JP4199527B2 - 止血用部材およびその使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の皮膚等に適用される止血用部材に関し、特に、人工透析、採血や点滴等による穿刺針の抜去後の出血部(穿刺孔等)を圧迫止血するための止血用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工透析、採血や点滴等の終了後には、注射針等を抜去した後、出血部を圧迫して止血することが行われる。例えば、抜去部を指で圧迫したり、抜去部に止血用パッド等を当てて、止血することが多い。
例えば、貼着面に粘着剤層を有するテープの中央部に、止血用パッドを直接貼着するか、あるいは、不織布、繊維層、プラスチックフィルム繊維集合体をこの順に積層し、布で被覆した繊維集合片を介して、止血用パッドを貼着してなる止血用絆創膏が知られている。これらの止血用パッドは、薄い繊維層を積層したり、繊維素材を圧縮したものであり、いずれも、血液、薬液等を吸収し、場合によっては膨張して圧迫止血するように構成されている。
ところが現行の止血方法では、血液等を吸収しながら止血するので、止血に長時間かかる。そのため、例えば人工血管を使用している場合には、人工血管にも余分な圧力がかかって、人工血管を傷める原因にもなる。また、透析患者はヘパリン等の抗血液凝固剤等を使用しているため止血しにくい。そこで看護婦等が抜去部を指で数分間から十数分間圧迫して止血を行うと、この間、看護婦等の手が塞がって他の医療作業が中断するので、後続の医療作業の遅延をもたらすことになる。あるいは、看護婦等が使用後の止血用パッド等を一斉に回収する場合には、止血が短時間で完了することが望ましい。
繊維体の吸収性の問題を解消するために、実開平5−29526号公報には、繊維体の上に血液が浸透しにくい合成樹脂繊維フェルトや不織布を圧縮加工してなる非吸収性パッドを積層した止血用絆創膏が開示されている。ところが、穿刺部に血栓が形成されても、止血用絆創膏を除去する際に血栓が一緒に剥がされてしまうと、再出血することになるので、穿刺部に接触する材料は、血液等に対して吸収性が低く、しかも、血液等に対して非固着性であることが必要である。
したがって、穿刺部に接触する材料が上記条件を満足し、かつ、穿刺部を適度に圧迫することができるような止血用部材が求められていた。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−29526号公報
【特許文献2】
特開2001−130638号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明は、人工透析や採血等による穿刺孔を保護すると同時に、血液等を吸収せず、しかも穿刺孔とその周辺範囲等を圧迫し止血効果を高める止血用部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の止血用部材は、密閉室を有し、該密閉室には、該密閉室の容量より少ない量の気体が封入されており、前記密閉室を構成するフィルムの少なくとも一部は、血液に対して吸収性が低く、非固着性であるバックフィルムからなり、かつ、該バックフィルムの外側面に吸収部材が設けられている
ことを特徴とする。
ここで、前記密閉室は、凸状部を有するフィルムの該凸状部の開口部を、前記血液に対して吸収性が低く、非固着性であるバックフィルムで密封することにより形成されてもよい。
また、前記吸収部材は、前記バックフィルムの外周に沿って、該外周の少なくとも一部に設けられていることができる。
また、前記吸収部材は、前記密閉室の一部に圧力が加わった際に、皮膚等穿刺孔および該穿刺孔の周辺範囲が前記バックフィルムと接触可能な形状であることが好ましい。
また、前記バックフィルムは、少なくとも、皮膚等穿刺孔および血管穿刺孔と、これらの穿刺孔の周辺範囲を覆うことができる形状と大きさであることが好ましい。
また、前記密閉室の一部に圧力がかかると、前記バックフィルムの全面に、密閉室から外側へ向かう力が発生することが好ましい。
また、前記バックフィルムは柔軟性があって、前記密閉室の一部に圧力が加わると、該バックフィルムが皮膚穿刺孔およびその周辺範囲と接触し、かつ、少なくとも、皮膚等穿刺孔および血管穿刺孔と、これら穿刺孔の周辺範囲を圧迫することができる。
ここで、前記密閉室は、熱融着により形成されていることが好ましい。
また、前記密閉室は透明であることが好ましい。
また、前記バックフィルムは、単層フィルムもしくは積層体であり、該単層フィルムおよび該積層体を構成するフィルムが、それぞれ独立に、ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、天然ゴム、および、合成ゴムからなる群から選ばれる1つからなることができる。
本発明の止血用部材シートは、上記止血用部材を2個以上有することを特徴とする。
【0006】
本発明の止血方法は、上記止血用部材を用いて止血を行う方法であって、バックフィルム面が穿刺針の皮膚等穿刺孔および血管穿刺孔と、これら穿刺孔の周辺範囲を覆うように止血用部材を載置し、穿刺針を抜去し、その後、所定の圧力を密閉室上方から加えて止血することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素については同一の参照番号を付して、これらの説明を省略する。
図1(a)〜(c)に、本発明の実施形態の1つに係る止血用部材の構成を示す。ここで、図1(a)は本発明の実施形態の1つに係る止血用部材を上から見た平面図であり、(b)はこの止血用部材を裏側からみた裏面図であり、(c)は図1(a)における直線AA’で切断したときの断面図である。本実施形態に係る止血用部材は、止血に必要な圧迫を出血部を中心にその周辺の広い範囲で均一に与えることができる。
図1(a)及び(c)において、凸状部を有するキャップフィルム4の開口部が、平坦なバックフィルム2で密封されて、空気等の気体を閉じ込めた密閉室1が形成されている。ここでは円形のバックフィルム2がキャップフィルム4に貼り合わされており、バックフィルム2の形状に即して貼着部2’は円環状となっている。キャップフィルム4とバックフィルム2の貼り合わせは、接着剤等を用いて行われてもよいが、例えば熱融着等により行われることが好ましい。密閉室1には適度な量の空気が封入されており、密閉室1の一部に圧力がかかると、例えば、キャップフィルム4の上側(図1(c)における圧力方向a)から圧力が加わると、開口部を塞いでいるバックフィルム2の全面に、均一に圧力が加わるようになっている。なお、ここでは、密閉室1の形状を円柱状としたが、これに限定されることなく、例えば、半球状、半楕円形状でも、四角柱形状、五角柱形状等の角柱状等でもよい。また、さらには、2枚の平坦な円形シートの周囲を熱融着等させて、内部に空気等を封入したような形態のものでもよい。
【0008】
図1(b)に示すように、バックフィルム2の裏面(密閉室1の外側面)には、貼着部2’に沿って、円環状の一部が欠けた形状(馬蹄形状様)の吸収部材3が貼り付けられている。透析等が終了した後、穿刺した注射針を、吸収部材3の円環の欠けた部分5に嵌め込みながら、皮膚へ穿刺した皮膚等穿刺孔に止血用部材をあてがうことができる。欠けた部分5の大きさは、過度に大き過ぎると皮膚等穿刺孔から漏出した血液がこの部分から止血用部材の外部へ流れ出す恐れがあるので、かかる問題が生じない程度の大きさであることが好ましい。なお、ここでは、欠けた部分5を有する形状の吸収部材を示したが、欠けた部分が設けられていない円環状(ドーナツ状)等の形状のものでもよい。但し、吸収部材は、欠けた部分を有する形状であることが好ましい。また、吸収部材3の円環の幅は、皮膚等穿刺孔から漏出し、凝固せずに流れ出た血液を吸収することができるような大きさであれば特に限定はない。ただし、密閉室1の一部に圧力が加わるとバックフィルム2の全面に外側へ向かう力が発生し、バックフィルム2がこの穿刺孔およびその周辺範囲を十分に覆い、接触し、かつ、出血部(皮膚へ穿刺した皮膚等穿刺孔および血管へ穿刺した血管穿刺孔と、これらの周辺を含む範囲)を適度に圧迫して止血し、また皮膚穿刺孔から漏出した血液を凝固させるのであるから、血液を凝固等させるのに必要なバックフィルム接触面を確保できる円環の径及び幅であることが必要である。なお、吸収部材3の厚みは、必要な大きさのバックフィルム接触面が確保されるような厚みであることが必要であり、一般的には、バックフィルム接触面が小さくなれば、吸収部材3の厚みも薄い方がよいであろう。バックフィルムの大きさ、吸収部材の円環の幅や内周径等は、吸収部材の適用場所や上記点等を考慮して適宜設計することが好ましい。
【0009】
吸収部材は、適度な柔らかさと厚さを有し、血液等を吸収することができる素材であれば、その種類については特に限定されることなく使用することができる。例えば、織布、不織布、繊維等が挙げられ、和紙等の紙類であってもよい。
【0010】
本発明の止血用部材を用いれば、例えば透析等が終了した後、皮膚等に注射針を刺したままで、注射針を吸収部材の欠けた部分に嵌合して、止血用部材を該当箇所にあてがうことができる。この状態を図2に示す。図2において、皮膚及び皮下組織22に注射針25を穿刺した皮膚等穿刺孔21と、血管23を穿刺した血管穿刺孔24との両方、およびこれら穿刺孔の周辺範囲、すなわち出血部に圧迫(圧力)が加えられるように、出血部を覆うような位置で止血用部材10をあてがうことが好ましい。例えば注射針を抜去した後、直ちに密閉室1の上方(方向a)から圧力を加えると、密封されている空気が密閉室内を均一に外部へ押し、結果として開口部を塞いでいるバックフィルム2の全面を均一に下方へ押すことになる。ここではバックフィルム2は柔軟性のある素材であるので、封じ込められた空気に押されて、バックフィルム2が下方へ撓み、追従するように皮膚及び皮下組織22の皮膚面と接触し、皮膚等穿刺孔21と血管穿刺孔24との両方、および、これらの周辺範囲を適度に圧迫する。これによって、短時間で止血することができるのである。注射針を抜去すると同じに密閉室を圧迫すると、密閉室内の空気によってバックフィルムが皮膚面に追従するように接触することになるので、皮膚穿刺孔から漏出した血液を効果的に確実に捕らえることができる。
【0011】
密閉室1が透明な材料から形成されている場合には、密閉室1を介して皮膚穿刺孔を容易に視覚的に認識することができるので、皮膚穿刺孔を中心にして皮膚穿刺孔を含む周辺範囲を十分に覆うように止血部材をあてることができる。
上述したように、密閉室1を構成するフィルムの少なくとも一部は、バックフィルム2からなり、バックフィルムは、柔軟性があり、かつ、血液等を殆ど吸収せず、血液等に対して非固着性であり、血液等が凝固した後、容易に剥がすことができるものである。この機能を有するものであれば、材料の種類等は特に限定されることはないが、いわゆるエアーキャップに使用されるような材料を好ましく使用することができる。本発明においては、例えば、プラスチックフィルム等が挙げられ、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂等が好ましく使用される。また、場合によっては合成ゴムや天然ゴムを使用することもできる。さらにまた、バックフィルムは単層でも積層体でもよく、積層体を構成する各フィルムは、それぞれ独立して上記材料からなる。すなわち、積層体は、同一材料からなるフィルムを2以上積層したものでも、異なる材料からなるフィルムを積層したものでもよい。
【0012】
密閉室1を構成するフィルムのバックフィルム以外の部分、例えば、図1及び図2におけるキャップシート4は、バックフィルム2と同じ材料から形成されていても、異なっていてもよく、また単層フィルムでも積層体でもよい。具体的には、プラスチックフィルム等が挙げられ、各フィルムには、それぞれ独立に、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂等が好ましく使用される。
【0013】
凸状部(キャップ部)を有するキャップシート4と、この開口部を塞ぐために積層されるバックシート2とは、熱融着等によって貼り合わされることが好ましい。そのためには、キャップシート4とバックシート2とは、熱融着可能な材料の組合せであることが好ましい。
例えば図1に示す止血用部材においては、凹部を有する真空成形装置を用いてキャップフィルムに凸状部(キャップ部)を形成し、次に、この凸状部の開口部にバックフィルムを重ね、加熱しつつ、バックフィルムをキャップフィルムに向けて押圧することにより、開口部を熱融着して密閉室1を形成することができる。なお、キャップフィルムの成形温度、熱融着温度等は、密閉室を構成するフィルムの種類、組合せ等によって、適当な範囲に設定されることが好ましい。
【0014】
バックフィルム2の裏面には、円環の一部が欠けた形状(馬蹄形状様)の吸収部材3が、熱融着部分の円形に沿って、例えば接着剤等を用いて貼着される。接着剤の種類としては特に制限されるものではないが、吸収部材3が血液等を吸収するものであるので、このような状況でも接着力を失わないものが好ましい。例えば、吸収部材の片面が熱融着可能な材質であればバックフィルムとの熱融着も可能である。
【0015】
本発明においては、複数の止血用部材が1枚のシートに形成されていてもよい。この場合、複数の止血用部材は同一でも異なっていてもよい。同一形状の止血用部材を複数個有する止血用部材シートを図3に例示する。
図3において、キャップフィルム4には凸状部(キャップ部)が複数個形成されており、これらの凸状部の開口部全部を塞ぐように、バックフィルム2が積層されている。キャップフィルム4とバックフィルム2とは、例えば、熱融着によって貼り合わせることができる。各凸状部の内部には、凸状部の容積より少なめの量の空気が封入されていて、密閉室1を形成している。バックフィルム2の裏面には、馬蹄形状様の吸収部材3が貼り合わされている。このように、複数の止血用部材が1枚のシートの形態で提供されてもよい。ここで、個々の止血用部材は鋏等の切断具によって分断されてもよいが、例えば図4に示すように、止血用部材の周囲にミシン目等を施しておき、切断具を使わず、手で分断されてもよい。
【0016】
図4は、複数の止血用部材を有するシートを、凸状部を有するフィルム4の側から見た平面図である。図4において、凸状部の開口部をバックシートで塞いで形成された密閉室1の裏面には、馬蹄形状様の吸収部材3が貼り合わされている。貼着部2’(図示せず)は円形状を呈しており、吸収部材3は、この円形状に即した形状となっている。止血用部材10の周囲には、舌状のつまみ部42の外周に沿うミシン目41が形成されている。ここでは、ミシン目の一部に、手で取り扱い易いようにつまみ部42が設けられているが、つまみ部42がなく、円形のミシン目が施されていてもよい。ミシン目の形状は適宜設計されることが好ましい。このように、ミシン目が施されていると、必要な個数の止血用部材を容易に個別に切り離すことができるので、使用に際し便利である。
【0017】
図3に示す止血用部材シートは、以下のようにして形成される。例えば、第1のTダイ及び第2のTダイから、それぞれキャップフィルム及びバックフィルムを溶融押し出しし、キャップフィルムを成形ロールを用いて真空成形することにより、多数の凸状部を有するキャップフィルムとする。キャップフィルムの凸状部の開口部を塞ぐように、バックフィルムを成形ロールに押しつけて、熱融着させることによって、適当量の空気が封じ込められた密閉室を形成する。この複数の密閉室を有するシートの裏面(バックフィルム面)に、馬蹄形状様の吸収部材を各貼着部に沿って貼りつける。最後に、各止血用部材の周囲にミシン目を施して止血用部材シートを得ることができる。
【0018】
なお、本発明において「フィルム」という場合には、シートを含み、「シート」という場合には、フィルムを含む概念とする。また、本発明において、キャップフィルムやバックフィルム等は単層でも積層体でもよく、必要に応じて、適宜設計されることが好ましい。
また、本発明において、フィルム等には、通常使用される添加剤等を本発明の効果を阻害しない範囲内で使用することができる。例えば、添加剤として、老化防止剤、充填剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0019】
本発明においては、止血用部材を穿刺部にあて、密閉室の上を指等で圧迫して止血してもよいが、止血部材をサージカルテープ等の粘着テープで皮膚面に圧迫固定して、止血を行ってもよい。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
既存の真空成形装置を用いて、直径30mm、高さ15mm、ピッチ約20mmの凸状部を有するキャップフィルムを形成し、これにバックフィルムを熱融着して密閉室を有するシートを形成した。この密閉室の裏面に吸収部材として、円環状の一部が欠けた形状の繊維フェルトを貼り合わせ、止血用部材を形成した。この止血用部材のそれぞれの周囲にミシン目を施して、止血用部材シートを作成した。ただし、キャップフィルム及びバックフィルムの材料は、両方とも、LDポリエチレンを使用した。得られた止血用部材シートの密閉室は透明であった。
次に、得られた止血用部材シートから、ミシン目に沿って、止血用部材の1つを手で切り離し、この止血用部材を用いて止血を行った。すなわち、透明な密閉室の上から穿刺部を目で確認しつつ、注射針を吸収部材の欠けた部分にあてがい、穿刺部の周辺をバックフィルムで覆った。次に、注射針を抜去し、密閉室の上から力を加えると、出血部を適度に圧迫することができ、短時間で止血を終了することができた。なお、注射針の抜去によって漏出した血液は全て、吸収部材に吸収されたので、止血用部材の外部に血液が漏れ出すことはなかった。また、バックフィルムは血液と固着性がないので、血液が凝固した後、止血用部材を除去する際に、凝固した血液に貼りつくこともなく、容易に剥がすことができた。したがって、血栓の損壊等の事態は生じなかった。
【0021】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、人工透析や採血等による穿刺孔を保護すると同時に、血液等を吸収せず、しかも出血部を適度に圧迫することができる、止血効果の高い止血用部材が得られる。また、この止血用部材を使用して、止血効果の高い止血方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態の1つに係る止血用部材の構成を示す図であり、図1(a)は、この止血用部材の平面図であり、(b)は裏面図であり、(c)は(a)における直線AA’で切断したときの断面図である。
【図2】図2は、図1に示す止血用部材を用いて、止血を行う状態を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態の1つに係る止血用部材シートの構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示す止血用部材シートの一部を拡大した図である。
【符号の説明】
1 密閉室
2 バックフィルム
2’ 貼着部
3 吸収部材
4 キャップフィルム
5 円環状の欠けた部分
10 止血用部材
21 皮膚等穿刺孔
22 皮膚
23 血管
24 血管穿刺孔
25 注射針
41 ミシン目
42 つまみ部
a 圧力方向
Claims (11)
- 密閉室を有し、該密閉室には、該密閉室の容量より少ない量の気体が封入されており、
前記密閉室を構成するフィルムの少なくとも一部は、血液に対して吸収性が低く、非固着性であるバックフィルムからなり、かつ、
該バックフィルムの外側面に吸収部材が設けられている
ことを特徴とする止血用部材。 - 前記密閉室が、凸状部を有するフィルムの該凸状部の開口部を、前記血液に対して吸収性が低く、非固着性であるバックフィルムで密封することにより形成されることを特徴とする請求項1記載の止血用部材。
- 前記吸収部材が、前記バックフィルムの外周に沿って、該外周の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の止血用部材。
- 前記吸収部材は、前記密閉室の一部に圧力が加わった際に、皮膚等穿刺孔および該穿刺孔周辺範囲が前記バックフィルムと接触可能な形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の止血用部材。
- 前記バックフィルムは、少なくとも、皮膚等穿刺孔および血管穿刺孔と、これらの穿刺孔の周辺範囲を覆うことができる形状と大きさであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の止血用部材。
- 前記密閉室の一部に圧力がかかると、前記バックフィルムの全面に、密閉室から外側へ向かう力が発生することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の止血用部材。
- 前記バックフィルムは柔軟性があって、前記密閉室の一部に圧力が加わると、該バックフィルムが皮膚等穿刺孔およびその周辺範囲と接触し、かつ、少なくとも、前記皮膚等穿刺孔および血管穿刺孔と、これら穿刺孔の周辺範囲を圧迫することができることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の止血用部材。
- 前記密閉室が、熱融着により形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の止血用部材。
- 前記密閉室が透明であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の止血用部材。
- 前記バックフィルムが単層フィルムもしくは積層体であり、該単層フィルムおよび該積層体を構成するフィルムは、それぞれ独立に、ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、天然ゴム、および、合成ゴムからなる群から選ばれる1つからなることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の止血用部材。
- 請求項1から10の少なくとも1項に記載の止血用部材を2個以上有することを特徴とする止血用部材シート。
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