2プログラムによれば、前記文字アニメーション作成方法の第2〜6の各ステップを実行することができる。よって、第1プログラムの実行によりメモリ内に格納された形態素解析用辞書、第1,第2の推定規則、およびテンプレートファイルと、第2プログラムにより設定された機能を用いて、前記アニメーション作成方法を実行することができる。
なお、上記第2プログラムのうち、アニメーション作成手段にかかるプログラムには、選択された文の中から当該文に設定された感性情報と同一または類似の感性情報が設定された文節を抽出し、この文節の文字列に前記テンプレートを適用して文字アニメーションの画像データを作成するような設定を行うことができる。
上記の感性情報推定用のプログラムおよび文字アニメーション作成用のプログラムは、いずれも、電気通信回線を介してコンピュータにダウンロードすることが可能なものである。また、CD−ROM,CD−R,DVDなどの記憶媒体に格納して、コンピュータに提供することもできる。
さらに、前記感性情報推定用のプログラムが導入されたコンピュータは、この発明にかかる感性情報推定装置の制御部として機能させることができる。この感性情報推定装置は、所定のテキストを入力するための入力手段と、前記形態素解析用辞書および第1,第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースを記憶するメモリを具備するほか、形態素解析手段、第1の感性情報設定手段、第2の感性情報設定手段の各手段を具備するものとなる。
前記入力手段は、キーボードなど、テキストを直接入力するための手段としても良いが、これに限らず、音声情報を入力し、これをテキストデータに変換する手段としてもよい。また、光学的にテキストを読み取る手段としてもよい。
この感性情報推定装置による推定結果は、外部の装置や電気通信回線に出力することができるが、これに限らず、この装置の制御部を構成するコンピュータに設定された他のシステムにおいて、推定結果に基づき所定の処理を実行することもできる。
たとえば、上記の感性情報推定装置は、人間が文字または音声で入力したテキスト情報に対して、所定のテキスト情報を表示または音声出力する対話型ロボットに組み込むことができる。この場合、制御主体となる装置内のコンピュータは、感性情報の推定結果に基づき応答情報の内容を種々に変更することが可能となるので、人間との適切なコミュニケーションをとることが可能な対話型ロボットを提供することができる。
つぎに、前記文字アニメーション作成用のプログラムが導入されたコンピュータは、この発明にかかる文字アニメーション作成装置の制御部として機能することができる。この文字アニメーション作成装置は、所定のテキストを入力するための入力手段や、前記形態素解析用辞書、第1および第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベース、および前記文字アニメーション用のテンプレートファイルを記憶するメモリのほか、形態素解析手段、第1の感性情報設定手段、第2の感性情報設定手段、アニメーション作成手段、出力手段を具備するものとなる。
この装置の入力手段も、キーボードなどのテキストを直接入力する手段のほか、音声を入力してテキストに変換する手段や光学的にテキストを読み取る手段とすることもできる。
また、この装置にかかる出力手段は、電気通信回線に前記文字アニメーションの画像データを出力するための通信用回路を含むものとすることができる。この場合の文字アニメーション作成装置は、メール用のテキストの入力を受け付け、これを文字アニメーションに自動変換して送信することが可能な通信端末を構成することができる。
また、前記入力手段は、電子通信回線を介して所定の通信端末からのメール用のテキストデータの送信を受け付ける手段として構成することもできる。さらに、出力手段に前記通信用回線を含めることにより、この文字アニメーション作成装置は、前記所定の通信端末からのメールに含まれるテキストを文字アニメーションに自動変換し、相手先の通信端末に伝送するサーバー用コンピュータとして構成することができる。
この発明にかかる感性情報推定処理によれば、形態素の表記に感性情報の推定の手掛かりとなる概念情報を対応づけた形態素解析データを作成し、この形態素解析データを用いて文節単位の感性情報を設定した後に、各文節を文の単位にグループ分けして、感性情報が設定された文節を含む文毎に、その文内の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択する方法により、文単位の感性情報を推定するので、簡単な推定規則をもって高速の推定処理を行うことができる。また、逆接の接続語が含まれる文や、所定数以上の文節を含む文についても、その文の構成に適合する推定規則を用いて感性情報を高い確度で推定することができる。
また、この発明にかかる文字アニメーション作成方法によれば、を入力するだけで、その文の表現に適合する感性情報に基づく文字アニメーションを自動作成することができる。よって、ユーザーに複雑な設定や入力をさせることなく、ユーザーの意図やテキストの表現に応じた文字アニメーションを作成することができる。
図1は、この発明にかかる文字アニメーション作成システムに設定される機能を示す。
この文字アニメーション作成システム1は、任意のテキストの入力を受け付けて、そのテキスト内の所定の文字列を文字アニメーションに自動変換するもので、所定のプログラムやデータファイルがインストールされたコンピュータにより構成される。
この文字アニメーション作成システム1は、テキスト入力部2、感性情報推定部3、文字アニメーション生成部4、画像出力部5を具備する。これらはいずれも、ソフトウェアによりコンピュータのCPUに設定されるものである。テキスト入力部2は、図示しない上位システムから処理対象のテキストデータを受け付ける機能を具備する。感性情報推定部3は、テキスト入力部2が入力したテキストに適合する感性情報を推定する。文字アニメーション作成部4は、推定された感性情報に基づき、入力テキストから文字アニメーションの画像データを作成する。画像出力部5は、文字アニメーション作成部4により作成された画像データを前記上位システムに出力するためのものである。
以下、この文字アニメーション作成システム1の主要素である感性情報推定部3と文字アニメーション作成部4とについて、構成および処理の詳細を説明する。
(1)感性情報推定部3について
この実施例の感性情報推定部3には、形態素解析用辞書31、概念表現辞書32、推定規則ファイル33、形態素解析部34、表現パターンマッチング処理部35、および第1〜4の推定処理部36,37,38,39が含まれる。
図2は、感性情報推定部3における処理の流れを示す。この処理は、感性情報を推定する上での手掛かりとなる情報を抽出する処理と、抽出された情報を用いて感性情報を推定する処理とを一連に実行するものである。手掛かりとなる情報を抽出する処理では、形態素解析部34による処理(ステップ1)と表現パターンマッチング処理部35による処理(ステップ2)とを順に実行する。また、感性情報を推定する処理では、ステップ3において、第1推定処理部36により文節に対する推定処理を実行した後、第2推定処理部37による文に対する推定処理(ステップ4)、第3推定処理部38による段落に対する推定処理(ステップ5)、第4推定処理部39によるテキスト全体に対する推定処理(ステップ6)を、順に実行する。
図3は、形態素解析用辞書31に設定された辞書データの一例を示す。この実施例の辞書データは、いずれも、形態素の表記に属性データを対応づけたものである。属性データには、(形態素の)読み、品詞、および概念の3種類の情報が含まれる。ただし、この実施例の概念情報は、感性情報を推定する手掛かりを表すものであり、その手掛かりを持つと考えられる形態素にのみ設定される。なお、概念情報には、感情やテキストから生じるイメージを直接的に表現する語による情報(すなわち感性情報そのもの)が設定される場合もあるが、感性を直接表現しない情報も多々設定される。
図4は、前記概念表現辞書32に設定された辞書データの一例を示す。この辞書データは、所定の形態素の組み合わせによる表現パターンを所定の概念情報に対応づけたものである。なお、この概念表現辞書32における概念情報も、前記形態素解析用辞書31の辞書データと同様に、感性情報を推定する上での手掛かりを表すものである。
図4の表現パターンでは、[]でくくられたデータが1つの形態素に対応する。以下、このデータを形態素データという。この形態素データは、前記形態素解析辞書31に含まれる各要素を、[表記,読み,品詞,概念]の順に配列したものである。ただし、この形態素データは、表記または概念のいずれか一方が設定されていれば、他のデータは空白としてもよい。図4の例においては、表記または概念のみから成る形態素データが多数を占めており、読みや品詞は、動詞や形容詞にかかる形態素をその活用形も含めて表す場合にのみ設定されている。
図4の表現パターンは、(c)の例を除き、所定数の形態素の配列に含まれる各形態素の形態素データを配列順に並べたものである。ここで登録対象となる表現パターンは、配列中の各形態素を単独で使用したときには生じない概念を示すものである。たとえば、(a)の「棚からぼたもち」や(e)の「鬼の目にも涙」のような成句にかかる形態素の配列がこれに相当する。また、成句でなくとも、一般的な表現であって、所定の概念を表す形態素配列であれば、表現パターンとして登録することができる。
また、この実施例では、形態素の表記を特定せずに、概念情報の組み合わせによる表現パターンを登録することができる。この場合の表現パターンは、パターン内の各概念に対応する任意の形態素を組み合わせた複数とおりの形態素配列を含むことになる。図中の(b)は、概念の組み合わせを表現パターンとした例である。このほか、(d)のように、概念と表記との組み合わせによる表現パターンを登録することもできる。
さらに、(b)(d)の表現パターンにおける<fzk>は、その前後の形態素データに対応する語の間に、任意の数(0以上)の付属語を配置できることを示す。ただし、この付属語は、同じ文中に含まれるものであることを条件とする。
さらに、図中の(c)は、表現パターンの特殊な例を示す。この表現パターンは、単独の形態素であって、その表記中に特定の文字(図示例では「楽」)を含む形態素により構成される。
上記した各表現パターンには、感性を直接表現する語または感性を推定する手掛かりとなる概念を示す語が、概念情報として設定される。
形態素解析部34は、前記した形態素解析用辞書31を用いて入力テキストに対する形態素解析を行い、その解析結果に基づき、形態素毎にタグが設定されたタグ付きテキストデータを作成する。
図5(1)は、入力テキストの例を、図5(2)は、この入力テキストに対する形態素解析により作成されたタグ付きテキストデータの例を、それぞれ示す。
この実施例の形態素解析処理では、入力テキストを形態素毎に切り分けるとともに、自立語と付属語との組み合わせなどに基づいて文節の区切りを認識する。また、句点(。)に基づき、文の区切りを認識する処理も実行している。
図示のタグ付きテキストデータでは、形態素毎に、その表記をタグ<w>とタグ</w>との間に挟み、さらに、文節単位のデータ(文節内に含まれる形態素のタグおよび表記)をタグ<phase>とタグ</phase>との間に配置する。また、文の区切りには、空白行が自動挿入される。なお、以下では、タグ<w>,</w>を「形態素タグ」、タグ<phase>,</phase>を「文節タグ」と呼ぶ。
さらに、各形態素の前方に設定される形態素タグ<w>には、品詞および概念の各属性データが格納される。図中、「tag=”*”」の部分が品詞情報に、「attr=”*”」の部分が概念情報に、それぞれ相当する(*には、それぞれ任意の属性データがあてはめられる。)。なお、概念情報は、該当する形態素の辞書データに概念情報が設定されている場合のみ設定される。
このタグ付きテキストデータは、表現パターンマッチング処理部35、第1〜第4の推定処理部36〜39に順次渡されて、タグ構造が書き換えられる。その詳細については、各処理部にかかる処理を説明する際に例示する。
つぎに、表現パターンマッチング処理部35は、前記タグ付きテキストデータに含まれる形態素の配列を前記概念表現辞書32と照合することによって、特定の感性を表現する表現パターンを抽出し、そのパターンに適合する概念情報を設定する処理を実行する。
図6は、前記表現パターンマッチング処理の詳細な手順を示す。なお、図中のSTは、「STEP」(ステップ)の略である。以下の説明でも、これに倣って、ステップを「ST」として示す。
まず、最初のST201で、前記形態素解析部34による形態素解析結果(前記図5に示したタグ付きテキストデータ)を入力した後、ST202で、カウンタiをゼロリセットする。このiは、テキスト中の形態素の位置を表すもので、以下、iが最終位置を示す値になるまで、以下の処理を実行する。なお、この図6の手順は、文毎に実行されるもので、処理対象の文に含まれる形態素の総数をNとすると、前記形態素の最終位置は(N−1)として表される。以下に述べる文節の最終位置、文の最終位置、段落の最終位置も、これと同様の考えによるものである。
ST203では、i番目の形態素wに着目し、この形態素wにより前記概念表現辞書32を検索する。この検索は、形態素wの表記または概念を配列の先頭とする表現パターンを探す方法により行われる。表現パターンが見つからない場合には、ST204からST208に進んでiを1つ大きな値に更新し、つぎの位置にかかる形態素について、同様の検索を実行する。
所定位置の形態素wについて、この形態素wを先頭とする形態素配列に対応する表現パターンが見つかると、ST204が「YES」となってST205に進む。このST205では、前記形態素wを先頭とする形態素配列に、見つかった表現パターンの概念情報を対応づける。つぎのST206では、この対応づけに基づき、前記タグ付きテキストデータのタグ構造を書き換える。さらに、ST207では、前記iの値を、形態素配列に含まれる形態素の数Lwを加算した値に更新する。
このような手順を着目位置が最終位置になるまで繰り返すことにより、タグ付きテキストデータの中から概念表現辞書32に登録された表現パターンに対応する形態素配列が抽出され、その配列にかかるタグ構造の書き換えが行われる。
図7は、前記形態素解析により作成されたタグ付きテキストデータが前記表現パターンマッチング処理により変化した例を示す。なお、図7では、書き換えの対象となったデータを点線枠で囲んで示している。
この例では、テキスト中の「鼻/が/高い」(/は形態素の区切りを意味する。)という配列と、「風邪/ひく」という配列とについて、それぞれ表現パターンマッチング処理で適合する表現パターンが抽出されている。前者の配列を含むデータは、データaからデータAに、後者の配列を含むデータは、データbからデータBに、それぞれ変化している。更新後のデータA,Bでは、形態素毎に設定されていた形態素タグが消失し、配列全体に対して形態素タグ<w></w>が設定される。また書き換え前のデータa,bでは、前記表現パターンに対応する形態素配列が2つの文節にかかるものとして処理されていたが、書き換え後のデータA,Bでは、これらの形態素配列とその付属語とが1つの文節に含まれるように、文節タグが付け替えられている。さらに、各データA,Bとも、前記形態素配列の前方の形態素タグ<w>には、品詞情報として『成句』が、概念情報として前記概念表現辞書32から読み出された概念情報が、それぞれ設定されている。
つぎに、感性情報を推定する処理(図2のステップ3〜6)では、前記推定規則ファイル33内に格納された推定規則を使用する。この推定規則ファイル33内には、第1推定処理部36による推定処理に使用される第1推定規則と、第2〜4の推定処理部37,38,39による推定処理に使用される第2推定規則とが、それぞれ格納される。なお、第2推定規則については、第2〜4の推定処理部37,38,39毎の専用の規則として細分化してもよい。
図8は、上記第1推定規則の例を示す。
この実施例の第1推定規則は、文節内の形態素に設定された概念情報について各種条件を設定し、各条件にそれぞれ推定される感性情報およびその推定の確度を対応づけたものである。条件としては、所定の概念情報が設定された形態素の位置(図中のイ)、文節内に含まれる概念情報の種類(ロ、ホ)、概念情報と所定の付属語との組み合わせ(ハ、ニ、ヘ)などが設定されている。
なお、図8には示していないが、感情を表す概念情報とイメージを表す概念情報とが含まれる場合には、双方の情報を感性情報として採用するという規則なども、設定することができる。
図9は、前記第1推定処理部36による推定処理の詳細な手順を示す。なお、この手順も、文毎に実行されるものである。
まず、ST301において、前記表現パターンマッチング処理を経たタグ付きテキストデータを入力する。なお、この入力の際に、前記文節タグに基づき、文節の数および位置を認識する処理を実行する。つぎのST302では、文節の位置を示すカウンタjをゼロリセットする。
ST303では、j番目の文節pに着目し、この文節内の各形態素タグに含まれる概念情報や付属語にあたる形態素を抽出する。そして、ST304では、前記推定規則データファイル33から文節pに含まれる概念情報や付属語の構成に適合する推定規則を抽出する。さらに、ST305では、抽出された推定規則に基づいて、文節に適合する所定数の感性情報を推定する。
この推定処理では、まず、前記ST304で抽出された推定規則毎に、その規則に対応する感性情報を文節に適合する感性情報の候補として設定する。ここで、候補が1つであれば、その候補が文節の感性情報として選択されることになる。また、2種類以上の候補が存在する場合には、確度の高い方の規則にかかる候補を選択することができる。ただし、ここでは、候補間の確度の差が所定値以内である場合には、両方の候補をともに選択するなど、柔軟性のある選択処理を行うことができる。
このようにして文節の感性情報が推定されると、ST306では、推定結果に基づき、前記タグ付きデータファイルのタグ構造を書き換える。なお、この手順には記載していないが、文節内に概念情報が設定された形態素が存在しない場合には、ST304〜306はスキップされる。
以下、上記した処理を文節毎に繰り返すことにより、各文節に適合する感性情報が推定され、その推定結果に基づき文節タグの構造が書き換えられる。
図10は、前記図7の表現パターンマッチング処理後のタグ付きテキストデータが、文節に対する推定処理により変化した例を示す。この例では、文節タグ<phase>に、属性データとして、推定された感性情報が付与されている(図中、該当する文節タグをC,D,E,Fとして示す。)。なお、感性情報も、概念情報と同じく、attr=”*”として表される。
図中、タグCには、下位の形態素タグにおける概念情報『挨拶』『嬉しい』がそのまま感性情報として採用されている。これは、感情を表す情報(『嬉しい』)とイメージを表す情報(『挨拶』)とが存在する場合、両者をともに選択する、という推定規則に基づくものである。
タグDでは、下位の形態素タグに概念情報が設定されていないため、感性情報は空白に設定されている。タグEでは、下位に、感情を表す概念『嬉しい』が設定された文節タグとイメージを表す概念『親しみ』が設定されている文節タグとが存在することから、これら双方のタグの情報を感性情報として設定している。タグFには、『いたわり』という感性情報が設定されている。これは、下位の文節タグの『悲しい』、『打消』、『親しみ』などの概念から導き出した推定規則のうち、前記図8の推定規則「へ」を優先させたことによるものである。
なお、図示のタグ付きテキストデータには、推定処理で得た確度が反映されていない。ただし、この確度は、別途、つぎの推定処理のために、RAMなどに保存することもできる。
つぎに、第2推定処理部37による文に対する推定処理では、前記文節に対する推定処理後のタグ付きテキストデータを用いて、このテキストに含まれる文毎に、その文内の各文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択する処理を実行する。
この選択のために使用される第2推定規則としては、まず、文節タグに設定された感性情報の中から確度が所定値以上の感性情報を優先的に選択する、という規則が設定される。また、感性情報の設定された文節が1つだけである場合には、その文節にかかる感性情報をそのまま選択する、という規則も設定される。さらに、文の中に逆説の接続語が含まれるという条件に対し、その接続語より後の文節にかかる感性情報を選択するという規則、文節の数が所定数以上の場合に、文の後半を構成する文節の感性情報を優先して選択するという規則、感情を表す感性情報とイメージを表す感性情報とが存在する場合には、双方の情報を選択するという規則などが設定される。また、同等の確度を持つ複数の感性情報が存在する、という条件に対し、文に対する比重の大きい文節にかかる感性情報を選択するという規則を設定することもできる。この場合の比重は、文節内の形態素数に基づき判断される。また、第2推定規則にも確度を設定し、推定処理において複数の推定規則が抽出された場合には、確度の大きさに基づき感性情報を選択するようにしてもよい。
図11は、前記文に対する推定処理の詳細な手順を示す。
この手順では、まず、ST401において、文節に対する推定処理を経たタグ付きテキストデータを入力する。ついでST402では、このタグ付きテキストデータ中の空白行に基づき、文の切れ目および文の数を認識する。なお、前記図10に示した例によれば、第2文と第3文との間には、自動挿入された空白行のほかに入力者により設定された空白行も存在するが、ST402では、これらの空白行のうち第2文の直後の自動挿入された空白行のみを認識する。
ST403では、文の位置を示すカウンタkをゼロリセットし、以下、文毎につぎのような処理を実行する。
まず、ST404では、k番目の文sに着目し、この文s中の文節タグの数、各文節タグに設定された感性情報、接続語の有無などを認識する。ST405では、前記の認識結果に適合する推定規則を読み出す。つぎのST406では、前記推定規則に基づき、各文節の感性情報の中から文に適合する情報を推定する。そして、ST407では、感性情報の選択結果に基づき、前記タグ文書データのタグ構造を書き換える処理を実行する。
この後、ST408からST409に進んでkの値を更新し、ST404に戻ることにより、つぎの文について同様の処理を実行する。文書中の最後の文に対する推定が終了すると、ST408が「YES」となり、一連の処理を終了する。
図12は、前記文節に対する推定処理後のタグ付きテキストデータが文に対する推定処理を経て変化した例を示す。文に対する推定処理後のデータでは、新たに、文単位のデータにタグ<sentence>,</sentence>が設定される。以下、この新たなタグ<sentece>,</sentence>を「文のタグ」という。この文のタグの設定により、タグ付きテキストデータは、文のタグ、文節タグ、形態素タグ、および形態素の表記が、入れ子構造になった構成に変化する。なお、前記自動挿入された空白行は削除される。
さらに文のタグのうちの前方のタグ<sentence>には、属性データとして、前記推定処理により設定された感性情報が設定される(図中、該当する文のタグをG,H,Iとして示す。)。
タグGでは、下位の文節タグに設定された感性情報『挨拶』『嬉しい』がそのまま感性情報として設定されている。タグHでは、1番目の文節タグに感性情報が設定されていないため、2番目の文節タグに設定された感性情報を採用している。なお、この2番目の文節タグには、感情を表す情報『嬉しい』とイメージを表す情報『親しみ』とが設定されているが、文のタグにも、同様に2つの感性情報が設定される。タグIにおいても、下位の文節タグが感性情報『いたわり』がそのまま採用されている。
このように文に対する推定処理は、第2推定規則に基づき、1つの下位の文節タグに設定された感性情報から1または複数の感性情報を選択する方法により行われる。以下、第3推定処理部による段落に対する推定処理、第4推定処理部による文に対する推定処理でも、同様の第2推定規則に基づき、1つ下位のタグに設定された感性情報から1または複数の感性情報を選択する処理を実行する。
段落に対する推定処理では、前記文に対する推定処理後のタグ付きテキストデータに残された空白行(すなわち、テキストの入力者が意図的に挿入した空白行である。)に基づき、段落の切れ目を判断する。ただし、段落の切れ目の判断はこれに限らず、改行された位置で区切ったり、所定数の文毎に区切るようにしてもよい。なお、推定処理の手順は、前記図11の手順に準じたものとなるので、図示および詳細な説明は省略する。
図13は、前記文に対する推定処理後のデータが段落に対する推定処理により変化した例を示す。段落に対する推定処理後のデータでは、新たに、段落単位のデータにタグ<paragraph>,</paragraph>が設定される。以下、このタグ<paragraph>,</paragraph>を「段落タグ」という。この設定により、タグ付きテキストデータは、段落タグ、文のタグ、文節タグ、形態素タグ、および形態素の表記が、入れ子構造になった構成に変化する。
さらに、前方の段落タグ<paragraph>には、属性データとして、前記推定処理により設定された感性情報が設定される。図中、該当するタグをJ,Kとして示す。
図中、タグJでは、下位の2つの文のタグに設定された感性情報の中から、2番目のタグに設定された感性情報『嬉しい』、『親しみ』を選択している。この選択は、後半の文に設定された感性情報を優先するという推定規則に基づくものである。一方、タグKでは、文のタグが1組しかないため、そのタグに設定された感性情報『いたわり』をそのまま感性情報として採用している。
図14は、前記段落に対する推定処理後のタグ付きテキストデータを用いてテキスト全体に対する推定処理を行い、その推定処理に基づく書き換えによりデータが変化した例を示す。なお、このテキスト全体に対する推定処理も、文,段落に対する推定処理と同様の推定規則に基づき前記図11の手順に準じた流れで実行されることになる。
図14の推定処理後のデータでは、新たに、テキスト全体のデータにタグ<text>,</text>が設定される。以下、このタグ<text>,</text>を「文書タグ」という。この文書タグの設定により、タグ付きテキストデータは、文書タグ、段落タグ、文のタグ、文節タグ、形態素タグ、および形態素の表記が、入れ子構造で配置された構成に変化する。
さらに、前方の文書タグLには、属性データとして、前記推定処理により得られた感性情報が設定される。この例では、1つ下位の段落タグに設定された感性情報のうち、1番目の段落タグの感性情報『嬉しい』『親しみ』を選択している。この選択は、テキスト全体に対する比重の高い方の段落を優先する、という規則に基づくものである。
以上、述べたように、この実施例にかかる感性推定処理では、形態素を分析する段階において、感性情報を推定する手掛かりとなる概念情報を形態素に対応づけしたタグ付きテキストデータを作成し、以後、文節、文、段落、テキスト全体に対する推定処理を段階的に進めるようにしている。文節に対する推定処理では、主として、自立語と付属語の組み合わせや文節内の自立語の位置に基づく推定処理を行うが、殆どの文節は、1つの自立語と1〜複数の付属語から構成されるので、図8に示したような簡単な推定規則で対応することができる。また、文、段落、テキスト全体に対する推定処理では、それぞれ一つ下位の推定結果の中から適切な感性情報を選択する処理を行うので、構文の関係に基づく複雑な推定規則を用いる必要がなく、選択における優先順位を決める程度の簡単な推定規則で対応することができる。よって、入力テキストに適合する感性情報を、高速かつ高い確度で推定することが可能となる。
(2)文字アニメーション作成部について
ここで図1に戻って、アニメーション作成部4の構成を説明する。この実施例の文字アニメーション作成部4には、テンプレートファイル41、フォント辞書42、アニメーション単位選択部43、画像作成部44、画像合成部45が含まれる。
前記テンプレートファイル41には、文字アニメーションの基本動作を示すプログラムテンプレート(以下、単に「テンプレート」という。)が複数格納される。各テンプレートは、それぞれ所定の感情やイメージを想定して作成されたもので、想定された感情またはイメージに該当する感性情報を対応づけた形で登録される。なお、1つの感性情報に対し、複数種のテンプレートを登録することもできる。なお、各テンプレートには、文字列を移動、回転、拡大または縮小させるためのプログラムのほか、文字の色彩、フォントの種類などの設定データを含ませることができる。
フォント辞書42には、複数種のフォントについて、それぞれ種々の文字の静止画像データ(以下、「文字画像」という。)が格納される。
図15は、上記アニメーション生成部4による処理の概略手順を示す。なお、この図15の処理は前記図2の手順に続いて実行されることから、最初のステップをステップ7としている。
ステップ7は、アニメーション単位選択部43による処理である。アニメーション単位選択部43は、前記感性情報推定部3により作成されたタグ付きテキストデータを入力し、そのタグ構造に基づき、文、段落などの所定の単位で文字アニメーションの対象の文字列を選択する。さらに、アニメーション単位選択部43は、選択された文字列に対応する感性情報に基づき、前記テンプレートファイル42から所定のテンプレートを読み出して、前記文字列に対応づける。なお、選択された文字列に対して複数の感性情報が設定されている場合には、ランダムまたは各感性情報の確度などに基づき、いずれか1つの感性情報を選択した上でテンプレートの読み出しを行うとよい。または、テンプレートファイル41に、出現頻度の高い感性情報の組み合わせに対応するテンプレートを設定しておくことで、対応することもできる。
つぎのステップ8では、前記画像作成部44により、前記対応づけられた文字列毎に、ひとまとまりの動きを示す文字アニメーションの画像データを作成する(以下では、この文字列単位での文字アニメーションを、「アニメーションパーツ」という。)。なお、このステップ8では、文字列を構成する各文字について、前記フォント辞書42から所定のフォントによる文字画像を読み出し、これらの文字画像にテンプレートのプログラムを適用することによって、1つのアニメーションパーツを作成する。
最後のステップ9では、画像合成部45により、画像作成部44の作成したアニメーションパーツを1つの画像データとして合成する処理が行われる。なお、この画像合成処理では、各アニメーションパーツが同一画面上で動くように設定することもできるが、これに限らず、各アニメーションパーツが画面に順に出現するように設定することもできる。
図16は、前記アニメーション単位選択部43による処理の概要を示す。図示例のタグ付きテキストデータは、前記感性情報推定部3による段階的な処理により作成された最終のデータであって、前記した文書タグ、段落タグ、文のタグ、文節タグ、形態素タグ、および形態素の表記が、入れ子構造に配置された構成のものである。
この実施例では、アニメーションパーツに適用する文字列を段落単位で選択し、それぞれの段落に含まれる形態素による文字列(「がちょーん」「これじゃダメじゃん」)を抽出している。また、各段落について、それぞれその段落タグに設定された感性情報に対応するテンプレートT1,T2を選択し、前記処理対象の文字列とテンプレートとの対応づけを行うようにしている。
図17は、前記図16の対応づけ結果を受けた画像作成部44および画像合成部45による処理の概要を示す。画像作成部44は、それぞれ前記処理対象の文字列から所定のフォントによる文字画像U1,U2を設定し、これを対応するテンプレートT1,T2にあてはめる。これにより、文字列毎に個別のアニメーションパーツP1,P2が作成される。画像合成部45は、これらのアニメーションパーツP1,P2を合成して、各パーツが同一画面上で動く画像データVを作成する。
なお、上記図16,17の例では、段落単位でのアニメーションパーツを作成する処理を示すために、各段落に含まれる文を1つとし、また文の長さを短くした。ただし、段落に複数の文が含まれる場合などには、文単位で文字アニメーションを作成することもできる。また、テンプレートにあてはめられる文字列には上限があるので、アニメーションパーツの単位を選択する際には、文字数が所定数以下となることを条件にしてもよい。
また、文の単位でアニメーションパーツを作成する場合には、つぎのような点を考慮する必要がある。接続語を挟んだ複文構造の文では、前半(接続語より前)と後半(接続語より後)とで設定される感性情報が異なる場合がある、という点である。このような文については、前半と後半との感性情報に違いがあるかどうかをチェックし、変化が認められた場合には、それぞれの部分を個別の処理単位として設定し、それぞれの単位に適したテンプレートを設定するのが望ましい。また、逆説の接続語が使用されている場合には、後半の感性情報が文の感性情報として選択される可能性が高いので、後半の文字列のみを処理単位としてもよい。
また、複文構造の文については、感性情報推定処理の段階で、前半部分と後半部分とをそれぞれ個別の文とみなし、それぞれに文のタグを付すようにしてもよい。このようにすれば、アニメーションパーツの単位を選択する際に、上記のような煩雑な判断を入れる必要がないから、文字列とテンプレートとの対応づけを簡単かつ高速で行うことができる。
ここで、アニメーションパーツを文の単位で作成する場合の文字アニメーション単位選択部43の処理について、具体例を2例あげて説明する。まず、図18は、テキスト中の文の中から文字数が所定数以内のものを選択してテンプレートを設定する場合の手順である。
この手順では、まず、ST701において、前記感性情報推定部3により作成された最終のタグ付きテキストデータを入力する。なお、この入力の際には、データ中の文のタグに基づき、文の数および位置を確認する処理が実行される。
つぎのST702では、文の位置を示すカウンタkをゼロリセットし、以下、このkが最終位置を示す値になるまで、つぎの処理を実行する。
ST703では、k番目の文sに着目する。そして、この文中の形態素タグに基づき、文に含まれる各形態素を抽出し、文字数を累計する。ここで、文字数の累計値が所定の上限値Nmaxを超える場合には、つぎの文に着目対象を移す。
文字数の累計値が前記上限値Nmax以下であれば、ST704からST705に進む。ST705では、着目中の文sの文のタグに設定された感性情報Xを抽出し、この感性情報Xに適合するテンプレートYをテンプレートファイルから読み出す。さらに、ST706では、前記文sの文字列とテンプレートYとを対応づけてメモリに保存する。
このような処理を文毎に実行することにより、文字数がNmax以下の文が選択され、これらの文の文字列にそれぞれ所定のテンプレートが対応づけされる。よって、つぎの画像作成部の処理により、選択された文毎にアニメーションパーツが作成されることになる。
つぎの図19は、テキスト全体に設定された感性情報と同一または類似の観念を持つ感性情報が設定された文を選択するようにしたものである。なお、この手順は、先の図18の手順とは独立して実行されるものであるが、ここではステップの混同を避けるために、最初のステップをST710とする。
ST710では、感性情報推定部3により作成された最終のタグ付きテキストデータを入力する。つぎのST711では、このデータの文書タグに設定された感性情報Xを抽出する。そして、ST712でカウンタkをゼロリセットした後、以下の処理を実行する。
ST713では、k番目の文sに着目し、続くST714において、この文sのタグから、感性情報X1を抽出する。ここで感性情報X1が前記感性情報Xと同一またはXに類似する観念を示すものであれば、ST715が「YES」となってST716に進む。ST716では、前記感性情報X1に対応するテンプレートY1をテンプレートファイル41から読み出す。さらに、続くST717において、着目中の文sの文字列と読み出されたテンプレートY1とを対応づけてメモリに保存する。
以下、kの値を更新しつつ上記の処理を繰り返すことにより、テキスト全体に対する感性情報Xと同一または類似の感性情報が設定された文が抽出され、これらの文に適したテンプレートが設定される。なお、図19では記載を省略したが、この実施例においても、抽出された文の文字数が前記上限値Nmax以内であるときのみ、テンプレートとの対応づけを行うようにするのが望ましい。また、前記テキスト全体に対する感性情報Xに複数の感性情報が含まれる場合には、これらの情報のいずれかに1つに対応する感性情報が設定された文を抽出するようにしてもよい。
上記図19の手順によれば、テキスト全体の感性情報Xと同一または類似の感性情報が設定された文について、アニメーションパーツが作成されることになる。したがって、感性情報推定部3の全処理過程における推定結果を反映した文字アニメーションを作成することができる。なお、この図19の手順は、前記した逆説の接続語を含む文についても適用することができる。この場合には、文単位で設定された感性情報と同一または類似の感性情報が設定された文節を抽出するとともに、その文節に適合するテンプレートを抽出し、両者を対応づけすることになる。
上記の文字アニメーション作成部4の処理によれば、感性情報推定部3による推定結果に基づき、入力された所定単位のテキストが示す感情やそのテキストのイメージに適合した文字アニメーションを、自動作成することができる。
(3)文字アニメーション作成システムの適用例
再び図1に戻って、この文字アニメーション作成システム1の上位システムは、電子メールを作成および送受信するシステム(以下、「電子メール処理システム」という。)とすることができる。この電子メール処理システムは、キーボードなどからの文字入力を受け付けると、これを前記テキスト入力部2に与えることによって、感性情報の推定処理と文字アニメーションの作成処理とを実行させる。そして、画像出力部5から出力された文字アニメーションの画像データをリンクさせた電子メールを作成し、通信回線を介して出力する。または画像データのみから成る電子メールを出力することもできる。
図20は、前記文字アニメーション作成システムおよび電子メール処理システムが組み込まれた携帯電話10の構成を示す。この携帯電話10は、マイクロコンピュータによる制御回路11、フラッシュメモリ12、送受信回路13などが搭載された制御基板15を具備する。また、制御回路11には、複数のキーより成る入力部18や液晶パネルによる表示部19が接続される。また、送受信回路13には、通話のためのマイク16やスピーカー17、ならびにアンテナ14が接続される。
前記フラッシュメモリ12には、前記制御回路11を、文字アニメーション作成システム1や電子メール処理システムとして機能させるのに必要なプログラムやデータファイルが格納される。制御回路11は、これらのプログラムやデータファイルに基づき、入力部2から所定のテキストを受け付けて、文字アニメーションの画像データを含む電子メールを作成し、これを送受信回路13に出力する。
送受信回路13は、前記制御回路11から電子メールを受け取ると、インターネット接続用の中継局(図示せず。)に接続して前記電子メールを送信する。これにより、作成された電子メールは、前記中継局やインターネットを介して相手先の通信端末(同様の携帯電話など)に伝送され、その端末側の表示装置で前記文字アニメーションが展開されることになる。
なお、図1の文字アニメーション作成システム1のうち、感性情報推定部3は、独立のシステムとして動かすこともできる。たとえば、文字や音声による入力に自動応答するコンピュータシステムにこの感性情報推定部3を導入すれば、入力されたテキストに適合する感情やイメージに応じて応答内容を変更することができ、人間と円滑なコミュニケーションをとることが可能なシステムを提供することができる。
この発明にかかる文字アニメーション作成システムの機能ブロック図である。 感性情報推定処理の手順を示すフローチャートである。 形態素解析用辞書の辞書データの構成を示す図である。 概念表現辞書の辞書データの構成を示す図である。 入力テキストの例と、この入力テキストに対する形態素解析結果により作成されたタグ付きテキストデータとを示す図である。 表現パターンマッチング処理の手順を示すフローチャートである。 表現パターンマッチング処理に伴うタグ付きテキストデータの変化を示す図である。 文節に対する推定処理のための推定規則の例を示す図である。 文節に対する推定処理の手順を示すフローチャートである。 文節に対する推定処理に伴うタグ付きテキストデータの変化を示す図である。 文に対する推定処理の手順を示すフローチャートである。 文に対する推定処理に伴うタグ付きテキストデータの変化を示す図である。 段落に対する推定処理に伴うタグ付きテキストデータの変化を示す図である。 テキスト全体に対する推定処理に伴うタグ付きテキストデータの変化を示す図である。 アニメーション作成処理の手順を示すフローチャートである。 アニメーション単位選択部による処理の概要を示す図である。 画像作成部および画像合成部による処理の概要を示す図である。 アニメーション単位選択部による処理の具体例を示すフローチャートである。 アニメーション単位選択部による処理の具体例を示すフローチャートである。 文字アニメーション作成システムが導入された携帯電話の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 文字アニメーション作成システム
2 テキスト入力部
3 感性情報推定部
4 文字アニメーション作成部
5 画像出力部
10 携帯電話
13 送受信回路
14 アンテナ
18 入力部
31 形態素解析辞書
32 概念表現辞書
33 推定規則ファイル
34 形態素解析部
35 表現パターンマッチング処理部
36〜39 推定処理部
41 テンプレートファイル
43 アニメーション単位選択部
44 画像作成部
45 画像合成部

Claims (15)

  1. コンピュータにおいて、所定のテキストの入力を受け付けて、その入力テキストに適合する感性情報を推定する方法であって、
    一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースとを、前記コンピュータのメモリに保存する第1のステップ
    前記テキストが入力されたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める第2のステップ
    前記形態素解析データを文節単位で切り分け、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第3のステップ
    前記第3のステップが終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第4のステップ、の各ステップを実行し、
    前記第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている、ことを特徴とする感性情報推定方法。
  2. 前記第1のステップでは、前記形態素解析用辞書および第1、第2の推定規則が登録されたデータベースとともに、形態素の表記または概念情報もしくはこれら双方による配列パターンを特定の概念情報に対応づけた辞書データが複数登録された概念表現辞書を、前記メモリに格納し、
    前記第2のステップでは、前記入力テキストから形態素解析データを作成した後に、作成された形態素解析データの配列により前記概念表現辞書を照合し、辞書内のいずれかの配列パターンに対応する配列が見つかったとき、その配列に対応する複数の形態素解析データを1つに統合して、統合後の形態素解析データに前記辞書内の対応する配列パターンの概念情報を設定する、請求項1に記載された感性情報推定方法。
  3. 請求項1または2に記載された感性情報推定方法において、
    前記第4のステップが終了したことに応じて、連続する関係にある複数の文より成るテキストに前記複数の第2の推定規則を適用して、当該テキスト内の各文に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択する第5のステップを、少なくとも1サイクル実行することを特徴とする感性情報推定方法。
  4. コンピュータにおいて、所定のテキストの入力を受け付けて、その入力テキストから所定の文字アニメーションを作成する方法であって、
    一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースと、文字アニメーションの基本動作を示す複数種のテンプレートをそれぞれ特定の感性情報に対応づけたテンプレートファイルとを、前記コンピュータのメモリに保存する第1のステップ
    前記テキストが入力されたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める第2のステップ
    前記形態素解析データを文節単位で切り分け、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第3のステップ
    前記第3のステップが終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第4のステップ
    前記感性情報が設定された所定のを選択して、選択した文に設定された感性情報に対応するテンプレートを前記テンプレートファイルから読み出し、そのテンプレートに基づき選択した文全体または当該文中の一部に相当する文字列から文字アニメーションの画像データを作成する第5のステップ
    前記第5のステップで作成された画像データを出力する第6のステップ
    の各ステップを実行し、
    前記第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている、
    ことを特徴とする文字アニメーション作成方法。
  5. 前記第5のステップでは、前記選択された文の中から当該文に設定された感性情報と同一または類似の感性情報が設定された文節を抽出し、この文節の文字列に前記テンプレートを適用して文字アニメーションの画像データを作成する、請求項4に記載された文字アニメーション作成方法。
  6. 所定のテキストの入力を受け付けて、その入力テキストに含まれる感性情報を設定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースとを、メモリに保存する処理を前記コンピュータに実行させるための第1プログラムと、前記第1プログラムの実行によりメモリに保存されたデータを用いて前記感性情報を推定する機能を前記コンピュータに与えるための第2プログラムとを含み、
    前記第2プログラムは、
    前記テキストが入力されたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める形態素解析手段、
    前記形態素解析手段により作成された形態素解析データを文節単位で切り分け、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第1の感性情報設定手段、
    前記第1の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第2の感性情報設定手段、
    の各手段として前記コンピュータを機能させ、
    前記第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている、ことを特徴とする感性情報推定のためのプログラム。
  7. 前記第1のプログラムには、前記形態素解析用辞書および第1、第2の推定規則が登録されたデータベースとともに、形態素の表記または概念情報もしくはこれら双方による配列パターンを特定の概念情報に対応づけた辞書データが複数登録された概念表現辞書を前記メモリに格納する処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムが含まれており、
    前記第2プログラムには、前記入力テキストから形態素解析データを作成した後に、作成された形態素解析データの配列により前記概念表現辞書を照合する機能と、この照合により辞書内のいずれかの配列パターンに対応する配列が見つかったとき、その配列に対応する複数の形態素解析データを1つに統合して、統合後の形態素解析データに前記辞書内の対応する配列パターンの概念情報を設定する機能とを、前記形態素解析手段に設定するためのプログラムが含まれて成る、請求項6に記載された感性情報推定のためのプログラム。
  8. 前記第2プログラムには、前記第2の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、連続する関係にある複数の文より成るテキストに前記複数の第2の推定規則を適用して、当該テキスト内の各文に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するステップを、少なくとも1サイクル実行する第3の感性情報設定手段として、前記コンピュータを機能させるためのプログラムが、さらに含まれている、請求項6または7に記載された感性情報推定のためのプログラム。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載されたプログラムが格納されたコンピュータ読取可能なプログラムが記憶された記録媒体。
  10. 所定のテキストの入力を受け付けて、その入力テキストから所定の文字アニメーションを作成する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースと、文字アニメーションの基本動作を示す複数種のテンプレートをそれぞれ特定の感性情報に対応づけたテンプレートファイルとを、メモリに保存する処理を前記コンピュータに実行させるための第1プログラムと、前記第1プログラムの実行によりメモリに保存されたデータを用いて前記文字アニメーションを作成する機能を前記コンピュータに与えるための第2プログラムとを含み、
    前記第2プログラムは、
    前記テキストが入力されたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める形態素解析手段、
    前記形態素解析手段により作成された形態素解析データを文節単位で切り分けて、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第1の感性情報設定手段、
    前記第1の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第2の感性情報設定手段、
    前記第2の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、感性情報が設定された所定の文を選択して、選択した文に設定された感性情報に対応するテンプレートを前記テンプレートファイルから読み出し、そのテンプレートに基づき前記選択した文全体または当該文中の一部に相当する文字列から文字アニメーションの画像データを作成するアニメーション作成手段、
    前記アニメーション作成手段により作成された画像データをコンピュータの外部に出力する出力手段、
    の各手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを含み、
    前記第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている、
    ことを特徴とする文字アニメーション作成用のプログラム。
  11. 前記アニメーション作成手段は、前記選択された文の中から当該文に設定された感性情報と同一または類似の感性情報が設定された文節を抽出し、この文節の文字列に前記テンプレートを適用して文字アニメーションの画像データを作成する、請求項10に記載された文字アニメーション作成用のプログラム。
  12. 請求項10または11に記載されたプログラムが格納されたコンピュータ読取可能なプログラムが記憶された記憶媒体。
  13. 所定のテキストを入力するための入力手段と、
    一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースとを記憶するメモリと、
    前記入力手段がテキストの入力を受け付けたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める形態素解析手段と、
    前記形態素解析手段により作成された形態素解析データを文節単位で切り分け、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第1の感性情報設定手段と、
    前記第1の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択した感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第2の感性情報設定手段とを具備し、
    前記第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている、感性情報推定装置。
  14. 所定のテキストを入力するための入力手段と、
    一形態素の表記にその形態素を含むテキストの感性情報を推定するための概念情報を対応づけた辞書データが複数登録された形態素解析用辞書と、前記概念情報が設定された形態素を少なくとも1つ含む文節について、当該文節内の概念情報に基づき所定の感性情報を導き出すための第1の推定規則、および所定数の感性情報の中から1または複数の感性情報を選択するための第2の推定規則がそれぞれ複数登録されたデータベースと、文字アニメーションの基本動作を示す複数種のテンプレートをそれぞれ特定の感性情報に対応づけたテンプレートファイルとを記憶するメモリと、
    前記入力手段がテキストの入力を受け付けたとき、その入力テキストを形態素に分解して、各形態素につきそれぞれ当該形態素の表記を含む形態素解析データを作成するとともに、前記形態素解析用辞書内に概念情報が登録されている形態素の形態素解析データに当該概念情報を含める形態素解析手段と、
    前記形態素解析手段により作成された形態素解析データを文節単位で切り分けて、各文節のうち概念情報を含む形態素解析データを有するものを対象に、その文節内の形態素解析データの組み合わせに前記複数の第1の推定規則のいずれかを適用して、当該文節に対応する感性情報を設定する第1の感性情報設定手段と、
    前記第1の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、各文節を文の単位にグループ分けして、前記感性情報が設定された文節を含む文毎に、前記複数の第2の推定規則のいずれかを用いて当該文中の文節に設定された感性情報の中から1または複数の感性情報を選択し、選択された感性情報を当該文に対応する感性情報として設定する第2の感性情報設定手段と、
    前記第2の感性情報設定手段による処理が終了したことに応じて、感性情報が設定された所定の文を選択して、選択した文に設定された感性情報に対応するテンプレートを前記テンプレートファイルから読み出し、そのテンプレートに基づき前記選択した文全体または当該文中の一部に相当する文字列から文字アニメーションの画像データを作成するアニメーション作成手段と、
    前記アニメーション作成手段により作成された画像データを出力する出力手段とを具備し、
    前記第2の推定規則には、逆説の接続語が含まれる文について、その接続語より後の文節に設定されている感性情報を選択する旨を定めた規則と、所定数以上の文節を含む文について、当該文の後半を構成する文節に設定された感性情報を選択する旨を定めた規則とが、含まれている、文字アニメーション作成装置。
  15. 前記出力手段は、電子通信回線に前記画像データを出力するための通信用回路を含んで成る請求項14に記載された文字アニメーション作成装置。
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