JP4197008B2 - 画像処理方法、プログラム及び画像処理装置 - Google Patents
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Description
このため、ディジタル画像の中のホコリ画像を検出し、除去する手段が提案されている。
特許文献2によれば、二値画像にラベリング処理を施して個別の画像塊を矩形枠で囲い、所定条件の矩形枠内の画像塊をホコリ画像成分としている。しかし、二値画像の生成過程が不明であり、どのような画像でも適用可能なのか否かが不明である。
また、ホコリ画像のような欠陥画像(ホコリ画像・ノイズ等を含む)を除去する方法として、移動平均処理やメディアンフィルタ処理などが知られている。しかし、移動平均処理では、画像がぼけてしまい、かえって画質が劣化するおそれがある。また、メディアンフィルタ処理は、ランダムノイズを除去するには適しているが、欠陥画像が大きい場合、欠陥画素を欠陥画素で置換するおそれがある。
前記フィルタ処理後の前記周囲画素に基づいて、前記注目画素の階調値を変更する
ことを特徴とする画像処理方法。
このような画像処理方法によれば、画像処理後の画質が向上する。
注目画素を決定させた後に、前記注目画素の周囲にある周囲画素に対してフィルタ処理を行わせて、前記周囲画素の階調値を変更させ、
前記フィルタ処理後の前記周囲画素に基づいて、前記注目画素の階調値を変更させる
ことを特徴とするプログラム。
このようなプログラムによれば、画像処理後の画質が向上するように、画像処理装置に画像処理させることができる。
前記演算処理部は、前記記憶部に記憶されたディジタル画像から注目画素を決定した後に、前記注目画素の周囲にある周囲画素に対してフィルタ処理を行って、前記周囲画素の階調値を変更し、
前記演算処理部は、前記フィルタ処理後の前記周囲画素に基づいて、前記注目画素の階調値を変更する
ことを特徴とする画像処理装置。
このような画像処理装置によれば、画像処理後の画質が向上する。
図1は、複合装置の全体斜視図である。図2は、複合装置の構成のブロック図である。複合装置1は、原稿から画像を読み取るためのスキャナ機能と、外部のコンピュータ3からの印刷データに基づいて画像を紙に印刷するプリンタ機能と、原稿から読み取った画像を紙に印刷するコピー機能と、を有する。
プリンタ部20は、紙を搬送する搬送ユニット(不図示)と、インクを吐出するヘッドを移動させるキャリッジ21とを有する。そして、プリンタ部20は、搬送ユニットにより紙を搬送する搬送動作と、移動するヘッドからインクを吐出して紙にドットを形成するドット形成動作とを交互に繰り返して、紙に画像を印刷する。不図示の搬送ユニットは、複合装置1の背面の背面給紙口22又は複合装置1の前面の前面給紙口23にセットされた紙を給紙し、複合装置1の前面の排紙トレイ24へ印刷された紙を排紙する。
スキャナ部10は、上蓋11と、原稿台ガラス12とを有する。上蓋11には、白色の原稿マット112が取り付けられている。原稿台ガラス12に原稿が置かれた状態で上蓋11が閉じられると、原稿が原稿マット112と原稿台ガラス12との間で平らにセットされる。原稿台ガラス12の下には、読取キャリッジ等のスキャナ部10の他の構成要素がある。
パネル部40は、液晶ディスプレイ41と、各種のボタンを有する。ボタンの種類としては、例えば、電源ボタン42、設定ボタン43、ストップボタン44、モード選択ボタン45、カーソル操作ボタン群46、スタートボタン47等がある。電源ボタン42は、複合装置1の電源をオン/オフする。設定ボタン43は、ヘッドクリーニング、ノズルチェック、インク残量等の設定や確認を行う。ストップボタン44は、動作中の機能を中止する。モード選択ボタン45は、複合装置1の機能の選択を行う。カーソル操作ボタン群46は、液晶ディスプレイ41に表示される項目の設定等を行う。スタートボタン47は、カラーボタン47C及びモノクロボタン47Bを有し、カラー印刷又はモノクロ印刷の開始に用いられる。
液晶ディスプレイ41には、図示するような各種の設定画面だけでなく、カードリーダ部30によって読み取られたメモリカードの画像データも表示される。
次に、図2を参照しながら、複合装置1の各種機能について説明する。以下に説明するように、複合装置1は、主な機能として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能を有する。
コンピュータ3には、複合装置1のプリンタドライバが予めインストールされている。そして、プリンタドライバは、コンピュータ3に、アプリケーションプログラム等で作成された画像データを印刷データに変換させる。この印刷データには、コマンドデータと画素データとが含まれている。コマンドデータは、複合装置1のプリンタ部20を制御するためのデータである。画素データは、印刷画像を構成するドットの有無・色・階調に関するデータであり、CMYK色空間の4階調のデータ(CMYK2ビットデータ)である。そして、プリンタドライバは、コンピュータ3に、印刷データを複合装置1へ送信させる。
このような処理を複合装置1が行うことによって、複合装置1はプリンタとして機能する。
コンピュータ3には、複合装置1のスキャナドライバが予めインストールされている。ユーザは、コンピュータ3上でスキャナドライバの設定を行い、例えば読取解像度や読み取り範囲等の設定を行う。ユーザは、スキャナ部10に原稿をセットした後、コンピュータ上でスキャナドライバによりスキャン開始を指示すると、スキャナドライバは、コンピュータ3に、ユーザの設定内容に応じた制御データを複合装置1へ送信させる。
このような処理を複合装置1が行うことによって、複合装置1はスキャナとして機能する。
ユーザは、パネル部40を操作して設定を行い、例えば紙の大きさ、原稿の大きさ、倍率、コピーモード(はやい/きれい)等の設定を行う。スキャナ部10に原稿をセットした後、ユーザがパネル部40のスタートボタン47を押すと、コピー開始を指示する開始信号がパネル部40からコントローラ60へ送られる。コントローラ60は、ユーザの設定内容に応じた制御データをスキャナ部10へ送信し、スキャナ部10は、制御データに基づいて原稿を読み取り、RGB8ビットデータの画素データから構成される画像データをコントローラ60へ送信する。コントローラ60は、スキャナ部10からの画像データをSDRAM90にバッファする。
このような処理を複合装置1が行うことによって、複合装置1はコピー機として機能する。
<フィルムスキャン>
複合装置1のスキャナ部10は、紙の原稿から画像を読み取るだけでなく、例えば35mmフィルムのようなフィルムから写真画像を読み取ることもできる。
図6は、フィルムホルダの格納場所の説明図である。図7は、フィルムを読み取るためにセットする様子の説明図である。
上蓋11には、原稿マット112の他に、フィルムホルダ114と、透過原稿用光源116が設けられている。ユーザは、上蓋11から原稿マット112を外すと、上蓋11からフィルムホルダ114を取り出すことができる。読み取り対象となるフィルムをセットする際、ユーザは、フィルムホルダ114にフィルムをセットし、フィルムホルダ114を原稿台ガラス12上にセットし、上蓋11を閉じる。このとき、フィルムホルダ114に保持されたフィルムと透過原稿用光源116とが対向し、フィルムから画像を読み取ることが可能な状態になる。
この後の処理は、原稿が紙の場合と同様である。
図8は、スキャナドライバのユーザインターフェイスの説明図である。コンピュータ3のスキャナドライバが起動されると、表示装置6にユーザインターフェイスが表示される。ユーザは、コンピュータ3に接続された入力装置7を用いて、ユーザインターフェイスを介してスキャナドライバの各種設定を行うことができる。
このユーザインターフェイスは、設定保存部と、原稿設定部と、出力設定部と、調整部と、プレビューボタンと、スキャンボタンとから構成される。
ホコリ検出処理は、複合装置1から取得した画像データ(元画像データ)の示す画像(元画像)の中からホコリ画像を検出する処理である。
まず、処理対象となる画像データについて説明し、その後にホコリ検出処理について説明する。
図9は、M×N画素からなる画像の説明図である。画素とは、画像を構成する最小構成要素であり、画像は、2次元マトリクス状に配置された画素によって構成される。図に示された画像は、x方向(水平方向又は横方向)にM画素、y方向(垂直方向又は縦方向)にN画素で配置された画素から構成される。画素位置がx方向i番目・y方向j番目の画素(図中の斜線で示す画素)は、「画素(j,i)」と呼ばれる。なお、画素(j,i)に対応する画素データは、「画素データ(j,i)」と呼ばれる。また、画素データ(j,i)のことをPjiと表記することもある。
図10は、元画像データの示す元画像の一例である。この元画像データは、ヨットハーバーの写真を示している。
一様領域とは、空間周波数の低い画像の領域である。例えば、この画像の左上側の空の画像の領域は、空間周波数の低くなるため、一様領域になる。この一様領域では、被写体の輪郭があまり存在しない。また、一様領域では、隣接する画素の画素データが連続的に変化している。
非一様領域とは、空間周波数の高い画像の領域である。例えば、この画像の下半分の多数のヨットの画像や建物の画像などの領域は、空間周波数が高くなるため、非一様領域になる。この非一様領域では、被写体の輪郭が多数存在する。また、非一様領域では、隣接する画素の画素データが不連続に変化している。
一様領域と非一様領域は、明確に区分けされるわけではない。例えば、空の画像の領域に、ヨットのマストの画像や、ヨットのステー(マストの頂部から張られたワイヤロープ)の画像などが入り込んだりしている。なお、また、元画像に含まれる被写体(ヨット、山、建物、マスト、ステー等)の画像やホコリの画像のことを「オブジェクト画像」とも呼ぶ。
そこで、本実施形態では、非一様領域のホコリ画像は検出せず、一様領域のホコリ画像だけを検出している。
そこで、本実施形態では、ホコリが点状なのか線状なのかに応じて、ホコリの判別方法を変えている。
色変換処理では、コンピュータ3は、RGB色空間の元画像データを、YUV色空間の画像データに変換する。言い換えると、色変換処理では、コンピュータ3は、RGB色空間の画素データを、YUV色空間の画素データに変換する。更に言い換えると、色変換処理では、コンピュータ3は、RGB色空間の元画像を、YUV色空間の画像に変換する。
Y = 0.299R +0.587G +0.114B
U =−0.147R −0.289G +0.437B
V = 0.615R −0.515G −0.100B
エッジ処理では、コンピュータ3は、輝度画像データに基づいて、オブジェクト画像の輪郭を示すエッジ画像データを算出する。言い換えると、エッジ処理では、コンピュータ3は、Yデータに基づいて、オブジェクト画像の輪郭に対応する画素(エッジ画素)を算出する。更に言い換えると、エッジ処理では、コンピュータ3は、輝度画像に基づいて、エッジ画像を算出する。
Gx(j,i)={Y(j-1,i+1)+2×Y(j,i+1)+Y(j+1,i+1)}
−{Y(j-1,i-1)+2×Y(j,i-1)+Y(j+1,i-1)}
G(j,i)=√({Gx(j,i)}^2+{Gy(j,i)}^2)
また、図中の右側の画像は、12×12画素のエッジ画像の例である。ここでは、エッジ画素データが[0]の画素を黒で示し、エッジ画素データが[1]の画素を白で示している。
図中の輝度画像とエッジ画像とを比較すると、輝度画像において白画素及び黒画素の境界と接する画素が、すなわち隣接する画素との輝度差の大きい画素が、エッジ画像において白画素になっていることが分かる。言い換えると、輝度画像のオブジェクト画像の輪郭となる画素が、エッジ画像において白画素になっている。このため、エッジ画素データが[1]の画素(エッジ画像の白画素)は、「エッジ画素」とも呼ばれる。
一様領域では、被写体の輪郭があまり存在しないため、各画素の勾配の強度は低くなるので、エッジ画素データが[0]になる黒画素が多数存在する。この結果、一様領域では、エッジ画像は主に黒画像になる。
また、非一様領域では、被写体の輪郭が多数存在するため、エッジ画素データが[1]になる白画素が多数存在する。この結果、非一様領域では、エッジ画像は白と黒が入り混じった画像になる。
なお、ヨットのマストやステー(ワイヤロープ)の領域では、エッジ処理によって線状の画像が現れる。但し、元画像におけるヨットのマストやステーのオブジェクト画像は細線のため、かすれやすく、エッジ処理によって現れた線状の画像は、一部で断線している。
膨張処理では、コンピュータ3は、エッジ画像における白画素(画素データが[1]の画素)の領域を所定画素分だけ大きくする。言い換えると、膨張処理では、コンピュータ3は、エッジ画像における白画素の示す画像(白画像)を膨張させる。
具体的には、コンピュータ3は、注目画素を中心とするn×n画素(この範囲を「近傍範囲」と呼ぶ)のいずれかの画素の画素データ(エッジ画素データ)が[1]の場合、その注目画素の画素データを[1]にする。言い換えると、コンピュータ3は、注目画素の近傍範囲にエッジ画素が1つでもある場合、その注目画素の画素データを[1]にする。
例えば、近接した2本の白線がエッジ画像にある場合(図17A左側参照)、膨張処理の結果、5画素分の太い白線の画像が現れる(図17A右側参照)。また、小さい穴のリング状の白画像がエッジ画像にある場合(図17B左側参照)、膨張処理の結果、穴の埋まった塊状の白画像が現れる(図17B右側参照)。一方、大きい穴のリング状の白画像がエッジ画像にある場合(図17C左側参照)、膨張処理の結果、穴の小さい幅の太いリング状の白画像が現れる(図17C右側参照)。
侵食処理では、コンピュータ3は、白画素(画素データが[1]の画素)の領域を所定画素分だけ小さくする。言い換えると、侵食処理では、コンピュータ3は、膨張処理後の白画像を侵食させる。
具体的には、コンピュータ3は、注目画素の近傍範囲のいずれかの画素の画素データが[0]の場合、その注目画素に対応する画素データを[0]にする。言い換えると、コンピュータ3は、近傍範囲にエッジ画素以外の画素が1つでもある場合、その注目画素の画素データを[0]にする。
このように、侵食処理を行えば、白画像の外郭が縮小する。
ラベリング処理では、コンピュータ3は、各白画素にラベルを付加することによって、白画素のグループ分けを行う。言い換えると、ラベリング処理では、コンピュータ3は、個々の白画像に対してラベルを付加し、個々の白画像を別々に処理可能な状態にする。
ラベリング処理では、コンピュータ3は、各白画素にラベル(番号)を属性として付加し、連結している白画素に同じラベルを付加することによってグループ分けを行う。具体的には、まず、コンピュータ3は、ラベルの付いていない白画素を検索する。そして、ラベルの付いていない白画素が見つかれば、新しいラベルを付加する。そして、この白画素の4方向に連結している白画素に同じラベルを付加する。更に、同じラベルが付加された白画素の4方向に連結している白画素にも同じラベルを付加する。このような同じラベルを付加する処理を繰り返し、同じラベルを付加できる画素がなくなれば、別のラベルの付いていない白画素を検索し、ラベルの付いていない白画素が見つかれば、新しいラベルを付加し、同様の処理を繰り返す。
孤立点抽出処理では、コンピュータ3は、所定の大きさ以下の白画素の領域を孤立点として抽出する。
まず、コンピュータ3は、同じラベルの付加された白画素を全て抽出する(S161)。そして、コンピュータ3は、白画像を囲む矩形領域を決定する(S162)。具体的には、S161で抽出された全ての白画素のうちのx方向の位置の最大値・最小値及びy方向の位置の最大値・最小値を求め、これらの値に基づいて矩形領域を決定する。
そして、S168の処理の後、又はS166又はS167でNOの場合、又はS163でNOの場合、コンピュータ3は、S161で抽出した白画素に対する処理を終了し、他のラベルの白画素があるか否かを判断する(S169)。もし他のラベルの白画素があれば(S169でYES)、コンピュータ3は、そのラベルの白画素に対して、同様にS161〜S168の処理を行う。また、他のラベルの白画素がなければ(S169でNO)、孤立点抽出処理(図12のS106)を終了する。
つまり、第1白画像W1のような比較的小さい点状画像はホコリ画像と関連しており、第2白画像W2のような線状画像もホコリ画像と関連している。しかし、第3白画像W3は、第2白画像W2と矩形領域の大きさがあまり変わらないが、ホコリ画像と無関係である。
ホコリ除去処理は、ホコリ検出処理の結果に基づいて、元画像のホコリ画像を除去する処理である。言い換えると、元画像のホコリ画像を構成する画素データを、他の画素データに変換する処理である。
ホコリ画像などの欠陥画像を除去するための処理としてボカシ処理が知られている。ボカシ処理では、欠陥画像をぼかすことによって、欠陥画像を目立たなくさせることができる。
しかし、ボカシ処理では欠陥画像以外の画像にも、ボカシ処理の効果が及んでしまう。つまり、ボカシ処理では、被写体の画像を破壊してしまう。
図28Bは、図28Aのホコリ画像に対してボカシ処理を行った結果の画像である。ボカシ処理の効果により、ホコリ画像は目立たなくなっている。しかし、中央のマストの画像が薄くなり、左上から斜め下にあるステーの画像が破断し、右下の建物の窓の画像が薄くなってしまっている。
ホコリ画像を除去するために、メディアンフィルタ処理を利用することができる。メディアンフィルタ処理では、コンピュータ3は、注目画素を中心とするn×n画素の範囲(近傍範囲)の画素データの中央値(メディアン)を、注目画素の画素データにする。以下、この処理について説明する。
図32は、本実施形態のホコリ除去処理のフロー図である。このホコリ除去処理は、スキャナドライバがコンピュータ3にホコリ検出処理後に画像処理させることによって、行われる。つまり、スキャナドライバは、図中の各処理をコンピュータ3に実行させるためのプログラムコードを有する。また、図33A〜図33Cは、本実施形態のホコリ除去処理の様子の説明図である。図34は、近傍画素にフィルタ処理を適用する順序の説明図である。
まず、コンピュータ3は、図34において1番目の画素に対応する画素(2,2)の画素データを、画素(2,2)の近傍範囲のホコリ画素以外の画素データの中央値に置換する(図33A左上図及び右上図)。コンピュータ3は、P11、P12、P13、P21、P22、P23、P31及びP32の8個の画素データのそれぞれの輝度データ(Yデータ)を求め、8個の輝度データの中央値を求め、中央値となる画素の画素データを画素(2,2)の画素データにする。ここでは、画素(2,2)の近傍範囲のホコリ画素以外の画素の数が8個であり偶数であるため、中央値となる画素は2つになる。このため、2つの画素の画素データの平均値を画素(2,2)の画素データにする。画素(2,2)の新しい画素データを「N22」とする(図33A右上図参照)。
一実施形態としての複合装置等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
前述の実施形態では、欠陥画像としてホコリ画像について説明をしているが、欠陥画像はホコリ画像に限られるものではない。例えば、欠陥画像は、元画像に含まれるノイズであっても良い。そして、前述のホコリ検出方法と同様の方法によれば、元画像に含まれるノイズ等の欠陥画像を検出でき、前述のホコリ除去方法と同様の方法によれば、元画像に含まれるノイズ等の欠陥画像を除去できる。
前述の実施形態では、スキャナドライバが、コンピュータ3にホコリ検出処理とホコリ除去処理をさせている。しかし、これに限られるものではない。スキャナドライバとは別の画像処理プログラムがコンピュータ3にインストールされ、この画像処理プログラムが、コンピュータ3にホコリ検出処理とホコリ除去処理をさせても良い。また、ホコリ検出処理を行うためのプログラムとホコリ除去処理を行うプログラムを別々にしても良い。
前述の実施形態では、S302において、コンピュータ3は、注目画素の全ての近傍画素に対してフィルタ処理を行っている。しかし、S302において、コンピュータ3は、注目画素の近傍範囲のうちのホコリ画素に対してのみフィルタ処理を行っても良い。また、S302において、コンピュータ3は、注目画素の近傍範囲のうちの未検索画素に対してのみフィルタ処理を行っても良い。このようにすれば、フィルタ処理の回数を減らすことができ、ホコリ除去処理の処理速度を速くすることができる。
(1)前述の実施形態では、まず、コンピュータ3は、注目画素を決定する(図32のS301)。そして、コンピュータ3は、注目画素を決定した後に、注目画素の近傍画素(注目画素の周囲にある周囲画素)に対してフィルタ処理を行って、近傍画素の画素データ(つまり階調値)を変更する(図32のS302、図33A及び図33B)。そして、コンピュータ3は、フィルタ処理後の近傍画素に基づいて、注目画素の画素データ(つまり階調値)を変更する(図32のS303、図33C左上図及び右上図)。
これにより、注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行う際に、ホコリ画素をホコリ画素で置換する可能性を低くできる(図33C左上図及び右上図)。
このため、前述の実施形態では、注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行う際に、ホコリ画素をホコリ画素で置換する可能性を低くできる(図33C左上図及び右上図)。
ところで、注目画素に対するフィルタ処理は、メディアンフィルタ処理に限られず、例えば、近傍範囲の画素データの平均値を注目画素の画素データにしても良い。但し、メディアンフィルタ処理であれば、注目画素の画素データを、ホコリ画素の影響の無い画素データにすることができるので、望ましい。
これにより、近傍画素に対するフィルタ処理の結果が良質になるので、注目画素に対するメディアンフィルタ処理結果も良質になり、画像処理後の画質が向上する。
そして、前述の実施形態では、検出されるホコリ画素の周囲の画素は一様領域の画素なので、近傍範囲のホコリ画素以外の画素の画素データは近似している。このため、ホコリ画素の画素データはホコリ画素以外の画素データと比べて特異な値になる。従って、注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行う際に、中央値となる画素は、ホコリ画素ではない画素になる可能性が非常に高くなる。つまり、前述の実施形態によれば、ホコリ画素をホコリ画素で置換する可能性を極めて低くできる。
これにより、注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行う際に、ホコリ画素をホコリ画素で置換する可能性を低くできる(図33C左上図及び右上図)。
これにより、注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行う際に、ホコリ画素をホコリ画素で置換する可能性を低くできる(図33C左上図及び右上図)。これにより、前述のコンピュータ3は、画像処理装置として機能する。
10 スキャナ部、11 上蓋、
112 原稿マット、114 フィルムホルダ、116 透過原稿用光源、
12 原稿台ガラス、
20 プリンタ部、21 キャリッジ、22 背面給紙口、23 前面給紙口、
24 排紙トレイ、25 インクカートリッジカバー、26 インクカートリッジ、
30 カードリーダ部、
40 パネル部、41 液晶ディスプレイ、42 電源ボタン、43 設定ボタン、
44 ストップボタン、45 モード選択ボタン、46 カーソル操作ボタン群、
47 スタートボタン、47C カラーボタン、47B モノクロボタン、
45 モード選択ボタン、
60 コントローラ、
90 SDRAM
Claims (9)
- 元画像から欠陥画像を除去する画像処理方法であって、
前記欠陥画像を構成する画素から注目画素を決定した後に、前記注目画素の周囲にある周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って、前記周囲画素の階調値を変更し、
前記メディアンフィルタ処理後の周囲画素を用いて前記注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行って、前記注目画素の階調値を変更する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1に記載の画像処理方法であって、
複数の前記周囲画素に対して前記メディアンフィルタ処理を行う際に、所定の優先順序に従って、各周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行う
ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項2に記載の画像処理方法であって、
前記優先順序は、前記注目画素を決定する際の検索順序に対応して、設定されている
ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項3に記載の画像処理方法であって、
前記注目画素の周囲に第1周囲画素及び第2周囲画素があり、前記第1周囲画素に対して前記メディアンフィルタ処理を行う際に前記第2周囲画素が用いられ、前記第2周囲画素に対して前記メディアンフィルタ処理を行う際に前記第1周囲画素が用いられる場合であって、前記検索順序が前記第1周囲画素の方が前記第2周囲画素よりも早い場合、
前記第1周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って前記第1周囲画素の階調値を変更した後に、前記第2周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って前記第2周囲画素の階調値を変更し、
メディアンフィルタ処理後の前記第1周囲画素及び前記第2周囲画素に基づいて前記注目画素の階調値を変更する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法であって、
前記周囲画素に対する前記メディアンフィルタ処理の際に、前記周囲画素の周囲の欠陥画素以外の画素に基づいて、前記周囲画素の階調値を変更する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理方法であって、
前記注目画素を決定する前に、元画像に対してエッジ処理を行ってエッジ画像を取得し、前記エッジ画像に対して膨張処理を行った後に侵食処理を行った加工画像の中から、所定の大きさ以下の孤立点を検出し、前記孤立点に基づいて前記元画像における欠陥画素の位置を検出し、
前記注目画素を決定する際に、前記欠陥画素の位置に基づいて、前記元画像から前記注目画素を決定する
ことを特徴とする画像処理方法。 - (1)元画像から欠陥画像を除去する画像処理方法であって、
前記欠陥画像を構成する画素から注目画素を決定した後に、前記注目画素の周囲にある周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って、前記周囲画素の階調値を変更し、
前記メディアンフィルタ処理後の周囲画素を用いて前記注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行って、前記注目画素の階調値を変更し、
(2)複数の前記周囲画素に対して前記メディアンフィルタ処理を行う際に、所定の優先順序に従って、各周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行い、
(3)前記優先順序は、前記注目画素を決定する際の検索順序に対応して、設定されており、
(4)前記注目画素の周囲に第1周囲画素及び第2周囲画素があり、前記第1周囲画素に対して前記メディアンフィルタ処理を行う際に前記第2周囲画素が用いられ、前記第2周囲画素に対して前記メディアンフィルタ処理を行う際に前記第1周囲画素が用いられる場合であって、前記検索順序が前記第1周囲画素の方が前記第2周囲画素よりも早い場合、
前記第1周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って前記第1周囲画素の階調値を変更した後に、前記第2周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って前記第2周囲画素の階調値を変更し、
メディアンフィルタ処理後の前記第1周囲画素及び前記第2周囲画素に基づいて前記注目画素の階調値を変更し、
(5)前記周囲画素に対する前記メディアンフィルタ処理の際に、前記周囲画素の周囲の欠陥画素以外の画素に基づいて、前記周囲画素の階調値を変更し、
(6)前記注目画素を決定する前に、元画像に対してエッジ処理を行ってエッジ画像を取得し、前記エッジ画像に対して膨張処理を行った後に侵食処理を行った加工画像の中から、所定の大きさ以下の孤立点を検出し、前記孤立点に基づいて前記元画像における欠陥画素の位置を検出し、
前記注目画素を決定する際に、前記欠陥画素の位置に基づいて、前記元画像から前記注目画素を決定する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 画像処理装置に、元画像から欠陥画像を除去する画像処理を行わせるプログラムであって、
前記画像処理装置に、
前記欠陥画像を構成する画素から注目画素を決定させた後に、前記注目画素の周囲にある周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行わせて、前記周囲画素の階調値を変更させ、
前記メディアンフィルタ処理後の周囲画素を用いて前記注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行わせて、前記注目画素の階調値を変更させる
ことを特徴とするプログラム。 - 演算処理部と記憶部とを備え、元画像から欠陥画像を除去する画像処理を行う画像処理装置であって、
前記演算処理部は、前記記憶部に記憶されたディジタル画像の中の前記欠陥画像を構成する画素から注目画素を決定した後に、前記注目画素の周囲にある周囲画素に対してメディアンフィルタ処理を行って、前記周囲画素の階調値を変更し、
前記演算処理部は、前記メディアンフィルタ処理後の前記周囲画素を用いて前記注目画素に対してメディアンフィルタ処理を行って、前記注目画素の階調値を変更する
ことを特徴とする画像処理装置。
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