JP4197926B2 - ノズルプレート及びそれを備えた固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池スタックのセパレータにおけるマニホールドとガス流路とを接続するためのノズルプレート、及びそのノズルプレートを備えた固体高分子形燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード(燃料極)、他方の面にカソード(空気極)を接合してセルを形成し、このセルを複数本の反応ガス流路が設けられたセパレータで両側から挟み付けて複数積層し、両端にエンドプレートを添えて通しボルトで締め付け一体化することでスタックが構成されている。そして、セルのアノード及びカソードの各外側面には拡散層が位置しており、アノードに対向するセパレータのガス流路には燃料ガス(水素ガス又は改質ガス)を流通させると共に、カソードに対向するセパレータのガス流路には酸化剤ガス(酸素ガス又は空気)を流通させ、セルの高分子電解質膜を介して電気化学的反応を起こさせることにより直流電気を発電する。
【0003】
上記セパレータのガス流路は、通常セパレータの両面に凹溝状に並設されている。又、セパレータにはスタックの積層方向に連通する供給孔及び排出孔が貫通して設けられ、この供給孔に接続する凹部状のガス供給用マニホールド及び排出孔に接続するガス排出用マニホールドがそれぞれ設けられ、更にこれらのマニホールドは各ガス流路に連通する構造になっている。従って、スタックに導入される反応ガスは、上記供給孔から各セパレータのガス供給用マニホールドに分配され、このガス供給用マニホールドから各ガス流路に流れ込んで流通するのである。セルの反応部で未反応に終わったガスは各ガス流路の出口からガス排出用マニホールドに排出され、このガス排出用マニホールドに接続する排出孔に流れ込んでスタックの積層方向に流れ、外部に排出される。
【0004】
セパレータのガス流路は、反応ガス特に燃料ガスが所定量均一に流通することが望まれる。複数本のガス流路において、燃料ガスの流量が不均一になるとガス供給不足の流路で電気化学的反応が充分に行われず、そのため発電効率が低下して燃料電池の性能低下を招くことになる。このような事態を防止するために、従来例えばガス流路の入口又は出口に断面積一定の孔あき板を取り付け、或は各ガス流路の入口又は出口に断面積一定の管体を挿設することにより、ガス流路の流動抵抗を均一化させるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
又、セパレータのガス流路は、反応ガス特に燃料ガスが所定量円滑に流通することが望まれる。上記セルの固体高分子電解質膜は飽和湿潤状態において適正に機能する特性を有するため、通常は加湿した燃料ガスを供給して固体高分子電解質膜の湿潤状態を保持するようにしているが、燃料ガス中に含まれる水蒸気の一部がセパレータのガス流路内で凝縮して水滴となり、この水滴がガス流路に付着して流路を塞ぐことがある。ガス流路が水滴付着により塞がれると、燃料ガスの流通が阻害され、燃料ガスの供給不足が生じて電気化学的反応が充分に行われず、発電効率が低下して燃料電池の性能低下を招くことになる。このような事態を防止するために、従来例えばガス流路の幅や深さ寸法を最適化して凝縮水に起因するガス流通の阻害を防ぐようにした技術が開示されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−112266号公報
【特許文献2】
特開平6−96777号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のガス流路の流動抵抗均一化機構によると、孔あき板の場合は、板厚が薄いため流路の流動抵抗を均一化させるには孔の径をなるべく小さくしなければならない。孔の径を小さくすると、目詰まりが生じ易くなってガス流を阻害する問題が生じる。又、管体の場合は、各流路への取付作業が面倒であり、スタックの組み立て作業能率を低下させることになる。一方、凹溝状ガス流路の寸法最適化によると、セパレータの流路を形成するための切削作業が厄介なものとなり、且つガス流路の寸法を最適に設定しても供給されるガスの圧力や流速等が変化するため、常時理想的なガス流通を保持できるとは限らない。
【0008】
又、従来では図6に示すように、セパレータAに並設された凹溝状のガス流路Bの長さに対して、これより短い寸法のセルCが使用されているのが一般的である。このため、セルCの上端部とガス供給用マニホールドDの下端部との間に露出するガス流路の入口近傍に、プレートEを上から被せるようにして取り付けてガス流路のトンネルを形成し、これによりガスリークを防止するようにしている。ガス流路の出口近傍においても同様である。従って、トンネルを形成するためのプレートEを必要とした。
【0009】
本発明者は、上記従来技術における諸問題を解消するために鋭意研究し、その結果、略くし型のノズルプレートをセパレータのガス流路の端部(入口及び/又は出口)に取り付けることで、従来技術の諸問題を全て解消できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、固体高分子形燃料電池において、セパレータのガス流路に対して反応ガスを均一に流通できると共に、流路内で生じる凝縮水を排除して反応ガスを円滑に流通させることができ、且つ従来のトンネル形成用プレートを不要としたノズルプレート及びそれを備えた固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、本発明の請求項1は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合してなるセルを、両側から挟み付けて燃料電池スタック内に組み込まれる燃料電池用セパレータにおいて、このセパレータに複数本並設された凹溝状反応ガス流路の入口及び/又は出口に取り付けられるノズルプレートであって、このノズルプレートは、板状の基部と、この基部の一端側に突出片が並設された接続部とを有し、前記基部の他端側から前記接続部の突出片を貫通するノズル孔がそれぞれ設けられ、前記セパレータに取り付けた際に、前記複数の反応ガス流路の端部とマニホールドの端部との間に設けられた凹部に嵌り込む大きさに設定され、且つ前記反応ガス流路間に位置するリブの上面と同一平面となるように厚さが設定され、前記突出片は各反応ガス流路の凹部内に挿入できるように当該反応ガス流路の間隔に対応させて櫛歯状に設けられ、更に前記ノズル孔は出口側に向けてガスを噴出できるようにそれぞれ同一径の先細り孔とし、これらのノズル孔によって流量を規制することにより反応ガスの供給を均一にすることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2は、請求項1のノズルプレートにおいて、前記ノズルプレートは樹脂により一体成形したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3は、請求項2のノズルプレートにおいて、前記樹脂は、ポリアセタール、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマーから選択されることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項4は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合してなるセルを、前記アノードに対向する面に複数本の凹溝状燃料ガス流路が設けられたセパレータと、前記カソードに対向する面に複数本の凹溝状酸化剤ガス流路が設けられたセパレータとで挟んで複数積層された固体高分子形燃料電池において、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のノズルプレートが、前記一方のセパレータ又は両方のセパレータに取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5は、請求項4の固体高分子形燃料電池において、前記ノズルプレートにおける各ノズル孔のガス流量のバラツキは、前記セパレータにおける各流路のガス流量のバラツキよりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項6は、請求項4又は請求項5の固体高分子形燃料電池において、前記ノズルプレートを接着剤により前記セパレータに取り付ける場合において、ノズルプレート或いはセパレータのいずれか一方又は両方の接着面の近傍に余剰の接着剤が逃げ込む溜まり部を設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るノズルプレート及びそのノズルプレートを備えた固体高分子形燃料電池の実施形態に付いて、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るノズルプレートの一実施形態であって、(a)はその平面図、(b)は正面図を示している。このノズルプレート1は、薄板状の基部1Aと、この基部1Aの一端側に所定の間隔をもって突出片2が櫛歯状に並設された接続部1Bとを有し、基部1Aの他端側から前記各突出片2を貫通するノズル孔3がそれぞれ設けられている。
【0018】
上記ノズルプレート1は、合成樹脂例えばポリアセタール、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマー等から選択されるいずれかの材料で一体成形することが可能である。材料となる樹脂は、成形時の流動性が良好で且つ仕上がり寸法精度が高く、やや可撓性があり、耐熱性、耐水性に優れていれば上記以外のものであっても良い。
【0019】
ノズルプレート1の大きさ及び厚さは、図2のようにセパレータ4に取り付けた際に、複数の凹溝状流路4aの入口とガス供給用マニホールド5の下端との間の領域に設けられた凹部4c(図3)に嵌まり込むような大きさに設定され、且つ流路4a間に位置するリブ4b(流路を仕切るための流路凸部)の高さを考慮して、そのリブ4bの上面とノズルプレート1の上面とが同一平面となるように厚さが設定される。又、前記突出片2は、セパレータ4の各流路4aの凹部内に挿入できるように流路4aの間隔に対応させて櫛歯状に設けられている。更に、前記ノズル孔3の直径は、入口側(基部1Aの他端側)が約0.25mm、出口側(突出片2の先端側)が約0.22mmに設定され、ガスを噴出できるようにやや先細り孔にしてある。
【0020】
これにより、各ノズル孔3の入口側は供給用マニホールド5内に連通し、ノズル孔3の出口側は各流路4aの入口に連通し、即ちノズルプレート1を介してガス供給用マニホールド5と各流路4aとが接続される。
【0021】
上記ノズルプレート1は、下面側を前記凹部4cの底面に対し例えば接着剤により取り付けるが、他の実施形態として図4(a)、(b)に示すような接着手段を採用することもできる。即ち、図4(a)のようにノズルプレート1の基部1Aの先端に各突出片2の基部を繋ぐようにして薄板部1C(この上面は基部1Aの上面と同一平面)を設け、この薄板部1Cの厚さに相当する段部面4dを各リブ4bの上端部に設け、これらの段部面4dに薄板部1Cを載せてそれぞれ接着するのである。これにより、流路4aのリブ4bにも接着することでノズルプレート1の接着力を補強することができる。
【0022】
又、図4(b)のように段部面4dと薄板部1Cとの接着面に連通させてその近傍に余剰の接着剤が逃げ込む溜まり部6を、ノズルプレート1或はセパレータ4のいずれか一方又は両方に設けておくと、接着面が密着して出っ張りが生じないので好ましい。更に、各突出片2の先端部をとがり形状に加工しておくと、各流路4aに対する挿入作業がし易くなる。
【0023】
図2において、7はセルであり前記流路4a全体を被覆するように、且つノズルプレート1と各流路4a入口近傍との接続部を十分被覆する状態で配設され、このセル7の周囲には図示を省略したガスケットが配置され、セパレータ4に対向する他のセパレータが配置されて前記スタックの構成要素となる。
【0024】
この場合、セパレータ4には燃料ガスの供給孔8が前記ガス供給用マニホールド5に接続して設けられ、流路4aの出口にはガス排出用マニホールド9が設けられると共に、このガス排出用マニホールド9に接続する排出孔10が設けられている。又、セパレータ4には酸化剤ガスの供給孔11と排出孔12が設けられ、図示は省略したがセパレータ4の他面側に設けられたガス供給用マニホールド、ガス排出用マニホールドにそれぞれ接続し、且つ複数本の酸化剤ガスの流路が設けられている。
【0025】
図2においては、流路4aの入口側のみに前記ノズルプレート1を取り付けた例を示したが、流路4aの出口側にも同様のノズルプレートを取り付けることができる。又、セパレータ4の他面側の酸化剤ガス流路に関しても同様である。
【0026】
上記ノズルプレート1を備えた固体高分子形燃料電池において、スタックに燃料ガス(例えば改質ガス)が供給されると、スタックの積層方向に連通する前記供給孔8から各セパレータ4のガス供給用マニホールド5内に分配され、このガス供給用マニホールド5からノズルプレート1のノズル孔3内に流入し、これらノズル孔3を通過して各流路4a内に供給される。
【0027】
セパレータ4は切削加工によって成形された場合、各セパレータ4それぞれの間での寸法精度に差が出るために各セパレータ4間でのガス流量にバラツキが生じ、プレス加工によって成形された場合には、セパレータ4の各流路4aそれぞれの間での寸法精度が低下するため各流路4a間でのガス流量にバラツキが生じやすい傾向がある。
そこで、ノズルプレート1の同一径のノズル孔3によって流量を規制することにより、各セパレータ4及び各流路4aに対する燃料ガスの供給は均一にする。これにより、各セパレータ4及び各流路4aそれぞれの間での電気化学的反応の差が無くなるか或は極小となり、従来に比して発電効率が向上し燃料電池の性能を高めることができる。各セパレータ4及び各流路4aでのガス流量を均一にするため、ノズルプレート1における各ノズル孔3の寸法精度を厳密に規定するなどして、ノズルプレート1における各ノズル孔3のガス流量のバラツキを小さく設定する。従って、ノズルプレート1は精密に成形することが肝要である。
【0028】
上記実施形態の場合には、ノズルプレート1のノズル孔3を介して各流路4a内に燃料ガスを確実に導入できるため、ガス分配の不均一が生じることがなく、ガスリークが生じることもない。又、ノズルプレート1の下面側はセパレータ4の凹部4cに接着され、上面側はセパレータ4の上面(リブ4bの上面)と同一平面となっているため、上面側に接合する部材(セル7及びガスケット)が密着することとなり、その結果ノズルプレート1の上下面は密にガスシールされている。従って、ガス供給用マニホールド5から燃料ガスがノズルプレート1の上下面を通ってガスリークすることもない。
【0029】
更に、ノズルプレート1の櫛歯状突出片2は各流路4a内に挿入されているため、流路4a間でガスリークが発生することは無い。このノズルプレート1の突出片2と流路4a入口との接続部は、前記セル7により被覆されてセル7のアノード外側面に位置する拡散層が乗っているため、ガスシールが完全であると共に燃料ガスを最大限に有効利用することができる。
【0030】
ところで、燃料ガスはセル7の固体高分子電解質膜を飽和湿潤させるために予め加湿されたものが供給される。燃料ガスが改質ガスの場合は、通常セパレータ4の流路4a内の温度よりも高いため、供給された燃料ガスが流路4a内で冷やされて水蒸気の一部が凝縮し、流路4aに付着して燃料ガスの流通を阻害する事態が生じることがある。本実施形態の場合には、図5に模式的に示すように流路4a内で凝縮水Wが付着した時、その凝縮水Wを挟む上流側と下流側とではガス圧力差が大きいため、閉塞した部分の凝縮水Wをノズル孔3から噴出する燃料ガスによって吹き飛ばすことができる。従って、各流路4aは常時凝縮水の付着がない状態に保持することができ、これにより燃料ガスが円滑に流通して発電性能を高く維持することができる。前記のように燃料ガスはノズルプレート1のノズル孔3を通ってガスリークが生じないため、凝縮水Wを挟む上流側と下流側との圧力差を確保することができる。
【0031】
セル7の反応部で未反応に終わった残余燃料ガスは、流路4aの出口から前記ガス排出用マニホールド9内に排出されると共に、それに接続する排出孔10に流入してスタックの積層方向に沿って流れ、スタックの端部から外部に排出される。この排出された残余燃料ガスは、図示を省略した改質装置のバーナに誘導されて燃焼されるのが一般的である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1の発明によれば、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合してなるセルを、両側から挟み付けて燃料電池スタック内に組み込まれる燃料電池用セパレータにおいて、このセパレータに複数本並設された凹溝状反応ガス流路の入口及び/又は出口に取り付けられるノズルプレートであって、このノズルプレートは、板状の基部と、この基部の一端側に突出片が並設された接続部とを有し、前記基部の他端側から前記接続部の突出片を貫通するノズル孔がそれぞれ設けられ、前記セパレータに取り付けた際に、前記複数の反応ガス流路の端部とマニホールドの端部との間に設けられた凹部に嵌り込む大きさに設定され、且つ前記反応ガス流路間に位置するリブの上面と同一平面となるように厚さが設定され、前記突出片は各反応ガス流路の凹部内に挿入できるように当該反応ガス流路の間隔に対応させて櫛歯状に設けられ、更に前記ノズル孔は出口側に向けてガスを噴出できるようにそれぞれ同一径の先細り孔とした構成である。このノズルプレートをセパレータにおけるマニホールドと反応ガス流路との間に取り付けることより、各反応ガス流路へ反応ガスを均一に流通させると共に、反応ガス流路内で生じる凝縮水を排除して反応ガスを円滑に流通させることができる。
【0033】
本発明に係る請求項2の発明によれば、請求項1のノズルプレートを樹脂により一体成形するので、大量生産に適し且つセパレータへの取付作業が従来の管体に比して著しく容易になる。
【0034】
本発明に係る請求項3の発明によれば、請求項2における前記樹脂は、ポリアセタール、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマーから選択されるため、金型による一体成形がし易くなり且つ仕上がり寸法精度の高い、品質の優れたノズルプレートを作製できる。
【0035】
本発明に係る請求項4の発明によれば、固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合してなるセルを、前記アノードに対向する面に複数本の凹溝状燃料ガス流路が設けられたセパレータと、前記カソードに対向する面に複数本の凹溝状酸化剤ガス流路が設けられたセパレータとで挟んで複数積層された固体高分子形燃料電池において、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のノズルプレートが取り付けられているので、セパレータのガス流路に対して反応ガスを均一に流通できると共に、ガス流路内で生じる凝縮水を排除して反応ガスを円滑に流通させることができる。これにより、従来のトンネル流路を形成するためのプレートが不要になり、又ガス流量の均一化のための孔あき板や管体が不要となる。
【0036】
本発明に係る請求項5の発明によれば、請求項4の固体高分子形燃料電池において、前記ノズルプレートにおける各ノズル孔のガス流量のバラツキは、前記セパレータにおける各流路のガス流量のバラツキよりも小さく設定されているので、各流路へのガス流量の均一化を確実に行うことができる。
【0037】
本発明に係る請求項6の発明によれば、請求項4又は請求項5の固体高分子形燃料電池において、前記ノズルプレートを接着剤により前記セパレータに取り付ける場合において、ノズルプレート或いはセパレータのいずれか一方又は両方の接着面の近傍に余剰の接着剤が逃げ込む溜まり部を設けたので、ノズルプレートをセパレータに密着させて取り付けることができ、ノズルプレートに出っ張りが生じないことからガスリークを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノズルプレートの一実施形態を示すもので、(a)はその平面図であり、(b)は正面図である。
【図2】本発明に係るノズルプレートをセパレータに取り付けた状態を示す平面図である。
【図3】図2におけるX−X線概略断面図である。
【図4】本発明に係るノズルプレートの他の実施形態を示すもので、(a)はセパレータへの接着要領を示す部分説明図、(b)は更に他の実施形態におけるノズルプレートの接着要領を示す部分概略平面図である。
【図5】本発明に係る固体高分子形燃料電池において、セパレータのガス流路に付着した凝縮水を吹き飛ばす時の模式的説明図である。
【図6】従来の固体高分子形燃料電池において、プレートによりトンネル流路を形成する状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1…ノズルプレート
1A…基部
1B…接続部
2…突出片
3…ノズル孔
4…セパレータ
4a…流路
4b…リブ
4c…凹部
5…ガス供給用マニホールド
6…溜まり部
7…セル
8…供給孔
Claims (6)
- 固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合してなるセルを、両側から挟み付けて燃料電池スタック内に組み込まれる燃料電池用セパレータにおいて、このセパレータに複数本並設された凹溝状反応ガス流路の入口及び/又は出口に取り付けられるノズルプレートであって、このノズルプレートは、板状の基部と、この基部の一端側に突出片が並設された接続部とを有し、前記基部の他端側から前記接続部の突出片を貫通するノズル孔がそれぞれ設けられ、前記セパレータに取り付けた際に、前記複数の反応ガス流路の端部とマニホールドの端部との間に設けられた凹部に嵌り込む大きさに設定され、且つ前記反応ガス流路間に位置するリブの上面と同一平面となるように厚さが設定され、前記突出片は各反応ガス流路の凹部内に挿入できるように当該反応ガス流路の間隔に対応させて櫛歯状に設けられ、更に前記ノズル孔は出口側に向けてガスを噴出できるようにそれぞれ同一径の先細り孔とし、これらのノズル孔によって流量を規制することにより反応ガスの供給を均一にすることを特徴とするノズルプレート。
- 前記ノズルプレートは樹脂により一体成形したことを特徴とする請求項1記載のノズルプレート。
- 前記樹脂は、ポリアセタール、ポリメチルペンタン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマーから選択されることを特徴とする請求項2記載のノズルプレート。
- 固体高分子電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを接合してなるセルを、前記アノードに対向する面に複数本の凹溝状燃料ガス流路が設けられたセパレータと、前記カソードに対向する面に複数本の凹溝状酸化剤ガス流路が設けられたセパレータとで挟んで複数積層された固体高分子形燃料電池において、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のノズルプレートが、前記一方のセパレータ又は両方のセパレータに取り付けられていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
- 前記ノズルプレートにおける各ノズル孔のガス流量のバラツキは、前記セパレータにおける各流路のガス流量のバラツキよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項4記載の固体高分子形燃料電池。
- 前記ノズルプレートを接着剤により前記セパレータに取り付ける場合において、ノズルプレート或いはセパレータのいずれか一方又は両方の接着面の近傍に余剰の接着剤が逃げ込む溜まり部を設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の固体高分子形燃料電池。
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