JP4196788B2 - 筒形防振マウント - Google Patents
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Description
この例の筒形防振マウントは液室内部に液を封入した液封式の筒形防振マウントの例で、図中200はその筒形防振マウントを表している。
一方内筒部材204には、フランジ部214と同じ側の軸方向の一端に、径方向外方に広がる形態の剛性の拘束板216が設けられており、それらテーパ状のフランジ部214と拘束板216との間に、弾性部206の一部を成すゴム弾性体206Aが配されている。
この特許文献1に開示のものは、自動車のサスペンション等に用いられる筒形防振マウントに関し、フランジ部を一部凹陥させて反対側を突出させた形態のリブを設けて、そのリブに補強効果を持たせたものであるが、このものはフランジ部が本発明の筒形防振マウントのようにテーパ形状をなしているものではなく、その対象において本発明と異なっている。
即ち圧入治具の押込ストロークによる制御に代えて、押込荷重による制御となすことができる。
かかる補強リブを、フランジ部の内周端を超えて軸方向にストレート形状をなす直筒部まで設けること、即ちテーパ状のフランジ部から直筒部にまたがるように設けることも可能であるが、このようにした場合、直筒部を絞り加工する際に補強リブの存在によって絞り加工可能な範囲が制限されてしまう不都合を生ずる。
しかるに請求項2に従ってその補強リブをテーパ状のフランジ部のみに設けておいた場合、そうした不都合を生じることなく外筒部材における直筒部を全長に亘って良好に絞り加工することができる。
かかる筒形防振マウントの場合、圧入によってテーパ状のフランジ部が変形を生じてしまうと、液室の容積を変化させるためのゴム弾性体の変形量に影響が生じ、液の流動による減衰効果が十分に発揮されなくなる恐れがあるが、本発明によればこうした不具合を良好に解決することができる。
図1〜図5において、10は本実施形態の液封式の筒形防振マウントとしてのエンジンマウントで、金具から成る剛性且つ円筒形状の外筒部材12と、同じく金具から成る剛性且つ円筒形状の内筒部材14と、それらを弾性的に連結するゴム弾性体から成る弾性部16とを有しており、その内部に第1液室18と第2液室20及びそれらを連通させるオリフィス通路22が形成されている。
また第2液室20の図中下側の壁は、ゴム弾性体から成る可撓性のダイヤフラム壁26とされている。
このオリフィス通路22は、図1中上段側の環状の第1通路22-1と下段側の環状の第2通路22-2とを有している。
また第1通路22-1と第2通路22-2とは、図4に示しているように斜めに延びる連絡通路32で互いに連絡されている。
また第2液室20内の液はそれとは逆方向の経路で第1液室18へと移動する。
この取付ブラケット34は、取付ボルト38を挿通する固定孔40を有している。
ここでフランジ部42の最外周端部44は、部分的に図1中水平に折れ曲がった形態で形成されている。
ここではかかる補強リブ46が、図2及び図3に示しているように45°間隔で合計8個設けられている。
ここで各補強リブ46は、軸方向に延びる縦の壁部48と軸心と直角方向に延びる底部50とを有しており、その内側に凹陥部49(図1参照)を形成している。
ここで直筒部64は、軸方向にストレートに延びる円筒形状をなしている。
そして外筒部材12におけるテーパ状のフランジ部42とこの拘束板52との間に、弾性部16の一部を成すゴム弾性体16Aが配されている。
このフランジ部42と拘束板52との間に配されたゴム弾性体16Aは、拘束板52側の外面56がフランジ部42とは逆向きで傾斜した略テーパ面をなしている。
尚テーパ状をなすフランジ部42は、そのほぼ全体がゴム弾性体16Aにて被覆されているが、上記の水平に折れ曲がった最外周端部44についてはゴム被覆されておらず、フランジ部42が露出している。
その変形のボリュームは大きく、その変形によるポンプ作用で第1液室18内の液が効果的且つ強制的にオリフィス通路22を通じて第2液室20側へと流動させられる。
そしてその際の液の流動に基づいて大きな振動減衰効果が得られる。
エンジンマウント10はそのような絞り加工を経た後において、相手ブラケット34の筒体36内に圧入される。
具体的には、圧入治具60の押込荷重が予め設定した荷重に到達した時点をもって圧入操作を終了することができる。
12 外筒部材
14 内筒部材
16 弾性部
16A,16B ゴム弾性体
18 第1液室
20 第2液室
34 相手ブラケット
36 筒体
42 フランジ部
44 最外周端部
46 補強リブ
52 拘束板
58 すぐり部
Claims (5)
- 剛性の外筒部材及び内筒部材と、それら外筒部材及び内筒部材を連結するゴム弾性体から成る弾性部とを有するとともに、該外筒部材には軸方向の一方の端部に、他方の端部から軸方向に離れるにつれて拡径するテーパ状のフランジ部が設けられており、該外筒部材において相手ブラケットの筒体内に軸方向に圧入されて嵌合状態に保持される筒形防振マウントにおいて、
前記フランジ部の一部を前記相手ブラケットの筒体側に軸方向に突出させて成り、圧入時に該筒体の軸方向端面に着座して該外筒部材の圧入位置を規定する補強リブを周方向に沿って所定間隔で複数設けてあり、
且つ前記フランジ部と前記内筒部材との間は全周に亘り前記弾性部の一部をなすゴム弾性体にて埋められていて、該ゴム弾性体により該フランジ部の前記相手ブラケットの筒体とは反対側の面が被覆されているとともに、該フランジ部の外周端部については該ゴム弾性体にて被覆されておらず、外部に露出していることを特徴とする筒形防振マウント。 - 請求項1において、前記補強リブは前記テーパ状のフランジ部の外周端より軸心側に引き込んだ内側の部位と内周端との間に設けられており、該フランジ部の外周端が周方向に段差無しに環状に連続していることを特徴とする筒形防振マウント。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記補強リブにおける前記筒体側の端面が、前記外筒部材の軸心と略直角方向の面をなしていることを特徴とする筒形防振マウント。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記内筒部材の前記フランジ部側の軸端には径方向外方に広がった剛性の拘束板が設けてあるとともに、該拘束板と前記テーパ状のフランジ部との間には、該拘束板の該フランジ部側への軸方向の相対変位に伴って該方向に押込変形させられる、前記弾性部の一部を成すゴム弾性体が配置されており、更に該弾性体の軸方向奥部には液を封入した液室が形成してあることを特徴とする筒形防振マウント。
- 請求項4において、前記フランジ部と拘束板との間に位置するゴム弾性体は、該拘束板側の外面が前記テーパ状のフランジ部とは逆向きの略テーパ面をなしていて、該外面と該拘束板の外周部との間に、軸心側に向って軸方向の幅が漸次小となるすぐり部が周方向に連続して環状に形成されていることを特徴とする筒形防振マウント。
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