JP4200710B2 - 記録装置、記録方法、プログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置、記録方法、及びこれ記録装置と記録方法を実現するプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から例えばディスク状記録媒体(以下、単に「ディスク」という)に対してコンテンツやファイルシステムを記録可能なデータ記録装置では、これらコンテンツやファイルシステムを管理するコンテンツ管理データをディスクに記録しておく必要がある。
このようなコンテンツ管理データとしては、例えばファイル名や、ファイルの記録アドレス、ファイル長、ルートディレクトリや、記録開始時間、録音時間、放送チャンネル名、番組名、圧縮データ、タイムスタンプなどを含んで作成される。
【0003】
ところで、ディスク内において、コンテンツ管理データが記録される領域は、コンテンツの記録領域とは異なるものとされる。このため、ディスクに対してコンテンツデータを連続的に記録している状態のもとで、ディスクにコンテンツ管理データを記録した場合にはシーク動作が煩雑になり記録装置のサーボ系の負荷が大きくなる。
そこで、従来のデータ記録装置では、コンテンツ管理データをデータ記録装置の内部メモリなどに保持しておくようにしている。そして、例えばコンテンツの書き込みが終了した時、或いはユーザが記録終了ボタン等を操作したときに、内部メモリに保持されているコンテンツ管理データをディスクに書き込むようにする。これにより、ディスクの管理領域内のコンテンツ管理データを更新するようにしていた。このようにして、ディスクにコンテンツを記録すると共に、コンテンツ管理データの更新を行うことで、新たにディスクに記録したコンテンツの再生を行うようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したようなデータ記録装置では、ディスクにコンテンツを記録している途中で、例えば停電やバッテリ切れ等によってシステムが停止すると、ディスクにコンテンツ管理データを記録することなく記録動作が終了してしまう。この結果、ディスクには、コンテンツが記録されているにも関わらず、そのコンテンツ管理データが記録されていないため、コンテンツを読み出すことができなくなる。
また、この場合は、停電によって内部メモリに保持されているコンテンツ管理データが消滅してしまうため、停電復帰後にコンテンツ管理データを復元することができないという欠点があった。
【0005】
上記したような問題点を解決するための1つの手段として、コンテンツの管理データを不揮発性メモリなどの記録媒体に記録しておくことが考えられる。
しかしながら、不揮発性メモリを利用してコンテンツ管理データなどの記録を行ったとしても、データを更新(上書き)している途中でシステムが停止したときは、不揮発性メモリ内のデータが破壊されてしまうで、結果的にはディスクからコンテンツを読み出すことができないという不具合があった。
【0006】
そこで、例えば不揮発性メモリにおいてデータの更新を行う際には、既に記録されているコンテンツ管理データを、一旦、メモリ内に設けたワークエリアにコピーしてから新たなコンテンツ管理データを更新を行うことが考えられる。
この場合は、コンテンツ管理データを更新している途中でシステムが停止したとしても、ワークエリアのデータからコンテンツ管理データを修復することが可能になる。しかしながら、この場合は、メモリ領域の一部をワークエリアに割り当てることで実質的に利用可能なメモリ領域が減少するという欠点がある。
【0007】
また、不揮発性メモリの領域は、利用回数に限界があるため、メモリ内の領域を均一に利用することが好ましいが、メモリ内にワークエリアを設けた場合には、ワークエリアの利用回数が他のメモリ領域に比べて著しく多くなり、メモリ領域を均一的な利用という点から好ましいものではなかった。
【0008】
そこで、本発明は上記したような問題点を鑑みてなされたものであり、不揮発性メモリの記録領域の有効利用を図ること、及び、停電等の不慮の要因による障害が発生した場合でも、不揮発性メモリに記録した管理データの修復が可能な記録装置、記録方法、及びこれらの記録装置と、記録方法を実現するプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の入力されたデータを記録媒体の記録領域に記録する記録装置は、記録媒体の記録領域に上記データを記録するための記録制御を行う記録制御手段と、記録制御手段によりアクセスされる論理アドレスと、記録媒体の記録領域において所定の単位領域ごとに割り当てられている物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、記録領域に対してデータを記録するのに必要な単位領域数データとを関連づけて管理する管理手段とを備え、上記記録媒体は、上記記録領域に記録するデータを所要単位で管理する管理データを記録するための管理領域を有し、上記記録制御手段は、上記記録領域に対して上記データを記録する際に、上記データを記録する記録領域に対応する管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを管理データとして記録するように制御を行う
【0010】
このような本発明によれば、管理手段により、記録制御手段によりアクセスされる論理アドレスと、所要単位ごとに割り振られた物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、論理アドレスとデータを記録するために必要な単位領域数データとを関連づけて管理するようにして、記録媒体の管理を行うことで、記録媒体の記録領域を有効利用することが可能になる。
【0011】
また本発明の記録方法は、記録媒体の所要の記録領域に対してデータを記録する記録処理と、記録領域の所要単位の単位領域に対して上記データの記録制御を行う記録制御処理と、アクセスされる論理アドレスと所要単位ごとに割り振られた物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、論理アドレスとデータを記録するのに必要な単位領域数データとを関連づけて管理する管理処理と実行するとともに、上記記録媒体の上記記録領域に対して上記データを記録する際には、上記データが記録される記録領域に対応する管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを管理データとして記録する記録処理を実行するようにした。
【0012】
また本発明のプログラムは、記録媒体の所要の記録領域に対してデータを記録する記録処理と、記録領域の所要単位の単位領域に対してデータの記録制御を行う記録制御処理と、アクセスされる論理アドレスと上記所要単位ごとに割り振られた物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、論理アドレスとデータを記録するために必要な単位領域数の領域数データとを関連づけて管理する管理処理とを実行させるとともに、上記記録媒体の上記記録領域に対して上記データを記録する際には、上記データが記録される記録領域に対応する管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを管理データとして記録する記録処理を記録装置に実行させるようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態においては、本発明をデジタルビデオレコーダに適用した場合を例に挙げて説明する。
本実施の形態としてのデジタルビデオレコーダは、アナログ地上波放送として放送されている音声/映像信号(A/V)信号、ビデオ端子から入力されたA/V信号、デジタルのMPEG(Moving Picture Experts Group)データが入力され、これらのディスク状記録媒体(ディスク)に記録可能とされる。
また、ディスクに記録されているMPEGデータを再生して、NTSC(National Television System Committee)信号、或いはMPEGデータとして外部に出力可能とされる。
【0014】
図1は、本実施の形態のデジタルビデオレコーダの構成を示したブロック図である。
この図1において、チューナ12には、アンテナ2により受信したテレビジョン放送波が入力される。チューナ12は、テレビジョン放送波を復調してコンポジットビデオ信号及びアナログオーディオ信号を出力する。
【0015】
V入力端子13には、外部からコンポジットビデオ信号が入力される。
ラインセレクタ16にはチューナ12、V入力端子13、S入力端子14、オーディオ入力端子15に入力されたビデオ信号及びオーディオ信号が供給される。ラインセレクタ16はユーザによる切り換え設定にしたがい、いずれか一つのビデオ入力信号を選択して出力する。選択されたビデオ信号は、Y/C分離回路17に供給され、選択されたオーディオ信号はオーディオA/Dコンバータ18に供給される。
【0016】
Y/C分離回路17は供給されたビデオ信号の輝度成分と色差成分とを分離してコンポーネント信号にする。なお、供給されたビデオ信号がオーディオ入力端子15から入力されたコンポーネントビデオ信号の場合には、すでに輝度、色差の分離がされているので、分離処理は行わない。輝度、色差の分離がされたビデオ信号は、NTSCデコーダ19に供給される。
【0017】
NTSCデコーダ19は、輝度、色差分離がされたビデオ信号に対して、A/D変換、クロマエンコード等の処理を行い、デジタルコンポーネントデータ(以下、単に「画像データ」という)を出力する。
この画像データは、プリビデオ信号処理部21に供給される。また、NTSCデコーダ19は入力映像信号の水平同期信号を基準に生成した水平同期信号、垂直同期信号、フィールド判別信号を同期制御回路20に供給する。
【0018】
同期制御回路20は、NTSCデコーダ19から供給された各種同期信号等を、各回路に応じたタイミング信号に変換し、例えばMPEGビデオエンコーダ22等の各回路に供給する。
【0019】
プリビデオ信号処理部21は、入力された画像データに対してフィルタリング処理などの各種映像信号処理を施し、MPEGビデオエンコーダ22及びホストビデオ信号処理回路32に供給する。
【0020】
MPEGビデオエンコーダ22は、画像データに対してMPEGエンコード処理を施して、MPEGビットストリームを生成し、多重化/分離回路30に供給する。なお、ここでは、MPEG圧縮方式を採用しているが、他の圧縮方式を採用しても良い。
【0021】
オーディオA/Dコンバータ18は、ラインセレクタ16から供給されたオーディオ信号をデジタル化し、MPEGオーディオエンコーダ24及びオーディオD/Aコンバータ33に供給する。
MPEGオーディオエンコーダ24はデジタル化されたオーディオ信号に対してMPEGエンコード処理を施し、MPEGオーディオストリームを生成し、多重化/分離回路30に供給する。なお、画像データと同様に圧縮方式は、MPEG方式に限らず他の圧縮方式を採用しても良い。
【0022】
デジタル入出力端子25には、例えば外部のIRD(Integrated Receiver Decoder)等とIEEE1394といった所定のデジタルインターフェースを介して接続され、MPEGシステムで規定されたトランスポートストリーム(TS)が入出力される。
【0023】
デジタルインターフェース回路26は、デジタルビデオレコーダ1のデータ伝送フォーマットと、デジタルインターフェースとのデジタルフォーマットとのフォーマット変換を行う。
デジタルインターフェース回路26は、デジタル入出力端子25から入力されたTSをフォーマット変換して多重化/分離回路30に供給する。
また、デジタルインターフェース回路26は、多重化/分離回路30から供給されたTSをフォーマット変換して多重化/分離回路30、デジタル入出力端子25から出力する。
【0024】
多重化/分離回路30は、記録時には、MPEGビデオエンコーダ22から入力されるMPEGビットストリーム、及びシステムコントローラ43から供給された各種制御データをパケット化して、それらを多重化してMPEGシステムで規定されたTSを生成する。また、多重化/分離回路30は、デジタル入出力端子25を介してTSが入力されてきた場合には、必要に応じて制御データ等の書き換えを行ってTSを出力する。
【0025】
MPEG AVデコーダ31は、入力されたMPEGパケットをMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータとに分離し、それぞれMPEGデコード処理を行う。
デコードして得られたベースバンドの画像データは、ホストビデオ信号処理回路32に供給され、デコードして得られたベースバンドのオーディオデータは、オーディオD/Aコンバータ33に供給される。
【0026】
ホストビデオ信号処理回路32は、MPEG AVデコーダ31からの画像データとプリビデオ信号処理部21からの画像データの切り換え、合成、フィルタ処理などを行い、OSD(On Screen Display)34に供給する。
【0027】
OSD34は画像表示用のグラフィックなどの生成を行い、画像データに生成したグラフィックを合成するなどの処理を行い、NTSCエンコーダ35に供給する。
【0028】
NTSCエンコーダ35は、入力された画像データ(デジタルコンポーネントデータ)をD/A変換してアナログのコンポーネント信号を生成し、或いは、入力された画像データをデジタルの画像データに変換して、D/A変換を行い、アナログのコンポジット信号を生成する。
アナログのコンポジット信号は、V出力端子36から出力される。アナログのコンポーネント信号は、S出力端子37から出力される。
【0029】
オーディオD/Aコンバータ33は、MPEG AVデコーダ31からのオーディオデータとオーディオA/Dコンバータ18からのオーディオデータとを選択的に切り換えて入力し、D/A変換を行って、アナログのオーディオ信号を生成する。アナログのオーディオ信号はオーディオ出力端子38から出力される。
【0030】
エンコーダ/デコーダ41は、記録時においては、入力されたTSとしての記録データについて、エラー訂正符号(RS−PC)の付加、及び所定方式による記録符号化変調処理(EFM+)を施して、デッキ部51の記録信号処理系に対して供給する。また再生時においては、ディスク51から供給された再生信号について、上記記録符号化変調方式に対応する復号処理、及びエラー訂正処理などを施して。例えばMPEG符号化されたビデオ/オーディオデータとしての再生データを得る。そして、この再生データを多重化分離化回路31に出力する。
【0031】
ドライバコントローラ42は、エンコーダ/デコーダ41を総括的に制御するようにされる。
【0032】
システムコントローラ43は、TSに多重化する制御データの生成、ドライバコントローラ42の制御、並びに、当該デジタルビデオレコーダ1全体の制御を行う。
またシステムコントローラ43は、再生時には、TSの管理データ及びコンテンツ管理データをディスク51から読み出すようにされる。
また、記録時には、新たにコンテンツ管理データを生成するようにされる。
このようなコンテンツ管理データは、ディスク51に対して多重化/分離回路30からのデータの書き込みを行っているときは、図2(a)に示すように不揮発性メモリ46に書き込むようにしている。
そして、所定のタイミングでもって不揮発性メモリ46からディスク51に書き込むようにしている。
例えば不揮発性メモリ46に対して、或る程度のデータ量のコンテンツ管理データが記録されたら、図2(b)に示すように、ディスク51への記録データ(TS)の書き込みを一時停止してディスク51に書き込むようにしている。
また、ユーザが記録終了ボタン等を操作したとき、或いはディスク51への記録が終了した時に、不揮発性メモリ46に記録されている管理データをディスク51に書き込むようにしている。
【0033】
また、システムコントローラ43は、不揮発性メモリ46を管理する管理手段としても機能している。例えば不揮発性メモリ46に対してコンテンツ管理データなどのデータ書き込むときや、既に記録されているデータを新たなデータに更新するときに不揮発性メモリ46の制御を行うようにされる。
【0034】
またシステムコントローラ43は、後述するように、不揮発性メモリ46に対してデータの書き込みを行う際には、不揮発性メモリ46を管理するために、管理手段であるアドレス対応テーブルなどを利用して、アクセス要求があった論理アドレスと不揮発性メモリ46の物理アドレスを関連づけた管理データの管理などの管理を行うようにしている。
さらにシステムコントローラ43は、停電等が発生した場合は、停電復帰時に、停電により消滅したアドレス対応テーブルの管理データを、不揮発性メモリ46に記録されている管理データを修復する修復動作なども行うようにされる。なお、このようなシステムコントローラ43が実行する各種制御動作の詳細については後述する。
なお、システムコントローラ43は、上記したドライバコントローラ42の機能を備えて構成することは可能である。そして、その場合はドライバコントローラ42を別途設ける必要がない。
【0035】
記録媒体である不揮発性メモリ46は、例えばNANDフラッシュメモリやANDフラッシュメモリなどにより構成されており、ディスク51に対して記録するコンテンツのコンテンツ管理データなどを記録データとして一時的に格納しておくようにされる。
また、不揮発性メモリ46には、放送局から送られてくる電子番組ガイドEPG(Electronic Program Guide)データまたは放送局からのメッセージデータなどを記録データとして記録することも可能とされる。
【0036】
またシステムコントローラ43に対しては、ROM(Read Only Memory)44及びRAM(Random Access Memory)45が備えられる。
ROM44には、システムコントローラ43が各種処理を実行するために必要なプログラムが格納される。
またRAM45は、ROM44またはディスク51に記録されているプログラムを実行した時に適宜変化するパラメータを一時的に保持するようにされる。
【0037】
サーボ回路47は、エンコーダ/デコーダ41において生成される各種サーボ制御信号に基づいてデッキ部50における所要のサーボ制御を実行する。
【0038】
デッキ部50は、ディスク51を駆動するための機構からなる部位とされる。
なお、デッキ部50は、装填されるべきディスク51が着脱可能とされ、ユーザの作業によって交換が可能なスロット機構を有するように構成することも可能とされる。
【0039】
デッキ部50においては、装填されたディスク51がスピンドルモータ52によって回転駆動される。このディスク51には、記録/再生時に光学ヘッド53からレーザ光が照射される。
光学ヘッド53は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド53には、図示していないがレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド53に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
【0040】
また、図示しないが、デッキ部50においては、スレッドモータ55により駆動されるスレッド機構が備えられている。このスレッド機構が駆動されることにより、上記光学ヘッド53全体はディスク半径方向に移動可能とされている。
【0041】
以上のような構成のデジタルビデオレコーダ1では、チューナ12、V入力端子13、S入力端子14、デジタル入出力端子25から各種ビデオ信号が入力される。記録時には、これらの信号のいずれか1つが選択され、TSとしてディスク51に記録される。
一方、再生時には、ディスク51から出力されたTSは、デコードされて、V出力端子36、S出力端子37から出力され、或いはデジタル入出力端子25からデジタルデータとして出力される。
【0042】
ここで、上記した不揮発性メモリの構造について説明しておく。
図3は、不揮発性メモリの一例としてNANDフラッシュメモリの構造を模式的に示した図である。なお、本実施の形態では不揮発性メモリとしてNANDフラッシュを例に挙げて説明するが、本発明の不揮発性メモリとして、NANDフラッシュメモリ以外でも良く、例えばANDフラッシュメモリや、EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read only memory)などを用いることも可能である。
【0043】
この図3に示すNANDフラッシュメモリは、例えば1024個のブロック領域により構成される。各ブロック領域は、例えば32個のページ領域により構成されている。各ページ領域は512バイトのデータ領域と16バイトの拡張領域によって構成されている。
【0044】
なお、このようなNANDフラッシュメモリは、初期状態では全てのビットの値が「1」の状態にある。そして、各ビットは「1」→「0」に変更することは可能とされるが「0」→「1」には変更できないようになっている。
このため、NANDフラッシュメモリでは、例えば4ビット「1111」の領域に「0110」を書き込む時は、「1111」と「0110」のアンドをとることで正しく「0110」が記録することができる。
ところが、例えば「0110」と記録されている領域に「1001」を書き込むと、「0000」という誤った値を採ることになる。
このため、NANDフラッシュメモリでは、このようなことが発生しないように、データを上書き記録する際には、一旦その領域をフラッシュ(全て「1」)にしてからデータの書き込みを行うようにしている。
【0045】
NANDフラッシュメモリへのデータの書き込み、またはデータの読み出しはページ単位で行うことが可能とされる。また、記録されているデータの消去はブロック単位でしか行うことができないようになっている。
なお、一度データを記録したとしてもデータの消去を行えば、例えば10万回程度の再利用が可能とされる。
【0046】
また、各ページ内の拡張領域の構造は図4のようにされる。
この図4に示すように、各ページの拡張領域は、不良データ、更新データ、論理アドレス、個数データ、及びエラー訂正データを記録する領域が設けられている。
不良データは、該当するブロックが利用できない場合に書き込まれる。
更新データは、該当するブロックのデータが更新の対象となったときに書き込まれる。
論理アドレスは、後述する論理アドレスが書き込まれる。
個数データは、利用しているブロック数データ(領域数データ)が書き込まれる。
エラー訂正データは、記録データのエラー時の訂正データが書き込まれる。
【0047】
なお、実際の記録データは各ページのデータ領域に記録されることになる。例えば不揮発性メモリ46にコンテンツ管理データを記録した場合には、コンテンツのファイル名や、ファイルの記録アドレス、ファイル長、ルートディレクトリや、記録開始時間、録音時間、放送チャンネル名、番組名、圧縮データ、タイムスタンプなどのデータは記録データとしてデータ領域に記録されることになる。
【0048】
そして、本実施の形態では、上記した不揮発性メモリ46内の拡張領域に対して、不揮発性メモリ46のデータ領域に記録される記録データを管理するためのメモリ管理データとして、更新データ、論理アドレス、個数データなどを記録するようにしている。
【0049】
以下、本実施の形態のデジタルビデオレコーダ1において、不揮発性メモリ46にデータを書き込む際の書き込み動作を説明する。
なお、不揮発性メモリ46にデータを書き込む際には、上述したようにページ単位で書き込みを行うことが可能とされるが、本実施の形態では、説明を分かり易くするため、不揮発性メモリ46に対してブロック単位でデータを書き込むものとして説明する。
【0050】
先ず、例えばディスク51に対してコンテンツを記録する際にコンテンツ管理データを不揮発性メモリ46に書き込むときの書き込み動作を図5に示す模式図を用いて説明しておく。
この図5に示すように、本実施の形態では、不揮発性メモリ46の実際のメモリ領域(以下、「実領域」という)62にコンテンツ管理データなどの記録データを書き込む場合は、仮想領域61を利用して行うようにされる。
仮想領域61とは、実領域62が不揮発性メモリ46の物理的に存在する領域であるのに対して、現実的には存在しない領域である。このため、実領域62のアドレスを物理アドレスとすれば、仮想領域61は論理アドレスとして表記することができる。
【0051】
上記したような仮想領域61と実領域62との関係は、図7に示すような論理アドレスと物理アドレスの対応テーブルによって管理される。なお、このような論理・物理アドレス対応テーブル(以下、単に「アドレス対応テーブル」という)は、システムコントローラ43の制御によりRAM45に展開される。
【0052】
この図7に示すアドレス対応テーブルには、論理アドレスを記憶する論理アドレス領域と、その論理アドレスに対して現在対応する物理アドレスを記憶する現在対応の物理アドレス領域と、現在使用しているブロック数を記憶する現在使用のブロック数領域が設けられている。また、論理アドレスに対して過去に対応した物理アドレスを記憶する過去の物理アドレス領域と、過去に使用したブロック数を記憶する過去使用のブロック数領域が設けられている。さらに論理アドレスの使用を示す使用フラグ領域が設けられている。
【0053】
そして、この図7に示すアドレス対応テーブルでは、図示するように、論理アドレス領域の論理アドレス値「0」に対応づけて、現在の物理アドレス領域に現在の物理アドレス値「0」が書き込まれていると共に、現在の利用ブロック数領域に利用ブロック数の値「3」が書き込まれている。
また、論理アドレス領域の論理アドレス値「1」に対応づけて現在の物理アドレス領域に現在の物理アドレス値「1」が書き込まれ、さらに論理アドレス領域の論理アドレス値「2」に対応づけて現在の物理アドレス領域に現在の物理アドレス値「6」が書き込まれている。また、これらの論理アドレスの使用状態を示す使用フラグ領域では論理アドレス「1」が使用状態であることを示すフラグとして「1」が立てられている。
従って、この場合は論理アドレス「0」「1」「2」により指定される物理アドレス「0」「1」「6」に対応したブロックに対してデータが書き込まれていることを示している。
【0054】
また、このアドレス対応テーブルでは、図示するように、論理アドレス領域の論理アドレス値「123」に対応づけて現在の物理アドレス領域に現在の物理アドレス値「123」が書き込まれていると共に、現在の利用ブロック数領域に利用ブロック数の値「2」が書き込まれている。
また、論理アドレス領域の論理アドレス値「124」に対応づけて現在の物理アドレス領域に現在の物理アドレス値「129」が書き込まれている。また、これらの論理アドレスの使用状態を示す使用フラグ領域では論理アドレス「1」が使用状態であることを示すフラグとして「1」が立てられている。
従って、この場合は論理アドレス「123」「124」により指定される物理アドレス「123」「129」に対応したブロックに対してデータが書き込まれていることを示している。
【0055】
なお、例えば論理アドレスに対応する物理アドレスがない場合は、現在の物理アドレス領域には「FFFF」が書き込まれていると共に、使用フラグ領域では、論理アドレスが使用状態であることを示すフラグが立てられていない状態「0」となる。
【0056】
このように、本実施の形態では、不揮発性メモリ46に対して記録データの書き込みを行う際には、上記図7に示したようなアドレス対応テーブルを利用して記録データの書き込みを行うようにしている。このように構成した場合は、例えばシステムコントローラ43が不揮発性メモリ46に対して記録データの書き込みを行うために実行する処理としては、データを記録する記録領域を論理アドレスにより指示するだけで良いものとされる。
【0057】
従って、本実施の形態のように、アドレス対応テーブルを利用して記録データの書き込みを行うようにすれば、例えば図6に示すように不揮発性メモリ46の実領域62に欠陥領域として欠陥ブロックBdが存在する場合でも、アドレス対応テーブルにおいて論理アドレスに割り当てる物理アドレスを変更するというテーブル管理処理を行うだけで、データを記録するための記録処理を変更することなく、欠陥ブロック領域Bdを回避することができる。
【0058】
なお、不揮発性メモリ46の欠陥ブロックBdは、その欠陥ブロックBd内の拡張領域に当該ブロックが不良であることを示す不良データを書き込むようにしている。これにより、そのブロックは以降使用できなくなる。
【0059】
ところで、本実施の形態のデジタルビデオレコーダ1の不揮発性メモリ46を利用してディスク51に記録されるコンテンツのコンテンツ管理データを一時的に保存しておくには、不揮発性メモリ46において連続的にコンテンツ管理データ(記録データ)の更新(上書き)を行う必要がある。
【0060】
不揮発性メモリ46において記録データの更新(上書き)を行う1つの手段としては、上述したように不揮発性メモリ46内にワークエリアを設け、このワークエリアに、既に記録されているデータを、一旦、ワークエリアにコピーした後、新たな記録データをメモリに書き込むといったことが考えられる。
しかしながら、この場合は、不揮発性メモリ46のメモリ領域の一部をワークエリアにする必要があるため、実質的に使用可能なメモリ領域が少なくなるうえ、ワークエリアの利用頻度だけが著しく多くなる。
【0061】
そこで、本実施の形態では、不揮発性メモリ46に記録されている記録データの更新(上書き)を行う際には、管理手段であるアドレス対応テーブルを、例えば図7から図8に示すように書き換えを行うようにしている。
即ち、論理アドレス「0」〜「2」により指定される領域に対して記録されているデータを上書きする際には、これまで現在の物理アドレス領域、及び現在の利用ブロック領域に書き込まれていたデータを、過去の物理アドレス領域、及び過去の利用ブロック領域に書き込んだ後、新たなデータの書き込みを行った物理アドレス値と、データを記録するために利用するブロック数のデータを、それぞれ現在の物理アドレス領域、及び現在の利用ブロック領域に書き込むようにする。これにより、アドレス対応テーブルにおいて論理アドレスと物理アドレス、及び、論理アドレスとデータの書き込みに利用したブロック数を関連付けて管理するようにしている。その結果、不揮発性メモリ46にワークエリアを設けることなく、不揮発性メモリ46に記録する記録データの更新を行うようにしている。なお、このようなアドレス対応テーブルの管理処理は、システムコントローラ43が所要のプログラムに基づいて実行することで実現される。
【0062】
そして、本実施の形態では、不揮発性メモリ46に記録されている記録データの更新(上書き)を行う際には、先に図4に示したように、不揮発性メモリ46の各ブロックB内の先頭ページに設けられている拡張領域のメモリ管理データについても更新を行うようにしている。
【0063】
以下、本実施の形態のデジタルビデオレコーダにおいて、不揮発性メモリ46に記録されている記録データを更新するために実行する不揮発性メモリの更新方法を図11〜図15を用いて説明する。
先ず、手順1として、図11に示すように、不揮発性メモリ46の実領域62の8つのブロックを利用して記録データが記録されているとする。
この場合は、これら記録データが記録された8つのブロックBのうち、先頭ブロックB1の拡張領域のデータは、図15(a)に示すようになる。即ち、先頭ブロックB1の拡張領域には、先頭ブロックB1の論理アドレスの値「0」だけを書き込むようにしている。
【0064】
なお、この図には示していないがデータが記録されている残りのブロックの拡張領域は、それぞれ対応する論理アドレスの値が書き込まれることになる。
また、各ブロックBの拡張領域に記録されるデータのうち、更新データ、論理アドレス、個数データのメモリ管理データについは、少なくとも各ブロックB内の先頭に位置するページの拡張領域に記録しておけば良い。
【0065】
上記図11に示した状態でデータが記録されている不揮発性メモリ46に対して、新たなデータを上書きするときは、手順2として、図12に示すように、既に記録されている記録データ(以下、「旧記録データ」という)に対して、そのデータが旧データであることを示すデータ(図12では星印)を書き込むようにする。
そして、この場合の、旧記録データが記録されている先頭ブロックB1の拡張領域データは、図15(b)のように示され、論理アドレスの値「0」に加えて更新データ「旧」が書き込まれることになる。また、この場合の更新データ「旧」は、図16(a)に示すように、旧記録データが記録されている他のブロックの拡張領域に書き込むようにしている。
【0066】
次いで手順3として、図13に示すように、実領域62の空きブロックBに新たな記録データ(以下、「新記録データ」という)を書き込むようにする。この場合、新記録データが書き込まれる先頭ブロックB11の拡張領域データは、図15(c)に示される。つまり、この場合の先頭ブロックB11の拡張領域には、論理アドレスの値「0」と、新記録データを記録するために利用するブロックの数を示した個数データ「8」を書き込むようにしている。この場合、個数データは、図16(b)に示すように、新記録データが記録される先頭ブロックだけに記録し、他のブロックには、それぞれ対応する論理アドレスの値を書き込むようにする。なお、個数データの利用方法については後述する。
【0067】
また、この時の旧記録データが記録されるブロックの拡張領域は、図16(b)のように示され、図16(a)と同じ状態、つまり、上記した手順2の状態のままとされる。従って、この手順3の状態では、不揮発性メモリ46内に同一の論理アドレスが記録された新旧2つの記録データが存在することになる。
【0068】
次に、手順4として、図14に示すように、旧記録データが記録されているブロックBのデータを消去して、これら旧記録データが記録されていたブロックBを空領域とするようにしている。この場合の新記録データが記録される先頭ブロックB11の拡張領域データは、図15(d)のように示される。またこの場合の他の拡張領域のデータは、図16(c)のように示される。
【0069】
このように本実施の形態では、不揮発性メモリ46に対して記録データの更新(上書き)を行う際には、先ず、記録データが記録されている全てのブロックの拡張領域に、その記録データが「旧記録データ」であることを示す更新データを記録するようにしている。そして、新たな記録データを記録した後、更新データが記録されたブロックの記録データを消去するようにしている。このようにすれば、不揮発性メモリ46内にワークエリアを設けることなく記録データの更新を行うことができるため、実質的に利用可能なメモリ領域が増加するため、メモリ領域の有効利用を図ることができる。
【0070】
また、上記のようにして不揮発性メモリ46に新たな記録データを書き込む際にメモリ領域の均一的な利用を図るために、本実施の形態では、電源投入時、不揮発性メモリ46の物理アドレス値の「0」から順に空き領域の検出を行うようにする。そして、空き領域を検出したときには、その空き領域にデータを記録する。このような空き領域に関するデータは、電源をオフするまでは記憶しておくようにする。また、空き領域を検出する必要がある場合は、先に検出して記憶している空き領域のアドレスから別の空き領域の物理アドレスの検出を行うようにする。そして、最後の物理アドレスまで検出したら、最初の物理アドレスに戻って検出を行うようにする。このようにすると、メモリ領域の均一的に使用することが可能になる。
【0071】
この場合のメモリ領域が空き領域であるかどうかの判別は、例えば図9に示すような物理アドレスの使用状況をフラグ「1」によって示す物理アドレス管理テーブルをRAMに設けることで実現することができる。なお、このような物理アドレス管理テーブルでは、物理アドレスにより示される領域が欠陥領域である場合もフラグ「1」を立てておくようにする。
【0072】
なお、本実施の形態では、不揮発性メモリ46に対してデータの書き込みを行う際には、ブロック単位で行うものとして説明したが、これはあくまでも一例であり、ページ単位でも使用できることは言うまでもない。
その場合は、例えば図10に示すようなページ単位でアドレスを管理するデータテーブルを32ページ分用意しておき、消去をはじめ、あらゆる処理をページ単位で行うようにすればよい。
【0073】
図17は、上記したような不揮発性メモリに対するデータの更新(上書き)動作を実現するために、システムコントローラ43が実行する処理を示したフローチャートである。
この場合、システムコントローラ43は、先ず、ステップS101において、書き込み指定された仮想領域61を確認する。そして続くステップS102において、仮想領域61が既に利用されているかどうかの判別を行うようにする。
つまり、ここではアクセス指示があった記録データについてのアドレス対応テーブル(図7参照)を確認した後、そのアドレス対応テーブルにおいて、論理アドレスに対して物理アドレスが割り当てられているかどうかの判別を行う。
そして、ステップS102において、肯定結果が得られたときはステップS103に進み、書き込み指定されたブロックBの拡張領域に更新データ「旧」を書き込んでステップS104に進む。
なお、ステップS102において、否定結果が得られたときは、書き込み指定されたアドレス対応テーブルの論理アドレスに対して物理アドレスが割り当てられていない、つまり記録データが記録されていないときはステップS103の処理を行うことなく、ステップS104に進む。
【0074】
ステップS104においては、例えば上記図9に示した物理アドレス管理テーブルを利用して、実領域62から空ブロックの検索を行うようにする。そして、次のステップS105において、上記ステップ104において検索したブロックBに対してデータを書き込むようにする。
このとき、新たなデータが書き込まれる各ブロックの拡張領域には、それぞれ対応する論理アドレスを書き込むようにする。また、その先頭のブロックの拡張領域には個数データを書き込むようにする。
【0075】
そして続くステップS106において、実領域62にあるブロックBの拡張領域に、更新データ「旧」が書き込まれているブロックが存在するどうかの判別を行い、ブロックの拡張領域に更新データ「旧」が存在すると判別したときはステップS107に進む。そして、ステップS107において、更新データ「旧」が記録されているブロックを消去した後、ステップS108に進む。
なお、ステップS106において否定結果が得られたときはステップS107の処理を行うことなくステップS108に進む。
そして、ステップS108においてアドレス対応テーブルの更新、つまり図7に示すようなアドレス対応テーブルを図11に示すように更新を行って処理を終えることになる。
【0076】
次に、上記のようにして不揮発性メモリ46に記録されている記録データの更新を行っている途中で、例えば停電やバッテリ切れ等によってシステム停止が発生した場合の記録方法について説明する。
本実施の形態では、停電等によりシステムが停止した場合は、システム復帰後に不揮発性メモリ46の制御を行うことになる。
【0077】
本実施の形態では、不揮発性メモリ46に記録されている記録データの更新を行う場合には、不揮発性メモリ46に旧記録データと新記録データという2つ記録データが存在することがある。このため、停電から復帰した時に、不揮発性メモリ46に記録されている記録データのうち、より信頼性の高い記録データを記録データとして取り扱うようにしている。
【0078】
そこで、以下、図18を参照しながら、不揮発性メモリ46に記録されている記録データの更新を行っている途中でシステムが停止した時の不揮発性メモリの修復方法について説明する。
先ず、図18(a)に示すように、旧記録データに対して更新のための更新データ「旧」を、ブロックBの途中まで書き込んだ段階で停電が発生したとする。この場合は、不揮発性メモリ46には記録データが1つしか記録されていないので、旧記録データを信頼できる記録データとして取り扱うようにする。
【0079】
次に、図18(b)に示すように、新記録データをブロックに対して記録している途中で停電が発生したとする。この場合は、不揮発性メモリ46には、新記録データと旧記録データという2つの記録データが存在することになるが、新記録データはまだ途中までしか記録されていないので、この場合も旧記録データを信頼性の高い記録データとして取り扱うようにする。
ここで、新記録データの記録が途中か或いは全て記録済みかどうかは、新記録データが記録される先頭ブロックの拡張領域に書き込まれる個数データにより判別することができる。
【0080】
また、図18(c)に示すように、旧記録データを消去している途中で停電が発生した場合は、新記録データの個数データに対応したブロック分の新データが存在しているので、この場合は新記録データのほうが信頼性が高いので、この場合は新記録データを信頼性の高い記録データとして取り扱うようにする。
【0081】
図19は、上記図18に示したメモリ管理動作を実現するためにシステムコントローラ43が実行する処理を示したフローチャートである。なお、このような処理はシステムが停電などから復帰した時点で行うものとする。
この場合、システムコントローラ43は、先ず、ステップS201において、不揮発性メモリ46のブロックの拡張領域に記録されているデータを収集する。
【0082】
そして次のステップS202において、収集した拡張領域のデータから同じ論理アドレスが記録されているブロックが存在するかどうかの判別を行う。
そして、ステップS202において肯定結果が得られたときは、ステップS203に進む。つまり、不揮発性メモリに、旧記録データと新記録データという2つの記録データが記録されているとしてS203に進む。
ステップS203には、論理アドレスが同じ2つの記録データを、新記録データと旧記録データに分別する。このような分別処理は、各ブロックの拡張領域に記録されている更新データにより行うことができる。
【0083】
そして続くステップS204においては、記録されている新記録データのほうが旧記録データの信頼性が高いかどうかの判別を行うようにする。
このステップS204における判別処理は、新記録データが記録されている先頭ブロックの拡張領域に記録されている個数データを用いて行う。つまり、新記録データとしてこの個数データに応じた数のブロックが存在するときは新記録データの信頼性が高いとしてステップ205に進む。
【0084】
ステップS205では、不揮発性メモリ上に存在する旧記録データのブロックのデータを消去した後、ステップS207に進む。
そして、ステップS207において、信頼性が高いと判断した新記録データの論理アドレスと物理アドレスに基づいてアドレス対応テーブルを作成するようにする。
【0085】
一方、ステップS204において、否定結果が得られ、旧記録データのほうが信頼性が高いと判別したときは、ステップS206に進み、不揮発性メモリ上に存在する新記録データのブロックのデータを消去した後、ステップS207に進む。そしてこの場合は、ステップS207において信頼性が高いと判断した旧記録データの論理アドレスと物理アドレスに基づいて、アドレス対応テーブルを作成することになる。
このようなステップS201〜S207の処理はステップS208において、不揮発性メモリ46に記録されている全てのデータの確認が終了したと判別するまで行い、不揮発性メモリ46に記録されている全てのデータの確認が終了したら処理を終えるようにする。
【0086】
このようにすれば、停電等による障害が発生したとしても、停電復帰時において、不揮発性メモリに記録されていたデータに基づいて、アドレス対応テーブルの管理データを修復することが可能になる。
【0087】
特に、本実施の形態によれば、不揮発性メモリ46に対してデータの上書きを行っている途中でシステムが停止したときには、不揮発性メモリ46に記録されている更新(上書き)前の旧記録データと、更新後の新記録データのうち、信頼性の高い何れか一方の記録データを用いてアドレス対応テーブルの管理データを修復することができるという利点がある。
【0088】
従って、上記図1に示したようなデジタルビデオレコーダ1においては、ディスク51に記録しているコンテンツのコンテンツ管理データを不揮発性メモリ46を利用して記録すれば、停電等の不慮の要因による障害が発生した場合でも、停電復帰後に、アドレス対応テーブルの管理データを修復することができる。よって、このようなコンテンツ管理データをディスク51の所定領域に書き込むようにすれば、ディスク51に記録したコンテンツの再生することができるようになる。
【0089】
ここで、本実施の形態のデジタルビデオレコーダ1において、不揮発性メモリ46からデータを読み出す際の動作を図20、図21に示す。
図20は、不揮発性メモリからデータを読み出す動作を模式的に示した図である。また図21は、図20に示す読み出し動作を実現するために、システムコントローラ43が実行する処理を示したフローチャートである。
【0090】
この図20に示すように、不揮発性メモリ46の実領域62からデータを読み出すときも、仮想領域61を利用して行うようにしている。
従って、不揮発性メモリ46の実領域62からデータを読み出す際には、システムコントローラ43は、先ず、ステップS301において、読み出すべきデータの論理アドレスを確認した後、ステップS302において、上記図7に示したようなアドレス対応テーブルから読み出すべき論理アドレスに対応する物理アドレスを取得する。そして、続くステップS303において、実領域62からデータを読み出すようにすれば良い。
【0091】
また、これまで説明したデジタルビデオレコーダ1におけるメモリ管理動作はプログラムにより実現することが可能とされる。
そして、本発明のプログラムは、上記デジタルビデオレコーダ1のROM44等に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。例えばDVDにより提供されることで、デジタルビデオレコーダ1ではデッキ部50でプログラムを読み出し、ROM44に格納するなどしてインストールできる。
【0092】
また、本発明のプログラムを記録媒体に記録しておけば本発明を実現するプログラムの提供が容易となり、装置設計やシステム構築に好適である。
なお、プログラムは、リムーバブル記録媒体からインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることも考えられる。
【0093】
なお、本実施の形態においては、本発明をデジタルビデオレコーダに適用した場合を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、本発明はデジタルビデオレコーダ以外の各種記録装置に適用可能とされる。例えばビデオカメラ等に搭載される記録再生装置等にも勿論適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、管理手段により、記録制御手段によりアクセスされる論理アドレスと、所要単位ごとに割り振られた物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、論理アドレスとデータを記録するために必要な単位領域数データとを関連づけて管理することで、記録媒体の記録領域を有効利用することが可能になる。
例えば、管理手段によりアクセスされる論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、論理アドレスに関連づけて管理されている管理データを、論理アドレスの過去の管理データとして管理したうえで、新たなデータを記録可能な記録領域の検索を行い、検索した新たな記録領域の物理アドレスと、新たなデータの記録に必要な領域数データを新たな管理データとして、論理アドレスに関連づけて管理すれば、記録媒体である不揮発性メモリの記録領域の一部をワークエリアとして割り当てる必要がないため、実質的に利用可能な記録領域の増加を図ることができる。
また、ワークエリアを設けないようにすれば、特定の記録領域の利用頻度だけが著しく増大することもなく、記録領域の均一的な利用が可能になる。
【0095】
また、本発明では、記録媒体である不揮発性メモリの記録領域に記録するデータを管理するための管理データを記録する管理領域を記録領域に設け、この管理領域に論理アドレスと、単位領域数についてのデータを記録しておくようにしているため、停電等の不慮の事故が発生したときでも管理データの修復を行うことが可能になる。
例えば、記録媒体にデータの書き込みを行う際に、アクセスされる論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、論理アドレスに対応する物理アドレスの管理領域に対して更新情報を書き込んだ後、新たな物理アドレスの管理領域に対して、論理アドレスと領域数データを記録しておくことで、停電等の不慮の事故が発生したときでも、この記録媒体の管理データを利用して管理手段の管理データの修復することができる。
【0096】
例えば、管理手段の管理データの修復を行う際には、上記記録媒体の管理領域に記録されている管理データを収集して、同一の論理アドレスが存在するか否かの判別を行い、同一の論理アドレスが存在するときは、その論理アドレスが記録されていた管理領域の管理データに基づいて、管理手段の管理データを修復すると共に、同一の論理アドレスが存在しないときは、管理領域に記録されていた論理アドレスに基づいて、管理手段の管理データを修復を行うようにすれば、記録媒体に記録されている適正な管理データにより、管理手段の管理データを修復することが可能になる。
例えば記録媒体である不揮発性メモリに対してデータの上書きを行っている途中でシステムが停止したときには、不揮発性メモリに記録されていた更新前の旧記録データと、更新後の新記録データのうち、信頼性が高い方の記録データを用いて記録データを修復を行うことができるようになる。
【0097】
また本発明のプログラムによれば、上記の効果を実現する記録装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのデジタルビデオレコーダの構成を示したブロック図である。
【図2】ディスク、及び不揮発性メモリの動作タイミングを示した図である。
【図3】NANDフラッシュメモリの構造を模式的に示した図である。
【図4】拡張領域の構造を模式的に示した図である。
【図5】不揮発性メモリへの基本的な書き込み動作を模式的に示した図である。
【図6】不揮発性メモリに欠陥ブロックが存在する時の書き込み動作を模式的に示した図である。
【図7】アドレス対応テーブルの構造を模式的に示した図である。
【図8】アドレス対応テーブルの構造を模式的に示した図である。
【図9】アドレス対応テーブルの構造を模式的に示した図である。
【図10】物理アドレス管理テーブルの構造を模式的に示した図である。
【図11】不揮発性メモリの上書き動作の手順を模式的に示した図である。
【図12】不揮発性メモリの上書き動作の手順を模式的に示した図である。
【図13】不揮発性メモリの上書き動作の手順を模式的に示した図である。
【図14】不揮発性メモリの上書き動作の手順を模式的に示した図である。
【図15】上書き動作を行った時の先頭ブロックの拡張領域の遷移を示した図である。
【図16】上書き動作を行った時のブロック全体の拡張領域の遷移を示した図である。
【図17】上書き動作を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【図18】停電時における拡張領域の状態を示した図である。
【図19】停電復帰動作を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【図20】不揮発性メモリの読み出し動作を模式的に示した図である。
【図21】読み出し動作を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルビデオレコーダ、2 アンテナ、12チューナ、13 V入力端子、14 S入力端子、15 オーディオ入力端子、16 ラインセレクタ、17 Y/C分離回路、18 オーディオA/Dコンバータ、19 NTSCデコーダ、20 同期制御回路、21 プリビデオ信号処理部、22 MPEGビデオエンコーダ、24 MPEGオーディオエンコーダ、25 デジタル入出力端子、26 デジタルインターフェース回路、30 多重化/分離回路、31 MPEG AVデコーダ、32 ホストビデオ信号処理回路、33 オーディオD/Aコンバータ、34 OSD 35 NTSCエンコーダ、36 V出力端子、37 S出力端子、38 オーディオ出力端子、41 エンコーダ/デコーダ、42 ドライバコントローラ、43 システムコントローラ、44 ROM、45 RAM、46 不揮発性メモリ、47 サーボ回路、50 デッキ部、51 ディスク、52 スピンドルモータ、53 光学ヘッド、54 磁気ヘッド、55 スレッドモータ、61 仮想領域、62 実領域

Claims (12)

  1. 入力されたデータを記録媒体の記録領域に記録する記録装置において、
    上記記録媒体の記録領域に上記データを記録するための記録制御を行う記録制御手段と、
    上記記録制御手段によりアクセスされる論理アドレスと、上記記録媒体の記録領域において所定の単位領域ごとに割り当てられている物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、上記記録領域に対してデータを記録するのに必要な単位領域数データとを関連づけて管理する管理手段と、
    を備え、
    上記記録媒体は、上記記録領域に記録するデータを所要単位で管理する管理データを記録するための管理領域を有し、
    上記記録制御手段は、上記記録領域に対して上記データを記録する際に、上記データを記録する記録領域に対応する管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを管理データとして記録するように制御を行うこと
    を特徴とする記録装置。
  2. 上記管理手段は、
    上記記録制御手段によりアクセスされる論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、上記論理アドレスに関連づけて管理されている上記データを管理するための管理データを、上記論理アドレスの過去の管理データとして管理したうえで、新たなデータを記録可能な記録領域の検索を行い、検索した新たな記録領域の物理アドレスと、上記新たなデータの記録に必要な領域数データを新たな管理データとして、上記論理アドレスに関連づけて管理を行うことを特徴する請求項1に記載の記録装置。
  3. 上記記録制御手段は、
    上記記録媒体にデータの書き込みを行う際に、アクセスする論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、上記論理アドレスに対応する上記物理アドレスの管理領域に対して更新情報を書き込んだ後、上記新たな物理アドレスの管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを記録する記録制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 上記記録制御手段は、
    上記管理手段の管理データを修復する際には、上記記録媒体の管理領域に記録されている管理データを収集して、同一の論理アドレスが存在するか否かの判別を行い、
    同一の論理アドレスが存在するときは、その論理アドレスが記録されていた管理領域の管理データに基づいて、上記管理手段の管理データを修復すると共に、
    同一の論理アドレスが存在しないときは、上記管理領域に記録されていた論理アドレスに基づいて、上記管理手段の管理データの修復を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 記録媒体の所要の記録領域に対してデータを記録する記録処理と、
    上記記録領域の所要単位の単位領域に対して上記データの記録制御を行う記録制御処理と、
    アクセスされる論理アドレスと上記所要単位ごとに割り振られた物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、上記論理アドレスと上記データを記録するのに必要な単位領域数データとを関連づけて管理する管理処理と、を実行するとともに、
    上記記録媒体の上記記録領域に対して上記データを記録する際には、上記データが記録される記録領域に対応する管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを管理データとして記録する記録処理を実行すること
    を特徴とする記録方法。
  6. 上記アクセスされる論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、上記論理アドレスに関連づけて管理されている上記データを管理するための管理データを、上記論理アドレスの過去の管理データとして管理したうえで、新たなデータを記録可能な記録領域の検索を行い、検索した新たな記録領域の物理アドレスと、上記新たなデータの記録に必要な領域数データを新たな管理データとして、上記論理アドレスに関連づけて管理する管理処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  7. 上記記録媒体にデータの書き込みを行う際にアクセスする論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、上記論理アドレスに対応する上記物理アドレスの管理領域に対して更新情報を書き込んだ後、上記新たな物理アドレスの管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを記録する記録処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  8. 管理手段の管理データを修復する際に、上記記録媒体の管理領域に記録されている管理データを収集して、同一の論理アドレスが存在するか否かの判別を行い、
    同一の論理アドレスが存在するときは、その論理アドレスが記録されていた管理領域の管理データに基づいて、上記管理手段の管理データを修復すると共に、
    同一の論理アドレスが存在しないときは、上記管理領域に記録されていた論理アドレスに基づいて、上記管理手段の管理データの修復を行う修復処理を
    実行することを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  9. 記録媒体の所要の記録領域に対してデータを記録する記録処理と、
    上記記録領域の所要単位の単位領域に対して上記データの記録制御を行う記録制御処理と、
    アクセスされる論理アドレスと上記所要単位ごとに割り振られた物理アドレスとを関連づけて管理すると共に、上記論理アドレスと上記データを記録するのに必要な単位領域数データとを関連づけて管理する管理処理とを、実行させるとともに、
    上記記録媒体の上記記録領域に対して上記データを記録する際には、上記データが記録される記録領域に対応する管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを管理データとして記録する記録処理を記録装置に実行させること
    を特徴とするプログラム。
  10. 上記アクセスされる論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、上記論理アドレスに関連づけて管理されている上記データを管理するための管理データを、上記論理アドレスの過去の管理データとして管理したうえで、新たなデータを記録可能な記録領域の検索を行い、検索した新たな記録領域の物理アドレスと、上記新たなデータの記録に必要な領域数データを新たな管理データとして、上記論理アドレスに関連づけて管理する管理処理を実行させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
  11. 上記記録媒体にデータの書き込みを行う際にアクセスする論理アドレスが使用状態にあると判別したときは、上記論理アドレスに対応する上記物理アドレスの管理領域に対して更新情報を書き込んだ後、上記新たな物理アドレスの管理領域に対して、上記論理アドレスと上記領域数データを記録する記録処理を実行させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
  12. 管理手段の管理データを修復する際に、上記記録媒体の管理領域に記録されている管理データを収集して、同一の論理アドレスが存在するか否かの判別を行い、
    同一の論理アドレスが存在するときは、その論理アドレスが記録されていた管理領域の管理データに基づいて、上記管理手段の管理データを修復すると共に、
    同一の論理アドレスが存在しないときは、上記管理領域に記録されていた論理アドレスに基づいて、上記管理手段の管理データの修復を行う修復処理を
    実行させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
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